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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136703
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3246 20190101AFI20240927BHJP
   G06F 1/3218 20190101ALI20240927BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240927BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240927BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240927BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240927BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F1/3246
G06F1/3218
G09G5/00 550C
G09G5/00 550B
G09G5/10 B
G09G5/00 530D
G09G5/37 110
G09G5/37 600
H04N23/60 500
H04N23/65 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047904
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 衛
(72)【発明者】
【氏名】志水 恵里
【テーマコード(参考)】
5B011
5C122
5C182
【Fターム(参考)】
5B011EA02
5B011EB09
5B011KK01
5B011LL15
5C122EA52
5C122EA60
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK12
5C122HB01
5C122HB02
5C122HB05
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA23
5C182BA27
5C182BA35
5C182BA45
5C182BA54
5C182BA55
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CB47
5C182DA42
5C182DA44
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うこと。
【解決手段】情報処理装置は、撮像部で撮像された画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理と、表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、顔検出処理により顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、第1の時間が経過した後に第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理と、撮像部が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定処理と、を行い、第1の時間が経過する前に第2の撮像状態になったと判定された場合、第1の画面輝度のまま継続するように輝度低減処理を中止し、第1の時間が経過した後に第2の撮像状態になったと判定された場合、第2の画面輝度に低減された状態のまま継続させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理と、
表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出処理により前記顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理と、
前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定処理と、
を行い、
前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止し、
前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させる、
情報処理装置。
【請求項2】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域及び前記顔の向きを検出する顔検出処理と、
表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが第1の向きから前記第1の向き以外の第2の向きに変化した場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理と、
前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定処理と、
を行い、
前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止し、
前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させる、
情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過する前においては、前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定されたことを条件として、前記顔検出処理及び前記輝度低減処理を無効にし、
前記第1の時間が経過した後においては、前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定されたとしても、前記顔検出処理及び前記輝度低減処理を無効にしない、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過した後にさらに第2の時間が経過したことに応じて、前記表示部の表示をオフに制御する表示制御処理をさらに行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過した後の前記第2の時間が経過する前に前記顔検出処理により前記顔領域が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻す、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過した後の前記第2の時間が経過する前にユーザによる入力が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻す、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過する前に前記顔検出処理により前記顔領域が検出された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過した後に前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きに変化した場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻す、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過した後にユーザによる入力が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻す、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過する前に前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きに変化した場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第1の時間が経過する前にユーザによる入力が検出された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出ステップと、
表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出ステップにより前記顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、
前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定ステップと、
前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止するステップと、
前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させるステップと、
を含む制御方法。
【請求項13】
撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域及び前記顔の向きを検出する顔検出ステップと、
表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出ステップにより検出された前記顔の向きが第1の向きから前記第1の向き以外の第2の向きに変化した場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、
前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定ステップと、
前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止するステップと、
前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させるステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて、人物が近づいたことや離れたことを検出し、人物が近づいたことを検出すると使用可能な状態に遷移し、人物が離れたことを検出すると消費電力を抑えた状態に遷移する機器について開示されている。また、近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そこで、赤外線センサによる人物の検出に代えて、撮像画像から顔を検出することにより人物を検出することも行われている。顔検出による人物の検出は、より人物を正確に検出することができるとともに顔の向きを検出することも可能である。
【0003】
