(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136841
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】車両共用システムおよび車両共用システムが実行する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240927BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240927BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240927BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240927BHJP
G06V 10/74 20220101ALI20240927BHJP
G06V 20/59 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08B21/00 U
G08B25/00 510M
G06T7/00 300E
G06V10/74
G06V20/59
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048122
(22)【出願日】2023-03-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 開催日(公開日) 令和5年1月25日~27日 集会名、開催場所 第15回オートモーティブワールド-クルマの先端技術展- 東京ビッグサイト 東6ホール (東京都江東区有明3-11-1) 主催 RX Japan株式会社 <資 料> 展示会で使用したパネルの原稿
(71)【出願人】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】金谷 治生
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5C086AA34
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA10
5C086FA11
5C087AA02
5C087AA07
5C087BB74
5C087CC02
5C087DD08
5C087DD14
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5L049CC11
5L050CC11
5L096BA04
5L096CA02
5L096DA01
5L096DA02
5L096DA03
5L096FA02
5L096FA09
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】遠隔から車両の状態を示す情報を取得し、取得した車両の状態を示す情報に基づいて対応が必要であるか否かを判定できる車両共用システムおよび車両共用システムで実行される方法を提供すること。
【解決手段】車両共用システムは、画像解析システムと車両管理システムとを備える。画像解析システムは、車両のメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得し、取得したメータパネル画像を解析し、車両の状態を示す情報を取得し、取得した車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースに登録する。車両管理システムは、車両状態情報データベースから、車両の状態を示す情報を取得し、取得した車両の状態を示す情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用する車両を管理する車両共用システムであって、
前記車両共用システムは、画像解析システムと、車両管理システムとを備え、
前記画像解析システムは、
車両のメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得するメータパネル画像取得部と、
前記メータパネル画像取得部が取得した前記メータパネル画像を解析し、前記車両の状態を示す情報を取得する画像解析部と、
前記画像解析部が取得した前記車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースに登録する登録部と
を備え、
前記車両管理システムは、
前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得する車両状態情報取得部と、
前記車両状態情報取得部が取得した前記車両の状態を示す前記情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定する判定部と
を備える、車両共用システム。
【請求項2】
前記車両の状態を示す前記情報は、前記メータパネルに含まれるメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報の少なくとも一方である、請求項1に記載の車両共用システム。
【請求項3】
前記車両状態情報取得部は、利用された前記車両が返却された場合に、前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得する、請求項1又は請求項2に記載の車両共用システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、燃料又は電池残量が閾値以下であることを示す場合に対応が必要であると判定する、請求項3に記載の車両共用システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、故障を警告するための警告灯、表示灯が点灯していることを示す場合に対応が必要であると判定する、請求項3に記載の車両共用システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、充電中でないことを示す場合に対応が必要であると判定する、請求項3に記載の車両共用システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、燃料又は電池残量の増加が閾値以上である場合に対応が必要であると判定する、請求項1に記載の車両共用システム。
【請求項8】
共用する車両を管理する車両共用システムが実行する方法であって、
前記方法は、
画像解析システムが、車両のメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得するステップと、
前記画像解析システムが、取得した前記メータパネル画像を解析し、前記車両の状態を示す情報を取得するステップと、
前記画像解析システムが、取得した前記車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースに登録するステップと、
車両管理システムが、前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得するステップと、
