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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136774
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/26 20060101AFI20240927BHJP
   A47K 13/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47K13/26
A47K13/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048013
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】畠田 政敏
(72)【発明者】
【氏名】樋口 恒太
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雅則
(72)【発明者】
【氏名】鳥飼 優
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AA12
2D037AB11
(57)【要約】
【課題】ケーシングの背面部の意匠性の向上図られたトイレ装置を提供すること。
【解決手段】便器に設けられた本体部と、本体部に回動可能に取り付けられる便座と、便座が便器に載置されているときに、便座を覆う閉位置と便座の上部を開放する開位置との間を、便座に対して回動可能な便蓋12と、を備えるトイレ装置であって、本体部は、本体カバー3を有し、本体カバー3の背面側の部分は、便座に対して回動可能に支持される便蓋12の被支持部を収容する収容凹部35と、収容凹部35の少なくとも一部を覆う庇部363と、を有するトイレ装置である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に設けられた本体部と、
前記本体部に回動可能に取り付けられる便座と、
前記便座が前記便器に載置されているときに、前記便座を覆う閉位置と前記便座の上部を開放する開位置との間を、前記便座に対して回動可能な便蓋と、を備えるトイレ装置であって、
前記本体部は、本体カバーを有し、
前記本体カバーの背面側の部分は、
前記便座に対して回動可能に支持される前記便蓋の被支持部を収容する収容凹部と、
前記収容凹部の少なくとも一部を覆う庇部と、を有するトイレ装置。
【請求項2】
前記庇部は、前記便器の上側の位置から前記本体部を見たときに、前記被支持部の少なくとも一部が覆われる位置まで延びている請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記本体カバーの背面側の部分は、前記便蓋の被支持部を回動可能に支持する支持部を有し、
前記庇部は、前記便器の上側の位置から前記本体部を見たときに、前記支持部の少なくとも一部が覆われる位置まで延びている請求項1又は2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記収容凹部の下面は、後方向に向かって下側へ傾斜する傾斜面を有する請求項1に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器に設けられた本体部と、本体部に回動可能に取り付けられる便座と、便座に対して回動可能な便蓋と、を備えるトイレ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-69713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のトイレ装置では、回動可能に支持される便座の被支持部は、ケーシングの背面部に位置しており、トイレ装置の使用者から便座の被支持部から視認可能である。このため、ケーシングの背面部がすっきりせずに、便座の被支持部が視覚的なノイズとなっているため、ケーシングの背面部の意匠性の向上が求められていた。
【0005】
本開示は、ケーシングの背面部の意匠性の向上図られたトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、便器に設けられた本体部と、前記本体部に回動可能に取り付けられる便座と、前記便座が前記便器に載置されているときに、前記便座を覆う閉位置と前記便座の上部を開放する開位置との間を、前記便座に対して回動可能な便蓋と、を備えるトイレ装置であって、前記本体部は、本体カバーを有し、前記本体カバーの背面側の部分は、前記便座に対して回動可能に支持される前記便蓋の被支持部を収容する収容凹部と、前記収容凹部の少なくとも一部を覆う庇部と、を有するトイレ装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレ装置を示す斜視図である。