また近年、ESG(Environment、Social、Governance)への期待から、表示部(ディスプレイ)の輝度(明るさ)を低減して低電力化する機能が注目されている。例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置では、人物が離れた場合や、人物が存在していても顔が横を向いている場合には、ディスプレイの画面輝度を低減する制御が行われているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-148895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、真っ暗な環境では撮像画像から顔を検出することができないため、顔検出による人物の検出や顔の向きの検出はできない。そのため、暗い環境では、人物が存在するのに存在しないと誤検出してしまわないように、顔検出処理を無効にする制御が行われているものがある。ただし、暗い環境であってもディスプレイの明るさによって顔検出が可能な場合には顔検出処理を有効にすることもできる。その場合、顔検出処理の結果に基づいて画面輝度を低減する制御が行われると顔検出処理が無効となって画面輝度が元の明るさに戻り、ディスプレイが明るくなると顔検出が可能となるため再び顔検出処理が有効になって画面輝度を低減する制御が行われるといったように処理がループしてしまう懸念がある。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理と、表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出処理により前記顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理と、前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定処理と、を行い、前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止し、前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させる。
【0008】
また、本発明の第2態様に係る情報処理装置は、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域及び前記顔の向きを検出する顔検出処理と、表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが第1の向きから前記第1の向き以外の第2の向きに変化した場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理と、前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定処理と、を行い、前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止し、前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させる。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過する前においては、前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定されたことを条件として、前記顔検出処理及び前記輝度低減処理を無効にし、前記第1の時間が経過した後においては、前記撮像状態判定処理により前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定されたとしても、前記顔検出処理及び前記輝度低減処理を無効にしてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過した後にさらに第2の時間が経過したことに応じて、前記表示部の表示をオフに制御する表示制御処理をさらに行ってもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過した後の前記第2の時間が経過する前に前記顔検出処理により前記顔領域が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過した後の前記第2の時間が経過する前にユーザによる入力が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻してもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過する前に前記顔検出処理により前記顔領域が検出された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止してもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過した後に前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きに変化した場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻してもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過した後にユーザによる入力が検出された場合、前記輝度低減処理を中止して前記画面輝度を前記第1の画面輝度に戻してもよい。
【0016】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過する前に前記顔検出処理により検出された前記顔の向きが前記第2の向きから前記第1の向きに変化した場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止してもよい。
【0017】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1の時間が経過する前にユーザによる入力が検出された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止してもよい。
【0018】
また、本発明の第3態様に係る、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出ステップと、表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出ステップにより前記顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定ステップと、前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止するステップと、前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させるステップと、を含む。
【0019】
また、本発明の第4態様に係る、撮像部で撮像された画像の画像データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された画像の画像データを処理することにより、前記画像の中から顔が撮像されている顔領域及び前記顔の向きを検出する顔検出ステップと、表示部の画面輝度を第1の画面輝度に制御している状態において、前記顔検出ステップにより検出された前記顔の向きが第1の向きから前記第1の向き以外の第2の向きに変化した場合、第1の時間が経過した後に前記画面輝度を前記第1の画面輝度から第2の画面輝度へ低減させる輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、前記撮像部が前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な第1の撮像状態であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な第2の撮像状態であるかを判定する撮像状態判定ステップと、前記第1の時間が経過する前に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第1の画面輝度のまま継続するように前記輝度低減処理を中止するステップと、前記第1の時間が経過した後に前記撮像状態判定ステップにより前記撮像部が前記第2の撮像状態になったと判定された場合、前記画面輝度が前記第2の画面輝度に低減された状態のまま継続するように前記輝度低減処理を継続させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の上記態様によれば、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
図3】第1の実施形態に係る情報処理装置のHPD処理の概要を説明する図。
図4】第1の実施形態に係る「Leave」検出時の画面輝度の制御例を示す図。
図5】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
図6】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
図7】第1の実施形態に係る「Leave」検出時の画面輝度低減処理の一例を示すフローチャート。
図8】第2の実施形態に係る「No Attention」検出時の画面輝度の制御例を示す図。
図9】第2の実施形態に係る「No attention」検出時の画面輝度低減処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0023】
情報処理装置1は、例えば、ノート型(クラムシェル型)のPC(Personal Computer)である。情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0024】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0025】
図1に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0026】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、表示部110の表示画面に対面する方向を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0027】
撮像部120は、開状態において、表示部110の表示画面に対面する方向(即ち、情報処理装置1の前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置1の前方(正面側)に存在する人物(ユーザ)を含む画像を撮像することができる。
【0028】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオンまたはオフ、待機状態から通常動作状態への遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能なシステムの動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。
【0029】
待機状態とは、システム処理の少なくとも一部が制限されている状態であって、通常動作状態よりも消費電力が低い状態である。例えば、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。
【0030】
また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示画面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0031】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0032】
