IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

特開2024-136683カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ
<>
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図1
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図2
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図3
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図4
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図5
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図6
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図7
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図8
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図9
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図10
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図11
  • 特開-カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136683
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】カバーテープ巻取ドラム、およびテープフィーダ
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/30 20060101AFI20240927BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65H19/30
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047871
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 浩規
【テーマコード(参考)】
3F064
5E353
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064EB15
5E353GG02
5E353HH11
5E353HH32
5E353HH33
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取るカバーテープ巻取ドラムの実用性を向上させることを課題とする。
【解決手段】テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取る巻取軸と、巻取軸が着脱可能に取り付けられる被取付具と、巻取軸が被取付具に取り付けられた状態で巻取軸をロックするロック機構と、ロック機構の作動に連動させて、ロック機構により巻取軸がロックされている際に巻取軸の軸径を拡大させる第1の状態と、ロック機構による巻取軸のロックが解除されている際に巻取軸の軸径を縮小可能な第2の状態との間で変化させる連動機構と、を備えるカバーテープ巻取ドラム。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取る巻取軸と、
前記巻取軸が着脱可能に取り付けられる被取付具と、
前記巻取軸が前記被取付具に取り付けられた状態で前記巻取軸をロックするロック機構と、
前記ロック機構の作動に連動させて、前記ロック機構により前記巻取軸がロックされている際に前記巻取軸の軸径を拡大させる第1の状態と、前記ロック機構による前記巻取軸のロックが解除されている際に前記巻取軸の軸径を縮小可能な第2の状態との間で変化させる連動機構と、
を備えるカバーテープ巻取ドラム。
【請求項2】
前記巻取軸は、
接近離間可能に配設された2以上の部材を有し、前記2以上の部材が離間することで前記巻取軸の軸径が拡大し、前記2以上の部材が接近することで前記巻取軸の軸径が縮小するように構成されており、
前記連動機構は、
前記ロック機構の作動と連動して移動するカムを有し、前記巻取軸をロックする前記ロック機構の作動に連動して移動した前記カムが前記2以上の部材に接触して前記2以上の部材を離間させることで前記第1の状態とし、前記巻取軸のロックを解除する前記ロック機構の作動に連動して移動した前記カムが前記2以上の部材の離間を解除することで前記第2の状態とする請求項1に記載のカバーテープ巻取ドラム。
【請求項3】
前記ロック機構は、
前記巻取軸が前記被取付具に取り付けられた状態で所定の方向に前記巻取軸を回転させることでロックし、前記所定の方向と反対方向に前記巻取軸を回転させることでロックを解除するように構成されており、
前記連動機構は、
前記巻取軸を前記所定の方向に回転させた際に前記被取付具の接触部が前記カムに接触して前記2以上の部材を離間させる方向に前記カムが移動することで前記第1の状態とし、前記巻取軸を前記所定の方向と反対方向に回転させた際に前記接触部が前記カムに接触して前記2以上の部材の離間を解除する方向に前記カムが移動することで前記第2の状態とする請求項2に記載のカバーテープ巻取ドラム。
