(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136708
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】洗濯ライン及び水分率調整可能な乾燥機
(51)【国際特許分類】
D06F 95/00 20060101AFI20240927BHJP
D06F 33/50 20200101ALI20240927BHJP
D06F 67/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
D06F95/00
D06F33/50
D06F67/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047911
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】517260700
【氏名又は名称】アイナックス稲本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078673
【弁理士】
【氏名又は名称】西 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 吉則
(72)【発明者】
【氏名】大杉 洋之
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA34
3B167AC22
3B167AC23
3B167AE07
3B167BA54
3B167BA55
3B167BA64
3B167BA82
3B167JA53
3B167LC15
(57)【要約】
【課題】連続式洗濯機で洗濯されて圧搾式脱水機や遠心脱水機で脱水されて塊状となった洗濯物(脱水済ケーキ)のシワ伸ばしを行う洗濯物仕上げライン及び当該ラインに設置される水分率調整可能な乾燥機に関し、アイロンがけ後の洗濯物に全体的ないし部分的なシワが残る問題を解決する。
【解決手段】脱水機4と乾燥機1との間に脱水済ケーキwの表面に水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置2を設け、脱水済ケーキwの含水率が乾燥機1に設定した含水率より低くなったときに、水噴霧装置2から水ないし水蒸気を脱水済ケーキwの表面に噴霧する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水機から排出された1バッチ毎の塊状の洗濯物をアイロナーの前段に設置した乾燥機又はほぐし機の前で待機させることができるコンベアを備え、当該コンベアと前記乾燥機又はほぐし機の洗濯物収納部との間に前記待機した塊状の洗濯物の表面に水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置を備えていることを特徴とする、洗濯ライン。
【請求項2】
前記コンベアの前後に脱水済の塊状の洗濯物の1バッチ毎の重量を計測可能な計量コンベアを備え、それぞれの塊状の洗濯物が前段の計量コンベアに乗ったときの重量と後段のコンベアに乗ったときの重量との重量の差分情報から前記水噴霧装置の水又は水蒸気の噴霧量を制御する、請求項1記載の洗濯ライン。
【請求項3】
洗濯ラインに設置されたアイロナーに投入される脱水済の塊状の洗濯物の水分率調整に使用される乾燥機において、当該乾燥機が水分量の少ない前記塊状の洗濯物に水分を付与するための水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置を備えている、乾燥機。
【請求項4】
洗濯物収納部と当該収納部に脱水された塊状の洗濯物を投入するための投入口とを備えた水分率調整可能な乾燥機と、前記投入口の近傍に前記洗濯物収納部に投入される塊状の洗濯物に向けて水ないし水蒸気を噴霧するノズルを備えた水噴霧装置を備え、当該水噴霧装置は、前記洗濯物収納部に塊状の洗濯物が投入されるときに当該塊状の洗濯物の表面に水ないし水蒸気を噴霧することを特徴とする、乾燥機。
【請求項5】
前記水噴霧装置が、水ラインと圧縮空気ラインとを個別に備え、圧縮空気ライン先端の噴霧ノズル部で水ライン先端の流出口から滴下ないし流下した水を前記噴霧ノズルに伝わらせて流下させ、前記噴霧ノズル先端の吹出口に流下した水を当該吹出口から噴出する圧縮空気で拡散させる、請求項4記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、連続式洗濯機で洗濯されて圧搾式脱水機や遠心脱水機で脱水されて塊状となった洗濯物の仕上げを行う洗濯ライン及び当該ラインに設置される水分率調整可能な乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6はリネンサプライヤーが使う連続式洗濯機から脱水、水分率調整(半乾燥)、アイロン仕上げを行う洗濯ラインを模式的に示した図である。洗濯しようとする洗濯物は、1バッチ毎に仕分けられて連続式洗濯機3に投入される。投入された洗濯物は、各槽での洗濯と槽間移送が繰り返されて、約30分(洗濯槽が10槽程度の場合)かけて洗濯される。洗濯された洗濯物は、1バッチ毎に脱水機4で脱水されて、1バッチ毎の塊状の洗濯物(以下、「脱水済ケーキ」と言う。)wとなる。
【0003】
脱水済ケーキwは、コンベア5を経て水分率調整(半乾燥)可能な乾燥機(一般的な洗濯物乾燥機は半乾燥も可能であり、シェーカータンブラーと呼ばれる半乾燥専用の乾燥機もある。以下、これら全てを含めて、単に「乾燥機」と言う。)1に投入される。投入された脱水済ケーキは、乾燥機の洗濯物収納部となる回転ドラムの回転と通過する温風によってほぐされて半乾燥される。乾燥の程度は、次段のアイロナー6のアイロンがけに最適な含水率範囲に予め設定されている。アイロナー6の前後には、個々の洗濯物を拡げる投入機7及び折畳み機8が配置される。
【0004】
図6の線図a、bは、上記の洗濯ラインにおける1バッチ毎の洗濯物の含水率を模式的に示した線図である。通常は、線図aで示すように、脱水機4で脱水された状態での含水率を保持して乾燥機1に投入され、乾燥機1で設定された含水率範囲に半乾燥されてアイロナー6に投入され、適正なアイロンがけが行われる。
【0005】
乾燥機では、ほぐしと水分率調整が同時に行われるが、ほぐし機と乾燥専用機の独立した2個の機器で行われる場合もある。以下の説明では、ほぐし機と乾燥専用機との2個の機器からなるものも含めて、脱水済ケーキのほぐしと乾燥を行う装置を乾燥機と言う。
【0006】
なお、水スプレー機構を搭載した乾燥機は特許文献1-3で提案されている。特許文献1には、乾燥運転中のシワの改善を目的として乾燥機内で水を噴霧するミスト装置の記載がある。湿度を監視し噴霧量を可変させている。特許文献2では内胴の回転を監視し噴霧を制御している。特許文献3では、織物表面処理剤の噴霧装置を搭載した回転式衣類処理装置が提案されている。圧送による噴霧で、処理液と圧縮空気のノズル内混合している。
【0007】
一方、特許文献4には、圧縮空気と水をノズル外部で混合させる技術が提案されている。鉛直方向下向きに気体を噴射し、気体の噴射方向と交差する水平方向に液体を噴霧し拡散させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003-111998号公報
【特許文献2】特開2010-88717号公報
【特許文献3】特表平9-505114号公報
【特許文献4】特開2012-32128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、通常は乾燥機1に設定された適切な含水率で洗濯物のアイロンがけが行われるのであるが、例えば、脱水機4からアイロナー6に至る洗濯ラインの生産量調整のため、脱水済ケーキwをコンベア5上で待機させる場合があり、工場の始業時に洗濯ライン全体の運転を同時に開始するために、脱水済ケーキwをコンベア5上に複数ストックした状態で終業し、ストックした脱水済ケーキwを翌朝の始業時に乾燥機1へ投入する場合がある。
【0010】
このような場合、ストックされた脱水済ケーキwから水分が蒸発して表面部分の含水率の低下(線図b)が起こる。この場合でも、脱水済ケーキw内部の水分の蒸発は抑制される。
【0011】
乾燥機1ではほぐされた洗濯物に対して均等に乾燥処理が行われるので、塊状態のときにその表層にあった部分は過乾燥(設定された水分範囲より低い状態)になり、適切なアイロンがけができなくなる。
【0012】
すなわち、脱水済ケーキwが脱水機4と乾燥機1との間で長時間放置され、表層の水分が少なくなった結果、乾燥機1から取り出された洗濯物の水分量は少なくなり、アイロナー6に投入される洗濯物の水分量が少なくなり、アイロナー6でシワを伸ばすために必要な水分量が不足してシワを適切に伸ばすことができない結果になる。
【0013】
例えば洗濯物が面積の大きいシーツ等であれば、
図7にpで示すように、塊状で待機していたときの表面に位置していた
数カ所の部分pにシワが残った状態でアイロナー6から取り出される。
【0014】
脱水済ケーキが保有している水分量に比べると、喪失する水分量は僅かだが、脱水済ケーキの表面に露出している部分が局所的に乾燥してしまい、1枚のシーツwとして見ると、まばらに水分量に差があり、水分の少ない部分pはアイロン仕上げでシワになる。
【0015】
シワが伸びていない洗濯物や部分的にシワが残った洗濯物は、再度水洗・脱水からやり直しになり、生産性低下とコスト増大の原因となる。
【0016】
さらに、アイロナー6に投入される洗濯物の水分量が少ないと、通常の水分量で投入される場合と比べて、アイロナー内で過乾燥になる。過乾燥は、繊維にダメージを与え、リネン品の短命につながる。
【0017】
アイロナーへ洗濯物を投入する投入機7の作業者が、水分不足に気が付けば、投入前に霧吹きで濡らして水分を補充することができるが、局部的な水分不足を発見して補充することは作業負担が多く生産的では無い。
【0018】
アイロナー6内で過乾燥になる問題は、アイロナーの処理速度を調整すれば解消できるが、シワの問題は、シワを伸ばすために必要な保有水分量に依存するので、脱水済ケーキが自然乾燥することで生ずる一部の洗濯物にシワが残る問題やシーツなどの一部にシワが残る問題は、乾燥機1やアイロナー6の運転条件の設定で対処することができない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明は、脱水機4と乾燥機1との間に脱水済ケーキwの表面に水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置2を設け、主として脱水済ケーキwが脱水機4と乾燥機1との間で長時間放置されたことにより、または特別な環境条件により、脱水済ケーキwの含水率が乾燥機1に設定した含水率より低くなったときに、水噴霧装置2から水ないし水蒸気を脱水済ケーキwの表面に噴霧することにより、アイロンがけ後の洗濯物に全体的ないし部分的なシワが残る問題を解決したものである。
【0020】
水噴霧装置2の実装形態としては、乾燥機の脱水済ケーキの投入口11近傍に水噴霧装置2を設け、脱水済ケーキが乾燥機1の洗濯物収納部12に投入されたときに、乾燥機の運転開始前、すなわち脱水済ケーキがほぐされる前に、脱水済ケーキの表面sに向けて水ないし水蒸気を噴霧する。
【0021】
水噴霧装置2は、必ずしも乾燥機1と一体である必要はなく、独立の装置として乾燥機1の投入口11の近傍に設けることもできる。脱水済ケーキが乾燥機1の投入口11から洗濯物収納部12に投入された後の乾燥機1の運転前に、水ないし水蒸気を洗濯物収納部12に向けて噴霧するようにすれば、水ないし水蒸気が機外に飛散するのを防止できる。
【0022】
噴霧された水ないし水蒸気は、脱水済ケーキの繊維に保持されるから、脱水済ケーキに対する水分の付与は、乾燥機1に投入される直前である必要はない。例えば脱水機4から乾燥機1に脱水済ケーキwを移送する搬送ラインに幾つかの脱水済ケーキをストックできるストックコンベアを設けたときは、当該コンベア上で待機している脱水済ケーキに水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置2を設けることもできる。
【発明の効果】
【0023】
この発明により、洗濯ラインの運転条件や環境条件によって、脱水済ケーキが待機させられてアイロンがけを行うのに必要な水分が全体的に又は部分的に不足した場合に、水分が不足した脱水済ケーキがほぐし機ないし乾燥機でほぐされる前に当該脱水済ケーキに水ないし水蒸気が噴霧されて水分率調整が行われるので、アイロナーから取り出された洗濯物に部分的ないし全体的にシワが残る問題を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施例の洗濯ラインの模式的な側面図と当該ライン上の洗濯物の含水率の変化を示す線図
【
図2】
図1の水噴霧装置が水を噴霧している状態を示す正面図
【
図3】
図1の水噴霧装置が水を噴霧している状態を示す側面図
【
図6】従来の洗濯ラインの模式的な側面図と当該ライン上の洗濯物の含水率の変化を示す線図
【
図7】部分的な水分不足によるアイロン仕上げ不良を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施例1]
図1はこの発明の第1実施例を示した図であり、
図6と同一の機器には同一の符号を付しである。第1実施例に示す乾燥機1は、水噴霧装置2を一体に備えており、当該乾燥機1の投入口11の上部に水を噴霧する噴霧ノズル21を乾燥機の洗濯物収納部内に向けて下向きに噴霧するように取付けられている。
【0026】
噴霧ノズル21は、
図2~4に示されているように、水ライン22と圧縮空気ライン23の2系統で構成され、圧縮空気ライン23の先端に設けた噴霧ノズル21の吹出口25に水ライン22の流出口27から水が僅かに滴下ないし流下して供給される構造になっている(
図4)。
【0027】
工場には随時使用できる加圧水が供給されているのが一般的なので、加圧水の圧力を利用して水の噴霧を行っても良いが、洗濯工場の場合、水の使用が多く、供給水圧が不規則に変動するので供給水圧に依存する噴霧では噴霧量及び噴霧水の拡散性が大きくばらつく。特に工場の始業時には設備された複数の洗濯機が同時に運転開始するので、工場全体の使用水量が多くなり、水圧変動が大きくなる。
【0028】
本発明の水噴霧装置2のように、工場始業時に稼働することの多い装置としては、汎用される加圧水の水圧に依存する水噴霧装置とすることは好ましくない。加圧水の水圧を安定させるために加圧ポンプで噴霧水を圧送させる装置も考えられるが、ポンプの制御が必要で、装置規模として大きくなり、コストアップになる。
【0029】
そこで、ポンプを使用せずに水圧変動の影響を受けないようにするため、水圧変動があっても影響を受けない程度の微少な水量を使用する水噴霧装置2を提案している。水圧変動があっても供給可能な微少な水量を、噴霧ノズル21の先端に滴下し、圧縮空気の圧力を使って拡散させる。供給水の流出口27は噴霧ノズル21の先端の吹出口25から後方に位置しており、噴霧ノズル21の表面を伝って噴霧ノズル21の先端まで流れる(
