(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136812
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】口座振替管理装置、口座振替管理方法及び口座振替管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048071
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波多野 一樹
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA32
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】カスタマイズを行うことなく、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応する。
【解決手段】口座振替管理装置は、制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置であって、記憶部は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、請求方法が単月請求か併徴請求かを債権ごとに示す情報を含む請求方法データとを記憶し、制御部は、任意設定データに基づいて、債権ごとに任意設定が無効か否かを判定し、任意設定が無効であると判定した場合、請求方法データに基づいて、請求方法が単月請求か併徴請求かを判定し、請求方法の判定結果に基づいて、債権ごとに請求額を算出し、算出結果に基づいて、顧客に対する請求額を設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置であって、
前記記憶部は、
任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、
請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データと
を記憶し、
前記制御部は、
前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定し、
前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定し、
前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出し、
算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定する
口座振替管理装置。
【請求項2】
前記請求方法データは、前記請求額から預り金を差し引く設定か否かを示す預り金差し引きフラグを含み、
前記制御部は、前記請求方法の判定において、前記預り金差し引きフラグに基づいて、前記請求額から預り金を差し引く設定か否かを更に判定する
請求項1に記載の口座振替管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記債権ごとに請求を行う債権個別か、顧客ごとに前記債権の請求額を合算する顧客合算かの請求単位を示す口座振替管理マスタを記憶し、
前記制御部は、前記債権ごとに前記請求額を算出した場合、前記口座振替管理マスタに基づいて、前記請求単位が前記債権個別か前記顧客合算かを判定し、
前記請求単位の判定結果に基づいて、前記顧客に対する前記請求額を設定する
請求項1に記載の口座振替管理装置。
【請求項4】
前記任意設定データは、任意請求額の情報を含み、
前記制御部は、前記任意設定が有効であると判定した場合、前記任意設定データの前記任意請求額に基づいて、前記顧客に対する前記請求額を設定する
請求項1に記載の口座振替管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記顧客に対する前記請求額を設定した場合、前記顧客と前記請求額とを対応付けた口座振替依頼ファイルを生成し、生成した前記口座振替依頼ファイルを出力する
請求項1に記載の口座振替管理装置。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置で実行される口座振替管理方法であって、
前記記憶部は、
任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、
請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データと
を記憶し、
前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定するステップと、
前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定するステップと、
前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出するステップと、
算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定するステップと
を前記制御部が行う
口座振替管理方法。
【請求項7】
制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置に実行させる口座振替管理プログラムであって、
前記記憶部は、
任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、
請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データと
を記憶し、
前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定する処理と、
前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定する処理と、
