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特開2024-13684シートパッド及びシートパッドの製造方法
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  • 特開-シートパッド及びシートパッドの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013684
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】シートパッド及びシートパッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/15 20060101AFI20240125BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20240125BHJP
   B29C 39/10 20060101ALI20240125BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240125BHJP
   B29C 44/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A47C27/15 A
B60N2/90
B29C39/10
B29C44/00 A
B29C44/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115961
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】松本 真人
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
4F204
4F214
【Fターム(参考)】
3B087DE03
3B096AB07
4F204AA42
4F204AB02
4F204AC05
4F204AD17
4F204AD35
4F204AG03
4F204AG20
4F204AH26
4F204AM32
4F204EA01
4F204EB01
4F204EB12
4F204EB22
4F204EF05
4F204EF27
4F204EK13
4F204EK17
4F214AA42
4F214AB02
4F214AC05
4F214AD17
4F214AD35
4F214AG03
4F214AG20
4F214AH26
4F214AM32
4F214UA01
4F214UB01
4F214UB12
4F214UB22
4F214UD13
4F214UD17
4F214UF05
4F214UF27
(57)【要約】
【課題】従来のシートパッドに対して、パッド部の発泡成形の際に生じ得るボイドによる不具合の抑制が求められている。
【解決手段】本開示のシートパッドは、ビーズ発泡成形体を備えるベース部の上面及び側面に、樹脂発泡体を備えるパッド部が形成されたシートパッドであって、前記ベース部の前記側面に形成された凹部と、前記凹部に受容された多孔質体と、を備えるシートパッドである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーズ発泡成形体を備えるベース部の上面及び側面に、樹脂発泡体を備えるパッド部が形成されたシートパッドであって、
前記ベース部の前記側面に形成された凹部と、
前記凹部に受容された多孔質体と、を備えるシートパッド。
【請求項2】
前記凹部の内部よりも前記凹部の開口が狭い請求項1に記載のシートパッド。
【請求項3】
前記凹部は、上下に延びる溝状になっていて、
前記凹部の内面には、前記多孔質体に上側から対向する対向部が設けられている請求項1又は2に記載のシートパッド。
【請求項4】
前記多孔質体は、連続気泡構造の発泡体である請求項1又は2に記載のシートパッド。
【請求項5】
前記多孔質体には、前記樹脂発泡体の原料が含浸硬化している請求項1又は2に記載のシートパッド。
【請求項6】
前記原料が含浸硬化した前記多孔質体は、前記パッド部よりも硬度が高い請求項5に記載のシートパッド。
【請求項7】
ビーズ発泡成形体を備えるベース部を金型の上型にセットして、前記金型内で樹脂発泡体の原料を発泡させて、前記ベース部の上面及び側面にパッド部を成形するシートパッドの製造方法であって、
