(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136751
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047976
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光治
(57)【要約】
【課題】演算負荷が大きくなるのを抑制しながら、積層半導体チップの歩留まりを向上させることが可能な演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法を提供する。
【解決手段】
演算装置1000は、取得部1001aと、演算部1001bとを備える。取得部1001aは、第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を示す第1チップ情報と、第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を示す第2チップ情報とを取得する。演算部1001bは、複数枚の第1基板W1の第1チップ情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分け、複数枚の第2基板W2の第2チップ情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。演算部1001bは、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1半導体チップを有する第1基板の第1不良品チップの数を示す第1チップ情報と、複数の第2半導体チップを有する第2基板の第2不良品チップの数を示す第2チップ情報とを取得する取得部と、
複数枚の前記第1基板の前記第1チップ情報に基づいて、前記複数枚の第1基板を複数の第1基板グループに分け、複数枚の前記第2基板の前記第2チップ情報に基づいて、前記複数枚の第2基板を複数の第2基板グループに分ける演算部と
を備え、
前記演算部は、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する、演算装置。
【請求項2】
前記第1チップ情報は、前記第1基板内における前記第1不良品チップの位置を示す位置情報を含み、
前記第2チップ情報は、前記第2基板内における前記第2不良品チップの位置を示す位置情報を含み、
前記演算部は、複数の前記第1チップ情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板と前記複数枚の第2基板との組み合わせを計算する、請求項1に記載の演算装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記複数の第1チップ情報と前記複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた際に前記第1基板の第1良品チップと前記第2基板の第2良品チップとが重なる積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する、請求項2に記載の演算装置。
【請求項4】
前記演算部は、
対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数の全てが、所定値以下である場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算し、
対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数のうちの少なくとも1つが、前記所定値よりも大きい場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する、請求項3に記載の演算装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記各第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、前記各第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す基板数情報を取得し、
前記演算部は、
前記基板数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、
前記基板数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記第1基板グループの数、および、前記第2基板グループの数を示すグループ数情報を取得し、
前記演算部は、
前記グループ数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、
前記グループ数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項7】
前記第1不良品チップの数が第1所定数以下である前記第1基板の数をA枚とし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとすると、
前記演算部は、
前記第1不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第1基板のうちの、C枚の前記第1基板を、1つ目の前記第1基板グループにし、
前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板のうちの、C枚の前記第2基板を、1つ目の前記第2基板グループにする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項8】
前記取得部は、2つ目以降の前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、2つ目以降の前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す基板数情報を取得し、
前記演算部は、
前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板を、前記2つ目以降の前記複数の第1基板グループに分け、
前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板を、前記2つ目以降の前記複数の第2基板グループに分ける、請求項7に記載の演算装置。
【請求項9】
前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数よりも大きい第2所定数以下である前記第1基板の数をD枚とし、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板の数をE枚とし、DおよびEのうちの少ない方の数をFとすると、
前記演算部は、
前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第1基板のうちの、F枚の前記第1基板を、2つ目の前記第1基板グループにし、
前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板のうちの、F枚の前記第2基板を、2つ目の前記第2基板グループにする、請求項7に記載の演算装置。
【請求項10】
請求項1に記載の演算装置と、
前記演算装置が計算した前記第1基板と前記第2基板との組み合わせにしたがって、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ装置と
を備える、基板貼り合わせシステム。
【請求項11】
複数枚の第1基板の第1チップ情報に基づいて、前記複数枚の第1基板を複数の第1基板グループに分け、複数枚の第2基板の第2チップ情報に基づいて、前記複数枚の第2基板を複数の第2基板グループに分けるグループ分け工程と、
対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する組合せ工程と
を含み、
前記第1チップ情報は、複数の第1半導体チップを有する前記第1基板の第1不良品チップの数を示し、
前記第2チップ情報は、複数の第2半導体チップを有する前記第2基板の第2不良品チップの数を示す、演算方法。
【請求項12】
前記第1チップ情報は、前記第1基板内における前記第1不良品チップの位置を示す位置情報を含み、
前記第2チップ情報は、前記第2基板内における前記第2不良品チップの位置を示す位置情報を含み、
前記組合せ工程において、複数の前記第1チップ情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板と前記複数枚の第2基板との組み合わせを計算する、請求項11に記載の演算方法。
【請求項13】
前記組合せ工程において、前記複数の第1チップ情報と前記複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた際に前記第1基板の第1良品チップと前記第2基板の第2良品チップとが重なる積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する、請求項12に記載の演算方法。
【請求項14】
前記組合せ工程において、
対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数の全てが、所定値以下である場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算し、
対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数のうちの少なくとも1つが、前記所定値よりも大きい場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する、請求項13に記載の演算方法。
【請求項15】
前記グループ分け工程において、
基板数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、
前記基板数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分け、
前記基板数情報は、前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す、請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の演算方法。
【請求項16】
前記グループ分け工程において、
グループ数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、
前記グループ数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分け、
前記グループ数情報は、前記第1基板グループの数、および、前記第2基板グループの数を示す、請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の演算方法。
【請求項17】
前記第1不良品チップの数が第1所定数以下である前記第1基板の数をA枚とし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとすると、
前記グループ分け工程において、
前記第1不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第1基板のうちの、C枚の前記第1基板を、1つ目の前記第1基板グループにし、
前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板のうちの、C枚の前記第2基板を、1つ目の前記第2基板グループにする、請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の演算方法。
【請求項18】
前記グループ分け工程において、
基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板を、前記2つ目以降の前記複数の第1基板グループに分け、
前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板を、前記2つ目以降の前記複数の第2基板グループに分け、
前記基板数情報は、2つ目以降の前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、2つ目以降の前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す、請求項17に記載の演算方法。
【請求項19】
前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数よりも大きい第2所定数以下である前記第1基板の数をD枚とし、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板の数をE枚とし、DおよびEのうちの少ない方の数をFとすると、
前記グループ分け工程において、
前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第1基板のうちの、F枚の前記第1基板を、2つ目の前記第1基板グループにし、
前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板のうちの、F枚の前記第2基板を、2つ目の前記第2基板グループにする、請求項17に記載の演算方法。
【請求項20】
請求項11に記載の演算方法にしたがって計算された前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを取得する工程と、
取得した前記第1基板と前記第2基板との組み合わせにしたがって、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と