前記車両管理システムが、取得した前記車両の状態を示す前記情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定するステップと
を有する、車両共用システムが実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両共用システムおよび車両共用システムで実行される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーシェア、無人貸出レンタカーなどの車両共用システムでは、利用者がスマホアプリで利用開始操作を実施、もしくは車両のカードリーダにICカードを翳すことで、センタサーバは、車両管理システムと連携して、車両に開錠指示を行う。車両に搭載されている車載器は、車両管理システムが送信した開錠指示を受信し、受信した開錠指示に基づいてドアの開錠を行う。利用者は、車両内の所定の場所から純正キーを取り出した後に、車両の利用が可能になる。
【0003】
車両を返却する場合には、利用者は車両内の所定の場所へ純正キーを返却した後に、スマホアプリで車両返却操作を実施、もしくは車両のカードリーダにICカードを翳す。センタサーバは、車両管理システムと連携して、車両に施錠指示を行う。車載器は車両管理システムが送信した施錠指示を受信し、車両内の所定の場所に純正キーの返却を確認した後にドアを施錠する。
【0004】
車両共用システムでは、前の利用者の返却から次の利用者の貸出まで、車両共用システムの事業者のスタッフが車両の状態を確認することは行われていない。そのため、例えば、次の利用者が車両を利用するときに燃料残量、電池残量が十分でない場合がある。同様に次の利用者が車両を利用するときに車両の故障や異常等を通知するための警告灯、表示灯が点灯している場合がある。
また前の利用者が、パーキングブレーキをしない状態で返却した場合には車両が動くおそれがあり、ドアがロックされない状態で返却した場合には盗難の危険性が生じる。また、電気自動車の場合、充電ケーブルを接続しないで返却した場合もスタッフは現場で確認できない。
【0005】
従来、遠隔から車両の状態を取得する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術では、メンテナンス用の車載式故障診断装置(OBD: On-Board Diagnostics)コネクタに専用の機器を接続し、そこで通信している内容(CAN情報)を取得して解析することにより車両の状態を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
メンテナンス用のOBDコネクタに専用の機器を接続する方法では、OBDコネクタで通信している内容(CAN情報)は、自動車メーカから一般的に公開されていないため自ら解析する必要がある。OBDコネクタは通常メンテナンス時のみに使用するため、常時何らかの機器を接続することは自動車メーカでは認められていない。メンテナンス時には、専用のメンテナンス用の機器を接続する必要があるため、情報を取得する機器を取り外す必要がある。
【0008】
また、情報(車速パルス、ドアの開閉状態、パーキングブレーキの状態、燃料計等の状態)を取得するために配線を分岐させて、情報を取得する方法もある。この場合、配線を分岐させる際に元々の配線を切断してしまうおそれがある。また、分岐させた配線の取り付けが必要となる。配線の本数が多くなることで、情報を取得する機器側の入力回路も多くなり、機器の価格も高額になる。また、例えば、燃料計等では、車種ごとに配線の出力の詳細な解析が必要となる。
本発明の目的は、スタッフが現場で確認することなく、遠隔から車両の状態を示す情報を取得し、取得した車両の状態を示す情報に基づいてスタッフの現場での対応が必要であるか否かを判定できる車両共用システムおよび車両共用システムで実行される方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上述の課題に鑑み、本発明の一態様に係る車両共用システムは、共用する車両を管理する車両共用システムであって、前記車両共用システムは、画像解析システムと、車両管理システムとを備え、前記画像解析システムは、車両のメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得するメータパネル画像取得部と、前記メータパネル画像取得部が取得した前記メータパネル画像を解析し、前記車両の状態を示す情報を取得する画像解析部と、前記画像解析部が取得した前記車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースに登録する登録部とを備え、前記車両管理システムは、前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得する車両状態情報取得部と、前記車両状態情報取得部が取得した前記車両の状態を示す前記情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定する判定部とを備える。
(2)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記車両の状態を示す前記情報は、前記メータパネルに含まれるメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報の少なくとも一方であってもよい。
(3)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記車両状態情報取得部は、利用された前記車両が返却された場合に、前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得してもよい。
(4)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、燃料又は電池残量が閾値以下であることを示す場合に対応が必要であると判定してもよい。
(5)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、故障を警告するための警告灯、表示灯が点灯していることを示す場合に対応が必要であると判定してもよい。
(6)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、充電中でないことを示す場合に対応が必要であると判定してもよい。
(7)本発明の一態様に係る車両共用システムにおいて、前記判定部は、前記車両の状態を示す前記情報が、燃料又は電池残量の増加が閾値以上である場合に対応が必要であると判定してもよい。
【0010】