前記ベース部のうち前記パッド部で覆われる側面に凹部を形成し、該凹部に多孔質体を受容させて前記樹脂発泡体を成形するシートパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ベース部に、パッド部が一体に発泡成形されているシートパッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-45261(段落[0002]、[0010]、[0011]、図1図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のシートパッドに対して、パッド部の発泡成形の際に生じ得るボイドによる不具合の抑制が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の第1態様は、ビーズ発泡成形体を備えるベース部の上面及び側面に、樹脂発泡体を備えるパッド部が形成されたシートパッドであって、前記ベース部の前記側面に形成された凹部と、前記凹部に受容された多孔質体と、を備えるシートパッドである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(A)シートの斜視図、(B)シートパッドの側断面図
図2】(A)シートパッドのA-A線断面図、(B)ベース部の凹部周辺の斜視図
図3】(A)ベース部が上型にセットされた成形金型の側断面図、(B)成形金型内で発泡成形されたパッド部の側断面図
図4】(A)凹部の平断面図、(B)凹部と凹部に受容される多孔質体との斜視図
図5】成形金型内で発泡している樹脂発泡体の原料の側断面図
図6】従来のシートパッドの製造工程において(A)成形金型内で発泡しているパッド部の原料の側断面図、(B)成形金型内で原料が発泡硬化して形成されたパッド部の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1(A)及び図1(B)に示すように、本開示の一本実施形態に係るシートパッド10は、車両等のシートの着座部91に用いられるクッションパッドに適用される。着座部91は、シートパッド10をカバー93で覆ってなる。
【0008】
図1(B)に示すように、シートパッド10は、パッド部11がベース部20を着座者側(上側から)覆ってなる。本実施形態の例では、パッド部11は、ベース部20の上面20J及び側面20Sに一体化されている。なお、本開示では、ベース部20の前面、後面、左面、右面を総称して、ベース部20の側面20Sという。例えば、本実施形態の例では、パッド部11は、ベース部20の側面20Sの全て(即ち、ベース部20の前面、後面、左面及び右面)を覆っているが、ベース部20のうち少なくとも一部の側面20Sを覆っていてもよい。なお、例えば、ベース部20は、上下方向に扁平になったブロック状をなしている。
【0009】
本実施形態の例では、パッド部11は、樹脂発泡体を備え(例えば、熱硬化性樹脂発泡体で構成され)、ベース部20は、ビーズ発泡成形体を備えている。
【0010】
パッド部11が熱硬化性樹脂発泡体を含む場合、熱硬化性樹脂発泡体としては、例えば、ポリウレタン系樹脂の発泡体等が挙げられ、例えば軟質のものが挙げられる。パッド部11は、例えば、通気性のものであってもよいし、非通気性のものであってもよい。なお、例えば、パッド部11のうち側面と下面との境界部分には、後述の成形金型70の上型71と下型72の合わせ目によるパーティングラインLが形成される。
【0011】
ベース部20に含まれるビーズ発泡成形体としては、例えば、ポリスチレン系樹脂のビーズ発泡成形体や、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)のビーズ発泡成形体等が挙げられる。本実施形態の例では、ベース部20は、非通気性である。
【0012】
ベース部20の側面20Sのうちパッド部11に覆われる部分には、凹部21が形成されている。凹部21は、例えば、溝状になっていて、本実施形態の例では、上下に延びる溝状になっている。具体的には、凹部21は、ベース部20の下端から途中位置(例えば、ベース部20の上端寄りの位置)まで延びている。また、凹部21は、凹部21の内部よりも凹部21の開口21Kが狭い構成になっていてもよい。本実施形態の例では、凹部21は、このような構成になっていて、凹部21の内面のうち溝幅方向で互いに対向する対向面(本実施形態の例では、溝開口縁)に、突出部22が形成されている(図2(A)及び図2(B)参照)。例えば、突出部22は、凹部21の上下方向の全体に亘って延びている。なお、本実施形態の例では、突出部22の外側面(パッド部11と対向する面)は、ベース部20の側面20Sと略面一になっている。また、本実施形態の例では、1対の突出部22のうち凹部21の底面21M側を向く面は、1対の突出部22の対向方向で互いに近づくにつれて、底面21Mから遠ざかるように延びる傾斜面23になっている。