図2】トイレ装置の便蓋を示す底面図である。
図3】トイレ装置の便蓋のゴム足を示す側面図である。
図4】トイレ装置の便蓋のゴム足の端部を示す拡大断面図である。
図5】トイレ装置の便座の座表部材の後部を示す拡大斜視図である。
図6】トイレ装置の便蓋が開位置にある状態の本体部の後部を示す背面図である。
図7】トイレ装置の便蓋が開位置にある状態の本体部を示す側面図である。
図8図6のA-A線に沿った断面図である。
図9図10のB-B線に沿った断面図である。
図10】トイレ装置の便座が開位置にある状態の本体部の後部を示す正面図である。
図11】トイレ装置の便座が閉位置にある状態の便座を示す側面図である。
図12】トイレ装置の便座が閉位置にある状態の便座を示す後部拡大側面図である。
図13図12の左右方向湾曲部におけるトイレ装置の便座の底面の形状を説明する図である。
図14図12の左右方向平坦部におけるトイレ装置の便座の底面の形状を説明する図である。
図15】トイレ装置の本体部及び便座の後部を示す拡大斜視図である。
図16】トイレ装置の便座の後部を示す下方拡大斜視図である。
図17】トイレ装置の便座のコネクタ部材を示す分解斜視図である。
図18】第1の変形例によるトイレ装置の便座の座表部材の後部を示す拡大斜視図である。
図19】第2の変形例によるトイレ装置の便座の座表部材の後部を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、トイレ装置1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便座11に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向とする。便座11に着座した使用者から見た場合の左右の向きを左右方向とする。便器13が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向とする。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係るトイレ装置1は、便座11と、便蓋12と、便器13と、本体カバー3を有する本体部2と、を備える。
【0010】
便器13は、上方に向けて開口して形成され、例えば陶器製である。便座11及び便蓋12は、本体部2の前部に、便器13に対して回動可能に取り付けられる。便座11は、使用者が着座する部分であり、便器13の開口縁の上に配置され、環状の形状に形成される。便蓋12は、便座11及び便器13の開口を開閉可能に覆う蓋である。
【0011】
便座11は、便器13の上部に配置される。便座11は、図2に示すように、便座本体111と、被支持部としての一対の便座ヒンジ部112(ヒンジ部)と、を備える。便座本体111は、中央部に開口111aが形成された長円形状に形成される。
【0012】
一対の便座ヒンジ部112は、図1に示すように、便座11の後端側の左右方向の両端部に配置され、便座本体111の後方側の両端部から、便座11の後方に延びる。一対の便座ヒンジ部112は、本体部2の本体カバー3の左右方向の両側に設けられる一対の軸部371に回動可能に取り付けられる。
【0013】
便座本体111は、図1に示す便座11が閉位置にあるときに、便座本体111の上側を構成する座表部材1101と、便座本体111の下側を構成する座裏部材1102と、が震動溶着されて接続されることにより構成されている。座表部材1101の後部は、座表部材1101よりも便器13の後側へ延出して一対の便座ヒンジ部112の間を架け渡すように、板状に一対の便座ヒンジ部112と一体成形された本体覆い部としての中央側後方側部分1101bを有する。中央側後方側部分1101bは、図1等に示すように、便座11が閉位置に位置する場合に、本体部2の本体カバー3(後述)の後部の便蓋12の便蓋ヒンジ部125よりも前側の部分を覆うように構成されている。これにより、本体部2の本体カバー3が使用者からほとんど見えないため、本体部2の本体カバー3の背面をすっきりとすることが可能となり、意匠性を高めることが可能となる。
【0014】