(8)本発明の一態様に係る車両共用システムが実行する方法は、共用する車両を管理する車両共用システムが実行する方法であって、前記方法は、画像解析システムが、車両のメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得するステップと、前記画像解析システムが、取得した前記メータパネル画像を解析し、前記車両の状態を示す情報を取得するステップと、前記画像解析システムが、取得した前記車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースに登録するステップと、車両管理システムが、前記車両状態情報データベースから、前記車両の状態を示す情報を取得するステップと、前記車両管理システムが、取得した前記車両の状態を示す前記情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スタッフが現場で確認することなく、遠隔から車両の状態を示す情報を取得し、取得した車両の状態を示す情報に基づいてスタッフの現場での対応が必要であるか否かを判定できる車両共用システムおよび車両共用システムで実行される方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の車両共用システム1の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像解析システム100の一例を示す図である。
【
図3】メータパネル画像データベース110-1の一例を示す図である。
【
図4】車両状態情報データベース110-2の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る車両管理システム200の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る画像解析システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る画像解析システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る車両管理システム200の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る車両共用システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る車両共用システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本実施形態の車両共用システムおよび車両共用システムで実行される方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0014】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。同一又は類似の機能を有する構成には、同一の符号を付し、その構成に関して重複する説明は省略する場合がある。
(車両共用システム)
図1は、本発明の実施形態の車両共用システム1の一例を示す図である。車両共用システム1は、共用する車両VEを管理する。共用する車両VEは、カーシェアで共用される車両であってもよいし、無人貸出レンタカーで共用される車両であってもよい。
【0015】
車両共用システム1は、車両VEのメータパネルを撮影(撮像)し、メータパネル画像を取得する。車両共用システム1は、取得したメータパネル画像を解析し、車両VEの状態を示す情報を取得する。車両共用システム1は、取得した車両の状態を示す情報を、車両状態情報データベースへ登録する。車両共用システム1は、車両状態情報データベースから、車両VEの状態を示す情報を取得し、取得した車両VEの状態を示す情報に基づいて、スタッフの現場での対応が必要であるか否かを判定する。例えば、車両共用システム1が、車両VEの状態を示す情報として、燃料/電池残量が一定値以下もしくは、故障を示す警告灯が点灯していることを示す情報を取得した場合に、スタッフへ車両確認の対応を行うことが必要であると判定する。
【0016】
車両共用システム1は、カメラ(撮像装置)10と、車載器20と、ゲートウェイ(GW: Gateway)GWと、画像解析システム100と、車両管理システム200と、センタサーバ300とを備える。
図1には、カメラ10と、車載器20と、ゲートウェイGWと、画像解析システム100と、車両管理システム200と、センタサーバ300とに加えて、イグニッション制御部30、ドアロック40、ドアロック50およびカードリーダ60が描かれている。ドアロック40はフロントドアのロック又はアンロックを行い、ドアロック50はリアドアのロック又はアンロックを行う。
【0017】
ゲートウェイGWと、画像解析システム100と、車両管理システム200と、センタサーバ300とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0018】
利用者は、スマートフォンなどの端末装置(図示なし)に利用開始操作を行う。端末装置は、利用開始操作に基づいて利用開始指示を車両管理システム200へ送信する。車両管理システム200は、端末装置が送信した利用開始指示を受信し、受信した利用開始指示に基づいてセンタサーバ300に利用開始通知を送信するとともに、車載器20に開錠指示を行う。
車載器20は、車両管理システム200が送信した開錠指示を受信し、受信した開錠指示に基づいてドアロック40を開錠する。利用者は、乗車し、イグニッショをオンにすることで、イグニッション制御部30はイグニッションをオンにする。
【0019】
また、利用者は、予め発行された会員カード(ICカード等)をカードリーダ60に翳すようにしてもよい。この場合、カードリーダ60は会員カードから会員情報を読み取り、読み取った会員情報を車載器20に出力する。車載器20はカードリーダ60が出力した会員情報を取得し、取得した会員情報に基づいて利用開始指示を車両管理システム200へ送信する。車両管理システム200は、端末装置が送信した利用開始指示を受信し、受信した利用開始指示に基づいてセンタサーバ300に利用開始通知を送信する。車載器20は、取得した会員情報に基づいてドアロック40を開錠する。以下、一例として、利用者が、端末装置に利用開始操作を行う場合について説明を続ける。
【0020】
カメラ10は、例えばダッシュボードなどのメータパネルを撮影可能な位置に取り付けられ、定期的にメータパネルを撮影する。例えば、カメラ10は、10分間隔でメータパネルを撮影し、メータパネル画像情報を、車載器20へ出力する。メータパネル画像情報には、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報が含まれる。
車載器20は、カメラ10が出力したメータパネル画像情報を取得し、取得したメータパネル画像情報および車載器20を搭載している車両VEの識別情報を含むメータパネル画像情報通知をゲートウェイGWへ無線送信する。
【0021】
ゲートウェイGWは、車載器20が無線送信したメータパネル画像情報通知を取得し、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を関連付けて記憶部(図示なし)に記憶させる。ゲートウェイGWは、メータパネル画像情報通知を、画像解析システム100へ無線送信する。
【0022】
画像解析システム100は、ゲートウェイGWが無線送信したメータパネル画像情報通知を受信し、受信したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析システム100は、取得したメータパネル画像情報および車両VEの識別情報に基づいて、画像解析処理と、登録処理とを行う。
