(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136740
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】容器への印刷方法及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
B05D 3/06 20060101AFI20240927BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20240927BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B05D3/06 Z
B05D7/00 K
B05D7/00 N
B05D7/24 302Z
B05D7/24 301M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047954
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】山口 菜穂
(72)【発明者】
【氏名】王 蕾蕾
【テーマコード(参考)】
4D075
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC71
4D075AC74
4D075AC76
4D075AC88
4D075BB41Z
4D075BB42Z
4D075BB43Z
4D075BB46Z
4D075BB53Z
4D075BB57Z
4D075BB65Z
4D075BB91Z
4D075BB93Z
4D075CA07
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA15
4D075DA20
4D075DB48
4D075DC41
4D075EA05
4D075EA21
4D075EA33
4D075EA41
4D075EB24
(57)【要約】
【課題】容器の表面への印刷処理時におけるモノマーの残存に対して適切な対策を施す。
【解決手段】容器2の表面の印刷領域に放射線硬化型のインクを塗布する印刷工程S1と、インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射してインクを硬化させる硬化工程S2とを含む印刷方法において、硬化工程S2を経た容器2の印刷領域に残存するモノマーを除去する除去工程S3を設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の表面の印刷領域に放射線硬化型のインクを塗布する印刷工程と、
前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去工程と、
を含む容器への印刷方法。
【請求項2】
前記除去工程では、前記容器の前記印刷領域に向けて液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去する請求項1に記載の容器への印刷方法。
【請求項3】
前記除去工程では、前記印刷領域に向けて前記容器の温度よりも高温の液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去する請求項1に記載の容器への印刷方法。
【請求項4】
容器の表面の印刷領域に放射線硬化型のインクを塗布する印刷部と、
前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化部と、
前記硬化部を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去部と、
を備えた容器への印刷装置。
【請求項5】
前記除去部は、前記容器の前記印刷領域に向けて液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去するように設けられている請求項4に記載の容器への印刷装置。
【請求項6】
前記除去部は、前記印刷領域に向けて前記容器の温度よりも高温の液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去するように設けられている請求項4に記載の容器への印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の表面に表示物を印刷するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料ボトル等の容器の表面にラベル等の表示物を直接的に形成する手法として、紫外線の照射によって硬化するインクを容器に塗布し、続いて、塗布されたインクに向けて紫外線を照射することによりインクを迅速に硬化させる印刷手法が提案されている(特許文献1参照)。この種の印刷手法を用いる場合、例えば紫外線の照射に伴ってオゾンが発生するといったように処理過程で何らかの物質が生じ、その物質への対策が必要となることがある。特許文献1に記載の印刷装置では、紫外線の照射装置を処理室内に収容するとともに、処理室の搬入口及び搬出口に開閉可能なドアを設置し、処理室の密閉性を高めてオゾンの外部への拡散を防止し得る構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器の搬入及び搬出に合わせてドアを開閉する場合、容器の高速搬送への追従性が制限される虞がある。そのため、印刷処理の過程で生じる物質の種類や性状等によっては、他に適切な対策を検討すべき場合がある。発明者らの検討によれば、放射線硬化型のインクを用いて印刷する場合には、インクに照射する放射線の光量が不足すると未反応のモノマーが容器の表面に残存し、これが臭気の原因となるといった不都合をもたらすことが判明している。しかしながら、モノマーの残存への対策はこれまで検討されていない。