を含む、基板貼り合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品の小型化および高速化のために、2つの半導体チップを積層して貼り合わせた積層半導体チップが知られている。また、このような積層半導体チップを製造する時間を短縮するために、複数の半導体チップを有する第1基板と、複数の半導体チップを有する第2基板とを積層して貼り合わせる方法が知られている。なお、従来の貼り合わせ装置では、複数枚の第1基板および複数枚の第2基板は、フープに収容されており、上段から下段に向かって順に接合ユニットに搬送されて接合されていた。
【0003】
通常、第1基板および第2基板には、良品チップだけでなく、不良品チップも形成されている。このとき、不良品チップは、基板内のランダムな位置に形成される。このため、第1基板と第2基板とを貼り合わせると、一方の基板の良品チップと他方の基板の不良品チップとが積層されることがある。このように良品チップと不良品チップとが積層された積層半導体チップは、不良品になる。従って、歩留まりが低下する。
【0004】
この不都合を改善するために、特許文献1には、複数の第1半導体ウエハの不良チップ分布と、複数の第2半導体ウエハの不良チップ分布とに基づいて、積層させる第1半導体ウエハおよび第2半導体ウエハの選定を行う、半導体ウエハ積層体の製造方法が提案されている。特許文献1に記載の方法では、最終的に形成される複数の半導体チップ積層体の数が最も多くなるように、第1半導体ウエハと第2半導体ウエハとの組み合わせを選定する。特許文献1には、一度に照合を行う各半導体ウエハの枚数は、例えば半導体ウエハの生産ロットに対応する枚数(例えば25枚)とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のように、通常、1ロット当たりの半導体ウエハの数は25枚であるため、25枚の第1半導体ウエハと25枚の第2半導体ウエハとの組み合わせ総数は、約1.5×1025通りある。この全ての組み合わせを演算することは、演算負荷が非常に大きく、膨大な時間がかかる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、演算負荷が大きくなるのを抑制しながら、積層半導体チップの歩留まりを向上させることが可能な演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面によれば、演算装置は、取得部と、演算部とを備える。前記取得部は、第1チップ情報と、第2チップ情報とを取得する。第1チップ情報は、複数の第1半導体チップを有する第1基板の第1不良品チップの数を示す。第2チップ情報は、複数の第2半導体チップを有する第2基板の第2不良品チップの数を示す。前記演算部は、複数枚の前記第1基板の前記第1チップ情報に基づいて、前記複数枚の第1基板を複数の第1基板グループに分け、複数枚の前記第2基板の前記第2チップ情報に基づいて、前記複数枚の第2基板を複数の第2基板グループに分ける。前記演算部は、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。
【0009】
ある実施形態では、前記第1チップ情報は、前記第1基板内における前記第1不良品チップの位置を示す位置情報を含む。前記第2チップ情報は、前記第2基板内における前記第2不良品チップの位置を示す位置情報を含む。前記演算部は、複数の前記第1チップ情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板と前記複数枚の第2基板との組み合わせを計算する。
【0010】
ある実施形態では、前記演算部は、前記複数の第1チップ情報と前記複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた際に前記第1基板の第1良品チップと前記第2基板の第2良品チップとが重なる積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。
【0011】
ある実施形態では、前記演算部は、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数の全てが、所定値以下である場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。前記演算部は、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数のうちの少なくとも1つが、前記所定値よりも大きい場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。
【0012】
ある実施形態では、前記取得部は、前記各第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、前記各第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す基板数情報を取得する。前記演算部は、前記基板数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分ける。前記演算部は、前記基板数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける。
【0013】
ある実施形態では、前記取得部は、前記第1基板グループの数、および、前記第2基板グループの数を示すグループ数情報を取得する。前記演算部は、前記グループ数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分ける。前記演算部は、前記グループ数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける。
【0014】
ある実施形態では、前記第1不良品チップの数が第1所定数以下である前記第1基板の数をA枚とし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとすると、前記演算部は、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第1基板のうちの、C枚の前記第1基板を、1つ目の前記第1基板グループにし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板のうちの、C枚の前記第2基板を、1つ目の前記第2基板グループにする。
【0015】
ある実施形態では、前記取得部は、2つ目以降の前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、2つ目以降の前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す基板数情報を取得する。前記演算部は、前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板を、前記2つ目以降の前記複数の第1基板グループに分ける。前記演算部は、前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板を、前記2つ目以降の前記複数の第2基板グループに分ける。
【0016】
ある実施形態では、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数よりも大きい第2所定数以下である前記第1基板の数をD枚とし、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板の数をE枚とし、DおよびEのうちの少ない方の数をFとすると、前記演算部は、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第1基板のうちの、F枚の前記第1基板を、2つ目の前記第1基板グループにする。前記演算部は、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板のうちの、F枚の前記第2基板を、2つ目の前記第2基板グループにする。
【0017】
本発明の第2局面によれば、基板貼り合わせシステムは、上記の演算装置と、前記演算装置が計算した前記第1基板と前記第2基板との組み合わせにしたがって、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ装置とを備える。
【0018】
本発明の第3局面によれば、演算方法は、複数枚の第1基板の第1チップ情報に基づいて、前記複数枚の第1基板を複数の第1基板グループに分け、複数枚の第2基板の第2チップ情報に基づいて、前記複数枚の第2基板を複数の第2基板グループに分けるグループ分け工程と、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する組合せ工程とを含む。前記第1チップ情報は、複数の第1半導体チップを有する前記第1基板の第1不良品チップの数を示す。前記第2チップ情報は、複数の第2半導体チップを有する前記第2基板の第2不良品チップの数を示す。
【0019】
ある実施形態では、前記第1チップ情報は、前記第1基板内における前記第1不良品チップの位置を示す位置情報を含む。前記第2チップ情報は、前記第2基板内における前記第2不良品チップの位置を示す位置情報を含む。前記組合せ工程において、複数の前記第1チップ情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板と前記複数枚の第2基板との組み合わせを計算する。
【0020】
ある実施形態では、前記組合せ工程において、前記複数の第1チップ情報と前記複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ同士で、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせた際に前記第1基板の第1良品チップと前記第2基板の第2良品チップとが重なる積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。
【0021】
ある実施形態では、前記組合せ工程において、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数の全てが、所定値以下である場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。前記組合せ工程において、対応する前記第1基板グループおよび前記第2基板グループ内において、前記各第1基板の前記第1不良品チップの数、および、前記各第2基板の前記第2不良品チップの数のうちの少なくとも1つが、前記所定値よりも大きい場合、前記積層良品チップの数が最も多くなるように、前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを計算する。
【0022】
ある実施形態では、前記グループ分け工程において、基板数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、前記基板数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける。前記基板数情報は、前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す。
【0023】
ある実施形態では、前記グループ分け工程において、グループ数情報と、複数の前記第1チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第1基板を前記複数の第1基板グループに分け、前記グループ数情報と、複数の前記第2チップ情報とに基づいて、前記複数枚の第2基板を前記複数の第2基板グループに分ける。前記グループ数情報は、前記第1基板グループの数、および、前記第2基板グループの数を示す。
【0024】
ある実施形態では、前記第1不良品チップの数が第1所定数以下である前記第1基板の数をA枚とし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとすると、前記グループ分け工程において、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第1基板のうちの、C枚の前記第1基板を、1つ目の前記第1基板グループにし、前記第2不良品チップの数が前記第1所定数以下である前記第2基板のうちの、C枚の前記第2基板を、1つ目の前記第2基板グループにする。
【0025】
ある実施形態では、前記グループ分け工程において、基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板を、前記2つ目以降の前記複数の第1基板グループに分け、前記基板数情報に基づいて、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板を、前記2つ目以降の前記複数の第2基板グループに分ける。前記基板数情報は、2つ目以降の前記第1基板グループに含まれる前記第1基板の数、および、2つ目以降の前記第2基板グループに含まれる前記第2基板の数を示す。
【0026】
ある実施形態では、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第1所定数よりも大きい第2所定数以下である前記第1基板の数をD枚とし、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板の数をE枚とし、DおよびEのうちの少ない方の数をFとすると、前記グループ分け工程において、前記1つ目の前記第1基板グループ以外の前記第1基板で、かつ、前記第1不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第1基板のうちの、F枚の前記第1基板を、2つ目の前記第1基板グループにする。前記グループ分け工程において、前記1つ目の前記第2基板グループ以外の前記第2基板で、かつ、前記第2不良品チップの数が前記第2所定数以下である前記第2基板のうちの、F枚の前記第2基板を、2つ目の前記第2基板グループにする。
【0027】
