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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136809
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240927BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20240927BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B08B3/02 D
B08B5/02 Z
B08B3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048066
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004082
【氏名又は名称】弁理士法人北大阪特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100141092
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勲
(72)【発明者】
【氏名】越智 崇文
(72)【発明者】
【氏名】大野 勇治
(72)【発明者】
【氏名】藤井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】笹尾 智浩
(72)【発明者】
【氏名】淺村 仁志
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB03
3B116BB24
3B116BB62
3B116BB82
3B116BB83
3B116BB88
3B116CD42
3B116CD43
3B201AA46
3B201AB03
3B201BB24
3B201BB33
3B201BB43
3B201BB62
3B201BB82
3B201BB83
3B201BB88
3B201BB92
3B201BB94
3B201CD42
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】洗浄剤を使用する医療器具の洗浄システムにおいて、洗浄剤の投入量を非接触で高精度に測定すること。
【解決手段】医療器具が収容される洗浄器101と、洗浄剤が入った容器TKの重量を測定する重量計103と、ポンプ62を稼働させて容器TKから洗浄器101へ洗浄剤を投入する洗浄剤投入装置102と、を備え、洗浄器101において投入された洗浄剤を用いて医療器具を洗浄する洗浄システム100であって、ポンプ62の稼働開始前における重量計103の測定結果とポンプ62の稼働停止後における重量計103の測定結果との差である測定投入量を求める。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具が収容される洗浄器と、
洗浄剤が入った容器の重量を測定する重量計と、
ポンプを稼働させて前記容器から前記洗浄器へ前記洗浄剤を投入する洗浄剤投入装置と、を備え、
前記洗浄器において前記投入された洗浄剤を用いて前記医療器具を洗浄する洗浄システムであって、
前記ポンプの稼働開始前における前記重量計の測定結果と前記ポンプの稼働停止後における前記重量計の測定結果との差である測定投入量を求めることを特徴とする洗浄システム。
【請求項2】
前記重量計は、所定の時間間隔で前記重量を逐次測定するものであって、
前記ポンプの稼働開始前における前記重量計の複数回分の測定値の平均値である第1平均値と前記ポンプの稼働停止後における前記重量計の複数回分の測定値の平均値である第2平均値との差を、前記測定投入量として算出することを特徴とする請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記第2平均値は、
前記ポンプの稼働停止時から前記時間間隔よりも長い所定時間を経過した後における、前記重量計の複数回分の測定値の平均値であることを特徴とする請求項2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記洗浄剤投入装置は、予め指定された量を目標量として前記洗浄剤を前記洗浄器へ投入するものであって、
前記測定投入量と前記目標量との差が所定の許容範囲内に収まっているか否かを判別する制御装置を備え、
前記制御装置により、当該判別の結果に応じた動作制御がなされることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記重量計は、
上側の支持部材から受ける荷重に応じた信号を出力するロードセルと、
上側に前記容器がセットされる外装部品と、を備え、
前記支持部材は、
前記外装部品よりも熱伝導率の低いスペーサを介して、前記外装部品を上側に支持することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の洗浄システム。
【請求項6】
前記支持部材は、上面に前記スペーサが配置された板状の部材であり、
前記重量計は、