情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、情報処理装置1の前方に存在する人物を検出するHPD(Human Presence Detection)処理を実行する。
【0033】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。
【0034】
例えば、情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、情報処理装置1が撮像する撮像画角に相当する。情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、人物が存在すると判定する。一方、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、人物が存在しないと判定する。
【0035】
情報処理装置1は、HPD処理により人物の存在の有無に応じて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物が存在する場合には通常動作状態に制御し、情報処理装置1の前方に人物が存在しない場合には待機状態に制御する。
【0036】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置1のHPD処理の概要を説明する図である。情報処理装置1は、HPD処理により情報処理装置1の前方に存在する人物を検出し、人物の存在の有無に基づいて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば図3の(A)に示すように、情報処理装置1は、待機状態において、情報処理装置1の前方に人物が存在しない状態(Absence)から存在する状態(Presence)への変化、即ち情報処理装置1へ人物が接近したこと(Approach)を検出した場合、自動でシステムを起動して通常動作状態へ遷移させる。また図3の(B)に示すように、情報処理装置1は、通常動作状態において、情報処理装置1の前に人物が存在している状態(Presence)では、通常動作状態を継続させる。また図3の(C)に示すように、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物が存在している状態(Presence)から存在しない状態(Absence)への変化、即ち情報処理装置1から人物が離脱したこと(Leave)を検出した場合には、システムを待機状態へ遷移させる。
【0037】
また、情報処理装置1は、HPD処理において、情報処理装置1の前方に存在する人物の顔の向きを検出する。ここでの顔の向きとは、顔の左右方向への回転角度に対応する向き及び上下方向への回転角度に対応する向きである。以下では、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を顔が向いている状態を、顔の向きが正面を向いている状態とする。例えば、情報処理装置1は、人物の顔の向きが正面を向いているか否かを判定する。
【0038】
ここで、顔が正面を向いている状態のことを、情報処理装置1を注目している状態であることから「Attention」と称する。一方、顔が正面を向いていない状態のことを、情報処理装置1を注目していない状態であることから「No attention」と称する。
【0039】
例えば、情報処理装置1は、「Presence」から「Absence」へ変化した場合(即ち、「Leave」を検出した場合)、表示部110の輝度を下げ、その後、表示をオフにして待機状態へ遷移させる。また、情報処理装置1は、「Presence」であっても「Attention」から「No attention」へ変化した場合には、表示部110の輝度を下げる。このように、情報処理装置1は、ユーザが不在になった場合や、ユーザが表示部110の方を見ていない場合には、表示部110の輝度を下げることで省電力化する。表示部110の輝度は、表示部110の画面の明るさのことであり、以下では「画面輝度」と称する。また、このHPD処理において画面輝度を低減する処理のことを、「画面輝度低減処理」と称する。
【0040】
ここで、画面輝度を下げる前の元の画面輝度は、例えば、「Presence」且つ「Attention」の状態での画面輝度であり、システムで初期設定されている輝度設定値、または当該輝度設定値をユーザが変更した輝度設定値に基づく画面輝度である。以下では、この初期設定されている輝度設定値、または当該輝度設定値をユーザが変更した輝度設定値に基づく画面輝度のことを「標準輝度」と称する。これに対し、標準輝度から低減した輝度のことを「低輝度」と称する。低輝度の輝度設定値は予め設定されており、例えば、標準輝度の0~10%程度の画面輝度になる値に設定されている。
【0041】
ただし、情報処理装置1の前方に人物が存在していても、撮像部120で撮像された撮像画像から顔領域を検出できない場合がある。例えば、プライバシー保護などの観点から撮像部120の撮像方向を物理的に遮蔽可能なカメラシャッター(カメラカバー)が備えられているものがある。このカメラシャッターが閉じた状態では、撮像部120の撮像方向がカメラシャッターによって物理的に遮られてしまい、撮像画像から顔領域を検出できない。そのため、情報処理装置1は、カメラシャッターが閉じた状態であるか否かを判定し、判定結果に基づいてHPD処理及び画面輝度低減処理を有効または無効に制御する。
【0042】
なお、撮像部120を手などで覆った場合も撮像方向が物理的に遮られてしまうため、カメラシャッターが閉じた状態と同様に撮像画像から顔領域を検出できない。また、撮像部120の撮像方向が物理的に遮られなくても真っ暗な環境では撮像画像に顔が撮像されないため、撮像画像から顔領域を検出できない。つまり、カメラシャッターが閉じた状態、撮像部120を手などで覆った状態、および真っ暗な環境のいずれも、撮像部120が顔領域を検出し得る輝度の画像を撮像不可能な撮像状態であって、撮像画像から顔領域を検出できない。
【0043】
そこで、情報処理装置1は、カメラシャッターが閉じた状態、撮像部120を手などで覆った状態、および真っ暗な環境のいずれもカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定する。これに対し、情報処理装置1は、撮像部120が顔領域を検出し得る輝度の画像を撮像可能な撮像状態の場合には、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定する。
【0044】
例えば、情報処理装置1は、撮像部120で撮像された撮像画像の輝度(以下、「画像輝度」と称する)に基づいて、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であるか、或いは、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であるかを判定する。
【0045】
具体的には、情報処理装置1は、例えば撮像画像の画像輝度が所定の輝度(閾値)未満の場合、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定する。一方、情報処理装置1は、例えば撮像画像の画像輝度が所定の輝度(閾値)以上の場合には、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定する。なお、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定する際に用いる所定の輝度(閾値)は、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定する際に用いる所定の輝度(閾値)よりも低い輝度に設定(ヒステリシスを持たせて設定)されている。
【0046】
なお、情報処理装置1は、撮像画像のうち画像輝度が所定の輝度(閾値)未満となる画像領域が所定の割合(例えば、90%)以上の場合に、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定してもよい。
【0047】
次に、HPD処理による画面輝度低減処理においてカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であることが判定された場合の制御について、図4を参照して説明する。
【0048】
図4は、本実施形態に係る「Leave」検出時の画面輝度の制御例を示す図である。この図は、HPD処理により「Leave」が検出されたときの情報処理装置1の画面輝度低減処理において、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)が検出されたときの制御例を示している。
【0049】
(1)において情報処理装置1は、通常動作状態であり画面輝度が標準輝度(Normal)である。ここで、情報処理装置1は、前方にユーザが存在し無い状態(Absence)を検出すると(Detect absence)、タイマ(Leave timer)を用いて時間T1の計時を開始する。
【0050】
時間T1は、前方にユーザが存在し無い状態(Absence)が検出されてから「Leave」と判定するまでの時間であり、所定の時間(例えば、30秒)に設定されている。なお、時間T1は、ユーザによって設定可能であってもよい。
【0051】
(2)において情報処理装置1は、前方にユーザが存在し無い状態(Absence)のまま時間T1が経過すると「Leave」と判定する。情報処理装置1は、「Leave」と判定すると、画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる画面輝度低減処理を開始し(Start Dim)、(3)で画面輝度が低輝度(Dim Display)に遷移する。また、(2)において情報処理装置1は、「Leave」と判定すると、タイマ(Sleep timer)を用いて時間T2の計時を開始し、前方にユーザが存在し無い状態(Absence)のまま時間T2が経過すると表示をオフする(Screen off)。
【0052】
時間T2は、「Leave」と判定してから表示をオフにするまでの時間であり、例えば時間T1よりも長い時間(例えば、1分、5分、10分、30分など)に設定されている。なお、時間T2は、ユーザによって設定可能であってもよい。
【0053】
ここで、情報処理装置1は、時間T1が経過する前にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、HPD処理及び画面輝度低減処理を無効(Disable)にして、(1)の状態に戻る。即ち、情報処理装置1は、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0054】
一方、情報処理装置1は、時間T1が経過して画面輝度の低減を開始した後にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、当該判定を無視してHPD処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにする。即ち、情報処理装置1は、画面輝度が低輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0055】