前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出する処理と、
算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定する処理と
を前記制御部に実行させる
口座振替管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座振替管理装置、口座振替管理方法及び口座振替管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事業者における商品販売代金等についての未収金発生によるリスク及び収納代行業者への回収依頼に伴うコストを低減する口座振替管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような口座振替管理装置では、取り扱う商品の性質、各社での運用の方法等に応じて、各種態様で口座振替が行われる。そのため、例えば商品の性質や運用の方法等に応じて、口座振替管理装置のカスタマイズが必要となる場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、カスタマイズを行うことなく、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応が可能な口座振替管理装置、口座振替管理方法及び口座振替管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る口座振替管理装置は、制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置であって、前記記憶部は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データとを記憶し、前記制御部は、前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定し、前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定し、前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出し、算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定する。
【0007】
また、本発明に係る口座振替管理方法は、制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置で実行される口座振替管理方法であって、前記記憶部は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データとを記憶し、前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定するステップと、前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定するステップと、前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出するステップと、算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定するステップとを前記制御部が行う。
【0008】
また、本発明に係る口座振替管理プログラムは、制御部及び記憶部を備えた口座振替管理装置に実行させる口座振替管理プログラムであって、前記記憶部は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む任意設定データと、請求方法が単月請求か併徴請求かを前記債権ごとに示す情報を含む請求方法データとを記憶し、前記任意設定データに基づいて、前記債権ごとに前記任意設定が無効か否かを判定する処理と、前記任意設定が無効であると判定した場合、前記請求方法データに基づいて、前記請求方法が前記単月請求か前記併徴請求かを判定する処理と、前記請求方法の判定結果に基づいて、前記債権ごとに請求額を算出する処理と、算出結果に基づいて、顧客に対する前記請求額を設定する処理とを前記制御部に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、カスタマイズを行うことなく、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る口座振替管理装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、口座振替管理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、記憶部に記憶される各種マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、口座振替管理装置における操作画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、回収予定データ及び回収実績データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、取引履歴データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、口座振替管理装置における操作画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、口座振替管理装置における操作画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、口座振替依頼データ及び口座振替依頼顧客合算データの生成処理におけるデータの流れの一例を模式的に示した図である。
【
図11】
図11は、口座振替依頼ファイルの生成処理におけるデータの流れの一例を模式的に示した図である。
【
図12】