【請求項4】
テープ化部品からカバーテープを剥離する剥離装置と、
前記剥離装置により剥離された前記カバーテープを巻き取る請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のカバーテープ巻取ドラムと、
を備え、
前記カバーテープが剥離されたテープ化部品から部品を供給するテープフィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取るカバーテープ巻取ドラム、及び、カバーテープ巻取ドラムを備えるテープフィーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取るカバーテープ巻取ドラム、及び、カバーテープ巻取ドラムを備えるテープフィーダが記載されている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/176558号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取るカバーテープ巻取ドラムの実用性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、テープ化部品から剥離されたカバーテープを巻き取る巻取軸と、前記巻取軸が着脱可能に取り付けられる被取付具と、前記巻取軸が前記被取付具に取り付けられた状態で前記巻取軸をロックするロック機構と、前記ロック機構の作動に連動させて、前記ロック機構により前記巻取軸がロックされている際に前記巻取軸の軸径を拡大させる第1の状態と、前記ロック機構による前記巻取軸のロックが解除されている際に前記巻取軸の軸径を縮小可能な第2の状態との間で変化させる連動機構と、を備えるカバーテープ巻取ドラムを開示する。
【0006】
また、本明細書は、テープ化部品からカバーテープを剥離する剥離装置と、前記剥離装置により剥離された前記カバーテープを巻き取る上記カバーテープ巻取ドラムと、を備え、前記カバーテープが剥離されたテープ化部品から部品を供給するテープフィーダを開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、巻取軸をロックするロック機構の作動に連動させて、ロック機構により巻取軸がロックされている際に巻取軸の軸径を拡大させる第1の状態と、ロック機構による巻取軸のロックが解除されている際に巻取軸の軸径を縮小可能な第2の状態との間で変化させる。これにより、ロック機構を作動させるだけで、巻取軸の軸径を変化させることが可能となり、カバーテープ巻取ドラムの実用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子部品装着装置を示す斜視図である。
図2】テープ化部品を示す平面図である。
図3】テープフィーダを示す斜視図である。
図4】被取付具に巻取軸が取り付けられた状態のカバーテープ巻取ドラムを示す斜視図である。
図5】被取付具から巻取軸が取り外された状態のカバーテープ巻取ドラムを示す斜視図である。
図6】巻取軸を示す平面図である。
図7】巻取軸を示す平面図である。
図8】被取付具へのロックが解除された状態の巻取軸を示す平面図である。
図9】被取付具へのロックが解除された状態の巻取軸を示す平面図である。
図10】被取付具にロックされた状態の巻取軸を示す平面図である。
図11】被取付具にロックされた状態の巻取軸を示す平面図である。
図12】軸径が縮小された状態の巻取軸を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0010】
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、装着機本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す)24、装着ヘッド26、供給装置28を備えている。装着機本体20は、フレーム32と、そのフレーム32に上架されたビーム34とによって構成されている。
【0011】
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、所定の方向に延びるようにフレーム32に配設されている。なお、コンベア装置40,42の延びる方向を、X軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。それら2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図示省略)によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図示省略)によって保持される。
【0012】
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータの作動によって、フレーム32上の任意の位置に移動する。
【0013】
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル56を有している。吸着ノズル56は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。吸着ノズル56は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル56を昇降させるノズル昇降装置(図示省略)を有している。そのノズル昇降装置によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
