(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136834
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】水素生成装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 3/38 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
C01B3/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048113
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100202201
【弁理士】
【氏名又は名称】兒島 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 理
(72)【発明者】
【氏名】武田 憲有
(72)【発明者】
【氏名】西崎 柾峻
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊
【テーマコード(参考)】
4G140
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB03
4G140EB04
4G140EB35
(57)【要約】
【課題】信頼性のある水素生成装置を実現する。
【解決手段】
燃焼排ガス流路140は、燃焼筒101を介して空気流路120bに沿わされ、内筒102を介して蒸発部121に沿わされている。蒸発部121で水が蒸発し、改質触媒で蒸発した水から水素及び一酸化炭素が生成され、CO低減触媒で一酸化炭素の濃度が低減される。固定体は、燃焼筒101に対して内筒102を固定している。第1管は、燃焼排ガス流路140からの燃焼排ガスを排出する。第2管は、水を蒸発部121に供給する。第3管は、CO低減触媒からの水素を排出する。第1管、第2管及び第3管は、軸Oから遠ざかるように延びている。固定体、第1管、第2管及び第3管は、上から下にこの順に並んでいる。第1管と第2管との第2距離L2は、固定体と第1管との第1距離L1よりも大きく、且つ、第2管と第3管との第3距離L3よりも大きい。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる軸を有する燃焼筒と、
前記燃焼筒を囲む内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記燃焼筒内で空気を流す空気流路と、
前記空気流路から前記空気が供給され、炎及び燃焼排ガスを生成する燃焼部と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を上から下に流して蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素及び一酸化炭素を生成する改質触媒と、
前記一酸化炭素の濃度を低減するCO低減触媒と、
前記燃焼筒及び前記内筒の間で前記燃焼排ガスを下から上に流し、前記燃焼筒を介して前記空気流路に沿わされ、前記内筒を介して前記蒸発部に沿わされた燃焼排ガス流路と、
前記燃焼筒に対して前記内筒を固定する固定体と、
前記燃焼排ガス流路からの前記燃焼排ガスを排出する第1管と、
前記水を前記蒸発部に供給する第2管と、
前記CO低減触媒からの前記水素を排出する第3管と、を備え、
前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、前記軸から遠ざかるように延び、
前記固定体、前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、上から下にこの順に並び、
前記上下方向に関する前記固定体と前記第1管との距離を、第1距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第1管と前記第2管との距離を、第2距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第2管と前記第3管との距離を、第3距離と定義したとき、
前記第2距離は、前記第1距離よりも大きく、且つ、前記第3距離よりも大きい、
水素生成装置。
【請求項2】
前記燃焼排ガス流路は、前記第2管よりも下方に位置する第1流路と、前記第2管よりも上方に位置する第2流路と、を含み、
前記第2流路の流路断面積は、前記第1流路の流路断面積よりも小さい、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記内筒は、前記蒸発部及び前記第2管よりも上方において前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触している、
請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項4】
前記内筒は、第1単一部品を含み、
前記第1単一部品は、前記凸部と、螺旋構造と、を含み、
前記外筒は、第2単一部品を含み、
前記第2単一部品は、前記凸部に対向する対向壁と、前記螺旋構造を囲む区画壁と、を含み、
前記区画壁及び前記螺旋構造は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記対向壁に接触している、
請求項3に記載の水素生成装置。
