(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136761
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】撮像装置用アタッチメント及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20240927BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240927BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
A61B5/00 M
G03B15/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047995
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】松尾 勝幸
【テーマコード(参考)】
2H105
4C117
【Fターム(参考)】
2H105CC03
2H105EE36
4C117XD05
4C117XE43
(57)【要約】
【課題】光の照射状況をより適切に把握することができる撮像装置用アタッチメントを提供する。
【解決手段】撮像装置用アタッチメント70は、撮像対象からの光を撮像部に導く対物カバー132と、対物カバー132の周囲に設けられ撮像対象を照明するための光を放つ光出射部121aとを有する撮像装置本体100に対して着脱自在であり、撮像装置本体100に取り付けられて対物カバー132と光出射部121aとを覆う。撮像装置用アタッチメント70が撮像装置本体100に取り付けられている場合に、光出射部121aから光が出射されていることを撮像装置用アタッチメント70の外側から認識できるように、光出射部121aから出射された光を通す光通過部73が、撮像装置用アタッチメント70に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象からの光を撮像部に導く対物カバーと、前記対物カバーの周囲に設けられ前記撮像対象を照明するための光を放つ光出射部とを有する撮像装置本体に対して着脱自在であり、
前記撮像装置本体に取り付けられて前記対物カバーと前記光出射部とを覆い、
撮像装置用アタッチメントが前記撮像装置本体に取り付けられている場合に、前記光出射部から光が出射されていることを前記撮像装置用アタッチメントの外側から認識できるように、前記光出射部から出射された光を通す光通過部が設けられている、
撮像装置用アタッチメント。
【請求項2】
前記光通過部は、前記撮像装置用アタッチメントが前記撮像装置本体に取り付けられた状態において前記光通過部に入射する外光が前記対物カバーに入射しないように、前記対物カバーよりも前記撮像部側に位置する、
請求項1に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項3】
前記光通過部に入射する外光が、前記対物カバーを有し且つ前記撮像装置本体に取り付けられている筐体により遮断されることで、前記対物カバーに入射しないように前記筐体が設けられている、
請求項2に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項4】
前記撮像装置用アタッチメントが前記撮像装置本体に取り付けられた状態において、前記撮像装置用アタッチメントと前記筐体の間の空間が、前記光通過部から前記対物カバーに向かう途中で狭くなるように設けられている、
請求項3に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項5】
前記光出射部は、前記対物カバーの周囲の位置に対応するようにリング状に配置されており、
前記光通過部は、前記撮像装置用アタッチメントの周囲にリング状に形成されている、
請求項1に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項6】
前記光通過部には、前記光出射部からの光を通す貫通孔が形成されている、
請求項5に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項7】
リング状に配された前記貫通孔は、そのリングの中心に対して等角度の間隔で配置されている、
請求項6に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項8】
リング状に配された前記貫通孔は、そのリングの中心を向いた方向に長手方向を有する長孔である、
請求項6に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項9】
前記貫通孔の位置は、前記光出射部の位置とずれている、
請求項6に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項10】
前記光通過部には、前記光出射部からの光を通すスリットが形成されている、
請求項5に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項11】
前記スリットは、第1スリット形成部と、前記第1スリット形成部よりも前記撮像部側に位置する第2スリット形成部との間に形成されている、
請求項10に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項12】
前記撮像装置用アタッチメントは、当該撮像装置用アタッチメントを取り付けない状態で撮像をする第1撮影時とは異なる撮影をする第2撮影時に、前記撮像装置本体に取り付けられ
前記第2撮影時に、前記撮像装置本体に取り付けられて前記対物カバーと前記光出射部とを覆う
請求項1から11の何れか1項に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項13】
前記第2撮影時とは、ダーモスコピー撮影時であり、
前記撮像装置用アタッチメントは、前記第2撮影時に撮影をする際に皮膚検査用の前記撮像装置本体に取り付けられる、