【0014】
供給装置28は、フレーム32の前方側の端部に配設されており、複数のテープフィーダ60を有している。テープフィーダ60は、電子部品を収容したテープであるテープ化部品から電子部品を供給する。詳しくは、図2に示すように、テープ化部品62は、キャリアテープ64と、電子部品66と、カバーテープ67とから構成されている。キャリアテープ64には、多数の収容凹部68および送り穴69が等ピッチで形成されており、収容凹部68に電子部品66が収容されている。そして、電子部品66が収容された収容凹部68が、カバーテープ67によって覆われている。
【0015】
また、テープフィーダ60は、図3に示すように、リール(図示省略)と送出装置72と剥離装置74とカバーテープ巻取ドラム76とを有しており、上面の端部において、テープ化部品62から電子部品66を供給する。詳しくは、リールには、テープ化部品62が巻回されており、テープ化部品62が巻回されたリールが、リール収納部78に収納されている。そして、リール収納部78に収納されたリールからテープ化部品62が、テープガイド80上に引き出される。テープガイド80上に引き出されたテープ化部品62の送り穴69には、送出装置72のスプロケット82が噛合している。そして、スプロケット82は、電磁モータ(図示省略)の作動により回転する。このような構造により、テープ化部品62は、供給位置に向かって送り出される。
【0016】
また、剥離装置74は、フィルム剥離機構86とギア機構88,90とを有している。フィルム剥離機構86は、テープ化部品62からカバーテープ67を剥離するための機構であり、テープ化部品62が引き出されるテープガイド80の手前に配設されている。ギア機構88,90は、テープ化部品62から剥離されたカバーテープ67を、カバーテープ巻取ドラム76に向かって引っ張り込む機構である。そして、ギア機構88,90により引っ張り込まれたカバーテープ67が、カバーテープ巻取ドラム76により巻き取られる。このような構造により、テープ化部品62からカバーテープ67が剥離されることで、テープ化部品62に収容されている電子部品66が、テープガイド80の前方側において露出する。テープガイド80の前方側には、開口92が形成されており、その開口92において、テープ化部品62から露出した電子部品66が、装着ヘッド26の吸着ノズル56によって吸着保持される。つまり、開口92が、テープフィーダ60の電子部品供給位置となっている。なお、開口92のテープ化部品62の送り出し方向の側面には、下方に向かうように、テープ案内通路96が形成されている。このテープ案内通路96を通って、テープ化部品62から電子部品66が取り出された廃棄テープが排出される。
【0017】
なお、テープフィーダ60では、テープ化部品62が送出装置72により順次、送り出されることで、開口92において電子部品66が順次、供給される。この際、テープ化部品62から剥離装置74により?離されたカバーテープ67がカバーテープ巻取ドラム76により巻き取られる。そして、カバーテープ巻取ドラム76により 巻き取られたカバーテープ67が、所定のタイミング、例えば、リール交換時等のタイミングにおいてカバーテープ巻取ドラム76から回収される。
【0018】
具体的には、図4及び図5に示すように、カバーテープ巻取ドラム76は、カバーテープ67が巻き取られる巻取軸100と、巻取軸100が着脱可能に取り付けられる被取付具102とにより構成されている。そして、巻取軸100が被取付具102に取り付けられた状態で、カバーテープ巻取ドラム76によりカバーテープ67が巻き取られ、巻取軸100が被取付具102から取り外されることで、巻取軸100に巻き取られたカバーテープ67が回収される。なお、従来のカバーテープ巻取ドラムでは、巻取軸と被取付具とが磁石により固定されており、磁石の磁力に抗して、巻取軸が被取付具から取り外されることで、巻取軸からカバーテープが回収されていた。ただし、磁石では、巻取軸と被取付具とを安定して固定することができず、例えば、カバーテープの蛇行等により巻取軸が被取付具から外れる場合があり、カバーテープの巻き取りに支障をきたす虞がある。
【0019】
このようなことに鑑みて、カバーテープ巻取ドラム76では、巻取軸100と被取付具102とが機械的にロックされる。そして、巻取軸100と被取付具102とをロックするロック機構の作動に連動して、巻取軸100がロックされている際に巻取軸100の軸径を拡大させる第1の状態と、巻取軸100のロックが解除されている際に巻取軸100の軸径を縮小可能な第2の状態との間で巻取軸100が変化する。
【0020】
