(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136741
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】住宅借入金控除管理装置、住宅借入金控除管理方法、および、住宅借入金控除管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047955
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 健太
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 信宏
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB23
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】年末調整で申告者の住宅ローンの借換情報をシステムで管理できるようにすることで、計算ミス無く申告者の控除額を算出することができる住宅借入金控除管理装置、住宅借入金控除管理方法、および、住宅借入金控除管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得し、住宅ローンの借換が行われた場合、住宅ローンの借換前残高、および、住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を記憶部に登録し、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い場合、借換情報、および、残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置であって、
前記制御部は、
住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得手段と、
前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録手段と、
前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得手段と、
を備えたことを特徴とする住宅借入金控除管理装置。
【請求項2】
前記対象残高取得手段は、
前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする請求項1に記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項3】
前記登録手段は、
前記住宅ローンの前記借換が複数回数行われた場合、当該借換毎の前記借換前残高および前記借換後借入額を紐付けて設定した前記借換情報を前記記憶部に登録し、
前記対象残高取得手段は、
前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、前記借換毎の前記借換後借入額との大小を比較するための比較対象借換前残高を算出し、前記複数回数の前記借換のうち、前記比較対象借換前残高よりも前記借換後借入額が高い所定回数の前記借換がある場合、所定回の前記借換毎に、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を所定回商として算出し、当該所定回商の総乗と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする請求項1に記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項4】
前記対象残高取得手段は、
前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、初回の前記借換から複数回の前記借換までの各借換回の前記借換の前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を借換回商として算出し、前記各借換回の前記借換前残高と、当該借換回より前の前記所定回の前記借換回商の総乗と、の積を前記比較対象借換前残高として算出し、前記複数回の前記借換のうち、前記比較対象借換前残高よりも前記借換後借入額が高い前記所定回の前記借換毎に、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を前記所定回商として算出し、当該所定回商の総乗と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする請求項3に記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
対象年、前記年末残高、および、前記対象残高を紐付けて設定した住宅借入金残高証明書データを取得する残高証明書取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項6】
前記登録手段は、
前記住宅ローンの前記借換が行われた際に、前記借換前残高および前記借換後借入額を設定可能な住宅借換金画面を表示させ、前記住宅借換金画面に前記借換前残高および前記借換後借入額が設定された場合、前記借換前残高、および、前記借換後借入額を紐付けて設定した前記借換情報を前記記憶部に登録することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項7】
前記対象残高取得手段は、
更に、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い前記住宅ローンの前記借換が行われていない場合、前記残高情報に基づいて、前記年末残高を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の住宅借入金控除管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置に実行させるための住宅借入金控除管理方法であって、
前記制御部において実行される、
住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得ステップと、
前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録ステップと、
前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得ステップと、
を含むことを特徴とする住宅借入金控除管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置に実行させるための住宅借入金控除管理プログラムであって、
前記制御部において、
住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得ステップと、
