IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立国際電気の特許一覧

<>
  • 特開-映像監視システム 図1
  • 特開-映像監視システム 図2
  • 特開-映像監視システム 図3
  • 特開-映像監視システム 図4
  • 特開-映像監視システム 図5
  • 特開-映像監視システム 図6
  • 特開-映像監視システム 図7
  • 特開-映像監視システム 図8
  • 特開-映像監視システム 図9
  • 特開-映像監視システム 図10
  • 特開-映像監視システム 図11
  • 特開-映像監視システム 図12
  • 特開-映像監視システム 図13
  • 特開-映像監視システム 図14
  • 特開-映像監視システム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136814
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】映像監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240927BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20240927BHJP
   H04N 21/23 20110101ALI20240927BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/66
H04N21/23
H04N21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048073
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小宮 佑一郎
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA11
5C122EA01
5C122EA63
5C122GA18
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA01
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB09
5C122HB10
5C164FA07
5C164SB41P
5C164SB46P
5C164YA24
5C164YA25
(57)【要約】
【課題】本発明では、無線伝送リソースを制御することによって、録画映像欠損を抑制する映像監視システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の映像監視システムの一つは、前記映像監視システムは、撮像装置において記録された録画映像を無線通信を介して受信する録画装置と、前記無線通信のリソースを制御する通信リソース制御装置と、前記撮像装置と前記録画装置の間の映像配信を制御する映像配信制御装置と、を含み、前記録画装置は、前記無線伝送を通じて取得した前記録画映像について、前記録画映像が欠損した状態である録画欠損の状態を検知し、前記通信リソース制御装置は、前記撮像装置と前記録画装置との間の前記無線通信の通信品質を取得し、前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記録画装置の録画映像配信の制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像監視システムであって、
前記映像監視システムは、撮像装置において記録された録画映像を無線通信を介して受信する録画装置と、前記無線通信のリソースを制御する通信リソース制御装置と、前記撮像装置と前記録画装置の間の映像配信を制御する映像配信制御装置と、を含み、
前記録画装置は、前記無線伝送を通じて取得した前記録画映像について、前記録画映像が欠損した状態である録画欠損の状態を検知し、
前記通信リソース制御装置は、前記撮像装置と前記録画装置との間の前記無線通信の通信品質を取得し、
前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記録画装置の録画映像配信の制御を行う、
映像監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像監視システムであって、前記通信リソース制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記撮像装置と録画装置の間のリソース制御を行う、映像監視システム。
【請求項3】
請求項1に記載の映像監視システムであって、前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて、前記録画映像を取得する際のデータ速度の情報を設定する、映像監視システム。
【請求項4】
請求項1に記載の映像監視システムであって、
前記録画装置は、前記録画映像を所定のデータ単位に切り分けし連続性を示す指標を付して記録し、前記連続性を検出することによって前記録画欠損の状態を検知する、映像監視システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像監視システムに関し、特に、監視カメラの映像を無線通信により伝送し、その映像を録画装置に記録するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術である「第5世代移動通信システム(以下、5G)」は次世代の通信インフラとして社会に大きな技術革新をもたらすと考えられている。5Gは「高速大容量」、「低遅延」、「多数同時接続」という3つの特徴を有しており、今まで有線で実現されてきたシステムの無線化や、今までになかったソリューションの実現の可能性がある。
