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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136711
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】回転電機及びエレベーター巻上機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/04 20060101AFI20240927BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240927BHJP
   B66B 11/08 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02K9/04 A
H02K5/22
B66B11/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047917
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠二
【テーマコード(参考)】
3F306
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
3F306BA07
5H605AA01
5H605CC06
5H605DD11
5H609PP01
5H609PP16
5H609QQ02
5H609RR12
(57)【要約】
【課題】ターミナル装置を効率的に冷却することができる回転電機及びエレベーター巻上機を得ることを目的とする。
【解決手段】第1排気ブロワ23aは、モータ本体21の上部に設けられている。第1排気ブロワ23aは、モータ本体21におけるハウジング内の空気をモータ本体21外へ排出する空気流を発生し、モータ本体21を冷却する。第1排気ブロワ23aは、モータ本体21内から排出された空気をターミナル装置22に送る。第1排気ブロワ23aは、第1排気ブロワ23aから排出される空気がターミナルカバー25の外面に当たるように、ターミナル装置22の真上に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機本体、
外部からの電線が接続されるターミナル本体と、前記ターミナル本体を覆うターミナルカバーとを有しており、かつ前記回転電機本体に設けられているターミナル装置、及び
前記回転電機本体に設けられており、前記回転電機本体内の空気を前記回転電機本体外へ排出し、前記回転電機本体内から排出された空気を前記ターミナル装置に送る排気ブロワ
を備えている回転電機。
【請求項2】
前記排気ブロワは、前記排気ブロワから排出される空気が前記ターミナルカバーの外面に当たるように配置されている請求項1記載の回転電機。
【請求項3】
前記排気ブロワと前記ターミナル装置との間に設けられており、前記排気ブロワから排出される空気を前記ターミナル装置に導く流路形成部材
をさらに備えている請求項1記載の回転電機。
【請求項4】
前記排気ブロワから排出される空気は、前記流路形成部材に通されて、前記ターミナルカバー内に導入される請求項3記載の回転電機。
【請求項5】
前記流路形成部材内には、冷媒が設けられている請求項3又は請求項4に記載の回転電機。
【請求項6】
前記流路形成部材には、放熱フィンが設けられている請求項3又は請求項4に記載の回転電機。
【請求項7】
駆動シーブ、及び
前記駆動シーブを回転させる巻上機モータ
を備え、
前記巻上機モータとして、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の回転電機が用いられているエレベーター巻上機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機及びエレベーター巻上機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベーター用駆動マシンでは、ステータは、固定中空シャフトに接続されている。固定中空シャフトの第1端部には、ブロワが接続されている。固定中空シャフトには、複数の出口開口部が設けられている。ブロワからの空気は、固定中空シャフトに通され、複数の出口開口部からステータへと流れる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-532815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、エレベーター巻上機においては、設置面積を減少させるため、更なる小型化及び軽量化が求められており、複数の機器が密集して配置されている。特に、露出を避けるべき充電部であるターミナル装置はカバーにより覆われており、カバー内の自然対流は、良好ではない。
【0005】
これに対して、上記のような従来のエレベーター用駆動マシンでは、ターミナル装置を冷却することができず、ターミナル装置を冷却するためには、専用の冷却ファンを追加する必要があった。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ターミナル装置を効率的に冷却することができる回転電機及びエレベーター巻上機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る回転電機は、回転電機本体、外部からの電線が接続されるターミナル本体と、ターミナル本体を覆うターミナルカバーとを有しており、かつ回転電機本体に設けられているターミナル装置、及び回転電機本体に設けられており、回転電機本体内の空気を回転電機本体外へ排出し、回転電機本体内から排出された空気をターミナル装置に送る排気ブロワを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の回転電機及びエレベーター巻上機によれば、ターミナル装置を効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1によるエレベーターを示す側面図である。