【0023】
画像解析処理では、画像解析システム100は、メータパネル画像データベースから車両VEの識別情報に該当する車種を特定し、特定した車種からメータパネルを特定する。画像解析システム100は、特定したメータパネルに基づいて、車両VEの状態を示す情報を取得する。具体的には、画像解析システム100は、特定したメータパネルに関連付けられているメータ(計器)の位置情報および警告灯、表示灯の位置情報を取得する。
【0024】
メータパネル画像データベースには、複数の車両VEの車種の識別情報と、複数の車両VEの車種の識別情報についてメータパネル画像と、メータパネルにおけるメータの位置情報および警告灯、表示灯の位置情報とが関連付けられて記憶されている。画像解析システム100は、取得したメータの位置情報および警告灯、表示灯の位置情報に基づいて、車両VEの状態を示す情報としてメータパネル画像からメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報を取得する。例えば、画像解析システム100は、メータがアナログの場合には針の示している値を取得し、デジタルの場合には数値の示している値を取得する。
【0025】
登録処理では、画像解析システム100は、取得したメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と車両VEの識別情報とメータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とを関連付けて車両状態情報データベースに登録する。
【0026】
車両管理システム200は、車両状態情報データベースから車両の状態を示す情報を取得する。具体的には、車両管理システム200は、車両状態情報データベースから車両VEの識別情報とメータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報とを関連付けた情報を取得する。車両管理システム200は、取得したメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報に基づいて、車両VEに対応が必要であるか否かを判定する。車両管理システム200は、車両VEに対応が必要であると判定した場合に、スタッフに通知する処理を行う。例えば、車両共用システム1が、車両VEの状態を示す情報として、燃料/電池残量が一定以上増加したことを示す情報を取得した場合に、スタッフに通知する。通知を受けたスタッフは、利用者に燃料を補充したこと又は充電したことに対する報酬を与える。
【0027】
利用者は、端末装置に利用終了操作を行う。端末装置は、利用終了操作に基づいて利用終了指示を車両管理システム200へ送信する。車両管理システム200は、端末装置が送信した利用終了指示を受信し、受信した利用終了指示に基づいてセンタサーバ300に利用終了通知を送信するとともに、車載器20に施錠指示を行う。
センタサーバ300は、車両管理システム200が送信した利用終了指示を受信し、受信した利用終了指示に基づいて車両VEの利用を終了する処理を行う。
車載器20は、車両管理システム200が送信した施錠指示を受信し、受信した施錠指示に基づいてドアロック40を施錠する。車載器20は、カメラ10に撮影要求を送信する。カメラ10は、車載器20からの撮影要求に基づいて、メータパネルを撮影する。カメラ10は、メータパネル画像情報を、車載器20へ出力する。
【0028】
車載器20は、カメラ10が出力したメータパネル画像情報を取得し、取得したメータパネル画像情報および車載器20を搭載している車両VEの識別情報を含むメータパネル画像情報通知をゲートウェイGWへ送信する。ゲートウェイGWは、車載器20が出力したメータパネル画像情報通知を取得し、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を関連付けて記憶部(図示なし)に記憶させる。ゲートウェイGWは、メータパネル画像情報通知を、画像解析システム100へ送信する。
画像解析システム100は、ゲートウェイGWが送信したメータパネル画像情報通知を受信し、受信したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報に基づいて、画像解析処理と、登録処理とを行う。
【0029】
以下、車両共用システム1に含まれるが画像解析システム100および車両管理システム200の詳細について順次説明する。
(画像解析システム100)
図2は、本実施形態に係る画像解析システム100の一例を示す図である。画像解析システム100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。画像解析システム100は、例えば、通信部102と、取得部104と、画像解析部106と、登録部108と、記憶部110とを備える。
【0030】
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部102は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイGWと通信するために必要な通信情報を保持する。具体的には、通信部102は、ゲートウェイGWが送信したメータパネル画像情報通知を受信する。
取得部104は、通信部102が受信したメータパネル画像情報通知を取得する。取得部104は、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。
【0031】
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部110は、メータパネル画像データベース110-1および車両状態情報データベース110-2が記憶される。
【0032】
図3は、メータパネル画像データベース110-1の一例を示す図である。メータパネル画像データベース110-1は、車両の車種の識別情報(車種No.)、撮影年月日および時刻、車両ごとのメータパネル画像、各メータ位置情報(各メータを囲む枠の対角線上の角の座標)、および警告灯/表示灯位置情報(各警告灯/表示灯を囲む枠の対角線上の角の座標)を関連付けたテーブル形式の情報である。
図3には、各メータの一例として速度計、燃料/電池残量計、水温計が示され、警告灯/表示灯の一例としてシートベルト、パーキングブレーキ、エンジンが示されている。
【0033】
図4は、車両状態情報データベース110-2の一例を示す図である。車両状態情報データベース110-2は、車両の識別情報(車両No.)、撮影年月日および時刻、車両ごとのメータパネル画像、メータの状態を示す情報、および警告灯/表示灯の状態を示す情報を関連付けたテーブル形式の情報である。
図4には、メータの状態を示す情報の一例として速度、燃料/電池残量、水温が示され、警告灯/表示灯の状態を示す情報の一例としてシートベルト、パーキングブレーキ、エンジンが示されている。メータの状態を示す情報および警告灯/表示灯の状態を示す情報は、車両の状態を示す情報の一例である。
図2に戻り説明を続ける。
【0034】