このように、情報処理装置1は、時間T1が経過する前と後でカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合の制御を異ならせる。例えば、情報処理装置1は、「Leave」検出時、時間T1が経過する前(画面輝度を低減する前)にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合には、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。一方、情報処理装置1は、時間T1が経過した後(画面輝度の低減を開始した後)にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合には、画面輝度が低輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0056】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0057】
よって、情報処理装置1は、真っ暗な環境で使用されているときに「Leave」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。
【0058】
なお図4には示していないが、情報処理装置1は、時間T1が経過する前と後のいずれであっても、HID(Human Interface Device)に対する入力(以下、「HID入力」と称する)があった場合には、時間T1または時間T2の計時を中止して(1)の状態に戻る。HID入力とは、ユーザによるHIDに対する入力であり、例えば入力デバイス150(例えば、キーボード151、タッチパッド153など)への操作入力などである。
【0059】
以下、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について詳しく説明する。
[情報処理装置のハードウェア構成]
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この図4において、図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、顔検出部210、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0060】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0061】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部210へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)と赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)とを備えている。
【0062】
なお、撮像部120は、可視光カメラと赤外線カメラとのいずれか一方を含んで構成されてもよいし、両方を含んで構成されてもよい。
【0063】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0064】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0065】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0066】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0067】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0068】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0069】
顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データに基づいて顔検出によるHPD処理を実行するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部210内の不図示のメモリであってもよい。
【0070】
例えば、顔検出部210は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔領域の検出、及び検出された顔領域に含まれる顔画像の顔の向きの検出などを行う顔検出処理を行う。顔の検出方法としては、顔の特徴情報を基に顔を検出する顔検出アルゴリズムや、顔の特徴情報を基に機械学習された学習データ(学習済みモデル)や顔検出ライブラリなどを用いた顔検出など、任意の検出方法を適用することができる。
【0071】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0072】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行するプロセッサである。例えば、CPU301は、システムを待機状態から起動させて通常動作状態に遷移させる起動処理、通常動作状態から待機状態へ遷移させるスリープ処理などを実行する。
【0073】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0074】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、顔検出部210から取得する顔検出処理による検出結果などを取得してCPU301へ出力する。
【0075】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0076】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。
【0077】
[情報処理装置の機能構成]
次に、HPD処理により表示部110の画面輝度の制御を行う情報処理装置1の機能構成について詳しく説明する。
【0078】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、顔検出部210と、システム処理部310と、HPD処理部320とを備えている。顔検出部210は、図4の顔検出部210に対応し、顔検出によるHPD処理を実行する。
【0079】
顔検出部210は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出する。顔検出部210は、撮像画像から顔領域を検出した場合、情報処理装置1の前方に人物が存在していることを示す「Presence」情報を出力する。一方、顔検出部210は、撮像画像から顔領域を検出しなかった場合、情報処理装置1の前方に人物が存在しないことを示す「Absence」情報を出力する。
【0080】
また、顔検出部210は、撮像画像から顔領域を検出した場合、検出された顔領域に含まれる顔画像の顔の向きを検出する。例えば、顔検出部210は、顔の左右方向への回転角度に対応する向き及び上下方向への回転角度に対応する向きを検出し、顔の向きが正面を向いているか否かを判定する。顔検出部210は、顔の向きが正面を向いていると判定した場合、情報処理装置1を注目している状態であることを示す「Attention」情報を出力する。一方、顔検出部210は、顔の向きが正面を向いていないと判定した場合、情報処理装置1を注目していない状態であることを示す「No attention」情報を出力する。
【0081】
HPD処理部320は、CPU301がOS上で実行されるプログラムを実行すること、或いはチップセット303(例えば、センサハブ)がプログラムを実行することにより実現される機能構成として、HPD情報取得部331と、HPDタイマ332と、カメラ状態判定部333と、HID入力判定部334と、画面輝度変更部335と、HPD情報出力部336と、HPDモード制御部337とを備えている。
【0082】
HPD情報取得部331は、顔検出部210から出力される「Presence」情報、「Absence」情報、「Attention」情報、「No attention」情報などを取得する。
【0083】
HPDタイマ332は、HPD処理において時間を計時するタイマである。例えば、HPDタイマ332は、HPD情報取得部331が「Absence」情報を取得してから「Leave」と判定するまでの時間T1を計時するタイマ(Leave timer)としての機能(図4参照)を有する。
【0084】
カメラ状態判定部333は、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な撮像状態であるか、或いは顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な撮像状態であるかを判定する。
【0085】
例えば、カメラ状態判定部333は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像輝度に基づいて、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能な撮像状態である場合、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定する。具体的には、情報処理装置1は、例えば撮像画像の画像輝度が所定の輝度(閾値)以上の場合には、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定する。
【0086】
一方、カメラ状態判定部333は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像輝度に基づいて、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能な撮像状態である場合、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定する。具体的には、情報処理装置1は、例えば撮像画像の画像輝度が所定の輝度(閾値)未満の場合、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)であると判定する。
【0087】
HID入力判定部334は、入力デバイス150(例えば、キーボード151、タッチパッド153など)への操作入力の有無を判定する。例えば、HID入力判定部334は、入力デバイス150(例えば、キーボード151、タッチパッド153など)から出力される操作信号をEC200が取得した場合、HID入力があったと判定する。
【0088】
画面輝度変更部335は、HPD処理により表示部110の画面輝度を変更する。画面輝度変更部335は、画面輝度を変更する場合、記憶部170に記憶されている輝度設定値の値を変更する。例えば、画面輝度変更部335は、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されている状態において、HPD情報取得部331が顔検出部210から「Absence」情報を取得した場合、時間T1が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる画面輝度低減処理を実行する。
【0089】
また、画面輝度変更部335は、時間T1が経過する前にカメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0090】