【請求項5】
前記凸部は、
前記外筒から離間した上側部分と、
前記外筒から離間し、前記上側部分よりも下方に位置する下側部分と、
前記上下方向に関して前記上側部分及び前記下側部分の間に位置し、前記外筒に接するように前記外筒の全周に沿って延びる帯状部分と、を有する、
請求項3に記載の水素生成装置。
【請求項6】
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部及び前記外筒の接触幅を第1幅と定義し、
前記螺旋構造及び前記外筒の接触幅を第2幅と定義したとき、
前記第1幅は、前記第2幅よりも大きい、
請求項3に記載の水素生成装置。
【請求項7】
前記凸部及び前記外筒は互いに溶接されている、
請求項3から6のいずれか一項に記載の水素生成装置。
【請求項8】
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部及び前記外筒の接触幅を第1幅と定義し、
前記螺旋構造及び前記外筒の接触幅を第2幅と定義したとき、
前記第1幅は、前記第2幅よりも大きい、
水素生成装置。
【請求項9】
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画している、水素生成装置の製造方法であって、
前記軸から遠ざかる方向に関して前記凸部の突出高さが前記螺旋構造の突出高さよりも大きい前記内筒を、前記外筒によって囲むことと、
前記凸部の突出高さが減少するように、前記内筒に向かって前記外筒を収縮させることと、を含む、
製造方法。
【請求項10】
前記内筒に向かって前記外筒を収縮させた後に、前記凸部及び前記外筒を溶接することを含む、
請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水素生成装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素生成装置が知られている。水素生成装置では、加熱部において、可燃ガス及び空気を燃焼させて熱を生じさせる。蒸発部において、水が蒸発する。改質触媒において、原料ガス及び蒸発した水から、水素及び一酸化炭素が生成される。CO低減触媒において、一酸化炭素の濃度が低減される。特許文献1には、水素生成装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適した技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、
上下方向に延びる軸を有する燃焼筒と、
前記燃焼筒を囲む内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記燃焼筒内で空気を流す空気流路と、
前記空気流路から前記空気が供給され、炎及び燃焼排ガスを生成する燃焼部と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を上から下に流して蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素及び一酸化炭素を生成する改質触媒と、
前記一酸化炭素の濃度を低減するCO低減触媒と、
前記燃焼筒及び前記内筒の間で前記燃焼排ガスを下から上に流し、前記燃焼筒を介して前記空気流路に沿わされ、前記内筒を介して前記蒸発部に沿わされた燃焼排ガス流路と、
前記燃焼筒に対して前記内筒を固定する固定体と、
前記燃焼排ガス流路からの前記燃焼排ガスを排出する第1管と、
前記水を前記蒸発部に供給する第2管と、
前記CO低減触媒からの前記水素を排出する第3管と、を備え、
前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、前記軸から遠ざかるように延び、
前記固定体、前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、上から下にこの順に並び、
前記上下方向に関する前記固定体と前記第1管との距離を、第1距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第1管と前記第2管との距離を、第2距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第2管と前記第3管との距離を、第3距離と定義したとき、
前記第2距離は、前記第1距離よりも大きく、且つ、前記第3距離よりも大きい、
水素生成装置を提供する。
【0006】
別の側面において、本開示は、
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部及び前記外筒の接触幅を第1幅と定義し、
前記螺旋構造及び前記外筒の接触幅を第2幅と定義したとき、
前記第1幅は、前記第2幅よりも大きい、
水素生成装置を提供する。
【0007】
別の側面において、本開示は、
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画している、水素生成装置の製造方法であって、
前記軸から遠ざかる方向に関して前記凸部の突出高さが前記螺旋構造の突出高さよりも大きい前記内筒を、前記外筒によって囲むことと、
前記凸部の突出高さが減少するように、前記内筒に向かって前記外筒を収縮させることと、を含む、
