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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136833
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A47J27/00 109G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048112
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】町井 健太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 利弘
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055AA08
4B055BA07
4B055CC29
4B055CD08
4B055GB25
4B055GC33
4B055GD03
(57)【要約】
【課題】調理空間の圧力変化を多段階に又は連続して検知できる加熱調理器を得る。
【解決手段】加熱調理器は、被調理物を収容する容器と、容器を収納する本体と、本体に取り付けられ、容器を覆う蓋体と、容器を加熱する加熱手段と、容器と蓋体とによって形成される調理空間を減圧する減圧手段と、減圧手段を制御する制御装置と、蓋体に設けられ、壁面部材と、圧力状態検知部と、調理空間の圧力に応じて伸縮し、壁面部材及び圧力状態検知部のいずれか一つを第1方向に移動させる動力伝達手段と、を有した圧力検知機構と、を備え、圧力状態検知部は、動力伝達手段による壁面部材と圧力状態検知部との第1方向の相対位置の変位量を検知するものであり、制御装置は、圧力状態検知部により検知された第1方向の相対位置の変位量に基づいて、調理空間の3以上の圧力状態を判別する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する容器と、
前記容器を収納する本体と、
前記本体に取り付けられ、前記容器を覆う蓋体と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
前記容器と前記蓋体とによって形成される調理空間を減圧する減圧手段と、
前記減圧手段を制御する制御装置と、
前記蓋体に設けられ、壁面部材と、圧力状態検知部と、前記調理空間の圧力に応じて伸縮し、前記壁面部材及び前記圧力状態検知部のいずれか一つを第1方向に移動させる動力伝達手段と、を有した圧力検知機構と、を備え、
前記圧力状態検知部は、前記動力伝達手段による前記壁面部材と前記圧力状態検知部との前記第1方向の相対位置の変位量を検知するものであり、
前記制御装置は、前記圧力状態検知部により検知された前記第1方向の相対位置の変位量に基づいて、前記調理空間の3以上の圧力状態を判別する
加熱調理器。
【請求項2】
前記壁面部材には、前記第1方向に複数の検知穴が形成され、
前記圧力状態検知部は、測定位置における前記壁面部材の有無によって出力が切り替わるセンサで構成され、前記動力伝達手段により前記第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって前記出力の切り替わり回数が増加する
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記壁面部材には、前記第1方向に複数の検知穴又は複数の凹部が形成され、
前記圧力状態検知部は、測定位置における前記圧力状態検知部と前記壁面部材との距離を測定する測距センサを有し、測定された前記距離が予め決められた設定距離以下である場合と測定された前記距離が前記設定距離よりも大きい場合とで出力が切り替わるものであり、前記動力伝達手段により前記第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって前記出力の切り替わり回数が増加するものである
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記制御装置は、前記圧力状態検知部の前記出力が切り替わった回数をカウントし、カウント数に基づき前記調理空間の前記圧力状態を判断する
請求項2又は3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記制御装置には、前記調理空間の前記圧力状態が決められた調理パターンと、複数の前記圧力状態に対応する前記カウント数と、が予め記憶されており、
前記制御装置は、前記調理パターンを実行する際、前記調理空間を前記圧力状態に減圧するときには、前記カウント数が、前記調理パターンの前記圧力状態に対応する前記カウント数となるまで、前記減圧手段を稼働させる
請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記壁面部材は、前記第1方向に階段状の、又は前記第1方向に対して傾斜した被検知面を有するものであり、
前記圧力状態検知部は、測定位置における前記圧力状態検知部と前記壁面部材との距離を測定する測距センサで構成され、前記動力伝達手段により前記第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって出力値が大きくなる、又は小さくなる
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御装置は、前記圧力状態検知部からの前記出力値に応じて前記調理空間の前記圧力状態を判断する
請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記圧力状態検知部は、前記第1方向と直交する第2方向に2つのセンサが配置されて成り、
前記壁面部材を前記第2方向に2分した一方には、前記第1方向に複数の第1検知穴が形成され、前記壁面部材を前記第2方向に2分した他方には、前記第1方向に複数の第2検知穴が形成されており、
前記第2検知穴の前記第1方向の開口幅及び前記第2検知穴間の間隔は、前記第1検知穴の前記第1方向の開口幅及び前記第1検知穴間の間隔よりも小さく、
前記2つのセンサのそれぞれは、測定位置における前記壁面部材の有無によって出力が切り替わるセンサで構成され、前記動力伝達手段により前記第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって前記出力の切り替わり回数が増加する
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御装置は、前記2つのセンサの前記出力の組合せ、又は、前記2つのセンサのそれぞれの前記出力の切り替わり回数の組合せに基づき前記調理空間の前記圧力状態を判断する
請求項8に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内釜に入れられた食品を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器において、開口を有する本体と、本体の開口から出し入れ自在に本体内に収容される内釜と、本体の開口を開閉自在に覆う蓋体と、蓋体の内蓋の外縁部に装着されて内釜内の調理空間を密封にするパッキンと、内釜を加熱する加熱装置と、を備え、調理空間の圧力を大気圧と異なる圧力状態にして調理を行うものがある。このような加熱調理器において、圧力状態を検知する圧力状態検知手段を備えた加熱調理器がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された加熱調理器の圧力状態検知手段は、圧力状態検知スイッチ、検知レバー、レバー動力伝達手段、及びシールパッキンで構成される。圧力状態検知スイッチはフォトセンサである。密封された調理空間の圧力状態によって可動する検知レバーが、フォトセンサの光を遮ること、あるいは遮らない位置に遷移することで、圧力状態検知スイッチにより圧力状態が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-175135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の加熱調理器では、圧力状態検知手段は、フォトセンサのONとOFFとによる状態検知のため、調理空間が閾値以上の圧力状態であること、あるいは閾値以下の圧力状態であることしか検知できない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、調理空間の圧力変化を多段階に又は連続して検知できる加熱調理器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る加熱調理器は、被調理物を収容する容器と、前記容器を収納する本体と、前記本体に取り付けられ、前記容器を覆う蓋体と、前記容器を加熱する加熱手段と、前記容器と前記蓋体とによって形成される調理空間を減圧する減圧手段と、前記減圧手段を制御する制御装置と、前記蓋体に設けられ、壁面部材と、圧力状態検知部と、前記調理空間の圧力に応じて伸縮し、前記壁面部材及び前記圧力状態検知部のいずれか一つを第1方向に移動させる動力伝達手段と、を有した圧力検知機構と、を備え、前記圧力状態検知部は、前記動力伝達手段による前記壁面部材と前記圧力状態検知部との前記第1方向の相対位置の変位量を検知するものであり、前記制御装置は、前記圧力状態検知部により検知された前記第1方向の相対位置の変位量に基づいて、前記調理空間の3以上の圧力状態を判別する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、圧力状態検知部は、動力伝達手段による壁面部材と圧力状態検知部との第1方向の相対位置の変位量を検知するものであり、制御装置は、圧力状態検知部により検知された第1方向の相対位置の変位量に基づいて、調理空間の3以上の圧力状態を判別する。このように、本開示の加熱調理器は、圧力状態検知部が検知した第1方向の相対位置の変化量から、調理空間の圧力変化を多段階に又は連続して検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面図である。
図2】実施の形態1に係る加熱調理器100の蓋体2を開けた状態で内蓋及び内釜を取り出した状態を示す分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。
図4】実施の形態1に係る加熱調理器100の外蓋21の内部構成を示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係る加熱調理器100の外蓋21の内部構成を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置50の機能ブロック図である。
図7図4の外蓋21における圧力検知機構の周辺部分の部分拡大図である。
図8図5の外蓋21のB-B断面において圧力検知機構7を分解して示す縦断面図である。
図9図5の圧力検知機構7における圧力状態検知部8の斜視図である。
図10図5の外蓋21のC-C断面であり、調理空間SPcが常圧状態であるときの圧力検知機構7の状態の一例を示す断面図である。
図11図7の圧力状態検知部8と壁面部材9との位置関係と出力との関係を示す説明図である。
図12図5の外蓋21のC-C断面であり、調理空間SPcが第1圧力の低圧状態であるときの圧力検知機構7の状態の一例を示す断面図である。
図13】実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108の測定原理を説明する斜視図である。
図14図13の圧力状態検知部108の測定原理を説明する横断面図である。
図15】実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108及び壁面部材9の動作を説明する縦断面図である。
図16】実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108の変形例の測定原理を示す斜視図である。
図17図16の圧力状態検知部208の測定原理を説明する横断面図である。
図18】実施の形態3に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における壁面部材309及び圧力状態検知部308の動作を説明する縦断面図である。
図19】実施の形態4に係る加熱調理器100の圧力検知機構407の構成を示す斜視図である。
図20図19の外蓋21の縦断面において圧力検知機構407を分解して示す縦断面図である。
図21図20の圧力検知機構407の壁面部材409の拡大図である。