【0013】
凹部21には、多孔質体30が受容されている。本実施形態の例では、多孔質体30の幅は、1対の突出部22同士の間隔よりも広くなっていて、多孔質体30は、1対の突出部22に対して凹部21の奥側に配置されている。また、図1(B)に示すように、多孔質体30には、凹部21の内面の上端(端面21T)が上側から対向している(例えば、当接している)。本実施形態の例では、多孔質体30は、凹部21内に収まるように配置されている(例えば、圧縮されている)。なお、多孔質体30は、凹部21からはみ出していてもよい。
【0014】
本実施形態では、多孔質体30は、通気性を有する発泡体(例えば、連続気泡構造の発泡体)であり、例えば、スラブウレタンからなる。
【0015】
本実施形態の例では、パッド部11を構成する樹脂発泡体(例えば、熱硬化性樹脂発泡体)の一部が、凹部21内に入り込んでいて、この樹脂発泡体の原料G(図3(A)参照)が多孔質体30に含浸して硬化している。これにより、樹脂発泡体の原料Gが含浸硬化した多孔質体30は、樹脂発泡体の原料Gが含浸していない状態よりも硬度が高くなっていると共に、パッド部11よりも硬度が高くなっている。このように、樹脂発泡体の原料Gが多孔質体30内で含浸硬化していることで、ベース部20に対するパッド部11の固定の安定化をさらに図ることが可能となる。
【0016】
なお、凹部21及び多孔質体30は、ベース部20の側面20Sの周方向の一部に少なくとも設けられていればよく、例えば、側面20Sの全周に亘って設けられていてもよい(例えば、環状でもよい)。また、凹部21及び多孔質体30の組が、複数設けられていてもよく、例えば、ベース部20本体を囲むように(例えば側面20Sの周方向で全体的に)配置されてもよい。
【0017】
本実施形態のシートパッド10は、例えば以下のようにして製造される。まず、側面20Sに凹部21が形成されたベース部20(図3(A)参照)が用意される。ベース部20は、例えば、全体がビーズ発泡体で構成されていてもよい。ベース部20の凹部21(図4(A)参照)は、ベース部20の発泡成形と同時に形成されてもよいし、その発泡成形の後に形成されてもよい。
【0018】
ベース部20の凹部21には、多孔質体30が受容される(図4(B)参照)。例えば、多孔質体30は、溝状の凹部21のうち開放された一端からスライドされて凹部21内に挿入される。多孔質体30は、本実施形態の例では、板状をなしているが、凹部21に受容されるのに適した大きさや形状となっていればよく、これに限定されるものではない。なお、例えば、多孔質体30は、凹部21の容積よりも大きい体積のものが用意され、圧縮されて凹部21に詰められてもよい。
【0019】
そして、図3(A)に示すように、ベース部20が、成形金型70の上型71にセットされる。このとき、ベース部20は、シートパッド10の使用時とは上下逆に配置され、ベース部20の下面20K(シートパッド10の使用時の下面)を上型71側に向けるようにしてセットされる。
【0020】
そして、樹脂発泡体(具体的には、例えばポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂の発泡体)の原料Gが成形金型70の下型72の成形凹部72Uに注入されると共に、成形金型70が型閉じされる。
【0021】
図5に示すように、温調加熱されている成形金型70内で樹脂発泡体の原料Gが発泡して膨張すると、発泡ガスや成形金型70内の空気等の気体は、上型71と下型72の合わせ目70Sから抜けることができる。例えば、合わせ目70Sには、上型71又は下型72に溝状に形成されたベント(例えば、いわゆるリボン状ベント等)が設けられ、そのベントにより合わせ目70Sから成形金型70内の上記気体を逃がし易くなっている。
【0022】
ここで、発泡によりパッド部11の樹脂発泡体の原料Gが発泡膨張してくると、成形金型70内の上記気体は、ベース部20付近に追いやられ、樹脂発泡体とベース部20の間に閉じ込められることが考えられる。特に、原料Gの発泡は、温度が高い方が早く行われるため、ベース部20の断熱性等により成形金型70よりもベース部20の方が温度が低くなる場合、発泡した原料Gが、ベース部20の表面をつたうよりも、成形金型70の内面をつたって上昇し易くなる(図5参照)。
【0023】