図12は、口座振替管理装置における操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る口座振替管理装置、口座振替管理方法及び口座振替管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
[1.構成]
本実施形態に係る口座振替管理装置の構成の一例について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る口座振替管理装置は、金融業界等の債権回収業務や、各種事業者の債権回収業務等を行う場合に用いられる。このような債権管理、債権回収においては、取り扱う商品の性質や各社での運用の方法等に応じて、様々な態様、様々な請求額での口座振替が行われる。
図1は、本実施形態に係る口座振替管理装置100の一例を示すブロック図である。
図1に示す口座振替管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、口座振替管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0013】
口座振替管理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。口座振替管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0014】
制御部102は、口座振替管理装置100を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等である。制御部102は、情報処理として、記憶部106に記憶された各種データに基づいて処理を実行する。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102の具体的な処理内容については、後述する。
【0015】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、口座振替管理装置100をそれぞれネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、口座振替管理装置100と他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。また、ネットワーク300は、口座振替管理装置100と、サーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有してもよい。この場合、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0016】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0017】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0018】
記憶部106は、商品マスタ10、口座振替委託先マスタ11、口座振替管理マスタ12、回収方法マスタ13、口座振替請求方法マスタ14の各種マスタを記憶する。また、記憶部106は、債権顧客紐付けデータ20、債権情報データ21、顧客銀行口座データ22、請求方法データ23、回収予定データ24、回収実績データ25、取引履歴データ26、口座振替金額任意設定データ27、口座振替依頼データ28、口座振替依頼顧客合算データ29の各データを記憶する。また、記憶部106は、口座振替依頼ファイル30を記憶する。記憶部106の各種マスタ、各種データ及びファイルについては、以下の処理の具体例において併せて説明する。
【0019】
[2.処理の具体例]
次に、口座振替管理装置100において、制御部102が実行する処理の具体例について、詳細に説明する。
図2は、口座振替管理装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0020】
<マスタ設定(事前設定)>
制御部102は、入力装置112からの入力に基づいて各種マスタを設定し、記憶部106に記憶させる(ステップS101)。
【0021】
図3は、記憶部106に記憶される各種マスタの一例を示す図である。
図3に示すように、商品マスタ10は、商品情報を示すデータである。商品マスタ10は、商品の識別番号を示す商品コードと、商品の名称を示す商品名と、口座振替の委託先の識別番号を示す口座振替委託先コードと、口座振替の請求時に請求額から預り金を差し引くか否かを示す口座振替預り金差し引きフラグと、口座振替の請求方法が単月請求か併徴請求かを示す口座振替請求方法コードと、を含む。ここで、口座振替委託先コード、口座振替預り金差し引きフラグ及び口座振替請求方法コードは、後述する請求方法登録における初期表示用の設定項目である。なお、各項目は、商品単位で設定が決まるが、債権単位でも変更可能である。
【0022】
口座振替委託先マスタ11は、口座振替委託先コードと口座振替委託者の名称とを対応付けるデータである。
【0023】
口座振替管理マスタ12は、上記した口座振替委託先コードと、商品の約定日と、請求単位が債権個別か顧客合算かを示す請求単位コードと、を含む。
【0024】
回収方法マスタ13は、回収方法コードと、回収方法の名称とを対応付けるデータである。本実施形態では、例えば回収方法コード1に対応する回収方法名が口座振替と設定され、回収方法コード2に対応する回収方法名が振込と設定され、回収方法コード3に対応する回収方法名が天引きと設定される。
【0025】
口座振替請求方法マスタ14は、口座振替請求方法の識別番号を示す口座振替請求方法コードと、口座振替請求方法の名称とを対応付けるデータである。口座振替請求方法コード1の場合、単月請求と設定される。口座振替請求方法コード2の場合、併徴請求と設定される。
【0026】
<申込入力、請求方法登録>
各種マスタを登録した後、例えば住宅ローン等のような口座振替の対象となる取引の申込入力を行う。申込入力では、入力装置112により、例えば口座振替の管理を行う対象となる債権、顧客(債務者)、顧客の銀行口座等を入力する。申込入力において、制御部102は、入力装置112からの入力に基づいて債権顧客紐づけデータ20、債権情報データ21及び顧客銀行口座データ22を生成し、記憶部106に記憶させる(ステップS102)。