図22図20の圧力検知機構407が状態(6)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。
図23図20の圧力検知機構407が状態(5)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。
図24図20の圧力検知機構407が状態(4)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。
図25図20の圧力検知機構407が状態(3)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。
図26図20の圧力検知機構407の各状態における2つのセンサの出力の組合せの一例を示す表である。
図27図20の圧力検知機構407の各状態における2つのセンサの出力と調理空間SPcの圧力との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る加熱調理器の実施の形態を、図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す加熱調理器は、本開示の加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された加熱調理器によって本開示の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面図である。図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の蓋体2を開けた状態で内蓋22及び内釜5を取り出した状態を示す分解斜視図である。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の外観斜視図である。図1図3に基づき加熱調理器100の概略構成について説明する。
【0011】
図1に示されるように、加熱調理器100は、食材及び水等の被調理物が入れられた内釜5(以下、容器ともいう)を加熱コイル62で加熱することで、被調理物を加熱調理するものである。以下の実施の形態では、加熱調理器100は、被調理物を大気圧よりも低い圧力で調理する調理器であるものとする。
【0012】
図2に示されるように、加熱調理器100は、本体1と、本体1内に収容される内釜5と、内釜5の上部を覆う蓋体2とを備える。本体1は、上面に開口部を有する有底筒状とされ、内部には、開口部とつながった内釜収納部SP1が形成されている。本体1の前側には、蓋体2を開閉する開閉ボタン13が設けられており、本体1の開口部を介して内釜5が内釜収納部SP1に出し入れ自在に収容される。
【0013】
図1に示されるように、本体1の上面後方には、蓋体2を取り付けるヒンジ4が設けられる。ヒンジ4は、ヒンジバネ42及びヒンジ軸41を有し、ヒンジ軸41を中心にヒンジバネ42によって蓋体2を開口状態(図2参照)に付勢する。また、本体1の上面前側には蓋体係止部14が設けられており、蓋体2が本体1の蓋体係止部14に係止することで、蓋体2は、本体1の開口部を覆い、閉口状態を維持する。
【0014】
本体1は、加熱調理器100の外郭を構成する筐体である。本体1は、上面の開口部からつづく内釜収納部SP1に内釜5を収容するとともに、内釜カバー11等によって内釜収納部SP1と区画された本体内部空間SP2に、加熱装置である加熱コイル62、底温度センサ69、冷却ファン63、及び制御装置50等を収容する。
【0015】
図2に示されるように、本体1の開口部の縁部には、上方へ突出した、内釜5のフランジ5fを支持する内釜支持部材12が設けられている。また、内釜支持部材12の下方には、内釜5の側面と対向する側面ヒータ15と、内釜5の底部と対向する内釜カバー11とが設けられている。側面ヒータ15は、内釜5を保温する。内釜カバー11は、耐熱性を有する材料(例えば、金属又は合成樹脂)で構成される。
【0016】
本体1の底面側外郭は、底面ケース10で構成される。図示していないが、底面ケース10には、スリット状の吸気口及び排気口が設けられる。例えば、本体1の底面の後側に吸気口が設けられ、本体1の底面の前側に排気口が設けられる。また、底面ケース10の左右の下部には、上側へ窪んだ本体持ち手部10aが形成されている。
【0017】
図1では、本体内部空間SP2の後方に、冷却ファン63及び制御装置50が配置され、冷却ファン63は、底面ケース10の上面(例えば、吸気口の上)に設置され、制御装置50は冷却ファン63の上方に配置されている。制御装置50は、加熱調理器100全体を制御するものであり、冷却ファン63は、制御装置50を冷却するものである。
【0018】
また、本体内部空間SP2において内釜カバー11の下部に、内釜5を加熱する加熱コイル62が設けられる。加熱コイル62は、例えば、内釜5の底面に沿うように環状に形成されている。加熱コイル62は、内釜5を加熱する加熱装置の一例である。加熱コイル62は、内釜カバー11の外側、すなわち内釜5とは内釜カバー11を挟んで反対側に設けられている。加熱コイル62は、環状に巻かれて内釜5の底及び底に近い側面と対向する位置に配置されている。加熱コイル62に電流が流れると、加熱コイル62に流れる電流によって生じる磁束により、誘導加熱される材料で構成された内釜5に渦電流が生じ、この渦電流による内釜5のジュール熱によって、内釜5内の被調理物が加熱される。
【0019】
なお、内釜5を加熱する加熱方法は、加熱コイル62等による誘導加熱に限らず、ヒータによる伝熱であってもよい。すなわち、加熱装置は、シーズヒータ等の電気ヒータであってもよい。加熱装置が電気ヒータである場合には、内釜5の外面と内釜カバー11との間に配置された電気ヒータが直接的に内釜5を加熱するか、あるいは、内釜カバー11の外側に配置された電気ヒータが内釜カバー11を介して内釜5を加熱する。また、加熱調理器100は、加熱装置として加熱コイル62及び電気ヒータの双方を備えてもよい。また、加熱コイル62の下面に、複数の棒状のフェライトコアを設けてもよい。
【0020】
また、本体内部空間SP2には、加熱コイル62に高周波電流を供給するためのインバータ64(後述の図6参照)が設けられている。インバータ64は、外部の商用電源から供給される交流電流を所定周波数の高周波電流に変換して加熱コイル62に供給する。
【0021】
底温度センサ69は、内釜5の温度を検出する温度センサの一例である。本実施の形態の底温度センサ69は、サーミスタであり、内釜5の底に接触して内釜5の温度を検出する。内釜カバー11の下部の中央には、孔部11hが形成されており、孔部11h内に底温度センサ69が配置されている。また、底温度センサ69の下には圧縮バネ16が設けられており、底温度センサ69は、圧縮バネ16よって上方へ付勢され、内釜5の底に接触する。
【0022】
図2に示されるように、内釜5は、上面に開口部を有する有底筒状で、内釜5の開口部の縁部には外向きのフランジ5fが形成されている。本体1の開口部の縁部に設けられた内釜支持部材12に、内釜5のフランジ5fの下面が当接して載置される。図2では、内釜5は、平面視で楕円形状を有し、内釜5の長軸側が本体1の左右方向、短軸側が本体1の前後方向となるように配置される構成となっている。なお、内釜5の形状はこれに限定されず、例えば平面視で円形状でもよい。加熱調理器100が誘導加熱により被調理物を加熱調理するものである場合、内釜5は、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成される。
【0023】
図1に示されるように、蓋体2は、ヒンジ4により本体1に取り付けられ、内釜5の上部を開閉自在に覆うものである。蓋体2は、外蓋21と内蓋22とを有する。蓋体2の外蓋21は、ヒンジ4によって本体1に支持されており、上下に回動することで内釜5の上部を開閉する。図2に示されるように、内蓋22は、外蓋21の下面(以下、外蓋下面21bともいう)に着脱自在に取り付けられている。図1に示されるように、内蓋22は、蓋体2の閉口時に内釜5の上面開口を覆い、内釜5と内蓋22とで調理空間SPcが形成される。加熱調理器100が被調理物を大気圧Paよりも低い圧力で調理する調理器である場合、この調理空間SPcは、圧力が大気圧Paよりも低い低圧空間となる。
【0024】
内蓋22は、例えばアルミニウム又はステンレス等の金属で構成される。内釜5のフランジ5fと内蓋22の外周部との間には、両者の間の密閉性を確保する環状のパッキン23が設けられている(図2参照)。パッキン23は、内蓋22が閉じられたときに、その一部が内釜5の開口部の縁部の内側に入り込むようにして、内蓋22に取り付けられている。
【0025】
内蓋22は、板状部材で構成され、調理空間SPcの圧力変化(減圧)に耐えられるように剛性の高い材料で構成され、中央の平面部にX字型のビードが形成されている。また、内蓋22には、複数の内蓋孔22h1、22h2、22h3及び22hsが形成されている。図2では、内蓋22の右側部分に内蓋孔22h1及び内蓋孔22h2が形成され、内蓋孔22h2は内蓋孔22h1の左側に設けられ、内蓋22の左側部分に内蓋孔22h3が形成され、内蓋22の左右中央の前側部分に内蓋孔22hsが形成されている。各内蓋孔22h1、22h2、22h3、22hsは、好ましくは直径φ2mm以下である。これにより、外蓋21の後述する各流路へ調理空間SPcから被調理物が流入すること、及び各流路を介して外気側から調理空間SPcへ異物が流入することを抑制できる。また、各内蓋孔22h1、22h2、22h3、22hsあるいは各流路にフィルター(不図示)を設けてもよい。
【0026】
図1に示されるように、外蓋21には、内部に空間が形成されたカートリッジ24が設けられている。カートリッジ24の上部には、カートリッジ24内の空間と加熱調理器100の外部とを連通させる蒸気排出経路24pが形成されており、蒸気排出経路24pの先端が蒸気排出口24oである。図3に示されるように、カートリッジ24は、外蓋21に設けられた凹みに嵌め込まれて、蒸気排出口24oが外蓋上面21aから露出するように配置されている。
【0027】
図2に示されるように、外蓋下面21bには、内蓋22の内蓋孔22h1、22h2及び22h3のそれぞれと対向する連通孔21h1、21h2及び21h3と、内蓋22の内蓋孔22hsと対向するセンサ孔21hsと、が形成されている。すなわち、図2では、外蓋下面21bの右側部分に連通孔21h1及び連通孔21h2が形成され、連通孔21h2は連通孔21h1の左側に設けられ、外蓋下面21bの左側部分に連通孔21h3が形成され、外蓋下面21bの左右中央の前側部分にセンサ孔21hsが形成されている。また、外蓋下面21bにおいて連通孔21h1、連通孔21h2、連通孔21h3及びセンサ孔21hsのそれぞれに、下方へ延び、外蓋下面21bと内蓋22とを接続するジョイントパッキン21p1、21p2、21p3及び21psが設けられている。ジョイントパッキン21p1は、内蓋孔22h1と外蓋下面21bの連通孔21h1とを連通させる。ジョイントパッキン21p2は、内蓋孔22h2と外蓋下面21bの連通孔21h2とを連通させる。ジョイントパッキン21p3は、内蓋孔22h3と外蓋下面21bの連通孔21h3とを連通させる。ジョイントパッキン21psは、内蓋孔22hsと外蓋下面21bのセンサ孔21hsとを連通させる。これらのジョイントパッキン21p1、21p2、21p3及び21psは、蒸気及び圧力の漏洩を防止するものである。
【0028】
また、外蓋下面21bには、後述する圧力検知機構7が配置される孔部21hpが形成されている。図2では、孔部21hpは、外蓋下面21bの左側部分の連通孔21h3の後方に形成され、外蓋下面21bの連通孔21h3及び孔部21hpは、ジョイントパッキン21p3により内蓋孔22h3と連通する構成となっている。
【0029】
また、図1に示されるように、外蓋21には蓋温度センサ25が設けられている。詳しくは、蓋温度センサ25は、外蓋下面21bのセンサ孔21hsに配置されている。蓋温度センサ25は、内釜5内の調理空間SPcの温度を検出する空間温度センサの一例である。蓋温度センサ25は、例えば内釜5内の赤外線を検出する赤外線センサである。
【0030】
また、図1に示されるように、外蓋21の内部には、調理空間SPcを減圧する減圧ポンプ34等が設けられている。外蓋21の内部に設けられる部品等については後述する。
【0031】
また、図1及び図3に示されるように、加熱調理器100は、使用者が操作する操作部26と、動作状態等の情報表示を行う表示部27と、を備えている。操作部26及び表示部27は制御装置50と通信可能に接続されている。図3では、操作部26及び表示部27は、使用者が操作し易いように外蓋上面21aの前側に設けられている。操作部26は、例えば、使用者が指示を入力するためのスイッチ及びボタンを備えた操作パネルである。また、表示部27は、例えば、使用者に報知するメッセージ、及び動作状態等の情報を表示するディスプレイである。さらに、表示部27は、警報音及び合成音声を含む音によって情報を使用者に報知するスピーカを有していてもよい。
