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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136727
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】端子検査装置及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20240927BHJP
   G01N 21/89 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01N21/956 B
G01N21/89 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047937
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 秀典
(72)【発明者】
【氏名】中西 寿光
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA62
2G051AB02
2G051AB10
2G051BA01
2G051CA07
2G051CB07
2G051DA06
2G051EA05
2G051EB01
(57)【要約】
【課題】端子の異常状態を正確に検知することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】端子検査装置は、第1光照射部と、第1光検知部と、判定部とを備える。第1光照射部は、第1光を照射する。第1光検知部は、半導体装置の端子の状態に応じて、第1光照射部から照射され、端子に設けられた貫通穴を経由した第1光を検知する。判定部は、第1光検知部の検知結果に基づいて、端子の状態が異常状態であるか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を照射する第1光照射部と、
半導体装置の端子の状態に応じて、前記第1光照射部から照射され、前記端子に設けられた貫通穴を経由した前記第1光を検知する第1光検知部と、
前記第1光検知部の検知結果に基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する判定部と
を備える、端子検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端子検査装置であって、
第2光を照射する第2光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第2光の検知が前記端子によって妨げられる第2光検知部と
をさらに備え、
前記判定部は、前記第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、端子検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の端子検査装置であって、
前記半導体装置を搬送する搬送部をさらに備え、
前記判定部は、前記半導体装置の搬送中の予め定められた期間のうち、前記第1光検知部で前記第1光が検知されない第1合計時間と、前記第2光検知部で前記第2光が検知されない第2合計時間とに基づいて、前記端子の前記状態は異常状態であると判定する、端子検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の端子検査装置であって、
前記第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合、前記第1合計時間が前記第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、または、前記第2合計時間がない場合に、前記端子の前記状態が異常状態であると判定する、端子検査装置。
【請求項5】
請求項1に記載の端子検査装置であって、
断面視における前記貫通穴の形状は、前記端子の第1面から第2面までテーパ形状を有する、端子検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載の端子検査装置であって、
断面視における前記貫通穴の形状は、前記端子の第1面から前記第1面と第2面との間の途中部分まで先細るテーパ形状を有し、前記途中部分から前記第2面まで一定幅を有する、端子検査装置。
【請求項7】
請求項2に記載の端子検査装置であって、
平面視において前記第1光と交差する第3光を照射する第3光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第3光照射部から出射され、前記端子の第1側部側を通過する前記第3光を検知する第3光検知部と、
平面視において前記第1光と交差する第4光を照射する第4光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第4光照射部から出射され、前記端子の前記第1側部側と逆側の第2側部側を通過する前記第4光を検知する第4光検知部と
をさらに備え、
前記判定部は、前記第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果と、前記第3光検知部の検知結果と、前記第4光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、端子検査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の端子検査装置であって、
前記半導体装置を搬送する搬送部をさらに備え、