具体的には、巻取軸100は、図4乃至図7に示すように、支持盤110と、第1巻取ブロック112と、第2巻取ブロック114と、1対のカム116,118とにより構成されている。第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114は、概して半円弧形状のブロックであり、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とは、互いの円弧部が反対側を向いた状態で配設されている。このため、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とによって、短円筒形状のブロックが形成される。また、支持盤110は、円盤形状であり、支持盤110の外径は、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とによって構成される短円筒形状のブロックの外径より大きくされている。そして、第1巻取ブロック112が支持盤110の上半分側に固定され、第2巻取ブロック114が支持盤110の下半分側において上下方向にスライド可能に支持盤110に支持されている。このため、第2巻取ブロック114を上下方向にスライドさせることで、第2巻取ブロック114が第1巻取ブロック112に接近離間する。なお、図6は、支持盤110からの視点において支持盤110を透過した状態の巻取軸100を示す図であり、図7は、支持盤110と反対側からの視点において巻取軸100を示す図である。
【0021】
また、概して半円弧形状の第1巻取ブロック112の内縁には、円弧状の内縁円弧部112aと、内縁円弧部112aから凹んだ形状の内縁凹部112bとが形成されている。一方、概して半円弧形状の第2巻取ブロック114の内縁にも、内縁円弧部112aと同形状の内縁円弧部114aと、内縁凹部112bと同形状の内縁凹部114bとが形成されている。このため、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とによって構成される短円筒形状のブロックの内縁には、内縁円弧部112a,114aと内縁凹部112b,114bとにより概して短円柱形状の空間が区画される。なお、この空間を第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とにより区画される内部空間120と記載する。
【0022】
また、1対のカム116,118は、同形状の部材であり、概してN字型である。このため、1対のカム116,118は、一方の方向に延びる第1延出部116a,118aと、第1延出部116a,118aと概して反対方向に延び出す第2延出部116b,118bとを有している。そして、カム116は、第1巻取ブロック112の内縁凹部112bの内側において、その内縁凹部112bに向かって第1延出部116aを延出させた姿勢で支持軸122を中心に揺動可能に第1巻取ブロック112に支持されている。この際、カム116の第2延出部116bは第2巻取ブロック114に向かって延び出している。また、第2巻取ブロック114に向かって延び出しているカム116の第2延出部116bの側方には、第2延出部116bの先端と同形状の切欠部114cが第2巻取ブロック114に形成されている。なお、支持軸122は、第1巻取ブロック112の厚さ方向に向かって延びる軸である。また、カム118は、第2巻取ブロック114の内縁凹部114bの内側において、その内縁凹部114bに向かって第1延出部118aを延出させた姿勢で支持軸124を中心に揺動可能に第2巻取ブロック114に支持されている。この際、カム118の第2延出部118bは第1巻取ブロック112に向かって延び出している。また、第1巻取ブロック112に向かって延び出しているカム118の第2延出部118bの側方には、第2延出部118bの先端と同形状の切欠部112cが第1巻取ブロック112に形成されている。なお、支持軸124は、第2巻取ブロック114の厚さ方向に向かって延びる軸である。
【0023】
一方、被取付具102は、図5に示すように、回転盤150と、挿入ブロック152とにより構成されている。回転盤150は、円盤形状であり、テープフィーダ60の内部において回転軸154を中心に回転可能に支持されている。また、挿入ブロック152は、概して短円柱形状であり、自身の軸心と回転軸154の軸心とを一致させた状態で回転盤150の中心に固定されている。挿入ブロック152は概して短円柱形状であるが、挿入ブロック152の外周面には、径方向において外側に向かって突出する1対の外周面凸部156,158が形成されている。それら1対の外周面凸部156,158は、挿入ブロック152の軸心を中心に対称的に形成されており、1対の外周面凸部156,158の外寸は、第1巻取ブロック112の内縁凹部112b及び第2巻取ブロック114の内縁凹部114bの内寸より僅かに小さい。また、挿入ブロック152の外周面の1対の外周面凸部156,158以外の部分の外径は、第1巻取ブロック112の内縁円弧部112a及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部114aにより区画される短円柱形状の空間の内寸より僅かに小さい。
【0024】
このような構造において、作業者は巻取軸100を把持して、巻取軸100の内部空間120に被取付具102の挿入ブロック152を挿入させことで、巻取軸100を被取付具102に取り付ける。この際、作業者は、図8に示すように、巻取軸100の第1巻取ブロック112の内縁凹部112b及び第2巻取ブロック114の内縁凹部114bに、挿入ブロック152の1対の外周面凸部156,158が入り込むようにして、巻取軸100の内部空間120に被取付具102の挿入ブロック152を挿入させる。なお、図8は、支持盤110と反対側からの視点において巻取軸100及び挿入ブロック152を示す図である。一方、図8での巻取軸100及び挿入ブロック152を、支持盤110からの視点において支持盤110を透過した状態で図9に示す。このように、作業者が巻取軸100の内部空間120に被取付具102の挿入ブロック152を挿入させて、巻取軸100を被取付具102に取り付けると、作業者は、巻取軸100を時計回りの方向、つまり、図9では矢印160の方向、図8では矢印162の方向に回転させることで、巻取軸100が被取付具102にロックされる。