【0032】
なお、加熱調理器100において操作部26及び表示部27を設ける場所は、上記の外蓋21に限定されず、本体1でもよい。また、操作部26に対する操作及び表示部27による表示等の各種機能は、制御装置50に含まれてもよいし、スマートフォン等の外部の機器によって実現されてもよい。
【0033】
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の外蓋21の内部構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の外蓋21の内部構成を示す平面図である。図4及び図5には、外蓋下面21bに設置され外蓋21の内部に配置される部品等が、図1に示した外蓋上面21a、操作部26及び表示部27を取り外した状態で示されている。図4及び図5に基づき、外蓋21の内部に設けられる部品等について詳しく説明する。
【0034】
図4に示されるように、外蓋21の内部には、減圧手段である減圧ポンプ34と、開放弁31と、安全弁32と、減圧流路切換弁33と、調理空間SPcの圧力変化を検知する圧力検知機構7と、が配置されている。
【0035】
また、外蓋21の内部には、減圧ポンプ34、開放弁31、安全弁32、及び減圧流路切換弁33等の部品間を接続する複数の接続管Pが配置され、これらの部品と複数の接続管Pとは、開放流路F1、安全流路F2、及び減圧流路F3といった3つの流路を形成している。接続管Pは、例えばホースであり、複数の接続管Pとは、後述する接続管P11、P12、P21、P31、P32及びP33等である。以下、各流路とその流路の構成部品について詳しく説明する。
【0036】
開放流路F1は、開放弁31と、外蓋下面21bの連通孔21h1と開放弁31とを接続する接続管P11と、開放弁31とカートリッジ24の蒸気排出経路24pとを接続する接続管P12と、蒸気排出経路24pとにより形成されている。開放弁31は、例えば、通電によって開閉状態が切り換えられるラッチ式の弁体を有するものである。開放弁31の弁体は、通電によって開閉状態を切り換え、非通電時には開閉状態を保持する。例えば、開放弁31の弁体は、閉状態のときに通電されると開状態になり、開状態のときに通電されると閉状態になる。開放弁31が開状態のとき、開放流路F1は、調理空間SPcと加熱調理器100の外部とを連通させ、調理空間SPcを大気圧Paに戻す。
【0037】
安全流路F2は、外蓋下面21bの連通孔21h2に設けられた安全弁32と、安全弁32とカートリッジ24とを接続する接続管P21と、カートリッジ24とにより形成されている。安全弁32は、通常時には閉じており、調理空間SPcの圧力が予め決められた上限圧力を超えると開く弁である。
【0038】
安全弁32は、非電動装置とすることができる。この場合、例えば、安全弁32は、調理空間SPcが上限圧力以下のときにはバネ(不図示)で付勢されたバルブが安全流路F2を塞ぎ、調理空間SPcの圧力が上限圧力を超えるとバネ(不図示)で付勢されたバルブが蒸気によって上方へ押し上げられるように構成することができる。
【0039】
安全弁32が開状態のとき、安全流路F2は、調理空間SPcと加熱調理器100の外部とをカートリッジ24を介して連通させる。すなわち、安全流路F2は、内釜5内の蒸気を排出させ、調理空間SPcの圧力が過剰に大きくなることを防ぐ。
【0040】
減圧流路F3は、減圧流路切換弁33と、減圧ポンプ34と、外蓋下面21bの連通孔21h3と減圧流路切換弁33とを接続する接続管P31と、減圧流路切換弁33と減圧ポンプ34と接続する接続管P32と、減圧ポンプ34とカートリッジ24の蒸気排出経路24pとを接続する接続管P33と、蒸気排出経路24pとにより形成されている。
【0041】
減圧ポンプ34は、内釜5内から空気を吸引することで内釜5内を減圧する減圧装置である。減圧流路切換弁33は、内釜5内を減圧する減圧流路F3と、メンテナンス時に減圧ポンプ34内を乾燥させるための乾燥流路とを切り換えるものである。減圧流路切換弁33は、例えばノーマルクローズタイプの弁で構成され、この場合、減圧流路切換弁33は通電時に開き、接続管P31と接続管P32とを連通させ、減圧流路F3を形成する。
【0042】
減圧流路切換弁33が接続管P31と接続管P32とを連通させた状態(以下、開状態という)で減圧ポンプ34が動作すると、図5に破線矢印で示されるように、接続管P31及び接続管P32を介して、内釜5内の空気が減圧ポンプ34に吸い込まれる。減圧ポンプ34に吸い込まれた空気は、接続管P33及びカートリッジ24の蒸気排出経路24pを介して加熱調理器100の外部へ排出される。
【0043】
一方、減圧流路切換弁33が閉状態で減圧ポンプ34が動作すると、減圧ポンプ34内に外部の空気が入って減圧ポンプ34内を乾燥させることができる。
【0044】
圧力検知機構7は、外蓋下面21bの孔部21hp上に設けられている。圧力検知機構7は、調理空間SPcの圧力を多段階で検知するものである。具体的には、圧力検知機構7は、調理空間SPcの圧力が大気圧Paとなる常圧状態を検知するとともに、大気圧Paよりも低い複数の圧力の低圧状態を区別して検知するものである。なお、圧力検知機構7の詳しい構造については後述する。
【0045】
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置50の機能ブロック図である。図6に示されるように、制御装置50には、操作部26、表示部27、底温度センサ69、蓋温度センサ25、及び圧力検知機構7の後述の圧力状態検知部8が電気的に接続されている。また、制御装置50には、開放弁31、減圧流路切換弁33、減圧ポンプ34、及びインバータ64が電気的に接続されている。
【0046】
制御装置50は、情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53、タイマ54、及び記憶部55を備えている。制御装置50は、マイクロコンピュータ等の演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイス等のハードウェア等で構成されている。
【0047】
情報取得部51は、底温度センサ69により検出された内釜5の温度と、蓋温度センサ25により検出された内釜5内の温度とを取得する。また、情報取得部51は、圧力検知機構7の圧力状態検知部8から検知情報を取得する。情報取得部51は、底温度センサ69及び蓋温度センサ25から温度情報を、圧力状態検知部8から検知情報(以下、出力ともいう)を、定期的に取得する。
【0048】
比較判断部52は、操作部26を介して入力された指示、及び、情報取得部51により取得された底温度センサ69及び蓋温度センサ25からの温度情報等に基づき、インバータ64の制御値等を判断する。
【0049】
また、比較判断部52は、圧力状態検知部8の出力変化(例えば、ON及びOFFといった出力が切り替わる回数)をカウントし、このカウント数に応じて、調理空間SPcの圧力状態を判断する。また、比較判断部52は、圧力状態検知部8の出力変化に応じて、調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptになったか否かを判断する。
【0050】
機器制御部53は、比較判断部52による判断結果に基づき、加熱調理器100の各部の動作を制御する。例えば、機器制御部53は、比較判断部52による各種の判断結果に基づき、加熱コイル62、開放弁31、減圧ポンプ34、減圧流路切換弁33、及びインバータ64を制御する。
【0051】
タイマ54は、調理中の各種の時間をカウントする。タイマ54は、例えば、調理工程の実施時間をカウントする。
【0052】
記憶部55は、制御装置50の各部で用いられる各種の値を記憶する。記憶部55には、メニューに応じた調理パターンが予め記憶されている。調理パターンは、例えば、食材に火を通す調理工程における設定調理温度、目標圧力Pt、及び設定調理温度を維持する設定調理時間等などの調理条件を含む。操作表示部を介して使用者によりメニューが選択されたとき、そのメニューに応じた調理パターンが実施される。
【0053】
制御装置50の各種機能がハードウェアで実行される場合、制御装置50は、例えば、処理回路及び入出力装置で構成される。情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53、タイマ54及び記憶部55の各機能は、処理回路により実現される。また、操作部26及び表示部27の各種機能が制御装置50に含まれている場合、操作部26及び表示部27は、入出力装置に対応する。
【0054】
各機能がハードウェアで実行される場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組合せたものが該当する。情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53、タイマ54及び記憶部55の各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能を1つの処理回路で実現してもよい。
【0055】
一方、制御装置50の各種機能がソフトウェアで実行される場合、制御装置50は、例えば、プロセッサ、メモリ及び入出力装置で構成される。情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53、タイマ54及び記憶部55の各機能は、プロセッサ及びメモリにより実現される。また、操作表示部の各種機能が制御装置50に含まれている場合、操作部26及び表示部27は、入出力装置に対応する。
【0056】
各機能がソフトウェアで実行される場合、情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53、タイマ54及び記憶部55の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリに格納される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
【0057】
メモリとして、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)及びEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ等が用いられる。また、メモリとして、例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。
【0058】
以下、図1図5及び図6を用いて、加熱調理器100の動作について説明する。図1及び図5に示されるように、加熱調理器100は、内釜5内の圧力を低下させる場合には、開放弁31を閉状態にする。そして、加熱調理器100は、減圧流路切換弁33を開状態にすることで減圧流路F3を形成し、減圧ポンプ34を動作させる。そうすると、内釜5内の空気が減圧ポンプ34に吸引され、吸引された空気はカートリッジ24の蒸気排出経路24pを介して加熱調理器100の外部へ排出される。これにより、内釜5内が減圧されて低圧状態になる。加熱調理器100は、内釜5内の圧力が、予め決められた目標圧力Ptになると、減圧ポンプ34を停止させる。
【0059】
加熱調理器100は、内釜5内を低圧状態から常圧状態に戻す場合には、減圧ポンプ34を停止させ、開放弁31を開状態にする。開放弁31を開状態にすると、低圧状態の内釜5内に、カートリッジ24の蒸気排出経路24p介して外気が流入する。これにより、内釜5内が昇圧されて常圧状態、すなわち大気圧Paの状態になる。
【0060】
加熱調理器100は、内釜5の加熱量の大小、すなわち火力の強弱を調整する場合には、インバータ64(図6参照)を制御して加熱コイル62に供給する高周波電流の周波数を制御する。あるいは、制御装置50は、インバータ64を間欠的に動作させることによって、内釜5の加熱量の大小を制御してもよい。具体的に、加熱コイル62による加熱量を小さくしたい場合には、大きくした場合と比べて、低頻度でインバータ64を動作させる。あるいは、制御装置50は、インバータ64のオンデューティ比を調節することにより、加熱コイル62による加熱量の大小を制御してもよい。
【0061】