製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る技術は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施の形態1における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
【
図1B】実施の形態1における水素生成装置の部分拡大図である。
【
図2】実施の形態2における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
【
図3A】実施の形態3における水素生成装置の構成を示す縦断面図である。
【
図3B】実施の形態3における内筒及び外筒の接触領域の説明図である。
【
図4A】実施の形態3における水素生成装置の製造工程を示す工程図である。
【
図4B】実施の形態3における水素生成装置の製造工程を示す工程図である。
【
図4C】実施の形態3における水素生成装置の製造工程を示す工程図である。
【
図5】実施の形態3に係る水素生成装置の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、
図1A及び
図1Bを用いて、実施の形態1を説明する。
【0012】
[1-1.構成]
図1Aは、実施の形態1における水素生成装置100の構成を示す縦断面図である。水素生成装置100は、燃焼筒101、内筒102、外筒103、第1隔壁105、加熱部120、蒸発部121、改質部122、CO低減部123、燃焼排ガス流路140、リターン流路141、供給管143、燃焼排ガス排管144、水素ガス排管145及びブラケット146を含む。
【0013】
燃焼筒101は、上下方向ADに延びる軸Oを有する。
図1Aにおいて、径方向RDは、上下方向ADに直交する直線方向である。周方向CDは、上下方向ADに直交する方向であって、軸Oの周りを周回する方向である。内筒102は、燃焼筒101を囲んでいる。外筒103は、内筒102を囲んでいる。第1隔壁105は、内筒102を囲んでいる。燃焼筒101、内筒102、外筒103及び第1隔壁105は、同軸である。燃焼筒101、内筒102、外筒103及び第1隔壁105は、板状体である。燃焼筒101、内筒102、外筒103、第1隔壁105、供給管143、燃焼排ガス排管144、水素ガス排管145及びブラケット146は、金属を含む。
【0014】
燃焼筒101内には、加熱部120が設けられている。加熱部120は、軸Oに沿って延びている。加熱部120は、吸気口120a、空気流路120b、可燃ガス流路120c及び燃焼部120dを含む。燃焼部120dは、吸気口120aよりも下方に位置する。吸気口120aは、空気を吸気する。空気流路120bは、吸気口120aから燃焼部120dへと、上から下に空気を流す。可燃ガス流路120cは、燃焼部120dへと、上から下に可燃ガスを流す。燃焼部120dでは、空気及び可燃ガスが燃焼し、下向きの炎が形成され、燃焼排ガスが生成される。図示の例では、加熱部120は、バーナーである。燃焼部120dは、バーナーの開口である。
【0015】
内筒102及び燃焼筒101の間には、燃焼排ガス流路140が設けられている。内筒102の上部には、燃焼排ガス排管144が接続されている。燃焼部120dで生成された燃焼排ガスは、燃焼筒101よりも下方の隙間から燃焼排ガス流路140に入り込み、燃焼排ガス流路140を下から上に流れる。燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスの熱は、空気流路120bにおける空気と、蒸発部121における原料ガス及び水と、改質部122における原料ガス及び水とに与えられる。燃焼排ガス流路140を流れた後、燃焼排ガスは、燃焼排ガス排管144から排出される。内筒102は、ブラケット146によって、燃焼筒101に対して固定されている。本実施の形態では、ブラケット146は、径方向RDの中央に穴を有する板状体である。
【0016】
外筒103は、上側部分及び下側部分を含む。下側部分の径は、上側部分の径よりも大きい。外筒103は、内筒102を囲んでいる。外筒103には、供給管143が接続されている。供給管143には、炭化水素を含む原料ガスと、水と、が供給される。原料ガス及び水は、蒸発部121に供給される。
【0017】
内筒102及び外筒103の間に、蒸発部121が設けられている。供給管143から蒸発部121へと原料ガス及び水が供給される。蒸発部121は、原料ガス及び水を上から下に流す。蒸発部121において水が蒸発する。なお、流体を上から下に流すとは、流体の流出部が流体の流入部よりも下に位置することを意味する。流体を下から上に流すとは、流体の流出部が流体の流入部よりも上に位置することを意味する。他の類似の表現についても同様である。
【0018】
内筒102は、螺旋構造161及び下側構造162を含む。螺旋構造161及び下側構造162は、外筒103により囲まれている。螺旋構造161と外筒103の上側部分とによって、螺旋状の空間が区画されている。この螺旋状の空間が、蒸発部121である。下側構造162は、螺旋構造161よりも下に設けられている。
【0019】
実施の形態1では、内筒102は、軸Oを囲むように曲げられることにより、筒状を呈している。また、内筒102は、軸Oから遠ざかるように、図示の例では径方向RDの外向きに、突出する凸構造を有するように曲げられている。その凸構造が螺旋構造161である。内筒102と、外筒103とによって、螺旋構造161に沿う螺旋状の空間すなわち蒸発部121が区画されている。螺旋構造161は、外筒103の内側の領域を螺旋状に仕切る仕切りとして機能する。