前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録ステップと、
前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得ステップと、
を実行させるための住宅借入金控除管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅借入金控除管理装置、住宅借入金控除管理方法、および、住宅借入金控除管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気通信網を介して年末残高データを入手し、複数借入先や、複数借入人による共有である場合であっても、借入先・借入人に応じた控除額を算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、住宅ローンの借換を考慮した住宅借入金等特別控除の計算を行うことができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、年末調整で申告者の住宅ローンの借換情報をシステムで管理できるようにすることで、計算ミス無く申告者の控除額を算出することができる住宅借入金控除管理装置、住宅借入金控除管理方法、および、住宅借入金控除管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る住宅借入金控除管理装置は、記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置であって、前記制御部は、住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得手段と、前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録手段と、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記対象残高取得手段は、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記登録手段は、前記住宅ローンの前記借換が複数回数行われた場合、当該借換毎の前記借換前残高および前記借換後借入額を紐付けて設定した前記借換情報を前記記憶部に登録し、前記対象残高取得手段は、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、前記借換毎の前記借換後借入額との大小を比較するための比較対象借換前残高を算出し、前記複数回数の前記借換のうち、前記比較対象借換前残高よりも前記借換後借入額が高い所定回数の前記借換がある場合、所定回の前記借換毎に、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を所定回商として算出し、前記所定回商の総乗と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記対象残高取得手段は、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、初回の前記借換から複数回の前記借換までの各借換回の前記借換の前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を借換回商として算出し、前記各借換回の前記借換前残高と、当該借換回より前の前記所定回の前記借換回商の総乗と、の積を前記比較対象借換前残高として算出し、前記複数回の前記借換のうち、前記比較対象借換前残高よりも前記借換後借入額が高い前記所定回の前記借換毎に、前記借換前残高を被除数とし前記借換後借入額を除数とした場合の商を前記所定回商として算出し、当該所定回商の総乗と、前記年末残高と、の積を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記制御部は、対象年、前記年末残高、および、前記対象残高を紐付けて設定した住宅借入金残高証明書データを取得する残高証明書取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記登録手段は、前記住宅ローンの前記借換が行われた際に、前記借換前残高および前記借換後借入額を設定可能な住宅借換金画面を表示させ、前記住宅借換金画面に前記借換前残高および前記借換後借入額が設定された場合、前記借換前残高、および、前記借換後借入額を紐付けて設定した前記借換情報を前記記憶部に登録することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理装置において、前記対象残高取得手段は、更に、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い前記住宅ローンの前記借換が行われていない場合、前記残高情報に基づいて、前記年末残高を前記住宅借入金等特別控除の前記対象残高として取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理方法は、記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置に実行させるための住宅借入金控除管理方法であって、前記制御部において実行される、住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得ステップと、前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録ステップと、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る住宅借入金控除管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた住宅借入金控除管理装置に実行させるための住宅借入金控除管理プログラムであって、前記制御部において、住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する年末残高取得ステップと、前記住宅ローンの借換が行われた場合、前記住宅ローンの借換前残高、および、前記住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を前記記憶部に登録する登録ステップと、前記住宅ローンの前記借換前残高よりも前記借換後借入額が高い場合、前記借換情報、および、前記残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する対象残高取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、システム外で管理する必要があった住