画像解析部106は、取得部104からメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得したメータパネル画像情報に基づいて、メータパネル画像の画像解析処理を行う。
登録部108は、画像解析部106からメータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報とを取得する。登録部108は、取得したメータパネル画像情報からメータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報を取得する。登録部108は、メータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とを関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録する。
ここで、登録部108は、メータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報とのうち、メータパネル画像情報以外の情報を関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録するようにしてもよい。メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とに加えて、メータパネル画像情報を関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録することによって、メータパネル画像情報に基づいて、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報が正しいか否かを検証することができる。
【0035】
取得部104、画像解析部106および登録部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
【0036】
また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0037】
(車両管理システム200)
図5は、本実施形態に係る車両管理システム200の一例を示す図である。車両管理システム200は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。車両管理システムは、例えば、通信部202と、取得部204と、判定部206と、処理部208と、記憶部210とを備える。
【0038】
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部202は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信する。通信部202は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部202は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイGWおよび画像解析システム100と通信するために必要な通信情報を保持する。具体的には、通信部202は、端末装置が送信した利用開始指示および利用終了指示を受信する。
記憶部210は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
【0039】
処理部208は、通信部202から利用開始指示を取得し、取得した利用開始指示に基づいて利用開始通知を通信部202からセンタサーバ300に送信し、開錠指示を通信部202から車載器20に送信する。
取得部204は、画像解析システム100の記憶部110の車両状態情報データベース110-2に含まれる車両の識別情報(車両No.)、撮影年月日および時刻、車両の状態を示す情報を取得する。例えば、取得部204は、車両VEの識別情報を含む車両VEの状態を示す情報を要求するための車両状態情報要求を作成し、作成した車両状態情報要求を、通信部202から画像解析システム100へ送信する。
【0040】
画像解析システム100は、車両管理システム200が送信した車両状態情報要求を受信し、受信した車両状態情報要求に含まれる車両VEの識別情報に基づいて、該当する車両VEの状態を示す情報を車両状態情報データベース110-2から取得する。例えば車両VEの状態を示す情報を全て取得してもよいし、直近に取得されたものを取得してもよいし、所定の期間に取得されたものを取得してもよい。画像解析システム100は、取得した車両VEの状態を示す情報、撮影年月日および時刻を示す情報、および車両VEの識別情報を含む車両状態情報応答を作成し、作成した車両状態情報応答を、車両管理システム200へ送信する。車両管理システム200において、通信部202は画像解析システム100が送信した車両状態情報応答を受信し、取得部204は通信部202から車両状態情報応答を取得する。
【0041】
判定部206は、取得部204から車両状態情報応答を取得し、取得した車両状態情報応答に含まれる車両VEの識別情報(車両No.)、撮影年月日および時刻を示す情報、車両の状態を示す情報を取得する。判定部206は、取得した車両VEの状態を示す情報に基づいて、スタッフの現場での対応が必要であるか否かを判定する。具体的には、判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、燃料又は電池残量が閾値以下であることを示す場合に対応が必要であると判定する。判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、故障を警告するための警告灯、表示灯が点灯していることを示す場合に対応が必要であると判定する。判定部206は、車両VEが返却された電気自動車である場合に車両VEの状態を示す情報が、充電中でないことを示す場合に対応が必要であると判定する。
また、判定部206は、取得した車両VEの状態を示す情報に基づいて、車両VEの状態を示す情報が、燃料/電池残量が一定以上増加したことを示す場合にスタッフに通知する対応が必要であると判定する。
【0042】
処理部208は、判定部206によってスタッフの現場での対応が必要であると判定された場合に、対応に該当する処理を行う。具体的には、処理部208は、判定部206が燃料又は電池残量が閾値以下であることを示すことによってスタッフの現場での対応が必要であると判定した場合に、スタッフへ返却後に車両確認の対応を行うように通知する。これによって通知を受けたスタッフは、車両VEに燃料を補充すること、充電することができる。
処理部208は、判定部206が車両VEの状態を示す情報が、故障を警告するための警告灯、表示灯が点灯していることによってスタッフの現場での対応が必要であると判定した場合に、スタッフへ返却後に車両確認の対応を行うように通知する。これによって通知を受けたスタッフは、故障に対応することができる。
処理部208は、判定部206が車両VEの状態を示す情報が、充電中でないことによってスタッフの現場での対応が必要であると判定した場合に、利用者に充電ケーブルを接続するように警告する。これによって、利用者に充電ケーブルを接続することを促すことができる。