【0003】
施設の安心・安全を確保するための映像監視システムにおいても、5Gなどの無線通信を活用することにより新しい価値の創出が期待できる。まず、考えられるのが無線通信による監視映像の伝送である。無線通信による監視映像の伝送により、配線という制限によらない映像監視の実現が可能となる。
【0004】
しかしながら、無線伝送には有線伝送と比較して不安定であるという欠点がある。無線伝送は、無線端末の移動や周囲の環境変化によって通信の品質が一時的に悪くなる場合がある。そのため、確実な映像伝送が求められるシステムの無線化では、通信品質の安定化が課題となる。
【0005】
一方、無線通信による監視映像の伝送を行うシステムにおいて、監視カメラ自体に映像を記録する機能を持たせることが従来から検討されている。
例えば、特許文献1は、センサと撮像装置との対応関係の自由度を高めることができると共に、監視映像を送信する際のトラフィックの増大を抑えることができる監視映像管理システムを開示している。特許文献1に開示される監視映像管理システムは、複数の撮像装置30と複数のセンサとを映像ネットワーク11で接続し、それぞれの撮像装置30は、監視映像記憶部33を有し、撮像した監視映像を監視映像記憶部33に順次記録していき、最新の監視映像を格納するための空き領域が監視映像記憶部33内に無くなった場合に、最新の監視映像を最も古い監視映像に上書きし、センサからの出力を受信したときに、予め格納しているセンサの識別情報と一致する場合は、監視映像の監視映像記憶部33への記録を停止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4732965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
映像監視システムの役割の一つは、監視カメラの映像を録画することにより、施設の状況を記録することである。このようなシステムでは、施設内に配置された監視カメラの映像を一箇所又は複数箇所に配置された録画装置に集約することが多い。このシステムにおいて、無線通信による監視映像の伝送を行えば配線による制限を受けない映像監視が可能となる一方で、前述したとおり録画映像の欠損が課題となる。
【0008】
録画映像の欠損を避けるために、特許文献1に示されるように、監視カメラ自体に映像を記録する機能を持たせることも考えられる。しかし、施設内に多く存在する監視カメラのそれぞれに、大容量の録画を行う機能を持たせることは、システムコストや情報管理の観点から好ましくない。一般的に、監視カメラの録画容量は、専用の録画装置と比べて小さいため、限られた期間の映像しか記録しておくことはできない。
【0009】
録画映像の欠損を避けるために、例えば監視映像の伝送を複数の異なる周波数を用いた冗長通信で行うことにより、無線伝送の信頼性を向上させることも考えられる。しかし、それを行った場合は冗長通信に対応したシステムを構築する必要があり、システムコストが増大する。
【0010】
そこで、本発明では、無線伝送リソースを制御することによって、録画映像欠損を抑制する映像監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明の映像監視システムの一つは、前記映像監視システムは、撮像装置において記録された録画映像を無線通信を介して受信する録画装置と、前記無線通信のリソースを制御する通信リソース制御装置と、前記撮像装置と前記録画装置の間の映像配信を制御する映像配信制御装置と、を含み、前記録画装置は、前記無線伝送を通じて取得した前記録画映像について、前記録画映像が欠損した状態である録画欠損の状態を検知し、前記通信リソース制御装置は、前記撮像装置と前記録画装置との間の前記無線通信の通信品質を取得し、前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記録画装置の録画映像配信の制御を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無線伝送リソースを制御することによって、録画映像欠損を抑制する映像監視システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態における映像監視システムのブロック図である。
図2図2は、撮像装置のブロック図である。
図3図3は、無線伝送ネットワークのブロック図である。
図4図4は、録画装置のブロック図である。
図5図5は、映像配信制御装置のブロック図である。
図6図6は、録画映像配信制御部の判定方法の一例を示す図である。
図7図7は、通信リソース制御装置のブロック図である。
図8図8は、通信リソース制御部の制御方法の一例を示す図である。
図9図9は、映像監視システムのシーケンスチャートを示す図である。
図10図10は、録画部に記憶される録画映像のデータの一例を示す。
図11図11は、録画状態情報の一例を示す図である。
図12図12は、通信状態情報の一例を示す図である。
図13図13は、通信リソース制御情報の一例を示す図である。
図14図14は、録画映像配信制御情報の一例を示す図である。
図15図15は、第2実施形態における映像監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、この発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0015】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0016】
[第1実施形態]
(映像監視システム)