【0005】
そこで、本発明は、容器の表面への印刷処理時におけるモノマーの残存に対して適切な対策を施した印刷方法及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る容器への印刷方法は、容器の表面の印刷領域に放射線硬化型のインクを塗布する印刷工程と、前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化工程と、前記硬化工程を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去工程と、を含むものである。
【0007】
本発明の一態様に係る容器への印刷装置は、容器の表面の印刷領域に放射線硬化型のインクを塗布する印刷部と、前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化部と、前記硬化部を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去部と、を備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一形態に係る印刷装置の概略構成を示す図。
【
図3】容器に残存するモノマーの除去効果を確認するために実施した官能評価試験の結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の一形態に係る容器への印刷装置を説明する。
図1は本形態に係る印刷装置1の概略構成を示す。印刷装置1には、容器の一例としてのボトル2の搬送ライン3に沿って、印刷部10、硬化部20及び除去部30が設けられている。ボトル2は、一例としてPET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂の略称である。)を素材とする樹脂製ボトルである。ボトル2は、例えば飲料等の内容液が充填され、かつ
図2に示すようにキャップ2aにて密封された状態で搬送ライン3により搬送される。ただし、ボトル2は、内容液が充填される前の空容器の状態であってもよい。搬送ライン3は、
図1に矢印Fで示すように、ボトル2を印刷部10、硬化部20、及び除去部30の順に搬送する。搬送ライン3は、一例として、ボトル2を例えば口部が上向きとなるように立てた正立状態で搬送するように設けられる。搬送ライン3は、ボトル2を搬送方向に沿って一列で搬送してもよいし、複数列で搬送してもよい。搬送ライン3上でのボトル2の姿勢は、上述した正立状態に限らず、口部を水平方向に向けた横倒し状態であってもよいし、口部を下に向けた倒立状態であってもよい。
【0010】
印刷部10では、放射線硬化型インクの一例としての紫外線硬化型インクを用いてボトル2へのラベル等の表示物の印刷工程S1が実施される。印刷部10は、一例として、搬送手段としてのロータリーテーブル11と、ロータリーテーブル11の外周に設けられた印刷ユニット12とを備えている。ロータリーテーブル11は、旋回中心CL1の回りに所定の速度で回転することにより、上流側の搬送ライン3から搬入されるボトル2を1本ずつ円弧状の搬送経路に沿って搬送して下流側の搬送ライン3に搬出する。なお、
図1ではロータリーテーブル11上の一部のボトル2のみが示されている。
【0011】
印刷ユニット12は、ロータリーテーブル11による搬送経路に沿って並べられた複数の印刷ヘッド13を備える。各印刷ヘッド13は、ボトル2の例えば胴部に設定された印刷領域に向けて紫外線硬化型のインクを塗布する。印刷ヘッド13によるインクの塗布のパターンが目標とする表示物に応じて制御されることにより、表示物がボトル2上に印刷される。
図1の例では4つの印刷ヘッド13が設けられているが、印刷ヘッド13の個数は印刷に用いるべき色数に応じて設定されてよい。印刷部10には、インクの塗布に先行して、インクの剥離性を高めるための紫外線硬化型のプライマーをボトル2に塗布するプレコートユニットが設けられてもよい。さらに、印刷部10には、インク、又はプライマー及びインク(以下、インク等と称することがある。)をそれらの塗布の直後に仮硬化させるための紫外線を照射する仮硬化ユニットが設けられてもよい。
【0012】
硬化部20では、ボトル2の印刷領域に向けて紫外線が照射されることにより、印刷部10にてボトル2に塗布されたインク等を本硬化させる硬化工程S2が実施される。硬化部20は、一例として、搬送手段としてのロータリーテーブル21と、ロータリーテーブル21の外周に設けられた照射ユニット22とを備えている。ロータリーテーブル21は、旋回中心CL2の回りに所定の速度で回転することにより、上流側の搬送ライン3から搬入されるボトル2を1本ずつ円弧状の搬送経路に沿って搬送して下流側の搬送ライン3に搬出する。なお、