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の借換情報を、システムで歴管理することで管理コストを削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、借換の計算をシステムで行うことで、申告時の計算ミスや計算忘れを防ぎ、再申告のコストを削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、申告者のミスを防ぐことで管理者のチェックコストを削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、借換情報を歴管理することで申告者の計算忘れや計算ミスを防ぐことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、システム外で管理・計算していた借換情報を、システム内で管理・計算をできるようにすることで、管理者側での管理コストを削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、システムで管理し、申告者の申告漏れや申告ミスを防ぐことで、管理者側のチェックコストを削減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、残高情報の履歴と借換情報とを基にした借換後控除額の算出を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、従来の住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、従来の住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態におけるテーブル関連図の一例である。
【
図6】
図6は、本実施形態における住宅借入金控除管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における住宅借入金控除管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、
図1から
図5を参照して、本発明の概要を説明する。
図1および
図2は、従来の住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
図3および
図4は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
図5は、本実施形態におけるテーブル関連図の一例である。
【0019】
従来から、制度背景として、住宅ローンの借換を行う際、金融機関への手数料を支払う必要があり、住宅借入金等特別控除は、この手数料分を除いた状態のローン残高が控除対象の金額となるが、この手数料を除外するための計算が必要となるため、一度借換を行うと、以降毎年必ず手数料を除外する計算を行う必要がある。
【0020】
例えば、平成30年に金融機関Aにて金利2%で住宅取得のために3000万円の借入が行われ、令和3年8月に金融機関Aの借換時直前残高:2500万円の借換のために、金融機関Bにて金利1%で2550万円(内手数料が50万円)の借入が行われた際に、令和3年12月に(借換時直前残高<借換時借入額の)借換が発生した場合、「年末時点のローン残高×(借換時直前残高/借換時借入額)=控除対象金額」のように考慮計算が行われた上で、控除対象の金額が算出され、金融機関Bへの年末時点のローン残高が2500万円ある年末調整時に、「2500万円×(2500万円/2550万円)」のように令和3年8月時点の借換情報を考慮した計算が行われ、更に、令和4年12月に金融機関Bへの年末時点のローン残高が2400万円ある年末調整時に、「2400万円×(2500万円/2550万円)」のように令和3年8月時点の借換情報を考慮した計算が行われる(令和5年以降もこの計算が必要となる)。なお、複数回借換が行われた場合、借換回数分の計算が必要で、「年末時点のローン残高×{([1回目]借換時の直前の残高/[1回目]借換時の借入額)×・・・×([n回目]借換時の直前の残高/[n回目]借換時の借入額)}=控除対象金額」のように計算されるため、過去の借換情報を元に借換回数分計算される必要がある。
【0021】
従来、住宅ローン控除の計算を行う際に、住宅ローンの借換を行った場合、借換を考慮した計算を行う必要があり、借換情報を元に計算した結果を申告する必要があった。更に、従来、申告者は借換を行った年以降も、過去の借換情報を元に計算した結果を申告する必要があるが、計算を忘れるケースが多かった。また、従来、申告書上に借換情報を記載する箇所がないため、管理者は別途Excel(登録商標)等で申告者の借換情報を管理しておき、管理している借換情報を元にした正しい申告が行われているかをチェックする必要があった(すなわち、借換を考慮した計算を行わない場合、控除額が大きくなってしまい、税務署からの指摘につながるため、チェックを正しく行う必要があった)。
【0022】
ここで、
図1に示すように、従来、申告者側が住宅ローン控除の申告を行う場合、自身で過去に借換を行った情報を把握しておき、その金額をもとに計算を行った状態で申告書への記載が必要であったため、申告者が過去に借換を行っていたことを忘れて誤申告をするケースが多かった。すなわち、
図1に示すように、従来、申告者は、年末調整時に、申告者自身で金融機関から届く証明書の年末残高を把握しておき、控除対象残高を手計算した結果をシステムに入力し、申告書を作成し、証明書データとともに提出していたため、借換後に金融機関から届く残高証明書をそのまま控除対象の金額として申告してしまったり、借換の手計算の計算ミスによる誤申告をしてしまったりしていた。
【0023】
また、
図2に示すように、従来、管理者側で、申告者が借換を行った時の情報をシステム外で管理しておき、従業員が手計算した結果が正しいかを検算する必要があったため、申告者が過去に借換を行っていたことを忘れて誤申告をするケースが多いので、チェックコストが大きかった。すなわち、
図2に示すように、従来、管理者は、年末調整時に、収集した情報に基づいて、別管理のエクセル(登録商標)と照らし合わせて検算していたため、従業員の過去の借換情報を管理しておく必要があり(複数回借換を行っている場合、借換を行った回数分歴管理が必要であり)、毎年過去の借換情報と照らし合わせて、申告内容が正しいかの検算を行う確認コストが発生しており、借換時の計算を忘れている申告者がいないかのチェックコストが発生していた。
【0024】
