(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136641
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法、第一の中継装置、第二の中継装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/11 20180101AFI20240927BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240927BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W84/12
H04W92/20 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047812
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117260
【弁理士】
【氏名又は名称】福永 正也
(72)【発明者】
【氏名】西原 健太
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE10
5K067HH22
5K067HH23
5K067HH24
(57)【要約】
【課題】接続先である第二の中継装置のMACアドレスが未知である場合であってもWDSモードで接続することが可能となる通信システム、通信方法、第一の中継装置、第二の中継装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】第一の中継装置は、所定のIPアドレスの入力を受け付け、所定のIPアドレスを設定したスキャンフレームを送信して、近接する第二の中継装置を探索する。第二の中継装置は、スキャンフレームを受信し、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを第一の中継装置へ返信する。第一の中継装置は、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致する場合、受信した応答フレームからMACアドレスを抽出し、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置と通信を確立する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、
前記第一の中継装置は、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段と
を備え、
前記第二の中継装置は、
前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するスキャン受信判断手段と、
該スキャン受信判断手段で前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する応答フレーム生成部と、
生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信する応答送信手段と
を備え、
前記第一の中継装置は、
前記応答フレームを受信する応答受信手段と、
受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記MACアドレス抽出手段は、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、
前記第二の中継装置は、
自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定したビーコンフレームを一定時間間隔で送信するビーコン送信手段を備え、
前記第一の中継装置は、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、
前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、
受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記MACアドレス抽出手段は、前記ビーコンフレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、
前記第一の中継装置は、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段と
を備え、
前記第二の中継装置は、
前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するスキャン受信判断手段と、
該スキャン受信判断手段で前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、
該IPアドレス判断手段で、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致すると判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する応答フレーム生成部と、
生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信する応答送信手段と
を備え、
前記第一の中継装置は、
前記応答フレームを受信する応答受信手段と、
受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記MACアドレス抽出手段は、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、
前記第一の中継装置による、
所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するステップと、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するステップと
を含み、
前記第二の中継装置による、
前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するステップと、
前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成するステップと、
生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信するステップと
を含み、さらに
前記第一の中継装置による、
前記応答フレームを受信するステップと、
受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、
受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するステップと、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップと
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、
前記第二の中継装置による、
自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定したビーコンフレームを一定時間間隔で送信するステップを含み、
前記第一の中継装置による、
所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、
前記ビーコンフレームを受信するステップと、
受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、
受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するステップと、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップと
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項9】
第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、
前記第一の中継装置による、
所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するステップと、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するステップと
を含み、
前記第二の中継装置による、
前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するステップと、
前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、
受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致すると判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成するステップと、
生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信するステップと
を含み、さらに
前記第一の中継装置による、
前記応答フレームを受信するステップと、
受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するステップと、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップと
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項10】
第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置であって、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段と、
前記第二の中継装置から、該第二の中継装置のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを受信する応答受信手段と、
受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段と
を備えることを特徴とする第一の中継装置。
【請求項11】
前記MACアドレス抽出手段は、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することを特徴とする請求項10に記載の第一の中継装置。
【請求項12】
第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置であって、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、
前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、
前記第二の中継装置のIPアドレスがフレーム内の固有データとして設定された、一定時間間隔で送信されたビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、
受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段と
を備えることを特徴とする第一の中継装置。
【請求項13】
前記MACアドレス抽出手段は、前記ビーコンフレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することを特徴とする請求項12に記載の第一の中継装置。
【請求項14】
第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、
前記第一の中継装置を、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段、
前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段、
近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段、
前記第二の中継装置から、該第二の中継装置のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを受信する応答受信手段、
受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段、及び
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、
前記第一の中継装置を、
所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段、
前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段、
前記第二の中継装置のIPアドレスがフレーム内の固有データとして設定された、一定時間間隔で送信されたビーコンフレームを受信するビーコン受信手段、
受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段、
該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段、及び
入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接する中継装置が互いに位置関係が変動する環境下にて、中継装置と通信することが可能に接続されている無線通信端末間で安定した無線通信を行うことが可能な通信システム、通信方法、第一の中継装置、第二の中継装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANを用いて通信を行う場合、通常はIEEE802.11規格に準拠している。無線LANを用いて行われる通信の一態様として、中継装置と、該中継装置に接続されている無線通信端末との間はインフラストラクチャモードで通信を行い、複数の中継装置相互間は無線ディストリビューションシステムモード(Wireless Distribution System:以下、WDSモード)で、それぞれ無線通信が行われることがある。
【0003】
例えば特許文献1には、無線LAN間でデータ通信を行う無線通信システムが開示されている。特許文献1では、送信元無線通信端末からデータ送信リクエストを受信した第一の中継装置が、WDSモードで通信する接続先である第二の中継装置のMACアドレスを特定して、接続先中継装置(すなわち第二の中継装置)と接続されている送信先無線通信端末へデータを送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に開示されている無線通信システムでは、WDSモードで接続する場合に、接続先である第二の中継装置のMACアドレスが必要となる。