座表部材1101の中央側後方側部分1101bの左右両端部には、便座ヒンジ部112に沿ったヒンジ平行部1105が、それぞれ一体成形されて設けられている。ヒンジ平行部1105は、本体カバー3(後述)の左右方向の両側に設けられる一対の軸部372に向かって延びる三角形状の、段差等のない平坦面を有している。ヒンジ平行部1105が、平坦面を有していることにより、清掃性の向上を図ることが可能となる。
【0015】
中央側後方側部分1101bの左右両端部に接続されているヒンジ平行部1105は、肉抜き部1106を有している。肉抜き部1106は、中央側後方側部分1101bの左右両端縁に沿って一列に形成された、複数の直方体形状の空間により構成されている。これにより、この部分の肉厚を部分的に薄くすることができ、成形時に引けが生じて座表部材1101の上面が変形して、上面に凹凸が生ずることを抑えることが可能となる。
【0016】
便座ヒンジ部112は、図11に示すように、便座11が閉位置に位置する場合に、トイレ装置1を側方から見た場合、前方側から後方側に向かうに従って上り傾斜で湾曲する。便座ヒンジ部112は、上方側に凸状に湾曲して形成される。便座ヒンジ部112は、本体カバー3の上面よりも低い位置に形成される。便座11の座裏部材1102の下面に固定されて設けられた便座足部材としてのゴム足113よりも後側の、座裏部材1102の後部の下面は、図12図14に示すように、左右方向平坦部1103と左右方向湾曲部1104とを有している。
【0017】
左右方向平坦部1103は、左右方向湾曲部1104よりも後方に位置している。図14に示すように、左右方向平坦部1103においては、左右方向において直線状であり平坦面を構成する。左右方向平坦部1103から前側へ向かって、座裏部材1102の下面は、徐々に左右の両端部が、中央部に対して相対的に上側に位置するように湾曲してゆき、図13に示すように、左右方向湾曲部1104は、湾曲している。これにより、図12に示すように、左右方向湾曲部1104の左右の両端部から、本体カバー3までの距離L1は、左右方向平坦部1103の左右の両端部から、本体カバー3までの距離L2よりも長く構成されている。
【0018】
これにより、左右方向平坦部1103の左右の両端部と、本体カバー3とが当接することを、確実に抑えることができる。また、左右方向湾曲部1104は、ゴム足113の後側に位置している。これにより、本体カバー3に対向する座裏部材1102の部分において、本体カバー3と座裏部材1102の左右方向湾曲部1104が当接することを、確実に抑えることができる。
【0019】
便座11には、座表部材1101の全体にわたって、図示しない電子装置としての発熱部材、例えば、通電によって加熱するシーズヒータ等の線状ヒータや、絶縁された金属箔に電熱線が貼り付けられた面状ヒータ等により構成されている。このため、発熱部材に電気を供給する導線WHが座表部材1101の中に挿通されている。図示しない発熱部材は、便座11を所定の温度に維持する保温装置を構成し、暖房便座機能を発揮することができる。また、座表部材1101には、LEDを有し、便座11の座表部材1101の上面に、使用者から視認可能な光を照射する電子装置である光照射装置としてのLED表示基板63が設けられている。このように、複数の電子装置を座表部材1101に設けることにより、複数の電子装置に電気を供給する導線を、座表部材1101にまとめて配置させることが可能となり、配線を容易とすることが可能となる。
【0020】
LED表示基板63は、長方形状の板状に形成されており、コネクタ部材60に収容されている。コネクタ部材60は、便座11に設けられた発熱部材よりも後側の位置、より具体的には、便座ヒンジ部112を構成する座裏部材1102の部分に設けられている。これにより、LED表示基板63を収容するコネクタ部材60は、発熱部材よりも後側に配置されている。また、便座ヒンジ部112を構成する座裏部材1102の部分には、便座11の内部への防水性を有するグロメット70が設けられている。
【0021】
コネクタ部材60は、図17に示すように、接続部本体としての基板ケース61と、ケース蓋部62と、中継コネクタ64と、収束部としての中継コネクタカバー65と、を備えている。基板ケース61は、1つの面において開口する直方体形状に形成されており、LED表示基板63を収容する。基板ケース61の長手方向における一端部には、基板ケース61の開口する方向に突出する被係止部612を備えている。また、基板ケース61の長手方向における他端部には、基板ケース61の開口する方向に、2つの高さに突出する被係止部613を備えている。