【0020】
外筒103の下側部分と下側構造162との間には、改質部122が設けられている。改質部122には、改質触媒が充填されている。改質部122では、蒸発部121から流出した原料ガス及び水蒸気が流れる。改質触媒は、原料ガス及び水蒸気から、改質反応により、一次水素含有ガスを生成する。一次水素含有ガスは、一酸化炭素及び水素を含む。
【0021】
第1隔壁105は、有底円筒形である。第1隔壁105は、上側部分、下側部分及び底部を含む。下側部分の径は、上側部分の径よりも小さい。
【0022】
第1隔壁105の下側部分は、外筒103の下側部分を囲んでいる。第1隔壁105の底部と外筒103の下端との間に、一次水素含有ガスが通流する隙間がある。第1隔壁105の下側部分と外筒103の下側部分との間には、リターン流路141が設けられている。リターン流路141は、改質部122から下方に流出した一次水素含有ガスの流れを、上向きに変え、CO低減部123に導く。
【0023】
第1隔壁105の上側部分は、外筒103の上側部分を囲んでいる。第1隔壁105の上側部分と外筒103の上側部分との間には、CO低減部123が設けられている。第1隔壁105のうちCO低減部123よりも上の位置に、水素ガス排管145が接続されている。
【0024】
CO低減部123には、CO低減触媒が充填されている。改質部122から流出した一次水素含有ガスは、一酸化炭素を含む。CO低減触媒は、変性反応により、一酸化炭素の濃度を低減し、これにより二次水素含有ガスを生成する。CO低減触媒からの、濃度が低減された一酸化炭素と、水素とが、水素ガス排管145から排出される。
【0025】
本実施の形態では、燃焼排ガス流路140及び空気流路120bが、燃焼筒101を介して互いに沿わされている。この構成は、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスと空気流路120bにおける空気との間の熱交換を引き起こす構成として適している。また、燃焼排ガス流路140及び蒸発部121が、内筒102を介して互いに沿わされている。この構成は、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスと蒸発部121における原料ガス及び水との間の熱交換を引き起こす構成として適している。これらの熱交換は、水素生成装置100において燃焼排ガスの熱を回収し、水素生成装置100を効率よく運転することに貢献しうる。さらに、本実施の形態では、以下に説明するように、これらの熱交換量が適切に調整されるように水素生成装置100が構成されている。
【0026】
ブラケット146、燃焼排ガス排管144、供給管143及び水素ガス排管145は、軸Oから遠ざかるように、図示の例では径方向RDの外向きに、延びている。ブラケット146、燃焼排ガス排管144、供給管143及び水素ガス排管145は、上から下にこの順に並んでいる。ブラケット146、燃焼排ガス排管144、供給管143及び水素ガス排管145は、互いに離間している。
【0027】
図1Bは、実施の形態1における水素生成装置100の部分拡大図である。上下方向ADに関するブラケット146及び燃焼排ガス排管144の距離は、第1距離L1である。上下方向ADに関する燃焼排ガス排管144及び供給管143の距離は、第2距離L2である。上下方向ADに関する供給管143及び水素ガス排管145の距離は、第3距離L3である。
【0028】
第2距離L2は、第1距離L1よりも大きく、且つ、第3距離L3よりも大きい。このことは、水素生成装置100の効率及び信頼性を両立させることに適している。以下、この両立について、詳細に説明する。
【0029】
水素生成装置100を効率よく運転するには、水素生成装置100からの放熱を抑制することが有効である。そのためには、水素生成装置100において燃焼排ガスの熱を効率よく回収することが有効である。そのためには、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスから空気流路120bにおける空気に与えられる熱を増大させることが考えられる。そのためには、燃焼排ガス流路140の上端を上方に拡張させ、燃焼排ガス排管144を上方に移動させることが考えられる。
【0030】
上記の拡張及び移動を行う場合、蒸発部121の上端も上方に拡張させ、供給管143も上方に移動させることが考えられる。しかし、そのようにすると、蒸発部121において、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスから蒸発部121における水に与えられる熱が過大になりうる。このことは、CO低減部123の温度制御を困難にしうる。具体的に、CO低減部123では、CO低減触媒により発熱反応が生じる。水が過大な熱を有する場合、水によりCO低減触媒を適正に冷却することは難しい。このことは、水素生成装置100の信頼性を損ないうる。
【0031】
これに対し、本実施の形態では、第2距離L2は、第1距離L1よりも大きく、且つ、第3距離L3よりも大きい。この大小関係によれば、第2距離L2を確保し易い。このため、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスから蒸発部121における水に与えられる熱が過剰となることを避けつつ、燃焼排ガス流路140における燃焼排ガスから空気流路120bにおける空気に与えられる熱を確保できる。これにより、水によるCO低減部123の温度制御機能を適正に保ちつつ、燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる。ひいては、水素生成装置100の効率及び信頼性を両立させることができる。