前記支持部材の下方における前記ロードセルの側方に、前記信号の処理を行う回路基板を備えたことを特徴とする請求項5に記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具の洗浄に用いられる洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メスや鉗子等の医療器具の洗浄に用いられる装置やシステムが提案されている。例えば特許文献1には、容器から洗浄器に洗浄剤(薬液)を供給して医療器具を洗浄する装置であって、容器に適量の洗浄剤が収容されているか否かを認識できるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-170545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メスや鉗子等の医療器具は、異物が付着していると人命に関わることもあるため、その洗浄は極めて適切に実施される必要がある。医療器具の適切な洗浄を行うためには、適量の洗浄剤が過不足なく使用されることが重要である。そのため、洗浄を行うごとに洗浄剤の使用量を精度良く測定し、測定値が許容範囲を逸脱していた場合には、例えば警告の発報等がなされることが望ましい。
【0005】
ここで洗浄剤の適度な使用量は、洗浄用水の水質等によって変わる。例えば、ある種の洗浄剤では、洗浄用水の水質が悪い(典型的には硬度やMアルカリ度が相対的に高い)場合には、一度の洗浄で使う量が約2,000gに達してしまうのに対して、洗浄用水の水質が良い(典型的には硬度やMアルカリ度が相対的に低い)場合には、一度の洗浄で使う量が約20gで済むこともある。このような洗浄剤の使用量が多い場合と少ない場合の何れにも確実に対応するためには、容器から洗浄器への洗浄剤の投入量について高精度な測定が求められる。
【0006】
洗浄剤の投入量の測定における最大値と測定値に対する許容誤差を考えると、上記の例では、まず投入量の最大値は約2,000gとなり、測定器はこの最大値に対応できる測定レンジを有することが必要となる。また、許容誤差を投入量の5%に設定すると、投入量が最小値の約20gであるときの許容誤差は約1gとなる。そのため、最大で約2,000gの測定レンジに対応可能としながらも、測定誤差の大きさが測定レンジの0.05%以下である測定器が要求されることになる。
【0007】
このような僅かな測定誤差しか許されない高精度な測定は、流量計や液面計等を投入量の測定器に用いる方法では実現が難しい。特に、容積式往復動ポンプを用いて液体洗浄剤を洗浄器に投入する構成では、ポンプ駆動に伴う脈動によって精度を維持した流量測定や液面測定が困難である。また、洗浄剤には様々な性状(酸性、アルカリ性など)のものがあるため,洗浄剤の投入量の測定は洗浄剤に非接触で実施できることが望ましい。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑み、洗浄剤を使用する医療器具の洗浄システムにおいて、洗浄剤の投入量を非接触で高精度に測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る洗浄システムは、医療器具が収容される洗浄器と、洗浄剤が入った容器の重量を測定する重量計と、ポンプを稼働させて前記容器から前記洗浄器へ前記洗浄剤を投入する洗浄剤投入装置と、を備え、前記洗浄器において前記投入された洗浄剤を用いて前記医療器具を洗浄する洗浄システムであって、前記ポンプの稼働開始前における前記重量計の測定結果と前記ポンプの稼働停止後における前記重量計の測定結果との差である測定投入量を求める構成とする。本構成によれば、医療器具の洗浄に用いる洗浄剤の投入量を非接触で高精度に測定することが可能となる。
【0010】
上記構成としてより具体的には、前記重量計は、所定の時間間隔で前記重量を逐次測定するものであって、前記ポンプの稼働開始前における前記重量計の複数回分の測定値の平均値である第1平均値と前記ポンプの稼働停止後における前記重量計の複数回分の測定値の平均値である第2平均値との差を、前記測定投入量として算出する構成としても良い。また当該構成としてより具体的には、前記第2平均値は、前記ポンプの稼働停止時から前記時間間隔よりも長い所定時間を経過した後における、前記重量計の複数回分の測定値の平均値である構成としても良い。
【0011】
上記構成としてより具体的には、前記洗浄剤投入装置は、予め指定された量を目標量として前記洗浄剤を前記洗浄器へ投入するものであって、前記測定投入量と前記目標量との差が所定の許容範囲内に収まっているか否かを判別する制御装置を備え、前記制御装置により、当該判別の結果に応じた動作制御がなされる構成としても良い。
【0012】
上記構成としてより具体的には、前記重量計は、上側の支持部材から受ける荷重に応じた信号を出力するロードセルと、上側に前記容器がセットされる外装部品と、を備え、前記支持部材は、前記外装部品よりも熱伝導率の低いスペーサを介して、前記外装部品を上側に支持する構成としても良い。また上記構成としてより具体的には、前記支持部材は、上面に前記スペーサが配置された板状の部材であり、前記重量計は、前記支持部材の下方における前記ロードセルの側方に、前記信号の処理を行う回路基板を備えた構成としても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る洗浄システムによれば、医療器具の洗浄に用いる洗浄剤の投入量を非接触で高精度に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る洗浄システムの概略的な構成図である。