図1ではロータリーテーブル21上の一部のボトル2のみが示されている。照射ユニット22は、インク等が塗布されたボトル2の印刷領域に対して紫外線を照射してインク等を硬化させる。
【0013】
印刷部10にて塗布される紫外線硬化型のインクは、紫外線の照射によって光重合反応が生じて樹脂皮膜が即時に形成され、かつボトル2のリサイクル時にはアルカリ溶液によってボトル2から容易に剥離し、比重分離によって回収可能となる利点を有する。一方、紫外線硬化型のインクは、紫外線の光量不足が生じると、モノマー同士の結合が十分に進行せず、未結合のモノマーがボトル2上に残存することがある。以下では、そのようなモノマーを残存モノマーと称する。残存モノマーは臭気等の原因となるため、その対策が必要である。そこで、印刷装置1では、硬化部20に続いて除去部30が設けられている。除去部30では、硬化工程S2を経たボトル2の印刷領域に残存するモノマーを除去する除去工程S3が実施される。
【0014】
除去部30における残存モノマーの除去は、ボトル2の印刷領域に向けて液体又は気体を供給することによって行われる。例えば、
図2に示したように、ボトル2の周囲に設けられたノズル31から洗浄液を図中の破線で示すごとくボトル2に向けて供給することにより、印刷領域2bの残存モノマーを洗い流すようにして除去工程S3が実施される。
図2では、ボトル2の上方及び側方にノズル31が配置された例を示しているが、ノズル31は、ボトル2の上方、側方及び下方の少なくとも一部の位置から洗浄液を供給するように設けられてよい。
図2の印刷領域2bは一例であって、その位置、形状、大きさ等の仕様は適宜に変更されてよい。
【0015】
図1に戻って、除去部30は、洗浄液の飛散を防止し、かつ洗浄液を回収するための処理室32と、ボトル2を処理室32の搬入口32aから搬出口32bまで搬送する搬送装置33とが設けられる。ノズル31は処理室32内の適宜の位置に設けられる。搬送装置33は、ボトル2を残存モノマーの除去に必要な時間長に亘って処理室32内で移動させることができるように設けられる。搬送装置33は、ボトル2を一列で搬送するように設けられてもよいし、複数列に分けて搬送するように設けられてもよい。
図1では搬送装置33にて搬送されるボトル2の図示が省略されている。
【0016】
搬送装置33が搬入口32aから搬出口32bまでボトル2を搬送するに要する時間長は、残存モノマーの除去に必要な時間長以上に確保されていればよい。搬送の時間長を確保するため、搬送装置33の搬送経路を前後、左右あるいは上下に折り返し、又は蛇行させるといったように、搬送経路に適宜の変化が与えられてもよい。処理室32の搬入口32a及び搬出口32bは洗浄液の飛散を抑えられる限りにおいて常時開放であってよい。ただし、印刷装置1の生産効率に支障が生じなければ、搬入口32a及び搬出口32bをボトル2の通過に同期して開閉する構成が採用されてもよい。
【0017】
除去部30には、各ノズル31に対して洗浄液を供給するための供給装置34がさらに設けられる。供給装置34は、タンク35に蓄えられた洗浄液をポンプ36にて汲み上げて各ノズル31に圧送する。残存モノマーは揮発性を帯びているため、ボトル2の温度よりも高温の洗浄液をボトル2に供給すれば、ボトル2と同温以下の洗浄液を供給する場合と比較して残存モノマーの除去の効率を高めることが可能である。したがって、供給装置34には、洗浄液をボトル2よりも高温となるように加温するヒータ37がさらに設けられてもよい。
図1では、ポンプ36からノズル31に向かう洗浄液を加温するようにヒータ37が設けられた例を示している。ヒータ37は、タンク35内の洗浄液を加温するように設けられてもよい。なお、残存モノマーを十分に除去できる限り、洗浄液は必ずしもボトル2より高温であることを要しない。
【0018】
除去部30にてボトル2に供給する洗浄液は、ボトル2に印刷されたインク層を剥離させる作用を持つアルカリ性の溶液を除いて適宜に選択可能である。例えば、水、次亜塩酸水、過酸化水素水等が洗浄液として用いられてよい。洗浄液に代えて、ノズル31からボトル2に向けて気体を吹き付けて残存モノマーを除去してもよい。気体は、ボトル2よりも高温の温風としてもよく、その場合も温水等を洗浄液として供給する場合と同じく除去効率の向上を図り得る。さらに、洗浄液の供給と気体の供給とを適宜に組み合わせて残存モノマーを除去してもよい。洗浄液を用いる場合、ノズル31からの供給に代えて、又は加えて、洗浄液が収容された洗浄槽にボトル2を浸漬して残存モノマーを除去してもよい。
【0019】
図3は、除去工程における洗浄の効果を確認するために実施した官能試験の結果を示す。官能試験では、印刷工程にて白色及び黒色のインクを用いたモノクロ印刷を実施し、硬化工程では残存モノマーが生じる程度に紫外線を照射し、その後に除去工程を実施した。除去工程では、36°Cに加温された洗浄水をボトルに対して28分間供給してボトルを洗浄した。ボトル1本あたりの洗浄水の流量は0.03~0.06m