請求項12に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項14】
前記第2撮像時とは、顕微鏡によって拡大された像を撮影する時であり、
前記撮像装置用アタッチメントは、前記第2撮影時に前記撮像装置本体を前記顕微鏡に接続するために前記撮像装置本体に取り付けられる、
請求項12に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項15】
前記撮像装置用アタッチメントは、前記撮像装置本体の不使用時に、当該撮像装置本体に取り付けられる撮像装置用保護キャップである。
請求項1から11の何れか1項に記載の撮像装置用アタッチメント。
【請求項16】
撮像対象を撮像する撮像部と、前記撮像対象からの光を前記撮像部に導く対物カバーと、前記対物カバーの周囲に設けられ前記撮像対象を照明するための光を放つ光出射部と、を有する撮像装置本体と、
前記撮像装置本体に取り付けられて前記対物カバーと前記光出射部とを覆う撮像装置用アタッチメントと、を備え、
前記撮像装置用アタッチメントが前記撮像装置本体に取り付けられている場合に、前記光出射部から光が出射されていることを前記撮像装置用アタッチメントの外側から認識できるように、前記光出射部から出射された光を通す光通過部が、前記撮像装置用アタッチメントに設けられている、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置用アタッチメント及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照射用のLEDを筐体内部に含んだカメラで皮膚等の撮影をする技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2018-135337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像状況に応じてアタッチメント等を着脱する場合に、アタッチメント等に覆われた光源が誤操作によって発光した状態のままになっていることに気付かれずに放置されるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、光の照射状況をより適切に把握することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置用アタッチメントは、撮像対象からの光を撮像部に導く対物カバーと、前記対物カバーの周囲に設けられ前記撮像対象を照明するための光を放つ光出射部とを有する撮像装置本体に対して着脱自在であり、前記撮像装置本体に取り付けられて前記対物カバーと前記光出射部とを覆い、撮像装置用アタッチメントが前記撮像装置本体に取り付けられている場合に、前記光出射部から光が出射されていることを前記撮像装置用アタッチメントの外側から認識できるように、前記光出射部から出射された光を通す光通過部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光の照射状況をより適切に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置用アタッチメントを有する撮像装置の分解斜視図。
【
図2】
図1中の矢印IIからみた撮像装置の撮像装置用アタッチメントに着目した正面図。
【
図3】
図2における断面線III‐IIIからみた撮像装置の断面図。
【
図4】本発明の実施の形態2に係る撮像装置用アタッチメントを有する撮像装置の斜視図。
【
図5】
図4中の矢印Vからみた撮像装置の撮像装置用アタッチメントに着目した正面図。
【
図6】
図5における断面線VI-VIからみた撮像装置の断面図。
【
図7】本発明の実施の形態3に係る撮像装置用保護キャップを有する撮像装置の斜視図。
【
図8】本発明の実施の形態4に係る撮像装置用アタッチメントを有する撮像装置の斜視図。
【
図9】本発明の他の実施の形態に係る撮像装置用アタッチメントの正面図であり、(a)は実施の形態5に係る撮像装置用アタッチメントの正面図、(b)は実施の形態6に係る撮像装置用アタッチメントの正面図、(c)は実施の形態7に係る撮像装置用アタッチメントの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る撮像装置用アタッチメント及び撮像装置について、図面を参照しながら説明する。なお、撮像装置は、例えばダーモスコピーカメラ1である。本願明細書では、「マイクロスコープ(Microscope):顕微鏡」及び「マイクロスコピー(Microscopy):顕微鏡による検査又は顕微鏡使用(法)」の使い分けに準じ、「ダーモスコープ(Dermoscope)」及び「ダーモスコピー(Dermoscopy)」の用語を、皮膚検査用の拡大鏡(装置)及び同拡大鏡を用いた皮膚検査又は同拡大鏡使用(行為)という意味で用いている。
【0010】
以下の説明において、
図1に示すように、撮像対象(被写体)側をダーモスコピーカメラ1の前方(前面、正面)、その反対側を後方とし、ダーモスコピーカメラ1を前方から見たときの上下左右方向をそのまま上下左右方向とした直交座標系を適宜参照しながら説明する。また、各部材に関する取り付けは、特に言及がない限り、ネジ、ビス等を用いた取り付けや、嵌合等の取り付け等、適宜の方法で行われる。
【0011】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る撮像装置の一例であるダーモスコピーカメラ1は、皮膚の状態を診察するための画像を撮像する撮像装置である。ダーモスコピーカメラ1は、撮像装置本体としてのカメラ本体100とアタッチメント70とを有しており、
図1に示すように、撮像装置用のアタッチメント70をカメラ本体100に取り付けた状態と、アタッチメント70がカメラ本体100から取り外された状態とで撮像対象を撮像することができる。アタッチメント70は、後述するように、指の間や耳の窪みなど、狭隘な箇所を撮像する際に用いられる。
【0012】
カメラ本体100は、コントローラ10と、コントローラ10の前方に設けられた撮像部20(
図3)と、撮像部20の前方に設けられた照明装置30と、を有している。