図2】本実施形態に係る洗浄器および洗浄剤投入装置の概略的な構成図である。
図3】本実施形態に係る重量計の概略的な構成を示す断面図である。
図4】当該重量計の構成に関する分解斜視図である。
図5】洗浄剤の投入および投入量の監視に関する動作のフローチャートである。
図6】測定投入量の求め方に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について各図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る洗浄システム100の概略的な構成図である。本図に示すように洗浄システム100は、洗浄器101、洗浄剤投入装置102、重量計103、および制御装置104を備える。
【0016】
洗浄器101は、洗浄の対象となるメス及び鉗子などの医療器具(以下、「洗浄対象」と称することがある。)を収容し、洗浄液(洗浄用水と洗浄剤の混合物)を用いて洗浄対象を洗浄する装置である。洗浄剤投入装置102は、ホース61と洗浄剤供給ポンプ62を有し、洗浄剤供給ポンプ62が稼働することにより、洗浄剤が入ったタンクTKからホース61を介して洗浄器101へ洗浄剤を投入する装置である。重量計103は、洗浄剤が入ったタンクTKの重量を測定する装置であり、所定の時間間隔で当該重量を逐次測定する。制御装置104は、洗浄システム100の動作制御等を行う装置である。
【0017】
次に、洗浄器101および洗浄剤投入装置102の構成について、図2を参照しながらより詳細に説明する。
【0018】
図2は、洗浄器101および洗浄剤投入装置102の構成を概略的に示している。図1に示すように、洗浄器101は、洗浄槽2、洗浄ノズル3、給水装置4、排出装置5、循環装置7、第1ヒータ8、送風機9、および第2ヒータ10を備える。
【0019】
洗浄槽2は洗浄対象を収容し、これにより洗浄対象は洗浄槽2の内部に配置される。洗浄槽2の一部には出入口が設けられており、この出入口はドア(不図示)により開閉される。洗浄器1のユーザは、当該ドアを開けることにより、洗浄槽2の出入口を介して、洗浄槽2の内部に洗浄対象を入れたり、洗浄槽2の内部から洗浄対象を出したりすることができる。洗浄槽2の内部には網棚(不図示)が配置されており、洗浄対象は、当該網棚に載置された状態で洗浄される。
【0020】
洗浄槽2は、上壁2A、側壁2B、下壁2C、貯留壁2D、および底壁2Eを有する。側壁2Bは、上壁2Aの外縁部に接続され、下壁2Cは、側壁2Bの下端部に接続されている。貯留壁2Dは、下壁2Cの内縁部に接続され、底壁2Eは、貯留壁2Dの下端部に接続されている。貯留壁2Dと底壁2Eにより、洗浄槽2の内部に貯留部14が形成されている。貯留部14は、洗浄槽2の下部に設けられている。下壁2Cは、貯留部14に向かって下方に傾斜している。
【0021】
洗浄槽2の内部にはジャケット15が配置されている。ジャケット15は、洗浄槽2に収容される洗浄対象及び洗浄ノズル3を囲む。ジャケット15は、上壁2Aの内面及び側壁2Bの内面のそれぞれに間隙を介して対向している。ジャケット15と上壁2Aとの間及びジャケット15と側壁2Bとの間には、通路16が形成されている。ジャケット15の下端部と側壁2Bとの間には、開口17が形成されている。
【0022】
洗浄ノズル3は、洗浄槽2の内部において上下方向に複数配置されており、洗浄液を洗浄対象に噴射する役割を果たす。なお洗浄対象は、上下方向に隣り合う洗浄ノズル3の間に配置される。洗浄ノズル3それぞれには、洗浄液を噴射する噴射口が複数設けられている。最も上方に配置された洗浄ノズル3は、洗浄液を下方に噴射し、最も下方に配置された洗浄ノズル3は、洗浄液を上方に噴射する。これらの間に配置された各洗浄ノズル3は、洗浄液を上方及び下方のそれぞれに噴射する。
【0023】
洗浄ノズル3の長手方向の中央部は、支持アーム18の先端部に支持されている。支持アーム18の基端部は、洗浄槽2の側壁2Bに支持されている。なお支持アーム18は、洗浄ノズル3を回転可能に支持しており、洗浄ノズル3の回転軸は上下方向に延伸する。支持アーム18は内部流路を有しており、洗浄液は、当該内部流路を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3に供給された洗浄液は、洗浄ノズル3の噴射口から噴射され、当該噴射された洗浄液の力により洗浄ノズル3が回転する。
【0024】
給水装置4は、貯留部14に水道水等の洗浄用水を供給する役割を果たし、給水源(不図示)と洗浄槽2の上部とを接続する給水路19と、給水路19に配置される逆止弁20及び給水弁21とを有する。給水弁21が開くことにより、給水源からの洗浄用水が給水路19を介して洗浄槽2の上部に供給される。洗浄槽2の上部に供給された洗浄用水は、通路16を流れた後、開口17を介して貯留部14に供給される。