ここで、図6(A)に示すように、凹部21を備えていないベース部20Zを有する従来のシートパッドでは、パッド部11の発泡成形時に、上型71と下型72の合わせ目70Sが、下型72の内面をつたって発泡しながら上昇してきた原料Gにより塞がれると、上記気体が樹脂発泡体とベース部20(特に側面20S)の間に閉じ込められて、ボイド11Sが生じ易いという問題が生じ得る(図6(B)参照)。このようなボイド11Sが発生すると、パッド部11の強度やクッション性が損なわれる虞があると共に、着座時の違和感等が生じる虞もあり、不良品となることがある。また、ボイド11Sが発生すると、シートパッド10の下面にカバー93(図1(B)参照)を巻き付ける際に、シートパッド10の強度が低下して巻き付け難くなるという問題も生じ得る。
【0024】
これに対し、本実施形態の例では、上述のように、ベース部20の側面20Sに凹部21が形成され、凹部21に多孔質体30が受容されている。このように凹部21が設けられることで、上記閉じ込められた気体を、凹部21内に逃がすことが可能となる。ここで、凹部21内には、多孔質体30が配置されているので、仮に、凹部21内に上記気体が残っても、従来のような大きな空洞のボイド11S(図6(B)参照)が生じ難くなり、強度の低下等を抑制可能となり、ボイド11Sの発生による不具合を抑制することが可能となる。また、例えば、樹脂発泡体の原料Gは、発泡しながらベース部20の側面20Sをつたって上昇してきて、多孔質体30に含浸し、発泡硬化する。このように、多孔質体30が設けられることで、多孔質体30が無いベース部20の側面20Sを、原料Gが発泡しながらつたって上昇する場合よりも、原料Gの上昇を容易にすることが可能となる。これにより、ベース部20の側面20Sとパッド部11との間にボイド11Sが生じることをより抑制可能となると考えられる。
【0025】
樹脂発泡体の原料Gが、さらに発泡して膨張し、ベース部20の側面20Sを覆って発泡硬化すると、ベース部20の上面20J及び側面20Sと一体化したパッド部11が形成される(図3(B)参照)。
【0026】
なお、例えば、上記ベントを、下型72の成形凹部72Uの開口縁に沿って複数並べて設けてもよい。そして、ベース部20の凹部21を、ベース部20の側面20Sの周方向に複数並べて設ける場合、ベース部20の側面20Sの周方向で、上記ベントと凹部21とを同じ位置に配置してもよいし、ずれた位置に配置してもよい。
【0027】
本実施形態のシートパッド10では、多孔質体30内に、樹脂発泡体の原料Gを含浸硬化させることで、凹部21内の部分の強度の低下を抑制可能となる。また、多孔質体30が、ベース部20の凹部21に受容されているので、ベース部20の側面20Sから多孔質体30全体が出っ張っている場合よりも、パッド部11に着座者が着座したときの違和感を抑制可能となる。
【0028】
また、本実施形態では、ベース部20の凹部21の内部よりも凹部21の開口が狭くなっているので、成形金型70にベース部20をセットするときに、多孔質体30が凹部21から脱落することを抑制可能となる。
【0029】
また、凹部21が、上下に延びる溝状になっているので、パッド部11の発泡成形時に、成形金型70内の気体を、凹部21によって上下方向に案内し易くすることが可能となる。また、ベース部20の凹部21の内面には、多孔質体30に上側から対向する対向部(端面21T)が設けられている。従って、ベース部20を上下逆さにして成形金型70にセットする際に、多孔質体30を端面21Tで支持してベース部20の凹部21から多孔質体30が脱落することを抑制可能となる。
【0030】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態において、シートパッド10をシートの背もたれ部92(図1(A)参照)に用いられるバックパッドに適用することも可能である。この場合、シートパッド10を、ベース部20に、パッド部11が着座者側(表側)から一体化した構成とすればよい。
【0031】
(2)シートパッド10は、乗り物内のシートに用いられてもよいし、建物内のシートに用いられてもよい。
【0032】
(3)ベース部20は、ビーズ発泡成形体で、全体が構成されたものであってもよいし、一部のみが構成されたものであってもよい。パッド部11は、樹脂発泡体で、全体が構成されたものであってもよいし、一部のみが構成されたものであってもよい。
【0033】
(4)多孔質体30は、通気性を有する発泡体(例えば連続気泡構造の発泡体)で構成されていてもよいし、不織布やフェルト等の繊維体で構成されていてもよい。
【0034】
(5)突出部22は、溝状の凹部21の延びる方向(上記実施形態では上下方向)で複数に分かれて設けられていてもよいし、前記凹部21の延びる方向で一箇所に設けられていてもよい。また、突出部22が設けられていなくてもよい。