前記判定部は、前記半導体装置の搬送中の予め定められた期間のうち、前記第3光検知部で前記第3光が検知されない時間と、前記第4光検知部で前記第4光が検知されない時間との少なくともいずれか1つがある場合に、前記端子の前記状態は異常状態であると判定する、端子検査装置。
【請求項9】
請求項2に記載の端子検査装置であって、
複数の前記第1光検知部は、前記端子の前記状態に応じて、複数の前記第1光照射部から照射され、前記端子に設けられた複数の前記貫通穴を経由した複数の前記第1光をそれぞれ検知し、
前記判定部は、前記複数の第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、端子検査装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載された端子検査装置によって前記端子の異常が判定された半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子検査装置及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の端子の検査では、主電極端子及び制御用端子などの外部リード端子に変形及び欠損があるか否かについて外観検査を実施している。しかしながら、従来の作業者による目視外観検査では、作業者の熟練度による判定基準のばらつき、及び、チェック漏れなどのヒューマンエラーがあった。そこで特許文献1には、外部リード端子を、光センサの光路を通過させ、端子による光の遮光状況に基づいて、端子の変形を検知する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-196455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、光センサを用いても端子の異常状態を正確に検知することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、端子の異常状態を正確に検知することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る端子検査装置は、第1光を照射する第1光照射部と、半導体装置の端子の状態に応じて、前記第1光照射部から照射され、前記端子に設けられた貫通穴を経由した前記第1光を検知する第1光検知部と、前記第1光検知部の検知結果に基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1光検知部は、端子の状態に応じて、貫通穴を経由した第1光を検知し、判定部は、第1光検知部の検知結果に基づいて、端子の状態が異常状態であるか否かを判定する。このような構成によれば、端子の異常状態を正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る端子検査装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る端子検査装置及び半導体装置の構成を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る半導体装置の端子の構成を示す断面図及び側面図である。
図4】実施の形態1に係る端子検査装置の動作を説明するための断面図である。
図5】実施の形態1に係る端子検査装置の動作を説明するための側面図である。
図6】実施の形態1に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図7】実施の形態1に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図8】実施の形態1に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図9】変形例1に係る半導体装置の端子の構成を示す断面図及び側面図である。
図10】変形例2に係る半導体装置の端子の構成を示す断面図及び側面図である。
図11】実施の形態2に係る端子検査装置及び半導体装置の構成を示す斜視図である。
図12】実施の形態2に係る端子検査装置の動作を説明するための上面図である。
図13】実施の形態2に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図14】実施の形態2に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図15】実施の形態3に係る端子検査装置及び半導体装置の構成を示す斜視図である。
図16】実施の形態3に係る半導体装置の端子の構成を示す断面図及び側面図である。
図17】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための断面図である。
図18】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための側面図である。
図19】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図20】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図21】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための図である。
図22】実施の形態3に係る端子検査装置の動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の各実施の形態で説明される特徴は例示であり、すべての特徴は必ずしも必須ではない。また、以下に示される説明では、複数の実施の形態において同様の構成要素には同じまたは類似する符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。また、以下に記載される説明において、「上」、「下」などの特定の位置及び方向は、実際の実施時の位置及び方向とは必ず一致しなくてもよい。