【0025】
排出装置5は、貯留部14から洗浄液を排出する役割を果たし、貯留部14の下部に接続される排液路22と、排液路22に配置される排液弁23とを有する。排液弁23が開くことにより、貯留部14の洗浄液が排液路22を介して貯留部14の外部に排出される。
【0026】
貯留部14には、給水装置4から洗浄用水が供給され、洗浄剤投入装置102から洗浄剤が供給される。貯留部14においては、供給された洗浄用水と洗浄剤とが混合され、洗浄液が生成される。
【0027】
循環装置7は、貯留部14の洗浄液を洗浄ノズル3に供給する役割を果たし、吸込管27と、循環ポンプ28と、吐出管29とを有する。吸込管27は、排液路22と循環ポンプ28の吸込口とを接続し、貯留部14と排液弁23との間の排液路22から分岐するように配置されている。吐出管29は、循環ポンプ28の吐出口と複数の支持アーム18のそれぞれとを接続している。
【0028】
循環ポンプ28が駆動することにより、貯留部14の洗浄液は、吸込管27、循環ポンプ28、吐出管29、及び支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3は、貯留部14からの洗浄液を噴射し、当該噴射された洗浄液は貯留部14に戻される。循環装置7により、洗浄液は、貯留部14、吸込管27、循環ポンプ28、吐出管29、支持アーム18、及び洗浄ノズル3を含む循環経路において循環する。
【0029】
第1ヒータ8は、貯留部14の洗浄液を加熱する役割を果たし、貯留壁2D及び底壁2Eを囲むように配置された蒸気ジャケットを含む。第1ヒータ8は、給蒸路30を介して蒸気供給源(不図示)に接続されている。給蒸路30には給蒸弁31が配置されており、給蒸路30を介して第1ヒータ8に蒸気が供給されることにより、貯留部14の洗浄液が加熱される。給蒸弁31の開度が調整されることにより、貯留部14の洗浄液の温度が調整される。第1ヒータに供給された蒸気の凝縮水は、ドレン排出路32を介して排出される。ドレン排出路32には、蒸気トラップ33及び逆止弁34が配置されている。
【0030】
送風機9は、洗浄槽2の内部に空気を供給する役割を果たし、送風機9の吸込口にフィルタ35を介して外部の空気が吸い込まれる。送風機9の吐出口は、空気吐出路36に接続されている。空気吐出路36は、第1給気路37を介して通路16に接続されている。また、空気吐出路36は、第2給気路38を介して吐出管29に接続されており、第2給気路38には給気弁39が配置されている。
【0031】
第2ヒータ10は、送風機9により洗浄槽2の内部に供給される空気を加熱する役割を果たし、空気吐出路36に配置されている。第2ヒータ10により加熱された空気は、第1給気路37及び第2給気路38のそれぞれに供給される。
【0032】
第2ヒータ10で加熱され、第1給気路37に供給された空気は、通路16を流れた後、開口17を介して洗浄槽2の下部に供給される。また、第2ヒータ10で加熱され、第2給気路38に供給された空気は、吐出管29を流れた後、支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。また、洗浄槽2の上部に排気路40が接続されており、洗浄槽2の内部の空気は、排気路40を介して洗浄槽2の外部に排出される。
【0033】
洗浄剤投入装置102は、タンクTK内の洗浄剤を洗浄槽2に供給する役割を果たし、タンクTKと洗浄槽2とを接続するホース61と、ホース61に介在するように配置された洗浄剤供給ポンプ62とを有する。ホース61の一端は、タンクTK内の洗浄剤を吸い出すことが可能となるように、タンクTKの内部に挿入される。なおホース61は、例えば合成樹脂素材により形成されて高い可撓性を有しており、重量計103の上にセットした状態のタンクTKの内部へ、ホース61の一端を手作業でも容易に挿入可能である。洗浄剤供給ポンプ62は、例えばダイヤフラムポンプ等の容積式往復動ポンプである。
【0034】
洗浄剤供給ポンプ62が稼働することにより、タンクTK内の洗浄剤が、洗浄槽2の貯留部14に供給されることになる。洗浄剤供給ポンプ62の稼働は、制御装置104によって制御される。なお洗浄剤として、アルカリ性洗浄剤又は酵素配合洗浄剤が例示される。また洗浄剤は、潤滑防錆成分及び乾燥促進成分のような機能性補助成分を含んでもよい。
【0035】
次に、重量計103の構成について、図3および図4を参照しながらより詳細に説明する。
【0036】
図3は、重量計103の概略的な構成を、重量計103を左右に二分する平面で切断した場合の断面図として模式的に示している。図4は、重量計103の概略的な構成を分解斜視図として示している。なお、以下の重量計103の説明に関する上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図3および図4に示すとおりである。図3および図4に示すように、重量計103は、台座部材71、ロードセル72、回路基板73、支持部材74、スペーサ75、および外装部品76を備える。
【0037】