処理部208は、判定部206が車両VEの状態を示す情報が、燃料/電池残量が一定以上増加したことを示す場合に、燃料補給/充電を行ったことをスタッフに通知する。これによって通知を受けたスタッフは、燃料補給/充電を行った利用者に報酬を与えることができる。
【0043】
(画像解析システム100の動作)
図6は、本実施形態に係る画像解析システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図6を参照して画像解析システム100によって実行されるメータパネル画像データベース登録処理について説明する。
【0044】
(ステップS1-1)
カメラ10は、車両VEのメータパネルを撮影する。
(ステップS2-1)
メータパネルの画像において、車両VEの状態を示す情報として検出するメータおよび警告灯、表示灯の位置、画像を指定する。例えば、メータパネルの画像におけるメータおよび警告灯、表示灯の座標、例えば各メータを囲む枠の対角線上の角の座標が指定される。
【0045】
(ステップS3-1)
ステップS2-1で指定されたメータおよび警告灯、表示灯の座標を、画像解析部106で利用可能なデータへ変換する。
(ステップS4-1)
メータパネル画像データベース110-1に、車両の車種の識別情報(車種No.)、メータパネル画像、各メータ位置情報(座標)および表示灯/警告灯位置情報(座標)を関連付けて登録する。
【0046】
図7は、本実施形態に係る画像解析システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図7を参照して画像解析システム100によって実行されるメータパネル画像を解析する処理について説明する。
(ステップS1-2)
通信部102は、車載器20が送信したメータパネル画像情報通知を受信する。
【0047】
(ステップS2-2)
取得部104は、通信部102が受信したメータパネル画像情報通知を取得する。取得部104は、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得部104からメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得した車両VEの識別情報に基づいて、メータパネル画像データベース110-1を検索し、車両VEの識別情報に該当する車種のメータパネルを特定する。
【0048】
(ステップS3-2)
画像解析部106は、特定したメータパネルに関連付けられているメータの位置情報および警告灯、表示灯の位置情報を取得する。
(ステップS4-2)
画像解析部106は、取得したメータの位置情報および警告灯、表示灯の位置情報に基づいて、車両VEの状態を示す情報としてメータパネル画像からメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報を取得する。
【0049】
(ステップS5-2)
登録部108は、画像解析部106からメータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報とを取得する。登録部108は、取得したメータパネル画像情報からメータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報を取得する。登録部108は、メータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とを関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録する。
【0050】
図8は、本実施形態に係る車両管理システム200の動作の一例を示すフローチャートである。
図8を参照して車両管理システム200によって実行される車両管理処理について説明する。
(ステップS1-3)
取得部204は、画像解析システム100の記憶部110の車両状態情報データベース110-2に含まれる車両の識別情報(車両No.)、撮影年月日および時刻、車両VEの状態を示す情報を取得する。
【0051】
(ステップS2-3)
判定部206は、車両VEが返却されるか否かを判定する。例えば、判定部206は、通信部202から利用終了指示を取得した場合には車両VEが返却されると判定し、通信部202から利用終了指示を取得できない場合には車両VEが返却されないと判定する。
【0052】
(ステップS3-3)
判定部206は、車両VEが返却されないと判定した場合、車両VEの状態を示す情報に基づいて、燃料残量又は電池残量が一定以上増加したか否かを判定する。
(ステップS4-3)
処理部208は、判定部206が燃料残量又は電池残量が一定以上増加したと判定した場合、スタッフに燃料補給又は充電を行ったことを通知する処理を行う。
【0053】
(ステップS5-3)
処理部208は、判定部206が燃料残量又は電池残量が一定以上増加していないと判定した場合又はスタッフに燃料補給又は充電を行ったことを通知する処理を行った後に、車両VEの状態を示す情報をセンタサーバ300へ送信する処理を行う。
(ステップS6-3)
判定部206は、車両VEが返却されると判定した場合、車両VEが電気自動車である場合には充電中であるか否かを判定する。車両VEが電気自動車でない場合には、ステップS6-3~S7-3の処理はスキップする。
【0054】
(ステップS7-3)
処理部208は、判定部206が充電中でないと判定した場合に、利用者に充電ケーブルを接続するように警告する処理を行う。その後ステップS6-3に戻る。
(ステップS8-3)
判定部206は、充電中であると判定した場合に、燃料残量又は電池残量が一定量以下であるかもしくは、故障を示す警告灯が点灯しているかを判定する。
【0055】
(ステップS9-3)
処理部208は、判定部206が、燃料残量又は電池残量が一定量以下もしくは、故障を示す警告灯が点灯していると判定した場合に、スタッフへ返却後に車両VEの確認を行うように通知する処理を行う。
(ステップS10-3)
処理部208は、スタッフへ返却後に車両VEの確認を行うように通知した後、又は判定部206が、燃料残量又は電池残量が一定量以下および故障を示す警告灯が点灯のいずれにも該当しないと判定した場合、車両VEの状態を示す情報をセンタサーバ300へ送信する処理を行う。これによって車両VEが返却状態になる。
【0056】
(車両共用システム1の動作)
図9は、本実施形態に係る車両共用システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図9を参照して、車両VEの利用の開始から車両VEの走行までの処理について説明する。
(ステップS1-4)
利用者は、端末装置から車両VEの利用を開始するための利用開始指示を送信する。
【0057】
(ステップS2-4)
車両管理システム200において、通信部202は利用開始指示を受信する。処理部208は、通信部202から利用開始指示を取得し、取得した利用開始指示に基づいて利用開始通知を作成する。処理部208は、作成した利用開始通知を通信部202からセンタサーバ300へ送信する。センタサーバ300は、車両管理システム200が送信した利用開始通知を受信し、受信した利用開始通知に基づいて利用者が車両VEの利用を開始するための所定の処理を行う。