【0010】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る端子検査装置の構成を示すブロック図である。図1の端子検査装置は、第1光電センサ1と、第2光電センサ2と、判定部6と、搬送部7とを備える。
【0011】
第1光電センサ1は、第1光照射部1aと第1光検知部1bとを含み、第2光電センサ2は、第2光照射部2aと第2光検知部2bとを含む。
【0012】
判定部6は、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、半導体装置の端子の状態が異常状態であるか否かを判定するように構成されている。判定部6は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)などが、図示しない半導体メモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該CPUの機能として実現される。
【0013】
搬送部7は、例えば一定速度で半導体装置を搬送する。搬送部7は、例えばロボットである。
【0014】
図2は、本実施の形態1に係る第1光電センサ1及び第2光電センサ2の構成と、半導体装置11の構成とを示す斜視図である。
【0015】
図2に示すように、半導体装置11は端子12を有している。端子12は、例えば、主電極端子及び制御用端子などの外部リード端子である。端子12が、第1光照射部1aと第1光検知部1bとの間、及び、第2光照射部2aと第2光検知部2bとの間を通るように、搬送部7は半導体装置11をy軸方向に搬送する。
【0016】
図3は、本実施の形態1に係る半導体装置11の端子12の構成を示す断面図及び側面図である。図3に示すように、端子12には貫通穴12aが設けられている。図2では貫通穴12aの図示は省略されているが、貫通穴12aが第1光照射部1a及び第1光検知部1bと対向するように、搬送部7は半導体装置11を搬送する。図3の例では、平面視における貫通穴12aの形状は、円形であり、断面視において一定幅を有するが、後述するように、貫通穴12aの形状は図3に示す形状に限ったものではない。また、貫通穴12aは端子12の先端部分に設けられているが、これに限ったものではない。
【0017】
図4は、端子12の正常状態及び異常状態を示すy軸方向からみた断面図であり、図5は、端子の12の正常状態及び異常状態を示すx軸方向からみた側面図である。なお、ここでいう正常状態は、例えば端子12のx軸方向への傾きが予め定められた範囲内の角度である状態、及び、端子12のy軸方向への傾きが予め定められた範囲内の角度である状態である。
【0018】
第1光照射部1aは、第1光1cを照射し、第2光照射部2aは、第2光2cを照射する。第1光1c及び第2光2cは、可視光であってもよいし、赤外線であってもよいし、紫外線であってもよい。
【0019】
第1光検知部1bは、端子12の状態に応じて、第1光照射部1aから照射され、端子12に設けられた貫通穴12aを経由した第1光1cを検知する。本実施の形態1では図4のように、端子12の状態が正常状態である場合に、第1光検知部1bは、第1光照射部1aから照射され、端子12に設けられた貫通穴12aを経由した第1光1cを検知する。また、この場合には、第1光検知部1bの検知状態は、端子12を検知しないOFF状態となる。
【0020】
一方、端子12の状態が異常状態である場合には、第1光照射部1aから照射された第1光1cの少なくとも一部が、端子12に吸収または反射される。このため、第1光検知部1bは、第1光照射部1aから照射され、端子12に設けられた貫通穴12aを経由した第1光1cを検知しないか、光量が比較的小さい第1光1cを検知する。また、この場合には、第1光検知部1bの検知状態は、端子12を検知するON状態となる。
【0021】
判定部6は、第1光検知部1bの検知結果に基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。例えば、判定部6は、第1光検知部1bで検知された第1光1cの量が閾値以上である場合、つまり第1光検知部1bの検知状態がOFF状態である場合には、端子12の状態が正常状態であると判定する。一方、判定部6は、第1光検知部1bで検知された第1光1cの量が閾値より小さい場合、つまり第1光検知部1bの検知状態がON状態である場合には、端子12の状態が異常状態であると判定する。
【0022】
ここで、第1光検知部1bの検知結果だけに基づく異常判定では、端子12そのものが欠落して存在しない異常が発生している場合に、端子12の状態が正常状態であると判定してしまう。そこで本実施の形態1では、判定部6は、第1光検知部1bの検知結果だけでなく、第2光検知部2bの検知結果にも基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。次に、このことについて説明する。
【0023】
図6は、端子12の正常状態を示す図であり、図7は、端子12の異常状態を示す図である。なお、ここでいう正常状態は、例えば、端子12が欠落せずに存在する状態である。
【0024】
第2光検知部2bは、端子12の状態に応じて、第2光2cの検知が端子12によって妨げられる。図6のように、端子12の状態が正常状態である場合には、第2光検知部2bは、第2光2cの検知が端子12によって妨げられる。このため、第2光検知部2bは、第2光照射部2aから照射された第2光2cを検知しないか、光量が比較的小さい第2光2cを検知する。また、この場合には、第2光検知部2bの検知状態は、端子12を検知するON状態となる。
【0025】