図1は、第1実施形態における映像監視システムのブロック図である。映像監視システム1は、複数の撮像装置100~100(Nは正の整数)と、映像や情報を伝送する撮像装置側伝送部110aおよび録画装置側伝送部110bと、撮像装置から取得した映像を記録する録画装置111と、録画映像が各撮像装置から取得する映像の量を制御する映像配信制御装置112と、各撮像装置に対する無線伝送リソースを制御する通信リソース制御装置113、を含む。なお、複数の撮像装置100~100のうちのひとつの撮像装置を特定せずに指す場合、撮像装置100(nは1以上N以下の整数)ともいう。
【0017】
(撮像装置の構成)
図2は、撮像装置100のブロック図である。撮像装置100は、撮影手段である撮像部201と、撮像部201が撮影した映像を配信するライブ映像配信部202と、撮像部201が撮影した映像を記録する録画部203と、録画部に記録された映像を配信する録画映像配信部204を含む。
【0018】
撮像部201は、撮影した映像をライブ映像配信部202と録画映像配信部204に受け渡す。撮像部201が生成する映像のデータにはタイムスタンプが付与される。
【0019】
ライブ映像配信部202は、撮像部201から取得した映像をライブ映像LVとして録画装置111に配信する。
【0020】
録画部203は、撮像部201から取得した映像を記録する。映像は時系列に保存され、録画部203の容量が限度に達した場合は、古い映像から順に上書きで記録される。
【0021】
録画映像配信部204は、録画装置111の要求に応じて、録画部203に記録された映像である録画映像RVを録画装置111に配信する。録画映像RVは時刻と期間を指定して取得することが可能である。録画映像配信部204は、映像に付与されたタイムスタンプの情報をもとに、指定された期間の録画映像RVを録画部203より取得し、録画装置111に配信する。
【0022】
(無線ネットワークの構成)
図3は、無線伝送ネットワーク110のブロック図である。無線伝送ネットワーク110は、撮像装置側伝送部110aと、無線伝送区間110cと、録画装置側伝送部110bを含む。撮像装置側伝送部110aは、通信手段である複数の端末側無線通信部300~300を含む。録画装置側伝送部110bは、通信手段である中央側無線通信部311と、端末側無線通信部300~300と中央側無線通信部311との間の通信状態示す通信状態情報TSを提供する通信状態提供部312と、端末側無線通信部と中央側無線通信部311との間の通信方式を制御する通信方式制御部313を含む。端末側無線通信部300~300と中央側無線通信部311との間は無線伝送区間110cによって接続される。無線伝送は有線伝送と比較して不安定であるため、無線伝送区間110cにおける情報の伝送に欠損が発生する場合がある。
【0023】
端末側無線通信部300~300は、それぞれ撮像装置100~100と対応付けられている。端末側無線通信部300~300は、対応する撮像装置100~100の情報の送受を中央側無線通信部311との間で行う。端末側無線通信部300~300は、通信リソースの消費量の異なる複数の通信方式に対応しているものとする。なお、撮像装置100~100から端末側無線通信部300~300へ送られる情報には、ライブ映像LVおよび録画映像RVが含まれる。端末側無線通信部300~300から撮像装置100~100へ送られる情報には、録画映像RVの期間を指定する情報が含まれる。
【0024】
なお、本開示においては、端末側無線通信部300~300は、それぞれ撮像装置100~100と対応付けられている構成を示すが、構成はこれに限定されない。端末側無線通信部と撮像装置が1対1の関係になくともよく、複数の撮像装置の映像情報を1台の端末側無線通信部から送信する構成としてもよい。
【0025】
中央側無線通信部311は、各撮像装置100~100と中央側(録画装置側)の間の情報の送受を端末側無線通信部300~300との間で行う。中央側無線通信部311と端末側無線通信部300~300との間の通信方式は、通信リソースの消費量の異なる複数の通信方式から個別に設定することが可能である。中央側無線通信部311は、通信方式制御部313の制御に基づいて通信方式の切り替えを行う。また、中央側無線通信部311は、中央側無線通信部311と各端末側無線通信部300~300との間の通信状態を検出する機能を有する。
【0026】
通信状態提供部312は、中央側無線通信部311にアクセスして、中央側無線通信部311と各端末側無線通信部300~300との間の通信状態の情報を取得して、通信状態を示す情報である通信状態情報TSを後述する通信状態判定部502に提供する。通信状態情報TSには、電波強度や利用できる周波数帯域など、通信できるデータ量を表す情報が含まれる。
【0027】
通信方式制御部313は、後述する通信リソース制御部603から受ける通信リソース制御情報RCSに応じて、中央側無線通信部311と各端末側無線通信部300~300との間の通信方式を制御する。通信方式には、例えば各端末側無線通信部300~300が用いる周波数帯域の量など、有限であるが通信できるデータ量に影響を与えるものがある。
【0028】
通信リソースの割り当てには様々な方法を適用できる。例えば、周波数帯域のチャネルを通信リソースとして扱いチャネルを束ねて用いてスループットを向上させる方法(チャネルボンディング)、データ単位を通信リソースとして扱い複数パケットをまとめて送る方法(フレームアグリゲーション)、端末側通信部のアンテナを通信リソースとし扱い複数のアンテナを用いる方法(MIMO(Multi Input Multi Output))等を適用することも可能である。
【0029】
