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  • 特開-調節計 図1
  • 特開-調節計 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136705
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】調節計
(51)【国際特許分類】
   G01D 7/00 20060101AFI20240927BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240927BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20240927BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
G01D7/00 H
H05B47/105
H05B47/155
H05B47/19
G01D7/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047908
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 理沙
(72)【発明者】
【氏名】長田 光彦
【テーマコード(参考)】
2F041
3K273
【Fターム(参考)】
2F041FA01
2F041FA02
2F041FA08
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA05
3K273SA01
3K273SA31
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA47
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA17
3K273UA22
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】調節計の表示の視認性を向上させる。
【解決手段】調節計100は、送信回路101、第1受信回路102、判定回路103、通知板104、光源105、照明制御回路106、コード107、第2受信回路108、および制御回路109を備え、照明制御回路106は、判定回路103の判定結果を基に光源105による半透明の板部材から構成された通知板104の照明状態を変更する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象を制御するための制御情報を前記監視対象に送信するように構成された送信回路と、
前記監視対象から送信された測定値を受け付けるように構成された第1受信回路と、
前記第1受信回路が受け付けた測定値を基に前記監視対象の状態を判定するように構成された判定回路と、
半透明の板部材から構成された通知板と、
前記通知板の裏面側から前記通知板を照明する光源と、
前記判定回路の判定結果を基に前記光源による前記通知板の照明状態を変更するように構成された照明制御回路と、
前記通知板の表面側に設けられた、自装置との無線ネットワークによる接続のための接続情報を示すコードと、
無線ネットワークにより接続された他装置から送信された制御信号を受信するように構成された第2受信回路と、
前記第2受信回路が受け付けた制御信号に基づいて自装置を制御する制御回路と
を備える調節計。
【請求項2】
請求項1記載の調節計において、
前記照明制御回路は、前記判定回路の判定結果に対応して前記光源による前記照明の色を変更する調節計。
【請求項3】
請求項1記載の調節計において、
前記照明制御回路は、前記判定回路の判定結果に対応して前記光源による前記照明の点滅状態を変更する調節計。
【請求項4】
請求項1記載の調節計において、
前記照明制御回路は、前記判定回路の判定結果に対応して前記光源による前記照明の明るさを変更する調節計。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の調節計において、
前記光源による前記照明は、照明領域の中心から周辺にかけて明暗が徐々に変化している調節計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節計に関する。
【背景技術】
【0002】
温度や流量などのアナログプロセス量を制御するために調節計が用いられている。調節計は、例えば、製造設備やビル管理などのオートメーションシステム向けの制御に用いられている(特許文献1)。この種の調節計では、センサを用いて測定された監視対象の状態を示す測定値を数値表示し、また、測定した測定値(PV値)と設定値(SP値)とに従って、制御機器に対する制御出力(MV値)を求め、監視対象の状態を制御する。また、調節計は、異常検出機能を備え、監視対象の異常、センサの異常などを検出し、検出した異常事象をイベント情報として外部出力し、警報(アラーム)表示する。例えば、測定値や設定値を数値表示する表示器で警報表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4979499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的な調節計の表示操作面は、測定値や設定値などを数値表示する表示領域と、監視対象の状態を示す表示領域と、各種の設定を実施するための操作ボタンが配置される操作領域とを備える。
【0005】
しかしながら、この種の調節計は、表示操作面が50mm×100mm程度と小型であり、多くの情報を詳細に表示し、また、多くの設定に合わせて各々操作ボタンを個別に配置することができない。このため、監視対象の異常状態などは、小さな円形の領域の点灯などにより表示しており、例えば、離れた箇所では確認が容易ではないなど視認性に問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、調節計の詳細な情報を閲覧しなくとも、状態を直感的に認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る調節計は、監視対象を制御するための制御情報を監視対象に送信するように構成された送信回路と、監視対象から送信された測定値を受け付けるように構成された第1受信回路と、第1受信回路が受け付けた測定値を基に監視対象の状態を判定するように構成された判定回路と、半透明の板部材から構成された通知板と、通知板の裏面側から通知板を照明する光源と、判定回路の判定結果を基に光源による通知板の照明状態を変更するように構成された照明制御回路と、通知板の表面側に設けられた、自装置との無線ネットワークによる接続のための接続情報を示すコードと、無線ネットワークにより接続された他装置から送信された制御信号を受信するように構成された第2受信回路と、第2受信回路が受け付けた制御信号に基づいて自装置を制御する制御回路とを備える。
【0008】
上記調節計の一構成例において、照明制御回路は、判定回路の判定結果に対応して光源による照明の色を変更する。
【0009】
上記調節計の一構成例において、照明制御回路は、判定回路の判定結果に対応して光源による照明の点滅状態を変更する。
【0010】
上記調節計の一構成例において、照明制御回路は、判定回路の判定結果に対応して光源による照明の明るさを変更する。
【0011】
上記調節計の一構成例において、光源による照明は、照明領域の中心から周辺にかけて明暗が徐々に変化している。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、判定回路による監視対象の状態の判定結果を基に、通知板の照明の状態を変更するので、調節計の詳細な情報を閲覧しなくとも、状態を直感的に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る調節計100の構成を示す構成図である。