【0032】
ブラケット146、燃焼排ガス排管144、供給管143及び水素ガス排管145を溶接するための治具の寸法のみを考慮すると、上下方向ADに関してブラケット146、燃焼排ガス排管144、供給管143及び水素ガス排管145を均等に並べることも考えられる。これに対し、本実施の形態では、あえて、第2距離L2を、第1距離L1よりも大きく、且つ、第3距離L3よりも大きくしている。これにより、上記の効果が得られる。
【0033】
具体的に、水素生成装置100では、供給管143よりも上方において、燃焼排ガス流路140及び空気流路120bが互いに沿わされているが、燃焼排ガス流路140及び蒸発部121が互いに沿わされていない領域が存在する。燃焼排ガス流路140及び空気流路120bが互いに沿わされている上下方向ADの長さは、燃焼排ガス流路140及び蒸発部121が互いに沿わされている上下方向ADの長さよりも長くてもよい。
【0034】
[1-2.動作]
以下、水素生成装置100の動作を説明する。
【0035】
水素生成装置100において、原料ガス及び水が供給管143から蒸発部121に供給される。水は、蒸発部121を螺旋状に上から下へと流れながら、燃焼排ガスから熱を受ける。これにより、水は、水蒸気となり、原料ガスと混合される。改質部122に原料ガスと水蒸気との混合ガスが流入する。混合ガスは、加熱され、改質触媒によって水素及び一酸化炭素を含む一次水素含有ガスに改質される。一次水素含有ガスは、リターン流路141に流入し、上方に流れ、CO低減部123に供給される。CO低減部123は、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を低減して二次水素含有ガスを生成する。二次水素含有ガスは、水素ガス排管145を通って水素生成装置100の外部に排出される。二次水素含有ガスは、燃料電池発電装置等の水素利用機器に供給される。
【0036】
加熱部120における燃焼で、燃焼排ガスが発生する。燃焼排ガスは、燃焼筒101の内周側を上から下に流れる。次に、燃焼排ガスは、内筒102の底部と燃焼筒101の下端との隙間を通って上方に折り返す。次に、燃焼排ガスは、燃焼排ガス流路140を流れながら、空気流路120b、改質部122及び蒸発部121と熱交換する。次に、燃焼排ガスは、燃焼排ガス排管144から水素生成装置100の外部に排出される。
【0037】
加熱部120で発生した直後の燃焼排ガスの温度は、例えば、800℃以上900℃以下である。燃焼排ガス排管144から水素生成装置100の外部に排出される燃焼排ガスの温度は、例えば、50℃未満である。CO低減部123は、CO低減部123に供給される原料ガス及び水により冷却される。CO低減部123におけるCO低減触媒の温度は、例えば、200℃以上300℃以下である。
【0038】
後述の実施の形態の水素生成装置も、実施の形態1に係る水素生成装置100と同様に動作しうる。
【0039】
以下、他のいくつかの実施の形態について説明する。以下では、既に説明した実施の形態とその後に説明される実施の形態とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。各実施の形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、各実施の形態は、相互に組み合わされてもよい。
【0040】
(実施の形態2)
以下、
図2を用いて、実施の形態2を説明する。
【0041】
[2-1.構成]
図2は、実施の形態2における水素生成装置200の構成を示す縦断面図である。
【0042】
燃焼排ガス流路240は、第1流路240a及び第2流路240bを含む。第1流路240aは、供給管143よりも下方に位置する。第2流路240bは、供給管143よりも上方に位置する。第2流路240bの流路断面積は、第1流路240aの流路断面積よりも小さい。この大小関係によれば、第2流路240bの流路断面積を小さくし易い。小さい流路断面積は、燃焼排ガスの流れを乱しつつ、燃焼排ガスの流速を高めうる。このことは、第2流路240bにおける燃焼排ガスと空気流路120bにおける空気との熱交換に必要となる熱伝導率のパラメータを向上させ、該熱交換の効率を向上させうる。これにより、水素生成装置100において燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる。
【0043】
実施の形態2では、燃焼筒201は、第1壁201a及び第2壁201bを含む。第1壁201aは、供給管143よりも下方に位置する。第2壁201bは、供給管143よりも上方に位置する。第1流路240aは、第1壁201a及び内筒102の間に設けられている。第2流路240bは、第2壁201b及び内筒102の間に設けられている。第2壁201bは、第1壁201aよりも厚い。このように、実施の形態2では、燃焼筒201の壁の厚さの大小関係により、燃焼排ガス流路240の流路断面積の大小関係が形成されている。なお、第1壁201aの厚さは、図示の例では軸Oから遠ざかる方向の第1壁201aの寸法であり、具体的には径方向RDの第1壁201aの寸法である。この点は、第2壁201b、第3壁及び第4壁についても同様である。
