(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136682
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】端部封止方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/24 20140101AFI20240927BHJP
B23K 26/0622 20140101ALI20240927BHJP
B23K 26/073 20060101ALI20240927BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20240927BHJP
【FI】
B23K26/24
B23K26/0622
B23K26/073
B23K26/21 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047869
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】394021638
【氏名又は名称】トリックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(74)【代理人】
【識別番号】100228038
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】五家 秀樹
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA06
4E168BA12
4E168BA22
4E168DA34
4E168DA36
4E168DA43
(57)【要約】
【課題】締結部の先端を封止するとともにボルト等が差込まれる締結孔もその端面から封止して、パイプ端部への水等の侵入を完全に防止することができる。
【解決手段】パイプ端部を扁平に圧潰して形成され他の部品40と当接される締結座面11、前記締結座面の先端に形成される扁平端部12、及び前記締結座面に設けられる締結孔13を備える締結部10が設けられるパイプ部品1の端部封止方法であって、前記扁平端部の端面にハイプの軸方向からレーザー光31を照射して溶接し、前記扁平端部の端面24をそのエッジ20,21の溶け落ちなく封止する扁平端部封止工程と、前記締結孔の端面25に倒れ角度をもってレーザー光31を照射して溶接し、前記締結孔の端面をそのエッジ22,23の溶け落ちなく封止する締結孔封止工程と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ端部を扁平に圧潰して形成され他の部品と当接される締結座面、前記締結座面の先端に形成される扁平端部、及び前記締結座面に設けられる締結孔を備える締結部が設けられるパイプ部品の端部封止方法であって、
前記扁平端部の端面にハイプの軸方向からレーザー光を照射して溶接し、前記扁平端部の端面をそのエッジの溶け落ちなく封止する扁平端部封止工程と、
前記締結孔の端面に倒れ角度をもってレーザー光を照射して溶接し、前記締結孔の端面をそのエッジの溶け落ちなく封止する締結孔封止工程と、
を備えることを特徴とする端部封止方法。
【請求項2】
前記レーザー光の断面がリング状であるリングモードで照射されている請求項1に記載の端部封止方法。
【請求項3】
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、集光レンズ焦点距離に対して5~8%の焦点外し距離を加えた状態で照射され、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、集光レンズ焦点距離に対して4~6%の焦点外し距離を加えた状態で照射されている請求項1又は2に記載の端部封止方法。
【請求項4】
前記レーザー光がパルス発振制御されている請求項3に記載の端部封止方法。
【請求項5】
前記パルス発振制御の条件が、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、発振周波数が20~30Hz、かつデューティ比が20~30%であり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、発振周波数が5~10Hz、かつデューティ比が10~20%である請求項4に記載の端部封止方法。
【請求項6】
前記レーザー光の加工速度が、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、40~60cm/minであり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、10~20cm/minである請求項5に記載の端部封止方法。
【請求項7】
前記パイプ部品に用いられるパイプの肉厚が1.2~1.6mmであり、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光の出力が1700~1900ワットであり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光の出力が1400~1600ワットである請求項6に記載の端部封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ部品の端部から水が侵入したり空気が出入りしたりしないように封止する端部封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2002-035850号公報(特許文献1)に、パイプ先端の扁平圧潰端面の被封止部分全域に亘って長楕円ビームによるレーザー光を照射して前記被封止部分の全体を一気に溶接封止し、一発照射でオイル充填用パイプの先端を完全封止するパイプの封止方法が開示されている。