本発明の第4局面によれば、基板貼り合わせ方法は、上記の演算方法にしたがって計算された前記第1基板と前記第2基板との組み合わせを取得する工程と、取得した前記第1基板と前記第2基板との組み合わせにしたがって、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程とを含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、演算負荷が大きくなるのを抑制しながら、積層半導体チップの歩留まりを向上させることが可能な演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1実施形態の基板貼り合わせシステムの概略構成を示す平面図である。
【
図3】第2基板の構造を概略的に示す平面図である。
【
図4】第1実施形態の演算装置のブロック図である。
【
図5】第1実施形態の演算装置による第1基板および第2基板の組み合わせの計算を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態の接合ユニットの構造を概略的に示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態の貼り合わせ装置のブロック図である。
【
図8】第1実施形態の演算装置による、第1基板と第2基板との組み合わせを計算する演算処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態の貼り合わせ装置による、第1基板と第2基板との貼り合わせ方法を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態の演算装置による第1基板および第2基板の組み合わせの計算を説明するための図である。
【
図11】第3実施形態の演算装置による第1基板および第2基板の組み合わせの計算を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明による演算装置の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0031】
(第1実施形態)
図1~
図9を参照して、本発明の第1実施形態による演算装置1000を備える基板貼り合わせシステム2000について説明する。
図1は、第1実施形態の基板貼り合わせシステム2000の概略構成を示す平面図である。
【0032】
図1に示すように、基板貼り合わせシステム2000は、貼り合わせ装置1と、演算装置1000とを備える。
【0033】
貼り合わせ装置1は、第1基板W1と第2基板W2とを積層して貼り合わせる。本実施形態では、貼り合わせ装置1は、第1基板W1および第2基板W2に対して、例えば、活性化処理、洗浄処理、および、貼り合わせ処理を行う。
【0034】
第1基板W1および第2基板W2は、例えば、半導体基板を含む。第1基板W1および第2基板W2は、例えば、半導体ウエハを含む。第1基板W1および第2基板W2は、例えば、略円板状である。
【0035】
第1基板W1は、複数(例えば、数10個~数100個)の第1半導体チップC1(
図2参照)を有する。各第1半導体チップC1は、例えば、CPUおよび/またはDRAMなどの集積回路を構成する。各第1半導体チップC1は、例えば、トランジスタ等の半導体素子が複数形成された半導体素子層(図示せず)と、複数の電極(図示せず)とを有する。電極は、銅、金またはアルミニウム等の金属材料によって形成されている。本実施形態では、電極は、例えば、銅によって形成されている。
【0036】
第2基板W2は、複数(例えば、数10個~数100個)の第2半導体チップC2(
図3参照)を有する。各第2半導体チップC2は、例えば、CPUおよび/またはDRAMなどの集積回路を構成する。各第2半導体チップC2は、例えば、トランジスタ等の半導体素子が複数形成された半導体素子層(図示せず)と、複数の電極(図示せず)とを有する。電極は、銅、金またはアルミニウム等の金属材料によって形成されている。本実施形態では、電極は、例えば、銅によって形成されている。
【0037】
第1基板W1の電極と第2基板W2の電極とは、接合され、電気的に接続される。具体的には、第1基板W1の電極の数と、第2基板W2の電極の数とは、同じである。第2基板W2の電極は、第1基板W1の電極に対応する位置に配置される。つまり、第2基板W2の電極は、第1基板W1を上下反転させた場合に、第1基板W1の電極と重なる位置に配置される。
【0038】
第1基板W1の電極および第2基板W2の電極は、例えば、バンプおよび/または電極パッドとして形成されている。接合の容易性の観点から、第1基板W1の電極および第2基板W2の電極の少なくとも一方は、バンプとして形成されていることが好ましい。本実施形態では、第1基板W1の電極および第2基板W2の電極の両方が、バンプとして形成されている。
【0039】
図2は、第1基板W1の構造を概略的に示す図である。
図3は、第2基板W2の構造を概略的に示す平面図である。なお、
図2では、第1基板W1を、裏面(第2基板W2に貼り付ける面とは反対側の面)側から示している。また、
図2および
図3では、不良品チップにハッチングを施している。
【0040】
図2に示すように、第1基板W1の複数の第1半導体チップC1は、第1良品チップC1aと、第1不良品チップC1bとを有する。
図3に示すように、第2基板W2の複数の第2半導体チップC2は、第2良品チップC2aと、第2不良品チップC2bとを有する。第1基板W1と第2基板W2とが貼り合わせられることにより、第1半導体チップC1と第2半導体チップC2とによって積層半導体チップが形成される。このとき、第1良品チップC1aと第2良品チップC2aとからなる積層半導体チップは、良品になる。その一方、第1良品チップC1aと第2不良品チップC2bとからなる積層半導体チップは、不良品になる。また、第1不良品チップC1bと第2良品チップC2aとからなる積層半導体チップは、不良品になる。また、第1不良品チップC1bと第2不良品チップC2bとからなる積層半導体チップは、不良品になる。以下、積層半導体チップの良品を、積層良品チップと記載することがある。また、積層半導体チップの不良品を、積層不良品チップと記載することがある。
【0041】
図1に示すように、貼り合わせ装置1は、搬送路CPと、第1ロードポートLP1と、第2ロードポートLP2と、第3ロードポートLP3と、活性化ユニットAUと、洗浄ユニットCUと、接合ユニットJUと、センターロボットCRと、制御装置90とを備える。
【0042】
搬送路CPは、第1基板W1および第2基板W2が搬送される。搬送路CPは、例えば、直線形状を有する。センターロボットCRと、第1ロードポートLP1と、第2ロードポートLP2と、第3ロードポートLP3と、活性化ユニットAUと、洗浄ユニットCUと、接合ユニットJUとは、搬送路CPに面するように配置される。
【0043】
センターロボットCRは、第1基板W1および第2基板W2を保持して搬送する。センターロボットCRは、搬送路CP内を移動する。センターロボットCRは、第1ロードポートLP1と、第2ロードポートLP2と、第3ロードポートLP3と、活性化ユニットAUと、洗浄ユニットCUと、接合ユニットJUとの間で、第1基板W1および第2基板W2を搬送する。
【0044】
第1ロードポートLP1は、複数(例えば、25枚)の第1基板W1を収容する。具体的には、複数の第1基板W1は、例えば、上下方向に互いに離隔した状態で図示しないフープ(キャリッジともいう)に収容される。第1基板W1を収容するフープは、第1ロードポートLP1に配置される。
【0045】
第2ロードポートLP2は、複数(例えば、25枚)の第2基板W2を収容する。具体的には、複数の第2基板W2は、例えば、上下方向に互いに離隔した状態で図示しないフープに収容される。第2基板W2を収容するフープは、第2ロードポートLP2に配置される。
【0046】
第3ロードポートLP3は、複数(例えば、25枚)の積層基板LWを収容する。具体的には、複数の積層基板LWは、例えば、上下方向に互いに離隔した状態で図示しないフープに収容される。積層基板LWを収容するフープは、第3ロードポートLP3に配置される。
【0047】
積層基板LWは、第1基板W1と第2基板W2とが積層されて貼り合わされた基板である。本実施形態では、積層基板LWは、第1基板W1と第2基板W2とが積層されて接合されることによって、構成されている。
【0048】
活性化ユニットAUは、第1基板W1および第2基板W2の表面を活性化させる。活性化ユニットAUは、第1基板W1および第2基板W2の少なくとも電極の表面を活性化させる。具体的には、活性化ユニットAUは、第1基板W1および第2基板W2に対してプラズマ処理を行う。プラズマ処理に用いるガスの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、酸素または窒素である。
【0049】
活性化ユニットAUは、例えば、高周波電源と、高周波電圧が印加される一対の電極とを有する。一対の電極間に高周波電圧を印加することによって、処理ガスがプラズマ化される。例えば、処理ガスとして酸素ガスを用いる場合、酸素ガスはプラズマ化して酸素イオンになる。酸素イオンが第1基板W1または第2基板W2の表面に照射されると、電極の表面にダングリングボンド(未結合手)が生じる。つまり、電極の表面が活性化される。
【0050】
洗浄ユニットCUは、第1基板W1および第2基板W2を洗浄する。洗浄ユニットCUは、第1基板W1および第2基板W2に洗浄液を供給する。具体的には、洗浄ユニットCUは、洗浄液を吐出する洗浄ノズル(図示せず)を有する。洗浄液は、例えば、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)が挙げられる。本実施形態では、洗浄液は、DIW等の純水である。
【0051】
洗浄ユニットCUにより第1基板W1および第2基板W2を洗浄することによって、第1基板W1および第2基板W2の電極が洗浄される。このとき、電極の表面に水酸基が形成される。
【0052】
制御装置90は、貼り合わせ装置1の各種動作を制御する。制御装置90により、貼り合わせ装置1は、第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせる。
【0053】
制御装置90は、制御部91および記憶部93を含む。制御部91は、プロセッサを有する。制御部91は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)および/またはグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit:GPU)を有する。または、制御部91は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の汎用演算機を有していてもよい。
【0054】
記憶部93は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、例えば、貼り合わせのための処理内容および処理手順を規定する。また、記憶部93は、演算装置1000から送信された情報を記憶する。具体的には、記憶部93は、演算装置1000が計算した第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを示す組み合わせ情報を記憶する。
【0055】
記憶部93は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部93はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部91は、記憶部93の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、貼り合わせ動作を実行する。
【0056】
演算装置1000は、複数の第1基板W1と複数の第2基板W2とを貼り合わせる際の、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを算出する装置である。このように、本実施形態の基板貼り合わせシステム2000は、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを算出する演算装置1000を備える。
【0057】
演算装置1000は、制御部1001および記憶部1003を含む。制御部1001は、プロセッサを有する。制御部1001は、例えば、中央処理演算機(CPU)を有する。または、制御部1001は、汎用演算機を有していてもよい。
【0058】
記憶部1003は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、例えば、後述する第1チップ情報および第2チップ情報を含む。
【0059】
記憶部1003は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部1003はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部1001は、記憶部1003の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、演算を実行する。
【0060】
本実施形態では、演算装置1000は、第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を示す第1チップ情報と、第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を示す第2チップ情報とを、検査装置3000から取得し、記憶部1003に記憶する。
【0061】
なお、第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を示すことは、第1基板W1の第1良品チップC1aの数を示すことと実質的に同じである。同様に、第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を示すことは、第2基板W2の第2良品チップC2aの数を示すことと実質的に同じである。
【0062】
また、第1チップ情報は、各第1基板W1の識別番号と、各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を示す情報とを含む。同様に、第2チップ情報は、各第2基板W2の識別番号と、各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を示す情報とを含む。