なお、後述する通信リソース制御部603の制御において、「通信リソースを+1とする」等の表現を用いる。これは、通信リソースとして適用した対象の増減を示す単位を設定し、1単位だけ増やすことを意味する。例えば、通信リソースとしてチャネルを設定し5チャネルを1単位とした場合、+1は5チャネルをさらに割り当てることを示す。-1とした場合には5チャネルを除くことを指す。チャネルに限定されるものではなく、通信リソースとする対象および増減させる場合の単位は、システムに応じて適宜設定し得る。
【0030】
(録画装置の構成)
図4は、録画装置111のブロック図である。録画装置111は、撮像装置100において記録された録画映像RVを無線通信を介して受信する。また、録画装置111は、無線伝送を通じて取得した録画映像について、録画映像が欠損した状態である録画欠損の状態を検知する。録画装置111はライブ映像LVを受信するライブ映像受信部401と、撮像装置100~100の録画映像RVを取得する録画映像取得部402と、ライブ映像LVおよび録画映像RVを記録する録画部403と、録画部403に記録された映像の欠損を検出する録画欠損検出部404、を含む。
【0031】
ライブ映像受信部401は、撮像装置100~100が配信したライブ映像LVを受信し、録画部403に提供する。
【0032】
録画映像取得部402は、後述する映像配信制御装置112の録画映像配信制御部503から取得する録画映像配信制御信号DCSの情報をもとに、撮像装置100~100の録画映像RVを取得し、録画部403に提供する。録画映像配信制御信号DCSには、録画映像RVを取得する対象の撮像装置100~100と、撮像装置100~100から取得する録画映像RVの時刻情報、撮像装置100~100から録画映像RVを取得する際のデータ速度の情報が含まれる。ライブ映像RVは撮像装置100~100が撮像したタイミングでデータが生成されるのに対して、録画映像RVのデータは撮像装置100~100に既に記録されたものである。ライブ映像LVより大きいデータ速度での取得や、ライブ映像LVより小さいデータ速度での取得が可能である。
【0033】
録画部403は、ライブ映像受信部401と録画映像取得部402から提供された映像を記録する。録画部403は、映像に付与された撮像装置のタイムスタンプをもとに時系列で記録する。録画欠損が生じて録画映像RVに抜けが生じた場合であっても、その映像を録画するための領域を確保する。後に欠損した部分の映像が提供された場合、録画欠損したデータの補完が可能である。
【0034】
録画欠損検出部404は、録画部403に記録された、各撮像装置100~100に対応する映像の欠損の状態を検出する。録画欠損検出部404は、各撮像装置100~100に対する録画欠損が起きた時刻の情報を、録画状態情報RSとして提供する。
【0035】
(映像配信制御装置の構成)
図5は、映像配信制御装置112のブロック図である。映像配信制御装置112は、撮像装置100~100と録画装置111の間の映像配信を制御する。前記映像配信制御装置は、録画欠損の状態と通信品質に基づいて録画装置111の録画映像配信の制御を行う。映像配信制御装置112は、各撮像装置100~100にする録画映像RVの状態を判定する録画状態判定部501と、各撮像装置100~100に対する通信状態を判定する通信状態判定部502と、録画対象となる録画映像RVを選定する録画映像配信制御部503、から構成される。
【0036】
録画状態判定部501は、録画装置111から取得した録画状態情報RSから、各撮像装置100~100の録画状態を判定する。録画状態は、各撮像装置100~100の録画映像RVの録画欠損がどの程度発生しているかを表すものである。例えば、以下のように録画状態をレベルで表す。
<録画状態のレベル>
レベル1:録画欠損なし
レベル2:録画欠損発生(小)
レベル3:録画欠損発生(中)
レベル4:録画欠損発生(大)
【0037】
上記の例ではレベルが高いほど録画欠損が多く発生していることを表し、早い段階で撮像装置100に記録された録画映像を録画装置111で取得しなければ、継続的に録画欠損が生じる可能性が高いことを表す。
【0038】
なお、録画欠損の評価方法については、本開示は上記方法に限定されない。録画欠損のレベルは、例えば録画欠損が起きている期間の総時間fと、現在時刻と録画欠損が生じている最も過去の時刻である録画欠損時間gとの差分の情報から算出した評価値である録画状態評価値に閾値を設けて評価することにより定める。撮像装置100の録画状態評価値RSvnは、次の式(1)のようにあらわすことができる。
【0039】
【数1】
【0040】
閾値の設定としては、例えば、録画状態評価値が0以上A未満である場合はレベル1、録画状態評価値がA以上B未満である場合はレベル2、録画状態評価値がB以上C未満である場合はレベル3、録画状態評価値がC以上である場合はレベル4とする。
【0041】
なお、レベルを4段階に設定しているが、本開示はこれに限定されない。撮像装置100~100における記録容量、映像監視システム1において利用可能な通信リソースの上限、録画欠損の発生頻度および録画欠損の程度等に基づいてレベルの段階を設定することも可能である。
【0042】
また、録画状態評価値はこれに限定されない。例えば、指定した期間の録画映像RVに関して、フレーム欠損率が5%未満の場合はレベル1、フレーム欠損率が5%以上10%未満の場合はレベル2、フレーム欠損率が10%以上20%未満の場合はレベル3、フレーム欠損率が20%以上の場合はレベル4、というように評価値を設定することも可能である。
【0043】
通信状態判定部502は、通信状態提供部312から取得した通信状態情報TSを用いて、各撮像装置100~100の通信状態を判定する。通信状態は、各撮像装置100~100に対してどの程度のデータ速度での通信が行えるかを表すものである。例えば、以下のように通信状態をレベルで表す。