【0044】
変形例では、内筒は、第3壁及び第4壁を含む。第3壁は、供給管143よりも下方に位置する。第4壁は、供給管143よりも上方に位置する。第1流路240aは、燃焼筒及び第3壁の間に設けられている。第2流路240bは、燃焼筒及び第4壁の間に設けられている。第4壁は、第3壁よりも厚い。このように、内筒の壁の厚さの大小関係により、燃焼排ガス流路240の流路断面積の大小関係を形成することも可能である。その他、燃焼筒及び内筒からなる群より選択される少なくとも1つを曲げることにより、燃焼排ガス流路240の流路断面積の大小関係を形成することも可能である。
【0045】
(実施の形態3)
以下、
図3Aから
図5を用いて、実施の形態3を説明する。
【0046】
[3-1.構成]
図3Aは、実施の形態3における水素生成装置300の構成を示す縦断面図である。
【0047】
内筒302は、螺旋構造161及び下側構造162に加え、凸部302pを有する。凸部302pは、蒸発部121よりも上方において、図示の例では供給管143よりも上方において、軸Oから遠ざかるように、図示の例では径方向RDの外向きに、突出している。凸部302pは、内筒302の全周に渡って、具体的には環状に、設けられている。凸部302pは、蒸発部121を上方から閉塞するように、内筒302の全周に渡って外筒303の内周面に接触し、溶接されている。具体的に、内筒302は、単一部品302xを含む。外筒303は、単一部品303xを含む。単一部品302xは、凸部302p及び螺旋構造161を含む。単一部品303xは、対向壁303f及び区画壁303cを含む。対向壁303fは、凸部302pに対向している。区画壁303cは、螺旋構造161を囲んでいる。区画壁303c及び螺旋構造161によって、蒸発部121が区画されている。凸部302pは、蒸発部121を上方から閉塞するように、内筒302の全周に渡って対向壁303fに接触し、溶接されている。
【0048】
上記の接触構成及び溶接構成は、水素生成装置300の部品点数を削減しうる。以下、この点について、実施の形態1と対比しながら説明する。
【0049】
図1Aに示す実施の形態1では、内筒102は、単一部品102xを含む。単一部品102xは、螺旋構造161を含む。外筒103は、単一部品103x及び単一部品103yを含む。単一部品103xは、螺旋構造161を囲んでいる。単一部品103yは、単一部品103xよりも上方に位置し、外筒103の蓋を構成している。単一部品102x、単一部品103x及び単一部品103yは、互いに溶接されている。実施の形態1では、蒸発部121の上方の空間の閉塞が、単一部品102x、単一部品103x及び単一部品103yの3つの単一部品により実現されている。
【0050】
これに対し、
図3Aに示す実施の形態3では、蒸発部121の上方の空間の閉塞が、単一部品302x及び単一部品303xの2つの単一部品により実現されている。よって、実施の形態3は、水素生成装置300の部品点数を削減する観点から有利である。なお、単一部品とは、複数の部品が接合されたものではなく、従って接合界面を含まない。単一部品は、例えば、成形によって同じ材料から作製される。
【0051】
凸部302pは、上側部分302pa、下側部分302pb及び帯状部分302pcを含む。上側部分302pa及び下側部分302pbは、外筒303から離間している。下側部分302pbは、上側部分302paよりも下方に位置する。帯状部分302pcは、上下方向ADに関して上側部分302pa及び下側部分302pbの間に位置する。帯状部分302pcは、その帯形状の幅方向に非ゼロの寸法を有する。軸Oを含む断面において、上側部分302pa及び下側部分302pbは曲がっている。同断面において、帯状部分302pcはまっすぐである。
【0052】
帯状部分302pcは、外筒303の対向壁303fに接するように外筒303の対向壁303fの全周に沿って延びている。内筒302及び外筒303の接触が、点接触ではなく面接触である。この構成によれば、後述の第3工程S3において、内筒302及び外筒303を容易に溶接できる。
【0053】
実施の形態1及び2と同様、内筒302は、螺旋構造161を有するように曲げられている。螺旋構造161は、軸Oから遠ざかるように、具体的には径方向RDの外向きに、突出している。螺旋構造161は、軸Oの周囲を回転しながら下から上に延びている。螺旋構造161及び外筒303は、螺旋状の蒸発部121を区画している。
【0054】
図3Bは、実施の形態3における内筒302及び外筒303の接触領域の説明図である。具体的に、
図3Bは、接触領域を周方向CDに展開したものである。内筒302の凸部302p及び外筒303の接触幅を、第1幅W1と定義する。螺旋構造161及び外筒303の接触幅を、第2幅W2と定義する。このとき、第1幅W1は、第2幅W2よりも大きい。この構成によれば、第1幅W1を確保し易い。このため、内筒302の凸部302p及び外筒303の対向壁303fの接触幅を十分に確保できる。このことは、蒸発部121を上方の空間を信頼性をもって閉塞することを可能にし、そのため信頼性のある水素生成装置300の実現に貢献する。また、後述の第3工程S3において、内筒302及び外筒303を容易に溶接できる。なお、接触幅は、接触領域の単手方向の長さである。
【0055】
[3-2.製造方法]
図4Aから