3/時間の範囲であった。硬化工程の実施後、除去工程における洗浄を実施したボトルと、除去工程を省略した未洗浄のボトルとを評価対象のサンプルとして調製し、各サンプルの調整後、1日及び4日が経過した時点での臭気の程度を評価した。臭気の程度は、複数段階に区分して点数化し、各段階の基準となるサンプルを用意して評価者間における評価のばらつきを抑えるよう配慮した。そして、各評価者の評価点数の平均を求めることにより、評価結果を取得した。
【0020】
図3から明らかなように、洗浄を実施しなかった場合には、1日後の時点で臭気が感じ取られ、4日後には臭気が増している。これに対して、洗浄を実施した場合には1日後、4日後のいずれでも臭気が感じ取れなかった。したがって、洗浄の実施により残存モノマーを除去できることが確認された。
【0021】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、印刷部10及び硬化部20の構成は一例であり、それらの構成は適宜に変更されてよい。一例として、
図1に示したロータリーテーブル11、21を省略し、
図4に示した印刷装置1Aのように、搬送ラインとしてのベルトコンベア式の搬送装置3Aを搬送手段として利用するように印刷部10A及び硬化部20Aが構成されてもよい。この場合、印刷部10Aの印刷ヘッド13は搬送装置3Aの搬送方向Fに沿って配置されてよく、硬化部20Aの照射ユニット22も搬送方向Fに沿って配置されてよい。さらに、搬送ラインは、例えば
図5に示した印刷装置1Bのように、ボトル2を、そのネックリングを利用して吊り下げつつ搬送するネック搬送式の搬送装置3Bとして構成されてもよい。搬送装置3A、3Bの搬送方向は直線的に設定される例に限らず、適宜の湾曲、蛇行等の変化を含むように設定されてもよい。
【0022】
除去部30も、例えばノズル31の配置や個数、処理室32の有無、搬送装置33の構成等に関し、残存モノマーの除去に必要な程度の液体又は気体をボトル2に供給できる限りにおいて適宜の変更が可能である。
【0023】
上記の形態ではPET樹脂等の樹脂製ボトルを容器の例に挙げたが、樹脂以外の素材を用いた容器、例えばガラス製や金属製の容器であっても、その表面に放射線硬化型インクを用いて表示物を直接印刷する場合には、本発明が適用可能である。容器は口部が絞られたボトル状に形成される例に限らず、筒型、箱型等の適宜の形状に形成された容器も本発明の対象となり得る。
【0024】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0025】
本発明の一態様に係る容器への印刷方法は、容器(2)の表面の印刷領域(2b)に放射線硬化型のインクを塗布する印刷工程(S1)と、前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化工程(S2)と、前記硬化工程を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去工程(S3)と、を含むものである。
【0026】
本発明の一態様に係る容器への印刷装置は、容器(2)の表面の印刷領域(2b)に放射線硬化型のインクを塗布する印刷部(10)と、前記インクが塗布された印刷領域に対して放射線を照射して前記インクを硬化させる硬化部(20)と、前記硬化部を経た容器の前記印刷領域に残存するモノマーを除去する除去部(30)と、を備えたものである。
【0027】
上記態様によれば、インクを硬化させる過程で光量不足によって未結合のモノマーが残存しても、これを除去する処理が行われることにより、印刷済の容器に臭気等の原因となるモノマーが残存する虞を低減し、又は解消することができる。
【0028】
上記態様において、前記除去工程では、前記容器の前記印刷領域に向けて液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去してもよい。あるいは、前記除去部は、前記容器の前記印刷領域に向けて液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去するように設けられてもよい。これによれば、残存するモノマーを液体又は気体の供給によって除去することが可能である。
【0029】
上記態様において、前記除去工程では、前記印刷領域に向けて前記容器の温度よりも高温の液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去してもよい。あるいは、前記除去部は、前記印刷領域に向けて前記容器の温度よりも高温の液体及び気体の少なくともいずれか一方を供給して前記モノマーを除去するように設けられてもよい。インクを硬化させる際に生じる残存モノマーは揮発性を帯びている。そのため、容器の温度よりも高温の液体や気体を用いてモノマーを除去すれば、その除去の効率を高めることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1、1A、1B 印刷装置
2 ボトル
2b 印刷領域
10、10A 印刷部
20、20A 硬化部
30 除去部