【0027】
図4は、記憶部106に記憶されるデータの一例を示す図である。
図4には、債権顧客紐付けデータ20、債権情報データ21及び顧客銀行口座データ22を示している。
図4には、各データの関係について簡易ER図を用いて示している。
図4において、主キーをPK、外部参照キーをFKで示している。
【0028】
図4に示すように、債権顧客紐付けデータ20は、債権と顧客(債務者)との紐づけ情報を管理する。債権顧客紐付けデータ20は、債権の識別番号を示す債権番号と、顧客の識別番号を示す顧客番号とを含む。
【0029】
債権情報データ21は、債権の情報(商品コードなど)を管理する。債権情報データ21は、債権の識別番号を示す債権番号と、顧客の識別番号を示す顧客番号とを含む。
【0030】
顧客銀行口座データ22は、顧客の銀行口座の情報を管理する。顧客銀行口座データ22は、顧客番号と、銀行の識別番号を示す銀行番号と、銀行における支店の識別番号を示す視点番号と、預金の種目を示す預金種目と、顧客の口座番号を示す口座番号と、口座の名義人の名前とを含む。
【0031】
申込入力の後、請求方法登録を行う。
図5は、口座振替管理装置100における操作画面の一例を示す図である。なお、
図5では、操作画面と、当該操作画面での操作に関連するデータとを対応付けて示している。
【0032】
図5に示すように、制御部102は、口座振替管理装置100において請求方法登録を行う場合、モニタ114に操作画面F1を表示する。操作画面F1には、例えば債権番号、回収方法コード、口座振替委託先コード、口座振替預り金差し引きフラグ、口座振替請求方法コード等の入力欄が表示される。制御部102は、キーボード112等により債権番号が入力された場合、当該債権番号に対応する回収方法コード、口座振替委託先コード、口座振替預り金差し引きフラグ、口座振替請求方法コードを各種マスタから参照し、自動で入力する。
【0033】
例えば、制御部102は、回収方法コードマスタで設定されるコード値を回収方法コードとして入力する。制御部102は、回収方法コードとして1(口座振替)が指定された場合、口座振替委託先コード、口座振替預り金差し引きフラグ、口座振替請求方法コードを設定可能とする。
【0034】
新規に請求方法を登録する場合、制御部102は、口座振替委託先コードについて、商品マスタ10の口座振替委託先コードを初期表示とする。その後、制御部102は、口座振替委託先マスタ11を参照して、口座振替委託先コードを設定する。
【0035】
また、新規に請求方法を登録する場合、制御部102は、口座振替預り金差し引きフラグについて、商品マスタ10の口座振替預り金差し引きフラグを初期表示とする。制御部102は、預り金を差引きする場合はチェックON(true)にし、預り金を差引きしない場合はチェックをOFF(false)にする。
【0036】
また、新規に請求方法を登録する場合、制御部102は、口座振替請求方法コードについて、商品マスタ10の口座振替請求方法コードを初期表示とする。その後、制御部102は、口座振替請求方法マスタ14を参照して、口座振替請求方法コードを設定する。口座振替請求方法コードは、単月請求の場合には0、併徴請求の場合には1とする。上記各項目が入力された後、マウス112等により操作画面F1の登録のボタンが選択された場合、制御部102は、入力事項に基づいて、請求方法データ23を生成する(ステップS103)。
図5では、請求方法データ23のうち、債権番号1000000001に対応するデータを生成する場合の例を示している。上記同様の処理を行うことにより、債権番号1000000002以降についても同様に生成することができる。
【0037】
<取引開始>
請求方法登録が行われた後、顧客との間の契約に基づいて、例えば債権の回収計画が設定され、当該回収計画に基づいて顧客から口座振替による入金等が行われる。この場合、制御部102は、回収計画に基づいて回収の予定を管理する回収予定データ24、回収予定に対する回収の実績を管理する回収実績データ25を生成する(ステップS104)。また、制御部102は、実行、回収、預り金計上等の取引の履歴を管理する取引履歴データ26を生成する(ステップS104)。
【0038】
図6は、回収予定データ24及び回収実績データ25の一例を示す図である。
図7は、取引履歴データ26の一例を示す図である。
図7には、回収予定データ24、回収実績データ25及び取引履歴データ26と、債権顧客紐付けデータ20との関係について、簡易ER図を用いて示している。
図7において、主キーをPK、外部参照キーをFKで示している。
【0039】
なお、
図6及び
図7を含む以降の例では、2023年2月1日時点でのデータを示しており、2022年12月15日に債権番号1000000001から1000000012の融資契約が実行され、第1回の回収予定日が2023年1月26日であり、第2回の回収予定日が2023年2月27日である場合について示している。
【0040】
図6に示すように、回収予定データ24は、債権番号に対応して、回収シーケンス(回収SEQ)、回収シーケンス、回収年月、回収日、回収額、元金、利息及び手数料等の各種項目が設定される。回収予定データ24では、回収シーケンスごとに、回収年月、回収日、回収額、元金、利息及び手数料等の値が入力される。
【0041】
回収実績データ25は、回収予定データ24の回収シーケンスに対応して設定される。回収実績データ25は、債権番号、回収シーケンス、取引シーケンス、回収日、回収額等の各項目が設定される。回収実績データ25の各項目には、回収シーケンスにおいて回収の実績があった場合に、回収実績に応じた値が入力される。回収実績データ25のうち各項目の値が空欄になっている部分は、未回収の状態を示している。
【0042】
例えば、
