(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136845
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ケースへの他部材取付け構造
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20240927BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H05K7/00 M
H05K5/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048128
(22)【出願日】2023-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【テーマコード(参考)】
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
4E352AA20
4E352BB02
4E352CC12
4E352CC32
4E352DR02
4E352GG04
4E360AA02
4E360AB12
4E360BA08
4E360BC05
4E360BD02
4E360CA02
4E360EB03
4E360EC03
4E360GA29
4E360GB99
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】電子機器を収容してなるケースの上壁に対してボルトとナットを用いて他部材を接続する構造を採用する場合にもケース内への水の浸入を抑制することができるケースへの他部材接続構造を提供する。
【解決手段】本体ケース130は、プローブケースの底部材103に対して、ボルト106とナット135との螺合によって取り付けられている。ボルト106は、雄ネジ部106cがテーパー雄ネジで形成され、ナット135は、雌ネジ部135aがテーパー雌ネジで形成されている。ボルト106は、ナット135との螺合前の状態において、雄ネジ部106cにおける矢印A1部分のネジ径が、ナット135の雌ネジ部135aにおける矢印A1部分のネジ径よりも大きく形成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が収容されてなるケースであって、上壁に設けられたケース通し孔を有する前記ケースと、
前記ケースの前記上壁上に載置される他部材であって、前記ケース通し孔に連続する他部材通し孔を有する前記他部材と、
前記他部材の側から前記ケース通し孔および前記他部材通し孔を挿通して前記ケースの内部へ侵入する雄ネジ部を有するボルトと、
前記ケースの内部に配されるナットであって、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する前記ナットと、
を備え、
前記ボルトの前記雄ネジ部は、頭側から下端面側へと向けてネジ径が漸減するテーパー雄ネジで形成されてなり、
前記ナットの前記雌ネジ部は、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合するテーパー雌ネジで形成されている、
ケースへの他部材取付け構造。
【請求項2】
前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態において、前記ボルトの前記雄ネジ部は、前記ナットの前記雌ネジ部との螺合予定範囲における頭側の少なくとも一部のネジ径が前記ナットの前記雌ネジ部における前記少なくとも一部と螺合する部分のネジ径よりも大きく形成されている、
請求項1に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項3】
前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態において、前記ボルトの中心軸に対する前記雄ネジ部のテーパー角をθ1とし、前記ナットの中心軸に対する前記雌ネジ部のテーパー角をθ2とする場合に、
前記ボルトの前記雄ネジ部および前記ナットの前記雌ネジ部は、θ1>θ2の関係を満たすように形成されている、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項4】
前記ボルトは、中心軸に沿って長手方向に貫通するように開けられた貫通孔を有し、
前記他部材は、前記貫通孔を挿通して、前記他部材の側から前記ケースの内部へ侵入するリード線を有し、
該ケースへの他部材取付け構造は、前記貫通孔における長手方向の少なくとも一部を液密に封止するパッキンをさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項5】
前記他部材は、計測対象物の振動強度を計測する振動プローブおよび前記計測対象物の表面温度を計測する温度プローブの少なくとも一方のプローブと、前記少なくとも一方のプローブを収容するプローブケースとを有するプローブ部であり、
前記ケースは、前記少なくとも一方のプローブからの計測データを処理するプリント基板と、前記プリント基板に電力を供給する電池と、を収容する、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項6】
前記プローブケースは、前記計測対象物である配管設備に対して下方に垂下した状態で取り付けられる、