一方、画面輝度変更部335は、時間T1が経過した後にカメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には当該判定を無視し、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0091】
なお、画面輝度変更部335は、時間T1が経過する前に顔検出部210から「Presence」情報を取得した場合(即ち、撮像画像から顔領域が検出された場合)も、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0092】
同様に、画面輝度変更部335は、時間T1が経過する前にHID入力判定部334によりHID入力があったと判定された場合(即ち、ユーザによる入力が検出された場合)も、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0093】
また、画面輝度変更部335は、時間T1が経過した後の時間T2が経過する前に顔検出部210から「Presence」情報を取得した場合(即ち、撮像画像から顔領域が検出された場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0094】
同様に、画面輝度変更部335は、時間T1が経過した後の時間T2が経過する前にHID入力判定部334によりHID入力があったと判定された場合(即ち、ユーザによる入力が検出された場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0095】
HPD情報出力部336は、HPD情報取得部331が取得した「Presence」情報、「Absence」情報、「Attention」情報、「No attention」情報などをシステム処理部310へ出力する。また、HPD情報出力部336は、HPD情報取得部331が「Absence」情報を取得してから時間T1が経過すると、「Leave」情報をシステム処理部310へ出力する。
【0096】
HPDモード制御部337は、時間T1が経過する前においては、カメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたことを条件として、HPD処理(顔検出部210による顔検出処理)を無効(Disable)にする。一方、HPDモード制御部337は、時間T1が経過した後においては、カメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、HPD処理(顔検出部210による顔検出処理)を無効(Disable)にしないで有効(Enable)のままにする。
【0097】
システム処理部310は、CPU11がBIOS及びOSのプログラムまたはOS上で実行されるプログラムを実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、OSのプログラムを実行することにより実現される機能構成として、動作制御部311と、表示制御部312と、スリープタイマ313とを備えている。
【0098】
動作制御部311は、システムの動作状態を制御する。例えば、動作制御部311は、待機状態において電源ボタン140に対して操作がされると、電源ボタン140からEC200を介して取得した操作信号に基づいて、システムを待機状態から起動する。また、動作制御部311は、通常動作状態において表示部110に表示されるOSの電源メニュー(シャットダウン、スリープ、再起動など)に対する操作に基づいて、システムのシャットダウン、待機状態への遷移、再起動などの処理を行う。
【0099】
また、動作制御部311は、顔検出部210によるHPD処理に応じて、システムの動作状態を制御する。例えば、動作制御部311は、通常動作状態においてHPD処理部320から「Leave」情報を取得した場合、スリープタイマ313を用いて時間T2の計時を開始し、時間T2が経過した後に待機状態へ遷移させる。具体的には、動作制御部311は、待機状態へ遷移させる指示を表示制御部312に対して行うことにより表示部110を表示オフにさせ、その後、システムをロックして待機状態へ遷移させる。システムのロックとは、例えばユーザ認証などによってログインするまで、使用できない状態にすることである。
【0100】
なお、動作制御部311は、時間T2が経過する前に、HPD処理部320から「Presence」情報を取得した場合、スリープタイマ313による計時を終了し、表示部110を表示オフにしないで通常動作状態を継続させる。また、動作制御部311は、時間T2が経過する前に、HPD処理部320においてHID入力があったと判定された場合(即ち、ユーザによる入力が検出された場合)、スリープタイマ313による計時を終了し、表示部110を表示オフにしないで通常動作状態を継続させる。
【0101】
表示制御部312は、表示部110の表示オン及び表示オフの制御を行う。また、表示制御部312は、表示オンの状態での表示部110の画面輝度を制御する。具体的には、表示制御部312は、記憶部170に記憶されている輝度設定値に基づいて、表示部110の画面輝度を制御する。この輝度設定値は、システムで初期設定されており、初期設定からユーザが使用環境や好みに応じて変更することもできる。また、この輝度設定値は、HPD処理部320(画面輝度変更部335)によって変更される。
【0102】
[画面輝度低減処理の動作]
次に図7を参照して、HPD処理による「Leave」検出時の画面輝度低減処理の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る「Leave」検出時の画面輝度低減処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態において「Presence」且つ「Attention」の状態であり、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されているものとする。
【0103】
(ステップS101)HPD処理部320は、顔検出部210から「Absence」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であるか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「Absence」情報を取得したと判定し、且つカメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定した場合(YES)にはステップS103の処理へ進み、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS101の処理を再び行う。
【0104】
(ステップS103)HPD処理部320は、ステップS101で「Absence」情報を取得したことに応じて、時間T1の計時を開始する(Leave timer開始)。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0105】
(ステップS105)HPD処理部320は、顔検出部210から「Prsence」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったか否かを判定する。また、HPD処理部320は、HID入力(HID input)があったか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「Prsence」情報を取得したと判定した場合(YES)、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合(YES)、またはHID入力(HID input)があったと判定した場合(YES)にはステップS101の処理へ戻り、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS107の処理へ進む。
【0106】
(ステップS107)HPD処理部320は、時間T1の計時が終了(Leave timer終了)したか否かを判定する。HPD処理部320は、時間T1の計時が終了(Leave timer終了)していないと判定した場合(NO)、ステップS105の処理へ戻る。一方、HPD処理部320は、時間T1の計時が終了(Leave timer終了)したと判定した場合(YES)、ステップS109の処理へ進む。
【0107】
(ステップS109)HPD処理部320は、画面輝度低減処理を開始し、画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる。また、HPD処理部320は、時間T1が経過したため「Leave」情報をシステム処理部310へ出力する。システム処理部310は、HPD処理部320から「Leave」情報を取得したことに応じて時間T2の計時を開始する(Sleep timer開始)。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0108】
(ステップS111)HPD処理部320は、ステップS105の判定処理に対してカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったか否かの判定を削除する。そして、ステップS113の処理へ進む。
【0109】
(ステップS113)HPD処理部320は、顔検出部210から「Prsence」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、HID入力(HID input)があったか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「Prsence」情報を取得したと判定した場合(YES)、またはHID入力(HID input)があったと判定した場合(YES)にはステップS115の処理へ進み、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS117の処理へ進む。
【0110】
(ステップS115)HPD処理部320は、画面輝度を標準輝度に戻し、ステップS101の処理へ戻る。なお真っ暗な環境では、HPD処理部320は、ステップS113において「Prsence」情報を取得することは無いため、実際にはHID入力のみが標準輝度への復帰条件となる。
【0111】
(ステップS117)システム処理部310は、時間T2の計時が終了(Sleep timer終了)したか否かを判定する。システム処理部310は、時間T2の計時が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS113の処理へ戻る。一方、システム処理部310は、時間T2の計時が終了したと判定した場合(YES)、ステップS119の処理へ進み、表示部110の表示をオフに制御する。