【0022】
被係止部612は、図16に示すように、便座11が閉位置にあるときの、座裏部材1102の便座ヒンジ部112に隣接する位置の下側の面から下方へ突出する被固定凸部1107に、ビス662により固定される。被係止部613は、便座11が閉位置にあるときの、座裏部材1102の便座ヒンジ部112の下側の面から下方へ突出する図示しない被固定凸部に、ビス662により固定される。これにより、基板ケース61は、PETシート661を介して座裏部材1102に固定される。これにより、LED表示基板63は、中央側後方側部分111bに覆われる本体カバー3の側方に位置する。これにより、中央側後方側部分111bに覆われる本体カバー3の側方に位置において、LEDからの光を座表部材1101の上面に照射することが可能となる。
【0023】
ケース蓋部62は、蓋本体621と、係止部623と、フック部624と、を有している。蓋本体621は、板状に形成されており、基板ケース61の開口を閉塞する。係止部623は、ケース蓋部62に関して基板ケース61とは反対の側に突出して設けられ、中継コネクタカバー65のフック部653を係止する。フック部624は、係止部623と同方向へ蓋本体621から一対で突出し、中継コネクタ64を係止する。
【0024】
中継コネクタ64は、基板ケース61に電気的に接続された導線WL2(図16参照)と、図示しない電源側の導線LW1(図16参照)とを電気的に接続するコネクタである。中継コネクタ64は、フック部624に引っ掛けられることにより、ケース蓋部62に固定される。
【0025】
中継コネクタカバー65は、カバー本体651と、コネクタ押え部652と、爪部材を構成する被係止フック部653と、フック部654と、を有している。カバー本体651は、板状に形成されており、蓋本体621と共に中継コネクタ64を挟む。コネクタ押え部652は、カバー本体651から中継コネクタ64の方へ一対で延びており、中継コネクタ64の側部を支持する。被係止フック部653は、カバー本体651から中継コネクタ64の方へ一対で延びており、係止部623に引っ掛けられることによりケース蓋部62に固定される。フック部654は、カバー本体651から、中継コネクタ64とは反対の方へ延びている。フック部654は、図示しない電源から、便座11の発熱部材へ電気を供給する導線WHを纏めて束ねる。束ねられた導線WHは、グロメット70の基部側部材72に通され、グロメット70の円筒部材71から本体部2の内部へと導入されている。
【0026】
コネクタ部材60は、中継コネクタ64と中継コネクタカバー65とを有しているため、複数の電子装置、即ち、LED表示基板63と発熱部材とに電気等を供給する導線を、コネクタ部材60において纏めて束ねることができる。
【0027】
フック部654は、図16等に示すように、座裏部材1102により構成される便座ヒンジ部112の内側の側壁の壁面1108に隣接して配置されている。このため、フック部654にまとめられている導線WHがフック部654から外れる方向へフック部654が湾曲しようとしても、フック部654が壁面1108に当接する。これにより、振動溶着等の震動がフック部654に作用しても、フック部654にまとめられている導線WHがフック部654から外れることを防止することが可能となる。
【0028】
便蓋12は、便座11の上部に配置される。便蓋12は、図1等に示すように、便蓋本体121と、被支持部としての一対の便蓋ヒンジ部125と、を備える。便蓋本体121は、天面板122と、側壁板123と、根元側折り返し片124と、を有する。天面板122は、板状に形成される。天面板122は、根元側の端部が左右方向に延びて形成され、先端側が左右方向の両端部側の角部が丸みを帯びて形成される。側壁板123は、天面板122の先端側及び側方側の縁部において、天面板122の裏面から、立ち上がるように形成される。
【0029】
天面板122には、リブ1221と、便蓋足部材としてのゴム足1222とが設けられている。ゴム足1222は、接着剤により天面板122の裏面(便蓋12が閉位置にあるときの下側の面)に接着されて固定されている。ゴム足1222の周縁部は、図4に示すように、便蓋12の天面板122の裏面に接着されるゴム足1222の基端側から先端側に立ち上がる側面1223と、便蓋12が閉位置にあるときに便座11に当接する先端面1224と、側面1223と先端面1224とを連結する湾曲面1225と、を有している。
【0030】