【0003】
また、特開2003-145220号公報(特許文献2)に、真っ直ぐに伸びた金属パイプ材の両端部又はその近傍を押し潰すと共にその押し潰した部位に溶接を施すことにより、当該金属パイプ材の両端部又はその近傍を封止して当該金属パイプ材の内部を密閉空間化する密閉化工程を備えるパイプ状衝突補強材の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-035850号公報
【特許文献2】特開2003-145220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている技術は、オイル充填用のパイプの封止方法である。このため、パイプの端部と他の部品とを締結するための締結部を備えず、ボルト等が差込まれる締結孔も存在しない。従って、締結孔に関する封止についての記載はない。また、パイプの端部を他の部品との当接面として用いることもないため、溶接部分の品質についての記載も無い。特許文献2に開示されている技術においても同様である。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、締結部の先端を封止するとともにボルト等が差込まれる締結孔もその端面から封止して、パイプ端部への水等の侵入を完全に防止することができる端部封止方法を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、溶接された端面のエッジ部分の溶け落ちがなく、他の部品と当接される締結座面の平面を維持したパイプ部品とする端部封止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の端部封止方法は、
パイプ端部を扁平に圧潰して形成され他の部品と当接される締結座面、前記締結座面の先端に形成される扁平端部、及び前記締結座面に設けられる締結孔を備える締結部が設けられるパイプ部品の端部封止方法であって、
前記扁平端部の端面にハイプの軸方向からレーザー光を照射して溶接し、前記扁平端部の端面をそのエッジの溶け落ちなく封止する扁平端部封止工程と、
前記締結孔の端面に倒れ角度をもってレーザー光を照射して溶接し、前記締結孔の端面をそのエッジの溶け落ちなく封止する締結孔封止工程と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の端部封止方法によれば、扁平端部の端面と締結孔の端面とをレーザー溶接によって封止している。このため、パイプの中はおろか締結孔の周囲においても水の浸入や空気の出入りがなくなる。これにより、パイプ内部の腐食を防止できる。また、レーザー溶接による端面のエッジの溶け落ちもない。このため、ボルト等の締結具で締結部を他の部品に当接させて締結するとき、締結部と他の部品とが密着するともに他の部品に損傷を与えることがない。また、締結座面の平面度が保たれるため、安定したボルトの軸力を得ることができる。
【0009】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記レーザー光の断面がリング状であるリングモードで照射されている。
【0010】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、集光レンズ焦点距離に対して5~8%の焦点外し距離を加えた状態で照射され、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、集光レンズ焦点距離に対して4~6%の焦点外し距離を加えた状態で照射されている。
【0011】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記レーザー光がパルス発振制御されている。
【0012】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記パルス発振制御の条件が、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、発振周波数が20~30Hz、かつデューティ比が20~30%であり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、発振周波数が5~10Hz、かつデューティ比が10~20%である。
【0013】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記レーザー光の加工速度が、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光が、40~60cm/minであり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光が、10~20cm/minである。
【0014】
本発明の端部封止方法の好ましい例は、
前記パイプ部品に用いられるパイプの肉厚が1.2~1.6mmであり、
前記扁平端部の端面に照射される前記レーザー光の出力が1700~1900ワットであり、
前記締結孔の端面に照射される前記レーザー光の出力が1400~1600ワットである。
【0015】