一方、図7の真ん中の端子12のように、端子12の状態が異常状態である場合には、第2光検知部2bは、第2光照射部2aから照射された第2光2cを検知する。また、この場合には、第2光検知部2bの検知状態は、端子12を検知しないOFF状態となる。
【0026】
判定部6は、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。
【0027】
例えば図6のように、判定部6は、第1光検知部1bの検知状態がOFF状態であり、かつ、第2光検知部2bの検知状態がON状態である場合には、端子12の状態が正常状態であると判定する。つまり、判定部6は、端子12が欠落せず、かつ、端子12のx軸方向及びy軸方向への傾きが予め定められた範囲内の角度である状態であると判定する。一方、例えば図7のように、判定部6は、第1光検知部1bの検知状態がOFF状態であり、かつ、第2光検知部2bの検知状態がOFF状態である場合には、端子12の状態が異常状態であると判定する。
【0028】
このように、判定部6は、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定することにより、端子12の様々な異常を判定することができる。
【0029】
ここで本実施の形態1では、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第1光検知部1bで第1光1cが検知されない第1合計時間と、第2光検知部2bで第2光2cが検知されない第2合計時間とを算出する。つまり、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第1光検知部1bで端子12が検知されるON状態の第1合計時間と、第2光検知部2bで端子12が検知されるON状態の第2合計時間とを算出する。
【0030】
そして、判定部6は、第1合計時間と第2合計時間とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。ここではその一例として、判定部6は、第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合、第1合計時間が第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、または、第2合計時間がない場合に、端子12の状態が異常状態であると判定する。なお、第1閾値及び第2閾値は、一定値であってもよいし、第2光検知部2bで端子12が検知されなるON状態の第2合計時間に一定割合を乗じた値であってもよい。例えば、第1閾値は、第2合計時間に50%を乗じた値であってもよく、第2閾値は、第2合計時間に50%よりも大きな値を乗じた値であってもよい。
【0031】
図8は、図7の異常状態とは異なる端子12の異常状態を示す図である。なお、図8の異常状態は、端子12が少し変形しているにも関わらず、正常状態とほぼ同じように、第1光検知部1bの検知状態がほぼOFF状態となる異常状態である。
【0032】
図6図7及び図8には、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第1光検知部1bの検知状態の経時変化と、第2光検知部2bの検知状態の経時変化とが示されている。なお、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間は、例えば、端子12が第2光照射部2aと第2光検知部2bとの間を横切ると想定される期間である。この期間以外の期間は、第1光検知部1bの検知と、第2光検知部2bの検知とが行われないマスク期間9である。
【0033】
上記予め定められた期間、つまりマスク期間9以外の期間における、第1光検知部1bで端子12が検知されるON状態の第1合計時間に関して、図6の正常状態の第1合計時間は、図8の異常状態の第1合計時間よりも長くなる。本実施の形態1では、判定部6は、第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合に、端子12の状態が異常状態であると判定するため、第1閾値を適切に設定することにより、図8の状態を異常状態であると判定することができる。
【0034】
また、マスク期間9以外の期間における、第1光検知部1bで端子12が検知されるON状態の第1合計時間に関して、図6の正常状態の第1合計時間は、図4及び図5の異常状態の第1合計時間よりも短くなる。本実施の形態1では、判定部6は、第1合計時間が第2閾値よりも大きい場合に、端子12の状態が異常状態であると判定するため、第2閾値を適切に設定することにより、図4及び図5の状態を異常状態であると判定することができる。なお、この異常状態については実施の形態3で再度説明する。
【0035】
また、図7の異常状態では、マスク期間9以外の期間において、第2光検知部2bで端子12が検知されるON状態の第2合計時間がない。本実施の形態1では、判定部6は、第2合計時間がない場合に、端子12の状態が異常状態であると判定するため、図7の状態を異常状態であると判定することができる。
【0036】
一方、判定部6は、第1合計時間が第1閾値以上第2閾値以下であり、かつ、第2合計時間がある場合に端子12の状態が正常状態であると判定する。以上のように、本実施の形態1では、図4図5及び図7の異常状態だけでなく、図8の異常状態を判定することができる。
【0037】
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1に係る端子検査装置によれば、第1光検知部1bは、端子12の状態に応じて、貫通穴12aを経由した第1光1cを検知し、判定部6は、第1光検知部1bの検知結果に基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。このような構成によれば、端子12の状態が異常状態であるか否かについての確認漏れを、目視判定よりも抑制することができるので、端子12の異常状態を正確に検知することができる。また、検査導入後の新規条件設定及びメンテナンスを、画像判定よりも容易化することも期待できる。