リブ1221は、図4に示すように、壁部により構成されており、ゴム足1222の側面1223に隣接して配置されて設けられている。リブ1221は、ゴム足1222の全周を取り囲むように配置されている。リブ1221の高さは、ゴム足1222の先端面1224の高さよりも低く構成されているが、ゴム足1222の側面1223のほとんどが、リブ1221の高さの範囲内に収まっている。リブ1221の上部は、面取りを構成する形状により、図4の左下が右上に向けて傾斜する面を有している。
【0031】
リブ1221が、ゴム足1222に隣接して設けられているため、掃除等を行う際に、雑巾等がゴム足1222の側面1223に強く当接することを回避することが可能となる。このため、接着剤により天面板122に取り付けられているゴム足1222が、天面板122から外れてしまうことを防止することが可能となる。更に、リブ1221が、ゴム足1222の側面1223に隣接して設けられているため、ゴム足1222が、天面板122から外れてしまうことを、より確実に防止することが可能となる。加えて、リブ1221の上部は、図4の左下が右上に向けて傾斜する面を有しており、且つ、リブ1221の上端部よりも上側の側面1223の部分、及び、湾曲面1225も、図4の左下が右上に向けて傾斜しているため、ゴム足1222を天面板122から、より外れにくくすることが可能となる。また、リブ1221は、ゴム足1222の全周を取り囲むように配置されているため、いずれの方向からのゴム足1222へのアプローチであっても、ゴム足1222が、天面板122から外れてしまうことを、確実に防止することが可能となる。
【0032】
根元側折り返し片124は、便蓋12が閉位置に移動されて閉位置に位置する場合に、便蓋12の左右方向の中央側の後端部から下方に突出すると共に、左右方向に延びる。根元側折り返し片124の下端部(便蓋12が開位置に移動されて開位置に位置する場合の、根元側折り返し片124の前端部)の端面1241は、便蓋12が開位置に位置する場合に、図6図8に示すように、本体部2の本体カバー3の背面33の凹部34に形成された平坦面331(後述)に対向して配置されて当接する。
【0033】
より詳細には、根元側折り返し片124の端面1241は、平坦面により構成されている。凹部34は、便蓋ヒンジ部125に隣接した位置にある。これにより、清掃性がよくなり、また、凹部34と便蓋ヒンジ部125とが離れた位置関係となることにより、便蓋12がねじれによる歪みの発生を抑えることが可能となる。凹部34は、図6に示す背面視で縦長の長方形状に、前方向に窪んで形成されており、凹部34を形成している前側の面は、本体部2の本体カバー3の後側の外表面である背面のいずれの部分よりも垂直に近い傾斜角度を有する平坦面331により構成されている。
【0034】
このように平坦面331に根元側折り返し片124の端面1241が当接することにより、便蓋12の回動が規制されるため、回動の規制のためのストッパが、本体カバー3の後側の外表面から突出することを回避でき、本体カバー3の後側をすっきりとすることが可能となり、背面部の意匠性の向上を図ることが可能となる。また、端面1241は、凹部34に形成されているため、端面1241が本体カバー3の後側の外表面から突出することを回避できる。
【0035】
また、凹部34を形成している前側の面は、本体部2の本体カバー3の後側の外表面である背面のいずれの部分よりも垂直に近い傾斜角度を有する平坦面331により構成されている。このため、平坦面331に根元側折り返し片124の端面1241が当接して開位置とされた便蓋12が、自重により閉位置の方へ回動してしまうことを回避することが可能となる。
【0036】
一対の便蓋ヒンジ部125は、図2図6に示すように、便蓋12の後端側の左右方向へ中央から離れた位置にそれぞれ配置され、便蓋本体121の後方側の端部から、便蓋12の後方に延びる。一対の便蓋ヒンジ部125は、本体部2の本体カバー3の背面側の部分31(図7等参照)における、左右方向へ中央から離れた位置にそれぞれ形成された収容凹部35に配置されて設けられた支持部としての一対の軸部372(図9参照)に回動可能に取り付けられる。
【0037】
収容凹部35は、図9に示すように、本体カバー3の背面側の部分31の上部において上方から後方へわたって開口する凹部により構成されている。収容凹部35を形成している上下方向に延びる前側壁部361の上端には、後側へ軸部372の上側の位置まで延びる庇部363が、前側壁部361に一体成形されることにより接続されて設けられている。庇部363は、本体カバー3の左右方向にわたって左端部から右端部に至るまで延びる板状の部分により構成されている。