【0112】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサ(例えば、顔検出部210、CPU301、チップセット303など)と、を備えている。情報処理装置1は、撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出処理を実行する。また、情報処理装置1は、表示部110の画面輝度を標準輝度(第1の画面輝度の一例)に制御している状態において、顔検出処理により顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、時間T1(第1の時間の一例)が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度(第2の画面輝度の一例)へ低減させる画面輝度低減処理(輝度低減処理の一例)を行う。また、情報処理装置1は、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能なカメラシャッターが開いた状態(第1の撮像状態の一例)であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能なカメラシャッターが閉じた状態(第2の撮像状態の一例)であるかを判定する撮像状態判定処理を行う。そして、情報処理装置1は、時間T1が経過する前に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するようにが、画面輝度低減処理を中止する。一方、情報処理装置1は、時間T1が経過した後に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0113】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「Leave」を検出した(顔領域が検出されている状態から検出されなくなった)ことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0114】
よって、情報処理装置1は、真っ暗な環境で使用されているときに「Leave」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1は、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0115】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過する前においては、撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたことを条件として、顔検出処理及び画面輝度低減処理を無効(Disable)にする。一方、情報処理装置1は、時間T1が経過した後においては、撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、顔検出処理及び画面輝度低減処理を無効にしない。即ち、情報処理装置1は、顔検出処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにする。
【0116】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま顔検出処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにするため、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1は、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0117】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過した後にさらに時間T2(第2の時間の一例)が経過したことに応じて、表示部110の表示をオフに制御する表示制御処理をさらに行う。
【0118】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を低減させた後にさらに表示オフに制御することでより省電力化できる。
【0119】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過した後の時間T2が経過する前に顔検出処理により顔領域が検出された場合(「Absence」から「Presence」へ変化した場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0120】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を低減させた後であっても表示をオフにする前に、明るい環境に変化し且つ「Absence」から「Presence」へ変化した場合には、画面輝度を標準輝度に戻して使用可能な状態にすることができる。
【0121】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過した後の時間T2が経過する前にHID入力(ユーザによる入力)が検出された場合、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0122】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を低減させた後であっても表示をオフにする前にHID入力があった場合には、画面輝度を標準輝度に戻して使用可能な状態にすることができる。
【0123】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過する前に顔検出処理により顔領域が検出された場合(「Absence」から「Presence」へ変化した場合)、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0124】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、前方にユーザが一時的に存在しなくなってもすぐに戻った場合には、画面輝度を低減させることなく使用可能な状態を継続することができる。
【0125】
また、情報処理装置1は、時間T1が経過する前にHID入力(ユーザによる入力)が検出された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0126】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、前方にユーザが存在しなくなってもすぐにHID入力があった場合には、画面輝度を低減させることなく使用可能な状態を継続することができる。
【0127】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出する顔検出ステップと、表示部110の画面輝度を標準輝度(第1の画面輝度の一例)に制御している状態において、顔検出処理により顔領域が検出されている状態から検出されなくなった場合、時間T1(第1の時間の一例)が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度(第2の画面輝度の一例)へ低減させる画面輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能なカメラシャッターが開いた状態(第1の撮像状態の一例)であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能なカメラシャッターが閉じた状態(第2の撮像状態の一例)であるかを判定する撮像状態判定ステップと、時間T1が経過する前に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するようにが、画面輝度低減処理を中止するステップと、時間T1が経過した後に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させるステップと、を含む。
【0128】
これにより、情報処理装置1における制御方法によれば、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「Leave」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0129】
よって、情報処理装置1における制御方法によれば、真っ暗な環境で使用されているときに「Leave」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1における制御方法によれば、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0130】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態において、HPD処理により「Leave」が検出されたときの画面輝度低減処理について説明したが、本実施形態では、HPD処理により「No Attention」が検出されたときの画面輝度低減処理について説明する。
【0131】
図8は、本実施形態に係る「No Attention」検出時の画面輝度の制御例を示す図である。この図は、HPD処理により「No Attention」が検出されたときの情報処理装置1の画面輝度低減処理において、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)が検出されたときの制御例を示している。なお、この図に示す「No Attention」検出時の画面輝度の制御例は、図4に示す「Leave」検出時の画面輝度の制御例に対して画面輝度低減処理の後に表示オフに移行しない点が主に相違する。
【0132】
(1)において情報処理装置1は、通常動作状態であり画面輝度が標準輝度(Normal)である。ここで、情報処理装置1は、前方に存在するユーザの顔が正面を向いていない状態(No attention)を検出すると(Detect No attention)、タイマ(Dim timer)を用いて時間T3の計時を開始する。
【0133】
時間T3は、ユーザの顔が正面を向いていない状態が検出されてから画面輝度低減処理を開始するまでの時間であり、所定の時間(例えば、30秒)に設定されている。時間T3は、時間T1と同一の時間に設定されてもよいし、異なる時間に設定されてもよい。なお、時間T3は、ユーザによって設定可能であってもよい。
【0134】
(2)において情報処理装置1は、ユーザの顔が正面を向いていない状態(No attention)のまま時間T3が経過すると画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる画面輝度低減処理を開始し(Start Dim)、(3)で画面輝度が低輝度(Dim Display)に遷移する。
【0135】
ここで、情報処理装置1は、時間T3が経過する前にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、HPD処理及び画面輝度低減処理を無効(Disable)にして、(1)の状態に戻る。即ち、情報処理装置1は、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0136】
一方、情報処理装置1は、時間T3が経過して画面輝度の低減を開始した後にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、当該判定を無視してHPD処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにする。即ち、情報処理装置1は、画面輝度が低輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0137】