台座部材71は、上面と下面を有する上方視矩形の平板状に形成された部材である。台座部材71には、下側先端を地面や床等に接触させることのできるアジャストボルト71aが、下面の四隅近傍それぞれから突出するように設けられている。アジャストボルト71aそれぞれの突出量は、台座部材71の平面が水平となるように調節可能である。
【0038】
ロードセル72は、台座部材71の上面における中央領域に設置されており、上側の支持部材74から受ける荷重に応じたアナログの信号Sxを出力する。外装部品76の上側にタンクTKが設置されたときには、ロードセル72は当該タンクTKの重量に応じた信号Sxを出力することになる。なおロードセル自体の基本的な構造や原理は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0039】
回路基板73は、台座部材71の上面におけるロードセル72の側方(図3に示す例では前側)に設置されており、ロードセル72から出力された信号Sxに対して、増幅等の必要な処理を行う。回路基板73による処理済みの信号Sxは、重量計103の測定値を表す情報(以下、「測定値情報V」と称することがある。)として制御装置104へ送信される。重量計103は、所定の時間間隔Tx(本実施形態では一例として1秒間隔とする。)でタンクTKの重量を逐次測定し、その結果を測定値情報Vとして制御装置104へ送信するようになっている。
【0040】
支持部材74は、上面と下面を有する上方視矩形の平板状に形成された部材であり、スペーサ75を介して外装部品76を上側に支持する。支持部材74の上方視外縁は、台座部材71の上方視外縁と概ね一致する。なおロードセル72の全体と回路基板73の全体は、上方視で支持部材74の外縁よりも内側に収まっている。支持部材74の上面には、複数個のスペーサ75がバランス良く配置されている。図4に示す例では、支持部材74の中央部、四隅近傍それぞれ、および、中央部と四隅近傍との中間位置それぞれに、計9個のスペーサ75が配置されている。これらのスペーサ75は、何れも形状および材質が同じである。
【0041】
外装部品76は、上面と下面を有する上方視矩形の平板状に形成された天板部76aと、天板部76aの上方視外縁全周から下方へ張り出した張出部76bと、を有する。天板部76aの下面は、複数個のスペーサ75それぞれの上端に接している。天板部76aの上面には、タンクTKをセットすることが可能である。張出部76bは、台座部材71の一部および重量計103の各要素72~75を前後左右の側方から覆うように配置されており、これらを保護する役割を果たす。
【0042】
なお、支持部材74および外装部品76は、金属(例えば、ステンレス鋼)の板状材を用いて形成されており、薄くても十分な強度が確保されている。一方で各スペーサ75は、外装部品76よりも熱伝導率の低い材料(例えば、合成樹脂または合成ゴムなど)により形成されている。これにより、外部に露出して温度が変化し易くなっている外装部品76の温度の影響が、支持部材74側に及ぶことを極力防ぐことが可能である。その結果、支持部材74の下側に配置されたロードセル72および回路基板73の温度変化を抑えることができ、当該温度変化による重量計103の測定値の変動を極力防ぐことが可能となっている。
【0043】
次に、制御装置104についてより詳細に説明する。制御装置104は、洗浄システム100のユーザによる操作(例えば、ボタン操作やタッチパネルの操作等)を受付ける入力装置、および、所定の警告や報知情報を出力する出力装置(例えば、音声を出力するスピーカや画面表示を行うディスプレイ等)を備え、洗浄システム100の動作制御等を実行する。なお、制御装置104の具体的な形態は特に限定されない。例えば制御装置104は、1台のコンピュータとしても良く、通信可能とした複数台のコンピュータとしても良い。
【0044】
制御装置104は、洗浄液を用いて洗浄対象を洗浄する洗浄処理を実施することが可能である。洗浄処理を実施する場合、洗浄対象が洗浄槽2に収容された後、制御装置104は、給水弁21を開いて、貯留部14に洗浄用水を供給する。貯留部14に所定量の洗浄用水が貯留されると、制御装置104は、給水弁21を閉じる。また、制御装置104は、洗浄剤供給ポンプ62を稼働させて、タンクTK内の洗浄剤を貯留部14に投入する。なお本実施形態では、重量計103を利用して、この洗浄剤の投入量を監視することが可能となっている。洗浄剤の投入および投入量の監視に関する動作については、改めて詳細に説明する。
【0045】
貯留部14に洗浄用水と洗浄剤が供給された後、貯留部14においてこれらが混合され、洗浄液が生成される。その後に制御装置104は、第1ヒータ8を作動して、貯留部14の洗浄液を設定温度に加熱する。加熱された洗浄液が生成された後、制御装置104は、循環ポンプ28を駆動する。循環ポンプ28が駆動されることにより、貯留部14の洗浄液は、吐出管29及び支持アーム18を介して洗浄ノズル3に供給される。洗浄ノズル3は、薬液を含む洗浄液を洗浄対象に噴射する。これにより、洗浄対象は、洗浄ノズル3から噴射された洗浄液で洗浄される。
【0046】