【0025】
詳しくは、作業者が巻取軸100を被取付具102に取り付けて、図9の矢印160の方向に回転させると、巻取軸100の回転に伴って、カム116の第1延出部116aと第2延出部116bとの間に形成されている角部116cが挿入ブロック152の外周面凸部156に接触する。この際、カム116は、挿入ブロック152の外周面凸部156への接触により図9での時計回りの方向に揺動する。また、巻取軸100の回転に伴って、カム118の第1延出部118aと第2延出部118bとの間に形成されている角部118cが挿入ブロック152の外周面凸部158に接触する。この際、カム118は、挿入ブロック152の外周面凸部158への接触により図9での時計回りの方向に揺動する。
【0026】
このように、作業者が巻取軸100を図9の矢印160の方向に回転させることで、カム116,118が揺動して、図10に示すように、カム116の第2延出部116bが第2巻取ブロック114の切欠部114cに嵌まり込み、カム118の第2延出部118bが第1巻取ブロック112の切欠部112cに嵌まり込む。なお、図10は、巻取軸100及び挿入ブロック152を、支持盤110からの視点において支持盤110を透過した状態で示す図である。一方、図10での巻取軸100及び挿入ブロック152を、支持盤110と反対側からの視点において図11に示す。図11に示す状態では、挿入ブロック152の外周面凸部156,158は、第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁凹部112b,114bと一致しなくなる。このため、巻取軸100を被取付具102から取り外そうとしても、挿入ブロック152の外周面凸部156,158が第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aに接触して、巻取軸100を被取付具102から取り外すことができなくなる。これにより、巻取軸100が被取付具102にロックされる。このように、カバーテープ巻取ドラム76では、挿入ブロック152の外周面凸部156,158と、第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aとがロック機構として機能して、巻取軸100が被取付具102にロックされる。
【0027】
また、巻取軸100が被取付具102にロックされた状態において、カム116の第2延出部116bが第2巻取ブロック114の切欠部114cに嵌まり込み、カム118の第2延出部118bが第1巻取ブロック112の切欠部112cに嵌まり込んでいる。このように、カム116の第2延出部116bが第2巻取ブロック114の切欠部114cに嵌まり込み、カム118の第2延出部118bが第1巻取ブロック112の切欠部112cに嵌まり込むことで、巻取軸100が被取付具102にロックされた状態で維持される。
【0028】
さらに、巻取軸100が被取付具102にロックされる際に、上述したように、カム116,118が挿入ブロック152の外周面凸部156,158に接触することで揺動して、カム116,118の第2延出部116b,118bが第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の切欠部112c,114cに嵌まり込む。この際、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とは離間した状態に維持される。つまり、巻取軸100が被取付具102にロックされる際に、カム116,118と挿入ブロック152の外周面凸部156,158との相対的な回転に伴ってカム116,118が揺動することで、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とは離間した状態に維持される。このように、巻取軸100がロックされる際に、ロック機構として機能する挿入ブロック152の外周面凸部156,158の相対的な回転に連動してカム116,118が揺動することで、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とは離間した状態に維持される。そして、離間した状態に維持された第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との外周面にカバーテープ67が巻き取られる。つまり、巻取軸100の内部空間120に挿入ブロック152が挿入されて、巻取軸100が回転されることで、巻取軸100が被取付具102にロックされる。そして、巻取軸100が被取付具102にロックされた状態において、巻取軸100の第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との外周面にカバーテープ67が巻き取られる。
【0029】