(ステップS3-4)
車両管理システム200において、処理部208は、開錠指示を、通信部202から車載器20へ送信する。
【0058】
(ステップS4-4)
車載器20は、車両管理システム200が送信した開錠指示を受信し、受信した開錠指示に基づいてドアロック40を開錠する。
(ステップS5-4)
利用者は、車両VEに乗車し、イグニッションをオンにする。これによって、イグニッション制御部30は、イグニッションをオンにする。
【0059】
(ステップS6-4)
カメラ10は、メータパネルを撮影する。
(ステップS7-4)
カメラ10は、メータパネル画像情報を、車載器20へ出力する。車載器20は、カメラ10が出力したメータパネル画像情報を取得し、取得したメータパネル画像情報および車載器20を搭載している車両VEの識別情報を含むメータパネル画像情報通知をゲートウェイGWへ送信する。ゲートウェイGWは、車載器20が出力したメータパネル画像情報通知を取得し、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を関連付けて記憶部に記憶させる。ゲートウェイGWは、メータパネル画像情報通知を、画像解析システム100へ送信する。
【0060】
(ステップS8-4)
画像解析システム100において、通信部102は、ゲートウェイGWが送信したメータパネル画像情報通知を受信する。取得部104は、通信部102が受信したメータパネル画像情報通知を取得する。取得部104は、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得部104からメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得したメータパネル画像情報に基づいて、メータパネル画像の画像解析処理を行う。
【0061】
(ステップS9-4)
画像解析システム100において、登録部108は、画像解析部106からメータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報とを取得する。登録部108は、取得したメータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とを関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録する。
【0062】
図10は、本実施形態に係る車両共用システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図10を参照して、車両VEのイグニッションがオフにされてから、センタサーバ300が車両情報状態応答を取得するまでの処理について説明する。
(ステップS1-5)
利用者は、車両VEから降車し、イグニッションがオフにされる。
(ステップS2-5)
利用者は、端末装置から車両VEの利用を終了するための利用終了指示を送信する。
【0063】
(ステップS3-5)
車両管理システム200において、通信部202は利用終了指示を受信する。処理部208は、通信部202から利用終了指示を取得し、取得した利用終了指示に基づいて利用終了通知を作成する。処理部208は、作成した利用終了通知を通信部202からセンタサーバ300へ送信する。センタサーバ300は、車両管理システム200が送信した利用終了通知を受信し、受信した利用終了通知に基づいて利用者が車両VEの利用を終了するための所定の処理を行う。
(ステップS4-5)
車両管理システム200において、処理部208は、施錠指示を、通信部202から車載器20へ送信する。
【0064】
(ステップS5-5)
車載器20は、車両管理システム200が送信した施錠指示を受信し、受信した施錠指示に基づいてドアロック40を施錠する。
(ステップS6-5)
車載器20は、カメラ10に撮影要求を出力する。
(ステップS7-5)
カメラ10は、メータパネルを撮影する。
【0065】
(ステップS8-5)
カメラ10は、メータパネル画像情報を、車載器20へ出力する。車載器20は、カメラ10が出力したメータパネル画像情報を取得し、取得したメータパネル画像情報および車載器20を搭載している車両VEの識別情報を含むメータパネル画像情報通知をゲートウェイGWへ送信する。ゲートウェイGWは、車載器20が出力したメータパネル画像情報通知を取得し、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を関連付けて記憶部に記憶させる。ゲートウェイGWは、メータパネル画像情報通知を、画像解析システム100へ送信する。
【0066】
(ステップS9-5)
画像解析システム100において、通信部102は、ゲートウェイGWが送信したメータパネル画像情報通知を受信する。取得部104は、通信部102が受信したメータパネル画像情報通知を取得する。取得部104は、取得したメータパネル画像情報通知に含まれるメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得部104からメータパネル画像情報および車両VEの識別情報を取得する。画像解析部106は、取得したメータパネル画像情報に基づいて、メータパネル画像の画像解析処理を行う。
【0067】
(ステップS10-5)
画像解析システム100において、登録部108は、画像解析部106からメータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報とを取得する。登録部108は、取得したメータパネル画像情報からメータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報を取得する。登録部108は、メータパネル画像情報と、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とを関連付けて車両状態情報データベース110-2に登録する。
【0068】
(ステップS11-5)
センタサーバ300は、利用終了通知を受けて、車両管理システム200へ車両VEの識別情報を含む車両状態情報要求を送信する。
(ステップS12-5)
車両管理システム200において、通信部202は、センタサーバ300が送信した車両状態情報要求を受信する。処理部208は、通信部202から車両状態情報要求を取得する。処理部208は、取得した車両状態情報要求に含まれる車両VEの識別情報に該当する車両VEの状態を示す情報を、車両状態情報データベース110-2から取得する。
【0069】
(ステップS13-5)
車両管理システム200において、処理部208は、取得した車両VEの状態を示す情報を含む車両状態情報応答を作成する。処理部208は、作成した車両状態情報応答を、通信部202からセンタサーバ300へ送信する。センタサーバ300は、車両管理システム200が送信した車両状態情報応答を受信し、受信した車両状態情報応答に含まれる車両VEの状態を示す情報に基づいて所定の処理を行う。
【0070】