【0038】
また本実施の形態1では、第2光検知部2bは、端子12の状態に応じて、第2光2cの検知が端子12によって妨げられ、判定部6は、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。このような構成によれば、図7の異常状態をさらに判定することができるので、端子12の異常状態をより正確に検知することができる。
【0039】
また本実施の形態1では、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第1光検知部1bのON状態の第1合計時間と、第2光検知部2bのON状態の第2合計時間とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。そして、判定部6は、第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合、第1合計時間が第2閾値よりも大きい場合、または、第2合計時間がない場合に、端子12の状態が異常状態であると判定する。このような構成によれば、図4図5図7及び図8の異常状態を判定することができるので、端子12の異常状態をより正確に検知することができる。
【0040】
なお本実施の形態1では、第2光照射部2a及び第2光検知部2bを備える端子検査装置について説明したが、図4及び図5の異常状態の判定のみを行うのであれば、第2光照射部2a及び第2光検知部2bは必須ではない。
【0041】
<変形例1>
図9は、本変形例1に係る端子12の貫通穴12aを示す断面図及び側面図である。図9のように、断面視における貫通穴12aの形状は、端子12の第1面12bから第2面12cまでテーパ形状を有してもよい。このような構成によれば、正常状態を規定する、端子12のx軸方向への傾きについての許容範囲を調整することができる。
【0042】
<変形例2>
図10は、本変形例2に係る端子12の貫通穴12aを示す断面図及び側面図である。図10のように、断面視における貫通穴12aの形状は、端子12の第1面12bから第1面12bと第2面12cとの間の途中部分12dまで先細るテーパ形状を有し、途中部分12dから第2面12cまで一定幅を有してもよい。このような構成によれば、変形例1と同様に、正常状態を規定する、端子12のx軸方向への傾きについての許容範囲を調整することができる。また、このような構成によれば、変形例1と比べて端子12の強度を確保することができる。
【0043】
<変形例3>
実施の形態1では、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第1光検知部1bのON状態の第1合計時間と、第2光検知部2bのON状態の第2合計時間とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定した。しかしながら、ON状態の合計時間の代わりに、OFF状態の合計時間が用いられてもよい。第1合計時間と第2合計時間との和に基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定してもよい。なお、以上の変形例は、これより後で説明する実施の形態に適用してもよい。
【0044】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る端子検査装置の構成は、実施の形態1の構成に、第3光照射部3a及び第3光検知部3bを含む第3光電センサ3と、第4光照射部4a及び第4光検知部4bを含む第4光電センサ4とが追加された構成と同様である。
【0045】
図11は、本実施の形態2に係る第1光電センサ1、第2光電センサ2、第3光電センサ3、及び、第4光電センサ4の構成と、半導体装置11の構成とを示す斜視図であり、図12は、それら構成を示す上面図である。
【0046】
第3光照射部3aは、平面視において第1光1cと交差する第3光3cを照射し、第4光照射部4aは、平面視において第1光1cと交差する第4光4cを照射する。第3光3c及び第4光4cは、可視光であってもよいし、赤外線であってもよいし、紫外線であってもよい。
【0047】
第3光検知部3bは、端子12の状態に応じて、第3光照射部3aから出射され、端子12の第1側部側(+x側)を通過する第3光3cを検知する。本実施の形態2では、第3光検知部3bは、端子12の状態が正常状態である場合に、当該第3光3cを検知する。ここでいう正常状態は、例えば端子12が予め定められた設計位置よりも-x側に位置する状態である。
【0048】
第4光検知部4bは、端子12の状態に応じて、第4光照射部4aから出射され、端子12の第2側部側(-x側)を通過する第4光4cを検知する。本実施の形態2では、第4光検知部4bは、端子12の状態が正常状態である場合に、当該第4光4cを検知する。ここでいう正常状態は、例えば端子12が予め定められた設計位置よりも+x側に位置する状態である。
【0049】
図13及び図14は、本実施の形態2に係る判定部6の判定を説明するための図である。判定部6は、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果と、第3光検知部3bの検知結果と、第4光検知部4bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。
【0050】