そして、巻取軸100へのカバーテープ67の巻き取りが完了すると、巻取軸100が被取付具102から取り外されて、巻取軸100に巻き取られたカバーテープ67が回収される。詳しくは、作業者は、被取付具102にロックされた状態の巻取軸100を反時計回りの方向、つまり、図10では矢印170の方向、図11では矢印172の方向に回転させる。これにより、図8に示すように、挿入ブロック152の外周面凸部156,158が、第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁凹部112b,114bと一致する。このため、巻取軸100を被取付具102から取り外す際に、挿入ブロック152の外周面凸部156,158を第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aから抜き出すことができる。このように、カバーテープ巻取ドラム76では、作業者が巻取軸100を反時計回りに回転させることで、挿入ブロック152の外周面凸部156,158と、第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aとによる巻取軸100のロックが解除される。
【0030】
なお、巻取軸100のロック状態から巻取軸100のロックを解除するために作業者が巻取軸100を反時計回りに回転させる際に、カム116,118による第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との離間状態が解除される。詳しくは、図10に示すように、巻取軸100がロックされている状態において、作業者が、巻取軸100を矢印170の方向に回転させる。そして、巻取軸100の回転に伴って、カム116の第1延出部116aが挿入ブロック152の外周面凸部156に接触する。この際、カム116は、挿入ブロック152の外周面凸部156への接触により図10での反時計回りの方向に揺動する。また、巻取軸100の回転に伴って、カム118の第1延出部118aが挿入ブロック152の外周面凸部158に接触する。この際、カム118は、挿入ブロック152の外周面凸部158への接触により図10での反時計回りの方向に揺動する。
【0031】
このように、作業者が巻取軸100を図10の矢印170の方向に回転させることで、カム116,118が揺動して、図9に示すように、カム116の第2延出部116bが第2巻取ブロック114の切欠部114cから取り外され、カム118の第2延出部118bも第1巻取ブロック112の切欠部112cから取り外される。これにより、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とのカム116,118による離間状態が解除される。つまり、巻取軸100の回転により巻取軸100のロックが解除される際に、カム116,118と挿入ブロック152の外周面凸部156,158との相対的な回転に伴ってカム116,118が揺動することで、カム116,118の第2延出部116b,118bが第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の切欠部112c,114cから取り外される。このように、巻取軸100のロックが解除された際に、ロック機構として機能する挿入ブロック152の外周面凸部156,158の相対的な回転に連動してカム116,118が揺動することで、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とのカム116,118による離間状態が解除される。
【0032】
そして、図8に示すように、巻取軸100のロックが解除された状態において、作業者が巻取軸100を被取付具102から離間する方向に引っ張ることで、巻取軸100が被取付具102から取り外される。この際、巻取軸100では、上述したように、巻取軸100のロックの解除に伴って、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とのカム116,118による離間状態が解除されている。このため、作業者が第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とを挟むようにして把持することで、図12に示すように、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とが接近する。このように、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とが接近することで、巻取軸100の軸径が縮小する。つまり、作業者が巻取軸100のロックを解除して、巻取軸100を被取付具102から取り外した際に、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とを接近させることで、巻取軸100の軸径が縮小する。これにより、巻取軸100に巻き取られたカバーテープ67を、巻取軸100から容易に取り外して回収することができる。
【0033】