これらの本発明の端部封止方法の好ましい例によれば、レーザー光の条件を最適化しており、端面におけるエッジの溶け落ちをより効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明の端部封止方法によれば、締結部の先端を封止するとともにボルト等が差込まれる締結孔も封止して、パイプ端部への水等の侵入を完全に防止することができる。また、溶接された端面のエッジ部分の溶け落ちがなく、他の部品と当接される締結座面の平面を維持したパイプ部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図6】レーザー光のパルス発振制御を説明する図である。
【
図7】パルス発振制御されたレーザー光が扁平端部に照射される状態を模式的に表わした図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る端部封止方法の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
先に、
図1ないし
図3を参照して、加工対象品であるパイプ部品1の構成を説明する。パイプ部品1はその端部に他の部品40と締結される締結部10を備える。この締結部10は、締結座面11、扁平端部12、締結孔13、立縁部14を備える。締結座面11は、他の部品40とその広い面ws(裏面)が当接されるもので、パイプ端部を扁平に圧潰して形成される。扁平端部12は、締結座面11の先端に設けられ、正面から見て一文字状に形成される箇所である。締結孔13は、締結座面11の略中央に設けられる貫通孔であり、ボルト41等が通される。この締結孔13の周囲にはボルト41、ナット、又は座金42が当接される座面部15が設けられる。もっともこの座面部15は締結座面11の他の部分とその構成が変わるわけではなく、便宜上ハッチングで表わしている。立縁部14は、締結座面11の左右両端に設けられるリブ状のものである。この立縁部14は、締結座面11の途中まで形成されている。また、本実施形態に用いられるパイプ部品1の材質は、例えば鉄を主成分とした金属が用いられ、鋼等が採用される。このパイプ部品1の肉厚t(
図4(B)参照)は1.2~1.6mmである。よって、扁平端部12そのものの厚さは前記肉厚tを2倍した2.4~3.2mmである。
【0020】
次に、
図1ないし
図6を参照して、端部封止方法の実施形態を説明する。本実施形態の端部封止方法は、扁平端部封止工程と、締結孔封止工程とを備える。この扁平端部封止工程と締結孔封止工程は、どちらを先にしても構わない。
【0021】
扁平端部封止工程は、扁平端部12の端面にハイプの軸方向からトーチ30から出されたレーザー光31を照射して溶接し、前記扁平端部12の端面24をそのエッジ20,21の溶け落ちなく封止するものである。この軸方向とは、
図2の矢印a及び
図4(A)に示すように、扁平端部12の広い面に沿った方向を意図する。締結孔封止工程は、締結孔13の端面25に倒れ角度をもってトーチ30から出されたレーザー光31を照射して溶接し、前記締結孔13の端面25をそのエッジ22,23の溶け落ちなく封止するものである。倒れ角度とは、
図4(B)に示すように、レーザー光31が溶接する側と反対側の締結孔13のエッジ22に照射されないよう、締結座面11に対して角度θを持たせることである。本実施形態では、角度θを40度としている。この角度θは、締結孔13反対側の端面エッジ22に影響が出ない範囲で小さくすることが好ましい。理由は、角度θが大きくなると、締結孔13の端面25に照射されるレーザー光31が広い面積に照射されることで、エッジ22,23の溶け落ちが発生したり、締結座面11の締結孔13周辺における平面度が担保できなくなるからである。
【0022】
次に、扁平端部封止工程と締結孔封止工程の細かな条件を説明する。これは、実験室レベル又は少量生産品では、パイプ部品1の端面24,25が比較的綺麗な形状をなしていることが多い。さらに、職人がハンドトーチを持って個々の端面24,25に応じた適切な溶接をすることで、端面24,25をそのエッジ20,21,22,23の溶け落ちなく封止することが可能である。しかし、実際の量産ラインにおいては、パイプ部品1の端面24,25が荒れていたりプレスした上下の板に隙間が生じていたりすることが多く、溶接も同じ動作にティーチングされたロボットを用いて行われる。このため、端面34,25をそのエッジ20,21,22,23の溶け落ちなく封止するにはある程度の条件が必要になってくるためである。なお、本実施形態では、レーザー溶接機として、株式会社アマダ製のFLW3000ENを用いている。
【0023】
本実施形態では、扁平端部封止工程、締結孔封止工程ともに、レーザー光31の断面がリング状に照射されるリングモードを用いている。これは、レーザー光31のスポットが円形となる通常モードであると、スポットの中心が最もエネルギー密度が高くなる。このため、後述する焦点外し距離d1,d2を加えて照射しても、端面24,25の形状が崩れたり、締結座面11の平面が荒れたりする恐れがあるからである。一方、レーザー光31にリングモードを用いることで、エネルギー密度がレーザー光31のスポット全体に均一化される。これにより、扁平端部12や締結孔13の端面24,25の形状、及び締結座面11の平面度を保ちながら封止することができる。
【0024】
また、扁平端部封止工程、締結孔封止工程ともに、レーザー光31をワークw1,w2に照射するとき、焦点距離からずらした状態で照射している。詳しくは、
図5(A)に示すように、扁平端部封止工程においては、扁平端部12の端面24(ワークw1)に照射されるレーザー光31が、集光レンズ32の焦点距離dに対して5~8%の焦点外し距離d1を加えた状態で照射されている。本実施形態では、集光レンズ32焦点距離dが300mmのものを用いており、焦点外し距離d1は15~24mmとなる。これは、焦点外し距離d1が短くなると、レーザー光31が締結座面11を深く溶け込ませ、締結座面11の平面度に影響を与えるおそれがあるからである。一方、焦点外し距離d1が長くなり過ぎると、端面エッジ20,21の溶け落ちが発生しやすくなる、又は溶接自体が困難になるからである(締結孔封止工程においても同様)。