【0063】
検査装置3000は、第1基板W1の各第1半導体チップC1の電気的な特性を測定する。検査装置3000は、測定結果に基づいて、各第1半導体チップC1が良品チップであるか不良品チップであるかを判定する。電気的な特性は、例えば、電流値、電圧値、および、動作クロック周波数を含む。検査装置3000は、各第1半導体チップC1の電極に接触するプローブを有し、プローブを用いて電気的な特性を測定する。そして、検査装置3000は、測定結果に基づいて、第1チップ情報を生成する。検査装置3000は、生成した第1チップ情報を記憶装置(図示せず)に記憶する。
【0064】
なお、検査装置3000は、第1基板W1の各第1半導体チップC1の物理的な特性を測定してもよい。物理的な特性は、例えば、電極の幅、電極の厚み、配線の幅、配線の厚みを含んでもよい。検査装置3000は、各第1半導体チップC1を撮像するカメラ等の撮像部を有し、撮像部を用いて物理的な特性を測定してもよい。
【0065】
また、検査装置3000は、第2基板W2の各第2半導体チップC2の電気的な特性を測定する。検査装置3000は、測定結果に基づいて、各第2半導体チップC2が良品チップであるか不良品チップであるかを判定する。電気的な特性は、例えば、電流値、電圧値、および、動作クロック周波数を含む。検査装置3000は、各第2半導体チップC2の電極に接触するプローブを有し、プローブを用いて電気的な特性を測定する。そして、検査装置3000は、測定結果に基づいて、第2チップ情報を生成する。検査装置3000は、生成した第2チップ情報を記憶装置(図示せず)に記憶する。
【0066】
なお、検査装置3000は、第2基板W2の各第2半導体チップC2の物理的な特性を測定してもよい。物理的な特性は、例えば、電極の幅、電極の厚み、配線の幅、配線の厚みを含んでもよい。検査装置3000は、各第2半導体チップC2を撮像するカメラ等の撮像部を有し、撮像部を用いて物理的な特性を測定してもよい。
【0067】
演算装置1000が検査装置3000から第1チップ情報および第2チップ情報を取得する方法は、特に限定されない。例えば、演算装置1000は、検査装置3000との間で無線通信または有線通信することによって、第1チップ情報および第2チップ情報を取得してもよい。また、例えば、検査装置3000から記録媒体を介して演算装置1000に、第1チップ情報および第2チップ情報を移行してもよい。記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ(USBフラッシュドライブともいう)を用いてもよい。
【0068】
次に、
図4および
図5を参照して、演算装置1000についてさらに説明する。
図4は、第1実施形態の演算装置1000のブロック図である。
図5は、第1実施形態の演算装置1000による第1基板W1および第2基板W2の組み合わせの計算を説明するための図であり、各第1基板W1に含まれる第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2に含まれる第2不良品チップC2bの数を示す図である。
【0069】
図4に示すように、演算装置1000の制御部1001は、取得部1001aと、演算部1001bとを有する。
【0070】
取得部1001aは、第1チップ情報と、第2チップ情報とを取得する。取得部1001aは、第1チップ情報と、第2チップ情報とを記憶部1003から取得する。
【0071】
図5に示すように、演算部1001bは、複数枚の第1基板W1の第1チップ情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、複数枚の第2基板W2の第2チップ情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。
【0072】
具体的には、第1基板グループGR1の数は、第2基板グループGR2の数と同じである。本実施形態では、第1基板グループGR1の数、および、第2基板グループGR2の数は、共に5つである。
【0073】
詳細には、演算部1001bは、複数枚の第1基板W1を第1不良品チップC1bの少ない順に並べる。また、演算部1001bは、複数枚の第2基板W2を第2不良品チップC2bの少ない順に並べる。なお、第1不良品チップC1bの数が同じ第1基板W1が複数存在する場合、第1不良品チップC1bの数が同じ第1基板W1については、任意の順に並べる。同様に、第2不良品チップC2bの数が同じ第2基板W2が複数存在する場合、第2不良品チップC2bの数が同じ第2基板W2については、任意の順に並べる。
【0074】
そして、演算部1001bは、複数枚の第1基板W1を第1不良品チップC1bの少ない方から順に、複数の第1基板グループGR1に分ける。本実施形態では、第1基板グループGR1の数は、予め決められている。本実施形態では、第1基板グループGR1の数は、5つである。第1基板グループGR1の数を示すグループ数情報は、記憶部1003に記憶されており、取得部1001aは、グループ数情報を記憶部1003から取得する。演算部1001bは、グループ数情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数(ここでは、5つ)の第1基板グループGR1に分ける。つまり、本実施形態では、演算部1001bは、グループ数情報と、複数の第1チップ情報とに基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR11~GR15に分ける。
【0075】
また、演算部1001bは、複数枚の第2基板W2を第2不良品チップC2bの少ない方から順に、複数の第2基板グループGR2に分ける。本実施形態では、第2基板グループGR2の数は、予め決められている。本実施形態では、第2基板グループGR2の数は、5つである。グループ数情報は、第2基板グループGR2の数を示す。つまり、グループ数情報は、第1基板グループGR1の数と、第2基板グループGR2とを示す。演算部1001bは、グループ数情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数(ここでは、5つ)の第2基板グループGR2に分ける。つまり、本実施形態では、演算部1001bは、グループ数情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR21~GR25に分ける。
【0076】
また、各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数は、予め決められている。本実施形態では、各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数は、5つである。各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数を示す基板数情報は、記憶部1003に記憶されており、取得部1001aは、基板数情報を記憶部1003から取得する。演算部1001bは、基板数情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。つまり、本実施形態では、演算部1001bは、基板数情報と、複数の第1チップ情報とに基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。
【0077】
また、各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数は、予め決められている。本実施形態では、各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数は、5つである。基板数情報は、各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数を示す。つまり、基板数情報は、各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数と、各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数とを示す。演算部1001bは、基板数情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。つまり、本実施形態では、演算部1001bは、基板数情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。
【0078】
演算部1001bは、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。具体的には、第1基板グループGR11、GR12、GR13、GR14およびGR15は、それぞれ、第2基板グループGR21、GR22、GR23、GR24およびGR25に対応している。演算部1001bは、例えば、第1基板グループGR11の5枚の第1基板W1と、第2基板グループGR21の5枚の第2基板W2とを組み合わせる。このとき、第1基板W1と第2基板W2との組が5組形成される。演算部1001bは、残りの第1基板グループGR12、GR13、GR14およびGR15と、残りの第2基板グループGR22、GR23、GR24およびGR25とについても、同様にして、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。これにより、第1基板W1と第2基板W2との組が25組形成される。
【0079】
なお、例えば、対応する第1基板グループGR11および第2基板グループGR21内における、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ方法は、特に限定されない。例えば、
図5に示したように、不良品チップ(第1不良品チップC1b、第2不良品チップC2b)の少ない方から順に、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせてもよい。また、例えば、フープ内における高さの近い基板同士を組み合わせてもよい。
【0080】
第1実施形態では、上記のように、演算部1001bは、複数枚の第1基板W1の第1チップ情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分け、複数枚の第2基板W2の第2チップ情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。そして、演算部1001bは、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。
【0081】
従って、第1不良品チップC1bの数の比較的多い第1基板W1と、第2不良品チップC2bの数の比較的少ない第2基板W2とが貼り合わせられることを抑制できる。同様に、第1不良品チップC1bの数の比較的少ない第1基板W1と、第2不良品チップC2bの数の比較的多い第2基板W2とが貼り合わせられることを抑制できる。よって、積層半導体チップの不良品が製造されることを抑制できる。その結果、積層半導体チップの歩留まりを向上させることができる。
【0082】
また、上記のように、演算部1001bは、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。従って、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせることができる。なお、後述するように、積層良品チップの数が最も多くなるように、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する場合であっても、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算するので、例えば上記特許文献1と比べて、演算負荷が大きくなることを抑制できる。
【0083】
以上のように、本実施形態では、演算負荷が大きくなるのを抑制しながら、積層半導体チップの歩留まりを向上させることができる。
【0084】
また、上記のように、演算部1001bは、基板数情報と、複数の第1チップ情報とに基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、基板数情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。従って、各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数、および、各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数が多くなることを抑制できる。よって、例えば、後述するように、積層良品チップの数が最も多くなるように、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する場合であっても、演算負荷が大きくなることを容易に抑制できる。
【0085】
また、上記のように、演算部1001bは、グループ数情報と、複数の第1チップ情報とに基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、グループ数情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。従って、第1基板グループGR1の数が少なくなりすぎたり、多くなりすぎたりすることを抑制できる。また、第2基板グループGR2の数が少なくなりすぎたり、多くなりすぎたりすることを抑制できる。
【0086】
次に、
図6を参照して、第1実施形態の接合ユニットJUについて説明する。
図6は、第1実施形態の接合ユニットJUの構造を概略的に示す斜視図である。
図6に示すように、接合ユニットJUは、第1部材10と、第1部材10に対向して配置される第2部材20と、基台2と、第1移動機構100と、第2移動機構200とを備える。
【0087】