【0044】
<通信状態のレベル>
レベル1:通信不可(ライブ映像の伝送も行えない)
レベル2:通信レベル小(ライブ映像の伝送ならば問題無い)
レベル3:通信レベル中(ライブ映像の伝送に加え録画映像も低速度で取得可能)
レベル4:通信レベル高(ライブ映像の伝送に加え録画映像を高速度で取得可能)
【0045】
上記の例ではレベルが高いほど、通信状態が良いことを示しており、その撮像装置に対しては高いデータ速度での通信が可能なことを表す。
【0046】
通信状態のレベルは、例えば各撮像装置100~100に対応した端末側無線通信部300~300と中央側無線通信部311との間に割り当て在られたp(pは1以上の整数)個のチャネル分の電波強度の和から算出したキャパシティ値を、端末側無線通信部300~300と中央側無線通信部311との間通信状態を示す通信状態評価値を閾値を設けて評価することにより定める。例えば、撮像装置100と端末側無線通信部300の間の通信状態評価値TSvnは、次の式(2)のようにあらわすことができる。
【0047】
【数2】
【0048】
閾値の設定としては、例えば、通信状態評価値が0以上a未満である場合はレベル1、通信状態評価値がa以上b未満である場合はレベル2、通信状態評価値がb以上c未満である場合はレベル3、通信状態評価値がc以上である場合はレベル4とする。
【0049】
なお、レベルを4段階に設定しているが、本開示はこれに限定されない。撮像装置100~100と端末側無線通信部300~300の間の通信方式、ライブ映像LVおよび録画映像RVのファイル形式等に基づいてレベルの段階を設定することも可能である。
【0050】
また、通信状態評価値に通信強度(dBm)を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、スループット(bps)などの他の指標を用いて通信状態を評価することも可能である。
【0051】
録画映像配信制御部503は、録画状態判定部501が判定した録画状態の情報(録画状態評価値RSv等)と、通信状態判定部502が判定した通信状態の情報(通信状態評価値TSv等)から、録画映像配信の制御を行う。
【0052】
図6は、録画映像配信制御部503の判定方法の一例を示す図である。横軸が通信状態評価値vを示し、縦軸が録画状態評価値RSvを示す。マス目の中には、録画映像配信制御部503が行う録画映像配信の設定が示されている。例えば、通信状態評価値TSvがレベル1でありかつ録画状態評価値RSvがレベル1の場合、録画映像配信制御部503は、評価対象となった撮像装置の録画映像を取得しないという設定をする。また、通信状態評価値TSvがレベル3でありかつ録画状態評価値RSvがレベル2の場合、録画映像配信制御部503は、評価対象となった撮像装置100の録画映像を低速の通信方式を採用して取得するという設定をする。また、通信状態評価値TSvがレベル4でありかつ録画状態評価値RSvがレベル3の場合、録画映像配信制御部503は、評価対象となった撮像装置の録画映像を高速の通信方式を採用して取得するという設定をする。
【0053】
例えば、図6に示すマトリクスに各撮像装置100~100を当てはめることにより、録画映像RVの取得対象の撮像装置100に設定するデータ速度を定めることができる。また、録画映像配信制御部503は、無線伝送ネットワーク110における制約等で録画映像RVを収集できる量に制限がある場合は、録画状態のレベルが高いものを優先して録画映像RVの取得を行うよう制御する。
【0054】
録画映像配信制御部503は、録画映像配信制御情報DCSを録画装置111に送ることによって、録画映像の配信を制御する。録画映像配信制御部503は、録画状態評価値RSvおよび通信状態評価値TSvに基づいて、録画映像RVを取得する対象の撮像装置100~100と、撮像装置100~100から取得する録画映像RVの時刻情報、撮像装置100~100から録画映像RVを取得する際のデータ速度の情報を設定し、録画映像配信制御情報DCSとして、録画装置111に送る。
【0055】
図7は、通信リソース制御装置113のブロック図である。通信リソース制御装置113は、撮像装置100~100の録画映像の欠損状態と、撮像装置100~100と録画装置111との間の無線通信の通信品質を取得する。そして、取得した録画映像の欠損状態と通信品質に基づいて、無線通信のリソースを制御する。通信リソース制御装置113は、各撮像装置100~100にする録画映像RV~RVの状態を判定する録画状態判定部601と、各撮像装置100~100に対する通信状態を判定する通信状態判定部602と、通信リソースの制御を行う通信リソース制御部603、から構成される。
【0056】
録画状態判定部601は、録画状態判定部501と共通の構成を有する。録画状態判定部601は、録画状態評価値RSvnを算出する。
【0057】
通信状態判定部602は、通信状態判定部502と共通の構成を有する。通信状態判定部602は、通信状態評価値TSvnを算出する。
【0058】
通信リソース制御部603は、録画状態判定部601が判定した録画状態の情報(RSv等)と、通信状態判定部602が判定した通信状態の情報(TSv等)から、各撮像装置100~100に対する通信リソースの制御を行う。
【0059】