図4)。圧縮空気は、乾燥機1が通常備えているエアレギュレータの二次側から供給すれば、設備水の圧変動に比べると安定している。
【0030】
水噴霧装置2の水噴霧動作は、脱水済ケーキwがコンベア5から乾燥機1に投入された直後の、乾燥機1が投入された脱水済ケーキwのほぐし動作を開始する前に行われ、噴霧水は、脱水済ケーキwの表面に噴霧される(
図2~4)。噴霧量の制御は、滴下量を把握した後、時間制御で行われる。噴霧の開閉動作は、水垂れを防止するために、圧縮空気噴射開始→水供給開始→規定時間噴霧→水供給停止→圧縮空気噴射停止の順序で行われる。
【0031】
乾燥機1のほぐし動作前に投入された脱水済ケーキの表面に水ないし水蒸気を噴霧する水噴霧装置2を設けることにより、
図1の線分cで示すように、線図bのように大気中に水分が失われた脱水済ケーキであっても、水分が失われていない脱水済ケーキと同じ水分量で半乾燥及びアイロンがけを行うことができ、洗濯物の過乾燥によるシワを防止することができる。
【0032】
脱水済ケーキwに対する水の噴霧は、乾燥機1に投入された脱水済ケーキの全てに対して行われるのではなく、脱水機4と乾燥機1との間で長時間待機していたために表面が乾燥しているおそれのある脱水済ケーキに対してだけ行われる。洗濯ラインの制御器は、連続式洗濯機3に投入される1バッチ毎の洗濯物の洗濯ライン上の位置を把握しているので、それを参照することによって水噴霧の必要な脱水済ケーキと不要な脱水済ケーキを判別することができる。
【0033】
なお、コンベアに放置された脱水済ケーキの表面の水分が失われていく程度は、周囲の気温などの諸条件に左右されるが、気温28℃程度で1時間に100g程度の水分が喪失されていくことが実験で分かっている。
【0034】
前日の終業から翌日の始業まで16時間(前日16時にストック、翌朝8時始業)程度放置されると仮定すると1.6kgの水分が失われている。休業日を1日はさむと、さらに24時間放置されるので、4kgの水分が失われると推定される。実験によれば、自然乾燥の程度は、脱水済ケーキの外周部より上面の方が乾燥の程度が大きく、ケーキ内部は放置してもほぼ水分量は変わらないことも分かっている。
【0035】
なお、拡張機能として、乾燥機1の排気循環機能と組み合わせて、噴霧水の浸透を促進することもできる。また、必要により水ないし水蒸気以外の加工剤を噴霧してもよい。
【0036】
水噴霧装置2の噴霧ノズル21を乾燥機1の投入口11の近傍上方に設けた第1実施例の洗濯ラインは、設備コスト及び既存の洗濯ラインにも容易に追加設置することができる点で最も優れていると言える。しかし、脱水済ケーキの表面の乾燥によってアイロナー6から取り出した洗濯物にシワが残る問題は、表面が乾燥した脱水済ケーキが乾燥機1でほぐされる前にその表面に水ないし水蒸気を噴霧することで解決できる。
【0037】
また、環境条件によって乾燥の程度が異なることも考慮して、加水の要否や噴霧量を決定するなど、より厳密な処理を必要とする場合もあり得る。そのような点を考慮した第2実施例を
図5に示す。
【0038】
[実施例2]
図5に示す第2実施例は、コンベア5(5a~5c、5s)のストックコンベア5sの前後に計量コンベア5a、5bを設け、かつ後段の計量コンベア5bの後に独立の水噴霧ステーション9を設けた例である。
【0039】
計量コンベア5a、5bは、送られて来た1バッチ毎の脱水済ケーキwの重量を計測する。洗濯ラインの制御器は1バッチ毎に洗濯ライン上の位置を認識しているので、計測した同一のバッチについての待機前の重さと待機後の重さを比較することで、乾燥の程度を知ることができる。従ってその計測値を基にして、水噴霧装置2の制御器は、送られて来た脱水済ケーキwに対する水噴霧の要否及び噴霧量を制御することができる。
【0040】
水噴霧ステーション9の噴霧ノズル21は、乾燥機1への脱水済ケーキの投入コンベア5cの上方に下向きに設けられており、投入コンベア5cの下方には噴霧された余分の水を受ける水受け31が設けられている。水噴霧のタイミングは、投入コンベア5cが投入動作を開始する直前が望ましいが、厳密に制御する必要はなく、水噴霧が必要な脱水済ケーキが投入コンベア5cに移送されたときに行っても良い。
【0041】
水噴霧装置2における噴霧要否の判別は、第1実施例のように脱水機4と乾燥機1の間での待機時間で判別する方法、計測された工場内の気温と湿度を加味して補正した待機時間で判別する方法、第2実施例に示すように待機前後の重量差で判別する方法、水分率計測センサを脱水済ケーキに接触などして判別する方法などを例示することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 乾燥機
2 水噴霧装置
4 脱水機
11 投入口
12 洗濯物収納部
s 脱水済ケーキの表面
w 脱水済ケーキ