図2図2は、光源105による通知板104の照明の状態の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る調節計100について図1を参照して説明する。調節計100は、送信回路101、第1受信回路102、判定回路103、通知板104、光源105、照明制御回路106、コード107、第2受信回路108、および制御回路109を備える。
【0015】
送信回路101は、監視対象の外部機器131を制御するための制御情報を外部機器131に送信する。第1受信回路102は、外部機器131から送信された測定値を受け付ける。判定回路103は、第1受信回路102が受け付けた測定値を基に外部機器131の状態を判定する。
【0016】
通知板104は、半透明の板部材から構成されている。通知板104は、例えば、型ガラス、フロストガラス、すりガラスなどの曇りガラスとすることができる。また、通知板104は、アクリルなどによる半透明なプラスチック板とすることができる。通知板104は、例えば、平面視の寸法を50mm×100mm程度とすることができる。通知板104は、調節計100の表示領域の全域を覆う程度の寸法とすることができる。
【0017】
光源105は、通知板104の裏面側から通知板104を照明する。光源105は、通知板104の全域を照明する。光源105は、例えば、白色光を発する発光ダイオードから構成することができる。また、光源105は、例えば、青色の光を発する発光ダイオード、オレンジ色の光を発する発光ダイオード、および赤色の光を発する発光ダイオードから構成することができる。また、光源105による通知板104の照明は、図2に示すように、照明領域の中心から周辺にかけて明暗が徐々に変化している状態とすることができる。
【0018】
照明制御回路106は、判定回路103の判定結果を基に光源105による通知板104の照明状態を変更する。通知板104の全域を照明する光源105の照明状態の変更は、通知板104の全域に反映される。
【0019】
例えば、照明制御回路106は、判定回路103の判定結果に対応して照明の色を変更することができる。例えば、判定結果が正常である正常時には、照明制御回路106の制御により光源105を構成する青色の光を発する発光ダイオードを点灯する。また、判定結果が異常である異常時には、照明制御回路106の制御により光源105を構成する赤色の光を発する発光ダイオードを点灯する。また、判定結果が正常の範囲ではあるが異常値に近い状態である場合、照明制御回路106の制御により光源105を構成するオレンジ色の光を発する発光ダイオードを点灯する。
【0020】
また、照明制御回路106は、判定回路103の判定結果に対応して照明の点滅状態を変更することができる。例えば、判定結果が正常である正常時には、照明制御回路106の制御により70回/分で光源105をオンオフして照明を点滅させる。また、判定結果が異常である異常時には、照明制御回路106の制御により140回/分で光源105をオンオフして照明を点滅させる。この場合、光源105は、白色光を発する発光ダイオードから構成することができる。
【0021】
照明制御回路106は、判定回路103の判定結果に対応して照明の明るさを変更することができる。例えば、判定結果が正常である正常時には、照明制御回路106の制御により、10個の発光ダイオードから構成されている光源105の点灯させる発光ダイオードの数を5個とする。また、判定結果が異常である異常時には、照明制御回路106の制御により、10個の発光ダイオードから構成されている光源105の全ての発光ダイオードを点灯する。
【0022】
コード107は、通知板104の表面側に設けられている。コード107は、自装置との無線ネットワークによる接続のための接続情報を示すものであり、例えば、2次元コードとすることができる。コード107は、例えば、通知板104の隅に設けることができる。コード107は、例えば、2次元コードが印刷されたシールを通知板104の隅に貼り付けて設置することができる。
【0023】
第2受信回路108は、無線ネットワークにより接続された他装置から送信された制御信号を受信する。制御回路109は、第2受信回路108が受け付けた制御信号に基づいて自装置を制御する。他装置は、例えば、携帯端末装置120とすることができる。携帯端末装置120は、カメラ121、読取回路122、接続回路123、遠隔制御回路124、送信回路125を備えることができる。
【0024】
操作者による携帯端末装置120の操作により、カメラ121でコード107を撮像する。カメラ121により撮像されたコード107で示されている接続情報は、読取回路122で判読される。接続回路123は、判読された接続情報を用いて、調節計100との無線ネットワークによる接続を確立する。
【0025】
接続回路123が調節計100との無線ネットワークによる接続を確立した後、操作者による携帯端末装置120の操作により、遠隔制御回路124が、調節計100を制御するための制御信号を生成する。遠隔制御回路124が生成した制御信号は、送信回路125により調節計100に送信される。このようにして送信された制御信号は、第2受信回路108で受信され、受信された制御信号に基づいて、制御回路109が自装置を制御する。
【0026】
なお、上述した実施の形態に係る調節計は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)と主記憶装置と外部記憶装置とネットワーク接続装置となどを備えたコンピュータ機器とし、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能が実現されるようにすることもできる。上記プログラムは、上述した実施の形態で示した各機能をコンピュータが実行するためのプログラムである。ネットワーク接続装置は、無線ネットワークに接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0027】
また、上述した実施の形態に係る調節計は、FPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)により構成することも可能である。例えば、各回路をFPGAのロジックエレメントとして備えることで、調節計として機能させることができる。
【0028】
以上に説明したように、本発明によれば、判定回路による監視対象の状態の判定結果を基に、通知板の照明の状態を変更するので、調節計の詳細な情報を閲覧しなくとも、状態を直感的に認識することができる。通知板は、調節計の表示領域の全域を覆う程度の寸法とすることができ、通知板の全域を照明する光源の照明状態の変更は、通知板の全域に反映されるため、照明の状態の変化は、広い面積とした通知板の全域で示されるものとなる。このように、本発明によれば、監視対象の状態の判定結果を大きく示すことができ、離れた箇所であっても、確認が容易にできる。
【0029】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0030】
100…調節計、101…送信回路、102…第1受信回路、103…判定回路、104…通知板、105…光源、106…照明制御回路、107…コード、108…第2受信回路、109…制御回路、120…携帯端末装置、121…カメラ、122…読取回路、123…接続回路、124…遠隔制御回路、125…送信回路、131…外部機器。
図1
図2