洗浄ノズル3から噴射された洗浄液は、貯留部14に戻される。制御装置104は、洗浄ノズル3を含む循環経路において洗浄液を設定時間だけ循環した後、循環ポンプ28を停止する。これにより、洗浄処理が終了する。洗浄処理が終了した後、制御装置104は、排液弁23を開ける。これにより、使用後の洗浄液が洗浄槽2から排出される。
【0047】
なお、本実施形態の例では、洗浄槽2の下壁2Cに超音波振動子41が配置されており、超音波振動子41を用いて、洗浄対象の超音波洗浄を行うことが可能となっている。超音波洗浄を行う場合、洗浄液の表面が洗浄槽2の上部に到達するまで、洗浄槽2が洗浄液で満たされる。洗浄対象が洗浄槽2に収容され、洗浄槽2が洗浄液で満たされた後、制御装置104は、超音波振動子41を駆動する。超音波振動子41で発生した超音波は、洗浄液を介して洗浄対象に伝達され、これにより洗浄対象の超音波洗浄が実現される。超音波洗浄が終了した後、制御装置104は排液弁23を開け、これにより使用後の洗浄液が洗浄槽2から排出される。また洗浄器101は、上述した洗浄処理の他、洗浄対象を乾燥させる乾燥処理を実施することも可能である。
【0048】
次に、洗浄剤の投入および投入量の監視に関する主な動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
今回の洗浄処理が実施されることが判明したとき、制御装置104は、重量計103の測定値情報Vの記録動作(重量計103から送られてくる測定値情報Vを記録保持する動作)を開始する(ステップS1)。この記録動作の開始のタイミングは、例えば、洗浄対象が洗浄槽2に収容されたことを検知したタイミングとしても良く、ユーザによって所定操作がなされたタイミングとしても良い。なお、制御装置104が測定値情報Vの記録動作を常時行うように設定される場合は、ステップS1の動作は省略可能である。
【0050】
更に制御装置104は、ユーザの指定に基づいて、洗浄剤投入の目標量Xを決定する(ステップS2)。すなわち制御装置104は、ユーザによる目標量X(或いは、目標量Xを特定し得る情報)の入力操作を受付けるようにし、当該入力操作の内容に基づいて目標量Xを決定する。なお、この入力操作の具体的形態は特に限定されず、例えば、目標量Xを直接入力する形態であっても良く、予め制御装置104に設定されている複数の洗浄コース(目標量Xを含め、洗浄処理の各条件を特定する情報)のうちの何れかを選択する形態であっても良い。
【0051】
次に制御装置104は、今回決定された目標量Xに応じて洗浄剤供給ポンプ62を稼働させる(ステップS3)。例えば、洗浄剤供給ポンプ62の移送能力(単位時間あたりの移送量)の情報が制御装置104に予め登録されており、制御装置104はこの情報に基づいて、目標量Xの洗浄剤が貯留部14に投入されるように洗浄剤供給ポンプ62を稼働させる。
【0052】
その後、制御装置104は、今回記録保持した測定値情報Vに基づいて測定投入量Yを求める(ステップS4)。この測定投入量Yは、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始前における重量計103の測定結果と、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止後における重量計103との測定結果との差であり、重量計103によって測定された洗浄剤の投入量に相当する。
【0053】
次に制御装置104は、測定投入量Yと目標量Xの差が所定の許容範囲内に収まっているか否かを判別する(ステップS5)。なお、測定投入量Yが目標量Xよりも大きい場合は、その分、洗浄剤の実際の投入量が過多であり、測定投入量Yが目標量Xよりも小さい場合は、その分、洗浄剤の実際の投入量が過少であったということになる。測定投入量Yと目標量Xの差が許容範囲内に収まっていない場合には(ステップS5のNo)、今回の洗浄処理において洗浄剤の投入量が適正ではなかったとみなし、制御装置104は、警告発報動作を実施する(ステップS6)。
【0054】
この警告発報動作は、今回の洗浄処理において洗浄剤の投入量が適正ではなかったことをユーザに知らせる動作であり、例えば、警告音声の出力または警告画面の表示等により実現可能である。これによりユーザは、洗浄剤の投入量が適正ではなかったことを直ちに認知し、洗浄処理のやり直し等の然るべき措置をとることができる。警告発報動作(ステップS6)の実施後、或いは、測定投入量Yと目標量Xの差が許容範囲内に収まっていた場合には(ステップS5のYes)、今回の洗浄処理における洗浄剤の投入および投入量の監視に関する一連の動作は終了する。
【0055】
なお先述した測定投入量Yを求める動作(ステップS4)について、本実施形態では、重量計103の測定誤差の影響を極力排除して、精度の高い測定投入量Yが求められるように配慮されている。
【0056】
より具体的に説明すると、制御装置104は、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始前における重量計103の複数回分(例えば、重量計103の10秒間の測定回数分)の測定値の平均値である第1平均値A1と、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始後における重量計103の複数回分(例えば、重量計103の10秒間の測定回数分)の測定値の平均値である第2平均値A2との差(=A1-A2)を、測定投入量Yとして算出する。