【0013】
コントローラ10は、各種の操作情報や撮像した画像を表示するとともにユーザの操作を受け付けるタッチパネル式の図示しない液晶モニタと、シャッタボタン11及び電源ボタン12等の操作ボタンとを有している。また、コントローラ10には、ダーモスコピーカメラ1の各部を制御する図示しない制御部が設けられている。
【0014】
撮像部20は、
図3に示すように、光軸OA上に設けられたレンズ群を有する撮像レンズ系21を有している。また、撮像レンズ系21の後方には、赤外カットフィルタ、紫外透過フィルタ及び偏光フィルタを有するフィルタユニット22と、撮像素子23が設けられている
【0015】
撮像レンズ系21は、光軸OA上に第1撮像レンズ21a及び第2撮像レンズ21bを有するレンズ群と、レンズ群を収容した鏡筒21cとを含む。第1撮像レンズ21aは前後方向に移動可能であり、これにより焦点距離が変化し、拡大倍率を変更することができる。
【0016】
撮像素子23は、公知の撮像素子であって、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどである。
【0017】
照明装置30は、
図1に示すように、コントローラ10に取り付けられるカバー体60と、カバー体60の前端に取り付けられる照明装置本体105とを有している。アタッチメント70は、カバー体60に取り付けられ照明装置本体105の前方を覆う。上述したように、アタッチメント70は、着脱自在な構成であり、指の間や耳の窪みなどの狭隘な箇所を撮像する際にはカバー体60に取り付けられる一方、撮像箇所が顔や腕等である場合には、取り外される。
【0018】
図3に示すように、カバー体60は円筒状に形成されており、その内部には撮像部20が収容されている。カバー体60の外周面には、
図1に示すように、4つの突起部61が等間隔で配置されている。この突起部61は、アタッチメント70を取り付ける際にアタッチメント70と係合し、アタッチメント70を取り外す際にはアタッチメント70との係合状態が解除される。
【0019】
照明装置本体105は、
図3に示すように、光源としてLED(Light Emitting Diode)が搭載された複数のLED基板が設けられたベース部110と、ベース部110の周囲を覆う円環状の第1カバー部120と、第1カバー部120にねじ止めされた第2カバー部130とを有している。
【0020】
ベース部110は、光軸OAに平行な方向から見ると円形状である。ベース部110は、
図3に示すように、円筒部181と、円筒部181の前端に形成され主面が前方に向けられた円環状部182と、円環状部182の内縁に接続し中央が後方に向けて窪んだ凹部183とを有している。
【0021】
円筒部181の外径はカバー体60の内径と概ね同じであり、円筒部181の外周面はカバー体60の内周面に嵌合している。これにより、ベース部本体180は、カバー体60に取り付けられている。
【0022】
円環状部182は、第1LED基板111が取り付けられる基板取付面182aを有している。基板取付面182aは、前方を向いた平面である。
【0023】
第1LED基板111は、基板取付面182aに図示しないねじで取り付けられた円環状の基板であり、
図2に示すように周方向に配置された16個のLED140を有している。各LED140は、例えば白色の光を出射するLEDである。各LED140の中心は、前方から見て光軸OAに中心を一致させた円C上に配置されている。このようにして配置されたLED140は、照明装置本体105の周縁から光を前方に向けて出射するリングフラッシュとして機能する。LED140は、ダーモスコピーカメラ1(
図1)を一般的なカメラとして皮膚疾患部を撮影(通常撮影)する際に、光を発光して皮膚疾患部を照射する。
【0024】
凹部183には、ダーモスコピー撮影をするときに光を出射するLED141,142,143が設けられた第2LED基板112及び第3LED基板114と、同じくダーモスコピー撮影をするときに光を出射するLED144が設けられた第4LED基板116とが設けられている。また、凹部183の中央には、撮像部20の鏡筒21cが挿通される鏡筒挿通孔183aが形成されている。LED141及びLED142は可視光を出射し、LED143は紫外光を出射する。なお、LED142は、図示しない偏光板117によって覆われている。
【0025】
LED141,142,143は、アタッチメント70を取り外した状態でダーモスコピー撮影(第1ダーモスコピー撮影)をする際に、光を皮膚疾患部に照射する。また、LED141を除いたLED142,143は、アタッチメント70を取り付けた状態でダーモスコピー撮影(第2ダーモスコピー撮影)をする際にも、光を皮膚疾患部に照射する。また、LED144は、第2ダーモスコピー撮影をするときのみに光を出射する。このように、照明装置30には、通常撮影をするときに光を出射するLED140と、第1ダーモスコピー撮影をするときのみに光を出射するLED141と、第2ダーモスコピー撮影をするときのみに光を出射するLED144と、第1及び第2ダーモスコピー撮影をするときに光を出射するLED142,143とが設けられている。
【0026】
図3に示すように、ベース部110の前端部の周囲を覆う第1カバー部120は、第1カバー部本体121と、第1カバー部本体121の前面に設けられた透光板122を有している。第1カバー部本体121は、例えば黒色の合成樹脂製で、光軸OAが延びる方向からみると円環状をなしている。第1カバー部本体121には、LED140に対応する位置に光出射孔121aが形成されている。すなわち、第1カバー部120には16個の光出射孔121aが、第1LED基板111に設けられた16個のLED140に対応して形成されている。透光板122は、例えば透明な合成樹脂製で、光出射孔121aを通して出射されたLED140からの光を透光するとともに、光出射孔121aを覆うことでダーモスコピーカメラ1の内部に粉塵が進入するのを防止する。LED140及び光出射孔121aは、
図1及び
図2に示すように、光軸上の撮像対象からみて第1対物カバー132の周囲にリング状に配置されており、光出射部として照明装置30をリングフラッシュとして機能させる。