基台2は、第1部材10、第2部材20、第1移動機構100および第2移動機構200等を支持する。基台2は、第1移動機構100および第2移動機構200等の重さおよび熱によって変形しにくい材料によって形成される。基台2は、例えば、石材によって形成される。これにより、基台2の真直度および平面度を高めることが可能である。なお、基台2の下方には、除振台(図示せず)が配置されている。これにより、床面からの振動が第1部材10、第2部材20、第1移動機構100および第2移動機構200等に伝達されることを抑制できる。除振台は、特に限定されるものではないが、例えば、アクティブ除振台であってもよい。アクティブ除振台は、例えば、振動を検出するセンサ、および、振動の伝達を抑えるアクチュエータを備える。
【0088】
第1部材10と第2部材20とは、互いに対向するように配置される。なお、第1部材10と第2部材20とは、常時、対向しなくてもよい。本実施形態では、第1部材10と第2部材20とは、後述するように第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせる際に、対向して配置される。
【0089】
第1部材10と第2部材20とは、所定距離をおいて離隔する。第1部材10と第2部材20とが離隔する方向は、特に限定されるものではないが、例えば、上下方向(Z方向)である。本実施形態では、第1部材10は、第2部材20の上方に配置される。
【0090】
第1部材10および第2部材20は、第1部材10と第2部材20とが対向する方向(Z方向)に対して交差する方向(X方向およびY方向)に、相対的に移動可能に構成されている。具体的には、第2部材20は、第1部材10に対して移動可能に構成されている。本実施形態では、第2部材20は、第2移動機構200によって第1部材10に対して移動される。なお、貼り合わせ装置1は、第1部材10を上記交差する方向(X方向およびY方向)に移動させる移動部(図示せず)をさらに備えてもよい。そして、第1部材10は、図示しない移動部によって第2部材20に対して上記交差する方向(X方向およびY方向)に移動可能であってもよい。
【0091】
貼り合わせ装置1は、第1基板W1と第2基板W2とを位置合わせする。貼り合わせ装置1は、第1基板W1および第2基板W2の離隔方向に対して交差する方向(ここでは、水平方向)に、第1基板W1と第2基板W2とを位置合わせする。
【0092】
本実施形態では、第1部材10は、第1基板W1を保持する。本実施形態では、第1部材10は、後述するように、第1基板W1を上下反転させたり、第1基板W1を上下に移動させたりする。
【0093】
第1部材10は、第1ステージ11と、第1ステージ11に固定される第1保持部12とを有する。第1ステージ11は、第1保持部12が取り付けられる一方面11aを有する。第1ステージ11は、例えば、直方体形状を有する。第1ステージ11は、例えば、線膨張係数の小さいセラミックまたは金属等によって形成される。
【0094】
第1保持部12は、第1基板W1を保持する。第1保持部12による保持方法は、特に限定されるものではないが、例えば、バキューム式である。つまり、第1保持部12は、第1基板W1の裏面(第2基板W2に貼り合わせる面とは反対側の面)を吸着する。なお、第1保持部12による保持方法は、第1基板W1の端部を挟持する挟持式であってもよい。ただし、第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせる際に、第1保持部12が第2部材20および/または第2基板W2に接触することを避けるために、第1保持部12による保持方法は、バキューム式であることが好ましい。第1保持部12は、例えば、円柱形状または円板形状を有する。第1保持部12は、例えば、線膨張係数の小さいセラミックまたは金属等によって形成される。
【0095】
本実施形態では、第2部材20は、第2基板W2を保持する。本実施形態では、第2部材20は、後述するように、第2基板W2を基台2の上面に沿って水平方向に移動させる。また、第2部材20は、後述するように、第2基板W2を周方向に回転させる。
【0096】
第2部材20は、第2ステージ21と、第2ステージ21に固定される第2保持部22とを有する。第2ステージ21は、第2保持部22を保持する。第2ステージ21は、例えば、直方体形状を有する。第2ステージ21は、例えば、線膨張係数の小さいセラミックまたは金属等によって形成される。
【0097】
第2保持部22は、第2基板W2を保持する。第2保持部22による保持方法は、特に限定されるものではないが、例えば、バキューム式である。つまり、第2保持部22は、第2基板W2の裏面(第1基板W1に貼り合わせる面とは反対側の面)を吸着する。なお、第2保持部22による保持方法は、第2基板W2の端部を挟持する挟持式であってもよい。ただし、第2基板W2と第2基板W2とを貼り合わせる際に、第2保持部22が第1部材10および/または第1基板W1に接触することを避けるために、第2保持部22による保持方法は、バキューム式であることが好ましい。第2保持部22は、例えば、円柱形状または円板形状を有する。第2保持部22は、例えば、線膨張係数の小さいセラミックまたは金属等によって形成される。
【0098】
また、第2保持部22は、周方向に回転可能に構成されている。具体的には、第2保持部22は、第2保持部22の中心回りに回転可能に構成されている。言い換えると、第2保持部22は、第2基板W2を周方向に回転させる。また、第2保持部22は、第2基板W2を水平面内で回転させる。
【0099】
第1移動機構100は、第1部材10を移動させる。本実施形態では、第1移動機構100は、第1部材10を上下反転させたり、第1部材10を上下に移動させたりする。これにより、第1基板W1が上下反転されたり、上下に移動されたりする。
【0100】
具体的には、第1移動機構100は、反転部110と、昇降部120と、第1ガントリー130とを有する。
図6では、第1ガントリー130を2点鎖線で描いている。
【0101】
反転部110は、第1部材10を上下反転させる。反転部110は、第1部材10に固定される回転軸部111と、回転軸部111を回転させる第1回転部(図示せず)とを有する。回転軸部111は、第1部材10を貫通する1つの軸部によって構成されていてもよいし、第1部材10を挟んで配置される一対の軸部によって構成されていてもよい。第1回転部は、例えば、ステッピングモータを有する。第1回転部が回転軸部111を180°回転させることによって、第1部材10が上下反転する。
【0102】
なお、本実施形態では、接合ユニットJUは、角度検出部(図示せず)を備える。角度検出部は、第2部材20に対する第1部材10の角度を検出する。角度検出部は、例えば、3つ以上の測距センサを含む。測距センサは、例えば、第1部材10の一方面11aに取り付けられており、第2部材20までの距離を測定する。測距センサの検出結果に基づいて回転軸部111を回転させることによって、第1部材10を第2部材20に対して平行に配置できる。これにより、第1基板W1を第2基板W2に対して平行に配置できる。角度検出部は、第2部材20に対する第1部材10の角度を検出できれば、測距センサ以外のセンサまたは装置を含んでもよい。
【0103】
昇降部120は、第1部材10を上下に移動させる。昇降部120は、一対の支持部材121と、一対の昇降機構122とを有する。支持部材121は、反転部110を支持する。支持部材121は、反転部110の回転軸部111を回転可能に支持する。
【0104】
昇降機構122は、複数の可動子122aと、複数のレール(図示せず)とを有する。可動子122aは、支持部材121に固定される。1つの支持部材121に対して2つの可動子122aが固定される。可動子122aは、レールに沿って移動する。可動子122aは、例えば、コイルを有する。また、可動子122aは、レール(図示せず)に沿って移動した距離を検出するエンコーダを有する。なお、全ての可動子122aがコイルおよびエンコーダを有していなくてもよく、1つ以上の可動子122aがコイルおよびエンコーダを有していてもよい。
【0105】
レール(図示せず)は、鉛直方向に延びるように、第1ガントリー130に固定されている。レールは、複数の磁石を有する。複数の磁石は、N極とS極とが鉛直方向に沿って交互に並ぶように配置されている。可動子122aのコイルに電流を通電することによって、可動子122aがレールに沿って移動する。可動子122aがレールに沿って上下に移動することによって、第1部材10が上下に移動する。
【0106】
第2移動機構200は、第2部材20を移動させる。本実施形態では、第2移動機構200は、第2部材20を基台2の上面に沿って水平方向に移動させる。また、本実施形態では、第2移動機構200は、第2部材20の第2保持部22を周方向に回転させる。言い換えると、第2移動機構200は、第2部材20の第2保持部22を水平面内で回転させる。
【0107】
具体的には、第2移動機構200は、平行移動部210と、第2回転部(図示せず)とを有する。平行移動部210は、第2部材20を基台2の上面に沿って平行移動させる。平行移動部210は、第2部材20をX方向に移動させる移動部211と、第2部材20をY方向に移動させる移動部212と、移動部211および移動部212の間に配置される支持台213とを有する。
【0108】
移動部211は、支持台213上に配置される。移動部211は、リニアモータ2111と、リニアガイド2112とを有する。本実施形態では、移動部211は、一対のリニアモータ2111と、一対のリニアガイド2112とを有する。
【0109】
一対のリニアモータ2111は、第2部材20の第2ステージ21のY方向外側に配置される。一対のリニアモータ2111は、Y方向に互いに所定距離を隔てて配置される。各リニアモータ2111は、X方向に延びるレールと、レールに沿って移動する可動子とを有する。可動子は、第2ステージ21に固定される。可動子がレールに沿って移動することによって、第2部材20がX方向に移動する。
【0110】
一対のリニアガイド2112は、第2部材20の第2ステージ21と支持台213との間に配置される。一対のリニアガイド2112は、Y方向に所定距離を隔てて配置される。一対のリニアガイド2112は、一対のリニアモータ2111に沿ってそれぞれ配置される。リニアガイド2112は、第2部材20を高精度に直線状に移動させる。
【0111】
移動部212は、基台2上に配置される。移動部212は、リニアモータ2121と、リニアガイド2122とを有する。本実施形態では、移動部212は、一対のリニアモータ2121と、一対のリニアガイド2122とを有する。
【0112】
一対のリニアモータ2121は、支持台213と基台2との間に配置される。一対のリニアモータ2121は、X方向に互いに所定距離を隔てて配置される。各リニアモータ2121は、Y方向に延びるレールと、レールに沿って移動する可動子とを有する。可動子は、支持台213に固定される。可動子がレールに沿って移動することによって、支持台213および第2部材20がY方向に移動する。
【0113】
一対のリニアガイド2122は、支持台213と基台2との間に配置される。一対のリニアガイド2122は、X方向に所定距離を隔てて配置される。一対のリニアガイド2122は、一対のリニアモータ2121に沿ってそれぞれ配置される。リニアガイド2122は、支持台213および第2部材20を高精度に直線状に移動させる。
【0114】
第2回転部(図示せず)は、第2部材20の第2保持部22の下部に取り付けられている。第2回転部(図示せず)は、第2保持部22を周方向に回転させる。つまり、第2回転部(図示せず)は、第2基板W2を水平面内で周方向に回転させる。第2回転部(図示せず)は、例えば、モータを含む。本実施形態では、第2回転部(図示せず)は、ダイレクトドライブモータを含む。これにより、第2基板W2の回転角度を高精度に制御できる。
【0115】
接合ユニットJUは、第1基板検出部310を備える。第1基板検出部310は、第1基板W1を検出する。具体的には、第1基板W1は、1つ以上のアライメントマークを有する。第1基板検出部310は、第1基板W1のアライメントマークを検出する。なお、第1基板検出部310は、第1ステージ11の一方面11aが下方を向いた状態で、第1基板W1のアライメントマークを検出する。
【0116】
第1基板検出部310は、第2ステージ21に固定されている。第1基板検出部310は、例えば、カメラを含む。第1基板検出部310は、撮像素子を含む。例えば、撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。第1基板検出部310は、撮像した撮像データを制御装置90に送信する。撮像データは、画像データを含む。本実施形態では、第1基板検出部310は、カメラ311を有する。
【0117】
接合ユニットJUは、第2基板検出部320を備える。第2基板検出部320は、第2基板W2を検出する。具体的には、第2基板W2は、1つ以上のアライメントマークを有する。第2基板検出部320は、第2基板W2のアライメントマークを検出する。
【0118】
接合ユニットJUは、第2ガントリー350を備え、第2基板検出部320は、第2ガントリー350に固定されている。なお、
図6では、第2ガントリー350の一部を2点鎖線で描いている。第2基板検出部320は、例えば、カメラを含む。第2基板検出部320は、撮像素子を含む。例えば、撮像素子は、CCDイメージセンサーまたはCMOSイメージセンサーである。第2基板検出部320は、撮像した撮像データを制御装置90に送信する。撮像データは、画像データを含む。本実施形態では、第2基板検出部320は、カメラ321を有する。
【0119】
接合ユニットJUでは、制御部91は、第1基板W1と第2基板W2とを位置合わせする際に、第1基板検出部310および第2基板検出部320の検出結果に基づいて、第1基板W1と第2基板W2とを位置合わせする。
【0120】
次に、
図7を参照して、引き続き、貼り合わせ装置1を説明する。
図7は、第1実施形態の貼り合わせ装置1のブロック図である。
【0121】