例えば、判定部6は、第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合、第1合計時間が第2閾値よりも大きい場合、または、第2合計時間がない場合のいずれでもなく、かつ、第3光検知部3b及び第4光検知部4bのいずれの検知状態もOFF状態である場合には、端子12の状態が正常状態であると判定する。例えば、判定部6は、第3光検知部3b及び第4光検知部4bの少なくともいずれか1つの検知状態がON状態である場合には、第1合計時間及び第2合計時間に関わらず、端子12の状態が異常状態であると判定する。なお、本明細書において、例えばA、B、C、…、及び、Zの少なくともいずれか1つとは、A、B、C、…、及び、Zのグループから1つ以上抜き出した全ての組合せのうちのいずれか1つであることを意味する。
【0051】
このように、本実施の形態2では、実施の形態1で判定された異常状態だけでなく、平面視での端子12のx軸方向での位置ずれについて異常状態を判定することができる。
【0052】
なお図13及び図14では図示されていないが、第3光3c及び第4光4cの進行方向は、第1光電センサ1及び第2光電センサ2を通る端子12について、x軸方向での位置ずれを検知できるように、半導体装置11の搬送方向から少しずれている。この場合に、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第3光検知部3bで第3光3cが検知されないOFF状態の時間があるか否かと、第4光検知部4bで第4光4cが検知されないOFF状態の時間があるか否かとを判定してもよい。ここでいう半導体装置11の搬送中の予め定められた期間は、例えば実施の形態1で説明した予め定められた期間と実質的に同じである。
【0053】
そして、判定部6は、第3光検知部3bで第3光3cが検知されないOFF状態の時間と、第4光検知部4bで第4光4cが検知されないOFF状態の時間との少なくともいずれか1つがある場合に、端子12の状態が異常状態であると判定してもよい。このような構成によれば、図14のように、複数の端子12のうち、どの端子12がx軸方向の位置ずれを有するかを特定することができる。また、第3光検知部3b及び第4光検知部4bが、端子12以外の遮光物を検知してしまうことによる誤判定を抑制することができる。
【0054】
<実施の形態2のまとめ>
本実施の形態2に係る端子検査装置によれば、第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果と、第3光検知部3bの検知結果と、第4光検知部4bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。このような構成によれば、端子12の異常状態をより正確に検知することができる。
【0055】
また本実施の形態2によれば、判定部6は、半導体装置11の搬送中の予め定められた期間のうち、第3光検知部3bで第3光3cが検知されない時間と、第4光検知部4bで第4光4cが検知されない時間との少なくともいずれか1つがある場合に、端子12の状態が異常状態であると判定する。このような構成によれば、複数の端子12のうち、どの端子12がx軸方向の位置ずれを有するかを特定することができ、かつ、端子12以外の遮光物の検知による誤判定を抑制することができる。
【0056】
<実施の形態3>
図15は、本実施の形態3に係る第1光電センサ1及び第2光電センサ2の構成と、半導体装置11の構成とを示す斜視図である。図15に示すように、本実施の形態3に係る端子検査装置は、複数の第1光照射部1aと複数の第1光検知部1bとを備える。以下、2つの第1光照射部1aが、1つの第2光照射部2aを挟んで設けられ、2つの第1光検知部1bが、1つの第2光検知部2bを挟んで設けられた構成について説明する。しかしながら、複数の第1光電センサ1(つまり複数の第1光照射部1a及び複数の第1光検知部1b)の個数及び配置は、これに限ったものではない。
【0057】
図16は、本実施の形態3に係る端子12を示す断面図及び側面図である。図16に示すように、本実施の形態3では、端子12には複数の貫通穴12aが設けられている。以下、1つの貫通穴12aが端子12の先端部分に設けれ、別の貫通穴12aが端子12の根元部分に設けられた構成について説明するが、複数の貫通穴12aの個数及び配置は、複数の第1光電センサ1の個数及び配置に対応していれば、図16の個数及び配置に限ったものではない。
【0058】
図17は、端子12の正常状態及び異常状態を示すy軸方向からみた断面図であり、図18は、端子12の正常状態及び異常状態を示すx軸方向からみた側面図である。なお、ここでいう正常状態は、例えば端子12の貫通穴12aが設けられた各部について、各部のx軸方向への傾きが予め定められた範囲内の角度である状態、及び、各部のy軸方向への傾きが予め定められた範囲内の角度である状態である。
【0059】
端子12の状態が正常状態である場合には、複数の第1光検知部1bは、複数の第1光照射部1aから照射され、端子12に設けられた複数の貫通穴12aを経由した複数の第1光1cをそれぞれ検知する。また、この場合には、複数の第1光検知部1bの検知状態は、端子12を検知しないOFF状態となる。
【0060】
一方、端子12の状態が異常状態である場合には、1つ以上の第1光検知部1bは、対応する第1光照射部1aから照射され、対応する貫通穴12aを経由した第1光1cを検知しないか、光量が比較的小さい第1光1cを検知する。また、この場合には、1つ以上の第1光検知部1bの検知状態は、端子12を検知するON状態となる。
【0061】
なお、第2光照射部2a及び第2光検知部2bは、実施の形態1に係る第2光照射部2a及び第2光検知部2bと同様である。
【0062】
判定部6は、複数の第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。
【0063】