このように、巻取軸100をロックするために作業者が巻取軸100を時計回りに回転させて、挿入ブロック152の外周面凸部156,158の相対的な回転に連動してカム116,118が揺動することで、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とが離間した状態に維持される。そして、図11に示すように、離間した状態の第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との外周面にカバーテープ67が巻き取られる。この際、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とは離間しているため、巻取軸100の軸径は拡大されている。そして、巻取軸100のロックを解除するために作業者が巻取軸100を反時計回りに回転させて、挿入ブロック152の外周面凸部156,158の相対的な回転に連動してカム116,118が揺動することで、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との離間状態が解除される。このように、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との離間状態が解除されることで、巻取軸100の軸径を縮小することが可能となる。このため、作業者が、図12に示すように、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114とを接近させることで、巻取軸100の軸径が縮小する。
【0034】
このように、カバーテープ巻取ドラム76では、カム116,118が挿入ブロック152の外周面凸部156,158の相対的な回転に連動して揺動することで、巻取軸100の軸径が拡大された状態と、巻取軸100の軸径を縮小可能な状態との間で変化する。これにより、作業者が巻取軸100を回転させるだけで、巻取軸100がロックされるとともに巻取軸100の軸径が拡大された状態と、巻取軸100のロックが解除されるとともに巻取軸100の軸径を縮小可能な状態との間でカバーテープ巻取ドラム76を切り替えることが可能となる。
【0035】
なお、上記実施例において、テープフィーダ60は、テープフィーダの一例である。テープ化部品62は、テープ化部品の一例である。カバーテープ67は、カバーテープの一例である。剥離装置74は、剥離装置の一例である。カバーテープ巻取ドラム76は、カバーテープ巻取ドラムの一例である。巻取軸100は、巻取軸の一例である。被取付具102は、被取付具の一例である。第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114は、2以上の部材の一例である。カム116,118は、連動機構及びカムの一例である。第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aは、ロック機構の一例である。挿入ブロック152の外周面凸部156,158は、ロック機構及び接触部の一例である。
【0036】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、第1巻取ブロック112と第2巻取ブロック114との2個の部材が接近離間可能に支持盤110により保持されることで巻取軸100が構成されているが、3個以上の部材が接近離間可能に支持盤110により保持されることで巻取軸が構成されてもよい。
【0037】
また、上記実施例では、巻取軸100にカム116,118が配設され、挿入ブロック152に外周面凸部156,158が配設されているが、挿入ブロック152にカム116,118が配設され、巻取軸100に外周面凸部156,158が配設されてもよい。
【0038】
また、上記実施例では、第1巻取ブロック112及び第2巻取ブロック114の内縁円弧部112a,114aが挿入ブロック152の抜け止めを防止することで、巻取軸100が被取付具102にロックされているが、種々の構造により巻取軸100が被取付具102にロックされてもよい。具体的には、例えば、巻取軸100に掛止部材が配設され、挿入ブロック152に被掛止部材が配設されており、掛止部材が被掛止部材に掛け止められることで、巻取軸100が被取付具102にロックされてもよい。また、例えば、巻取軸100に嵌合部材が配設され、挿入ブロック152に被嵌合部材が配設されており、嵌合部材が被嵌合部材に嵌合することで、巻取軸100が被取付具102にロックされてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、カム116,118がロック機構に連動して揺動することで、巻取軸100の軸径が拡大した状態と軸径を縮小可能な状態との間で変化するが、種々の構造により巻取軸100の軸径が拡大した状態と軸径を縮小可能な状態との間で変化してもよい。具体的には、例えば、ギア機構,リンク機構等がロック機構に連動して作動することで、巻取軸100の軸径が拡大した状態と軸径を縮小可能な状態との間で変化してもよい。
【0040】
また、上記実施例では、テープフィーダ60にカバーテープ巻取ドラム76が内蔵されているが、カバーテープ巻取ドラム76がテープフィーダ60の外部に配設されてもよい。つまり、カバーテープ巻取ドラム76とテープフィーダ60とが別体であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
60:テープフィーダ 62:テープ化部品 67:カバーテープ 74:剥離装置 76:カバーテープ巻取ドラム 100:巻取軸 102:被取付具 112:第1巻取ブロック(2以上の部材) 114:第2巻取ブロック(2以上の部材) 116:カム(連動機構) 118:カム(連動機構) 112a:内縁円弧部(ロック機構) 114a:内縁円弧部(ロック機構) 156:外周面凸部(ロック機構)(接触部) 158:外周面凸部(ロック機構)(接触部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12