このように、情報処理装置1は、時間T3が経過する前と後でカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合の制御を異ならせる。例えば、情報処理装置1は、「No attention」検出時、時間T3が経過する前(画面輝度を低減する前)にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合には、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。一方、情報処理装置1は、時間T3が経過した後(画面輝度の低減を開始した後)にカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合には、画面輝度が低輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0138】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「No attention」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0139】
よって、情報処理装置1は、真っ暗な環境で使用されているときに「No attention」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。
【0140】
なお図8には示していないが、情報処理装置1は、時間T3が経過する前と後のいずれであっても、HID入力があった場合には(1)の状態に戻る。
【0141】
以下、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について詳しく説明する。なお、本実施形態に係る情報処理装置1の基本的な構成は、図1図5、及び図6に示す構成と同様であり、ここでは、図6に示す機能構成において第1の実施形態と相違する部分について説明する。
【0142】
HPDタイマ332は、HPD情報取得部331が「No attention」情報を取得してから画面輝度低減処理を開始するまでの時間T3を計時するタイマ(Dim timer)としての機能(図8参照)を有する。
【0143】
画面輝度変更部335は、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されている状態において、HPD情報取得部331が顔検出部210から「No attention」情報を取得した場合、時間T3が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる画面輝度低減処理を実行する。
【0144】
また、画面輝度変更部335は、時間T3が経過する前にカメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0145】
なお、画面輝度変更部335は、時間T3が経過する前に顔検出部210から「Attention」情報を取得した場合(即ち、顔検出部210により検出された顔の向きが正面の向きに変化した場合)も、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0146】
同様に、画面輝度変更部335は、時間T3が経過する前にHID入力判定部334によりHID入力があったと判定された場合(即ち、ユーザによる入力が検出された場合)も、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を無効にして画面輝度低減処理を中止する。
【0147】
一方、画面輝度変更部335は、時間T3が経過した後にカメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には当該判定を無視し、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0148】
また、画面輝度変更部335は、時間T3が経過した後に顔検出部210から「Attention」情報を取得した場合(即ち、顔検出部210により検出された顔の向きが正面の向きに変化した場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0149】
同様に、画面輝度変更部335は、時間T3が経過した後にHID入力判定部334によりHID入力があったと判定された場合(即ち、ユーザによる入力が検出された場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0150】
HPDモード制御部337は、時間T3が経過する前においては、カメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたことを条件として、HPD処理(顔検出部210による顔検出処理)を無効(Disable)にする。一方、HPDモード制御部337は、時間T3が経過した後においては、カメラ状態判定部333によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、HPD処理(顔検出部210による顔検出処理)を無効(Disable)にしないで有効(Enable)のままにする。
【0151】
[画面輝度低減処理の動作]
次に図9を参照して、HPD処理による「No attention」検出時の画面輝度低減処理の動作について説明する。図9は、本実施形態に係る「No attention」検出時の画面輝度低減処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態において「Presence」且つ「Attention」の状態であり、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されているものとする。
【0152】
(ステップS201)HPD処理部320は、顔検出部210から「No attention」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、カメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であるか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「No attention」情報を取得したと判定し、且つカメラシャッターが開いた状態(Shutter open)であると判定した場合(YES)にはステップS203の処理へ進み、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS201の処理を再び行う。
【0153】
(ステップS203)HPD処理部320は、ステップS201で「No attention」情報を取得したことに応じて、時間T3の計時を開始する(Dim timer開始)。そして、ステップS205の処理へ進む。
【0154】
(ステップS205)HPD処理部320は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったか否かを判定する。また、HPD処理部320は、HID入力(HID input)があったか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、カメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定した場合(YES)、またはHID入力(HID input)があったと判定した場合(YES)にはステップS201の処理へ戻り、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS207の処理へ進む。
【0155】
(ステップS207)HPD処理部320は、時間T3の計時が終了(Dim timer終了)したか否かを判定する。HPD処理部320は、時間T3の計時が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS205の処理へ戻る。一方、HPD処理部320は、時間T3の計時が終了したと判定した場合(YES)、ステップS209の処理へ進む。
【0156】
(ステップS209)HPD処理部320は、画面輝度低減処理を開始し、画面輝度を標準輝度から低輝度へ低減させる。そして、ステップS211の処理へ進む。
【0157】
(ステップS211)HPD処理部320は、ステップS205の判定処理に対してカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったか否かの判定を削除する。そして、ステップS213の処理へ進む。
【0158】
(ステップS213)HPD処理部320は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。また、HPD処理部320は、HID入力(HID input)があったか否かを判定する。そして、HPD処理部320は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、またはHID入力(HID input)があったと判定した場合(YES)にはステップS215の処理へ進み、それ以外の判定の場合(NO)にはステップS213の処理を再び行う。即ち、HPD処理部320は、画面輝度を低輝度へ低減させた状態を維持する。
【0159】
(ステップS215)HPD処理部320は、ステップS213で「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、またはHID入力(HID input)があったと判定した場合(YES)には、画面輝度を標準輝度に戻し、ステップS201の処理へ戻る。なお真っ暗な環境では、HPD処理部320は、ステップS213において「Attention」情報を取得することは無いため、実際にはHID入力のみが標準輝度への復帰条件となる。
【0160】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、メモリに記憶された画像データに基づいて処理を実行するプロセッサ(例えば、顔検出部210、CPU301、チップセット303など)と、を備えている。情報処理装置1は、撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域及び顔の向きを検出する顔検出処理を実行する。また、情報処理装置1は、表示部110の画面輝度を標準輝度(第1の画面輝度の一例)に制御している状態において、顔検出処理により検出された顔の向きが正面(第1の向き)から正面以外の向き(第2の向き)に変化した場合、時間T3(第1の時間の一例)が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度(第2の画面輝度の一例)へ低減させる画面輝度低減処理(輝度低減処理の一例)を行う。また、情報処理装置1は、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能なカメラシャッターが開いた状態(第1の撮像状態の一例)であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能なカメラシャッターが閉じた状態(第2の撮像状態の一例)であるかを判定する撮像状態判定処理を行う。そして、情報処理装置1は、時間T3が経過する前に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するようにが、画面輝度低減処理を中止する。一方、情報処理装置1は、時間T3が経過した後に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させる。