図19は、端子12の正常状態を示す図であり、図20及び図21は、端子12の異常状態を示す図である。図22は、図21の異常状態をy軸方向からみた断面図である。
【0064】
例えば、図19では、複数の第1光検知部1bのそれぞれのON状態の第1合計時間が第1閾値以上第2閾値以下であり、かつ、第2光検知部2bのON状態の第2合計時間があるので、判定部6は、端子12の状態が正常状態であると判定する。例えば、図20では、第2光検知部2bのON状態の第2合計時間がないので、判定部6は、端子12の状態が異常状態であると判定する。例えば、図21では、複数の第1光検知部1bのいずれかのON状態の第1合計時間が第2閾値以上であるので、判定部6は、端子12の状態が異常状態であると判定する。
【0065】
<実施の形態3のまとめ>
以上のような本実施の形態3に係る端子検査装置によれば、複数の第1光検知部1bの検知結果と、第2光検知部2bの検知結果とに基づいて、端子12の状態が異常状態であるか否かを判定する。このような構成によれば、端子12の部分的な変形などの異常があるか否かを判定できるので、端子12の異常状態をより正確に検知することができる。なお、本実施の形態3の構成に、実施の形態2の構成を組み合わせてもよい。
【0066】
なお、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0068】
(付記1)
第1光を照射する第1光照射部と、
半導体装置の端子の状態に応じて、前記第1光照射部から照射され、前記端子に設けられた貫通穴を経由した前記第1光を検知する第1光検知部と、
前記第1光検知部の検知結果に基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する判定部と
を備える、端子検査装置。
【0069】
(付記2)
第2光を照射する第2光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第2光の検知が前記端子によって妨げられる第2光検知部と
をさらに備え、
前記判定部は、前記第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、付記1に記載の端子検査装置。
【0070】
(付記3)
前記半導体装置を搬送する搬送部をさらに備え、
前記判定部は、前記半導体装置の搬送中の予め定められた期間のうち、前記第1光検知部で前記第1光が検知されない第1合計時間と、前記第2光検知部で前記第2光が検知されない第2合計時間とに基づいて、前記端子の前記状態は異常状態であると判定する、付記2に記載の端子検査装置。
【0071】
(付記4)
前記第1合計時間が第1閾値よりも小さい場合、前記第1合計時間が前記第1閾値よりも大きい第2閾値よりも大きい場合、または、前記第2合計時間がない場合に、前記端子の前記状態が異常状態であると判定する、付記3に記載の端子検査装置。
【0072】
(付記5)
断面視における前記貫通穴の形状は、前記端子の第1面から第2面までテーパ形状を有する、付記1から付記4のうちのいずれか1項に記載の端子検査装置。
【0073】
(付記6)
断面視における前記貫通穴の形状は、前記端子の第1面から前記第1面と第2面との間の途中部分まで先細るテーパ形状を有し、前記途中部分から前記第2面まで一定幅を有する、付記1から付記4のうちのいずれか1項に記載の端子検査装置。
【0074】
(付記7)
平面視において前記第1光と交差する第3光を照射する第3光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第3光照射部から出射され、前記端子の第1側部側を通過する前記第3光を検知する第3光検知部と、
平面視において前記第1光と交差する第4光を照射する第4光照射部と、
前記端子の前記状態に応じて、前記第4光照射部から出射され、前記端子の前記第1側部側と逆側の第2側部側を通過する前記第4光を検知する第4光検知部と
をさらに備え、
前記判定部は、前記第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果と、前記第3光検知部の検知結果と、前記第4光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、付記2に記載の端子検査装置。
【0075】
(付記8)
前記半導体装置を搬送する搬送部をさらに備え、
前記判定部は、前記半導体装置の搬送中の予め定められた期間のうち、前記第3光検知部で前記第3光が検知されない時間と、前記第4光検知部で前記第4光が検知されない時間との少なくともいずれか1つがある場合に、前記端子の前記状態は異常状態であると判定する、付記7に記載の端子検査装置。
【0076】
(付記9)
複数の前記第1光検知部は、前記端子の前記状態に応じて、複数の前記第1光照射部から照射され、前記端子に設けられた複数の前記貫通穴を経由した複数の前記第1光をそれぞれ検知し、
前記判定部は、前記複数の第1光検知部の検知結果と、前記第2光検知部の検知結果とに基づいて、前記端子の前記状態が異常状態であるか否かを判定する、付記2または付記7に記載の端子検査装置。
【0077】
(付記10)
付記1から付記9のうちのいずれか1項に記載された端子検査装置によって前記端子の異常が判定された半導体装置。
【符号の説明】
【0078】
1a 第1光照射部、1b 第1光検知部、1c 第1光、2a 第2光照射部、2b 第2光検知部、2c 第2光、3a 第3光照射部、3b 第3光検知部、3c 第3光、4a 第4光照射部、4b 第4光検知部、4c 第4光、6 判定部、7 搬送部、11 半導体装置、12 端子、12a 貫通穴、12b 第1面、12c 第2面、12d 途中部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22