そのため、従来、住宅ローン控除の申告時、申告者により手計算が必要な仕組みであるため、申告者の借換情報を考慮した金額の申告忘れ(申告ミス)や計算の煩雑化による計算ミスが多く、管理者のチェック確認コストが非常に高かった。また、従来、借換を行った年以降の年末調整申告時も毎年、過去の借換情報を元に手計算が必要となるため、申告者が計算を忘れるケースが非常に多かった。また、従来、管理者は申告者の計算忘れをチェックするために、申告者が借換を行った借換情報をシステム外で歴管理してチェックする必要があり、チェックコストが増大していた。また、従来、世の中が低金利で借り入れを行えるようになっている中で、高い金利で借りていた住宅ローンを低金利の金融機関に借換を行うことが多くなっており、管理者側で住宅ローンの借換情報を管理する量が多くなっていた。
【0025】
そこで、本実施形態においては、住宅ローンの借換情報を登録できる画面を構築し、住宅ローンの借換情報をシステムで歴管理することで、これまで手計算が必要だった借換の計算をシステムで自動計算する仕組みを提供している。
【0026】
例えば、
図3に示すように、本実施形態においては、借換を行った年の年末調整において、借換時の計算がシステムで自動計算されるため、申告者Aにとって手計算によるミスを防ぐことができ、借換情報がテーブルで歴管理されているためシステム外での情報管理や検算が不要となり、管理者Bにとって借換情報と残高証明書の情報とが正しくシステムに入力されているかの確認のみ行えばよい。
【0027】
また、
図4に示すように、本実施形態においては、借換を行った年の翌年以降の年末調整において、申告者Aにとって意識せずにシステム内の過去の借換情報から自動計算されるため、借換の計算忘れや手計算によるミスを防ぐことができ、借換情報がテーブルで歴管理されているためシステム外での情報管理や検算が不要となり、管理者Bにとって新たな借換がなければ、残高情報が正しく入力されていることの確認のみ行えばよい。ここで、本実施形態においては、過去に申告済の借換情報の入力が制限されてもよい。
【0028】
なお、
図5に示すように、本実施形態においては、申告画面を介して入力される残高情報および借換情報に対する、ワークテーブルおよび実テーブルを用いた住宅借入金控除管理処理が実行されることにより、これらの仕組みを実現している。
【0029】
[2.構成]
本実施形態に係る住宅借入金控除管理装置100の構成の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態における住宅借入金控除管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図6に示すように、住宅借入金控除管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、住宅借入金控除管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0031】
住宅借入金控除管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。住宅借入金控除管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0032】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、住宅借入金控除管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、住宅借入金控除管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0033】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0034】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、管理テーブル106aを備えている。
【0035】
管理テーブル106aは、住宅借入金控除の管理情報を記憶する。ここで、管理情報は、残高情報、借換情報、借入金情報、および/または、残高証明書情報等を含んでいてもよい。また、管理テーブル106aは、申告画面等に入力中の情報を保持するワークテーブルと、登録情報(確定情報)を保持する実テーブルと、から構成されていてもよい。
【0036】
制御部102は、住宅借入金控除管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、年末残高取得部102aと登録部102bと対象残高取得部102cと残高証明書取得部102dとを備えている。
【0037】
年末残高取得部102aは、住宅ローンの年末残高を設定した残高情報を取得する。
【0038】
登録部102bは、住宅ローン借換情報を記憶部106に登録する。ここで、登録部102bは、住宅ローンの借換が行われた場合、住宅ローンの借換前残高、および、住宅ローンの借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を管理テーブル106aに登録してもよい。また、登録部102bは、住宅ローンの借換が複数回数行われた場合、当該借換毎の借換前残高および借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を管理テーブル106aに登録してもよい。また、登録部102bは、住宅ローンの借換が行われた際に、借換前残高および借換後借入額を設定可能な住宅借換金画面を表示させ、住宅借換金画面に借換前残高および借換後借入額が設定された場合、借換前残高、および、借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を管理テーブル106aに登録してもよい。
【0039】
対象残高取得部102cは、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得する。ここで、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い場合、借換情報、および、残高情報に基づいて、住宅借入金等特別控除の対象残高を取得してもよい。また、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い場合、借換情報、および、残高情報に基づいて、借換前残高を被除数とし借換後借入額を除数とした場合の商と、年末残高と、の積を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得してもよい。また、対象残高取得部102cは、借換情報、および、残高情報に基づいて、前記借換毎の前記借換後借入額との大小を比較するための比較対象借換前残高を算出し、複数回数の借換のうち、比較対象借換前残高よりも借換後借入額が高い所定回数の借換がある場合、所定回の借換毎に、借換前残高を被除数とし借換後借入額を除数とした場合の商を所定回商として算出し、当該所定回商の総乗と、年末残高と、の積を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得してもよい。