例えば、WDSモードで無線通信システムを構築したいシステム管理者は、近接する中継装置が複数存在する場合、あるいは複数の中継装置がそれぞれ異なる移動体上に設置されているために複数の中継装置それぞれのMACアドレスを把握できない場合等には、MACアドレスを容易に特定することが出来ず、結果として容易にWDSモードで無線通信システムを構築することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接続先である第二の中継装置のMACアドレスが未知である場合であってもWDSモードで接続することが可能となる通信システム、通信方法、第一の中継装置、第二の中継装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る通信システムは、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、前記第一の中継装置は、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段とを備え、前記第二の中継装置は、前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するスキャン受信判断手段と、該スキャン受信判断手段で前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する応答フレーム生成部と、生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信する応答送信手段とを備え、前記第一の中継装置は、前記応答フレームを受信する応答受信手段と、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る通信システムは、前記MACアドレス抽出手段が、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することが好ましい。
【0009】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る通信システムは、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、前記第二の中継装置は、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定したビーコンフレームを一定時間間隔で送信するビーコン送信手段を備え、前記第一の中継装置は、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る通信システムは、前記MACアドレス抽出手段が、前記ビーコンフレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することが好ましい。
【0011】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る通信システムは、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信システムであって、前記第一の中継装置は、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段とを備え、前記第二の中継装置は、前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するスキャン受信判断手段と、該スキャン受信判断手段で前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、該IPアドレス判断手段で、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致すると判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する応答フレーム生成部と、生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信する応答送信手段とを備え、前記第一の中継装置は、前記応答フレームを受信する応答受信手段と、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る通信システムは、前記MACアドレス抽出手段が、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することが好ましい。
【0013】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る通信方法は、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、前記第一の中継装置による、所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するステップと、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するステップとを含み、前記第二の中継装置による、前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するステップと、前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成するステップと、生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信するステップとを含み、さらに前記第一の中継装置による、前記応答フレームを受信するステップと、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するステップと、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る通信方法は、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、前記第二の中継装置による、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定したビーコンフレームを一定時間間隔で送信するステップを含み、前記第一の中継装置による、所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、前記ビーコンフレームを受信するステップと、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するステップと、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る通信方法は、第一の中継装置と第二の中継装置とがWDSモードで無線通信することが可能な通信方法であって、前記第一の中継装置による、所定のIPアドレスの入力を受け付けるステップと、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するステップと、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するステップとを含み、前記第二の中継装置による、前記スキャンフレームを受信したか否かを判断するステップと、前記スキャンフレームを受信したと判断した場合、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致するか否かを判断するステップと、受信した前記スキャンフレーム内のIPアドレスが、自己のIPアドレスと一致すると判断した場合、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成するステップと、生成された前記応答フレームを前記第一の中継装置へ返信するステップとを含み、さらに前記第一の中継装置による、前記応答フレームを受信するステップと、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するステップと、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る第一の中継装置は、第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置であって、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段と、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段と、前記第二の中継装置から、該第二の中継装置のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを受信する応答受信手段と、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る第一の中継装置は、前記MACアドレス抽出手段が、前記応答フレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することが好ましい。
【0018】
次に、上記目的を達成するために本発明に係る第一の中継装置は、第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置であって、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段と、前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、前記第二の中継装置のIPアドレスがフレーム内の固有データとして設定された、一定時間間隔で送信されたビーコンフレームを受信するビーコン受信手段と、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段と、該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段と、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る第一の中継装置は、前記MACアドレス抽出手段が、前記ビーコンフレームからMACアドレスに対応付けられた識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定することが好ましい。
【0020】
次に、上記目的を達成するために本発明に係るコンピュータプログラムは、第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、前記第一の中継装置を、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段、前記所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成するフレーム生成手段、近接する第二の中継装置を探索する前記スキャンフレームを送信するスキャン送信手段、前記第二の中継装置から、該第二の中継装置のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを受信する応答受信手段、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段、該IPアドレス判断手段が、受信した前記応答フレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記応答フレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段、及び入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
次に、上記目的を達成するために本発明に係るコンピュータプログラムは、第二の中継装置とWDSモードで無線通信することが可能な第一の中継装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、前記第一の中継装置を、所定のIPアドレスの入力を受け付ける入力受付手段、前記ビーコンフレームを受信するビーコン受信手段、前記第二の中継装置のIPアドレスがフレーム内の固有データとして設定された、一定時間間隔で送信されたビーコンフレームを受信するビーコン受信手段、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスが、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致するか否かを判断するIPアドレス判断手段、該IPアドレス判断手段が、受信した前記ビーコンフレーム内のIPアドレスは、前記入力受付手段により入力を受け付けた前記所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、受信した前記ビーコンフレームからMACアドレスを抽出するMACアドレス抽出手段、及び入力を受け付けたIPアドレス及び抽出した前記MACアドレスを用いてWDSモードで前記第二の中継装置と通信を確立する通信確立手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、IPアドレスに基づいて、接続先である第二の中継装置のMACアドレスを特定することができるので、近接する中継装置が複数存在する場合、あるいは複数の中継装置がそれぞれ異なる移動体上に設置されているために複数の中継装置それぞれのMACアドレスを把握できない場合等のようにMACアドレスが不確定の場合であっても、接続先である第二の中継装置のMACアドレスを容易に特定することができ、システム管理者の作業負担を軽減しつつ、WDSモードで無線通信システムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置(第二の中継装置)のCPU(中央演算装置)等を制御部として用いる場合の一構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置及び第二の中継装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置で生成されるスキャンフレームのデータ構成の例示図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る第二の中継装置で生成される応答フレームのデータ構成の例示図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態2に係る第一の中継装置及び第二の中継装置の機能ブロック図である。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る第二の中継装置で生成されるビーコンフレームのデータ構成を示す例示図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係る第一の中継装置の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の他の実施の形態に係る第一の中継装置及び第二の中継装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態に係る通信システムについて、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
【0025】
また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。実施の形態を通じて同じ要素には同一の符号を付している。
【0026】
以下の実施の形態では、コンピュータシステムにコンピュータプログラムを導入した装置について説明するが、当業者であれば明らかな通り、本発明はその一部をコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムとして実施することができる。したがって、本発明は、接続先である第二の中継装置のMACアドレスが不確定である場合であってもWDSモードで接続することが可能となる通信システムというハードウェアとしての実施の形態、ソフトウェアとしての実施の形態、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせの実施の形態をとることができる。コンピュータプログラムは、ハードディスク、DVD、CD、光記憶装置、SDカード等の磁気記憶媒体等の任意のコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に記録することができる。
【0027】
本実施の形態により、IPアドレスに基づいて、接続先である第二の中継装置のMACアドレスを特定することができるので、近接する中継装置が複数存在する場合、あるいは複数の中継装置がそれぞれ異なる移動体上に設置されているために複数の中継装置それぞれのMACアドレスを把握できない場合等のようにMACアドレスが不確定の場合であっても、接続先である第二の中継装置のMACアドレスを容易に特定することができ、システム管理者の作業負担を軽減しつつ、WDSモードで無線通信システムを構築することが可能となる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る通信システムについて、図面を参照して説明する。なお、参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように本発明の実施の形態1に係る通信システム10は、一又は複数の端末装置3と通信することが可能に有線又は無線で接続されている第一の中継装置1と、一又は複数の端末装置4と通信することが可能に有線又は無線で接続されている第二の中継装置2とが、WDSモードで無線通信できるよう接続可能となっている。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置1(第二の中継装置2)のCPU(中央演算装置)等を制御部として用いる場合の一構成例を示すブロック図である。
図2において、本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置1(第二の中継装置2)は、少なくともCPU(中央演算装置)等の制御部11(21)、メモリ12(22)、記憶装置13(23)、可搬型ディスクドライブ16(26)、通信インタフェース17(27)、及び上述したハードウェアを接続する内部バス18(28)で構成されている。
【0031】
制御部11(12)は、内部バス18(28)を介して第一の中継装置1(第二の中継装置2)の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13(23)に記憶されているコンピュータプログラム5に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12(22)は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム5の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム5の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0032】
記憶装置13(23)は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ)、ROM等で構成されている。コンピュータプログラム5は、本発明の実施の形態1の記憶装置13(23)に事前に記憶されていても良いし、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD-ROM、フラッシュメモリ、SDカード等の可搬型記録媒体6から、可搬型ディスクドライブ16(26)によりダウンロードされて記憶装置13(23)に記憶しても良い。コンピュータプログラム5は、実行時には記憶装置13(23)からメモリ12(22)へ展開して実行される。コンピュータプログラム5は、もちろん通信インタフェース17(27)を介して外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0033】
記憶装置13(23)は、それぞれの中継装置に有線又は無線で通信することが可能に接続されている一又は複数の端末装置3(4)のIPアドレス及びMACアドレスを対応付けて記憶する端末アドレス記憶部131(231)を備えている。事前に接続対象となる端末装置3(4)のIPアドレス及びMACアドレスを記憶しておいても良いし、リアルタイムで接続されている端末装置3(4)のIPアドレス及びMACアドレスへと更新して記憶するようにしても良い。
【0034】
通信インタフェース17(27)は内部バス18(28)に接続されており、インターネット、有線LAN又は無線LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、一又は複数の端末装置3(4)、第二(第一)の中継装置2(1)、及び他の中継装置等とデータ送受信を行うことが可能となっている。第一の中継装置1及び第二の中継装置2のパラメータ設定や、記憶装置13(23)に記憶するデータは、主として通信インタフェース17(27)を介して通信することが可能に接続されている外部コンピュータから行われる。
【0035】
上述のように、第一の中継装置1と第二の中継装置2とでは、ハードウェア構成に基本的な違いはない。もちろん、
図2に示すように、第一の中継装置1(第二の中継装置2)が、入出力インタフェース14(24)、ビデオインタフェース15(25)を備えており、それぞれに接続されている液晶パネル等を有するタッチディスプレイ7上の操作により、パラメータ設定やデータ記憶を行うことができるようにしても良い。なお、入出力インタフェース14(24)、ビデオインタフェース15(25)は、第一の中継装置1(第二の中継装置2)に必ずしも備わっている必要はない。例えば通信インタフェース17(27)と接続される、システム管理者が用いる通信端末から当該パラメータ設定やデータ記憶を行っても良い。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置1及び第二の中継装置2の機能ブロック図である。
図3では、第一の中継装置1から第二の中継装置2へとWDSモードによる通信システム10を構築するシーケンスについて
図4も参照しながら説明する。
【0037】
第一の中継装置1の入力受付部101は、ユーザ又は管理者からの、WDSモードによる通信の相手先となる第二の中継装置に設定されているIPアドレス(所定のIPアドレス)の入力を受け付ける。所定のIPアドレスは、当該第一の中継装置1と通信することが可能に接続されている端末装置から入力を受け付ければ良い。もちろん、当該第一の中継装置1がタッチディスプレイ7等を備えている場合には直接の入力を受け付けても良い。入力受付部101は、制御部11、タッチディスプレイ7、ビデオインタフェース15及び通信インタフェース17等により実現される。
【0038】
第一の中継装置1のフレーム生成部102は、入力を受け付けた所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成する。ここで、
図4は、本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置1で生成されるスキャンフレームのデータ構成の例示図である。
図4(a)は、スキャンフレームのデータ構成の例示図を、
図4(b)は、IEEE802.11のフレームフォーマットの例示図を、それぞれ示している。
図4(a)に示すように、第一の中継装置1は、入力を受け付けたIPアドレスを、
図4(b)で示されているデータ領域42のうちのプライベート領域41に設定したスキャンフレームを生成する。フレーム生成部102は、制御部11、記憶装置13、メモリ12等により実現される。
【0039】
図3に戻って、スキャン送信部103は、近接する第二の中継装置2を探索するために、フレーム生成部102で生成されたスキャンフレームを自装置(第一の中継装置1)の周囲に向けてブロードキャストで送信する。送信先は、ブロードキャスト送信となるので、特定されるものではない。スキャン送信部103は、制御部11、記憶装置13、メモリ12及び通信インタフェース17等により実現される。
【0040】
当該スキャンフレームの送信先MACアドレスは、IEEE802.11のフレームフォーマットのIEEE802.11ヘッダ43に設定される。すなわち、
図4(b)に示すフレームフォーマットのうち、Address1格納領域44には、ブロードキャスト送信時に使用する「FF:FF:FF:FF:FF:FF」が設定され、Address2格納領域45には、送信元である第一の中継装置1のMACアドレスが設定される。
【0041】
図3に戻って、第二の中継装置2のスキャン受信判断部201は、第一の中継装置1からのスキャンフレームを受信したか否かを判断する。スキャン受信判断部201が、スキャンフレームを受信したと判断した場合、応答フレーム生成部202は、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する。スキャン受信判断部201及び応答フレーム生成部202は、制御部21、記憶装置23、メモリ22及び通信インタフェース27等により実現される。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態1に係る第二の中継装置2で生成される応答フレームのデータ構成の例示図である。ここで、
図5(a)は、応答フレームのデータ構成の例示図を、
図5(b)は、IEEE802.11のフレームフォーマットの例示図を、それぞれ示している。
図5(a)に示すように、スキャンフレームを受信したと判断した第二の中継装置2は、自己のIPアドレスを、
図5(b)に示すデータ領域52のプライベート領域51に設定した応答フレームを生成する。
【0043】
図3に戻って、応答送信部203は、応答フレーム生成部202で生成された応答フレームを、スキャンフレームの送信元である第一の中継装置1へ返信する。応答送信部203は、制御部21、記憶装置23、メモリ22及び通信インタフェース27等により実現される。
【0044】
当該応答フレームの送信元MACアドレスは、IEEE802.11のフレームフォーマットのIEEE802.11ヘッダ53に設定される。すなわち、
図5(b)に示すフレームフォーマットのうち、Address1格納領域54には、スキャンフレームの送信元(応答フレームの送信先)である第一の中継装置1のMACアドレスが設定され、Address2格納領域55には、応答フレームの送信元である第二の中継装置1のMACアドレスが設定される。
【0045】
図3に戻って、第一の中継装置の応答受信部104は、第二の中継装置2からの応答フレームを受信する。IPアドレス判断部105は、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致するか否かを判断する。応答受信部104は、制御部11、記憶装置13、メモリ12及び通信インタフェース17等により実現される。
【0046】
IPアドレス判断部105が、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、MACアドレス抽出部106は、受信した応答フレームからMACアドレスを抽出する。具体的には、
図5(b)に示すフレームフォーマットのAddress2格納領域55に設定されているMACアドレスを抽出する。
【0047】
一方、IPアドレス判断部105が、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致していないと判断した場合、当該受信した応答フレームを破棄し、応答受信部104に他の応答フレームの受信待ち状態になるように通知する。
【0048】
ここで、スキャン送信部103から送信されたスキャンフレームに対する応答フレームは、第二の中継装置が複数存在する場合には複数存在する。すなわち、応答受信部104は、複数の応答フレームを受信することが考えられる。
【0049】
そこで、例えば、IPアドレス判断部105が、応答受信部104が受信した他の受信済み応答フレームについても同様にIPアドレスと所定のIPアドレスと一致するか否かについて判断しても良い。所定のIPアドレスと一致する応答フレームが見つからない場合は、フレーム生成部102で生成されたスキャンフレームをスキャン送信部103から再度送信するよう指示しても良いし、入力受付部101によるユーザ又は管理者からの所定のIPアドレスの入力の待機状態としても良い。なお、IPアドレス判断部105及びMACアドレス抽出部106は、制御部11、記憶装置13、メモリ12等により実現される。
【0050】
なお、IEEE802.11のフレームフォーマットでは、MACアドレスそのものではなく、通常はMACアドレスに対応付けられた固有の識別情報が設定されている。したがって、Address2格納領域55には、第二の中継装置2のMACアドレスに対応付けられた識別情報が設定されているので、当該識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定すれば良い。
【0051】
通信確立部107は、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置2との間で通信を確立する。具体的には、第一の中継装置1の通信確立部107と第二の中継装置の通信確立部204との間で、通信を確立するために用いる使用チャネル、変調方式、MACアドレスの相互確認を行う、認証プロセス、アソシエーションプロセスを経て、通信が確立され、これ以後はデータ通信へと移行する。なお、認証プロセス以降は周知のプロセスであれば特に限定されないことから、詳細な説明は省略する。通信確立部107及び通信確立部204は、制御部11(21)、記憶装置13(23)、メモリ12(22)、通信インタフェース17(27)等により実現される。
【0052】
図6は、本発明の実施の形態1に係る第一の中継装置1が第二の中継装置2との間で通信を確立するまでの制御部11の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、第一の中継装置1の制御部11は、所定のIPアドレスの入力(例えばシステム管理者等からの入力)を受け付ける(ステップS601)。
【0053】
制御部11は、入力を受け付けた所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成して(ステップS602)、生成されたスキャンフレームを送信する(ステップS603)。送信先は、ブロードキャスト送信となるので、特定されるものではない。
【0054】
制御部11は、第二の中継装置2で生成された、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを受信する(ステップS604)。制御部11は、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致するか否かを判断する(ステップS605)。
【0055】
制御部11が、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致しないと判断した場合(ステップS605:NO)、制御部11は、処理をステップS604へ戻して、他の応答フレームの受信待ち状態となる。制御部11が、受信した応答フレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致すると判断した場合(ステップS605:YES)、制御部11は、受信した応答フレームからMACアドレスを抽出する(ステップS606)。
【0056】
制御部11は、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置2と通信を確立する(ステップS607)。なお、通信の確立後、第二の中継装置2との通信が終了した場合、第一の中継装置は、ユーザもしくは管理者によるIPアドレスの入力、又は他の中継装置(新たな第一の中継装置)からのスキャンフレームの待機状態となる。
【0057】
以上のように本実施の形態1では、IPアドレスに基づいて、接続先である第二の中継装置2のMACアドレスを特定することができるので、近接する中継装置が複数存在する場合、あるいは複数の中継装置がそれぞれ異なる移動体上に設置されているために複数の中継装置それぞれのMACアドレスを把握できない場合等のようにMACアドレスが不確定の場合であっても、接続先である第二の中継装置2のMACアドレスを容易に特定することができ、システム管理者の作業負担を軽減しつつ、WDSモードで無線通信システムを構築することが可能となる。
【0058】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る通信システム10の構成、及び本発明の実施の形態2に係る通信システム10の第一の中継装置1(第二の中継装置2)のCPU(中央演算装置)等を制御部として用いる場合の一構成例を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるので、同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。本実施の形態2は、第一の中継装置1がスキャンフレームを送信する代わりに、第二の中継装置2から一定の時間間隔でビーコンフレームが発信される点で実施の形態1と相違する。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態2に係る第一の中継装置1及び第二の中継装置2の機能ブロック図である。
図7では、第一の中継装置1から第二の中継装置2へとWDSモードによる通信システム10を構築するシーケンスについて
図8も参照しながら説明する。
【0060】
第一の中継装置1の入力受付部101は、WDS通信の相手先となる第二の中継装置2に設定されているIPアドレス(所定のIPアドレス)の入力を受け付ける。所定のIPアドレスは、当該第一の中継装置1と通信することが可能に接続されている端末装置から入力を受け付ければ良い。もちろん、当該第一の中継装置1がタッチディスプレイ7等を備えている場合には直接の入力を受け付けても良い。
【0061】
第二の中継装置2のビーコン送信部205は、接続可能状態にあることを知らせるビーコンフレームを送信する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る第二の中継装置2で生成されるビーコンフレームのデータ構成を示す例示図である。
図8(a)は、ビーコンフレームのデータ構成の例示図を、
図8(b)は、IEEE802.11のフレームフォーマットの例示図を、それぞれ示している。
図8(a)に示すように、第二の中継装置2は、自己のIPアドレスを、
図8(b)で示すデータ領域82のうちのビーコンフレームのプライベート領域81に設定する。ビーコン送信部205は、制御部22、記憶装置23、メモリ22、及び通信インタフェース27等により実現される。
【0062】
そして、第二の中継装置2は、生成されたビーコンフレームを一定の時間間隔(例えば100msec等)で送信する。ビーコンフレームは、実施の形態1と同様、
図8(b)に示すIEEE802.11のフレームフォーマットのデータ領域82に組み込まれる。送信先は、ブロードキャスト送信となるので、特定されるものではない。
【0063】
当該ビーコンフレームの送信先MACアドレスは、IEEE802.11のフレームフォーマットのIEEE802.11ヘッダ83に設定される。すなわち、
図8(b)に示すフレームフォーマットでは、送信先を格納するAddress1格納領域44には、ビーコンフレーム用の「FF:FF:FF:FF:FF:FF」が設定され、Address2格納領域85には、送信元である第二の中継装置2のMACアドレスが設定される。
【0064】
図7に戻って、第一の中継装置のビーコン受信部108は、第二の中継装置2からのビーコンフレームを受信する。IPアドレス判断部105は、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致するか否かを判断する。ビーコン受信部108は、制御部11、記憶装置13、メモリ12、及び通信インタフェース17等により実現される。
【0065】
IPアドレス判断部105が、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致していると判断した場合、MACアドレス抽出部106は、受信したビーコンフレームからMACアドレスを抽出する。具体的には、
図8(b)に示すフレームフォーマットのAddress2格納領域85に設定されているMACアドレスを抽出する。一方、IPアドレス判断部105が、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力受付部101により入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致していないと判断した場合、当該受信したビーコンフレームを破棄し、ビーコン受信部108に他のビーコンフレームの受信待ち状態になるように通知する。IPアドレス判断部105及びMACアドレス抽出部106は、制御部11、記憶装置13、メモリ12等により実現される。
【0066】
なお、IEEE802.11のフレームフォーマットでは、MACアドレスそのものではなく、通常はMACアドレスに対応付けられた固有の識別情報が設定されている。したがって、Address2格納領域85には、第二の中継装置2のMACアドレスに対応付けられた識別情報が設定されているので、識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定すれば良い。
【0067】
通信確立部107は、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置2との間で通信を確立する。具体的には、第一の中継装置1の通信確立部107と第二の中継装置の通信確立部204との間で、通信を確立するために用いる使用チャネル、変調方式、MACアドレスの相互確認を行う、認証プロセス、アソシエーションプロセスを経て、通信が確立され、これ以後はデータ通信へと移行する。なお、認証プロセス以降は周知のプロセスであれば特に限定されないことから、詳細な説明は省略する。通信確立部107及び通信確立部204は、制御部11(21)、記憶装置13(23)、メモリ12(22)、通信インタフェース17(27)等により実現される。
【0068】
図9は、本発明の実施の形態2に係る第一の中継装置1と第二の中継装置2との間で通信を確立するまでの制御部11の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、第一の中継装置1の制御部11は、所定のIPアドレスの入力(例えばシステム管理者等からの入力)を受け付ける(ステップS901)。
【0069】
制御部11は、第二の中継装置2で生成された、自己のIPアドレスをフレーム内の固有データとして設定したビーコンフレームを受信する(ステップS902)。制御部11は、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致するか否かを判断する(ステップS903)。
【0070】
制御部11が、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致しないと判断した場合(ステップS903:NO)、制御部11は、処理をステップS902へ戻して、他のビーコンフレームの受信待ち状態となる。制御部11が、受信したビーコンフレーム内のIPアドレスが、入力を受け付けた所定のIPアドレスと一致すると判断した場合(ステップS903:YES)、制御部11は、受信したビーコンフレームからMACアドレスを抽出する(ステップS904)。
【0071】
制御部11は、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置2と通信を確立する(ステップS905)。なお、通信の確立後、第二の中継装置2との通信が終了した場合、第一の中継装置は、ユーザもしくは管理者によるIPアドレスの入力、又は他の中継装置(新たな第一の中継装置)からのスキャンフレームの待機状態となる。
【0072】
以上のように本実施の形態2では、IPアドレスを指定したビーコンフレームを用いることで、接続先である第二の中継装置2のMACアドレスを特定することができるので、近接する中継装置が複数存在する場合、あるいは複数の中継装置がそれぞれ異なる移動体上に設置されているために複数の中継装置それぞれのMACアドレスを把握できない場合等のようにMACアドレスが不確定の場合であっても、接続先である第二の中継装置2のMACアドレスを容易に特定することができ、システム管理者の作業負担を軽減しつつ、WDSモードで無線通信システムを構築することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば、実施の形態1では、スキャンフレームを送信した第一の中継装置1が、一又は複数の第二の中継装置2から返信された応答フレームに含まれるIPアドレスが入力を受け付けたIPアドレスと同一であるか否かを判断しているが、第二の中継装置2側において、自機で受信したスキャンフレームに含まれるIPアドレスが自機に設定されているIPアドレスと同一であるか否かを判断し、同一であると判断した場合にのみ、第一の中継装置1に応答フレームを返信する形態としても良い。この場合も実施の形態1と同様の効果を奏することが期待できる。
【0074】
図10は、本発明の他の実施の形態に係る第一の中継装置1及び第二の中継装置2の機能ブロック図である。
図10においても、第一の中継装置1から第二の中継装置2へとWDSモードによる通信システム10を構築するシーケンスについて説明する。
【0075】
第一の中継装置1の入力受付部101は、ユーザ又は管理者からの、WDSモードによる通信の相手先となる第二の中継装置に設定されているIPアドレス(所定のIPアドレス)の入力を受け付ける。所定のIPアドレスは、当該第一の中継装置1と通信することが可能に接続されている端末装置から入力を受け付ければ良い。もちろん、当該第一の中継装置1がタッチディスプレイ7等を備えている場合には直接の入力を受け付けても良い。入力受付部101は、制御部11、タッチディスプレイ7、ビデオインタフェース15及び通信インタフェース17等により実現される。
【0076】
第一の中継装置1のフレーム生成部102は、入力を受け付けた所定のIPアドレスを無線フレームに設定したスキャンフレームを生成する。生成されるスキャンフレームのデータ構成は実施の形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。フレーム生成部102は、制御部11、記憶装置13、メモリ12等により実現される。
【0077】
スキャン送信部103は、近接する第二の中継装置2を探索するために、フレーム生成部102で生成されたスキャンフレームを自装置(第一の中継装置1)の周囲に向けてブロードキャストで送信する。送信先は、ブロードキャスト送信となるので、特定されるものではない。スキャン送信部103は、制御部11、記憶装置13、メモリ12及び通信インタフェース17等により実現される。
【0078】
第二の中継装置2のスキャン受信判断部201は、第一の中継装置1からのスキャンフレームを受信したか否かを判断する。スキャン受信判断部201が、スキャンフレームを受信したと判断した場合、IPアドレス判断部205は、受信したスキャンフレーム内のIPアドレスが、自機(第二の中継装置2)のIPアドレスと一致するか否かを判断する。
【0079】
IPアドレス判断部205が、受信したスキャンフレーム内のIPアドレスが、自機(第二の中継装置2)のIPアドレスと一致しないと判断した場合、IPアドレス判断部205は、当該受信したスキャンフレームを破棄する。受信したスキャンフレーム内のIPアドレスが、自機(第二の中継装置2)のIPアドレスと一致すると判断した場合、応答フレーム生成部202は、受信したスキャンフレームに格納されているIPアドレスと自己のIPアドレスとが同一であるので、これをフレーム内の固有データとして設定した応答フレームを生成する。応答フレームのデータ構成についても実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。スキャン受信判断部201、IPアドレス判断部205及び応答フレーム生成部202は、制御部21、記憶装置23、メモリ22及び通信インタフェース27等により実現される。
【0080】
応答送信部203は、応答フレーム生成部202で生成された応答フレームを、スキャンフレームの送信元である第一の中継装置1へ返信する。応答送信部203は、制御部21、記憶装置23、メモリ22及び通信インタフェース27等により実現される。
【0081】
第一の中継装置の応答受信部104は、第二の中継装置2からの応答フレームを受信する。MACアドレス抽出部106は、受信した応答フレームからMACアドレスを抽出する。応答受信部104及びMACアドレス抽出部106は、制御部11、記憶装置13、メモリ12及び通信インタフェース17等により実現される。
【0082】
なお、IEEE802.11のフレームフォーマットでは、MACアドレスそのものではなく、通常はMACアドレスに対応付けられた固有の識別情報が設定されている。したがって、Address2格納領域55には、第二の中継装置2のMACアドレスに対応付けられた識別情報が設定されているので、当該識別情報を抽出し、抽出された識別情報に基づいてMACアドレスを特定すれば良い。
【0083】
通信確立部107は、入力を受け付けたIPアドレス及び抽出したMACアドレスを用いてWDSモードで第二の中継装置2との間で通信を確立する。具体的には、第一の中継装置1の通信確立部107と第二の中継装置の通信確立部204との間で、通信を確立するために用いる使用チャネル、変調方式、MACアドレスの相互確認を行う、認証プロセス、アソシエーションプロセスを経て、通信が確立され、これ以後はデータ通信へと移行する。なお、認証プロセス以降は周知のプロセスであれば特に限定されないことから、詳細な説明は省略する。通信確立部107及び通信確立部204は、制御部11(21)、記憶装置13(23)、メモリ12(22)、通信インタフェース17(27)等により実現される。
【0084】
また、本発明のIPアドレスは、事前に各中継装置に割り当てられているものとする。ただし、MACアドレスと1対1に対応付けられている必要はなく、例えば複数の車両が連結された連結車両ごとに固有のIPアドレスを割り当てておいても良い。この場合、車両の連結順序や連結されている車両が変更された場合であっても、IPアドレスに基づいて近接車両に搭載されている中継装置のMACアドレスを確実に抽出することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 第一の中継装置
2 第二の中継装置
11、21 制御部
12、22 メモリ
13、23 記憶装置
16、26 ディスクドライブ
17、27 通信インタフェース
18、28 内部バス