図2図1のエレベーター巻上機を示す平面図である。
図3図2のエレベーター巻上機を示す側面図である。
図4】実施の形態2によるエレベーター巻上機を示す平面図である。
図5図4のエレベーター巻上機を示す側面図である。
図6】実施の形態3によるエレベーター巻上機を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベーターを示す側面図である。図1において、昇降路1の上には、機械室2が設けられている。機械室2には、エレベーター巻上機3及びそらせ車6が設置されている。
【0011】
エレベーター巻上機3は、回転電機である巻上機モータ4と、駆動シーブ5とを有している。巻上機モータ4は、駆動シーブ5を回転させる。
【0012】
駆動シーブ5及びそらせ車6には、懸架体7が巻き掛けられている。懸架体7としては、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。懸架体7の第1端部には、かご8が接続されている。懸架体7の第2端部には、釣合おもり9が接続されている。
【0013】
かご8及び釣合おもり9は、懸架体7によって昇降路1内に吊り下げられている。また、かご8及び釣合おもり9は、駆動シーブ5を回転させることによって、昇降路1内を昇降する。
【0014】
昇降路1内には、一対のかごガイドレール10と、一対の釣合おもりガイドレール11とが設置されている。図1では、片側のかごガイドレール10、及び片側の釣合おもりガイドレール11のみが示されている。
【0015】
一対のかごガイドレール10は、かご8の昇降を案内する。一対の釣合おもりガイドレール11は、釣合おもり9の昇降を案内する。
【0016】
かご8は、かご枠12及びかご室13を有している。かご枠12には、懸架体7が接続されている。かご室13は、かご枠12に支持されている。
【0017】
図2は、図1のエレベーター巻上機3を示す平面図である。図3は、図2のエレベーター巻上機3を示す側面図である。
【0018】
図1では省略したが、エレベーター巻上機3は、巻上機ブレーキ14をさらに有している。巻上機ブレーキ14は、駆動シーブ5の静止状態を保持する。また、巻上機ブレーキ14は、駆動シーブ5の回転を制動する。
【0019】
巻上機モータ4は、回転電機本体としてのモータ本体21と、ターミナル装置22と、第1排気ブロワ23aと、第2排気ブロワ23bとを有している。モータ本体21は、駆動シーブ5を回転させる。
【0020】
ターミナル装置22は、モータ本体21に設けられている。また、ターミナル装置22は、モータ本体21の側面に設けられている。また、ターミナル装置22は、ターミナル本体24と、ターミナルカバー25とを有している。
【0021】
ターミナル本体24には、外部からの複数の電線15が接続されている。ターミナルカバー25は、ターミナル本体24が外部に露出しないようにターミナル本体24を覆っている。ターミナルカバー25の下端には、図示しない引き出し口が設けられている。複数の電線15は、引き出し口からターミナルカバー25外に引き出されている。
【0022】
第1排気ブロワ23a及び第2排気ブロワ23bは、それぞれモータ本体21の上部に設けられている。第1排気ブロワ23a及び第2排気ブロワ23bは、モータ本体21におけるハウジング内の空気をモータ本体21外へ排出する空気流を発生し、モータ本体21を冷却する。
【0023】
第1排気ブロワ23aは、モータ本体21内から排出された空気をターミナル装置22に送る。実施の形態1では、第1排気ブロワ23aは、第1排気ブロワ23aから排出される空気がターミナルカバー25の外面に当たるように、ターミナル装置22の真上に配置されている。
【0024】
このような巻上機モータ4及びそれを用いたエレベーター巻上機3では、第1排気ブロワ23aにより、モータ本体21内から排出された空気がターミナル装置22に供給される。このため、ターミナル装置22専用の冷却ファンを追加することなく、ターミナル装置22を効率的に冷却することができる。
【0025】
また、第1排気ブロワ23aは、第1排気ブロワ23aから排出される空気がターミナルカバー25の外面に当たるように配置されている。このため、部品点数の増加を抑制しつつ、ターミナル装置22を効率的に冷却することができる。
【0026】
また、狭い機械室2内においても、冷却ファンを追加することなく、ターミナル装置22を効率的に冷却することができる。
【0027】
なお、第1排気ブロワ23aは、ターミナル装置22の真上に配置されなくてもよい。例えば、第1排気ブロワ23aは、ターミナル装置22の斜め上方に配置されてもよい。この場合、第1排気ブロワ23aの排気口がターミナルカバー25へ向けられていることにより、モータ本体21内から排出された空気をターミナル装置22に送ることができる。
【0028】
また、第1排気ブロワ23aから排出された空気をターミナルカバー25に取り込む取り込み口がターミナルカバー25に設けられてもよい。
【0029】
また、第1排気ブロワ23aと第2排気ブロワ23bとは、駆動シーブ5の軸方向における異なる位置に配置されてもよい。駆動シーブ5の軸方向は、駆動シーブ5の軸線に沿う方向であり、図2の左右方向である。
【0030】
実施の形態2.
次に、図4は、実施の形態2によるエレベーター巻上機3を示す平面図である。図5は、図4のエレベーター巻上機3を示す側面図である。
【0031】
実施の形態2のエレベーター巻上機3は、流路形成部材26をさらに有している。流路形成部材26としては、ダクト、チューブ等が用いられている。
【0032】
流路形成部材26は、第1排気ブロワ23aとターミナル装置22との間に設けられている。また、流路形成部材26は、第1排気ブロワ23aから排出される空気をターミナル装置22に導く。実施の形態2では、第1排気ブロワ23aから排出される空気は、流路形成部材26に通されて、ターミナルカバー25内に導入される。
【0033】
実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0034】
このような構成によっても、ターミナル装置22専用の冷却ファンを追加することなく、ターミナル装置22を効率的に冷却することができる。
【0035】
また、第1排気ブロワ23aからの空気をより確実にターミナル装置22に送ることができ、ターミナル装置22の冷却効率を向上させることができる。
【0036】
また、第1排気ブロワ23aから排出される空気は、流路形成部材26に通されて、ターミナルカバー25内に導入される。このため、ターミナル本体24の冷却効率を向上させることができる。また、第1排気ブロワ23aから排出される空気によって、ターミナルカバー25内の埃をターミナルカバー25外へ排出することができ、保守作業の省力化を図るこができる。
【0037】
なお、第1排気ブロワ23aから排出される空気は、流路形成部材26に通されて、ターミナルカバー25の外面に当てられてもよい。
【0038】
また、第1排気ブロワ23aとターミナル装置22との間に、2つ以上の流路形成部材26が設けられてよい。
【0039】
実施の形態3.
次に、図6は、実施の形態3によるエレベーター巻上機3を示す側面図である。実施の形態3では、流路形成部材26内に冷媒27が設けられている。
【0040】
実施の形態3における他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0041】
このような巻上機モータ4及びそれを用いたエレベーター巻上機3では、流路形成部材26内に冷媒27が設けられているため、流路形成部材26内を通る空気の温度を低下させることができる。これにより、ターミナル装置22の冷却効率をさらに向上させることができる。
【0042】
なお、実施の形態2又は実施の形態3の流路形成部材26に、図示しない放熱フィンが設けられてもよい。これにより、ターミナル装置22の冷却効率をさらに向上させることができる。
【0043】
また、実施の形態1~3において、排気ブロワの数は、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0044】
また、エレベーターのタイプは、図1のタイプに限定されるものではなく、例えば2:1ローピング方式であってもよい。
【0045】
また、エレベーターは、機械室レスエレベーター、ダブルデッキエレベーター、ワンシャフトマルチカー方式のエレベーター等であってもよい。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
【0046】
また、回転電機は、巻上機モータ4に限定されない。
【0047】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0048】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0049】
(付記1)
回転電機本体、
外部からの電線が接続されるターミナル本体と、前記ターミナル本体を覆うターミナルカバーとを有しており、かつ前記回転電機本体に設けられているターミナル装置、及び
前記回転電機本体に設けられており、前記回転電機本体内の空気を前記回転電機本体外へ排出し、前記回転電機本体内から排出された空気を前記ターミナル装置に送る排気ブロワ
を備えている回転電機。
(付記2)
前記排気ブロワは、前記排気ブロワから排出される空気が前記ターミナルカバーの外面に当たるように配置されている付記1記載の回転電機。
(付記3)
前記排気ブロワと前記ターミナル装置との間に設けられており、前記排気ブロワから排出される空気を前記ターミナル装置に導く流路形成部材
をさらに備えている付記1記載の回転電機。
(付記4)
前記排気ブロワから排出される空気は、前記流路形成部材に通されて、前記ターミナルカバー内に導入される付記3記載の回転電機。
(付記5)
前記流路形成部材内には、冷媒が設けられている付記3又は付記4に記載の回転電機。
(付記6)
前記流路形成部材には、放熱フィンが設けられている付記3から付記5までのいずれか1項に記載の回転電機。
(付記7)
駆動シーブ、及び
前記駆動シーブを回転させる巻上機モータ
を備え、
前記巻上機モータとして、付記1から付記6までのいずれか1項に記載の回転電機が用いられているエレベーター巻上機。
【符号の説明】
【0050】
3 エレベーター巻上機、4 巻上機モータ(回転電機)、5 駆動シーブ、21 モータ本体(回転電機本体)、22 ターミナル装置、23a 第1排気ブロワ、24 ターミナル本体、25 ターミナルカバー、26 流路形成部材、27 冷媒。
図1
図2
図3
図4
図5
図6