請求項5に記載のケースへの他部材取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースへの他部材取付け構造に関し、特に電子機器が収容されてなるケースへの他部材の取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板や電池などの電子機器が収容されてなるケースに対して、他のケースやパイプなどの他部材が接続されてなる構造は広く用いられている。例えば、特許文献1には、スチーム配管やスチームトラップなどに取り付けられる計測装置が開示されている。
図7に示すように、従来技術に係る計測装置901は、本体ケース913に対して接続パイプ913を介してプローブケース910が接続されてなる構造を有する。
【0003】
図7の拡大部分に示すように、プローブケース910の内方には、それぞれの先端915a,916aがZ方向下方に突出する温度プローブ915と振動プローブ916とが収容されている。プローブケース910は、クランプ部911が取り付けられており、クランプボルト912を締めることでスチーム配管500に取り付けられている。これにより、温度プローブ915および振動プローブ916の各先端915a,916aがスチーム配管950の表面950aに当接されている。
【0004】
本体ケース913には、プリント基板や電池ボックスなどの電子機器が収容されている。プリント基板には、温度プローブ915および振動プローブ916から延びるリード線が接続されている。各リード線は、接続パイプ914の内方を通り本体ケース913まで配設されている。
【0005】
なお、本体ケース913と接続パイプ914とは、例えば、接続パイプ914の先端部分に設けられた雄ねじ部分が本体ケース913内に挿入され、当該雄ねじ部分にナットを締めることにより取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、
図7に示す計測装置901は、屋外に設置されるため強風Bの影響などにより計測装置901が傾いてしまう場合がある(矢印C)。このように計測装置901が傾いてしまった場合には、各プローブ915,916の先端915a,916aがスチーム配管950の表面950aから離間してしまい、計測データを取得できなくなる場合が生じ得る。
【0008】
このような事態を回避しようと、スチーム配管の鉛直下方に垂下した姿勢で計測装置を取り付けることが検討されている。このようにスチーム配管の下方に垂下した姿勢で計測装置を取り付けることにより、風などの影響で計測装置が一時的に傾いても装置の自重により姿勢が元の状態へと戻るようにすることができる。よって、スチーム配管に対して垂下した姿勢で計測装置を取り付ける場合には、風などの影響によりプローブケースに外力が加わっても、作業者による修復作業を行わなくても計測を継続することが可能となる。
【0009】
しかしながら、スチーム配管に対して垂下した姿勢で計測装置を取り付ける場合には、プリント基板等の電子機器が収容された本体ケース内に水などが浸入することが懸念される。即ち、上述のように、接続パイプと本体ケースとの接続は、接続パイプの先端部分に設けられた雄ねじ部分を本体ケース内に挿入し、当該雄ねじ部分にナットを螺合させることによりなされるのであるが、接続パイプを伝ってきた水が雄ねじ部分とナットの雌ねじ部分との隙間を通り本体ケース内へと浸入することが起こり得る。
【0010】
なお、上記では、スチーム配管に取り付ける計測装置を一例に、電子機器が収容されてなるケースへ水が浸入する場合を説明したが、計測装置の本体ケース以外でも、ボルトとナットとの螺合によりケースの上部に他の部材を取り付けてなる構造を採用する場合には、同様の問題が生じ得る。
【0011】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、電子機器を収容してなるケースの上壁に対してボルトとナットを用いて他部材を取り付けてなる構造を採用する場合にもケース内への水の浸入を抑制することができるケースへの他部材取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係るケースへの他部材取付け構造は、ケースと、他部材と、ボルトと、ネットと、を備える。前記ケースは、電子機器が収容されてなる前記ケースであって、上壁に設けられたケース通し孔を有する。前記他部材は、前記ケースの前記上壁上に載置される前記他部材であって、前記ケース通し孔に連続するように設けられた他部材通し孔を有する。前記ボルトは、前記他部材の側から前記ケース通し孔および他部材通し孔を挿通して前記ケースの内部へ侵入する雄ネジ部を有する。前記ナットは、前記ケースの内部に配される前記ナットであって、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する。
【0013】
本態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトの前記雄ネジ部は、頭側から下端面側へと向けてネジ径が漸減するテーパー雄ネジで形成されてなり、前記ナットの前記雌ネジ部は、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合するテーパー雌ネジで形成されてなる。
【0014】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、雄ネジ部がテーパー雄ネジで形成されたボルトと、雌ネジ部がテーパー雌ネジで形成されたナットと、の螺合によりケースに他部材が取り付けられている。よって、ボルトとナットとを螺合させた状態では、ボルトの頭側から雄ネジ部の先端側へと行くのに従って雄ネジ部と雌ネジ部との間での螺合に係る体積(中心軸に直交する方向での螺合に係る体積)も漸減して行く。このため、本態様に係るケースへの他部材取付け構造では、仮にボルトの頭側から雄ネジ部と雌ネジ部との間の隙間を伝って水が浸入したとしても、ボルトの先端側(雄ネジ部における頭部とは反対側の先端の側)へと行くのに従って圧力上昇によって水が通過し難くなるため、ケース内部への水の浸入を抑制することができる。