【0027】
第2カバー部130は、
図1及び
図3に示すように、円錐台形の筒状に形成された筒体131と、筒体131の頂部(前端部)の開口131aに嵌められた第1対物カバー132とを有している。筐体としての筒体131は光を反射する材料から形成されており、外光が筒体131を通してカメラ本体100の内部に入射するのを防止する。
【0028】
図3に示す第1対物カバー132は、光を透過可能な部材、例えばガラスで構成され、円板状に形成されている。第1対物カバー132は、その主面が光軸OAに直交するように配置されていて、第1対物カバー132の主面の面積は所定の第1面積に設定されている。皮膚疾患部をダーモスコピー撮影する場合、皮膚疾患部に第1対物カバー132を押し当て、LED141,142,143,144からの光を透過させて、皮膚疾患部に光を照射する。そして、皮膚疾患部で反射した光をダーモスコピーカメラ1内に入射させ、撮像部20に導く。
【0029】
アタッチメント70は、
図1及び
図3に示すように、前方に向けて先細である円錐台状の筒体71と、筒体71の頂部(前端部)に形成された開口71aに嵌められた第2対物カバー72を有している。筒体71は、例えば、ポリ塩化ビニル誘導体、アクリル系樹脂等の樹脂から構成されており、その内周面は、光の反射を抑制するためのシボ加工または反射防止塗装が施されている。また、筒体71の底部(後端部)には、
図3に示すように、鉤状部71bが形成されている。この鉤状部71bを、カバー体60に形成された突起部61に係合させることにより、アタッチメント70をカメラ本体100に取り付けることができる。一方、アタッチメント70をカメラ本体100から取り外す場合には、鉤状部71bを押し拡げて突起部61との係合状態を解除する。アタッチメント70は、通常撮影をする際及び第1ダーモスコピー撮影をする際(これらを第1撮影時という)に取り外される。一方、アタッチメント70は、第2ダーモスコピー撮影をする際(これを第2撮影時という)にカメラ本体100に取り付けられる。アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられることにより、照明装置30の前面は覆われる。すなわち、アタッチメント70によって、第1対物カバー132と、光出射部としてのLED140及び光出射孔121aの前方が覆われる。
【0030】
第2対物カバー72は、光を透過可能な部材、例えば円板のガラス体で構成され、第2ダーモスコピー撮影時には、撮像対象である皮膚疾患部に接触する。第2対物カバー72は、その主面が光軸OAに直交するように配置されていて、第2対物カバー72の主面の面積は、第1対物カバー132の第1面積よりも小さい所定の第2面積に設定されている。そのため、第2対物カバー72は、先細の筒体71によって狭隘な箇所の皮膚疾患部に接触することができる。第2対物カバー72には、第2ダーモスコピー撮影の際に、LED142,143から出射された光、及びLED144から出射された光を透過させて、皮膚疾患部に光を照射する。そして、皮膚疾患部で反射した光を第2対物カバー72を介して入射させて、さらに第1対物カバー132を通して撮像部20に導く。
【0031】
また、筒体71には、
図1及び
図2に示すように、光軸OA上の撮像対象からみて、光軸OAに中心を一致させた仮想的な円上に複数の光通過孔73が形成されている。光通過孔73は、アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられた状態で、通常撮影用のLED140から誤って発せられた光を通すための前後方向に貫通した貫通孔である。筒体71の光通過孔73が形成された部分は、LED140から出射された光を、アタッチメント70の外側へ通す光通過部として機能する。光通過孔73は、筒体71の後方側(基部側)に位置している。筒体71を前方からみた場合、光通過孔73は、
図2に示すように、光軸OAを中心に等角度での間隔で、合計24箇所に形成されている。それぞれの光通過孔73は、前方からみると円形状のアタッチメント70の径方向に長手方向を有する長孔状である。この光通過孔73には、LED140が配置された仮想的な円Cが交差する。
【0032】
アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられた際、光通過孔73は、
図3に示すように、LED140よりも前方に位置し、かつ、第1対物カバー132よりも後方(撮像部20側)に位置している。なお、前方に向けて先細の形状の筒体71に形成されている光通過孔73は、
図3に示すように、それぞれが前後方向に範囲Rにわたって形成されている。この範囲Rの全ての範囲が、第1対物カバー132よりも後方(撮像部20側)に位置している。
【0033】
また、光通過孔73は、
図2に示すように、光軸OA上の撮像対象側からみると光軸OAを中心に等角度の間隔で配置されている。一方、LED140は、光軸OAに対して等角度の間隔で配置されていない。そのためダーモスコピーカメラ1を光軸OA上の撮像対象側からみると、重なり合った光通過孔73とLED140とがある一方で、互いに重ならずに、隣接するLED140の間に配置されている光通過孔73もある。
【0034】
また、アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられた際、
図3に示すように、光通過孔73から第1対物カバー132にかけてのアタッチメント70と筒体131(筐体)との間の空間S1が、途中で狭くなっている。
【0035】
次に、ダーモスコピーカメラ1の動作について説明する。ダーモスコピーカメラ1は、ユーザにより電源ボタン12(
図1)が操作されると起動し、まず撮像モードの入力を受け付ける。撮影モードとは、上述した通常撮影をするモード、第1ダーモスコピー撮影をするモード、及び第2ダーモスコピー撮影をするモードの3つである。ダーモスコピーカメラ1は、図示しないタッチパネル式の液晶モニタに3つの撮影モードを表示する。
【0036】
通常撮影をするモードが入力された場合(第1撮影時)、ダーモスコピーカメラ1は、通常撮影用のLED140(