図4Cは、実施の形態3における水素生成装置300の製造工程を示す工程図である。
図5は、実施の形態3に係る水素生成装置300の製造方法のフローチャートである。以下、
図4Aから
図5を参照しながら、水素生成装置300の製造方法を説明する。なお、水素生成装置300における以下の説明に係る部分以外の部分の製造方法については、公知の技術を適用可能である。
【0056】
図5に示すように、水素生成装置300の製造方法は、第1工程S1、第2工程S2及び第3工程S3をこの順に含む。
【0057】
第1工程S1において、
図4Aに示すように、内筒302を、外筒303によって囲む。ここで囲まれる内筒302は、凸部302pの突出高さH1が、螺旋構造161の突出高さH2よりも大きい状態にあるものである。この文脈において、突出高さは、軸Oから遠ざかる方向、具体的には径方向RDの外向き、に突出する高さである。また、第1工程S1では、螺旋構造161が外筒303から離間するように、内筒302を外筒303によって囲む。
【0058】
次に、第2工程S2において、
図4Bに示すように、内筒302に向かって外筒303を収縮させる。これにより、
図4Cに示すように、螺旋構造161に外筒303が接触し、且つ、凸部302pが外筒303によって圧し潰されて突出高さH1が減少する。これにより、凸部302pが、内筒302の全周に渡って対向壁303fに面接触する。凸部302pの突出高さ及び螺旋構造161の突出高さが同じになる。上記の上側部分302pa、下側部分302pb及び帯状部分302pcが得られる。また、上記の第1幅W1が第2幅W2よりも大きいという大小関係が得られる。
【0059】
仮に、液圧により内筒302を曲げることによって、上記の上側部分302pa、下側部分302pb及び帯状部分302pcを形成するとする。その場合、軸Oを含む断面において上側部分302pa及び下側部分302pbが急な曲がりを有するように、高い液圧を内筒302にかける必要が生じる。これに対し、本実施の形態では、同断面において上側部分302pa及び下側部分302pbが緩やかな曲がりを有するように、低減された圧力を内筒302にかければ足りる。なぜなら、後に凸部302pが外筒303によって圧し潰されることにより、上側部分302pa及び下側部分302pbの曲がりが急峻化し、予定された形状の上側部分302pa、下側部分302pb及び帯状部分302pcを得ることができるためである。
【0060】
次に、第3工程S23において、凸部302p及び外筒303を溶接する。具体的には、凸部302p及び対向壁303fを溶接する。
【0061】
上記の[3-2.製造方法]に係る製造方法によれば、上記の[3-1.構成]に係る水素生成装置300を製造できる。例えば、上記の第1幅W1が第2幅W2よりも大きいという大小関係が得られる。
【0062】
(付記)
本開示により、下記の技術が開示される。下記では、「」に示す用語を用いる。「」に示す用語は、実施の形態1から3の用語に以下のように対応しうる。
・「固定体」は、実施の形態1から3のブラケット146に対応しうる。
・「第1管」は、実施の形態1から3の燃焼排ガス排管144に対応しうる。
・「第2管」は、実施の形態1から3の供給管143に対応しうる。
・「第3管」は、実施の形態1から3の水素ガス排管145に対応しうる。
実施の形態1から3の説明において、実施の形態1から3の用語を、「」に示す用語に読み替えてもよい。下記の技術の説明において、「」に示す用語を、実施の形態1から3の用語に読み替えてもよい。用語の対応関係は、これらに限定されない。
【0063】
(技術1)
上下方向に延びる軸を有する燃焼筒と、
前記燃焼筒を囲む内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記燃焼筒内で空気を流す空気流路と、
前記空気流路から前記空気が供給され、炎及び燃焼排ガスを生成する燃焼部と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を上から下に流して蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素及び一酸化炭素を生成する改質触媒と、
前記一酸化炭素の濃度を低減するCO低減触媒と、
前記燃焼筒及び前記内筒の間で前記燃焼排ガスを下から上に流し、前記燃焼筒を介して前記空気流路に沿わされ、前記内筒を介して前記蒸発部に沿わされた燃焼排ガス流路と、
前記燃焼筒に対して前記内筒を固定する固定体と、
前記燃焼排ガス流路からの前記燃焼排ガスを排出する第1管と、
前記水を前記蒸発部に供給する第2管と、
前記CO低減触媒からの前記水素を排出する第3管と、を備え、
前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、前記軸から遠ざかるように延び、
前記固定体、前記第1管、前記第2管及び前記第3管は、上から下にこの順に並び、
前記上下方向に関する前記固定体と前記第1管との距離を、第1距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第1管と前記第2管との距離を、第2距離と定義し、
前記上下方向に関する前記第2管と前記第3管との距離を、第3距離と定義したとき、
前記第2距離は、前記第1距離よりも大きく、且つ、前記第3距離よりも大きい、
水素生成装置。
【0064】
技術1は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0065】
(技術2)
前記燃焼排ガス流路は、前記第2管よりも下方に位置する第1流路と、前記第2管よりも上方に位置する第2流路と、を含み、
前記第2流路の流路断面積は、前記第1流路の流路断面積よりも小さい、
技術1に記載の水素生成装置。
【0066】
技術2によれば、水素生成装置において燃焼排ガスの熱を効率よく回収できる。
【0067】
(技術3)
前記内筒は、前記蒸発部及び前記第2管よりも上方において前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触している、
技術1又は2に記載の水素生成装置。
【0068】
技術3は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0069】
(技術4)
前記内筒は、第1単一部品を含み、
前記第1単一部品は、前記凸部と、螺旋構造と、を含み、
前記外筒は、第2単一部品を含み、
前記第2単一部品は、前記凸部に対向する対向壁と、前記螺旋構造を囲む区画壁と、を含み、
前記区画壁及び前記螺旋構造は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記対向壁に接触している、
技術3に記載の水素生成装置。
【0070】
技術4は、水素生成装置の部品点数削減に貢献しうる。
【0071】
(技術5)
前記凸部は、
前記外筒から離間した上側部分と、
前記外筒から離間し、前記上側部分よりも下方に位置する下側部分と、
前記上下方向に関して前記上側部分及び前記下側部分の間に位置し、前記外筒に接するように前記外筒の全周に沿って延びる帯状部分と、を有する、
技術3又は4に記載の水素生成装置。
【0072】
技術5は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0073】
(技術6)
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部及び前記外筒の接触幅を第1幅と定義し、
前記螺旋構造及び前記外筒の接触幅を第2幅と定義したとき、
前記第1幅は、前記第2幅よりも大きい、
技術3から5のいずれか一項に記載の水素生成装置。
【0074】
技術6は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0075】
(技術7)
前記凸部及び前記外筒は互いに溶接されている、
技術3から6のいずれか一項に記載の水素生成装置。
【0076】
技術7によれば、凸部及び外筒を互いに固定できる。
【0077】
(技術8)
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画し、
前記凸部及び前記外筒の接触幅を第1幅と定義し、
前記螺旋構造及び前記外筒の接触幅を第2幅と定義したとき、
前記第1幅は、前記第2幅よりも大きい、
水素生成装置。
【0078】
技術8は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0079】
(技術9)
軸を有する内筒と、
前記内筒を囲む外筒と、
前記内筒及び前記外筒の間で水を蒸発させる蒸発部と、
原料ガス及び蒸発した前記水から水素を生成する改質触媒と、を備え、
前記内筒は、前記軸から遠ざかるように突出する凸部を前記内筒の全周に渡って有し、
前記凸部は、前記内筒の全周に渡って前記外筒に接触し、
前記内筒は、螺旋構造を有し、
前記螺旋構造及び前記外筒は、螺旋状の前記蒸発部を区画している、水素生成装置の製造方法であって、
前記軸から遠ざかる方向に関して前記凸部の突出高さが前記螺旋構造の突出高さよりも大きい前記内筒を、前記外筒によって囲むことと、
前記凸部の突出高さが減少するように、前記内筒に向かって前記外筒を収縮させることと、を含む、
製造方法。
【0080】
技術9は、信頼性のある水素生成装置を実現することに適している。
【0081】
(技術10)
前記内筒に向かって前記外筒を収縮させた後に、前記凸部及び前記外筒を溶接することを含む、
技術9に記載の製造方法。
【0082】
技術10によれば、凸部及び外筒を互いに固定できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示は、内部壁面に凝縮により結露水が発生する容器に適用可能である。具体的には、一酸化炭素濃度が低い水素含有ガスを生成する水素生成装置や、不純物を除いてから水素ガスを供給する燃料電池発電装置や水素精製システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
100、200、300 水素生成装置
101、201 燃焼筒
102、302 内筒
103、303 外筒
102x、103x、103y、302x、303x 単一部品
105 第1隔壁
120 加熱部
120a 吸気口
120b 空気流路
120c 可燃ガス流路
120d 燃焼部
121 蒸発部
122 改質部
123 CO低減部
140 燃焼排ガス流路
141 リターン流路
143 供給管(第2管)
144 燃焼排ガス排管(第1管)
145 水素ガス排管(第3管)
146 ブラケット(固定体)
161 螺旋構造
162 下側構造
201a、201b、303c 壁
240a、240b 流路
302p 凸部
302pa、302pb、302pc 部分
AD 上下方向
CD 周方向
RD 径方向
O 軸