【0161】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「No attention」を検出した(顔の向きが正面から正面以外の向きに変化した)ことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0162】
よって、情報処理装置1は、真っ暗な環境で使用されているときに「No attention」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1は、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0163】
また、情報処理装置1は、時間T3が経過する前においては、撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたことを条件として、顔検出処理及び画面輝度低減処理を無効(Disable)にする。一方、情報処理装置1は、時間T3が経過した後においては、撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、顔検出処理及び画面輝度低減処理を無効にしない。即ち、情報処理装置1は、顔検出処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにする。
【0164】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「No attention」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま顔検出処理及び画面輝度低減処理を有効(Enable)のままにするため、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1は、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0165】
また、情報処理装置1は、時間T3が経過した後に顔検出処理により検出された顔の向きが正面以外の向きから正面に変化した場合(「No attention」から「Attention」に変化した場合)、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0166】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「No attention」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を低減させた後であっても、明るい環境に変化し且つ「No attention」から「Attention」へ変化した場合には、画面輝度を標準輝度に戻して使用可能な状態にすることができる。
【0167】
また、情報処理装置1は、時間T3が経過した後にHID入力(ユーザによる入力)が検出された場合、画面輝度低減処理を中止して画面輝度を標準輝度に戻す。
【0168】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、「No attention」を検出したことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合には、画面輝度を低減させた後であってもHID入力があった場合には、画面輝度を標準輝度に戻して使用可能な状態にすることができる。
【0169】
また、情報処理装置1は、時間T3が経過する前に顔検出処理により検出された顔の向きが正面以外の向きから正面に変化した場合(「No attention」から「Attention」に変化した場合)、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0170】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、ユーザの顔の向きが正面以外の向きになってもすぐに正面を向いたときには、画面輝度を低減させることなく使用可能な状態を継続することができる。
【0171】
また、情報処理装置1は、時間T3が経過する前にHID入力(ユーザによる入力)が検出された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するように画面輝度低減処理を中止する。
【0172】
これにより、情報処理装置1は、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、ユーザの顔の向きが正面以外の向きになってもすぐにHID入力があった場合には、画面輝度を低減させることなく使用可能な状態を継続することができる。
【0173】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域及び顔の向きを検出する顔検出ステップと、表示部110の画面輝度を標準輝度(第1の画面輝度の一例)に制御している状態において、顔検出処理により検出された顔の向きが正面(第1の向き)から正面以外の向き(第2の向き)に変化した場合、時間T3(第1の時間の一例)が経過した後に画面輝度を標準輝度から低輝度(第2の画面輝度の一例)へ低減させる画面輝度低減処理を行う輝度低減ステップと、撮像部120が顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像可能なカメラシャッターが開いた状態(第1の撮像状態の一例)であるか、或いは前記顔領域を検出し得る画像輝度の画像を撮像不可能なカメラシャッターが閉じた状態(第2の撮像状態の一例)であるかを判定する撮像状態判定ステップと、時間T3が経過する前に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が標準輝度のまま継続するようにが、画面輝度低減処理を中止するステップと、時間T3が経過した後に撮像状態判定処理によりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定された場合、画面輝度が低輝度に低減された状態のまま継続するように画面輝度低減処理を継続させるステップと、を含む。
【0174】
これにより、情報処理装置1における制御方法によれば、例えば真っ暗な環境で使用されている場合、画面輝度が標準輝度のときには画面の明るさによって顔検出処理が可能であるが、「No attention」を検出した(顔の向きが正面から正面以外の向きに変化した)ことによって画面輝度を低輝度へ低減させたことによりカメラシャッターが閉じた状態(Shutter closed)になったと判定されたとしても、画面輝度を標準輝度に戻すのではなく低輝度のまま画面輝度低減処理を継続させることができる。
【0175】
よって、情報処理装置1における制御方法によれば、真っ暗な環境で使用されているときに「No attention」を検出した場合、画面輝度が低輝度と標準輝度とを繰り返すループ処理となってしまわないようにすることができる。従って、情報処理装置1における制御方法によれば、顔検出を用いて画面輝度の制御を適切に行うことができる。
【0176】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の各実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0177】
また、上記実施形態では、撮像部120により撮像された撮像画像から顔領域及び顔の向きを検出する構成を説明したが、第1の実施形態における「Leave」検出時の画面輝度低減処理を行い第2の実施形態における「No attention」検出時の画面輝度低減処理を行わない場合には、顔の向きの検出は行わない構成としてもよい。例えば、撮像画像から顔領域を検出することにより情報処理装置1の前方に存在する人物(ユーザ)の有無を検出して画面輝度の制御及びシステムの動作状態の制御を行う構成としもよい。
【0178】
また、情報処理装置1に撮像部120が内蔵されている構成例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像部120は、情報処理装置1に内蔵されていなくてもよく、情報処理装置1の外部アクセサリとして情報処理装置1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で情報処理装置1と通信接続されるものであってもよい。
【0179】
また、上記実施形態では、顔検出部210がCPU301およびチップセット303とは別に備えられている例を示したが、顔検出部210の一部または全部は、チップセット303に備えられてもよいし、CPU301またはチップセット303と一体化されたプロセッサに備えられてもよい。例えば、CPU301とチップセット303と顔検出部210とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。また、顔検出部210の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。
【0180】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)に相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0181】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0182】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0183】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0184】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、ノートブック型のPCに限られるものではなく、例えば、デスクトップ型PCなどであってもよい。
【符号の説明】
【0185】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、210 顔検出部、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 システム処理部、311 動作制御部、312 表示制御部、313 スリープタイマ、320 HPD処理部、331 HPD情報取得部、332 HPDタイマ、333 カメラ状態判定部、334 HID入力判定部、335 画面輝度変更部、336 HPD情報出力部、337 HPDモード制御部、400 電源部
図1
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