図3)を発光させる。これにより、皮膚疾患部が明るく照射される。続いて、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が半押しされると、撮像レンズ系41はレンズ群を移動させて、撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする。続いて、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が押し込まれることで、皮膚疾患部を通常撮影し、通常撮影した画像を保存する。
【0037】
一方、第1ダーモスコピー撮影モードが入力された場合(第1撮影時)、可視光を出射する8つのLED141(
図3)を発光させる。これにより、第1対物カバー132に接触した皮膚疾患部が可視光により明るく照射される。続いて、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が半押しされると、撮像レンズ系41はレンズ群を移動させて、撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする。続いて、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が押し込まれることで、皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する。続いて、図示しない偏光板により覆われた8つのLED142(
図3)を発光させて、皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影する。続いて、紫外光を出射する4つのLED143を発光させて、皮膚疾患部を第1ダーモスコピー撮影する。
【0038】
一方、アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられて第2ダーモスコピー撮影モードが入力された場合(第2撮影時)、可視光を出射する4つのLED144(
図3)を発光させる。この4つのLED144は、第2ダーモスコピー撮影用に光軸OAに近づけて配置した光源である。これにより、第2対物カバー72に接触した皮膚疾患部が可視光により明るく照射される。次に、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が半押しされると、撮像対象である皮膚疾患部にオートフォーカスする。続いて、ユーザにより
図1に示すシャッタボタン11が押し込まれることで、皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影し、撮影した画像を保存する。続いて、図示しない偏光板により覆われた8つのLED142(
図3)を発光させて、皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影する。続いて、紫外光を出射する4つのLED143を発光させて、皮膚疾患部を第2ダーモスコピー撮影する。
【0039】
本実施の形態1のアタッチメント70は、LED140の光を通過させる光通過孔73を有する部分を有している。上述したように、LED140は、通常撮影時に発光させるものであり、カメラ本体100にアタッチメント70が取り付けられた状態では発光させることはない。しかしながら、アタッチメント70が取り付けられた状態で、ユーザが誤った操作をしてLED140を発光させたとしても、光通過孔73からアタッチメント70の外側に出射された光を認識させることによってLED140が発光していることに気付かせることができる。これにより、LED140が点灯した状態のままで放置されてしまうことを避けることができ、バッテリーの無駄な消費を防止でき、さらにダーモスコピーカメラ1内に熱がこもってしまうのを防止することができる。
【0040】
また、ダーモスコピーカメラ1を光軸OA上の撮像対象側からみた場合に、光通過孔73の一部は、LED140と重なっており、LED140からの一部の出射光は、光通過孔73から直接的に外部へと出射される。これにより、光通過孔73から出射された光をユーザに認識させやすくすることができる。
【0041】
また、アタッチメント70が照明装置本体105に取り付けられた際、光通過孔73は、
図3に示すように、第1対物カバー132よりも後方(撮像部20側)に位置している。このような配置とすることで、第2ダーモスコピー撮影時に、光通過孔73から入射した光が、第1対物カバー132を通ってダーモスコピーカメラ1の内部に直接入射するのを防ぐことができる。また、筒体71の内周面には、光の反射を抑制するための加工等が施されているため、光通過孔73から入射して間接的にダーモスコピーカメラ1に入射する光も抑制することができる。
【0042】
また、筐体としての筒体131は光を反射する材料から形成されている。これにより、光通過孔73から入射した光が、筒体131を通してカメラ本体100の内部に入射するのを防止することができる。
【0043】
また、光通過孔73から第1対物カバー132にかけてのアタッチメント70と筒体131(筐体)との間の空間S1が、途中で狭くなっている。これにより、光通過孔73から入射して筒体131で反射した光が、第1対物カバー132に届きにくくなる。これにより、光通過孔73から入射して間接的にダーモスコピーカメラ1に入射する光を抑制することができる。
【0044】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、
図4~
図6を参照しながら説明する。本実施の形態に係るダーモスコピーカメラ200を上記実施の形態1のダーモスコピーカメラ1と比較すると、着脱可能なアタッチメント270の構成のみが異なっている。アタッチメント270は、皮膚疾患部の膨らんだ箇所をダーモスコピー撮影する際(第2撮影時)に、カメラ本体100に取り付けられる。アタッチメント270は、撮影時に皮膚疾患部の膨らんだ部分を押さえつけることがないように、
図6に示すように、第1対物カバー132の前方に皮膚疾患部を収容する空間Sを形成する。
【0045】