【0025】
また、
図5(B)に示すように、締結孔封止工程においては、締結孔13の端面25(ワークw2)に照射されるレーザー光31が、集光レンズ32の焦点距離dに対して4~6%の焦点外し距離d2を加えた状態で照射されている。こちらも集光レンズ32の焦点距離dが300mmであるため、焦点外し距離d2は12~18mmとなる。締結孔封止工程では倒れ角度θ(
図4(B)参照)をもってレーザー光31が照射されているため、この焦点外し距離d2はレーザー光31の中心で測定する。なお、本実施形態で用いるレーザー溶接機の集光レンズ32の焦点距離dにおけるレーザー光31のスポット径は約0.24mmである。また、本実施形態での焦点外し距離d1,d2を加えた状態でのスポット径は2.5mm前後である。
【0026】
次に、レーザー光31のパルス発振制御を説明する。本実施形態では扁平端部封止工程、締結孔封止工程で照射されるレーザー光31をパルス発振制御している。この条件を
図6及び
図7を参照して説明する。
図6は、レーザー光31のON,OFFを表わした図であり、線が上にあるときがON、下にあるときがOFFの状態である。そして、1回のON,OFFが1サイクルであり、1サイクルのうちONになっている時間の率をデューティ比として表わす。例えば、1サイクルの時間が100ms(milli second)でONの時間が20msならば、デューティ比は20%である。
【0027】
扁平端部封止工程では、扁平端部12の端面24に照射されるレーザー光31が、その発振周波数が20~30Hz、かつデューティ比が20~30%である。また、扁平端部12の端面24に照射されるレーザー光31の加工速度が、40~60cm/minである。このように、発振周波数とデューティ比を比較的少なくして、さらに加工速度も比較的遅くすることで、端部24の封止を確実なものとしながらエッジ20,21の溶け落ちを防止している。また、レーザー光31の照射において、ウィービングはしていない。これらのことから、レーザー光31は例えば
図7に示すような軌跡を示す。
【0028】
締結孔封止工程では、締結孔13の端面25に照射されるレーザー光31が、その発振周波数が5~10Hz、かつデューティ比が10~20%である。また、締結孔13の端面25に照射されるレーザー光31の加工速度が、10~20cm/minである。このように、締結孔封止工程では、扁平端部封止工程よりも発振周波数とデューティ比を少なくして、加工速度も遅くして端面25のエッジ22,23の溶け落ちを防止している。また、締結孔封止工程でもレーザー光31のウィービングはしていない。
【0029】
次に、レーザー光31の出力を説明する。扁平端部封止工程では、扁平端部12の端面24に照射されるレーザー光31の出力が1700~1900ワットであることが好ましい。締結孔封止工程では、締結孔13の端面25に照射されるレーザー光31の出力が1400~1600ワットであることが好ましい。これは、レーザー光31の出力が小さいと封止ができなくなるからであり、大きいと端面のエッジ20,21,22,23が溶け落ちてしまうからである。
【0030】
以上、説明したように、本実施形態の端部封止方法によれば、ロボットを用いる量産ラインにおいても、扁平端部12の端面24とともに締結孔13の端面25も封止できる。これにより、パイプ端部への水の浸入等を完全に防止することができ、パイプ部品1の腐食を防止することができる。また、他の部品40と当接される締結座面11においてその表裏ともに溶接による変形がない。さらに、扁平端部12の端面24と締結孔13の端面25においてもエッジ20,21,22,23の溶け落ちがない。このため、締結座面11と他の部品40とが密着でき、座面部15においてもボルト41等の浮きがない。これらによりパイプ部品1と他の部品40との締結を確実なものとすることができる。
【0031】
また、レーザー光31にリングモードを採用すること、及び焦点外し距離d1,d2を加えた状態で照射することで、レーザー光31による入熱が広く浅くなり、端面24,25におけるエッジ20,21,22,23の溶け落ちを効果的に防止することができる。これは、一般的にレーザー溶接においては、狭い範囲を深く溶け込ませ、歪みの少ない溶接とすることが多いが、本実施形態ではあえてレーザー光31を広く浅く照射することで、端面24,25の確実な封止とエッジ20,21,22,23の溶け落ち防止との両立を図っている。
【0032】
また、レーザー光31がパルス発振制御されており、単位時間あたりの発振周波数が比較的少なく、かつデューティ比も比較的低くしてある。さらに、溶接の加工速度も比較的遅くしている。このため、端面24,25が溶融して封止された後、冷却の時間を取ることができる。さらに、パイプの肉厚に対して最適なレーザー光31の出力としている。これらにより、端面24,25におけるエッジ20,21,22,23の溶け落ちをより防止することができる。
【符号の説明】
【0033】
1・・パイプ部品、
10・・締結部、11・・締結座面、12・・扁平端部、13・・締結孔、14・・立縁部、15・・座面部、ws・・広い面、
20,21・・エッジ(扁平端部)、22,23・・エッジ(締結孔)、24・・端面(扁平端部)、25・・端面(締結孔)、
30・・トーチ、31・・レーザー光、32・・集光レンズ
40・・他の部品、41・・ボルト、42・・座金、
w1,w2・・ワーク、