前述した実施形態では、画像解析処理において、メータパネル画像データベースから車両VEの識別情報に該当する車種のメータパネルを特定し、特定したメータパネルに基づいて取得したメータの位置情報および警告灯、表示灯の位置情報に基づいて、メータパネル画像からメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報を取得する場合について説明したが、この例に限られない。
例えば、メータの画像および警告灯、表示灯の画像を機械学習した結果に基づいて、メータパネル画像からメータの画像および警告灯、表示灯の画像を特定し、特定したメータの画像および警告灯、表示灯の画像からメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0071】
前述した実施形態では、画像解析システム100に、メータパネル画像データベース110-1および車両状態情報データベース110-2が記憶される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、メータパネル画像データベース110-1および車両状態情報データベース110-2を記憶するサーバが別途用意されてもよい。このサーバはクラウドサーバであってもよい。
前述した実施形態において、画像解析部106の機能を車両VEに備えるようにしてもよい。この場合、車両VEから、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報と、車両VEの識別情報と、メータパネルを撮影した年月日および時刻を示す情報とが出力され、車両状態情報データベース110-2に登録されてもよい。このように構成することによって、車両VEからメータパネル画像情報が送信されず、メータパネル画像を解析することによって得られるメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報が送信されるため、通信量を少なくすることができる。また、メータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報が送信されるため、解析等の2次利用が可能になる。
【0072】
本実施形態に係る車両共用システム1によれば、車両共用システム1は、共用する車両を管理する。車両共用システム1は、画像解析システム100と、車両管理システム200とを備える。画像解析システム100は、車両VEのメータパネルを撮影したメータパネル画像を取得するメータパネル画像取得部としての取得部104と、メータパネル画像取得部が取得したメータパネル画像を解析し、車両VEの状態を示す情報を取得する画像解析部106と、画像解析部106が取得した車両VEの状態を示す情報を、車両状態情報データベース110-2に登録する登録部108とを備える。車両管理システム200は、車両状態情報データベース110-2から、車両VEの状態を示す情報を取得する車両状態情報取得部としての取得部204と、車両状態情報取得部が取得した車両VEの状態を示す情報に基づいて、対応が必要であるか否かを判定する判定部206とを備える。
【0073】
このように構成することによって、走行中、停車中の車両VEの状態を遠隔で確認することができる。また、情報を取得するために配線を分岐させて、情報を取得する方法と比較して、車両VEにおいて、各センサー、スイッチからの配線が不要になるため、配線の制作費用、車内配線費用が不要になり、車載器20の入力回路が不要となる。配線が不要となるため、車載器20の設置作業の日数を短縮できる。メータの表示内容は取扱説明書に記載があるため、自動車メーカからの情報開示が不要となる。仮に新しい車種のメータの解析を追加する場合、画像解析部のアルゴリズムの変更を行うことなくメータ画像データベースに追加するだけで可能となる。
【0074】
また、車両共用システム1において、車両VEの状態を示す情報は、メータパネルに含まれるメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報の少なくとも一方である。このように構成することによって、車両共用システム1は、車両VEの状態を示す情報として、メータパネルに含まれるメータが示す値および警告灯、表示灯の点灯の有無を示す情報の少なくとも一方を取得できる。
【0075】
また、車両共用システム1において、車両状態情報取得部は、利用された車両VEが返却された場合に、車両状態情報データベース110-2から、車両VEの状態を示す情報を取得する。このように構成することによって、利用された車両VEが返却された場合に、車両の状態を示す情報に基づいて、スタッフの現場での対応が必要であると判定された場合に対応できる。このため、次の利用者が車両VEを利用するときの対応を減少させることができる。
【0076】
また、車両共用システム1において、判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、燃料又は電池残量が閾値以下であることを示す場合に対応が必要であると判定する。このように構成することによって、燃料又は電池残量を増加させることができるため、次の利用者が車両VEを利用するときに燃料又は電池残量が閾値以下であることが無くなる。
【0077】
また、車両共用システム1において、判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、故障を警告するための警告灯、表示灯が点灯していることを示す場合に対応が必要であると判定する。このように構成することによって、スタッフが現場で故障に対応できるため、次の利用者が車両VEを利用するときに故障していることが無くなる。
【0078】
また、車両共用システム1において、判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、充電中でないことを示す場合に対応が必要であると判定する。このように構成することによって、車両VEを充電できるため、次の利用者が車両VEを利用するときに電池残量が少ないことが無くなる。
【0079】
また、車両共用システム1において、判定部206は、車両VEの状態を示す情報が、燃料又は電池残量の増加が閾値以上である場合に対応が必要である。このように構成することによって、車両VEに燃料が補充されたこと又は充電されたことを通知できるため、利用者に燃料を補充したこと又は充電したことに対する報酬を与えることができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0081】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、記憶領域、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1…車両共用システム、 10…カメラ、 20…車載器、 30…イグニッション制御部、 40…ドアロック、 50…ドアロック、 60…カードリーダ、 100…画像解析システム、 102…通信部、 104…取得部、 106…画像解析部、 108…登録部、 110…記憶部、 110-1…メータパネル画像データベース、 110-2…車両状態情報データベース、 200…車両管理システム、 202…通信部、 204…取得部、 206…判定部、 208…処理部、 210…記憶部、 300…センタサーバ