図8は、通信リソース制御部603の制御方法の一例を示す図である。横軸が通信状態評価値vを示し、縦軸が録画状態評価値RSvを示す。マス目の中には、通信リソース制御部603が行う判定が示されている。例えば、通信状態評価値TSvがレベル1でありかつ録画状態評価値RSvがレベル1の場合、通信リソース制御部603は、評価対象となった撮像装置に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311と間の通信リソースを+1にするという制御をする。また、通信状態評価値TSvがレベル3でありかつ録画状態評価値RSvがレベル2の場合、通信リソース制御部603は、評価対象となった撮像装置に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311と間の通信リソースをそのまま維持するという制御をする。また、通信状態評価値TSvがレベル4でありかつ録画状態評価値RSvがレベル1の場合、通信リソース制御部603は、評価対象となった撮像装置に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311と間の通信リソースを-2するという制御をする。
【0060】
例えば、各撮像装置100~100に対する通信リソースを1~3の範囲で調整できるとした場合、図8に示すマトリクスに各撮像装置100~100を当てはまることにより、各撮像装置100~100に対する通信リソースの追加、維持、削減を決定することができる。
【0061】
また、録画状態判定部601は、無線伝送ネットワーク110における制約により、割り当てられるリソースが不足した場合は、録画状態のレベルが高い撮像装置にリソースを優先して割り当てるようにする。
【0062】
通信リソース制御装置113は通信リソース制御情報RCSを無線伝送ネットワーク110の通信方式制御部313に送ることによって、各撮像装置100~100の通信リソースの制御を行う。
【0063】
(シーケンスチャート)
図9は、映像監視システムのシーケンスチャートを示す図である。
【0064】
シーケンスチャートを説明するまえに、録画映像を説明する。図10は、録画部403に記憶される録画映像のデータの一例を示す。録画部403は、録画映像RVを所定のデータ単位に切り分けて記録する。ここでは、例えば、データID「データ1」は、撮像装置100によって撮影されたデータであり、タイムスタンプ1200001が付されている。データ1からデータ4はタイムスタンプごとに切り分けされている。また、「データ3」はタイムスタンプが示されていない。これは、本来、タイムスタンプ1200003が付されるべきデータが検出されておらず、欠損があることを示している。録画部403は、本来データ3が録画されるべき領域には、録画領域を確保している。
【0065】
なお、録画部403における録画の方法はこれに限定されない。本開示ではタイムスタンプごとに切り分ける例を示したが、同一のタイムスタンプを付して切り分けされてもよい。記録されるデータの連続性が示されかつ連続性が途切れたことから欠損を確認できるものであれば、タイムスタンプ以外の指標が用いられてもよい。録画の方法は適宜設定し得る。
【0066】
最初に、録画装置111は、録画映像の欠損を検出する(ステップS1)。録画装置111は、録画映像を所定のデータ単位に切り分けし連続性を示す指標を付して記録し、記連続性を検出することによって録画欠損の状態を検知する。具体的には、録画欠損検出部404は、各撮像装置100~100に対応する映像の欠損の状態を検出する。図10に示されるように、録画部403に録画されたデータの連続性を検出することによって、連続性が欠けている箇所に欠損が生じていることを検出することができる。
【0067】
続いて、録画欠損検出部404は、各撮像装置100~100に対する録画欠損が起きた時刻の情報(本開示においてはタイムスタンプを示す情報)を、録画状態情報RSとして提供する(ステップS2)。
【0068】
図11は、録画状態情報SRの一例を示す図である。ここでは、x、y、zを1以上N以下の整数とする。図11に示されるように、例えば撮像装置100から送られた録画映像について、録画映像の欠損が発生した欠損期間は、開始xxx000011から終了XX000091まで、および開始XXX001000から終了XXX0020000までにある、ことが示されている。また、撮像装置100から送られた録画映像について、欠損期間は、開始XXX001000から終了XXX002000までにある。また、撮像装置100から送られた録画映像について、欠損期間は、開始XXX000010からXXX000100まで、開始XXX002010から終了XXX005000まで、開始XXX0080010から終了XXX0090010まで、ある。
【0069】
続いて、無線伝送ネットワーク110において、通信状態情報TSが通信リソース制御装置113に送られる(ステップS3)。具体的には、録画装置側伝送部110bの通信状態提供部312は、中央側無線通信部311と各端末側無線通信部300~300との間の通信状態の情報を取得して、通信状態情報TSを通信リソース制御装置113の通信状態判定部502に提供する。
【0070】
図12は、通信状態情報TSの一例を示す図である。ここでは、スループットを用いて通信状態が評価されており、任意単位としている。スループットは、電波強度を用いて算出することが可能である。図12に示されるように、撮像装置100に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311との間のスループットは100、撮像装置100に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311との間のスループットは20、撮像装置100に対応する端末側無線通信部と中央側無線通信部311との間のスループットは100、である。なお、通信状態情報TSに含まれる情報はこれに限定されない。例えば、通信状態情報TSには、電波強度や利用できる周波数帯域など、通信できるデータ量を表す情報が含まれていてもよい。
【0071】