図6に示す回収実績データ25では、債権番号1000000001の回収シーケンス1に対応する分(2023年1月分)、債権番号1000000004の回収シーケンス1に対応する分(2023年1月分)、債権番号1000000010の回収シーケンス1に対応する分(2023年1月分)、債権番号1000000012の回収シーケンス1に対応する分(2023年1月分)が、それぞれ未回収であることを示している。
【0043】
また、
図7に示すように、取引履歴データ26は、取引シーケンス、取引種別コード、取引日、融資金額、回収額、繰越預り金等の各項目が設定される。取引種別コードについては、例えば契約実行を1、回収を2、預り金計上を3で示している。取引履歴データ26の各項目には、取引シーケンスにおいて取引があった場合に、取引内容に応じた値が入力される。取引履歴データ26のうち各項目の値が空欄になっている部分は、取引が行われていない状態を示している。
【0044】
<任意設定>
本実施形態に係る口座振替管理装置100においては、取引が開始された後、任意のタイミングで口座振替の金額を設定(任意設定)することができる。
図8は、口座振替管理装置100における操作画面の一例を示す図である。なお、
図8では、操作画面と、当該操作画面での操作に関連するデータとを対応付けて示している。
【0045】
図8に示すように、制御部102は、口座振替管理装置100において任意設定を行う場合(ステップS105のYes)、モニタ114に操作画面F2を表示する。操作画面F2には、例えば債権番号、任意請求方法コード、指定年月、計算基準日、任意請求額の各入力欄が表示される。任意請求方法コードについては、指定月のみの場合には0、指定年月以降毎回の場合には1とする。また、操作画面F2には、計算基準日時点での請求金額が表示される。制御部102は、キーボード112等により債権番号、任意請求方法コード、指定年月、計算基準日が入力された場合、各種マスタ及びデータを参照して計算基準日時点の請求金額を算出し、操作画面F2に表示する。制御部102は、任意請求額が入力され、登録のボタンが選択された場合、口座振替金額任意設定データ27を生成し、記憶部106に記憶させる(ステップS106)。なお、制御部102は、任意設定を行わない場合(ステップS105のNo)、ステップS106をスキップする。
【0046】
<口座振替依頼>
口座振替を行う場合、口座振替管理装置100は、所定期間ごと(例えば月次)で口座振替依頼データ28及び口座振替依頼顧客合算データ29を委託先向けに生成する。
図9は、口座振替管理装置100における操作画面F3の一例を示す図である。なお、
図9では、操作画面F3と、当該操作画面での操作に関連するデータとを対応付けて示している。
【0047】
図9に示すように、制御部102は、口座振替管理装置100において口座振替依頼データ28を生成する場合、モニタ114に操作画面F3を表示する。操作画面F3には、例えば依頼年月、口座振替委託先コード等の入力欄が表示される。制御部102は、キーボード112等により依頼年月、口座振替委託先コードが入力され、登録ボタンが選択された場合(ステップS107のYes)、該当する月の各種データに基づいて、口座振替依頼データ28を生成する。
【0048】
口座振替依頼データ28を生成する処理において、制御部102は、債権ごとに任意設定が有効であるか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、制御部102は、口座振替金額任意設定データ27を参照する。ステップS108において、口座振替金額任意設定データ27の任意請求方法コードが0(指定月のみ)でありかつ指定年月が次回の口座振替の月となるデータが存在する場合、制御部102は、口座振替金額任意設定データ27の任意設定請求額の金額を請求額として設定し、口座振替依頼データ28を生成又は更新する。また、口座振替金額任意設定データ27の任意請求方法コードが1(指定年月以降毎回)でありかつ指定年月≦次回以降の月となるデータが存在する場合、制御部102は、口座振替金額任意設定データ27の任意設定請求額の金額を請求額として設定し、口座振替依頼データ28を生成又は更新する。
【0049】
口座振替金額任意設定データ27は、
図8に示すように、債権番号と、任意請求方法コードと、指定年月と、任意請求額とを含む。なお、
図8の例では、上記したように、2023年2月1日時点でのデータである。また、第1回の回収予定日が2023年1月26日であり、第2回の回収予定日が2023年2月27日である。
【0050】
このため、口座振替金額任意設定データ27のうち、例えば債権番号1000000009のデータについては、指定年月が2023年1月であり、任意請求方法コードが0(指定月のみ)であるため、既に実行された口座振替について設定したものとなっている。従って、制御部102は、当該設定については、無効であると判定することができる。
【0051】
また、例えば債権番号1000000010のデータについては、指定年月が2023年1月であり、任意請求方法コードが1(指定年月以降毎回)であるため、既に実行された2023年1月の口座振替と、未実行の2023年2月以降の口座振替との両方について設定したものとなっている。従って、制御部102は、当該データについては、2023年1月の設定については無効であると判定し、2023年2月以降の設定については有効であると判定することができる。
【0052】
また、例えば債権番号1000000011のデータについては、指定年月が2023年2月であり、任意請求方法コードが0(指定月のみ)であるため、未実行の2023年2のみについて設定したものとなっている。従って、制御部102は、当該データについては有効であると判定することができる。
【0053】
また、例えば債権番号1000000012のデータについては、指定年月が2023年3月であり、任意請求方法コードが1(指定年月以降毎回)であるため、未実行の2023年3月以降の口座振替について設定したものとなっている。従って、制御部102は、当該データについては、2023年2月の設定については無効であると判定し、2023年3月以降の設定については有効であると判定することができる。
【0054】