アタッチメント270は、
図4に示すように、略円錐台状の筒状体をなし、その頂部には皮膚疾患部の膨らんだ部分が挿入される円形状の開口271aが形成されている。開口271aの径は、
図6に示すように、第1対物カバー132の径と同程度である。アタッチメント270の底部(後端部)には、
図6に示すように、鉤状部271bが形成されている。なお、
図6の拡大図に示すように、光軸OA上の撮像対象側からみて円形状のアタッチメント270の半径方向rを規定して、以下の説明で適宜用いる。
【0046】
アタッチメント270には、
図4及び
図5に示すように、光軸OA上の撮像対象側からみて円弧状に延びる6本のスリット273が形成されている。6本のスリット273は、光軸OAを中心とした同一の円上に形成されている。スリット273は、アタッチメント270がカメラ本体100に取り付けられた状態で、通常撮影用のLED140から誤って発せられた光を通す。スリット273は、
図4に示すように、アタッチメント270の後方側(基部側)に形成されている。
図5に示すように、6本のスリット273は、光軸OAを中心に等角度での間隔で配置されており、それぞれの円弧の中心角θは同じである。また、6本のスリット273は、アタッチメント270を光軸OA上の撮像対象側からみた場合に、円周上に配置されたLED140と重なる。
【0047】
スリット273は、
図6の拡大図で示すように、第1スリット形成部274と第2スリット形成部275との間に形成されている。第1スリット形成部274の端部であるスリット画定部274aは、円弧状に形成され、半径方向rにおいてスリット273を外側から画定する。第2スリット形成部275の端部であるスリット画定部275aは、円弧状に形成され、半径方向rにおいてスリット273を内側から画定する。スリット画定部274aとスリット画定部275aは、
図5に示すように光軸OA上の撮像対象側からみると互いに重なり合っている。一方、第1スリット形成部274は、第2スリット形成部275よりも前方にある。スリット273は、前後方向に離れた第1スリット形成部274と第2スリット形成部275により形成されており、前後方向にあけられた隙間から形成されている。アタッチメント70がカメラ本体100に取り付けられた際、スリット273は、
図6に示すように、LED140よりも前方に位置し、かつ、第1対物カバー132よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。アタッチメント270のスリット273が形成された部分は、LED140から出射された光を、アタッチメント70の外側へ通す光通過部として機能する。
【0048】
本実施の形態によれば、カメラ本体100の前方を覆うアタッチメント270に、LED140から誤って発せられた光を外側に通過させるスリット273が形成されている。これにより上述した実施形態と同様に、アタッチメント270が取り付けられた状態で、ユーザが誤った操作をしてLED140を発光させたとしても、スリット273からアタッチメント270の外側に出射された光を認識させることができる。
【0049】
また、アタッチメント270がカメラ本体100に取り付けられた際、スリット273は、第1対物カバー132よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。これにより、スリット273から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができ、ダーモスコピー撮影時に生じる外光の影響を低減することができる。
【0050】
また、ダーモスコピーカメラ1を光軸OA上の撮像対象側からみた場合に、スリット画定部274aとスリット画定部275aが一致して隙間が見えないため、LED140の光が直接的にユーザの目に届くことを防ぐことができる。一方、ユーザは、前後方向にあけられたスリット273から漏れたLED140の光を認識することができ、ユーザにまぶしさを感させにくくすることができる。そのため、カメラの使用環境が比較的薄暗い場合を想定している場合には、光通過部にスリット273を採用するのが好ましい。一方、カメラの使用環境が比較的明るい場所を想定している場合には、光通過部に光通過孔73(
図2)を採用するのが好ましい。
【0051】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、
図7を参照しながら説明する。本実施の形態のダーモスコピーカメラ300のアタッチメント370は、ダーモスコピーカメラ300に取り付けられた状態で、前端が図示しない顕微鏡の接眼レンズ部に取り付けられる。そして、ダーモスコピーカメラ300は、アタッチメント370を介して顕微鏡の接眼レンズ部に固定される。アタッチメント370は、通常撮影時やダーモスコピー撮影時(第1撮影時)にはダーモスコピーカメラ300に取り付けられず、顕微鏡で観察する画像を撮影したり、顕微鏡で見る映像を外部モニタへ映し出したりするとき(第2撮影時)にカメラ本体100に取り付けられる。
【0052】
アタッチメント370は、
図7に示すように、筒状の略円錐台状部371と、略円錐台状部371の前端に取り付けられた円筒状部372とを有している。円筒状部372の先端には円形状の開口372aが形成されている。円筒状部372は、図示しない顕微鏡の接眼レンズに接続され、顕微鏡によって拡大された像は、開口372aを通してカメラ本体100で撮像される。なお、アタッチメント370が取り付けられて図示しない顕微鏡に接続されている間、ダーモスコピーカメラ300に設けられた各LEDはオフにされる。
【0053】
また、
図4に示すアタッチメント270に形成されたスリット273と同様のスリット373が、同様の配置態様でアタッチメント370に形成されている。したがってスリット373は、通常撮影用のLED140(
図3)よりも前方に位置し、かつ、第1対物カバー132(
図3)よりも後方に位置している。
【0054】
本実施の形態によれば、顕微鏡接続用のアタッチメント370をカメラ本体100に取り付けた状態で、ユーザが誤って通常撮影用のLED140を発光させたとしても、スリット373を通った光によってLED140が発光していることに気付かせることができる。