通信リソース制御装置113は、録画装置111から取得した録画状態情報RSおよび無線伝送ネットワーク110から取得した通信状態情報TSに基づいて、通信リソースの制御を行う(ステップS4)。続いて、通信リソース制御装置113は、無線伝送ネットワーク110に通信リソース制御情報RCSを送る(ステップS5)。通信リソース制御装置113は、録画欠損の状態と通信品質に基づいて各撮像装置100~100と録画装置111の間のリソース制御を行う。具体的には、具体的には、通信リソース制御装置113の通信リソース制御部603は、録画状態判定部601が判定した録画状態の情報(RSvn等)と、通信状態判定部502が判定した通信状態の情報(TSvn等)から、各撮像装置100~100に対する通信リソースの制御を行う。
【0072】
図13は、通信リソース制御情報RCSの一例を示す図である。通信リソース制御情報RCSは、通信リソース制御装置113の通信リソース制御部603から無線伝送ネットワーク110の通信方式制御部313へ送られる。図13において、撮像装置100の通信リソース量を1に設定することが示されている。また、撮像装置100の通信リソース量は3に設定することが示されている。また、撮像装置100の通信リソース量は2とすることが示されている。
【0073】
なお、通信リソース制御装置113は、通信リソースの制御について、録画状態の情報および通信状態の情報の他の情報に基づいて、通信リソースの制御を行うことも可能である。例えば、撮像装置100~100のうち、優先順位を設けて通信リソースを制御することも可能である。これによって、映像監視システムにおいて通信リソースには上限があるところ、優先順位の高い撮像装置100と録画装置111の間に、優先的に通信リソースを分配することが可能となる。
【0074】
無線伝送ネットワーク110において、通信方式の制御が行われる(ステップS6)。具体的には、録画装置側伝送部110bの通信方式制御部313は、後述する通信リソース制御部603から受ける通信リソース制御情報RCSに応じて、中央側無線通信部311と各端末側無線通信部300~300との間の通信方式を制御する。例えば、中央側無線通信部311は、端末側無線通信部300~300に対して、それぞれ通信方式を指定する。端末側無線通信部300~300は、指定された通信方式に従って映像の送信を行う。本開示においては、通信リソース制御情報RCSに示される通信リソース量となるように、通信リソースの増減が行われる。
【0075】
録画装置111は、映像配信制御装置112に録画状態情報RSを送る(ステップS7)。具体的には、録画装置111の録画欠損検出部404は、各撮像装置100~100に対応する映像の欠損の状態を検出し、各撮像装置100~100に対する録画欠損が起きた時刻の情報を、録画状態情報RSとして映像配信制御装置112の録画状態判定部501へ提供する。
【0076】
また、無線伝送ネットワーク110において、通信状態情報TSが映像配信制御装置112に送られる(ステップS8)。具体的には、録画装置側伝送部110bの通信状態提供部312は、通信状態情報TSを映像配信制御装置112の通信状態判定部502へ提供する。
【0077】
映像配信制御装置112は、録画映像は芯の制御を行う(ステップS9)。具体的には、映像配信制御装置112の録画映像配信制御部503は、録画状態判定部501が判定した録画状態の情報(録画状態評価値RSv等)と、通信状態判定部502が判定した通信状態の情報(通信状態評価値TSv等)から、録画映像配信の制御を行う。
【0078】
映像配信制御装置112は、録画装置111に録画映像配信制御情報DCSを送る(ステップS10)。映像配信制御装置112は、録画欠損の状態と通信品質に基づいて、録画映像を取得する際のデータ速度の情報を設定する。具体的には、映像配信制御装置112の録画映像配信制御部503は、録画映像配信制御情報DCSを録画装置111に送ることによって、録画映像の配信を制御する。
【0079】
図14は、録画映像配信制御情報DCSの一例を示す図である。ここでは、各撮像装置100~100に録画映像の配線を行うモードが設定されている。Mode1は、ライブ映像の意を取得する設定である。Mode2は、ライブ映像の取得および欠損部分の録画映像を低速の通信方式で取得する設定である。Mode3は、ライブ映像の取得および欠損部分の録画映像を高速の通信方式で取得する設定である。このように、録画映像配信制御情報DCSには、各撮像装置100~100の通信方式の設定方法が含まれる。
【0080】
なお、欠損部分の録画映像の取得は、撮像装置100の通常の録画機能および端末側無線通信部の通常の送信機能を用いることによって可能である。また、欠損部分の録画映像の通信方式を指定しているが、ライブ映像の通信方式を指定することとしてもよい。
【0081】
録画装置111は、録画映像設定の変更をする(ステップS11)。具体的には、録画装置111の録画映像取得部402は、録画映像配信制御信号DCSの情報をもとに、撮像装置100~100の録画映像RVを取得し、録画部403に提供する。
【0082】
以上ステップS1からステップS11が、映像監視システム1におけるシーケンスである。映像監視システム1は、一定期間が経過したのち、ステップS1からステップS11を繰り返す。一定期間とは、例えば所定の時間であってもよいし、撮像装置100~100のうちの所定数の撮像装置から録画映像を受信する期間としてもよい。一定期間は適宜設定し得る。
【0083】
なお、シーケンスチャートは一例であり、本開示はこれに限定されない。ステップS1からステップS11は順序を適宜設定することも可能である。また、例えば、ステップS2の録画状態情報RSおよびステップS7の録画状態情報RSは共通の情報であるから、ステップS2とステップS7は同時にまたは連続して行うことも可能である。ステップS3およびステップS8の通信状態情報TSは共通の情報であるから、ステップS1とステップS11は同時にまたは連続して行うことも可能である。
【0084】
(作用・効果)
本開示によれば、録画配信における録画状態情報および通信状態情報を用いて通信リソースを制御することによって、各撮像装置100~100の映像配信を制御することが可能となる。各撮像装置100~100と録画装置の間の通信状態に合わせてデータ速度を設定することができるため、録画映像の欠損が生じることを抑制することができる。
【0085】
また、例えば、通信状態が良好な箇所では通信リソースを節約しながらライブ映像を配信し、一方、通信状態が貧弱な箇所では通信リソースの割り当てを追加してライブ映像を配信することができる。これによって、視認可能な品質のライブ映像を可能な範囲で多くの撮像装置から取得することができ、映像監視システムとしての監視機能を発揮することが可能となる。
【0086】
以上、本開示によれば、限られた監視カメラの記録容量と、限られた無線伝送リソースがある状況においても、無線伝送リソースを制御することによって、録画映像欠損を抑制することができる。
【0087】
[第2実施形態]
第2実施形態は、映像配信制御情報DCSおよび通信リソース制御情報RCSを1つの機能ブロックにおいて生成する点で、第1実施形態と異なる。以下の説明において、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0088】
図15は、第2実施形態における映像監視システム1Aのブロック図である。第1実施形態における映像監視システム1との違いは、映像配信・通信リソース制御装置1110の構成である。映像配信・通信リソース制御装置1110は、録画状態判定部1111、通信状態判定部1112、録画映像配信制御部1113、通信リソース制御部1114を備える。
【0089】
録画状態判定部1111は、録画状態情報RSに基づいて録画映像状態評価値RSvを算出し、録画映像配信制御部1113および通信リソース制御部1114へ送る。また、通信状態判定部1112は、通信状態情報TSに基づいて通信状態評価値TSvを算出し録画映像配信制御部1113および通信リソース制御部1114へ送る。
【0090】
(作用・効果)
第1実施形態と比較して、録画映像状態評価値RSvおよび通信状態評価値TSvを算出を1つの機能ブロックにおいて行う。少ない構成を実現しつつ、限られた監視カメラの記録容量と、限られた無線伝送リソースがある状況においても、無線伝送リソースを制御数ことによって、録画映像欠損を抑制した映像監視システムを提供できるという効果を奏することが可能となる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本発明はサーバやストレージ、ソフトウェア等によって構成されるが、構成はこれに限定されない。サーバやストレージのハードウエアに変えて、クラウドサービスを用いて構成することも可能である。
【0092】
[その他の態様]
本発明の内容となり得る態様を以下に述べる、ただしこれに限られるものではない。
(態様1)
映像監視システムであって、
前記映像監視システムは、撮像装置において記録された録画映像を無線通信を介して受信する録画装置と、前記無線通信のリソースを制御する通信リソース制御装置と、前記撮像装置と前記録画装置の間の映像配信を制御する映像配信制御装置と、を含み、
前記録画装置は、前記無線伝送を通じて取得した前記録画映像について、前記録画映像が欠損した状態である録画欠損の状態を検知し、
前記通信リソース制御装置は、前記撮像装置と前記録画装置との間の前記無線通信の通信品質を取得し、
前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記録画装置の録画映像配信の制御を行う、
映像監視システム。
(態様2)
態様1に記載の映像監視システムであって、前記通信リソース制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて前記撮像装置と録画装置の間のリソース制御を行う、映像監視システム。
(態様3)
態様1または2に記載の映像監視システムであって、前記映像配信制御装置は、前記録画欠損の状態と前記通信品質に基づいて、前記録画映像を取得する際のデータ速度の情報を設定する、映像監視システム。
(態様4)
態様1から3のいずれか1つに記載の映像監視システムであって、
前記録画装置は、前記録画映像を所定のデータ単位に切り分けし連続性を示す指標を付して記録し、前記連続性を検出することによって前記録画欠損の状態を検知する、映像監視システム。
【符号の説明】
【0093】
1、1A 映像監視システム、100~100 撮像装置、110 無線伝送ネットワーク、110a 撮像装置側伝送部、110b 録画装置側伝送部、110c 無線伝送区間、111 録画装置、112 映像配信制御装置、113 通信リソース制御装置、201 撮像部、202 ライブ映像配信部、203 録画部、204 録画映像配信部、300~300 端末側無線通信部、311 中央側無線通信部、312 通信状態提供部、313 通信方式制御部、401 ライブ映像受信部、402 録画映像取得部、403 録画部、404 録画欠損検出部、501 録画状態判定部、502 通信状態判定部、503 録画映像配信制御部、601 録画状態判定部、602 通信状態判定部、603 通信リソース制御部、1110 映像配信・通信リソース制御装置、1111 録画状態判定部、1112 通信状態判定部、1113 録画映像配信制御部、1114 通信リソース制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15