任意設定が有効と判定した場合(ステップS108のYes)、制御部102は、口座振替金額任意設定データ27の任意設定請求額を請求額として設定する(ステップS109)。
【0055】
一方、任意設定が無効と判定した場合(ステップS108のNo)、制御部102は、請求方法データ、回収予定データ、回収実績データ、取引履歴データ及び口座振替管理マスタの各データを参照して請求額を算出する(ステップS110)。
【0056】
ステップS110において、制御部102は、預り金差引き前の請求額を算出する。請求方法データ23の口座振替請求方法コードが0(単月請求)の場合、制御部102は、回収予定データ24の回収年月が次回の口座振替の月となる回収予定データ24を取得し、回収予定データ24の回収額の金額を預り金差引き前の請求額とする。また、請求方法データ23の口座振替請求方法コードが1(併徴請求)の場合、制御部102は、回収予定データ24の回収年月≦次回の口座振替の月となる回収予定データ24と、当該回収予定データ24に対して、回収実績データ25の債権番号が回収予定データ24の債権番号と同一でありかつ回収実績データ25の回収シーケンスが回収予定データ24の回収シーケンスと同一となる回収実績データ25と、を取得する。この場合、制御部102は、回収予定データ24の回収額の合計金額から回収実績データ25の回収額の合計金額を減算し、遅延損害金(口座振替依頼日時点の金額)を加算した金額を預り金差引き前の請求額とする。
【0057】
預り金差引き前の請求額を算出した後、制御部102は、預り金差引きを行い、請求額を設定し、口座振替依頼データ28を生成する(ステップS111)。制御部102は、口座振替依頼データ28を生成した後、顧客合算を行うか否かを判定し(ステップS112)、顧客合算を行う場合には(ステップS112のYes)、口座振替依頼顧客合算データ29を生成する(ステップS113)。また、顧客合算を行う場合には(ステップS112のNo)、制御部102は、ステップS113をスキップする。以下、ステップS111及びステップS113について説明する。
図10は、口座振替依頼データ28及び口座振替依頼顧客合算データ29の生成処理におけるデータの流れの一例を模式的に示した図である。
【0058】
ステップS111について、請求方法データ23の口座振替預り金差引きフラグがtrue(有り)の場合、制御部102は、預り金差引き前の請求額から取引履歴データ26の繰越預り金(債権番号ごとに取引履歴シーケンスが最大となるデータ)を減算して算出した金額を請求額として設定し、口座振替依頼データ28を生成又は更新し、口座振替依頼データ28を生成し、記憶部106に記憶又は更新する。また、請求方法データ23の口座振替預り金差引きフラグがfalse(無し)の場合、制御部102は、預り金差引き前の請求額の金額を請求額として設定し、口座振替依頼データ28を生成し、記憶部106に記憶又は更新する。
【0059】
ステップS112について、制御部102は、口座振替管理マスタ12を参照し、口座振替管理マスタ12の口座振替委託先コードが操作画面F3に表示される口座振替委託先コードとなるレコードを取得する。口座振替管理マスタ12の請求単位コードが0(債権個別)である場合(ステップS112のNo)、制御部102は、口座振替依頼顧客合算データを更新しない。一方、口座振替管理マスタ12の請求単位コードが1(顧客合算)である場合(ステップS112のYes)、制御部102は、口座振替依頼データ28の債権顧客紐付けデータ20を参照して債権単位から顧客単位に集計を行い、口座振替依頼顧客合算データ29を生成し、記憶部106に記憶又は更新する(ステップS113)。
【0060】
図9に示す各債権について具体的に説明する。
債権番号1000000001で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年2月分のみ、当該債権について個別の請求となる。未回収分が存在するが、単月請求のため請求には含まない。この場合、請求額は10900円となる。
【0061】
債権番号1000000002で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年2月分のみ、当該債権について個別の請求となる。未回収分は存在しない。この場合、請求額は21800円となる。
【0062】
債権番号1000000003で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年2月分のみ、当該債権について個別の請求となり、預り金の差引を行った金額となる。この場合、請求額は31900円(32700円-繰越預かり金800円)となる。
【0063】
債権番号1000000004で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年1月分と2月分とを請求し、当該債権について個別の請求となる。この場合、請求額は88600円(1月分44000円+1月分遅延損害金1000円+2月分43600円-繰越預り金0円)となる。
【0064】
債権番号1000000005で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが1(顧客合算)である。この場合、2023年2月分のみ、顧客において合算した請求となる。この場合、請求額は54500円となる。
【0065】
債権番号1000000006で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが1(顧客合算)である。この場合、2023年2月分のみ、顧客において合算した請求となる。未回収分は存在しない。この場合、請求額は65400円となる。
【0066】
なお、債権番号1000000005、1000000006の2つの債権については、口座振替管理マスタ12の請求単位コードが1(顧客合算)のデータである。したがって、顧客単位で合算し、口座振替依頼顧客合算データ29を作成する。具体的には、顧客番号2000000003の顧客であり、合算請求額が119900円(54500円+65400円)である。