【0057】
このように、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始前における重量計103の測定結果として第1平均値A1を採用することにより、例えば当該稼働開始前における1点の測定値を採用する場合に比べ、何らかの要因による重量計103の測定誤差の影響を低減させることが可能である。また同様に、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始後における重量計103の測定結果として第2平均値A2を採用することにより、例えば当該稼働開始後における1点の測定値を採用する場合に比べ、何らかの要因による重量計103の測定誤差の影響を低減させることが可能である。
【0058】
また、洗浄剤供給ポンプ62が稼働する際には、洗浄剤供給ポンプ62の吸引・吐出動作に伴う脈動等に起因する振動がホース61を介してタンクTKに伝わり、タンクTKも振動する。そしてこのタンクTKの振動は、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止直後も残存しており、このときの重量計103の測定値には、比較的大きな測定誤差が含まれると想定される。
【0059】
そこで本実施形態では、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止時から所定時間Sb(重量計103の測定の時間間隔Txよりも長い時間であり、例えば5秒)を経過した後における重量計103の複数回分の測定値の平均値を、第2平均値A2とする。すなわち、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止時から所定時間Sbが経過する前までの測定値については、測定投入量Yを求める際に考慮しないこととする。これにより、タンクTKの振動による測定誤差の影響を抑えることが可能である。なお所定時間Sbは、タンクTKの振動が収まり十分に正確な測定値を得ることが可能となる時間として、過不足の無い時間に設定されることが望ましい。
【0060】
また本実施形態では、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始直前においても、重量計103の測定値に比較的大きな測定誤差が含まれる可能性があることを考慮し、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始直前の所定時間Sa(重量計103の測定の時間間隔Txよりも長い時間であり、例えば5秒)の前における重量計103の複数回分の測定値の平均値を、第1平均値A1とする。すなわち、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始直前の所定時間Sa分の測定値については、測定投入量Yを求める際に考慮しないこととする。
【0061】
上述した測定投入量Yの求め方について、より理解容易とするため具体例を挙げて以下に説明する。図6は、洗浄剤の投入前後における測定値情報Vに関するグラフを例示しており、横軸は時間を表し、縦軸は測定値(測定値情報Vの値)を表している。図6のグラフにおいて、タイミングTaは洗浄剤供給ポンプ62の稼働を開始したタイミングを表し、タイミングTbは洗浄剤供給ポンプ62の稼働を停止したタイミングを表す。図6の着色領域は、洗浄剤供給ポンプ62が稼働している期間を示す。
【0062】
重量計103の測定値情報Vの記録動作(ステップS1)の実施により、制御装置104には、図6のグラフに示す時間間隔Tx(1秒間隔)での測定値情報Vが記録保持されている。制御装置104は、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止時Tbから所定時間Sbを経過した後における、重量計103の複数回分の測定値の平均値(図6に示す情報群Dqの値の平均値)を、第2平均値A2とする。なお、洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止直後の所定時間Sbにおける測定値(図6に示す情報群Dbの値)は考慮しない。
【0063】
また制御装置104は、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始時Ta直前の所定時間Saよりも前における、重量計103の複数回分の測定値の平均値(図6に示す情報群Dpの値の平均値)を、第1平均値A1とする。なお、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始直前の時間Saにおける測定値(図6に示す情報群Daの値)は考慮しない。そして制御装置104は、第1平均値A1と第2平均値A2との差(=A1-A2)を測定投入量Yとして算出する。これにより制御装置104は、重量計103の測定誤差の影響を極力排除して、精度の高い測定投入量Yを求めることが可能である。
【0064】