図7は、図4の外蓋21における圧力検知機構7の周辺部分の部分拡大図である。図8は、図5の外蓋21のB-B断面において圧力検知機構7を分解して示す縦断面図である。図9は、図5の圧力検知機構7における圧力状態検知部8の斜視図である。図10は、図5の外蓋21のC-C断面であり、調理空間SPcが常圧状態であるときの圧力検知機構7の状態の一例を示す断面図である。図8及び図10には、説明を容易にするために内蓋22及び調理空間SPcの一部を図示している。以下、図7図10に基づき、圧力検知機構7の構成について説明する。
【0062】
図8に示されるように、圧力検知機構7は、調理空間SPcの圧力状態を検知するものであり、圧力状態検知部8と、圧力状態検知部8によって検知される壁面部材9と、動力伝達手段72と、シール部材71等とで構成されている。壁面部材9は、調理空間SPcの圧力変化に応じて、シール部材71及び動力伝達手段72によって動作する。
【0063】
図9に示されるように、実施の形態1では、圧力状態検知部8は、遮蔽物の有無を検知するものであり、遮蔽物が有る場合と無い場合とでその出力(すなわちONとOFF)が切り替わる。圧力状態検知部8は、例えばフォトセンサであり、互いに対向する発光部8aと受光部8bとを備える。そして、被検知部材である壁面部材9は、板状とされている。
【0064】
図8及び図10に示されるように、外蓋下面21bにおいて孔部21hpの外周側には、上方へ筒状に延び、シール部材71の外周部を支持するパッキン支持部21bwが形成されている。また、筒状のパッキン支持部21bwの内側に、動力伝達手段72が配置され、外蓋下面21bの孔部21hpの周縁部によって支持されている。そして、動力伝達手段72の上方には、シール部材71を介して壁面部材9が配置されている。また、外蓋下面21bのパッキン支持部21bwの上側には、壁面部材9が配置される貫通穴75hを有した保持部75が配置され、保持部75は不図示のネジ等によってパッキン支持部21bwに固定されている。保持部75は、下側から上側へ向かうにつれ内径が段階的に小さくなる階段状の外周壁を有した円筒形状をしている。保持部75と、外蓋下面21bのパッキン支持部21bwとにより、シール部材71の外周部を挟み込んで固定している。
【0065】
図7に示されるように、圧力状態検知部8は、その発光部8aと受光部8bとが保持部75の貫通穴75hの上方において板状の壁面部材9の両面とそれぞれ対向するように、保持部75に設置されている。
【0066】
図8及び図10に示されるように、シール部材71は、調理空間SPcの蒸気が保持部75の貫通穴75hから漏洩することを防止するものである。また、シール部材71は、外蓋下面21bの孔部21hpの周縁部及びパッキン支持部21bwと保持部75とにより形成される空間を、上側の空間部と下側の空間部SPbとに仕切る機能を有する。シール部材71の下側の空間部SPbは、調理空間SPcと連通している。
【0067】
調理空間SPcを目標圧力Ptの低圧状態にして調理が実施されているとき、あるいは調理空間SPcの減圧中には、シール部材71により、減圧流路F3を除いて調理空間SPcの気密性が確保される。したがって、保持部75の貫通穴75hを介した調理空間SPcへの空気の流入による調理空間SPcの圧力の上昇(すなわち圧力の漏洩)を防止することができる。シール部材71は、その下側の空間部SPbと連通した調理空間SPcの圧力変化に伴って変形する。
【0068】
シール部材71において、壁面部材9の下端部の切り欠き部9aに配置される中央部71cと、保持部75とパッキン支持部21bwとにより固定される外周部とは、屈曲部を有する接続部により接続されている。調理空間SPcの圧力変化によってシール部材71の中央部71cは、壁面部材9とともに上下方向に移動する。このとき、シール部材71の接続部は、シール部材71の中央部71cの上下方向の移動を妨げないように伸縮する。
【0069】
動力伝達手段72は、上下に伸縮するバネ74と、バネ74の上端部に取り付けられ、バネ74と壁面部材9とを連結する連結部材73とを有する。連結部材73の上面を覆うように配置されたシール部材71を介して、連結部材73の上端部が、壁面部材9の下端部の後述する切り欠き部9aに係合う構成とされている。
【0070】
図8に示されるように、壁面部材9の下端部には、下端面を切り欠いた切り欠き部9aが形成されている。壁面部材9のこの切り欠き部9aに、シール部材71を介して動力伝達手段72の連結部材73の上端部が配置される。図10に示されるように、壁面部材9において下端部よりも上側の部分は、保持部75の貫通穴75hから上方へ突出して圧力状態検知部8により検知される。以下、壁面部材9において下端部よりも上側のこの部分を、被検知部9cと称する場合がある。動力伝達手段72により壁面部材9が移動する際、保持部75の貫通穴75hから突出する被検知部9cの突出高さLp(図10参照)が変化する。
【0071】
図8に示されるように、被検知部9cは、動力伝達手段72による壁面部材9の移動方向(すなわち上下方向。以下、第1方向ともいう。)に延びた略長方形状を有する。被検知部9cには、壁面部材9の移動方向(すなわち上下方向)に沿って複数の検知穴Hが形成されている。検知穴Hの形状は、どのような形状でもよいが、複数の検知穴Hの配列方向である上下方向の幅よりも横方向の幅が広い横長の形状が好ましい。図8では、被検知部9cに、横長のスリット状の検知穴Hが上下方向に4つ形成されている。
【0072】
図11は、図7の圧力状態検知部8と壁面部材9との位置関係と出力との関係を示す説明図である。図12は、図5の外蓋21のC-C断面であり、調理空間SPcが第1圧力P1の低圧状態であるときの圧力検知機構7の状態の一例を示す断面図である。ここで、第1圧力P1は、大気圧Paよりも低く、目標圧力Ptよりも高い圧力である。図12には、説明を容易にするために内蓋22及び調理空間SPcの一部を図示している。図1図5及び図10図12に基づき、加熱調理器100の動作に伴う圧力検知機構7の動作について説明する。
【0073】
図10に示されるように、以下では、説明を容易なものとするために、壁面部材9の被検知部9cに形成された4つの検知穴Hを互いに区別し、下から上へ順に、検知穴Ha、検知穴Hb、検知穴Hc、及び検知穴Hdと称する場合がある。また、被検知部9cにおいて検知穴Haと検知穴Hbとの間の壁部を検知壁部Wb、下から2つ目の検知穴Hbと下から3つ目の検知穴Hcとの間の壁部を検知壁部Wc、下から3つ目の検知穴Hcと下から4つ目の検知穴Hdとの間の壁部を検知壁部Wdと称する。また、被検知部9cにおいて最も下の検知穴Haよりも下側の壁部を下側壁部Wa、最も上の検知穴Hdよりも上側の壁部を上側壁部Weと称する。なお、被検知部9cにおいて下側壁部Waと検知壁部Wbと検知壁部Wcと検知壁部Wdと上側壁部Weとを区別せず、それぞれを被検知部9cの壁部Wと称する場合がある。
【0074】
図1に示されるように、加熱調理器100は、使用者による操作部26の操作に応じて調理を開始する。加熱調理器100は、調理開始時に、まず開放弁31(図5参照)を開状態にし、調理空間SPcと加熱調理器100の外部とを連通することで、調理空間SPcの圧力を大気圧Paと同一の圧力にする。そして、加熱調理器100は、図10のように、調理空間SPcの圧力が大気圧Paである常圧状態のときの圧力状態検知部8の出力値を初期出力とし、圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数(以下、カウント数ともいう)を0とする初期設定を行う。
【0075】
図10に示されるように調理空間SPcが常圧状態であるとき、圧力状態検知部8の測定位置Ldには壁面部材9の被検知部9cにおける壁部Wが配置され、この壁部Wが遮蔽物となって発光部8aからの光は受光部8bで受光されない。具体的には、図10では、圧力状態検知部8の測定位置Ldに、被検知部9cに設けられた4つの検知穴のうち最も下側の検知穴Haとその上の検知穴Hbとの間の検知壁部Wbが配置される。よって、図11に示されるように、調理空間SPcが常圧状態であるときの圧力状態検知部8の出力値すなわち初期出力は、OFFとされる。
【0076】
図1及び図5に示されるように、加熱調理器100は、調理開始時に開放弁31を開状態にして上記の初期設定を行った後、調理空間SPcの減圧を行う。具体的には、加熱調理器100は、開放弁31を閉状態にし、その後、減圧ポンプ34を稼働させることで減圧流路F3を介して調理空間SPcの空気を加熱調理器100の外部へ排出する。図5の減圧ポンプ34の稼働中、調理空間SPcの圧力の低下に伴い、調理空間SPc(詳しくは、調理空間SPc及び調理空間SPcと連通した空間部SPb)と外気との差圧によって壁面部材9が下降する方向に荷重が働き、バネ74が収縮し、収縮したバネ74と荷重とが釣り合う。
【0077】
図12に示されるように、調理空間SPcの減圧中に調理空間SPcが第1圧力P1(大気圧Paよりも低く、目標圧力Ptよりも高い圧力)の低圧状態になると、圧力状態検知部8の測定位置Ldには、壁面部材9の被検知部9cにおける検知穴Hが配置される。この場合、測定位置Ldには遮蔽物が無いので、発光部8aからの光は受光部8bで受光される。具体的には、図12では、圧力状態検知部8の測定位置Ldに、被検知部9cに設けられた複数の検知穴Hのうち下から2番面の検知穴Hbが配置される。
【0078】
よって、図12に示されるように調理空間SPcの圧力が第1圧力P1であるときの圧力状態検知部8の出力値は、調理空間SPcが常圧状態であるとき(すなわち発光部8aと受光部8bとの間に遮蔽物があるとき)の出力値(すなわちOFF)とは異なる出力値(すなわちON)になる。圧力状態検知部8の出力値は詳しくは光量に応じた電圧値であり、電圧値が閾値以上となった場合に圧力状態検知部8の出力がONになるように予め設定されている。
【0079】
図10図12に示されるように、調理空間SPcの圧力が大気圧Paから第1圧力P1になる過程で、壁面部材9が下降し、圧力状態検知部8の出力はOFFからONに1回切り替わるので、出力変化の回数すなわちカウント数は1回になる。カウント数が1回である場合、調理空間SPcの圧力が第1圧力P1であるものと判断される。調理空間SPcの圧力は、未だ目標圧力Ptには到達していないので、加熱調理器100(図1参照)は、減圧ポンプ34(図5参照)の駆動を継続する。
【0080】
減圧ポンプ34によりさらに調理空間SPcを減圧していくと、壁面部材9がさらに下降し、圧力状態検知部8の測定位置Ldには、壁面部材9の被検知部9cにおける下から2番面の検知穴Hbと下から3番目の検知穴Hcとの間の検知壁部Wcが配置される。この検知壁部Wcによって発光部8aからの光が遮られ、圧力状態検知部8の出力はONからOFFへ切り替わる。このとき、調理空間SPcの圧力は、大気圧Pa及び第1圧力P1よりも低く、目標圧力Ptよりも高い第2圧力P2となっている。調理空間SPcの圧力が大気圧Paから第2圧力P2になる過程で、壁面部材9が下降し、圧力状態検知部8はOFFからONに切り替わった後さらにONからOFFに切り替わるので、カウント数は2回になる。カウント数が2回である場合、調理空間SPcの圧力が第2圧力P2であるものと判断される。調理空間SPcの圧力は、未だ目標圧力Ptには到達していないので、加熱調理器100(図1参照)は、減圧ポンプ34(図5参照)の駆動を継続する。
【0081】
そして、減圧ポンプ34によりさらに調理空間SPcを減圧して調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptになると、圧力状態検知部8の測定位置Ldには、壁面部材9の被検知部9cにおける下から3番目の検知穴Hcが配置される。この場合、発光部8aからの光は、この検知穴Hcを介して受光部8bで受光されるので、圧力状態検知部8の出力はOFFからONへ切り替わる。調理空間SPcの圧力が大気圧Paから目標圧力Ptになる過程で、壁面部材9が下降し、圧力状態検知部8は、まずOFFからONに、次にONからOFFに、最後にOFFからONに切り替わるので、カウント数は3回になる。カウント数が3回である場合、調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptであるものと判断される。図1の加熱調理器100は、調理空間SPcの減圧を開始した後に調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptになったと判断して、減圧ポンプ34(図5)を停止させる。
【0082】
図10及び図12では、壁面部材9の被検知部9cにおいて、各検知穴Hの上下方向の幅と検知穴Hc間の間隔(すなわち壁部Wの上下方向の幅)とが同じであり、調理空間SPcの圧力が一定量変化する度に繰り返し、圧力状態検知部8の出力が切り替わる構成とされている。
【0083】
上記のように、圧力状態検知部8の出力はON又はOFFであり、制御装置50(図1参照)は、出力がONからOFF、あるいはOFFからONに切り替わった場合に切り替わり回数を1回としてカウントする。調理空間SPcの圧力変化により、圧力状態検知部8の測定位置Ldに対する壁面部材9の位置が変化するので、圧力状態検知部8の発光部8aと受光部8bとの間の遮蔽物の有無が変化し、圧力状態検知部8の出力が変化する。調理空間SPcの圧力の変化量とバネ74の収縮量とは線形の関係にあるので、調理空間SPcの圧力の変化量と圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数(カウント数)とも線形の関係にある。よって、加熱調理器100は、調理空間SPcが常圧状態であるときの圧力状態検知部8と壁面部材9との位置関係で上記の初期設定をしておけば、カウント数に基づいて調理空間SPcの圧力を算出することができる。つまり、本開示の加熱調理器100は、圧力状態検知部8の測定位置Ldに対する壁面部材9の相対位置の変化量すなわち変位量を検知することで、調理空間SPcの圧力の変化量を求めることができ。
【0084】
減圧ポンプ34が稼働しているとき、調理空間SPcは減圧されるので、圧力状態検知部8の出力が切り替わった場合、調理空間SPcの圧力は低下し、壁面部材9は下降しているものと推定できる。したがって、加熱調理器100は、常圧状態を初期状態として、初期状態から減圧ポンプ34による減圧を開始した場合、減圧ポンプ34の駆動中の圧力状態検知部8の出力変化の回数(すなわちカウント数)に応じて、調理空間SPcの圧力を検知することができる。この場合、切り替わり回数の1回に相当する圧力の変化量、あるいは、カウント数と圧力値との対応表等が、予め記憶部55に記憶されているものとする。
【0085】
制御装置50は、圧力状態検知部8の出力変化の回数に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判断するので、常圧状態と目標圧力Ptの低圧状態とを判別できるだけでなく、低圧状態における複数の圧力状態(例えば、第1圧力P1、第2圧力P2及び目標圧力Pt)を判別することができる。
【0086】
また、制御装置50は、圧力状態検知部8の出力変化の回数に基づき、例えば調理空間SPcの気密性及び減圧ポンプ34等に起因した異常状態を検出することもできる。具体的には、制御装置50は、減圧ポンプ34の稼働開始から予め決められた時間が経過してもカウント数が目標回数(例えば、3回)とならない場合には、調理空間SPcの圧力が漏洩しているものと判定する。また、制御装置50は、目標圧力Ptの低圧状態で減圧ポンプ34が停止しているときに圧力状態検知部8の出力が切り替わると、調理空間SPcの圧力が漏洩しているものと判定する。
【0087】
ところで、減圧ポンプ34による調理空間SPcの圧力の低下速度は、調理空間SPcの気密性に問題が無く圧力の漏洩が無ければ、減圧ポンプ34の動作能力に依存する。よって、制御装置50は、減圧ポンプ34の動作能力に基づいてカウント数が増加する目標速度を算出し、減圧ポンプ34による調理空間SPcの減圧中にカウント数の増加速度が目標速度よりも低下した場合に、異常状態が生じているものと判定するように構成してもよい。
【0088】
なお、圧力検知機構7の構成は上記の構成に限定されない。例えば、調理空間SPcが常圧状態であるときに、圧力状態検知部8の出力がONとなるように、動力伝達手段72による壁面部材9の移動範囲あるいは壁面部材9において複数の検知穴Hを設ける位置を決めてもよい。また、例えば、壁面部材9における検知穴Hの上下方向の幅及び壁部Wの上下方向の幅、あるいは、動力伝達手段72のばね定数を調整することで、検出できる圧力変化の分解能を調整できる。また、例えば、壁面部材9における検知穴Hの上下方向の幅と壁部Wの上下方向の幅とは違っていてもよく、各検知穴Hの上下方向の幅は一定でなくともよく、また、各壁部Wの上下方向の幅は一定でなくともよい。ただし、この場合、圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数それぞれに対応する調理空間SPcの圧力の変化量を予め測定して制御装置50に記憶しておくとよい。また、例えば、壁面部材9に設ける検知穴Hの数は、検知したい圧力範囲に応じて決めればよい。
【0089】
また、加熱調理器100は、複数の目標圧力を有し、複数の目標圧力の低圧状態で調理を実施する、あるいはメニューに応じた目標圧力で調理する構成としてもよい。この場合、制御装置50は、そのメニューの調理パターンに応じて目標圧力が検出されるまで減圧ポンプ34を稼働させる。詳しくは、制御装置50は、減圧ポンプ34の稼働開始からの圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数をカウントし、この切り替わり回数が目標圧力に相当する切り替わり回数となるまで減圧ポンプ34を稼働させた後、停止させる。以下に、目標圧力が異なる2つの調理パターンについて例示する。
【0090】
(低温沸騰)
加熱調理器100は、常圧状態から減圧ポンプ34による減圧を開始し、減圧開始後、圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数が2回となるまで減圧ポンプ34を稼働させる。加熱調理器100は、切り替わり回数が2回になる(例えば、調理空間SPcの圧力が0.8気圧になる)と、減圧ポンプ34を停止させ、その圧力状態で加熱コイル62による被加熱物の加熱を行う。これにより、低温沸騰調理を行うことができる。低温沸騰調理では、沸点が下がり水温も下がるため、食材の組成が破壊されず、食味が良くなる。また、低温沸騰調理では、低温でも沸騰状態となるため、気泡による熱の伝搬で内釜5内の温度が均一となり調理時間が短縮できる。
【0091】
(染み込み促進)
加熱調理器100は、減圧ポンプ34と開放弁31とを制御することで、圧力状態検知部8の出力の切り替わり回数が4回となる(例えば、調理空間SPcの圧力が0.6気圧である)低圧状態と、調理空間SPcの圧力が大気圧Paとなる常圧状態への復帰と、を繰り返す。これにより、食材への調味液の浸透を促進し、短時間で食材に味を染み込ませることができる。
【0092】
以上のように、実施の形態1に係る加熱調理器100は、被調理物を収容する容器(内釜5)と、容器を収納する本体1と、本体1に取り付けられ、容器を覆う蓋体2と、容器を加熱する加熱手段(加熱コイル62)と、を備える。また、加熱調理器100は、容器と蓋体2とによって形成される調理空間SPcを減圧する減圧手段(減圧ポンプ34)と、減圧手段を制御する制御装置50と、を備える。また、加熱調理器100は、蓋体2に設けられた圧力検知機構7を備え、圧力検知機構7は、壁面部材9と、圧力状態検知部8と、調理空間SPcの圧力に応じて伸縮し、壁面部材9及び圧力状態検知部8のいずれか一つを第1方向(上下方向)に移動させる動力伝達手段72と、を有する。圧力状態検知部8は、動力伝達手段72による壁面部材9と圧力状態検知部8との第1方向の相対位置の変位量を検知するものである。そして、制御装置50は、圧力状態検知部8により検知された第1方向の相対位置の変位量に基づいて、調理空間SPcの3以上の圧力状態を判別する。
【0093】
これにより、圧力状態検知部8は、動力伝達手段72による壁面部材9と圧力状態検知部8との第1方向の相対位置の変位量を検知し、制御装置50は、圧力状態検知部8により検知された第1方向の相対位置の変位量に基づいて、調理空間SPcの3以上の圧力状態を判別する。したがって、本開示の加熱調理器100によれば、圧力状態検知部8が検知した第1方向の相対位置の変化量から、3以上の圧力状態を検知することができる。
【0094】
また、壁面部材9には、第1方向に複数の検知穴Hが形成されている。そして、圧力状態検知部8は、測定位置Ldにおける壁面部材9の有無によって出力が切り替わるセンサ(例えば、フォトセンサ)で構成され、動力伝達手段72により第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって出力の切り替わり回数が増加する。このような構成により、圧力状態検知部8及び壁面部材9を簡単な構成にできる。
【0095】
また、制御装置50は、圧力状態検知部8の出力が切り替わった回数をカウントし、カウント数に基づき調理空間SPcの圧力状態を判断する。制御装置50には、調理空間SPcの圧力状態が決められた調理パターンと、複数の圧力状態に対応するカウント数と、が予め記憶されている。制御装置50は、調理パターンを実行する際、調理空間SPcを圧力状態に減圧するときには、カウント数が、調理パターンの圧力状態に対応するカウント数となるまで、減圧手段(減圧ポンプ34)を稼働させる。
【0096】
これにより、メニューに適した圧力で加熱調理を行うことが可能となる。例えば、ある圧力(例えば、0.8気圧)で低温沸騰調理を行って調理時間を短縮できる。また、例えば、ある圧力(例えば、0.6気圧)と大気圧とを交互に繰り返し、食材に調味液を短時間で染み込ませることができる。
【0097】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108の測定原理を説明する斜視図である。図14は、図13の圧力状態検知部108の測定原理を説明する横断面図である。図15は、実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108及び壁面部材9の動作を説明する縦断面図である。実施の形態1の圧力状態検知部8は、遮蔽物の有無に応じてON又はOFFとなるフォトセンサで構成されていたが、実施の形態2の圧力状態検知部108は、対象物までの距離Dを測定する測距センサ等で構成される。なお、実施の形態2においても、制御装置50は、実施の形態1の場合と同様、切り替わり回数に応じて圧力状態を判断する。図13図15に基づき、実施の形態2の圧力状態検知部108の構成及び動作について説明する。
【0098】
図13に示されるように、圧力状態検知部108は、測距センサとして例えば赤外線センサを有する。この圧力状態検知部108では、センサ本体の同一面(発光受光面108s)に、発光部8aと受光部8bとが同一方向を向いて設けられている。図14に示されるように、この測距センサは、発光部8aから発した光が対象物Oに到達後、反射して受光部8bに到達するまでの時間(以下、照射開始から受光までの時間Δtという)を測定することにより距離Dを検出する、TOF(Time Of Flight)距離センサである。
【0099】
図15に示されるように、圧力状態検知部108は、発光部8a及び受光部8bが設けられた発光受光面108sが壁面部材9の被検知部9cの片側の面と対向するように、保持部75の貫通穴75h(図8参照)の上側に設置される。また、図13及び図14に示されるように、圧力状態検知部108は、発光部8aと受光部8bとが、対象物Oである壁面部材9の移動方向(上下方向)に対して直交する方向(水平方向)に並ぶように設置される。
【0100】
図15に示されるように、TOF距離センサ等から成る圧力状態検知部108を、実施の形態1の場合と同様の壁面部材9と組合せる場合、以下のように圧力状態検知部108の出力を設定することで、実施の形態1の場合と同様、カウント数に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判断することができる。すなわち、圧力状態検知部108は、TOF距離センサにおける照射開始から受光までの時間Δtが、予め決められた閾値Taよりも大きい場合に出力をOFFとする。また、圧力状態検知部108は、TOF距離センサにおける照射開始から受光までの時間Δtが、予め決められた閾値Ta以下である場合に出力をONとする。
【0101】
なお、上記の圧力状態検知部108の機能の一部を、制御装置50が担う構成としてもよい。例えば、圧力状態検知部108は照射開始から受光までの時間Δtに応じた信号を制御装置50に出力し、制御装置50が、時間Δtと閾値Taとを比較して切り替わり回数を算出するようにしてもよい。
【0102】
閾値Taは、発光部8aが光を発してから、その光が対象物Oである壁面部材9の被検知部9cの片側の面で反射して受光部8bに到達するまでにかかる時間、あるいはこの時間に一定の時間を加えた時間である。閾値Taは、例えば、互いに対向する発光受光面108sと壁面部材9の片側の面との距離に応じて予め設定されている。
【0103】
被検知部9cに対して圧力状態検知部108が破線で示される位置にあるとき、その測定位置Ldには、被検知部9cにおける壁部Wが配置され、この壁部Wによって光が反射されて、反射光が受光部8bで受光される。この場合、照射開始から受光までの時間Δtと閾値Taとは、Δt≦Taの条件を満たすので、圧力状態検知部108の出力はONとなる。一方、被検知部9cに対して圧力状態検知部108が実線で示される位置にあるとき、その測定位置Ldには、被検知部9cにおける検知穴Hが配置され、発光部8aからの光は検知穴Hを通過してしまう。この場合、照射開始から受光までの時間Δtは閾値Taよりも長くなってしまうので、圧力状態検知部108の出力はOFFとなる。
【0104】
なお、圧力状態検知部108は、TOF距離センサにおける照射開始から受光までの時間Δtが閾値Ta以下である場合の出力をOFFとし、TOF距離センサにおける照射開始から受光までの時間Δtが閾値Taよりも大きい場合の出力をONとするように設定してもよい。この構成では、圧力状態検知部108の出力と測定位置Ldにおける遮蔽物(すなわち反射の対象物O)の有無との関係を、実施の形態1の場合と同様にすることができる。つまり、測定位置Ldに遮蔽物(すなわち反射の対象物O)がある場合の圧力状態検知部108の出力をOFFにし、測定位置Ldに遮蔽物(すなわち反射の対象物)が無い場合の圧力状態検知部108の出力をONにすることができる。
【0105】
(圧力状態検知部の変形例)
図16は、実施の形態2に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における圧力状態検知部108の変形例(圧力状態検知部208)の測定原理を示す斜視図である。図17は、図16の圧力状態検知部208の測定原理を説明する横断面図である。図13図15に示した圧力状態検知部108は、TOF方式の測距センサを有するものであったが、変形例にかかる圧力状態検知部208は、三角測量方式の測距センサを有するものである。図16及び図17に基づき、変形例に係る圧力状態検知部208の構成及び動作について説明する。
【0106】
図16に示されるように、圧力状態検知部208は、測距センサとして例えば赤外線センサを有する。この圧力状態検知部208では、センサ本体の同一面(発光受光面208s)に発光部8aと受光部8bとが設けられている。そして、発光受光面208sの外縁部には筒状の周壁部208wが形成され、また、発光受光面208sにおいて発光部8aと受光部8bとの間の発光部8aの側には、発光部8aと受光部8bとを隔てる隔壁208pが設けられている。図17に示されるように、この測距センサは、発光部8aが発した光が対象物Oで反射して受光部8bへ入射するときの入射角θから距離Dを検出する。
【0107】
図17に示されるように、圧力状態検知部208は、発光部8a及び受光部8bが設けられた発光受光面208sが壁面部材9の被検知部9c(図15参照)の片側の面と対向するように、保持部75の貫通穴75h(図8参照)の上側に設置される。また、図17に示されるように、圧力状態検知部208は、発光部8aと受光部8bとが、壁面部材9の移動方向に対して直交する方向(水平方向)に並ぶように設置される。
【0108】
三角測量方式の測距センサ等で圧力状態検知部208を構成する場合、圧力状態検知部208の出力は、以下のように設定することができる。すなわち、圧力状態検知部208は、三角測量方式の測距センサにおける受光部8bへの反射光の入射角θが、予め決められた閾値Tbよりも小さい場合、すなわち対象物Oが遠くにある場合に出力をOFFとする。また、圧力状態検知部208は、三角測量方式の測距センサにおける受光部8bへの反射光の入射角θが、予め決められた閾値Tb以上である場合、すなわち対象物Oが近くに出力をONとする。
【0109】
閾値Tbは、発光部8aが発した光が、対象物Oである壁面部材9の被検知部9cの片側の面で反射して受光部8bに入射する際の入射角である。閾値Tbは、例えば、互いに対向する発光受光面208sと被検知部9cの片側の面との距離、及び、水平方向における発光部8aと受光部8bとの距離に応じて予め設定されている。
【0110】
圧力状態検知部208の場合も、図15に示した圧力状態検知部108の場合と同様、その測定位置Ldに被検知部9cの壁部Wが配置されると、圧力状態検知部208の出力はONとなり、その測定位置Ldに被検知部9cの検知穴Hが配置されると、圧力状態検知部208の出力はOFFとなる。詳しくは、壁部Wによって光が反射され、反射光が受光部8bで受光される場合、受光部8bへの反射光の入射角θと閾値Tbとは、θ≧Tbの条件を満たすので、圧力状態検知部208の出力はONとなる。一方、発光部8aからの光が検知穴Hを通過する場合、受光部8bへの反射光の入射角θは閾値Tbよりも小さくなってしまうので、圧力状態検知部208の出力はOFFとなる。
【0111】
なお、圧力状態検知部208は、受光部8bへの反射光の入射角θが閾値Tb以上である場合に出力をOFFとし、受光部8bへの反射光の入射角θが閾値Tbよりも小さい場合に出力をONとする構成でもよい。
【0112】
また、図13図15に示す例、及び図16図17に示す変形例のように測距センサが用いられる場合において、壁面部材9の被検知部9cに複数の検知穴Hを設ける代わりに複数の溝すなわち凹部を形成してもよい。この場合、これらの溝は、壁面部材9において測距センサの発光受光面108s又は208sと対向する面に形成される。
【0113】
以上のように、実施の形態2では、壁面部材9には、第1方向(上下方向)に複数の検知穴H又は複数の凹部が形成されている。また、圧力状態検知部108、208は、測定位置における圧力状態検知部108、208と壁面部材9との距離Dを測定する測距センサを有し、測定された距離が予め決められた設定距離以下である場合と測定された距離がこの設定距離よりも大きい場合とで出力が切り替わるものである。そして、圧力状態検知部108、208は、動力伝達手段72により第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって出力の切り替わり回数が増加する。
【0114】
これにより、フォトセンサの代わりに測距センサを用いて実施の形態1の場合と同様のカウント数に基づく圧力状態の判断ができる。
【0115】
実施の形態3.
図18は、実施の形態3に係る加熱調理器100の圧力検知機構7における壁面部材309及び圧力状態検知部308の動作を説明する縦断面図である。実施の形態1、2では、圧力状態検知部8、108又は208は、ON又はOFFの2値を出力するものであり、制御装置50は、圧力状態検知部8、108又は208からの出力の切り替わり回数(すなわちカウント数)に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判断する構成とされていた。実施の形態3では、圧力状態検知部8は、測距センサで構成され、測定した距離Dの情報を出力するものであり、制御装置50は、圧力状態検知部8からの距離Dの情報に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判断する構成とされる。また、実施の形態3では、壁面部材309の構造が、実施の形態1、2の場合と異なる。図18に基づき、実施の形態3の壁面部材309の構造、圧力状態検知部308である測距センサの構成及び動作、並びに制御装置50による判定等について説明する。
【0116】
壁面部材309の被検知部309cは、壁面部材309と圧力状態検知部308との距離D(水平距離)が、壁面部材309の上下方向の移動に伴って変化するように構成あるいは配置されている。図18に示す被検知部309cは、圧力状態検知部308と対向する面(以下、被検知面309csともいう)が階段状とされ、壁面部材309の移動方向(上下方向)で被検知部309cの厚みが多段階に変化するように構成されている。被検知面309csは、上下方向に複数配置された側面部(側面部s1及び側面部s2等)を有し、これら複数の側面部s1、s2は、より上側の側面部s2ほど、圧力状態検知部308からの距離D(水平距離)が遠くなるように配置されている。
【0117】
なお、被検知部309cは、その被検知面309csと圧力状態検知部308との距離D(水平距離)が壁面部材309の上下方向の移動に伴って変化するように構成あるいは配置されていればよい。例えば、被検知面309csは、壁面部材309の移動方向(上下方向)に対して傾斜した傾斜面でもよい。この場合、圧力状態検知部308は、調理空間SPcの圧力変化を連続的に、距離Dの変化として検出することができる。傾斜面である被検知面309csは、例えば、図18に示す被検知部309cの縦断面が略直角三角形状となるように厚みを変化させた被検知部の斜面でもよいし、あるいは、壁面部材309の移動方向(上下方向)に対して傾いて配置された板状の被検知部の片側の面でもよい。
【0118】
圧力状態検知部308を構成する測距センサは、例えば赤外線センサである。測距センサは、図13及び図14に示したものと同様、TOF方式の測距センサであるものと定義する。なお、圧力状態検知部308を構成する測距センサは上記のものに限定されない。例えば、圧力状態検知部308は、図16及び図17に示したような三角測量方式の測距センサでもよい。また、例えば、圧力状態検知部308を構成する測距センサとして、光の反射を利用した赤外線センサを用いる代わりに、超音波の反射を利用した超音波センサを用いてもよい。
【0119】
図18に示されるように、圧力状態検知部308のセンサ本体の同一面(発光受光面308s)に、発光部8aと受光部8bとが設けられている。また、圧力状態検知部308は、発光部8a及び受光部8bが設けられた発光受光面308sが壁面部材309の被検知面309csと対向するように、保持部75の貫通穴75h(図8参照)の上側に設置される。また、圧力状態検知部308は、発光部8aと受光部8bとが、壁面部材309の移動方向(上下方向)に対して直交する方向(水平方向であり、図18の紙面前後方向)に並ぶように設置される。圧力状態検知部308の出力値は、例えば、その測定位置Ldにおける被検知面309csとの距離Dに応じた電圧値である。例えば、圧力状態検知部308の出力値は、測定した距離Dが大きいほど、大きい値となる。
【0120】
図18には、調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptであるときの壁面部材309に対する圧力状態検知部308の相対的な位置が実線で示されている。また、図18には、調理空間SPcの圧力が大気圧Paであるときの壁面部材309に対する圧力状態検知部308の相対的な位置が破線で示されている。減圧ポンプ34の駆動により調理空間SPcの圧力が大気圧Paから目標圧力Ptになる過程で、壁面部材309は下降し、その被検知面309csにおいて圧力状態検知部308の対象物Oは、側面部s1から、より上側の側面部s2に変わる。したがって、減圧ポンプ34の駆動により調理空間SPcの圧力が大気圧Paから目標圧力Ptになると、圧力状態検知部308の測定位置Ldにおける圧力状態検知部308と被検知面309csとの距離Dが大きくなり、出力値も大きくなる。
【0121】
このように、実施の形態3では、圧力状態検知部308が測距センサそのものであり、圧力状態検知部308からの出力値は3値以上をとり得る。記憶部55(図6参照)には、圧力状態検知部308の出力値と調理空間SPcの圧力値との対応表あるいは関係式が、予め記憶されている。制御装置50は、圧力状態検知部308すなわち測距センサからの出力値に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判別するように構成されている。制御装置50は、測距センサである圧力状態検知部308からの出力値に基づいて調理空間SPcの圧力状態を判別するので、実施の形態1及び2の場合よりも多数の圧力状態を判別し得る。また、制御装置50は、圧力状態検知部308の出力値から調理空間SPcの圧力の上昇と下降とを判断できるので、実施の形態1及び2の場合と比べて、調理空間SPcの圧力状態の判断がより正確に行える。
【0122】
実施の形態3では、壁面部材309は、第1方向(上下方向)に階段状の、又は第1方向に対して傾斜した被検知面309csを有するものである。圧力状態検知部308は、測定位置Ldにおける圧力状態検知部308と壁面部材309との距離Dを測定する測距センサで構成され、動力伝達手段72により第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって出力値が大きくなる、又は小さくなる。
【0123】
また、制御装置50は、圧力状態検知部308からの出力値に応じて調理空間SPcの圧力状態を判断する。実施の形態3では、圧力状態に応じて圧力状態検知部308の出力値が異なることになるので、調理空間SPcの昇圧と降圧とを区別できる。
【0124】
実施の形態4.
図19は、実施の形態4に係る加熱調理器100の圧力検知機構407の構成を示す斜視図である。図20は、図19の外蓋21の縦断面において圧力検知機構407を分解して示す縦断面図である。実施の形態4では、圧力状態検知部408が2つのセンサ(第1センサ408x及び第2センサ408y)を組合せて構成される点が、実施の形態1の場合とは異なる。また、実施の形態4では、壁面部材409に複数の検知穴が2列設けられる点が、実施の形態1の場合とは異なる。図19及び図20に基づき、実施の形態4の圧力検知機構407について説明する。
【0125】
図20に示されるように、圧力検知機構407は、第1センサ408x及び第2センサ408y等から成る圧力状態検知部408と、壁面部材409と、動力伝達手段72と、シール部材71等とで構成されている。第1センサ408x及び第2センサ408yのそれぞれは、実施の形態1の圧力状態検知部8と同様、遮蔽物の有無に応じて出力値が2値間で切り替わる例えばフォトセンサで構成される。
【0126】
外蓋下面21bのパッキン支持部21bwには、実施の形態1の場合と同様、壁面部材409が配置される貫通穴75hを有した保持部75が固定されている。動力伝達手段72は、上下に伸縮するバネ74と、バネ74の上端部に取り付けられ、バネ74と壁面部材409とを連結する連結部材73とを有する。
【0127】
壁面部材409は、切り欠き部9aが形成された下端部を有し、この切り欠き部9aに、シール部材71を介して動力伝達手段72の連結部材73が配置されることで、壁面部材409と動力伝達手段72とが係合う構成とされている。壁面部材409において下端部よりも上側の被検知部409cは、動力伝達手段72による壁面部材409の移動方向(すなわち上下方向)に延びた略長方形状を有する。動力伝達手段72により壁面部材409が移動する際、保持部75の貫通穴75hから突出する被検知部409cの突出高さLp(後述の図22参照)が変化する。
【0128】
実施の形態4の圧力検知機構407では、第1センサ408xと第2センサ408yとで出力が切り替わるタイミングが異なるように、壁面部材409における各列の複数の検知穴の間隔が列ごとに異なる間隔となっている。壁面部材409の被検知部409cをその短手方向(壁面部材409の横方向。以下、第2方向ともいう。)に二分した一方の第1領域R1には、壁面部材409の移動方向(すなわち上下方向)に沿って複数の第1検知穴H1が形成されている。また、被検知部409cをその短手方向に二分した他方の第2領域R2には、壁面部材409の移動方向に沿って複数の第2検知穴H2が形成されている。第1検知穴H1の形状、及び第2検知穴H2の形状はそれぞれ、どのような形状でもよいが、上下方向の幅よりも横方向(第2方向)の幅が広い横長の形状が好ましい。
【0129】
第1検知穴H1と第2検知穴H2とでは、上下方向の幅が互いに異なる。図20では、被検知部409cの第1領域R1には、横長のスリット状の第1検知穴H1が上下方向に4つ形成されており、被検知部409cの第2領域R2には、横長のスリット状の第2検知穴H2が上下方向に8つ形成されている。そして、第2検知穴H2の上下方向の幅は第1検知穴H1の上下方向の幅よりも狭く、また、第2検知穴H2同士の間隔は、第1検知穴H1同士の間隔よりも狭い。
【0130】
図19及び図20に示されるように、第1センサ408xと第2センサ408yとは、互いに対向するように、壁面部材409の被検知部409cの短手方向の両側にそれぞれ配置され、保持部75の上部に固定されている。第1センサ408xは、その発光部408xaと受光部408xbとが保持部75の貫通穴75hの上方において被検知部409cの第1領域R1の両面とそれぞれ対向するように配置されている。第2センサ408yは、その発光部408yaと受光部408ybとが保持部75の貫通穴75hの上方において被検知部409cの第2領域R2の両面とそれぞれ対向するように配置されている。以下では、第1センサ408xの測定位置Ldと第2センサ408yの測定位置Ldとが上下方向で互いに同じ高さにあるものとし、2つをまとめて圧力状態検知部408の測定位置Ldと称する場合がある。
【0131】
図21は、図20の圧力検知機構407の壁面部材409の拡大図である。以下では、説明を容易なものとするために、壁面部材409の被検知部409cの第1領域R1に形成された4つの第1検知穴H1を互いに区別し、下から上へ順に、第1検知穴H1a、第1検知穴H1b、第1検知穴H1c、及び第1検知穴H1dと称する場合がある。また、第1領域R1において上下に隣り合う第1検知穴H1間の壁部、第1検知穴H1aの下方の壁部、及び第1検知穴H1dの上方の壁部をそれぞれ第1検知壁部W1と称する場合がある。また、壁面部材409の被検知部409cの第2領域R2に形成された8つの第2検知穴H2を互いに区別し、下から上へ順に、第2検知穴H2a、第2検知穴H2b、第2検知穴H2c、第2検知穴H2d、第2検知穴H2e、第2検知穴H2f、第2検知穴H2g、及び第2検知穴H2hと称する場合がある。また、第2領域R2において上下に隣り合う第2検知穴H2間の壁部、第2検知穴H2aの下方の壁部、及び第2検知穴H2hの上方の壁部をそれぞれ第2検知壁部W2と称する場合がある。
【0132】
図21では、第1検知穴H1の上下方向の幅は、第2検知穴H2の上下方向の幅の2倍であり、また、第1検知穴H1同士の間隔は、第2検知穴H2同士の間隔の2倍である。被検知部409cにおいて各第1検知穴H1の横には、下から上に順に、第2検知壁部W2と第2検知穴H2とが設けられている。上下方向において、複数の第2検知穴H2のうち最も下の第2検知穴H2aは、複数の第1検知穴H1のうち最も下の第1検知穴H1aよりも下側に設けられている。
【0133】
図22は、図20の圧力検知機構407が状態(6)であるときの2つのセンサ(第1センサ408x及び第2センサ408y)の測定位置Ldを示す縦断面図である。図23は、図20の圧力検知機構407が状態(5)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。図24は、図20の圧力検知機構407が状態(4)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。図25は、図20の圧力検知機構407が状態(3)であるときの2つのセンサの測定位置Ldを示す縦断面図である。図26は、図20の圧力検知機構407の各状態における2つのセンサの出力の組合せの一例を示す表である。図27は、図20の圧力検知機構407の各状態における2つのセンサの出力と調理空間SPcの圧力との関係を示す図である。以下、図22図27に基づき、圧力検知機構407の動作、及び制御装置50による判定等について説明する。以下では、第1圧力P1は、大気圧Paよりも低く且つ目標圧力Ptよりも高い圧力であり、第3圧力P3は、目標圧力Ptよりも低い圧力であるものとする。
【0134】
図22に示されるように、圧力検知機構407が状態(6)であるとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1aと、第2領域R2の第2検知穴H2bとが配置される。また、図23に示されるように、圧力検知機構407が状態(5)であるとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1aと第1検知穴H1bとの間の第1検知壁部W1と、第2領域R2の第2検知穴H2bと第2検知穴H2cとの間の第2検知壁部W2とが配置される。また、図24に示されるように、圧力検知機構407が状態(4)であるとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1aと第1検知穴H1bとの間の第1検知壁部W1と、第2領域R2の第2検知穴H2cとが配置される。また、図25に示されるように、圧力検知機構407が状態(3)であるとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1bと、第2領域R2の第2検知穴H2cと第2検知穴H2dとの間の第2検知壁部W2とが配置される。
【0135】
図22図25に示されるように、保持部75の貫通穴75hから突出する被検知部409cの突出高さLpは、圧力検知機構407が状態(6)、状態(5)、状態(4)、状態(3)の順に小さくなる。すなわち、上下方向において圧力状態検知部408に対する壁面部材409の位置は、圧力検知機構407が状態(6)、状態(5)、状態(4)、状態(3)の順に低くなる。
【0136】
また、図示していないが、圧力検知機構407が状態(3)のときよりも、被検知部409cの突出高さLpが更に小さくなる状態(2)のとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1bと、第2領域R2の第2検知穴H2dとが配置される。また、圧力検知機構407が状態(2)のときよりも、被検知部409cの突出高さLpが更に小さくなる状態(1)のとき、圧力状態検知部408の測定位置Ldには、被検知部409cにおける第1領域R1の第1検知穴H1bと第1検知穴H1cとの間の第1検知壁部W1と、第2領域R2の第2検知穴H2dと第2検知穴H2eとの間の第2検知壁部W2とが配置される。
【0137】
したがって、図26及び図27に示されるように、第2センサ408yの出力が2回切り替わる間に、第1センサ408xの出力は1回切り替わる。圧力検知機構407が状態(6)、状態(5)、状態(4)、状態(3)、状態(2)及び状態(1)であるときの各状態における第1センサ408xの出力と第2センサ408yの出力との組合せは、次のようになる。すなわち、第1センサ408xの出力と第2センサ408yの出力との組合せは、圧力検知機構407が状態(6)のときにONとONになり、圧力検知機構407が状態(5)のときにOFFとOFFになり、圧力検知機構407が状態(4)のときにOFFとONになり、圧力検知機構407が状態(3)のときにONとOFFになる。また、圧力検知機構407が状態(2)のときには、状態(6)のときと同様、第1センサ408xの出力と第2センサ408yの出力との組合せはONとONになる。また、圧力検知機構407が状態(1)のときには、状態(5)のときと同様、第1センサ408xの出力と第2センサ408yの出力との組合せはOFFとOFFになる。
【0138】
実施の形態4では、圧力変化検知部が2つのセンサ(第1センサ408x及び第2センサ408y)を備えているので、制御装置50は、2つのセンサからの出力の組合せに応じて少なくとも4つの圧力状態を区別することができる。あるいは、制御装置50は、2つのセンサの出力の切り替わり回数をカウントし、2つのセンサに対するカウント数の組合せに応じて圧力状態を区別する構成でもよい。
【0139】
この場合、制御装置50の記憶部55(図6参照)には、2つのセンサからの出力の組合せと調理空間SPcの圧力状態との関係が予め記憶されている。例えば、図27では、第1センサ408xがONであり第2センサ408yがONであるとき、すなわち状態(6)のときの調理空間SPcの圧力は、大気圧Paに設定されている。また、第1センサ408xがOFFであり第2センサ408yがONであるとき、すなわち状態(4)のときの調理空間SPcの圧力は、目標圧力Ptに設定されている。また、第1センサ408x及び第2センサ408yがともにOFFであるとき、すなわち状態(5)のときの調理空間SPcの圧力は、大気圧Paよりも低く目標圧力Ptよりも高い第1圧力P1に設定されている。また、第1センサ408xがONであり第2センサ408yがOFFであるとき、すなわち状態(3)のとき、調理空間SPcの圧力は目標圧力Ptよりも更に低い第3圧力P3に設定されている。
【0140】
また、実施の形態4では、制御装置50は、2つのセンサからの出力の組合せと、一方のセンサの出力変化の回数(すなわちカウント数)とに基づいて5つ以上の圧力状態を区別することができる。図27では、圧力検知機構407が状態(2)のときと状態(6)のときとで第1センサ408xの出力と第2センサ408yの出力との組合せは同じであるが、状態(6)のときには初期状態からの第2センサ408yの出力変化の回数が0回であり、状態(2)のときには初期状態からの第2センサ408yの出力変化の回数が4回である。したがって、制御装置50は、状態(6)すなわち調理空間SPcの圧力が大気圧Paである状態と、状態(2)すなわち調理空間SPcの圧力が第3圧力P3よりも更に低い圧力である状態とを区別することができる。
【0141】
また、実施の形態4でも、実施の形態1の場合と同様、制御装置50は、例えば調理空間SPcの気密性及び減圧ポンプ34等に起因した異常状態を検出するように構成されている。実施の形態4では、圧力状態検知部408が2つのセンサを備えているので、実施の形態1のように圧力状態検知部8が1つのセンサのみを備える構成と比べて、減圧ポンプ34の動作状態にかかわらず、調理空間SPcの昇圧と降圧とを区別することができる。また、実施の形態4では減圧ポンプ34が停止している状態でも調理空間SPcの昇圧と降圧とを区別できるので、例えば、調理空間SPcを目標圧力Ptにして調理を実行している途中で、減圧ポンプ34と開放弁31とにより調理空間SPcの圧力を目標圧力Ptから昇圧又は降圧させて別の圧力で調理を継続することもできる。以下、調理空間SPcの昇圧と降圧とを区別して検出する方法について図26を用いて詳しく説明する。
【0142】
ここで、調理空間SPcの圧力は目標圧力Ptであり、圧力検知機構407は状態(4)であるものとする。このとき、第1センサ408xはOFFであり第2センサ408yはONである。この状態(4)から、第1センサ408xはOFFのまま変化せず第2センサ408yのみがONからOFFに切り替わった場合、変化後の圧力検知機構407は状態(5)である。よって、制御装置50は、調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptから第1圧力P1に昇圧したものと判断する。
【0143】
一方、第1センサ408xがOFF且つ第2センサ408yがONである状態(4)から、第1センサ408xがOFFからONに切り替わり、且つ第2センサ408yがONからOFFに切り替わった場合、変化後の圧力検知機構407は状態(3)である。よって、制御装置50は、調理空間SPcの圧力が目標圧力Ptから第3圧力P3に降圧したものと判断する。
【0144】
以上のように、実施の形態4では、圧力状態検知部408は、第1方向(上下方向)と直交する第2方向(横方向)に2つのセンサ(第1センサ408x及び第2センサ408y)が配置されて成る。壁面部材409を第2方向に2分した一方(第1領域R1)には、第1方向に複数の第1検知穴H1が形成され、壁面部材を第2方向に2分した他方(第2領域R2)には、第1方向に複数の第2検知穴H2が形成されている。そして、第2検知穴H2の第1方向の開口幅及び第2検知穴H2間の間隔は、第1検知穴H1の第1方向の開口幅及び第1検知穴H1間の間隔よりも小さい。2つのセンサのそれぞれは、測定位置Ldにおける遮蔽物の有無によって出力が切り替わるセンサ(例えば、フォトセンサ)で構成され、動力伝達手段72により第1方向の相対位置の変位量が大きくなるにしたがって出力の切り替わり回数が増加する。
【0145】
これにより、2つのセンサにおいて出力が切り替わる間隔及びタイミングをずらすことができ、各センサの出力が2値(ONとOFF)である場合でも、3以上の圧力状態を区別して検知することが可能となる。
【0146】
また、制御装置50は、2つのセンサの出力の組合せ、又は、2つのセンサのそれぞれの出力の切り替わり回数の組合せに基づき調理空間の圧力状態を判断する。2つのセンサの出力の組合せに基づき圧力状態が判断される場合には、2つのセンサの出力の組合せから、例えば、図27に示した大気圧Pa、第1圧力P1、目標圧力Pt及び第3圧力P3を区別して検知することができる。また、2つのセンサのそれぞれの出力の切り替わり回数(カウント数)の組合せから、例えば図27に示した状態(1)~(6)に対応する6つの圧力状態を検知することができる。
【0147】
なお、上記の実施の形態1~4の圧力検知機構7、407では、圧力状態検知部8、108、208、308、408が外蓋下面21bに対して固定され、動力伝達手段72によって被検知部材である壁面部材9、309、409が移動するものと定義したが、調理空間SPcの圧力変化に伴って圧力状態検知部8、108、208、308、408及び壁面部材9、309、409の一方が移動する構成であればよい。よって、壁面部材9、309、409が外蓋下面21bに対して固定され、動力伝達手段72によって圧力状態検知部8、108、208、308、408が移動する構成としてもよい。この場合、壁面部材9、309、409は、外蓋下面21bに固定されている保持部75の上部に固定される。なお、保持部75の上部に壁面部材9、309、409を一体的に形成してもよい。
【0148】
また、実施の形態2のように測距センサ等から成る圧力状態検知部108を備えた圧力検知機構7に、被検知部材として実施の形態3の壁面部材309を適用し、実施の形態2の場合と同様、圧力状態検知部108の出力の切り替わり回数に応じて圧力状態を判断する構成としてもよい。この場合、記憶部55には、測距センサで測定される距離Dが大きくなるにつれて圧力状態検知部408からの出力が2値間で交互に切り替わるように予め複数の距離Dの閾値と出力との関係が記憶される。
【0149】
また、実施の形態4の第1センサ408x及び第2センサ408yのそれぞれを、フォトセンサで構成する代わりに、実施の形態2の圧力状態検知部108のように測距センサを有し、閾値により出力が切り替わる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 本体、2 蓋体、4 ヒンジ、5 内釜、5f フランジ、7 圧力検知機構、8 圧力状態検知部、8a 発光部、8b 受光部、9 壁面部材、9a 切り欠き部、9c 被検知部、10 底面ケース、10a 本体持ち手部、11 内釜カバー、11h 孔部、12 内釜支持部材、13 開閉ボタン、14 蓋体係止部、15 側面ヒータ、16 圧縮バネ、21 外蓋、21a 外蓋上面、21b 外蓋下面、21bw パッキン支持部、21h1 連通孔、21h2 連通孔、21h3 連通孔、21hp 孔部、21hs センサ孔、21p1 ジョイントパッキン、21p2 ジョイントパッキン、21p3 ジョイントパッキン、21ps ジョイントパッキン、22 内蓋、22h1 内蓋孔、22h2 内蓋孔、22h3 内蓋孔、22hs 内蓋孔、23 パッキン、24 カートリッジ、24o 蒸気排出口、24p 蒸気排出経路、25 蓋温度センサ、26 操作部、27 表示部、31 開放弁、32 安全弁、33 減圧流路切換弁、34 減圧ポンプ、41 ヒンジ軸、42 ヒンジバネ、50 制御装置、51 情報取得部、52 比較判断部、53 機器制御部、54 タイマ、55 記憶部、62 加熱コイル、63 冷却ファン、64 インバータ、69 底温度センサ、71 シール部材、71c 中央部、72 動力伝達手段、73 連結部材、74 バネ、75 保持部、75h 貫通穴、100 加熱調理器、108 圧力状態検知部、108s 発光受光面、208 圧力状態検知部、208p 隔壁、208s 発光受光面、208w 周壁部、308 圧力状態検知部、308s 発光受光面、309 壁面部材、309c 被検知部、309cs 被検知面、407 圧力検知機構、408 圧力状態検知部、408x 第1センサ、408xa 発光部、408xb 受光部、408y 第2センサ、408ya 発光部、408yb 受光部、409 壁面部材、409c 被検知部、D 距離、F1 開放流路、F2 安全流路、F3 減圧流路、H 検知穴、H1 第1検知穴、H1a 第1検知穴、H1b 第1検知穴、H1c 第1検知穴、H1d 第1検知穴、H2 第2検知穴、H2a 第2検知穴、H2b 第2検知穴、H2c 第2検知穴、H2d 第2検知穴、H2e 第2検知穴、H2f 第2検知穴、H2g 第2検知穴、H2h 第2検知穴、Ha 検知穴、Hb 検知穴、Hc 検知穴、Hd 検知穴、Ld 測定位置、Lp 突出高さ、O 対象物、P1 第1圧力、P11 接続管、P12 接続管、P2 第2圧力、P21 接続管、P3 第3圧力、P31 接続管、P32 接続管、P33 接続管、Pa 大気圧、Pt 目標圧力、R1 第1領域、R2 第2領域、SP1 内釜収納部、SP2 本体内部空間、SPb 空間部、SPc 調理空間、W 壁部、W1 第1検知壁部、W2 第2検知壁部、Wa 下側壁部、Wb 検知壁部、Wc 検知壁部、Wd 検知壁部、We 上側壁部、s1 側面部、s2 側面部、θ 入射角。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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図11
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図27