【0038】
これにより、使用者によるトイレ装置1の前方視において、一対の便蓋ヒンジ部125がほとんど庇部363に覆われて隠された状態とすることが可能となる。この結果、本体カバー3の背面側の部分31において便蓋ヒンジ部125が視覚的なノイズとなることを抑えることが可能となり、本体部2の意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0039】
図9に示すように、収容凹部35を形成している後方向に延びる底壁部362は、水平な面により構成されておらず、後方向に向かって下側へ傾斜する傾斜面により構成されている。これにより、清掃等により収容凹部35に流入した水等の液体を、底壁部362の傾斜により後方へ排出することが可能となる。
【0040】
本体部2は、図1に示すように、便座11及び便蓋12の後方側に配置される。本体部2は、図示しない機能部を覆う本体カバー3、を備える。図示しない機能部及び本体カバー3は、便器13の後部の上部に配置される。図示しない機能部は、機能部品を備える。本体カバー3は、本体部2の外形を覆うカバーである。
【0041】
機能部品は、例えば、便座11の保温装置や、洗浄タンクを備えた便器洗浄装置や、使用者の局部を洗浄するシャワーノズルや、ホースや、電源ユニットや、制御回路基板や、便座11及び便蓋12を電動で開閉させる電動開閉ユニットや、バルブユニットや、各種配管等により構成される。
【0042】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ヒンジ平行部1105は、肉抜き部1106を有していたがこの構成に限定されない。例えば、図18に示すように、ヒンジ平行部1105Aは、ハニカム状の空間により構成される肉抜き部が形成されていてもよい。また、図19に示すように、ヒンジ平行部1105Bは、大きな空間が形成されて肉抜き部とされ、当該空間に、当該空間の開口を塞ぎ、段差等のない平坦面により表面が構成されるキャップ部材1115Bが嵌められる構成とされてもよい。キャップ部材1115Bにおいては、平坦面により表面が構成されることにより、清掃性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、一対の便蓋ヒンジ部125の間に対する、左右方向における外側に平坦面331が位置していたが、これに限定されず、一対の便蓋ヒンジ部125の間に平坦面331が位置していてもよい。
また、本実施形態では、便蓋ヒンジ部125は一対設けられていたがこれに限定されない。例えば、便蓋ヒンジ部は、1つでもよいし3つでもよい。
また、LED表示基板63が設けられる位置は、本実施形態における位置に限定されない。
また、本実施形態では、電子装置は、LED表示基板63や発熱部材であったが、これに限定されない。電子装置は、例えば、センサーやスピーカや乾燥脱臭のファンであってもよい。
また、本実施形態では、LED表示基板63は、光を照射するために用いられたが、これに限定されない。例えば、文字や記号を便座の上面に表示させるために用いてもよい。
また、庇部363は、収容凹部35の少なくとも一部を覆っていればよい。また、庇部363は、便器13の上側の位置から本体部2を見たときに、便蓋ヒンジ部125の少なくとも一部が覆われる位置まで延びていればよい。また、庇部363は、便器13の上側の位置から本体部2を見たときに、軸部372の少なくとも一部が覆われる位置まで延びていればよい。
【符号の説明】
【0043】
1 トイレ装置、2 本体部、3 本体カバー、11 便座、12 便蓋、13 便器、31 背面側の部分、34 凹部、35 収容凹部、60 コネクタ部材、62 ケース蓋部(接続部本体)、63 LED表示基板(電子装置、光照射装置)、64 中継コネクタ(接続部)、65 中継コネクタカバー(収束部)、111b 中央側後方側部分(本体覆い部)、112 便座ヒンジ部(被支持部)、113 ゴム足(便座足部材)、125 便蓋ヒンジ部(被支持部)、362 底壁部(傾斜面)、363 庇部、372 軸部(支持部)、654 フック部(爪部材)、1101 座表部材、1102 座裏部材、1104 左右方向湾曲部(湾曲部)、1106 肉抜き部、1108壁面(内側側壁)、1115B キャップ部材、1221 リブ(壁部)、1222 ゴム足(便蓋足部材)、1223 側面、1241 端面(平坦面)、
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