【0015】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態において、前記ボルトの前記雄ネジ部は、前記ナットの前記雌ネジ部との螺合予定範囲における頭側の少なくとも一部のネジ径が前記ナットの前記雌ネジ部における前記少なくとも一部と螺合する部分のネジ径よりも大きく形成されている、としてもよい。
【0016】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、ボルトとナットとの螺合前の状態において、ボルトの雄ネジ部における上記少なくとも一部のネジ径が、当該少なくとも一部と螺合するナットの雌ネジ部のネジ径よりも大きく形成されているので、ボルトの雄ネジ部とナットの雌ネジ部とが螺合した状態では、ボルトの雄ネジ部における上記少なくとも一部がナットの雌ネジ部と緊結(ネジ同士が圧接)されることになる。このため、ボルトの雄ネジ部とナットの雌ネジ部との間の隙間が上記少なくとも一部で略無くなり、当該部分で他部材の側からケースの内部への水の浸入をより確実に抑制することができる。
【0017】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態で、前記ボルトの中心軸に対する前記雄ネジ部のテーパー角をθ1とし、前記ナットの中心軸に対する前記雌ネジ部のテーパー角をθ2とする場合に、前記ボルトの前記雄ネジ部および前記ナットの前記雌ネジ部は、θ1>θ2の関係を満たすように形成されている、としてもよい。
【0018】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、ボルトにおける雄ネジ部のテーパー角θ1がナットにおける雌ネジ部のテーパー角θ2よりも大きく設定されているので、ボルトの雄ネジ部をナットの雌ネジ部に螺合させた場合に、ボルトの雄ネジ部における頭側の部分でナットの雌ネジ部に対して特に強く緊結させることができる。その一方、ボルトの雄ネジ部の先端側ではナットの雌ネジ部に対して相対的に緩い状態で螺合することとなるので、ボルトの雄ネジ部をナットの雌ネジ部に螺合させて行く初期の段階では良好な作業性を確保することができる。
【0019】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトは、中心軸に沿って長手方向に貫通するように開けられた貫通孔を有し、前記他部材は、前記貫通孔を挿通して、前記他部材から前記ケースの内部へ侵入するリード線を有し、該ケースへの他部材取付け構造は、前記貫通孔における長手方向の少なくとも一部を液密に封止するパッキンをさらに備える、としてもよい。
【0020】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、リード線を通すためにボルトに設けられた貫通孔がパッキンによって液密に封止されているので、他部材からケース内へのリード線の配設を許容しながら、ケース内への水の浸入を防ぐことができる。
【0021】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記他部材は、計測対象物の振動強度を計測する振動プローブおよび前記計測対象物の表面温度を計測する温度プローブの少なくとも一方のプローブと、前記少なくとも一方のプローブを収容するプローブケースとを有するプローブ部であり、前記ケースは、前記少なくとも一方のプローブからの計測データを処理するプリント基板と、前記プリント基板に電力を供給する電池と、を収容する、としてもよい。
【0022】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、他部材がプローブ部であり、ケースにプリント基板および電池が収容されるが、上記のようにボルトの雄ネジ部とナットの雌ネジ部との間を伝ってのケースの内部への水の浸入が抑制されるので、プリント基板でのショートや電池のショートなどを抑制することができる。
【0023】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記プローブケースは、前記計測対象物である配管設備に対して下方に垂下した状態で取り付けられる、としてもよい。
【0024】
上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、プローブケースが配管設備に対して垂下状態で取り付けられるため、プローブケース内には水が浸入する場合がある。
【0025】
しかしながら、上記のようにボルトの雄ネジ部とナットの雌ネジ部との間を伝ってケース内へ水の浸入するのが抑制されるので、プローブ部(他部材)の下部に配されるケースの内部への水の浸入は抑制される。
【0026】
また、上記態様に係るケースへの他部材取付け構造では、配管設備の下方にプローブ部を取り付け、プローブ部の下方にケースを配置しているので、仮に風などの影響によりプローブ部が傾いて一時的に上記少なくとも一方のプローブの先端が計測対象物から離間したとしても、プローブケースおよびその内方に収容されたプローブ等の自重により元の垂下した姿勢へと復帰することとなる。よって、上記態様の構造では、風などの影響によりプローブケースに外力が加わっても、作業者による修復作業を行わなくても計測を継続することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