図7に示すように、制御装置90は、貼り合わせ装置1の各種動作を制御する。制御装置90は、センターロボットCR、活性化ユニットAU、洗浄ユニットCU、および、接合ユニットJUを制御する。具体的には、制御装置90は、センターロボットCR、活性化ユニットAU、洗浄ユニットCU、および、接合ユニットJUに制御信号を送信することによって、センターロボットCR、活性化ユニットAU、洗浄ユニットCU、および、接合ユニットJUを制御する。
【0122】
制御部91は、活性化ユニットAUを制御して、第1基板W1および第2基板W2に対するプラズマ処理を制御する。例えば、制御部91は、活性化ユニットAUの出力電圧および処理時間を制御する。
【0123】
制御部91は、洗浄ユニットCUを制御して、第1基板W1および第2基板W2に対する洗浄処理を制御する。例えば、制御部91は、洗浄ユニットCUのバルブ(図示せず)を開状態または閉状態にすることによって、第1基板W1および第2基板W2に対して洗浄液を供給したり、洗浄液の供給を停止したりする。
【0124】
制御部91は、接合ユニットJUを制御する。具体的には、制御部91は、第1移動機構100および第2移動機構200を制御する。
【0125】
制御部91は、例えば、第1移動機構100を制御して、第1部材10に保持された第1基板W1を上下反転する。制御部91は、例えば、第1移動機構100を制御して、反転された第1基板W1を下方に移動させ、第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせる。
【0126】
制御部91は、例えば、第1基板検出部310の検出結果に基づいて、第1基板W1の位置を検出する。また、制御部91は、例えば、第2基板検出部320の検出結果に基づいて、第2基板W2の位置を検出する。従って、制御部91は、例えば、第1基板検出部310および第2基板検出部320の検出結果に基づいて、第1基板W1と第2基板W2との相対的な位置関係を計算することができる。
【0127】
さらに具体的には、制御部91は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板を受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、第1ロードポートLP1のフープから未処理の第1基板W1を受け取って、活性化ユニットAUに第1基板W1を搬入する。また、センターロボットCRは、活性化処理された第1基板W1を活性化ユニットAUから受け取って、洗浄ユニットCUに搬送する。また、センターロボットCRは、洗浄処理された第1基板W1を洗浄ユニットCUから受け取って、接合ユニットJUに搬送する。同様に、センターロボットCRは、第2ロードポートLP2のフープから未処理の第2基板W2を受け取って、活性化ユニットAUに第2基板W2を搬入する。また、センターロボットCRは、活性化処理された第2基板W2を活性化ユニットAUから受け取って、洗浄ユニットCUに搬送する。また、センターロボットCRは、洗浄処理された第2基板W2を洗浄ユニットCUから受け取って、接合ユニットJUに搬送する。
【0128】
本実施形態では、第1基板W1は、第1ロードポートLP1から活性化ユニットAUおよび洗浄ユニットCUを経由して、第1ロードポートLP1に戻ることなく、接合ユニットJUに搬送される。同様に、第2基板W2は、第2ロードポートLP2から活性化ユニットAUおよび洗浄ユニットCUを経由して、第2ロードポートLP2に戻ることなく、接合ユニットJUに搬送される。このため、本実施形態では、制御部91は、演算装置1000により組み合わせられた第1基板W1と第2基板W2とを選択して、第1ロードポートLP1および第2ロードポートLP2から活性化ユニットAUに搬送する。
【0129】
なお、第1基板W1は、第1ロードポートLP1から活性化ユニットAUおよび洗浄ユニットCUを経由して、第1ロードポートLP1に一旦戻された後に、接合ユニットJUに搬送されてもよい。同様に、第2基板W2は、第2ロードポートLP2から活性化ユニットAUおよび洗浄ユニットCUを経由して、第2ロードポートLP2に一旦戻された後に、接合ユニットJUに搬送されてもよい。この場合、制御部91は、演算装置1000により組み合わせられた第1基板W1と第2基板W2とを選択して、第1ロードポートLP1および第2ロードポートLP2から接合ユニットJUに搬送する。
【0130】
次に、
図8を参照して、本実施形態の演算装置1000による、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ演算方法について説明する。
図8は、第1実施形態の演算装置1000による、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する演算処理を示すフローチャートである。本実施形態では、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する演算処理は、ステップS1~ステップS3を含む。ステップS1~ステップS3は、制御部1001によって実行される。なお、ステップS2は、本発明の「グループ分け工程」の一例である。また、ステップS3は、本発明の「組合せ工程」の一例である。
【0131】
図8に示すように、ステップS1において、制御部1001は、情報を取得する。具体的には、制御部1001の取得部1001aは、第1チップ情報、第2チップ情報、グループ数情報および基板数情報を、記憶部1003から取得する。
【0132】
次に、ステップS2において、制御部1001は、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分け、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。具体的には、制御部1001の演算部1001bは、第1チップ情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、第2チップ情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。
【0133】
このとき、本実施形態では、演算部1001bは、第1チップ情報、グループ数情報および基板数情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、第2チップ情報、グループ数情報および基板数情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。
【0134】
次に、ステップS3において、制御部1001は、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。具体的には、制御部1001の演算部1001bは、例えば、第1基板グループGR11の5枚の第1基板W1と、第2基板グループGR21の5枚の第2基板W2との組み合わせを計算する。また、演算部1001bは、残りの第1基板グループGR12、GR13、GR14およびGR15と、残りの第2基板グループGR22、GR23、GR24およびGR25とについても、同様にして、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。
【0135】
このとき、本実施形態では、演算部1001bは、不良品チップ(第1不良品チップC1b、第2不良品チップC2b)の少ない方から順に、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。これにより、
図5に示したように、第1基板W1と第2基板W2との組が25組形成される。
【0136】
以上のようにして、本実施形態の演算装置1000による第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ演算処理が終了する。なお、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを示す組み合わせ情報は、演算装置1000から貼り合わせ装置1に送信され、貼り合わせ装置1の制御装置90の記憶部93に記憶される。なお、組み合わせ情報は、各第1基板W1の識別番号および各第2基板W2の識別番号を含む。
【0137】
次に、
図9を参照して、本実施形態の貼り合わせ装置1による基板貼り合わせ方法について説明する。
図9は、第1実施形態の貼り合わせ装置1による、第1基板W1と第2基板W2との貼り合わせ方法を示すフローチャートである。本実施形態では、第1基板W1と第2基板W2とのを貼り合わせ方法は、ステップS101~ステップS104を含む。ステップS101~ステップS104は、制御部91によって実行される。なお、ステップS101は、本発明の「取得する工程」の一例である。また、ステップS104は、本発明の「貼り合わせ工程」の一例である。
【0138】
図9に示すように、ステップS101において、制御部91は、情報を取得する。具体的には、制御部91は、組み合わせ情報を取得する。
【0139】
次に、ステップS102において、制御部91は、活性化処理を実行する。このとき、本実施形態では、制御部91は、演算装置1000によって組み合わせられた第1基板W1および第2基板W2に対して、活性化処理を実行する。具体的には、制御部91は、センターロボットCRを制御して、第1ロードポートLP1から活性化ユニットAUに第1基板W1を搬入する。そして、制御部91は、活性化ユニットAUを制御して、第1基板W1に対してプラズマ処理を行う。同様に、制御部91は、センターロボットCRを制御して、第2ロードポートLP2から活性化ユニットAUに第2基板W2を搬入する。そして、制御部91は、活性化ユニットAUを制御して、第2基板W2に対してプラズマ処理を行う。
【0140】
次に、ステップS103において、制御部91は、洗浄処理を実行する。具体的には、制御部91は、センターロボットCRを制御して、活性化ユニットAUから洗浄ユニットCUに第1基板W1を搬入する。そして、制御部91は、洗浄ユニットCUを制御して、第1基板W1に対して洗浄処理を行う。同様に、制御部91は、センターロボットCRを制御して、活性化ユニットAUから洗浄ユニットCUに第2基板W2を搬入する。そして、制御部91は、洗浄ユニットCUを制御して、第2基板W2に対して洗浄処理を行う。
【0141】
次に、ステップS104において、制御部91は、接合処理を実行する。具体的には、制御部91は、センターロボットCRを制御して、洗浄ユニットCUから接合ユニットJUに第1基板W1を搬入する。同様に、制御部91は、センターロボットCRを制御して、洗浄ユニットCUから接合ユニットJUに第2基板W2を搬入する。そして、制御部91は、接合ユニットJUを制御して、第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせて接合する接合処理を行う。
【0142】
以上のようにして、本実施形態の貼り合わせ装置1による基板貼り合わせ処理が終了する。
【0143】
なお、本実施形態では、ステップS102において、第1基板W1および第2基板W2を並行して処理するように記載したが、第1基板W1の活性化処理と、第2基板W2の活性化処理とを順に行ってもよい。また、ステップS103において、第1基板W1および第2基板W2を並行して処理するように記載したが、第1基板W1の洗浄処理と、第2基板W2の洗浄処理とを順に行ってもよい。また、例えば、第1基板W1の活性化処理の後に、第1基板W1の洗浄処理と第2基板W2の活性化処理とを並行して行ってもよい。また、例えば、第1基板W1の活性化処理および洗浄処理が終了した後に、第2基板W2の活性化処理および洗浄処理を行ってもよい。
【0144】
(第2実施形態)
図10を参照して、本発明の第2実施形態による演算装置1000について説明する。
図10は、第2実施形態の演算装置1000による第1基板W1および第2基板W2の組み合わせの計算を説明するための図であり、各第1基板W1に含まれる第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2に含まれる第2不良品チップC2bの数を示す図である。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、第1基板グループGR1の数、および、第2基板グループGR2の数が予め決められていない例について説明する。
【0145】
図10に示すように、演算部1001bは、第1実施形態と同様、複数枚の第1基板W1の第1チップ情報に基づいて、複数枚の第1基板W1を複数の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、第1実施形態と同様、複数枚の第2基板W2の第2チップ情報に基づいて、複数枚の第2基板W2を複数の第2基板グループGR2に分ける。
【0146】
具体的には、演算部1001bは、第1実施形態と同様、複数枚の第1基板W1を第1不良品チップC1bの少ない順に並べる。また、演算部1001bは、第1実施形態と同様、複数枚の第2基板W2を第2不良品チップC2bの少ない順に並べる。
【0147】
ここで、本実施形態では、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1の数をA枚とし、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとする。この場合、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1のうちの、C枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にする。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2のうちの、C枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。
【0148】
具体的には、本実施形態では、第1所定数を例えば5個とする。この場合、第1不良品チップC1bの数が5個以下である第1基板W1の数は、12(=A)枚となる。また、第2不良品チップC2bの数が5個以下である第2基板W2の数は、10(=B)枚となる。これにより、AおよびBのうちの少ない方の数は、10(=C)となる。
【0149】
そして、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が5個以下である第1基板W1のうちの、10枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にする。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が5個以下である第2基板W2のうちの、10枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。このようにして、1つ目の第1基板グループGR11、および、1つ目の第2基板グループGR21が決められる。
【0150】
次に、本実施形態では、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1を、2つ目以降の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2を、2つ目以降の第2基板グループGR2に分ける。
【0151】
基板数情報は、2つ目以降の第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数、および、2つ目以降の第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数を示す。具体的には、本実施形態では、基板数情報は、2つ目以降の各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数を5枚とする情報、および、2つ目以降の各第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数を5枚とする情報を示す。従って、本実施形態では、第1基板グループGR12~GR14の各々には、5枚の第1基板W1が含まれる。また、第2基板グループGR22~GR24の各々には、5枚の第2基板W2が含まれる。なお、最後の第1基板グループGR1(ここでは、第1基板グループGR14)に含まれる第1基板W1の数は、基板数情報に定められた数(ここでは、5枚)より少なくてもよい。同様に、最後の第2基板グループGR2(ここでは、第2基板グループGR24)に含まれる第2基板W2の数は、基板数情報に定められた数(ここでは、5枚)より少なくてもよい。
【0152】
このようにして、2つ目以降の第1基板グループGR12~GR14、および、2つ目以降の第2基板グループGR22~GR24に分けられる。
【0153】
第2実施形態では、上記のように、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1のうちの、C枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にする。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2のうちの、C枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。従って、1つ目の第1基板グループGR11における各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を制限できる。また、1つ目の第2基板グループGR21における各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を制限できる。
【0154】
また、上記のように、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1を、2つ目以降の第1基板グループGR1に分ける。また、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2を、2つ目以降の第2基板グループGR2に分ける。従って、2つ目以降の第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数が多くなりすぎることを容易に抑制できる。また、2つ目以降の第2基板グループGR2に含まれる第2基板W2の数が多くなりすぎることを容易に抑制できる。
【0155】
第2実施形態のその他の構成、および、その他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0156】
第2実施形態では、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ演算方法のグループ分け工程(ステップS2)において、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1のうちの、C枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にし、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2のうちの、C枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。
【0157】
また、グループ分け工程(ステップS2)において、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1を、2つ目以降の第1基板グループGR11に分ける。また、演算部1001bは、基板数情報に基づいて、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2を、2つ目以降の第2基板グループGR21に分ける。
【0158】
第2実施形態のその他の演算方法および処理フローは、第1実施形態と同様である。
【0159】
(第3実施形態)
図11を参照して、本発明の第3実施形態による演算装置1000について説明する。
図11は、第3実施形態の演算装置1000による第1基板W1および第2基板W2の組み合わせの計算を説明するための図であり、各第1基板W1に含まれる第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2に含まれる第2不良品チップC2bの数を示す図である。第3実施形態では、第2実施形態とは異なり、2つ目以降の基板グループ(第1基板グループGR1、第2基板グループGR2)も、不良品チップ(第1不良品チップC1b、第2不良品チップC2b)の数によって決められる例について説明する。言い換えると、第3実施形態では、第2実施形態とは異なり、2つ目以降の基板グループ(第1基板グループGR1、第2基板グループGR2)も、基板数情報に基づくことなく計算される例について説明する。
【0160】
図11に示すように、第3実施形態では、第2実施形態と同様、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1の数をA枚とし、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2の数をB枚とし、AおよびBのうちの少ない方の数をCとする。この場合、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が第1所定数以下である第1基板W1のうちの、C枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にする。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が第1所定数以下である第2基板W2のうちの、C枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。
【0161】
具体的には、本実施形態では、第1所定数を例えば4個とする。この場合、第1不良品チップC1bの数が4個以下である第1基板W1の数は、10(=A)枚となる。また、第2不良品チップC2bの数が4個以下である第2基板W2の数は、9(=B)枚となる。これにより、AおよびBのうちの少ない方の数は、9(=C)となる。
【0162】
そして、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が4個以下である第1基板W1のうちの、9枚の第1基板W1を、1つ目の第1基板グループGR11にする。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が4個以下である第2基板W2のうちの、9枚の第2基板W2を、1つ目の第2基板グループGR21にする。このようにして、1つ目の第1基板グループGR11、および、1つ目の第2基板グループGR21が決められる。
【0163】
次に、本実施形態では、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が第1所定数よりも大きい第2所定数以下である第1基板W1の数をD枚とする。また、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が第2所定数以下である第2基板W2の数をE枚とする。また、DおよびEのうちの少ない方の数をFとする。この場合、演算部1001bは、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が第2所定数以下である第1基板W1のうちの、F枚の第1基板W1を、2つ目の第1基板グループGR12にする。また、演算部1001bは、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が第2所定数以下である第2基板W2のうちの、F枚の第2基板W2を、2つ目の第2基板グループGR22にする。
【0164】
具体的には、本実施形態では、第2所定数を例えば9個とする。この場合、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が9個以下である第1基板W1の数は、10(=D)枚となる。また、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が9個以下である第2基板W2の数は、12(=E)枚となる。これにより、DおよびEのうちの少ない方の数は、10(=F)となる。
【0165】
そして、演算部1001bは、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が9個以下である第1基板W1のうちの、10枚の第1基板W1を、2つ目の第1基板グループGR12にする。また、演算部1001bは、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が9個以下である第2基板W2のうちの、10枚の第2基板W2を、2つ目の第2基板グループGR22にする。このようにして、2つ目の第1基板グループGR12、および、2つ目の第2基板グループGR22が決められる。
【0166】
次に、本実施形態では、演算部1001bは、第1不良品チップC1bの数が第2所定数よりも大きい第1基板W1を、3つ目の第1基板グループGR13に分ける。また、演算部1001bは、第2不良品チップC2bの数が第2所定数よりも大きい第2基板W2を、3つ目の第2基板グループGR23に分ける。言い換えると、演算部1001bは、1つ目および2つ目の第1基板グループGR1(GR11、GR12)以外の第1基板W1を、3つ目の第1基板グループGR13にする。また、演算部1001bは、1つ目および2つ目の第2基板グループGR2(GR21、GR22)以外の第2基板W2を、3つ目の第2基板グループGR23にする。
【0167】
このようにして、第1基板グループGR11~GR13、および、第2基板グループGR21~GR23に分けられる。
【0168】
なお、本実施形態では、不良品チップ(第1不良品チップC1b、第2不良品チップC2b)の数が第2所定数よりも大きい基板を、3つ目のグループ(第1基板グループGR13、第2基板グループGR23)に分ける例について説明したが、本発明はこれに限らない。3つ目のグループ(第1基板グループGR13、第2基板グループGR23)以降も、2つ目のグループ(第1基板グループGR12、第2基板グループGR22)と同様にして分けてもよい。
【0169】
第3実施形態では、上記のように、演算部1001bは、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が第2所定数以下である第1基板W1のうちの、F枚の第1基板W1を、2つ目の第1基板グループGR12にする。また、演算部1001bは、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が第2所定数以下である第2基板W2のうちの、F枚の第2基板W2を、2つ目の第2基板グループGR22にする。従って、2つ目の第1基板グループGR12における各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数を制限できる。また、2つ目の第2基板グループGR22における各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数を制限できる。
【0170】
第3実施形態のその他の構成、および、その他の効果は、第2実施形態と同様である。
【0171】
第3実施形態では、グループ分け工程(ステップS2)において、演算部1001bは、1つ目の第1基板グループGR11以外の第1基板W1で、かつ、第1不良品チップC1bの数が第2所定数以下である第1基板W1のうちの、F枚の第1基板W1を、2つ目の第1基板グループGR12にする。また、演算部1001bは、1つ目の第2基板グループGR21以外の第2基板W2で、かつ、第2不良品チップC2bの数が第2所定数以下である第2基板W2のうちの、F枚の第2基板W2を、2つ目の第2基板グループGR22にする。
【0172】
第3実施形態のその他の演算方法および処理フローは、第2実施形態と同様である。
【0173】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による演算装置1000について説明する。第4実施形態では、第1実施形態~第3実施形態とは異なり、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、不良品チップの位置情報に基づいて、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する例について説明する。
【0174】
本実施形態では、第1チップ情報は、第1基板W1内における第1不良品チップC1bの位置を示す位置情報を含む。第2チップ情報は、第2基板W2内における第2不良品チップC2bの位置を示す位置情報を含む。なお、第1基板W1内における第1不良品チップC1bの位置を示すことは、第1基板W1内における第1良品チップC1aの位置を示すことと実質的に同じである。また、第2基板W2内における第2不良品チップC2bの位置を示すことは、第2基板W2内における第2良品チップC2aの位置を示すことと実質的に同じである。
【0175】
本実施形態では、演算部1001bは、複数の第1チップ情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、複数枚の第1基板W1と複数枚の第2基板W2との組み合わせを計算する。以下、第1実施形態のグループ分けの結果を用いて説明する。
【0176】
具体的には、演算部1001bは、第1チップ情報および第2チップ情報に基づいて、第1基板W1と第2基板W2とを貼り合わせたときの、積層半導体チップの良品の数(または、不良品の数)を計算する。
【0177】
例えば、第1実施形態の第1基板グループGR11の第1基板W1と第2基板グループGR21の第2基板W2との組み合わせを計算する場合、1枚の第1基板W1に対する5枚の第2基板W2の組み合わせの数は、5通り存在する。第1基板W1は5枚あるので、25通り(=5通り×5枚)について、演算部1001bは、積層半導体チップの良品の数を計算する。
【0178】
そして、演算部1001bは、5枚の第1基板W1と5枚の第2基板W2との全ての組み合わせについて、積層半導体チップの良品の数を計算する。このとき、5枚の第1基板W1と5枚の第2基板W2との組み合わせの数は、120(=5×4×3×2×1)通り存在する。よって、演算部1001bは、120通りについて、積層半導体チップの良品の数を計算する。
【0179】
演算部1001bは、積層半導体チップの良品の数が最も多くなるように、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。
【0180】
そして、演算部1001bは、対応する第1基板グループGR12~GR15および第2基板グループGR22~GR25同士についても同様にして、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。
【0181】
第4実施形態では、上記のように、演算部1001bは、複数の第1チップ情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、複数枚の第1基板W1と複数枚の第2基板W2との組み合わせを計算する。従って、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士において、積層半導体チップの歩留まりを容易に向上させることができる。
【0182】
また、演算部1001bは、複数の第1チップ情報と複数の第2チップ情報とに基づいて、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、積層半導体チップの良品(積層良品チップ)の数が最も多くなるように、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。従って、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士において、積層半導体チップの歩留まりを最大化できる。
【0183】
第4実施形態のその他の構成、および、その他の効果は、第1実施形態~第3実施形態と同様である。
【0184】
第4実施形態では、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ演算方法の組み合わせ工程(ステップS3)において、演算部1001bは、複数の第1チップ情報と、複数の第2チップ情報とに基づいて、複数枚の第1基板W1と複数枚の第2基板W2との組み合わせを計算する。
【0185】
また、組み合わせ工程(ステップS3)において、演算部1001bは、第1チップ情報と第2チップ情報とに基づいて、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2同士で、第1基板W1と第2基板W2とを重ね合わせた際に第1基板W1の第1良品チップC1aと第2基板W2の第2良品チップC2aとが重なる積層良品チップの数が最も多くなるように、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。
【0186】
第4実施形態のその他の演算方法および処理フローは、第1実施形態~第3実施形態と同様である。
【0187】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による演算装置1000について説明する。第5実施形態では、第4実施形態とは異なり、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2において、不良品チップの数が少ない場合、積層不良品チップの数に基づくことなく、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる例について説明する。
【0188】
本実施形態では、第4実施形態と同様、第1チップ情報は、第1基板W1内における第1不良品チップC1bの位置を示す位置情報を含む。第2チップ情報は、第2基板W2内における第2不良品チップC2bの位置を示す位置情報を含む。
【0189】
本実施形態では、第4実施形態とは異なり、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2内において、不良品チップの数が比較的少ない場合、積層不良品チップの数を計算することなく、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。言い換えると、例えば、第1基板グループGR11および第2基板グループGR2内において、各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数の全てが、所定値(ここでは、5個とする)以下である場合、積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。以下、第1実施形態のグループ分けの結果を用いて説明する。
【0190】
具体的には、例えば、
図5に示した例では、第1基板グループGR11の各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数の全てが、5個以下である。また、第2基板グループGR21の各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数の全てが、5個以下である。従って、演算部1001bは、積層良品チップの数を計算することなく、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。例えば、不良品チップ(第1不良品チップC1b、第2不良品チップC2b)の少ない方から順に、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせてもよい。また、例えば、フープ内における高さの近い基板同士を組み合わせてもよい。
【0191】
また、第1基板グループGR12の各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数の全てが、5個以下である。また、第2基板グループGR22の各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数の全てが、5個以下である。従って、演算部1001bは、第1基板グループGR12および第2基板グループGR22についても、第1基板グループGR11および第2基板グループGR21と同様、積層良品チップの数を計算することなく、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。
【0192】
その一方、第1基板グループGR13の各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数の少なくとも1つは、5個以下ではない。また、第2基板グループGR23の各第2基板W2の第2不良品チップC2bの少なくとも1つは、5個以下ではない。従って、演算部1001bは、第4実施形態と同様にして、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する。第1基板グループGR14、GR15、および、第2基板グループGR24、GR25についても同様である。
【0193】
第5実施形態では、上記のように、演算部1001bは、対応する第1基板グループGR11および第2基板グループGR2内において、各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数の全てが、所定値以下である場合、積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、第1基板W1と第2基板W2とを組み合わせる。従って、第1基板グループGR11の第1基板W1の数、および、第2基板グループGR21の第2基板W2の数が多い場合であっても、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせを計算する際の演算負荷を抑制できる。
【0194】
なお、対応する第1基板グループGR11および第2基板グループGR2内において、各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2の第2不良品チップC2bの数は、少ない。このため、第1不良品チップC1bと第2不良品チップC2bとが重なる可能性は低いので、積層良品チップを計算しなくても、歩留まりの低下を抑制できる。
【0195】
第5実施形態のその他の構成、および、その他の効果は、第4実施形態と同様である。
【0196】
第5実施形態では、第1基板W1と第2基板W2との組み合わせ演算方法の組み合わせ工程(ステップS3)において、演算部1001bは、対応する第1基板グループGR1および第2基板グループGR2において、各第1基板W1の第1不良品チップC1bの数、および、各第2基板W2の第2不良品チップC2bの全てが、所定値以下である場合、積層良品チップの数が最も多くなるか否かにかかわらずに、第1基板W1と第2基板W2を組み合わせる。
【0197】
第5実施形態のその他の演算方法および処理フローは、第4実施形態と同様である。
【0198】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0199】
例えば、上記実施形態では、演算装置1000を貼り合わせ装置1および検査装置3000とは別に設ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、貼り合わせ装置1が演算装置1000を備えてもよいし、検査装置3000が演算装置1000を備えてもよい。
【0200】
また、例えば第1実施形態において、各第1基板グループGR1に含まれる第1基板W1の数を全て同じ(第1実施形態では、5枚)にする例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、第1基板グループGR11~GR15のそれぞれに含まれる第1基板W1の数を異ならせてもよい。
【0201】
また、上記実施形態では、複数の第1基板W1および複数の第2基板W2をそれぞれ3つ~5つのグループに分ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、複数の第1基板W1および複数の第2基板W2をそれぞれ2つまたは6つ以上のグループに分けてもよい。また、例えば、複数の第1基板W1および複数の第2基板W2をそれぞれ25個のグループに分けてもよい。ただし、複数の第1基板グループGR1の少なくとも1つには複数の第1基板W1が含まれているとともに、複数の第2基板グループGR2の少なくとも1つには複数の第2基板W2が含まれていることが好ましい。
【0202】
また、上記実施形態では、25枚の第1基板W1と25枚の第2基板W2とを組み合わせる例について示したが、本発明はこれに限らない。第1基板W1および第2基板W2の数は、24枚以下であってもよいし、26枚以上であってもよい。
【0203】
また、上記実施形態では、2枚の基板を貼り合わせる例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、3枚以上の基板を貼り合わせる場合にも、本発明を適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、演算装置、基板貼り合わせシステム、演算方法、および、基板貼り合わせ方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0205】
1 :貼り合わせ装置
1000 :演算装置
1001a :取得部
1001b :演算部
2000 :基板貼り合わせシステム
C1 :第1半導体チップ
C1a :第1良品チップ
C1b :第1不良品チップ
C2 :第2半導体チップ
C2a :第2良品チップ
C2b :第2不良品チップ
GR1、GR11、GR12、GR13、GR14、GR15 :第1基板グループ
GR2、GR21、GR22、GR23、GR24、GR25 :第2基板グループ
S101 :ステップ(取得する工程)
S104 :ステップ(貼り合わせ工程)
S2 :ステップ(グループ分け工程)
S3 :ステップ(組合せ工程)
W1 :第1基板
W2 :第2基板