【0035】
(6)凹部21は、その底面21Mから開口21Kに向かって徐々に溝幅が狭くなる蟻溝になっていてもよい。また、凹部21は、その底面21Mから開口21Kに向かって、溝幅が広くなる構成であってもよいし、溝幅が一定であってもよい。
【0036】
(7)凹部21は、ベース部20を上下方向で横断する通し溝であってもよい。また、凹部21は、ベース部20の上端又は下端まで延びていなくてもよい。また、凹部21は、溝状でなくてもよい。
【0037】
(8)パッド部11の樹脂発泡体の原料Gが、多孔質体30に含浸していなくてもよい。
【0038】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0039】
例えば、以下の特徴群は、シートパッドに関し、「ベース部に、パッド部が一体に発泡成形されているシートパッドが知られている(例えば、特開2021-45261(段落[0002]、[0010]、[0011]、図1図2等)参照)。」という背景技術について、「上述した従来のシートパッドに対して、パッド部の発泡成形の際に生じ得るボイドによる不具合の抑制が求められている。」という課題をもって想到されたものと考えることができる。また、従来から、新規なシートパッドや新規なシートパッドの製造方法が求められている。
【0040】
[特徴1]
ビーズ発泡成形体を備えるベース部の上面及び側面に、樹脂発泡体を備えるパッド部が形成されたシートパッドであって、
前記ベース部の前記側面に形成された凹部と、
前記凹部に受容された多孔質体と、を備えるシートパッド。
【0041】
本特徴では、ベース部の側面に凹部が形成される。これにより、パッド部の発泡成形の際に、ガスを凹部内に逃がすことが可能となる。また、凹部内には、多孔質体が設けられているので、多孔質体が無い場合よりも、大きなボイドの発生を抑制可能となり、ボイドによる不具合を抑制可能となる。
【0042】
[特徴2]
前記凹部の内部よりも前記凹部の開口が狭い特徴1に記載のシートパッド。
【0043】
本特徴によれば、多孔質体が凹部から脱落することを抑制可能となる。
【0044】
[特徴3]
前記凹部は、上下に延びる溝状になっていて、
前記凹部の内面には、前記多孔質体に上側から対向する対向部が設けられている特徴1又は2に記載のシートパッド。
【0045】
本特徴によれば、パッド部の発泡成形時に、金型内の気体を、凹部によって上下方向に案内し易くすることが可能となる。また、本特徴によれば、ベース部20を上下逆さにして金型にセットする際に、多孔質体が凹部から脱落することを抑制可能となる。
【0046】
[特徴4]
前記多孔質体は、連続気泡構造の発泡体である特徴1から3の何れか1の特徴に記載のシートパッド。
【0047】
[特徴5]
前記多孔質体には、前記樹脂発泡体の原料が含浸硬化している特徴1から4の何れか1の特徴に記載のシートパッド。
【0048】
本特徴によれば、シートパッドのうち凹部内の部分の強度の低下を抑制可能となる。
【0049】
[特徴6]
前記原料が含浸硬化した前記多孔質体は、前記パッド部よりも硬度が高い特徴5に記載のシートパッド。
【0050】
本特徴によれば、シートパッドのうち凹部内の部分の強度の低下を抑制可能となる。
【0051】
[特徴7]
ビーズ発泡成形体を備えるベース部を金型の上型にセットして、前記金型内で樹脂発泡体の原料を発泡させて、前記ベース部の上面及び側面にパッド部を成形するシートパッドの製造方法であって、
前記ベース部のうち前記パッド部で覆われる側面に凹部を形成し、該凹部に多孔質体を受容させて前記樹脂発泡体を成形するシートパッドの製造方法。
【0052】
本特徴では、ベース部の側面に凹部が設けられるので、パッド部の発泡成形の際に、ガスを凹部内に逃がすことが可能となる。また、凹部内には、多孔質体が設けられているので、多孔質体が無い場合よりも、大きなボイドの発生を抑制可能となり、ボイドによる不具合を抑制可能となる。
【0053】
[特徴8]
樹脂発泡体を備えるパッド部に上面及び側面が覆われて前記パッド部と共にシートパッドを構成するビーズ発泡成形体であって、
前記側面に形成された凹部と、
前記凹部に受容された多孔質体と、を備えるビーズ発泡成形体。
【0054】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0055】
10 シートパッド
11 パッド部
20 ベース部
21 凹部
30 多孔質体
図1
図2
図3
図4
図5
図6