また、対象残高取得部102cは、借換情報、および、残高情報に基づいて、初回の借換から複数回の借換までの各借換回の借換の借換前残高を被除数とし借換後借入額を除数とした場合の商を借換回商として算出し、各借換回の借換前残高と、当該借換回より前の所定回の借換回商の総乗と、の積を比較対象借換前残高として算出し、複数回の借換のうち、比較対象借換前残高よりも借換後借入額が高い所定回の借換毎に、借換前残高を被除数とし借換後借入額を除数とした場合の商を所定回商として算出し、当該所定回商の総乗と、年末残高と、の積を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得してもよい。また、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い住宅ローンの借換が行われていない場合、残高情報に基づいて、年末残高を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得してもよい。
【0040】
残高証明書取得部102dは、住宅借入金残高証明書データを取得する。ここで、残高証明書取得部102dは、対象年、年末残高、および、対象残高を紐付けて設定した住宅借入金残高証明書データを取得してもよい。
【0041】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図7から
図16を参照して説明する。
【0042】
[住宅借入金控除管理処理]
ここで、
図7を参照して、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における住宅借入金控除管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図7に示すように、年末残高取得部102aは、申告情報を設定可能な申告画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して住宅ローンの年末残高が申告画面に設定された場合、当該年末残高を設定した残高情報を取得する(ステップSA-1)。
【0044】
そして、登録部102bは、住宅ローンの借換前残高および借換後借入額を設定可能な住宅借換金画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して住宅借換金画面に借換前残高および借換後借入額が設定された場合、当該借換前残高および当該借換後借入額を紐付けて設定した借換情報を管理テーブル106aに登録する(ステップSA-2)。
【0045】
そして、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い借換情報が管理テーブル106aに登録されたか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0046】
そして、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い借換情報が登録されたと判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0047】
そして、対象残高取得部102cは、借換情報、および、残高情報に基づいて、借換前残高を被除数とし借換後借入額を除数とした場合の商と、年末残高と、の積を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得する(ステップSA-4)。
【0048】
そして、残高証明書取得部102dは、対象年、年末残高、および、対象残高を紐付けて設定した住宅借入金残高証明書データを取得し(ステップSA-5)、処理を終了する。
【0049】
一方、対象残高取得部102cは、住宅ローンの借換前残高よりも借換後借入額が高い借換情報が登録されていないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0050】
そして、対象残高取得部102cは、残高情報に基づいて、年末残高を住宅借入金等特別控除の対象残高として取得する(ステップSA-6)。
【0051】
残高証明書取得部102dは、対象年、年末残高、および、対象残高を紐付けて設定した住宅借入金残高証明書データを取得し(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0052】
ここで、
図8から
図11を参照して、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例について説明する。
図8から
図11は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【0053】
図8に示すように、本実施形態においては、住宅借入金等特別控除のWeb申告1年目において、残高情報が登録され、住宅借入金残高証明書テーブルに設定され、借換を行っておらず、ローン借換が「無し」のまま申告されたため、借換情報が登録されず、住宅借入金借換情報テーブルの明細が設定されない(空白のままとなる)。ここで、本実施形態におけるテーブルにおいて、「回数」は、住宅控除の明細数(例えば、住宅の借入で1、または、増改築の費用の借入で2等)であり、「ID」は、残高証明書(例えば、住宅の費用をA銀行から借入、または、土地の費用をB銀行から借入等)の明細毎に採番される識別子であり、「借換区分」は、ローン借換が無しの場合、「0」であり、ローン借換が有りの場合、「1」であってもよい。
【0054】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、住宅借入金等特別控除のWeb申告2年目において、住宅借入金等特別控除の申告画面の初回起動時に、住宅借入金残高証明書テーブルの前年のレコードがコピーされて設定され、毎年変わる借入金年末残高および借換考慮後残高のみクリアにされ、借換が発生した明細の残高情報が入力されワークテーブルで保持される。そして、
図10に示すように、本実施形態においては、住宅借入金等特別控除のWeb申告2年目において、借換情報の入力画面に遷移され、借換情報が登録された場合、借換情報が無し(借換区分=0)の明細に対して、借換情報の考慮計算が実施されず、借入金年末残高が借換考慮後残高に反映され、借換情報が有り(借換区分=1)の明細に対して、借換前残高<借換後借入額の場合、借換考慮計算が実施され、借換考慮後残高に更新される。
【0055】
そして、