【0055】
また、カメラ本体100はアタッチメント370を介して図示しない顕微鏡に取り付けられる。そのため、アタッチメント370には、カメラ本体100の全重量がかかる。そのため、
図1に示す光通過孔73が形成されているアタッチメントよりも、よりあけられた開口が小さいスリット373が形成されたアタッチメントの方が、よりカメラ本体100を支える強度を確保しやすい。
【0056】
また、アタッチメント370がカメラ本体100に取り付けられた際、スリット373は、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置する。これにより、スリット373から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができ、顕微鏡によって拡大された像の撮影時に生じる外光の影響を低減することができる。その他の効果については、実施の形態2の効果と同様である。
【0057】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について、
図8を参照しながら説明する。本実施の形態では、通常撮影用のLED140からの光を通すスリット473を、第1対物カバー132及びLED140を覆う撮像装置用アタッチメントとしての撮像装置用の保護キャップ470に形成している。
【0058】
保護キャップ470は、
図8に示すように、略円錐台状の筒状体をなしており、その頂部は
図4に示す開口271aが形成されたアタッチメント270とは異なり、塞がれている。保護キャップ470は、ダーモスコピーカメラ400を使用していないとき(不使用時)に、カメラ本体100に取り付けられ、
図1に示す第1対物カバー132、及びLED140からの光を出射する光出射孔121aの前方を覆う。このようにして、保護キャップ470は、不使用時に、カメラ本体100を覆い保護する。
【0059】
また、
図4に示すアタッチメント270に形成されたスリット273と同様のスリット473が、同様の配置態様で保護キャップ470に形成されている。したがってスリット473は、通常撮影用のLED140(
図3)よりも前方に位置し、かつ、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。
【0060】
本実施の形態によれば、不使用時にカメラ本体100の前方を覆う保護キャップ470に、LED140から誤って発せられた光を外側に通過させるスリット473が形成されている。これにより、保護キャップ470が取り付けられた状態で、ユーザが誤った操作をしてLED140を発光させたとしても、スリット473から保護キャップ470の外側に出射された光を認識させることができる。
【0061】
また、保護キャップ470がカメラ本体100に取り付けられた際、スリット473は、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置する。これにより、スリット473から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができる。
【0062】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について、
図9(a)を参照しながら説明する。実施の形態1の光通過孔73は、
図2に示すように、円形状のアタッチメント70の径方向に長手方向を有する長孔であると説明した。しかしながら、光通過孔は、通常撮影時に発光するLED140からの光を通過させることができれば、光通過孔の形状は特に限定されない。例えば、
図9(a)に示すように、光軸OAを中心とした仮想的な円C上に等角度の間隔で、円Cの接線の方向に長手方向を有する光通過孔573をアタッチメント570に形成してもよい。なお、仮想的な円C上には、
図2に示すLED140が配置されている。また、各光通過孔573には、孔を塞ぐように透光性を有するフィルム573aが貼られていてもよい。アタッチメント570の光通過孔573とフィルム573aが形成された部分は、LED140から出射された光をアタッチメント570の外側へ通す光通過部として機能する。
【0063】
本実施の形態によれば、アタッチメント570をカメラ本体100に取り付けた状態で、ユーザが誤ってLED140を発光させたしたとしても、光通過孔573を通った光を認識することによってLED140が発光していることに気づくことができる。
【0064】
また、各光通過孔573に透光性を有するフィルム573aを貼付することにより、ダーモスコピーカメラの内部にゴムや埃が入るのを防ぐことができる。
【0065】
また、アタッチメント570がカメラ本体100に取り付けられた際、光通過孔573は、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。これにより、光通過孔573から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができ、ダーモスコピー撮影時に生じる外光の影響を低減することができる。その他の効果については、上記の実施の形態と同様である。
【0066】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。
図9(b)に示すように、アタッチメント670には、光軸OAを中心とした仮想的な円C上に等角度の間隔で、丸孔の光通過孔673が形成されている。なお、仮想的な円C上には、
図2に示すLED140が配置されている。また、各光通過孔673には、孔を塞ぐように透光性を有するフィルムを貼付してもよい。アタッチメント670の光通過孔673が形成された部分は、LED140から出射された光をアタッチメント670の外側へ通す光通過部として機能する。
【0067】
本実施の形態においても、アタッチメント670をカメラ本体100に取り付けた状態で、ユーザが誤ってLED140を発光させたしたとしても、光通過孔673を通った光を認識することによってLED140が発光していることに気づくことができる。また、アタッチメント670に形成された光通過孔673を丸孔としていることから、孔の加工が容易である。
【0068】
また、アタッチメント670がカメラ本体100に取り付けられた際、光通過孔673は、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。これにより、光通過孔673から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができ、ダーモスコピー撮影時に生じる外光の影響を低減することができる。
【0069】
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。
図9(c)に示すように、アタッチメント770には、光軸OAを中心とした仮想的な円C上に、丸孔状の複数の光通過孔773が形成されている。なお、仮想的な円C上には、LED140が配置されている。各光通過孔773は、隣接するLED140の間に配置されており、前方からみると、光通過孔773とLED140とは、ずれて重なっていない。アタッチメント770の光通過孔773が形成された部分は、LED140から出射された光をアタッチメント770の外側へ通す光通過部として機能する。
【0070】
本実施の形態においても、アタッチメント770をカメラ本体100に取り付けた状態で、ユーザが誤ってLED140を発光させたしたとしても、光通過孔773を通った光を認識することによってLED140が発光していることに気づくことができる。また、ダーモスコピーカメラを前方からみた場合、光通過孔773とLED140とがずれた位置に形成されていることから、LED140からの光が直接ユーザの目に入ることを防ぐことができ、ユーザにまぶしさを感じさせにくくすることができる。
【0071】
また、アタッチメント770がカメラ本体100に取り付けられた際、光通過孔773は、第1対物カバー132(
図3)よりも後方(撮像部20(
図3)側)に位置している。これにより、光通過孔773から入射した外光を第1対物カバー132からカメラ本体100の内部に入射させにくくすることができ、ダーモスコピー撮影時に生じる外光の影響を低減することができる。
【0072】
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、撮像装置用のアタッチメントに、複数の光通過孔を設けるか、あるいは複数のスリットのいずれかを設けたが、光通過孔とスリットとを混在させてもよい。
【0073】
また、スリット273を形成するスリット画定部274aとスリット画定部275aは、
図6に示すように前方からみると重なり合っていると説明したが、第1スリット形成部274を光軸OA側(中心側)に延ばし、第1スリット形成部274で第2スリット形成部275の前方を覆った形態としてもよい。これにより、スリット273から漏れた光の眩しさをより感じにくくすることができる。
【0074】
また、アタッチメントあるいは撮像装置用保護キャップを前方からみた場合に、スリット273を形成するスリット画定部274aとスリット画定部275aとの間に隙間を設けてもよい。これにより、LED140からの光が直接的にスリットから出射され、ユーザにスリットから出射された光を認識させやすくすることができる。この場合には、第1スリット形成部274と第2スリット形成部275の前後方向の位置を一致させて、前後方向に隙間を設けなくてもよい。
【0075】
また、スリット273が延びる方向は、
図5に示すように、アタッチメントあるいは撮像装置用保護キャップを前方から見た場合に、光軸OAを中心とした円周方向であると説明したが、光軸OAを中心とした円の半径方向に合わせてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、撮像装置として、皮膚の状態を診察するための画像を撮像するダーモスコピーカメラを例に説明したが、その他の撮像装置にも本発明を適用することができる。例えば、レンズの周囲にリングフラッシュを取り付けた通常のカメラ、リングフラッシュを内蔵するレンズ、あるいはリングフラッシュを内蔵あるいは取り付けられたスマートフォンにも適用することができ、これらの撮像装置に取り付けるアタッチメントや保護キャップにも本発明を適用することができる。
【0077】
本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0078】
1…ダーモスコピーカメラ、10…コントローラ、11…シャッタボタン、12…電源ボタン、20…撮像部、21,41…撮像レンズ系、21a…第1撮像レンズ、21b…第2撮像レンズ、21c…鏡筒、22…フィルタユニット、23…撮像素子、30…照明装置、60…カバー体、61…突起部、70…アタッチメント、71…筒体、71a,131a,271a,372a…開口、71b…鉤状部、72…第2対物カバー、73…光通過孔73…光通過部、100…カメラ本体、105…照明装置本体、110…ベース部、111…第1LED基板、112…第2LED基板、114…第3LED基板、116…第4LED基板、117…偏光板、120…第1カバー部、121…第1カバー部本体、121a…光出射孔122…透光板、130…第2カバー部、131…筒体、132…第1対物カバー、140,141,142,143,144…LED、180…ベース部本体、181…円筒部、182…円環状部、182a…基板取付面、183…凹部、183a…鏡筒挿通孔、200…ダーモスコピーカメラ、270…アタッチメント、271b…鉤状部、273…スリット、274…第1スリット形成部、274a…スリット画定部、275…第2スリット形成部、275a…スリット画定部、300…ダーモスコピーカメラ、370…アタッチメント、371…円錐台状部、372…円筒状部、373…スリット、400…ダーモスコピーカメラ、470…保護キャップ、473…スリット、570…アタッチメント、573…光通過孔、573a…フィルム、670…アタッチメント、673…光通過孔、770…アタッチメント、773…光通過孔、θ…中心角、C…円、R…範囲、S…空間、S1…空間、OA…光軸、r…半径方向。