以上に説明したとおり、本実施形態に係る洗浄システム100は、医療器具が収容される洗浄器1と、洗浄剤が入ったタンクTK(容器の一形態)の重量を測定する重量計103と、洗浄剤供給ポンプ62を稼働させてタンクTKから洗浄器1へ洗浄剤を投入する洗浄剤投入装置102と、を備え、洗浄器1において当該投入された洗浄剤を用いて医療器具を洗浄するシステムとなっている。更に洗浄システム100は、洗浄剤供給ポンプ62の稼働開始前における重量計103の測定結果と洗浄剤供給ポンプ62の稼働停止後における重量計103の測定結果との差である測定投入量Yを求める。
【0065】
そのため洗浄システム100によれば、医療器具の洗浄に用いる洗浄剤の投入量を非接触で高精度に測定することが可能となっている。すなわち洗浄システム100によれば、洗浄剤が入ったタンクTKを重量計103に乗せておき、洗浄剤の投入量を非接触で測定することが可能であるため、洗浄剤の性状(酸性、アルカリ性など)に関わらず安全に当該投入量の測定を安全に行うことができる。
【0066】
また先に説明したように、例えば最大で約2,000gの測定レンジに対応可能としながらも、測定誤差の大きさが測定レンジの0.05%以下である測定器が要求される。このような高精度な測定は、流量計や液面計等を投入量の測定器に用いる方法では実現が難しいが、本実施形態のように重量計を投入量の測定器に用いる方法であれば比較的容易に実現可能である。
【0067】
また洗浄システム100において、洗浄剤投入装置102は、予め指定された量を目標量Xとして洗浄剤を洗浄器1へ投入するものであって、制御装置104は、測定投入量Yと目標量Xとの差が許容範囲内Fに収まっているか否かを判別する(ステップS5)。更に洗浄システム100は、制御装置104により、当該判別の結果に応じた動作制御がなされる(ステップS6)。
【0068】
そのため洗浄システム100によれば、今回の洗浄処理において洗浄剤の投入量が適正であったか否かに応じて、適切な動作を実行することが可能である。なお本実施形態では、当該判別の結果に応じた動作制御として、警告発報動作(ステップS6)を実施させる制御が行われるようにしているが、その他の動作制御が行われるようにしても良い。例えば当該動作制御として、測定投入量Yと目標量Xとの差が許容範囲内Fに収まっていない場合に、洗浄器1の動作を停止させる制御、洗浄処理のやり直しを実施させる制御、或いは、洗浄剤の不足分(目標量Xと測定投入量Yの差に相当する洗浄剤)を追加投入させる制御が行われるようにしても良い。
【0069】
また洗浄システム100において重量計103に特に要求されることは、洗浄器1への洗浄剤の投入前後において、タンクTKの重量変化(投入量に対応する重量)を正確に測定できることである。なお、重量変化を正確に測定することが重要であり、測定される重量の絶対値の誤差(零点のずれ)は基本的に大きな問題とはならない。
【0070】
ここで、重量計103の構成要素のうち特にロードセル72および回路基板73の温度が変化すると、重量計103の測定値の変動を招く虞がある。そのため重量計103は、少なくとも洗浄器1側への洗浄剤の投入前後において、ロードセル72および回路基板73の温度変化が極力生じないように構成することが極めて重要である。
【0071】
そこで重量計103は、上側の支持部材74から受ける荷重に応じた信号Sxを出力するロードセル72と、上側にタンクTKがセットされる外装部品76と、を備えるように構成され、支持部材74は、外装部品76よりも熱伝導率の低いスペーサ75を介して、外装部品76を上側に支持するように構成している。これにより、外部に露出して比較的温度が変化し易くなっている外装部品76の温度の影響が、支持部材74側に及ぶことを極力回避し、支持部材74の下側に配置されたロードセル72の温度変化を抑えることが可能である。
【0072】
更に支持部材74は上面にスペーサ75が配置された板状の部材であり、重量計103は、支持部材74の下方におけるロードセル72の側方に回路基板73を備えた構成としている。このように支持部材74を板状とし、回路基板73も支持部材74の下側に配置したことにより、外装部品76の温度の影響による回路基板73の温度変化も抑えることが可能である。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0074】
1 洗浄器
2 洗浄槽
2A 上壁
2B 側壁
2C 下壁
2D 貯留壁
2E 底壁
3 洗浄ノズル
4 給水装置
5 排出装置
7 循環装置
8 第1ヒータ
9 送風機
10 第2ヒータ
14 貯留部
15 ジャケット
16 通路
17 開口
18 支持アーム
19 給水路
20 逆止弁
21 給水弁
22 排液路
23 排液弁
27 吸込管
28 循環ポンプ
29 吐出管
30 給蒸路
31 給蒸弁
32 ドレン排出路
33 蒸気トラップ
34 逆止弁
35 フィルタ
36 空気吐出路
37 第1給気路
38 第2給気路
39 給気弁
40 排気路
41 超音波振動子
61 ホース
62 洗浄剤供給ポンプ
100 洗浄システム100
101 洗浄器
102 洗浄剤投入装置
103 重量計
104 制御装置
TK タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6