上記の各態様では、電子機器を収容してなるケースの上壁に対してボルトとナットを用いて他部材を取り付けてなる構造を採用する場合にもケース内への水の浸入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施形態に係るケースへの他部材取付け構造が適用された計測装置を示す斜視図である。
【
図4】本体ケースへのプローブケースの取付けに用いられるボルトの構成を示す正面図である。
【
図5】本体ケースへのプローブケースの取付けに用いられるネットの構成を示す断面図である。
【
図6】本体ケースにプローブケースを取り付けた状態でのボルトとナットとを示す断面図である。
【
図7】従来技術に係るケースへの他部材取付け構造が適用された計測装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0030】
1.計測装置1の概略構成
実施形態に係るケースへの他部材取付け構造が適用された計測装置1の概略構成について、
図1~3を用いて説明する。
【0031】
図1に示すように、計測装置1は、プローブ部(他部材)10と、本体部13と、U字ボルト11およびナット12とを備える。プローブ部10は、プローブケース109を有する。
図2に示すように、プローブケース109は、円筒形状のプローブケース本体100と、蓋部材102と、底部材103と、を有する。蓋部材102は、プローブケース本体100のZ方向上側の開口を塞ぐように配設され、底部材103は、プローブケース本体100のZ方向下側の開口を塞ぐように配設されている。プローブケース109の内部空間109aには、温度プローブ104および振動プローブ105が収容されている。蓋部材102は、温度プローブ104の先端104aを含む一部の挿通を許す貫通孔と、振動プローブ105の先端105aを含む一部との挿通を許す貫通孔とを有する。
【0032】
図1に戻って、プローブケース本体100には、Z方向上部の外周面からY方向に突出する2つのステー101が設けられている。2つのステー101は、互いにY方向の反対側に向けて延びるように設けられている。各ステー101には、U字ボルト11のネジ部の挿通を許す通し孔が開けられている。U字ボルト11は、ステー101に開けられた通し孔を挿通してZ方向下方にネジ部の一部が位置するように取り付けられ、ナット12の螺合により締結されている。これにより、計測装置1のプローブ部10は、スチーム配管500に対してZ方向下向きに垂下した姿勢で取り付けられている。そして、
図2に示す各プローブ104,105の先端104a,105aは、スチーム配管500の表面500a(
図1を参照。)に対して直に当接する。なお、温度プローブ104の先端104aと振動プローブ105の先端105aとは、スチーム配管500の管軸Ax500に沿って並ぶように配置される。
【0033】
温度プローブ104は、スチーム配管(計測対象物)500の表面500aの温度を計測し、Z方向下側から延びるリード線(信号線)104bを通じて本体部13へと計測結果を送出する。振動プローブ105は、スチーム配管500の振動強度を計測し、長手方向における先端105aとは反対側(Z方向下側)に、断熱部105c、振動センサ105b、およびリード線(信号線)105dを有する。断熱部104cは、先端105aを含む探触棒のZ方向下端に固定され、スチーム配管500からの熱が振動センサ105bに伝わり難くするために設けられている。振動センサ105bは、圧電素子として圧電型セラミックスが使用された圧電型加速度センサから構成されている。振動センサ105bでの計測結果は、リード線105dを通じて本体部13へと送出される。
【0034】
図1に示すように、本体部13は、本体ケース137を有する。本体ケース137は、ケース本体130と、蓋131と、複数のビス132と、を有する。本実施形態では、一例として、ケース本体130と蓋131とで構成される本体ケース137は、直方体形状の外観形状を有する。そして、蓋131は、ビス132でケース本体130に取り付けられている。
【0035】
図3に示すように、本体ケース137の内部空間137aには、プリント基板133および電池ユニット134が収容されている。なお、本実施形態では、一例として、内部空間137aにおけるZ方向上方にプリント基板133が収容され、Z方向下方に電池ユニット134が収容されている。ただし、本体ケース137の内部空間137aにおけるプリント基板133および電池ユニット134の配置については、適宜に変更が可能である。
【0036】
プリント基板133は、ビスによりケース本体130の底壁(
図3の紙面奥側の壁)に固定されている。電池ユニット134は、X方向の両側に延設されたフランジ部でビスによりケース本体130の底壁に固定されている。
【0037】
プリント基板133は、基板本体133aと、コネクタ133b,133cを、を有する。基板本体133aには、図示を省略する複数の電子チップが実装されており、温度プローブ104や振動プローブ105から送られてくる計測結果を演算処理する演算処理部や、演算結果を中継器やプラントの管理室などに送信する送信部などが設けられている。なお、計測装置1では、BLE(Bluetooth Low Energy〈「Bluetooth」は、Bluetooth SIG Inc.の登録商標〉)規格を用いて中継器などにデータ送信を行うようプリント基板133の送信部が構成されている。
【0038】
なお、本体ケース137は、電波の通過を考慮して樹脂材料(例えば、ABS樹脂:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)を用いて形成されている。
【0039】
コネクタ133bには、温度プローブ104のリード線104bおよび振動プローブ105のリード線105dが接合されたコネクタ108が接続されている。コネクタ108に接合されるリード線104b,105dは、本体ケース137へのプローブケース109の取付けの用に供されるボルト135に開けられた貫通孔106fを通して本体ケース137の内部空間137aへと配策されている。
【0040】
また、コネクタ133cには、電池ユニット134から延出するロード線(電源線)134aが接合されたコネクタ134bが接続されている。これにより、電池ユニット134からプリント基板133への電力供給がなされる。
【0041】
2.本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造
本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造について、
図1~3を用いて説明する。
【0042】
図1に示すように、プローブ部10のプローブケース109は、本体ケース137の上方に配置されている。具体的に、
図2および
図3に示すように、本体ケース137におけるケース本体130の上壁外面(上面)130bの上に、プローブケース109における底部材103の外面(下面)103bが当接するように、本体ケース137上にプローブケース109が配される。そして、底部材103には、ボルト106の雄ネジ部の挿通を許す通し孔(他部材通し孔)103aが開けられている。また、本体ケース137におけるケース本体130の上壁にもボルト106の雄ネジ部の挿通を許す通し孔(ケース通し孔)130dが開けられている。通し孔103aと通し孔130dとは、ケース本体130上に底部材103を配した状態で互いに連続する位置に形成されている。
【0043】
図2に示すように、ボルト106は、頭部がプローブケース109の内部空間109aに残った状態で本体ケース137に向けて(Z方向下方に向けて)雄ネジ部が延びるように配設されている。
図3に示すように、本体ケース137の内部空間137aに挿通したボルト106の雄ネジ部は、ナット135と螺合している。これにより、底部材103の内面(上面)103cがボルト106の頭部によりZ方向下向きに押圧され、ケース本体130の上壁内面130cがナット135によりZ方向上向きに押圧され、本体ケース137にプローブ部10のプローブケース109が取り付けられている。
【0044】
なお、上述のようにリード線104b,105dはボルト106に開けられた貫通孔106fを通して本体ケース137の内部空間137aへと配策されているが、貫通孔106fにはシリコーンパッキン107が配設されており、これにより貫通孔106が液密に封止されている。
【0045】
3.ボルト106およびナット135の構造
本体ケース137へのプローブ部10の取付けに用いられるボルト106およびナット135の構造について、
図4および
図5を用いて説明する。
【0046】
図4に示すように、ボルト106は、頭部106aと、胴部106bと、雄ネジ部106cとが一体形成されている。頭部106aの頭座面106gは、底部材103の内面103cを押圧する面である。胴部106bは、底部材103の板厚とケース本体130の上壁の板厚とを足し合わせた寸法と同じ長さで形成されている。
【0047】
雄ネジ部106cは、胴部106bの側(Z方向上側)から下端面106eの側(Z方向下側)へと行くのに従ってネジ径が漸減するテーパー雄ネジで形成されている。即ち、雄ネジ部106cは、テーパー角θ1で胴部106b側から下端面106e側に向けてネジ径が漸減するように設けられている。
【0048】
また、ボルト106は、頭部106aの上面106dから下端面106eまで貫通する貫通孔106fを有する。上述のように、ボルト106の貫通孔106fは、リード線104b,105dの挿通を許す孔である。
【0049】
図5に示すように、ナット135の雌ネジ部135aは、上面135bの側(Z方向上側)から下面135cの側(Z方向下側)へと行くのに従ってネジ径が漸減するテーパー雌ネジで形成されている。即ち、雌ネジ部135aは、テーパー角θ2で上面135b側から下面135c側に向けてネジ径が漸減するように設けられている。ここで、本実施形態では、ナット135の雌ネジ部135aのテーパー角θ2は、ボルト106の雄ネジ部106cのテーパー角θ1に対して、θ1>θ2の関係を満たす。
【0050】
また、ボルト106の雄ネジ部106cにおける胴部106bに近接する部分のネジ径をD1とし、ナット135の雌ネジ部135aにおける上面135bでのネジ径をD2とするとき、D1>D2の関係を満たす。
【0051】
4.ボルト106とナット135との螺合状態
ボルト106とナット135の螺合状態について、
図6を用いて説明する。
【0052】
図6に示すように、本体ケース137のケース本体130に対してプローブケース109の底部材103は、ボルト106とナット135との螺合により取り付けられている。ボルト106の頭座面106gが底部材103の内面103cに当接し、ナット135の上面135bがケース本体130の上壁内面130cに当接し、ボルト106の頭座面106gとナット135の上面135bとで底部材103とケース本体130の上壁とを挟むことで、本体ケース137へのプローブケース109の取付けがなされている。
【0053】
上述のように、ボルト106の雄ネジ部106cがテーパー雄ネジで形成され、ナット135の雌ネジ部135aがテーパー雌ネジで形成されているとともに、D1>D2の関係を満たすことにより、矢印A1の部分で雄ネジ部106cと雌ネジ部135aとが緊結(雄ネジ部106cと雌ネジ部135aとが圧接された状態で締結)されている。即ち、雄ネジ部106cと雌ネジ部135aとは、上部(矢印A1部分)の方が下部(矢印A2部分)よりも緊結されている。このため、仮にボルト106の頭座面106gと底部材103の内面103cとの間から水が浸入したとしても、螺合領域の上部(矢印A1部分)で、それよりも下方への水の浸入を抑制することができる。
【0054】
また、ボルト106の貫通孔106fを通りリード線104b,105dが配策されるが、貫通孔106fにはシリコーンパッキン107が配設されているので、貫通孔106fを介した水の浸入も抑制される。
【0055】
なお、ボルト106の胴部106bの外周面と通し孔103a,130dの各内周面との間には僅かな隙間が存在するが、頭座面106gと底部材103の内面との間、およびナット135の上面135bとケース本体130の上壁内面130cとの間はボルト106とナット135との緊結により液密状態が確保されている。よって、ボルト106の胴部106bの外周面と通し孔103a,130dの各内周面との間の隙間を介して水が本体ケース137の内部空間137aに浸入するのも抑制される。
【0056】
5.効果
本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、雄ネジ部106cがテーパー雄ネジで形成されたボルト106と、雌ネジ部135aがテーパー雌ネジで形成されたナット135と、の螺合により本体ケース137にプローブ部10が取り付けられている。よって、ボルト106の雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとを螺合させた状態では、ボルト106の雄ネジ部106cにおける頭側(胴部106bに近い側)から先端側(下端面106e側)へと行くのに従って雄ネジ部106cと雌ネジ部135aとの間での螺合に係る体積(中心軸に直交する方向での螺合に係る体積)も漸減して行く。このため、本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、仮にボルト106の頭部106a側から雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとの間の隙間を伝って水が浸入したとしても、ボルト106の下端面106eへと行くのに従って圧力上昇によって水が通過し難くなるため、本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、ボルト106とナット135との螺合前の状態において、ボルト106の雄ネジ部106cにおける頭側の部分(胴部106b側の部分〈
図6の矢印A1部分〉)のネジ径D1が、当該部分と螺合するナット135の雌ネジ部135aの一部(上面135b側の部分)のネジ径D2よりも大きく形成されているので、ボルト106の雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとが螺合した状態では、ボルト106の雄ネジ部106cにおける一部(
図6の矢印A1部分)がナット135の雌ネジ部135aと緊結(ネジ同士が圧接)されることになる。このため、ボルト106の雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとの間の隙間が
図6の矢印A1部分で略無くなり、当該A1部分でプローブ部10の側から本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入をより確実に抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、ボルト106における雄ネジ部106cのテーパー角θ1がナット135における雌ネジ部135aのテーパー角θ2よりも大きく設定されているので、ボルト106の雄ネジ部106cをナット135の雌ネジ部135aに螺合させた場合に、ボルト106の雄ネジ部106cにおける頭側の部分(胴部106bに近い部分)でナット135の雌ネジ部135aに対して特に強く緊結させることができる。その一方、ボルト106の雄ネジ部106cにおける先端側の部分(下端面106e側の部分)ではナット135の雌ネジ部135aに対して相対的に緩い状態で螺合することとなるので、ボルト106の雄ネジ部106cをナット135の雌ネジ部135aに螺合させて行く初期の段階では良好な作業性を確保することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、リード線104b,105dを通すためにボルト106に設けられた貫通孔106fがシリコーンパッキン107によって液密に封止されているので、プローブ部10から本体ケース137の内部空間137aへのリード線104b,105dの配設を許容しながら、本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入を防ぐことができる。
【0060】
また、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、本体ケース137の内部空間137aにプリント基板133および電池ボックス134等が収容されるが、上記のようにボルト106の雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとの間を伝っての本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入が抑制されるので、プリント基板133でのショートや電池ボックス134のショートなどを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造が適用された計測装置1では、プローブケース109がスチーム配管500に対してZ方向下方に垂下状態で取り付けられるため、プローブケース109の内部空間109aには水が浸入する場合がある。
【0062】
しかしながら、上記のようにボルト106の雄ネジ部106cとナット135の雌ネジ部135aとの間を伝って本体ケース137の内部空間137aへ水の浸入するのが抑制されるので、プローブ部10のZ方向下方に配される本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入は抑制される。
【0063】
また、計測装置1では、スチーム配管500のZ方向下方にプローブ部10を取り付け、プローブ部10のさらにZ方向下方に本体ケース137を配置しているので、仮に風などの影響によりプローブ部10が傾いて一時的に温度プローブ部104や振動プローブ105の各先端104a,105aがスチーム配管500の表面500aから離間したとしても、プローブ部10や本体部13の自重により元の垂下した姿勢へと復帰することとなる。よって、計測装置1では、風などの影響によりプローブケース109に外力が加わっても、作業者による修復作業を行わなくても計測を継続することが可能である。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造では、プリント基板133や電池ボックス134などの電子機器を収容してなる本体ケース137の上壁(ケース本体130の上壁)に対してボルト106とナット135を用いてプローブ部10を取り付けてなる構造を採用する場合にも本体ケース137の内部空間137aへの水の浸入を抑制することができる。
【0065】
[変形例]
上記実施形態では、本体ケース137の上部にプローブ部10を取り付けた構造を一例としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、
図7に示す接続パイプを本体ケースの上部に取り付けた構造に本発明を適用することもできる。即ち、接続パイプの端部にテーパー雄ネジで構成された雄ネジ部を設けておき、上記実施形態と同様の構成を有するナットを螺合させてなる構成を採用することもできる。
【0066】
また、上記実施形態では、計測装置1における本体ケース137へのプローブ部10の取付け構造を一例としたが、本発明は、これ以外に適用することも可能である。即ち、電子機器を収容してなるケースに対して、上部に他の部材を取り付ける構造を採用する場合には、上記構成を採用することで同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上記実施形態では、本体ケース137におけるケース本体130について、一例としてABS樹脂で構成されたケースを採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、金属材料から形成されたケース本体を採用することもできる。なお、金属材料から形成されたケース本体を採用する場合には、ケース本体の上壁内面にナットを溶接しておいてもよい。上壁内面に対してナットを全周溶接しておけば、ケース本体とナットの上面との間から本体ケースの内部空間への水の浸入をより確実に抑制することが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態では、計測装置1をスチーム配管500に取り付けることとしたが、本発明では、計測装置を必ずしもスチーム配管に取り付ける形態に限定を受けるものではない。例えば、計測対象物としてスチームトラップを採用し、計測装置をスチームトラップに取り付けることとしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、U字ボルト11とナット12とを用いてスチーム配管500に計測装置1を取り付けることとしたが、本発明は、計測対象物への計測装置の取付け方法について、これに限定を受けるものではない。例えば、ローラーチェーンやワイヤーロープなどを計測対象物の周囲に配して計測装置を取り付けることとしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、リード線104b,105dを通すためにボルト106に貫通孔106fを形成することとしたが、本発明では、貫通孔は必須の構成ではない。例えば、各プローブから延びるリード線については、本体ケースの下壁に設けた孔部から本体ケースの内部空間に引き込むようにしてもよい。そして、孔部をパッキンで塞ぐようにすればよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ボルト106の貫通孔106fに対してシリコーンパッキン107を配設して貫通孔106fを液密に封止することとしたが、パッキンについてはこれ以外にも種々の種類のものを使用可能である。例えば、ゴムパッキンなどを用いることも可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、
図6に示したように、シリコーンパッキン107がボルト106の上面106dから下端面106eまで貫通孔106f内に充填形成された構成を一例としたが、本発明では、パッキンの形成形態について、これに限定を受けるものではない。例えば、貫通孔の上部だけにパッキンを配設してもよいし、下部だけにパッキンを配設してもよいし、中間部だけにパッキンを配設してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 計測装置
10 プローブ部(他部材)
13 本体部
106 ボルト
106c 雄ネジ部
107 シリコーンパッキン(パッキン)
109 プローブケース
133 プリント基板(電子機器)
134 電池ボックス(電子機器)
135 ナット
135a 雌ネジ部
137 本体ケース(ケース)
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が収容されてなるケースであって、上壁に設けられたケース通し孔を有する前記ケースと、
前記ケースの前記上壁上に載置される他部材であって、前記ケース通し孔に連続する他部材通し孔を有する前記他部材と、
軸芯方向の一端側から他端側に向けて順に配された頭部と胴部と雄ネジ部とを有するとともに、前記雄ネジ部が前記他部材の側から前記ケース通し孔および前記他部材通し孔を挿通して前記ケースの内部へ侵入するボルトと、
前記ケースの内部に配されるナットであって、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する前記ナットと、
を備え、
前記ボルトの前記雄ネジ部は、前記軸芯方向における前記胴部に連続する側から前記他端側へと向けてネジ径が漸減するテーパー雄ネジで形成されてなり、
前記ナットの前記雌ネジ部は、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合するテーパー雌ネジで形成されており、
前記ボルトの胴部は、円筒形状を有する部位であって、外径寸法が、前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態における雄ネジ部の最大外径寸法と同じであり、且つ、前記軸芯方向の高さ寸法が、前記ケースの前記上壁の厚みと前記他部材における前記他部材通し孔が開けられた底壁の厚みとを足し合わせた値と同じになるように形成されている、
ケースへの他部材取付け構造。
【請求項2】
前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態において、前記ボルトの前記雄ネジ部は、前記ナットの前記雌ネジ部との螺合予定範囲における頭側の少なくとも一部のネジ径が前記ナットの前記雌ネジ部における前記少なくとも一部と螺合する部分のネジ径よりも大きく形成されている、
請求項1に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項3】
前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態において、前記ボルトの中心軸に対する前記雄ネジ部のテーパー角をθ1とし、前記ナットの中心軸に対する前記雌ネジ部のテーパー角をθ2とする場合に、
前記ボルトの前記雄ネジ部および前記ナットの前記雌ネジ部は、θ1>θ2の関係を満たすように形成されている、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項4】
前記ボルトは、中心軸に沿って長手方向に貫通するように開けられた貫通孔を有し、
前記他部材は、前記貫通孔を挿通して、前記他部材の側から前記ケースの内部へ侵入するリード線を有し、
該ケースへの他部材取付け構造は、前記貫通孔における長手方向の少なくとも一部を液密に封止するパッキンをさらに備える、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項5】
前記他部材は、計測対象物の振動強度を計測する振動プローブおよび前記計測対象物の表面温度を計測する温度プローブの少なくとも一方のプローブと、前記少なくとも一方のプローブを収容するプローブケースとを有するプローブ部であり、
前記ケースは、前記少なくとも一方のプローブからの計測データを処理するプリント基板と、前記プリント基板に電力を供給する電池と、を収容する、
請求項1または請求項2に記載のケースへの他部材取付け構造。
【請求項6】
前記プローブケースは、前記計測対象物である配管設備に対して下方に垂下した状態で取り付けられる、
請求項5に記載のケースへの他部材取付け構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の一態様に係るケースへの他部材取付け構造は、ケースと、他部材と、ボルトと、ネットと、を備える。前記ケースは、電子機器が収容されてなる前記ケースであって、上壁に設けられたケース通し孔を有する。前記他部材は、前記ケースの前記上壁上に載置される前記他部材であって、前記ケース通し孔に連続するように設けられた他部材通し孔を有する。前記ボルトは、軸芯方向の一端側から他端側に向けて順に配された頭部と胴部と雄ネジ部とを有するとともに、前記雄ネジ部が前記他部材の側から前記ケース通し孔および前記他部材通し孔を挿通して前記ケースの内部へ侵入するように形成されている。前記ナットは、前記ケースの内部に配される前記ナットであって、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトの前記雄ネジ部は、前記軸芯方向における前記胴部に連続する側から前記他端側へと向けてネジ径が漸減するテーパー雄ネジで形成されてなり、前記ナットの前記雌ネジ部は、前記ボルトの前記雄ネジ部と螺合するテーパー雌ネジで形成されてなる。
また、本態様に係るケースへの他部材取付け構造において、前記ボルトの胴部は、円筒形状を有する部位であって、外径寸法が、前記ボルトと前記ナットとの螺合前の状態における雄ネジ部の最大外径寸法と同じであり、且つ、前記軸芯方向の高さ寸法が、前記ケースの前記上壁の厚みと前記他部材における前記他部材通し孔が開けられた底壁の厚みとを足し合わせた値と同じになるように形成されている。