図11に示すように、本実施形態においては、借換を行った2年目(住宅借入金等特別控除のWeb申告3年目)において、住宅借入金等特別控除の申告画面の初回起動時に、住宅借入金残高証明書テーブルの前年のレコードがコピーされて設定され、毎年変わる借入金年末残高および借換考慮後残高のみクリアにされ、住宅借入金借換情報テーブルの前年のレコードがコピーされて設定され、(前年の同一キー情報の判定により)前年に借換情報が登録済の明細の過去借換区分に「1」が設定される。そして、
図11に示すように、本実施形態においては、借換を行った2年目において、毎年変わる年末残高のみ再入力してもらい、借換情報について前年の情報が保持され、借換の有り無しも前年から引き継がれ、借換情報が無し(借換区分=0)の明細に対して、借換情報の考慮計算が実施されず、借入金年末残高が借換考慮後残高に反映され、借換情報が有り(借換区分=1)の明細に対して、借換前残高<借換後借入額の場合、借換考慮計算が実施され、借換考慮後残高に更新される。このように、本実施形態においては、過去の借換情報が保持されているので、申告者が意識して入力しなくても正しい申告を行える。また、本実施形態においては、過去明細の借換情報に対して、申告者による編集が不可とされ、管理者による変更が容認(意図しない変更で控除額が変わらないようにするため申告者の操作が制限)されてもよい。
【0056】
ここで、
図12から
図16を参照して、本実施形態における借換を複数回行った場合の住宅借入金控除管理処理の一例について説明する。
図12から
図16は、本実施形態における住宅借入金控除管理処理の一例を示す図である。
【0057】
図12に示すように、本実施形態においては、前年の2021年に借換が行われている際に、住宅借入金等特別控除の申告画面の初回起動時に、住宅借入金残高証明書テーブルの前年のレコードがコピーされて設定され、毎年変わる借入金年末残高および借換考慮後残高のみクリアにされ、住宅借入金借換情報テーブルの前年のレコードがコピーされて設定され、(前年の同一キー情報の判定により)前年に借換情報が登録済の明細の過去借換区分に「1」が設定される。そして、本実施形態においては、
図12に示すように、毎年変わる年末残高のみ再入力してもらい、借換情報について前年の情報が保持され、借換の有り無しも前年から引き継がれ、2年連続して2022年にさらに借換が発生しているため、
図13に示すように、借換情報の入力画面に遷移され、借換情報が登録された場合、借換情報が無し(借換区分=0)の明細に対して、借換情報の考慮計算が実施されず、借入金年末残高が借換考慮後残高に反映され、借換情報が有り(借換区分=1)の明細に対して、借換前残高<借換後借入額の場合、借換考慮計算が実施され、借換考慮後残高に更新される。
【0058】
また、
図14に示すように、本実施形態においては、借換毎に大小比較が行われ、計算有無が判定され、全ての借換の判定結果を元に控除対象残高が算出される。ここで、
図14に示すように、借換1回目においては、(1)の情報に対して借換時の計算が必要となる。また、
図14に示すように、借換2回目においては、(1)の情報が考慮され、(2)の情報に対して借換時の計算が必要となる(なお、「900-857.1」の差額は、(1)の手数料分扱いとして大小比較の判定から除外される)。また、
図14に示すように、借換3回目においては、(1)および(2)の情報が考慮され、(3)の情報に対して借換時の計算が必要となる(なお、「800-770.4」の差額は、(1)および(2)の手数料分扱いとして大小比較の判定から除外される)。
【0059】
また、
図15に示すように、本実施形態においては、借換毎に大小比較が行われ、計算有無が判定され、全ての借換の判定結果を元に控除対象残高が算出される。ここで、
図15に示すように、借換1回目においては、(1)の情報に対して借換時の計算が必要となる。また、
図15に示すように、借換2回目においては、(1)の情報が考慮され、(2)の情報に対して借換時の計算が不要となる(なお、「900-857.1」の差額は、(1)の手数料分扱いとして大小比較の判定から除外される)。また、
図15に示すように、借換3回目においては、(1)の情報が考慮され、(3)の情報に対して借換時の計算が必要となる(なお、「800-761.9」の差額は、(1)の手数料分扱いとして大小比較の判定から除外される)。
【0060】
すなわち、
図16に示すように、本実施形態においては、N回の借換が行われた場合、借換回が古い方から順に借換回毎に、借換N回目より前の[計算が必要と判定される全ての]借換の考慮計算(2,4,…回目が考慮されず、1,3,5,…,N回目が対象となる計算)が行われる。ここで、本実施形態においては、借換1回の場合、「比較対象借換前残高=1回目の借換前残高」であり、借換N回(N≧2)の場合、「比較対象借換前残高=N回目の借換前残高×{N回より前の計算必要とされた所定回の商(=借換前残高/借入後借入額)の総乗}」であってもよい。例えば、
図16に示すように、本実施形態においては、借換2回の場合、「比較対象借換前残高=2回目の借換前残高×(1)の商」であり、借換3回の場合、「比較対象借換前残高=3回目の借換前残高×(1)の商」であり、借換4回の場合、「比較対象借換前残高=4回目の借換前残高×(1)の商×(3)の商」であり、借換5回の場合、「比較対象借換前残高=5回目の借換前残高×(1)の商×(3)の商」であってもよい。
【0061】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0064】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、住宅借入金控除管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、住宅借入金控除管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて住宅借入金控除管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、住宅借入金控除管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、住宅借入金控除管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、住宅借入金控除管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、住宅ローン控除の適用を受ける社員数が多い企業を有する全ての業界において有用である。
【符号の説明】
【0076】
100 住宅借入金控除管理装置
102 制御部
102a 年末残高取得部
102b 登録部
102c 対象残高取得部
102d 残高証明書取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 管理テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク