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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013683
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】物品収容材
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/02 20060101AFI20240125BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65D6/02
B65D25/20 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115959
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】592110808
【氏名又は名称】株式会社キラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100101524
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】吉良 伸一
(72)【発明者】
【氏名】下山 康
【テーマコード(参考)】
3E061
3E062
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061CA01
3E061CA12
3E061CA21
3E061CA22
3E062AA01
3E062CA11
3E062EA07
(57)【要約】
【課題】外枠体とともに能率的に折り畳み状態に変相できるようにする。
【解決手段】背シート部10,底シート部20,左右一対の側シート部(可動側シート部30A,一部二層側シート部30B),上シート部60,前シート部70を有する。一部二層側シート部30Bは、直角二等辺三角形状をなすサブ側シート部50がメイン側シート部40の上部に対して、その外側から自身の斜辺近傍において縫い付けられて形成されている。可動側枠部が折り畳み位置に変位しようとするのに伴って、可動側シート部30Aは上シート部60を挟んで背シート部10に沿う状態に変相しようとし、上シート部60は折り畳まれつつ背シート部10に沿う状態に変相しようとし、内側シート部41は、外側シート部51から離隔して表裏反転して、固定側枠部に沿う状態に変相しようとする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背枠部と底部と左右一対の側枠部とを有し、前記底部が前記背枠部に沿う起立姿勢に変相可能であり、前記左右一対の側枠部のうちの少なくとも一方である可動側枠部が前記背枠部に沿う折り畳み位置に変位可能な外枠体の内側に取り付けられる物品収容材であって、
前記外枠体の前記背枠部の内側に配設される背面材と、
自身の後縁部において前記背面材の下縁部に結合され、前記底部の上側に配設される底面材と、
各々自身の後縁部において前記背面材の左右の各縁部に結合され、前記左右一対の側枠部の内側に配設される左右一対の側面材と、
自身の後縁部において前記背面材の上縁部に結合された上面材と、
自身の上縁部において前記上面材の前縁部に結合され、自身の左右の各縁部において前記左右一対の側面材の前縁部に対して着脱可能に結合される前面材とを有し、
前記左右一対の側面材のうちの一方であって前記可動側枠部に対応するものが可動側面材であり、他方が一部二層側面材であり、
前記一部二層側面材のうちの少なくとも上部は、内側材及び外側材を有し、前記外側材は、前期左右一対の側枠部のうち当該一部二層側面材に対応する一部二層側面材対応側枠部に取り付けられるものであり、前記内側材のうちの少なくとも一部が前記外側材から離隔可能なものであり、
前記前面材は、前記左右一対の側面材の前縁部に対する結合が外された状態で前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するのを阻害しない非阻害位置に変位可能であり、
前記可動側面材は、前記前面材が前記非阻害位置に維持され、前記底部が前記起立姿勢に維持された状態で、前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位しようとするのに伴って、前記上面材を挟んで前記背面材に沿う可動側面材背面材沿添状態に変相しようとするものであり、
前記上面材は、自身の左右の各縁部の一方において前記可動側面材の上縁部に結合され、他方において前記内側材の上縁部に結合されており、前記可動側面材が前記可動側面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って、折り畳まれつつ前記背面材に沿う上面材背面材沿添状態に変相しようとするものであり、
前記内側材は、前記上面材が前記上面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って、少なくともその一部が、前記外側材から離隔して表裏反転して、前記一部二層側面材対応側枠部に沿う表裏反転側枠部沿添状態に変相しようとするものである、
物品収容材。
【請求項2】
請求項1に記載の物品収容材であって、
前記前面材は、前記左右一対の側面材の前縁部に対する結合が外され、前記上面材の下面及び/又は前記背面材の内面に対して着脱可能に結合されて、前記非阻害位置に維持されるものである、
物品収容材。
【請求項3】
請求項1に記載の物品収容材であって、
前記上面材は、その前記可動側面材との境界と前記背面材との境界との交点から前側に向かうとともに前記一部二層側面材の側に向かう上面材折り目を有し、前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するのに伴って前記上面材折り目において下方に凸状に折り曲げられて折り畳まれることによって前記上面材背面材沿添状態に変相するものである、
物品収容材。
【請求項4】
請求項1に記載の物品収容材であって、
前記前面材は、前記非阻害位置にある状態において前記上面材に対応する上面材重なり部が前記上面材に重なるものであり、前記上面材重なり部には前記上面材折り目に対応する上面材重なり部折り目を有し、
前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するようにされるのに伴って、前記上面材とともに、前記上面材重なり部において下方に凸状に折り曲げられて折り畳まれるつつ前記背面材に沿う前面材背面材沿添状態に変相しようとするものである、
物品収容材。
【請求項5】
請求項1に記載の物品収容材であって、
前記一部二層側面材は、前記可動側面材に対向するメイン側面材と、前記メイン側面材に対して取り付けられたサブ側面材とを有し、
前記サブ側面材によって、前記外側材及び前記内側材のうちの一方が形成され、
前記メイン側面材のうち前記サブ側面材と対向する部分によって、前記外側材及び前記内側材のうちの他方が形成されている、
物品収容材。
【請求項6】
請求項1に記載の物品収容材であって、
前記内側材は、その前記上面材との境界と前記背面材との境界との交点から前側に向かうとともに下方に向かう内側材折り目を有し、前記上面材が前記上面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って前記内側材折り目において内側に折り曲げられて前記表裏反転側枠部沿添状態に変相しようとするものである、
物品収容材。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の物品収容材であって、
前記外側材と前記内側材とは、面ファスナによって着脱可能に結合されている、
物品収容材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外枠体に取り付けられて使用される物品収容材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の物品を輸送等するために、物品収容材が使用される場合が多い。
保冷状態・保温状態を維持しつつ搬送するためには、断熱効果を有する物品収容材が使用される。
物品収容材には、種々のものがあるが、その1つとして、キャスターを有する外枠体の内側に取り付けられて使用されるものがある。
外枠体は、背枠部,左右一対の側枠部,底部を有している。左右一対の側枠部は、背枠部と垂直に(前方に)向かって延びている。これらの要素によって形成される空間内に、直方体状の物品収容材が配設されるのである。
なお、この種の従来の技術として、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
ところで、省スペースの観点から、物品収容材や外枠体は、物品を収容していない状態(すなわち、空(から)の状態)においては、折り畳まれることが望ましい。
【0004】
外枠体には、折り畳み可能なものがある。そのタイプの外枠体においては、左右一対の側枠部の1つが可動であって、基本位置と折り畳み位置との間を変位可能である。折り畳み位置とは、基本位置から内側に90度回動して背枠部に沿う位置である。
外枠体は、そのこと自体でもコンパクトになったといえるが、この状態で複数の外枠体が水平方向に重ねられることによって、大いに省スペースが図られる。
また、物品収容材には、物品の収容に使用されていない場合には、外枠体に取り付けられた状態のまま折り畳まれるものがある。
【0005】
しかしながら、その折り畳み作業が能率的ではない場合は、作業時間の損失となり、ひいては物流のコスト高につながることとなる。
このため、折り畳み作業を能率的に行うことができるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-040116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、物品の収容に使用されていない場合に、外枠体に配設された状態のまま、外枠体とともに能率的に折り畳み状態に変相させることが可能な物品収容材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、背枠部と底部と左右一対の側枠部とを有し、前記底部が前記背枠部に沿う起立姿勢に変相可能であり、前記左右一対の側枠部のうちの少なくとも一方である可動側枠部が前記背枠部に沿う折り畳み位置に変位可能な外枠体の内側に取り付けられる物品収容材であって、前記外枠体の前記背枠部の内側に配設される背面材と、自身の後縁部において前記背面材の下縁部に結合され、前記底部の上側に配設される底面材と、各々自身の後縁部において前記背面材の左右の各縁部に結合され、前記左右一対の側枠部の内側に配設される左右一対の側面材と、自身の後縁部において前記背面材の上縁部に結合された上面材と、自身の上縁部において前記上面材の前縁部に結合され、自身の左右の各縁部において前記左右一対の側面材の前縁部に対して着脱可能に結合される前面材とを有し、前記左右一対の側面材のうちの一方であって前記可動側枠部に対応するものが可動側面材であり、他方が一部二層側面材であり、前記一部二層側面材のうちの少なくとも上部は、内側材及び外側材を有し、前記外側材は、前期左右一対の側枠部のうち当該一部二層側面材に対応する一部二層側面材対応側枠部に取り付けられるものであり、前記内側材のうちの少なくとも一部が前記外側材から離隔可能なものであり、前記前面材は、前記左右一対の側面材の前縁部に対する結合が外された状態で前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するのを阻害しない非阻害位置に変位可能であり、前記可動側面材は、前記前面材が前記非阻害位置に維持され、前記底部が前記起立姿勢に維持された状態で、前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位しようとするのに伴って、前記上面材を挟んで前記背面材に沿う可動側面材背面材沿添状態に変相しようとするものであり、前記上面材は、自身の左右の各縁部の一方において前記可動側面材の上縁部に結合され、他方において前記内側材の上縁部に結合されており、前記可動側面材が前記可動側面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って、折り畳まれつつ前記背面材に沿う上面材背面材沿添状態に変相しようとするものであり、前記内側材は、前記上面材が前記上面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って、少なくともその一部が、前記外側材から離隔して表裏反転して、前記一部二層側面材対応側枠部に沿う表裏反転側枠部沿添状態に変相しようとするものである、物品収容材である。
【0009】
前面材について、「その左右の各縁部において前記左右一対の側面材の前縁部に対して着脱可能に結合される」の「着脱可能に結合される」には、「左右一対のファスナによって着脱可能に結合される」がある。
同じく前面材について、「自身の左右の各縁部において前記左右一対の側面材の前縁部に対して着脱可能に結合される」は、「自身の左右の縁部のうち一方において前記可動側面材の前縁部に対して着脱可能に結合され、他方において前記一部二層側面材の前縁部に対して着脱可能に結合され」である。そして、「前記一部二層側面材の前縁部に対して着脱可能に結合され」は、一部二層側シート部が内側材及び外側材の2層になっている部分においては、「内側材の前縁部に対して着脱可能に結合される」という態様でも、「外側材の前縁部に対して着脱可能に結合される」という態様でもよい。
【0010】
この態様の物品収容材は、背面材が外枠体の背枠部の内側に配設され、底面材が外枠体の底部の上側に配設され、左右一対の側面材は、外枠体の左右一対の側枠部の内側に各々配設されて、外枠体の内側に取り付けられる。
左右一対の側面材については、そのうちの一方である可動側面材が可動側枠部の内側に配設され、他方である一部二層側面材が一部二層側面材対応側枠部の内側に配設される。一部二層側面材のうち外側材は、一部二層側面材対応側枠部に取り付けられる。
【0011】
そして、次のように使用され、次の作用効果が得られる。
前面材が非阻害位置に維持され、外枠体の底部が起立姿勢に維持された状態で、外枠体の可動側枠部が折り畳み位置に変位するようにされる。
これに伴って、可動側面材は、上面材を挟んで背面材に沿う状態(可動側面材背面材沿添状態)に変相しようとし、それに伴って、上面材は、折り畳まれつつ背面材に沿う状態(上面材背面材沿添状態)に変相しようとする。また、それに伴って、内側材のうちの少なくともその一部が、外側材から離隔して表裏反転して、一部二層側面材対応側枠部に沿う状態(表裏反転側枠部沿添状態)に変相しようとする。
こうして、上面材は、折り畳まれて背面材に沿う状態(上面材背面材沿添状態)に変相し、可動側面材は、その上面材を挟んで背面材に沿う状態(可動側面材背面材沿添状態)に変相し、内側材のうちの少なくともその一部が外側材から離隔して表裏反転して、一部二層側面材対応側枠部に沿う状態(表裏反転側枠部沿添状態)に変相することによって、この物品収容材は、折り畳み状態の外枠体に沿った状態となる。
このように、この物品収容材は、外枠体に配設された状態のまま、能率的に、外枠体とともに折り畳み状態に変相させることが可能である。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様の物品収容収容材であって、前記前面材は、前記左右一対の側面材の前縁部に対する結合が外され、前記上面材の下面及び/又は前記背面材の内面に対して着脱可能に結合されて、前記非阻害位置に維持されるものである、物品収容材である。
【0013】
「前記前面材は…前記上面材の下面及び/又は前記背面材の内面に対して着脱可能に結合されて」の「着脱可能に結合され」には、「面ファスナによって着脱可能に結合され」がある。
【0014】
この態様の物品収容材では、第1の態様の物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容材では、前面材は、左右一対の側面材の前縁部に対する結合が外された状態で、上面材の下面及び/又は背面材の内面に対して着脱可能に結合され。
こうして、この物品収容材では、前面材が円滑に非阻害位置に維持される。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の物品収容ケースであって、前記上面材は、その前記可動側面材との境界と前記背面材との境界との交点から前側に向かうとともに前記一部二層側面材の側に向かう上面材折り目を有し、前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するのに伴って前記上面材折り目において下方に凸状に折り曲げられて折り畳まれることによって前記上面材背面材沿添状態に変相するものである、物品収容材である。
【0016】
上面材のうち上面材折り目よりも前部かつ可動側面材の側の部分の形状の代表例として、当該上面材折り目を斜辺とする二等辺三角形状のものがある。
【0017】
この態様の物品収容材では、第1又は第2の態様の物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容材では、上面材は、可動側枠部が折り畳み位置に変位するのに伴って上面材折り目において下方に凸状に折り曲げられて折り畳まれることによって、円滑に背面材に沿う状態(上面材背面材沿添状態)に変相する。
こうして、この物品収容材が円滑に折り畳み状態に変相する。
【0018】
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様の物品収容材であって、前記前面材は、前記非阻害位置にある状態において前記上面材に対応する上面材重なり部が前記上面材に重なるものであり、前記上面材重なり部には前記上面材折り目に対応する上面材重なり部折り目を有し、前記可動側枠部が前記折り畳み位置に変位するようにされるのに伴って、前記上面材とともに、前記上面材重なり部において下方に凸状に折り曲げられて折り畳まれるつつ前記背面材に沿う前面材背面材沿添状態に変相しようとするものである、物品収容材である。
【0019】
この態様の物品収容材では、第1~第3のいずれかの態様の物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
前面材が非阻害位置にある状態において、その上面材重なり部が上面材に重なり、可動側枠部が折り畳み位置に変位するようにされるのに伴って、前述したように上面材が上面材背面材沿添状態に変相しようとするとともに、上面材とともに上面材重なり部が折り畳まれつつ背面材に沿う前面材背面材沿添状態に変相しようとする。
こうして、前面材(そのうちの上面材重なり部)も、上面材とともに折り畳まれて背面材に沿う前面材背面材沿添状態に変相し、この物品収容材が円滑に折り畳み状態に変相する。
【0020】
本発明の第5の態様は、第1~第4のいずれかの態様の物品収容材であって、前記一部二層側面材は、前記可動側面材に対向するメイン側面材と、前記メイン側面材に対して取り付けられたサブ側面材とを有し、前記サブ側面材によって、前記外側材及び前記内側材のうちの一方が形成され、前記メイン側面材のうち前記サブ側面材と対向する部分によって、前記外側材及び前記内側材のうちの他方が形成されている、物品収容材である。
【0021】
この態様の物品収容材では、第1~第4のいずれかの態様の物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容材では、外側材及び内側材のうちの一方がサブ側面材によって形成され、他方がメイン側面材のうちサブ側面材と対向する部分によって形成される。
このように、この物品収容材では、一部二層側面材において、可動側面材に対向するメイン側面材と、メイン側面材に対して取り付けられたサブ側面材とによって、容易に外側材及び内側材が形成される。
【0022】
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれかの態様の物品収容材であって、前記内側材は、その前記上面材との境界と前記背面材との境界との交点から前側に向かうとともに下方に向かう内側材折り目を有し、前記上面材が前記上面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って前記内側材折り目において内側に折り曲げられて前記表裏反転側枠部沿添状態に変相しようとするものである、物品収容材である。
【0023】
内側材のうち内側材折り目よりも上部かつ前部の形状の代表例として、当該内側材折り目を斜辺とする二等辺三角形状のものがある。
内側材折り目については、内側材の縁部が該当する態様も含まれるものとする。
【0024】
この態様の物品収容材では、第1~第6の態様のいずれかの物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容材では、内側材は、上面材が前記上面材背面材沿添状態に変相しようとするのに伴って内側材折り目において内側に折り曲げられて折り畳まれることによって、円滑に背面材に沿う状態になる。
こうして、この物品収容材が円滑に折り畳み状態に変相する。
【0025】
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様の物品収容材であって、前記外側材と前記内側材とは、面ファスナによって着脱可能に結合されている、物品収容材である。
【0026】
この態様の物品収容材では、第1~第6のいずれかの態様の物品収容材の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
この物品収容材では、外側材と内側材とは面ファスナによって着脱可能に結合されていり、基本状態にある際には外側材と内側材とは結合され得る。
基本状態において外側材と内側材とが結合しており、この物品収容材が折り畳み状態に変相しようとして内側材のうちの少なくともその一部が外側材から離隔していく際に、その離隔しようとする力によって当該面ファスナにおける結合が外れ、その後は内側材の当該少なくとも一部が外側材から円滑に離隔していく。
このように、この物品収容材では、折り畳み状態に変相させようとする際に、基本状態における外側材と内側材との結合を別個の工程として外す必要がなく、より能率的に折り畳み状態に変相させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】(a)は、本発明の一実施例の物品収容材(基本状態)を外枠体(基本状態)とともに示す斜視図(斜め上方から見た斜視図)である。(b)は、本発明の一実施例の物品収容材(基本状態)の一部を示す斜視図(斜め下方から見た斜視図)である。
図2】本発明の一実施例の物品収容材が配設される外枠体を示す斜視図である。(a)は、可動側枠部が基本位置にあり、底部が起立姿勢にある状態を示す。(b)は、可動側枠部が折り畳み位置にあり、底部が起立姿勢にある状態を示す。
図3】本発明の一実施例の物品収容材を示す分解斜視図である。
図4A】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。基本状態を示す図である。(a)は斜視図であり、(b)は分解斜視図であって、外枠体を除いて示す図である。このことは図4B図4Fにおいても同様である。
図4B】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。図4Aの次の状態を示す図である。
図4C】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。図4Bの次の状態を示す図である。
図4D】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。図4Cの次の状態を示す図である。
図4E】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。図4Dの次の状態を示す図である。
図4F】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。図4Eの次の状態を示す図である。
図5A】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す図である。基本状態を示す図である。図4Aに対応する図である。
図5B】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す斜視図である。図5Aの次の状態を示す図である。図4Bに対応する図である。
図5C】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す斜視図である。図5Bの次の状態を示す図である。図4Cに対応する図である。
図5D】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す斜視図である。図5Cの次の状態を示す図である。図4Dに対応する図である。
図5E】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す斜視図である。図5Dの次の状態を示す図である。図4Eに対応する図である。(a)は図5A図5Dと同じ角度から見た斜視図であり、(b)は異なる角度から見た斜視図である。このことは、図5Fにおいても同様である。
図5F】本発明の一実施例の物品収容材の折り畳み工程を示す斜視図である。図5Eの次の状態を示す図である。図4Fに対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施例である物品収容材について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この物品収容材は、外枠体100の内側に取り付けられて使用されるものである。そこで、まずは外枠体100について説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、外枠体100(カゴ台車)は、背枠部110,底部120,左右一対の側枠部130A,130Bを有している。
【0030】
背枠部110は、金属パイプによって形成された縦長の長方形状の外枠(符号省略)を有している。背枠部110においては、水平方向に延びる複数の連結材(符号省略)及び鉛直方向に延びる複数の連結材(図示省略)が、その外枠のうちの対向する部分同士を連結している。
同様に、左右の各側枠部130A,130Bも、金属パイプによって形成された縦長の長方形状の外枠を有している。各側枠部130A,130Bにおいても、水平方向に延びる複数の連結材(符号省略)及び鉛直方向に延びる複数の連結材(図示省略)が、その外枠のうちの対向する部分同士を連結している。
背枠部110及び両側枠部130A,130Bの高さは全て同一である。左右の両側枠部130A,130Bの横幅は相互に同一であるとともに、背枠部110の横幅よりも若干短い。
底部120は、合成樹脂によって形成されており、長方形状の外枠を有している。その外枠の内部には、多数のリブ(符号省略)が網目状に形成されている。
【0031】
底部120は、その後縁部において、背枠部110の下縁部に対して回動(揺動)可能に結合されている。こうして、底部120は、基本姿勢(図1)と起立姿勢(図2)との間を変相可能である。
図1に示すように、底部120の「基本姿勢」とは水平な姿勢であり、左右の各側枠部130A,130Bに形成された支持部138(図2)によって底部120が支持されて、底部120が基本姿勢に維持される。図2に示すように、底部120の「起立姿勢」とは、背枠部110に沿って鉛直上方に向かって延びる姿勢である。
【0032】
左右一対の側枠部130A,130Bのうち、一方(右側)のものは右側枠部(可動側枠部)130Aであり、他方(左側)のものは左側枠部(固定側枠部)130Bである。固定側枠部130Bは、一部二層側面材対応側枠部に該当する。
【0033】
可動側枠部130Aは、その一側縁部において、背枠部110の一方(右側)の側縁部に対して回動可能に結合されている。
こうして、可動側枠部130Aは、少なくとも、基本位置(図1図2(a))と折り畳み位置(図2(b))との間を変位可能である。
図1及び図2(a)に示すように、可動側枠部130Aの「基本位置」とは、背枠部110から垂直に前方に延びる位置である。可動側枠部130Aは、通常は、基本位置にある。
図2(b)に示すように、可動側枠部130Aの「折り畳み位置」とは、基本位置から内側に90度回動して、背枠部110に沿う位置である。
なお、可動側枠部130Aは、底部120が起立姿勢(図2)にある状態で、基本位置から折り畳み位置に変位される。
【0034】
ここで、外枠体100について、図1に示すように、底部120の基本姿勢にあり、可動側枠部130Aが基本位置にある状態のことを「基本状態(外枠体基本状態)」ということとする。
一方、図2(b)に示すように、底部120が起立姿勢にあり、可動側枠部130Aが折り畳み位置にある状態のことを「折り畳み状態(外枠体折り畳み状態)」ということとする。
【0035】
固定側枠部130Bは、その一側縁部において、背枠部110の他方(左側)の側縁部に対して固定されている。固定側枠部130Bは、背枠部110から垂直に前方に延びている。
【0036】
背枠部110及び左右一対の側枠部130A,130Bの下部には、キャスタ190が設けられている。このため、作業員の操作によって、外枠体100は、床面又は地面上を移動可能である。
以上のため、この外枠体100は、カゴ台車ともいわれている。
【0037】
図1図3図4A図4Fに示すように、この物品収容材は、背シート部10(背面材)(図3),底シート部20(底面材),左右一対の側シート部30A,30B(側面材),上シート部60(上面材)、前シート部70(前面材)を有している。
いずれも表裏一対の合成樹脂のシートを有するとともに、その両シートの間の隙間に断熱材が配設されて形成されており、適度な可撓性を有している。
【0038】
この物品収容材は、全体として縦長の中空の直方体状をしており、外枠体100(その内側の空間)の大きさに対応している。そして、この物品収容材は、外枠体100の内側に取り付けられる。
この物品収容材は、図5A図5Cに示すうように単独で変相するとともに、図5C図5Fに示すうように、外枠体100が基本状態(図5A図5C)と折り畳み状態(図5F)との間を変相するのに追従して変相する。
【0039】
すなわち、図5Aに示すうように、外枠体100が基本状態の際に、この物品収容材は、通常は、その基本状態の外枠体100に沿った直方体の状態にある(図4Aも参照)。この状態をこの物品収容材の「基本状態(物品収容材基本状態)」ということとする。
一方、図5Fに示すうように、外枠体100が折り畳み状態の際に、この物品収容材は、その大半部分が折り畳まれて、その折り畳み状態の外枠体100に沿った状態にある(図4Fも参照)。この状態をこの物品収容材の「折り畳み状態(物品収容材折り畳み状態)」ということとする。
また、この物品収容材の各要素についても、図4Aに示すうように、この物品収容材が基本状態にある際の状態のことを当該要素の基本状態ということとする。一方、図4Fに示すうように、この物品収容材の各要素(正確には、そのうちの上記大半部分)についても、この物品収容材が折り畳み状態にある際の状態のことを当該要素の折り畳み状態ということとする。
また、この物品収容材については、基本状態を中心に説明する。
【0040】
図3に示すように、背シート部10は、外枠体100(図1)の背枠部110に対応して、縦長の長方形状をしている。
背シート部10は、外枠体100(図1)の背枠部110の内側(前側)に配設される。
図1及び図3等に示すように、背シート部10の上縁部の左右の各端部の近傍には、各々一対の分割ループ部19が設けらている。各分割ループ部19において、そのうちの一方には面ファスナ(オス)が設けられ、他方には面ファスナ(メス)が設けられている(面ファスナ(オス・メス)については図示省略。以下同様)。
そして、各組の分割ループ部19が外枠体100(図1)の背枠部110のうちの上部の水平に延びる部分を周回して結合されることによって、背シート部10(図3)は、外枠体100の背枠部110に連結(固定)される。
【0041】
図1(b)及び図3に示すように、底シート部20は、外枠体100(図1(a))の底部120に対応して長方形状をしている。
底シート部20は、その後縁部において、背シート部10(図3)の下縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。底シート部20と背シート部10との間の角度は可変である(図4D参照)。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
【0042】
図1に示すように、底シート部20(図1(b))は、外枠体100(図1(a))の底部120の上側に配設される。
図1(b)に示すように、底シート部20の裏面には、一対の分割ループ部29が設けられている。そのうちの一方には面ファスナ(オス)が設けられ、他方には面ファスナ(メス)が設けられている。
そして、一対の分割ループ部29が外枠体100(図1(a))の底部120のリブを周回して結合されることによって、底シート部20は、外枠体100の底部120に連結(固定)される。
【0043】
図3に示すように、底シート部20の左右の側縁部には、側縁片22A,22Bが設けられている。底シート部20と側縁片22A,22Bとは縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。
基本的に側縁片22A,22Bは、通常は底シート部20からほぼ垂直(鉛直)に短く延びているが、その角度は可変である。
底シート部20の前縁部には、前縁片24が設けられている。底シート部20と前縁片24とは縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。
基本的に前縁片24は、通常は底シート部20からほぼ垂直(鉛直)に短く延びているが、その角度は可変である。前縁片24の前面には面ファスナ(メス)25が設けられている。
【0044】
図1図3図4A図4Fに示すように、左右一対の側シート部30A,30Bのうちの一方(右側)のものが右側シート部(可動側シート部)30Aであり、他方(左側)のものが左側シート部(一部二層側シート部)30Bである。
【0045】
可動側シート部30Aは、外枠体100(図1)の右側の側枠部である可動側枠部130Aに対応して、縦長の長方形状をしている。
可動側シート部30Aは、その後縁部において、背シート部10(図3)の右縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。可動側シート部30Aと背シート部10との間の角度は可変である。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
【0046】
可動側シート部30Aの下縁部と底シート部20(図3)の右縁部とは、結合されてはいない。底シート部20の右側の側縁片22Aが可動側シート部30Aの内面(そのうちの下部)に接触することによって、この物品収容材の気密性が低下することが防止又は低減されている。
【0047】
可動側シート部30Aは、外枠体100(図1)の可動側枠部130Aの内側に配設される。
図1及び図3に示すように、可動側シート部30Aの上縁部(そのうちの前部),前縁部,後縁部には、各々一対の分割ループ部39A~39Cが設けられている。各分割ループ部39A~39Cにおいて、そのうちの一方には面ファスナ(オス)が設けられ、他方には面ファスナ(メス)が設けられている。
そして、各組の分割ループ部39A~39Cが外枠体100(図1)の可動側枠部130Aのうちの上部の水平に延びる部分,前部の鉛直に延びる部分,背枠部110のうちの右側の鉛直に延びる部分を各々周回して結合されることによって、可動側シート部30Aは、外枠体100の可動側枠部130A,背枠部110に連結(固定)される。
【0048】
一部二層側シート部30B(図3図4A図4F)は、外枠体100(図1)の左側の側枠部である固定側枠部130Bの内側に配設される。
図3図4A図4Fに示すように、一部二層側シート部30Bは、メイン側シート部40(メイン側面材),サブ側シート部50(サブ側面材)を有している。サブ側シート部50は、メイン側シート部40のうちの上部の外側に位置している。
【0049】
メイン側シート部40は、外枠体100(図1)の左側の側枠部である固定側枠部130Bに対応して、縦長の長方形状をしている。メイン側シート部40は、可動側シート部30Aに対向している。
メイン側シート部40は、その後縁部において、背シート部10の左縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。
【0050】
メイン側シート部40の下縁部と底シート部20(図3)の左縁部とは、結合されてはいない。底シート部20の左側の側縁片22Bがメイン側シート部40の内面(そのうちの下部)に接触することによって、この物品収容材の気密性が低下することが防止又は低減されている。
【0051】
図3図4A図4Fに示すうように、サブ側シート部50は、直角二等辺三角形状をしている。サブ側シート部50は、その斜辺(正確には、その近傍の縫い目52)において、メイン側シート部40の外面に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。
縫い目52は、メイン側シート部40(内側材)における折り目42(内側材折り目)でもある。メイン側シート部40(内側材)は、折り目42において、容易に内側に(外側に凸状に)に折り曲げ可能である。
一方、サブ側シート部50は、常に、外枠体100(図1)の固定側枠部130Bに沿った鉛直な平面状をしている(このことは後に詳述する)。
【0052】
サブ側シート部50がメイン側シート部40に沿った状態で、サブ側シート部50の上縁部(斜辺以外の一辺)はメイン側シート部40の上縁部と一致しており、サブ側シート部50の前縁部(斜辺以外の他辺)はメイン側シート部40の前縁部と一致している。
【0053】
サブ側シート部50によって、外側シート部51(外側材)が形成されている。
メイン側シート部40のうち、外側シート部51に対向する部分は、内側シート部41(内側材)である。メイン側シート部40(内側シート部41を含む)は、基本状態においては鉛直な平面状をしており、内側シート部41は外側シート部51に沿っている。
【0054】
外側シート部51の内側の面には、面ファスナ(メス)54が設けられている。
内側シート部41の外側の面には、それに対応して、面ファスナ(オス)44が設けらている。
面ファスナ(メス)54及び面ファスナ(オス)44によって、外側シート部51(サブ側シート部50)と内側シート部41(メイン側シート部40)とは、着脱可能に結合されている。すなわち、この物品収容材が基本状態にある際には、両者は結合されている。
【0055】
前述したように、一部二層側シート部30B(図3)は、外枠体100(図1)の左側の側枠部である固定側枠部130Bの内側に配設される。
【0056】
メイン側シート部40(図3)の前縁部(内側シート部41以外の部分における前縁部)及び後縁部には、各々一対の分割ループ部49A,49Bが設けられている。各分割ループ部49A,49Bにおいて、そのうちの一方には面ファスナ(オス)が設けられ、他方には面ファスナ(メス)が設けられている。
そして、各組の分割ループ部が外枠体100(図1)の固定側枠部130Bのうちの前部の鉛直に延びる部分,背枠部110のうちの左側の鉛直に延びる部分を周回して結合されることによって、メイン側シート部40(内側シート部41を除く)は外枠体100の固定側枠部130B,背枠部110に連結(固定)される。
こうして、メイン側シート部40のうちの内側シート部41以外の部分は、常に、外枠体100の固定側枠部130Bに沿った鉛直な平面状をしている。
【0057】
メイン側シート部40のうちの内側シート部41は、直接的には、外枠体100(固定側枠部130B,背枠部110)に連結(固定)されてはいない。このため、内側シート部41(折り目42を基準に上側かつ前側の部分)は、外枠体100(固定側枠部130B)から離隔可能である。
【0058】
サブ側シート部50(図3)の上縁部(そのうちの前部)には、一対の分割ループ部59が設けられている。分割ループ部59において、そのうちの一方には面ファスナ(オス)が設けられ、他方には面ファスナ(メス)が設けられている。
そして、分割ループ部59が外枠体100(図1)の固定側枠部130Bのうちの上部の水平に延びる部分を周回して結合されることによって、メイン側シート部40(内側シート部41以外)が上述のようにして外枠体100(固定側枠部130B,背枠部110に連結(固定)されることと相まって、サブ側シート部50(内側シート部41)は、外枠体100(固定側枠部130B)に固定され、常に、外枠体100の固定側枠部130Bに沿った鉛直な平面状に維持される。こうして、サブ側シート部50(内側シート部41)は、常に、メイン側シート部40のうちの内側シート部41以外の部分(折り目42を基準に下側の部分)と、一平面状をなしている。
【0059】
図1図3図4A図4Fに示すように、上シート部60は、底シート部20と同様に、外枠体100(図1)の底部120に対応して、長方形状をしている。
【0060】
上シート部60は、その後縁部において、背シート部10の上縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。上シート部60と背シート部10との間の角度は可変である。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
上シート部60は、その右縁部において、可動側シート部30Aの上縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。上シート部60と可動側シート部30Aとの間の角度は可変である。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
上シート部60は、その左縁部において、一部二層側シート部30Bのうちのメイン側シート部40(内側シート部41)の上縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。上シート部60とメイン側シート部40(内側シート部41)との間の角度は可変である。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
【0061】
上シート部60には折り目64(上面材折り目)が形成されている。折り目64は、上シート部60の右後角部から前方に向かうとともに左方に向かうように斜め45度に延び、上シート部60の前縁部に至っている。
上シート部60には、折り目64によって、背シート部対応部64aと可動側シート部対応部64bとが形成されている。可動側シート部対応部64bは直角二等辺三角形状をしている。
上シート部60は、折り目64において、容易に下方に凸状に(上シート部60が水平な基本状態において下方に凸状に)折り曲げ可能である。
【0062】
図1図3図4A図4Fに示すように、前シート部70は、背シート部10と同様に、外枠体100(図1)の背枠部110に対応して、縦長の長方形状をしている。
前シート部70は、その上縁部において、上シート部60の前縁部に対して、縫い付け糸による縫い付けによって結合されている。前シート部70と上シート部60との間の角度は可変である。通常は(基本状態においては)、その角度は直角である。
【0063】
前シート部70の下部の内側の面には、面ファスナ(オス)75が設けられている。面ファスナ(オス)75は、前縁片24の面ファスナ(メス)25に対応している。
この物品収容材の基本状態(使用状態)においては、面ファスナ(メス)25と面ファスナ(オス)75とが結合され、前シート部70と底シート部20とが結合されている。
【0064】
前シート部70(その右縁部)と、可動側シート部30A(その前縁部)とは、ファスナ71A(図1)によって着脱可能に結合されている。
前シート部70(その左縁部)と、一部二層側シート部30Bのメイン側シート部40(その前縁部)とも、ファスナ71B(図1)によって着脱可能に結合されている。
各ファスナ71A,71B(図3)は、前シート部側部71a,側シート側部71b,スライダ71cを有している。各ファスナ71A,71Bにおいては、スライダ71cが下端部に位置する状態で閉じられ(図4A)、スライダ71cが上端部に位置する状態で開かれる(図4B)。
【0065】
前シート部70には、2本の折り目72,74が形成されている。
折り目72は、水平方向に延びている。前シート部70の上縁部と折り目72との間の間隔は、上シート部60の奥行寸法に対応している。折り目72においては、容易に内側に凸状に折り曲げ可能である。
前シート部70のうち、その上縁部と折り目72との間の部分は上シート部重なり部72Aであり、その下縁部と折り目72との間の部分は背シート部重なり部72Bである。
【0066】
前シート部70の内側(後側)の面のうち、折り目72よりもすぐ下側の部分には面ファスナ(オス)73が設けられている。これに対応して、背シート部10の内側の面の上部には面ファスナ(メス)13が設けられている。
こうして、前シート部70がその上縁部において内側水平方向において延びるようにされ、前シート部70の上シート部重なり部72Aが上シート部60(その下面)に重なるようにされ、折り目72で折り曲げられて、背シート部重なり部72Bが背シート部10(その内面)に重なるようにされる。そして、面ファスナ(オス)73と面ファスナ(メス)13とが結合されて、その状態が維持される。
【0067】
また、前シート部70の外側(前側)の面のうち、折り目72よりもすぐ下側の部分には、把持部78(図1図3)が設けられている。
上述のように面ファスナ(オス)73と面ファスナ(メス)13とが結合されて、前シート部70の背シート部重なり部72Bが背シート部10(その内面)に重なった状態が維持された状態において、把持部78が前方に引っ張られることによって、面ファスナ(オス)73と面ファスナ(メス)13との結合が外される。
【0068】
折り目74(上面材重なり部折り目)は、上シート部重なり部72Aに形成されている。
折り目74は、上シート部60の折り目64に対応して形成されており、前シート部70(上シート部重なり部72A)の上縁部から右方に向かうとともに下方に向かうように斜め45度に延びている。
前シート部70のうちの上シート部重なり部72Aには、折り目74によって、背シート部対応部74aと可動側シート部対応部74bとが形成されている。可動側シート部対応部74bは直角二等辺三角形状をしている。
上シート部重なり部72Aは、折り目74において、容易に外側に凸状に(前シート部70が鉛直な基本状態において)折り曲げ可能である。
上述のように上シート部重なり部72Aが上シート部60に重なった状態で、折り目74と折り目64とが一致する。
【0069】
次に、この物品収容材の使用方法及び作用効果について、図4A図5Fに基づいて説明する。
通常は、すなわち、この物品収容材の内部に物品を収容する際は、図1及び図5Aに示すように、外枠体100を基本状態にすることによって、図1図4A図5Aに示すように、物品収容材を基本状態にする。
すなわち、外枠体100においては、左側枠部(固定側枠部)130Bとともに、右側枠部(可動側枠部)130Aが前方に(背枠部110と垂直に)延びているとともに、底部120が水平な基本姿勢にある。
物品収容材においては、右側シート部(可動側シート部)30Aが前方に(背シート部10と垂直に)延びているとともに、底シート部20が水平な基本姿勢にある。また、上シート部60が折り目64において折り曲げられることもなく水平な状態であり、左側シート部(一部二層側シート部)30Bにおいては、内側シート部41が鉛直な状態であり、外側シート部51に沿った状態である。
その状態で、ファスナ71A,71Bを開閉するとともに、面ファスナ(メス)25と面ファスナ(オス)75を脱着して、物品収容材の内部に物品を収容し、必要に応じて搬送する。
【0070】
一方、この物品収容材の内部に物品を収容しない場合は、物品収容材を外枠体100の内側に取り付けた状態のまま、次のようにされて、折り畳まれる。
【0071】
図4A図5A図4B図5Bに示すように、一対のファスナ71A,71Bにおいて、スライダ71cを前シート部側部71a及び側シート部側部71bの下端部から上端部に上げてファスナ71A,71Bを開く。
こうして、前シート部70について、左右の側シート部(可動側シート部30A,一部二層側シート部30B)の前縁部との結合を解く。
また、底シート部20の前縁片24の面ファスナ(メス)25と前シート部70の面ファスナ(オス)75との結合を外し、前シート部70について、底シート部20との結合を外す。
【0072】
次に、図4B図5B図4C図5Cに示すように、前シート部70を内側(当該物品収容材の内側)に変位させ、前シート部70の上シート部重なり部72Aを上シート部60の下面に重ね、折り目72において折り曲げ、面ファスナ(オス)73と面ファスナ(メス)13とを結合させる。
こうして、前シート部70の上シート部重なり部72Aが上シート部60の下面に沿い、背シート部重なり部72Bが背シート部10の前面(内面)に沿った状態に維持する。
この前シート部70の位置が本発明の「非阻害位置」に該当する。
【0073】
次に、図4C図5C図4D図5Dに示すように、底シート部20とともに、外枠体100の底部120を起立姿勢に変相させる。
こうして、底シート部20が背シート部10に沿う状態となる。
【0074】
この状態において、図4D図5D図4E図5E図4F図5Fに示すように、可動側シート部30Aとともに可動側枠部130Aを折り畳み位置(図2(b))に向かって変位させ、可動側シート部30Aを背シート部10に沿う状態(可動側面材背面材沿添状態)に向かって変位させる。
【0075】
こうして、図4D図5D図4E図5Eに示すように、可動側枠部130とともに可動側シート部30Aが背シート部10に接近していくとともに、上シート部60及び前シート部70の上シート部重なり部72Aが、ともに折り目64,74において折り曲げられていく。
すなわち、上シート部60の背シート部対応部64a及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの背シート部対応部74aが、上シート部60の後縁部(背シート部10の上縁部)を揺動軸として下方に揺動して背シート部10に沿う状態に近づいていくとともに、上シート部60の可動側シート部対応部64b及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの可動側シート部対応部74bが、上シート部60の右縁部(可動側シート部30Aの上縁部)を揺動軸として下方に揺動して可動側シート部30Aに沿う状態(ひいては、背シート部10に沿う状態)に近づいていく。
上述のように上シート部60の背シート部対応部64aが上シート部60の後縁部(背シート部10の上縁部)を揺動軸として下方に揺動していくのに伴って、一部二層側シート部30Bのメイン側シート部40の内側シート部41が折り目42を基準として(すなわち、折り目42の部分が位置固定的に維持されつつ)下降していこうとする。
このように内側シート部41が下降しようとすることによって、面ファスナ(オス)44と面ファスナ(メス)54との結合が外れ、その後は円滑に内側シート部41が下降していく。
【0076】
その後、図4E図5E図4F図5Fに示すように、可動側シート部30Aがさらに背シート部10に接近していき、上シート部60及び前シート部70の上シート部重なり部72Aが、ともに折り目64,74においてさらに折り曲げられていく。
すなわち、上シート部60の背シート部対応部64a及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの背シート部対応部74aがさらに下降していき背シート部10に沿う状態になる。それとともに、上シート部60の可動側シート部対応部64b及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの可動側シート部対応部74bがさらに下降していき可動側シート部30Aに沿う状態になり、ひいては、背シート部10に沿う状態になる。こうして、上シート部60は、折り畳まれて背シート部10に沿う状態(上面材背面材沿添状態)になり、前シート部70は上シート部60とともに折り畳まれて背シート部10に沿う状態(前面材背面材沿添状態)になる。
それとともに、可動側シート部30Aが、折り畳まれた上シート部60及び前シート部70を挟んで背シート部10に沿う状態(可動側面材背面材沿添状態)になる。
る。
それとともに、一部二層側シート部30Bのメイン側シート部40の内側シート部41がさらに下降していき、表裏反転してメイン側シート部40のうちの内側シート部41以外の部分に沿う状態、すなわち、固定側枠部130B(一部二層側面材対応側枠部)に沿う状態(表裏反転側枠部沿添状態)となる。
【0077】
このようにして、外枠体100が折り畳み状態になるとともに、この物品収容材は、その折り畳み状態の外枠体100に沿った状態となる。
このため、この物品収容材が不使用の状態において、外枠体100に物品収容材が取り付けられたまま、外枠体100とともに物品収容材がコンパクトとなる。
また、その物品収容材とともに外枠体100が折り畳み状態にされた状態で、水平方向に重なり合うことになる。
こうして、外枠体100に物品収容材が取り付けられた複数の組み合わせが存在する際に、それらを水平方向に重なり合わせることによって、省スペースが大きく図られることとなる。
【0078】
また、上述と逆の操作を行うことによって、外枠体100に物品収容材が取り付けられたまま、外枠体100を基本状態(外枠体基本状態)に戻し、物品収容材を基本状態(物品収容材基本状態)に戻すことができる。
【0079】
まず、図4F図5F図4E図5E図4D図5Dに示すように、可動側シート部30Aとともに、可動側枠部130Aを折り畳み位置(図2(b))から基本位置(図1図2(a))に戻す。
【0080】
すなわち、図4F図5F図4E図5Eに示すように、可動側枠部130とともに可動側シート部30Aが背シート部10から離隔していくとともに、上シート部60及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの折り目64,74における折り曲げ角度が小さくなっていく。
すなわち、上シート部60の背シート部対応部64a及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの背シート部対応部74aが上昇していくとともに、上シート部60の可動側シート部対応部64b及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの可動側シート部対応部74bが上昇していく。
それとともに、一部二層側シート部30Bのメイン側シート部40の内側シート部41が上昇していく。
【0081】
その後、図4E図5E図4D図Dに示すように、可動側枠部130とともに可動側シート部30Aが背シート部10からさらに離隔していくとともに、上シート部60及び前シート部70の上シート部重なり部72Aの折り目64,74における折り曲げがなくなっていき。上シート部60及び前シート部70の上シート部重なり部72Aが水平面状になる。
それとともに、一部二層側シート部30Bのメイン側シート部40の内側シート部41が外側シート部51に沿った鉛直状態になる。
【0082】
次に、図4D図5D図4C図5Cに示すように、底シート部20とともに、外枠体100の底部120を基本姿勢に戻す。
こうして、底シート部20が水平な基本状態に戻る。
【0083】
次に、図4C図5C図4B図5Bに示すように、前シート部70の把持部78(図1図3)を前方に引っ張ることによって、前シート部70の面ファスナ(オス)73と背シート部10の面ファスナ(メス)13とを結合を外す。
これによって、前シート部70は、自重によって、基本状態(又はそれに近い状態)に戻る。
【0084】
次に、図4B図5B図4A図5Aに示すように、底シート部20の前縁片24の面ファスナ(メス)25と前シート部70の面ファスナ(オス)75とを結合させ、底シート部20(その前縁部)と前シート部70(その下縁部)とを結合させる。
また、一対のファスナ71A,71Bによって、前シート部70と(その左右の各縁部)と左右の側シート部(可動側シート部30A,一部二層側シート部30B)の前縁部とを結合させる。
こうして、この物品収容材は、容易に基本状態に戻るのである。
【0085】
なお、上記のものはあくまで本発明の一実施例にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【0086】
例えば、サブ側シート部50は、メイン側シート部40の内側に設けられてもよい。その場合は、サブ側シート部50が内側シート部41に該当し、メイン側シート部40のうち、内側シート部41(サブ側シート部50)に対向する部分が外側シート部51に該当する。
また、サブ側シート部50もメイン側シート部40と同じ大きさをしていてもよい。その場合、そのうちの一方である内側シート部41の一部(二等辺三角形状の部分)が表裏反転側枠部沿添状態となる。
【符号の説明】
【0087】
10 背シート部(背面材)
20 底シート部(底面材)
30A 右側シート部/可動側シート部(可動側面材(側面材))
30B 左側シート部/一部二層側シート部(一部二層側面材(側面材))
40 メイン側シート部(メイン側面材)
41 内側シート部(内側材)
42 折り目(内側材折り目)
50 サブ側シート部(サブ側面材)
51 外側シート部(外側材)
60 上シート部(上面材)
64 折り目64(上面材折り目)
70 前シート部(前面材)
74 折り目(上面材重なり部折り目)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F