【0067】
債権番号1000000007で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが1(顧客合算)である。この場合、2023年2月分のみ、顧客において合算した請求となり、預り金の差引を行った金額となる。この場合、請求額は75900円(76300円-繰越預かり金400円)となる。
【0068】
債権番号1000000008で指定される債権については、任意設定が無しであり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが1(顧客合算)である。この場合、2023年2月分のみ、顧客において合算した請求となる。未回収分は存在しない。この場合、請求額は86900円(87200円-繰越預り金300円)となる。
【0069】
なお、債権番号1000000007、1000000008の2つの債権については、口座振替管理マスタ12の請求単位コードが1(顧客合算)のデータである。したがって、顧客単位で合算し、口座振替依頼顧客合算データ29を作成する。具体的には、顧客番号2000000004の顧客であり、合算請求額が162800円(75900円+86900円)である。
【0070】
債権番号1000000009で指定される債権については、任意設定が有り(無効)であり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年2月分のみ、当該債権について個別の請求となる。この場合、請求額は98100円となる。
【0071】
債権番号1000000010で指定される債権については、任意設定が有り(有効)であり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがfalse(無し)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、口座振替請求方法コード、口座振替預り金差引きフラグの設定に依らず、口座振替金額任意設定データ27の任意請求額となる。この場合、請求額は200000円となる。
【0072】
債権番号1000000011で指定される債権については、任意設定が有り(有効)であり、請求方法コードが0(単月請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、口座振替請求方法コード、口座振替預り金差引きフラグの設定に依らず、口座振替金額任意設定データ27の任意請求額となる。この場合、請求額は150000円となる。
【0073】
債権番号1000000012で指定される債権については、任意設定が有り(無効)であり、請求方法コードが1(併徴請求)であり、口座振替預り金差し引きフラグがtrue(有り)であり、請求単位コードが0(債権個別)である。この場合、2023年1月分と2月分とを請求し、当該債権について個別の請求となる。この場合、請求額は261800円(1月分132000円+1月分遅延損害金1000円+2月分130800円-繰越預り金2000円)となる。
【0074】
口座振替依頼データ28及び口座振替依頼顧客合算データ29を生成した後、制御部102は、口座振替依頼ファイル30を生成する(ステップS114)。
図11は、口座振替依頼ファイル30の生成処理におけるデータの流れの一例を模式的に示した図である。ステップS114において、制御部102は、口座振替依頼データ28及び口座振替依頼顧客合算データ29の作成で固めたデータに基づいて、口座振替依頼ファイル30を生成して出力する。
【0075】
図12は、口座振替管理装置100における操作画面F4の一例を示す図である。なお、
図12では、操作画面F4と、当該操作画面での操作に関連するデータとを対応付けて示している。
図12に示すように、制御部102は、口座振替管理装置100において口座振替依頼ファイル30を生成する場合、モニタ114に操作画面F4を表示する。操作画面F4には、例えば依頼年月、口座振替委託先コード等の入力欄が表示される。制御部102は、キーボード112等により依頼年月、口座振替委託先コードが入力され、登録ボタンが選択された場合、該当する月の各種データに基づいて、口座振替依頼ファイル30を生成する。
【0076】
ステップS114において、制御部102は、口座振替管理マスタ12を参照し、口座振替管理マスタの口座振替委託先コードが操作画面F4の口座振替委託先コードとなるレコードを取得する。口座振替管理マスタ12の請求単位コードが0(債権個別)の場合、制御部102は、口座振替依頼データ28に基づいて、口座振替依頼ファイル30を生成して出力する。また、口座振替管理マスタ12の請求単位コードが1(顧客合算)の場合、制御部102は、口座振替依頼顧客合算データ29に基づいて、口座振替依頼ファイル30を生成して出力する。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る口座振替管理装置100は、制御部102及び記憶部106を備えた口座振替管理装置100であって、記憶部106は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む口座振替金額任意設定データ27と、請求方法が単月請求か併徴請求かを債権ごとに示す情報を含む請求方法データ23とを記憶し、制御部102は、口座振替金額任意設定データ27に基づいて、債権ごとに任意設定が無効か否かを判定し、任意設定が無効であると判定した場合、請求方法データ23に基づいて、請求方法が単月請求か併徴請求かを判定し、請求方法の判定結果に基づいて、債権ごとに請求額を算出し、算出結果に基づいて、顧客に対する請求額を設定する。
【0078】
また、本実施形態に係る口座振替管理方法は、制御部102及び記憶部106を備えた口座振替管理装置100で実行される口座振替管理方法であって、記憶部106は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む口座振替金額任意設定データ27と、請求方法が単月請求か併徴請求かを債権ごとに示す情報を含む請求方法データ23とを記憶し、口座振替金額任意設定データ27に基づいて、債権ごとに任意設定が無効か否かを判定するステップと、任意設定が無効であると判定した場合、請求方法データ23に基づいて、請求方法が単月請求か併徴請求かを判定するステップと、請求方法の判定結果に基づいて、債権ごとに請求額を算出するステップと、算出結果に基づいて、顧客に対する請求額を設定するステップとを制御部102が行う。
【0079】
また、本実施形態に係る口座振替管理プログラムは、制御部102及び記憶部106を備えた口座振替管理装置100に実行させる口座振替管理プログラムであって、記憶部106は、任意のタイミングで請求を行う任意設定が有効か無効かを債権ごとに示す情報を含む口座振替金額任意設定データ27と、請求方法が単月請求か併徴請求かを債権ごとに示す情報を含む請求方法データ23とを記憶し、口座振替金額任意設定データ27に基づいて、債権ごとに任意設定が無効か否かを判定する処理と、任意設定が無効であると判定した場合、請求方法データ23に基づいて、請求方法が単月請求か併徴請求かを判定する処理と、請求方法の判定結果に基づいて、債権ごとに請求額を算出する処理と、算出結果に基づいて、顧客に対する請求額を設定する処理とを制御部102に実行させる。
【0080】
本実施形態によれば、請求方法データ23に基づいて請求方法が単月請求か併徴請求かを判定し、請求方法の判定結果に基づいて債権ごとに請求額を算出し、算出結果に基づいて顧客に対する請求額を設定するため、カスタマイズを行うことなく、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応が可能となる。
【0081】
本実施形態に係る口座振替管理装置100において、請求方法データ23は、請求額から預り金を差し引く設定か否かを示す預り金差し引きフラグを含み、制御部102は、請求方法の判定において、預り金差し引きフラグに基づいて、請求額から預り金を差し引く設定か否かを更に判定する。この構成によれば、請求額から預り金を差し引く設定か否かに応じて請求額を設定できるため、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応が可能となる。
【0082】
本実施形態に係る口座振替管理装置100において、記憶部106は、債権ごとに請求を行う債権個別か、顧客ごとに債権の請求額を合算する顧客合算かの請求単位を示す口座振替管理マスタ12を記憶し、制御部102は、債権ごとに請求額を算出した場合、口座振替管理マスタ12に基づいて、請求単位が債権個別か顧客合算かを判定し、請求単位の判定結果に基づいて、顧客に対する請求額を設定する。この構成によれば、債権ごとに請求を行う債権個別か、顧客ごとに債権の請求額を合算する顧客合算かに応じて請求額を設定できるため、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応が可能となる。
【0083】
本実施形態に係る口座振替管理装置100において、口座振替金額任意設定データ27は、任意請求額の情報を含み、制御部102は、任意設定が有効であると判定した場合、口座振替金額任意設定データ27の任意請求額に基づいて、顧客に対する請求額を設定する。この構成によれば、任意設定に応じて請求額を設定できるため、商品の性質や運用の方法等に応じて柔軟に対応が可能となる。
【0084】
本実施形態に係る口座振替管理装置100において、制御部102は、顧客に対する請求額を設定した場合、顧客と請求額とを対応付けた口座振替依頼ファイル30を生成し、生成した口座振替依頼ファイル30を出力する。この構成によれば、口座振替の依頼を円滑に行うことができる。
【0085】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0088】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0089】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、口座振替管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0092】
例えば、口座振替管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて口座振替管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0093】
また、このコンピュータプログラムは、口座振替管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0095】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0097】
また、口座振替管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、口座振替管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、金融業等において、債権回収業務や、各種事業者の債権回収業務等を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0100】
F1,F2,F3,F4 操作画面
10 商品マスタ
11 口座振替委託先マスタ
12 口座振替管理マスタ
13 回収方法マスタ
14 口座振替請求方法マスタ
20 債権顧客紐付けデータ,データ
21 債権情報データ
22 顧客銀行口座データ
23 請求方法データ
24 回収予定データ
25 回収実績データ
26 取引履歴データ
27 口座振替金額任意設定データ
28 口座振替依頼データ
29 口座振替依頼顧客合算データ
30 口座振替依頼ファイル
100 口座振替管理装置
102 制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク