(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136849
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】車内着信音低減方法及び車内着信音低減システム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04M1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048134
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 修治
(72)【発明者】
【氏名】内田 ヘルマン偉之
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BA10
5K127GB26
5K127GD07
5K127JA14
5K127JA32
(57)【要約】
【課題】車両内に存在する携帯端末が車載装置と接続されていない場合であっても、着信時の通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる車内着信音低減方法及び車内着信音低減システムを提供する。
【解決手段】サーバ30及び車載装置10の少なくとも一方は、車両内に携帯端末20が存在するか否かを判定し、携帯端末20及び車載装置10の少なくとも一方は、車両内に携帯端末20が存在し、携帯端末20に着信があった場合に、携帯端末20が有する第1出力装置25及び車載装置10が有する第2出力装置16の少なくとも一方から、携帯端末20が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末、サーバ、及び車両に搭載された車載装置を含む車内着信音低減システムに係る車内着信音低減方法であって、
前記サーバ及び前記車載装置の少なくとも一方は、
前記車両内に前記携帯端末が存在するか否かを判定し、
前記携帯端末及び前記車載装置の少なくとも一方は、
前記車両内に前記携帯端末が存在し、前記携帯端末に着信があった場合に、前記携帯端末が有する第1出力装置及び前記車載装置が有する第2出力装置の少なくとも一方から、前記携帯端末が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する
車内着信音低減方法。
【請求項2】
前記サーバは、
前記車両の位置情報及び前記携帯端末の位置情報を取得し、
取得した前記車両の位置情報及び前記携帯端末の位置情報に基づいて、前記車両内に前記携帯端末が存在するか否かを判定する
請求項1に記載の車内着信音低減方法。
【請求項3】
前記サーバは、
前記車両内に前記携帯端末が存在すると判定した場合に、前記車両内に前記携帯端末が存在すること示す情報を前記携帯端末に送信する
請求項2に記載の車内着信音低減方法。
【請求項4】
前記車載装置は、
前記車両に搭載された撮像装置が撮像した前記車両内の画像を取得し、
前記画像から前記携帯端末を検出し、
前記画像から前記携帯端末を検出した場合に、前記車両内に前記携帯端末が存在すると判定する
請求項1に記載の車内着信音低減方法。
【請求項5】
前記車載装置は、
前記車両内に前記携帯端末が存在すると判定した場合に、前記車両内に前記携帯端末が存在すること示す情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記車両内に前記携帯端末が存在することを示す情報を前記携帯端末に送信する
請求項4に記載の車内着信音低減方法。
【請求項6】
前記携帯端末は、
前記車両内に前記携帯端末が存在すること示す情報を受信し、前記携帯端末に着信があった場合に、前記第1出力装置から前記通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する
請求項3又は5に記載の車内着信音低減方法。
【請求項7】
前記携帯端末は、
前記車両内に前記携帯端末が存在すること示す情報を受信し、前記携帯端末に着信があった場合に、即時に着信中であることを示す着信情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記携帯端末から受信した前記着信情報を即時に前記車載装置に送信し、
前記車載装置は、
前記サーバから受信した前記着信情報に基づいて、前記携帯端末が着信中に、前記第2出力装置から前記通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する
請求項3または5に記載の車内着信音低減方法。
【請求項8】
前記サーバは、
前記車両内に前記携帯端末が存在すると判定した場合に、前記車載装置が有するマイクをオンにすることを指示する指示信号を前記車載装置に送信し、
前記車載装置は、
前記マイクを用いて、前記携帯端末に着信があった場合に前記携帯端末が発する前記通知バイブレーション音を取得し、
前記マイクを用いて取得した前記通知バイブレーション音に基づいて、前記第2出力装置から前記通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する
請求項3又は5に記載の車内着信音低減方法。
【請求項9】
前記車載装置は、
前記車両内に前記携帯端末が存在する場合に、前記車両の状態が所定の条件を満たすか否かを判定し、
前記車両の状態が前記所定の条件を満たすと判定した場合に、前記車両が前記所定の条件を満たすことを示す情報を、前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記車両が前記所定の条件を満たすことを示す情報を、前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、
前記車両が前記所定の条件を満たすことを示す情報を受信した場合に、着信があったことをユーザに通知する
請求項1に記載の車内着信音低減方法。
【請求項10】
前記所定の条件とは、前記車両のドアの開放を検知したか、前記車両が目的地に到着したと判定されたか、前記車両のイグニッションスイッチ又はパワースイッチがオフになったことを検出したか、前記車両のパーキングブレーキの作動が検出されたかのを少なくとも一つ含む
請求項9に記載の車内着信音低減方法。
【請求項11】
前記通知は、前記携帯端末が着信を受信した着信時刻、前記携帯端末が着信を受信した通信回線の種別、前記着信の発信元、前記着信の長さの少なくとも一つを含む
請求項9又は10に記載の車内着信音低減方法。
【請求項12】
車両に搭載された車載装置、携帯端末、及びサーバを含む車内着信音低減システムであって、
前記サーバ及び前記車載装置の少なくとも一方は、
前記車両内に前記携帯端末が存在するか否かを判定し、
前記携帯端末及び前記車載装置の少なくとも一方は、
前記車両内に前記携帯端末が存在し、前記携帯端末に着信があった場合に、前記携帯端末が有する第1出力装置及び前記車載装置が有する第2出力装置の少なくとも一方から、前記携帯端末が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する
車内着信音低減システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内着信音低減方法及び車内着信音低減システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両内に位置する携帯端末に着信があった場合に、携帯端末の着信通知を選択的に制限する車内着信制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車内着信制御装置は、車両内に位置する携帯端末と通信可能に接続されていることを前提としており、車内着信制御装置と接続されていない携帯端末の着信通知を制限することはできない。このため、運転中に車内着信制御装置と接続されていない携帯端末に着信があり、携帯端末から通知バイブレーション音が発せられた場合には、ドライバーが通知バイブレーション音に気を取られて運転に集中できず、わき見運転やながら運転を助長する危険性がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、車両内に存在する携帯端末が車載装置と接続されていない場合であっても、着信時の通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる車内着信音低減方法及び車内着信音低減システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車内着信音低減方法及び車内着信音低減システムは、車両内に携帯端末が存在するか否かを判定し、車両内に携帯端末が存在し、携帯端末に着信があった場合に、携帯端末が有する第1出力装置及び車両が有する第2出力装置の少なくとも一方から、携帯端末が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両内に存在する携帯端末が車載装置と接続されていない場合であっても、着信時の通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減システムにおいて車内着信音が低減される際の車載装置、携帯端末及びサーバの動作の対応を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2実施形態に係る車内着信音低減システムにおいて車内着信音が低減される際の車載装置、携帯端末及びサーバの動作の対応を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の第3実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の第3実施形態に係る車内着信音低減システムにおいて車内着信音が低減される際の車載装置、携帯端末及びサーバの動作の対応を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、車載装置、携帯端末、及びサーバを含む車内着信音低減システムに係る車内着信音低減方法であって、サーバ及び車載装置の少なくとも一方は、車両内に携帯端末が存在するか否かを判定し、携帯端末及び車載装置の少なくとも一方は、車両内に携帯端末が存在し、携帯端末に着信があった場合に、携帯端末が有する第1出力装置及び車載装置が有する第2出力装置の少なくとも一方から、携帯端末が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【0010】
これにより、車両内に存在する携帯端末が車載装置と接続されていない場合であっても、携帯端末が着信時に発する通知バイブレーション音に逆位相の音を重畳することができ、携帯端末が発する通知バイブレーション音を打消すことができる。したがって、車両内に存在する携帯端末が車載装置と接続されていない場合であっても、通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる。
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を適用した各実施形態について説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
[車内着信音低減システム101の構成]
以下、本発明を適用した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1を参照して、本発明を適用した第1実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システム101の構成を説明する。
図1に示すように、車内着信音低減システム101は、車載装置10と、携帯端末20と、サーバ30とを備える。車載装置10と携帯端末20の各々とサーバ30とは、ネットワークを介して通信可能に構成されている。
【0013】
[車両の構成]
まず、車載装置10の構成について説明する。車載装置10は、車両に搭載され、GPS(Global Positioning System)受信機11と、制御部12と、通信部13と、記憶部14と、ドアセンサ15とを備える。
【0014】
GPS受信機11は、人工衛星からの電波を受信することにより、地上における車両の位置情報(緯度及び経度情報を含む)を検出する。GPS受信機11は、所定の周期で車両の位置情報(以下、車両位置情報と言う)を検出する。GPS受信機11は制御部12に接続され、検出した車両位置情報を制御部12に出力する。
【0015】
ただし、車両の位置情報を検出する方法は、GPS受信機11に限定されない。車両の位置情報は、例えば、複数の携帯電話基地局からの電波の受信状況に基づいて推定されてもよい。車両の位置情報は、例えば、オドメトリを用いて位置を推定されてもよい。この場合、車載装置10は、図示しない舵角センサ、車輪速センサ、ジャイロセンサをさらに備える。
【0016】
ドアセンサ15は、車両が備えるドアの開閉状態を検出するセンサであり、車両の各ドアの適当な箇所に設置されている。ドアセンサ15は、例えば、車両の運転席側のフロントドアに設置される。ドアセンサ15は、制御部12に接続され、ドアの開閉状態を示す情報を制御部12に出力する。
【0017】
通信部13は、ネットワークを介してサーバ30との間で通信を行う。通信部13は、サーバ30から所定のデータを受信したり、サーバ30に所定のデータを送信したりする。例えば、通信部13は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-fi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0018】
記憶部14は、レジスタ、キャッシュメモリや、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ等の一時的でない有形の記憶媒体(non-transitory tangible storage media)を含んでよい。
【0019】
制御部12は、GPS受信機11、通信部13、記憶部14、ドアセンサ15と接続される。制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、及び入出力部を備えた汎用のコンピュータである。制御部12には、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。制御部12は、コンピュータプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0020】
制御部12は、GPS受信機11から入力された車両位置情報を、記憶部14に記憶する。制御部12は、車両位置情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。また、制御部12は、例えば、記憶部14に所定時間記憶した車両位置情報の平均値を算出し、算出した車両位置情報の平均値を、車両位置情報として通信部13を介してサーバ30に送信してもよい。
【0021】
また、制御部12は、車両内に携帯端末20が存在する場合に、車両が所定の条件を満たすか否かを判定する。制御部12は、例えば、ドアセンサ15から入力された車両のドアの開閉状態を示す情報に基づいて、車両が停止したか否かを判定する。この場合、制御部12は、車両のドアの開放を検出した場合に、車両が所定の条件を満たすと判定してもよい。また。制御部12は、例えば、車両のナビゲーション装置が、車両が目的地に到着したと判定した場合、車両のイグニッションスイッチ又はパワースイッチがオフになったことを検出した場合、又は、車両のパーキングブレーキの作動が検出された場合に、車両が所定の条件を満たすと判定するように構成されてもよい。
【0022】
制御部12は、車両が所定の条件を満たすと判定した場合に、車両が所定の条件を満たすことを示す情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。制御部12は、例えば、車両が停止したと判定した場合には、車両が停止したことを示す車両停止情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。
【0023】
[携帯端末の構成]
次に、携帯端末20の構成について説明する。携帯端末20は、GPS受信機21、制御部22、端末情報通信部23、端末通話通信部24、スピーカ(第1出力装置)25、記憶部26、操作表示部27を備える。
【0024】
GPS受信機21は、人工衛星からの電波を受信することにより、地上における携帯端末20の位置情報(緯度及び経度情報を含む)を検出する。GPS受信機21は、所定の周期で携帯端末20の位置情報(以下、端末位置情報と言う)を検出する。GPS受信機21は制御部22に接続され、検出した端末位置情報を制御部22に出力する。
【0025】
端末情報通信部23は、ネットワークを介してサーバ30との間で通信を行う。端末情報通信部23は、サーバ30から所定のデータを受信したり、サーバ30に所定のデータを送信したりする。端末情報通信部23は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-fi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0026】
端末通話通信部24は、通信回線を介して着信を受信する。端末通話通信部24は、例えば、電話回線を介して基地局40と通信して、着信を受信する。なお、端末通話通信部24は、ネットワークを介して着信を受信してもよい。
【0027】
操作表示部27は、ユーザの操作に必要な情報を表示し、ユーザから入力操作を受け付ける。例えば、操作表示部27は、操作表示部27上に表示される情報に従って入力操作を行うことができるタッチパネルを用いることができる。なお、操作表示部27は、ユーザから入力操作を受け付ける操作部とユーザの操作に必要な情報を表示する表示部が別体となるように構成されてもよい。
【0028】
制御部22は、GPS受信機21、端末情報通信部23、端末通話通信部24、スピーカ25、記憶部26、操作表示部27と接続される。制御部22は、例えば、CPU、メモリ、及び入出力部を備えた汎用のコンピュータである。制御部22には、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。制御部22は、コンピュータプログラムを実行することにより、携帯端末20が備える各種の機能を実現する。
【0029】
制御部22は、端末通話通信部24を介して着信を受信した場合に、着信番号または着信番号に対応づけて記憶部26に記憶されている名前を操作表示部27に表示することにより、ユーザに着信を通知する。
【0030】
また、制御部22は、携帯端末20の着信音の設定がオンの状態で携帯端末20に着信があった場合には、スピーカ25から着信音を発することにより着信を通知し、携帯端末20の通知バイブレーション設定がオンの状態で携帯端末20に着信があった場合には、バイブレーション機能により着信を通知する。
【0031】
携帯端末20に着信があった場合に、ユーザが操作表示部27を操作して通話を許可すると、制御部22は、マイク(図示せず)が収音した音声、及び、電話を掛けてきた相手の音声からなる音声データを、通信回線を介して送受信することにより、携帯端末20を通話可能な状態とする。
【0032】
さらに、本発明の第1実施形態に係る携帯端末20の制御部22は、GPS受信機21から入力された端末位置情報を、記憶部26に記憶する。制御部22は、端末位置情報を、端末情報通信部23を介してサーバ30に送信する。また、制御部22は、例えば、記憶部26に所定時間記憶した端末位置情報の平均値を算出し、算出した端末位置情報の平均値を、端末情報通信部23を介してサーバ30に送信してもよい。
【0033】
さらに、制御部22は、端末情報通信部23を介して、サーバ30から、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信する。制御部22は、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信し、携帯端末20に着信があった場合に、スピーカ25から携帯端末20が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。制御部22は、携帯端末20の通知バイブレーション設定がオンの状態で、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信し、携帯端末20に着信があった場合に、スピーカ25から携帯端末20が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力してもよい。
【0034】
ここで、携帯端末20が発する通知バイブレーション音とは、携帯端末20に設定されているバイブレーション機能により、着信時に携帯端末20が有する振動アクチュエータが振動するときの振動音を意味する。なお、通知バイブレーション音の逆位相の音の音データは、設定されているバイブレーション機能のパターンに応じて予め記憶部26に記憶されている。制御部22は、携帯端末20に設定されているバイブレーション機能のパターンに対応する逆位相の音の音データを記憶部26より取得して、スピーカ25から出力する。
【0035】
さらに、制御部22は、端末情報通信部23を介して、サーバ30から車両が所定の条件を満たすことを示す情報を受信する。制御部22は、例えば、サーバ30から車両が停止したことを示す車両停止情報を受信する。制御部22は、車両が所定の条件を満たすことを示す情報を受信した場合に、着信があったことをユーザに通知する。制御部22は、例えば、携帯端末20が着信を受信した着信時刻、着信を受信した通信回線の種別、着信の発信元、着信の長さの少なくとも一つを含む通知を操作表示部27に表示することにより、着信があったことをユーザに通知してもよい。
【0036】
[サーバの構成]
次に、サーバ30の構成について説明する。サーバ30は、通信部31と、制御部32とを備える。
【0037】
通信部31は、ネットワークを介して車載装置10及び携帯端末20との間で通信を行う。通信部31は、車載装置10及び携帯端末20から所定のデータを受信したり、車載装置10及び携帯端末20に所定のデータを送信したりする。例えば、通信部31は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-fi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0038】
制御部32は、通信部31と接続される。制御部32は、例えば、CPU、メモリ、及び入出力部を備えた汎用のコンピュータである。制御部32には、所定のコンピュータプログラムがインストールされている。制御部32は、コンピュータプログラムを実行することにより、制御部32が備える複数の情報処理回路として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって制御部32が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0039】
制御部32は、複数の情報処理回路として、情報取得部321と、位置判定部322と、情報送信部323とを備える。
【0040】
情報取得部321は、通信部31を介して、車載装置10から、車両位置情報を取得する。また、情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20から、端末位置情報を取得する。
【0041】
さらに、情報取得部321は、通信部31を介して、車載装置10から車両が所定の条件を満たすことを示す情報を取得する。情報取得部321は、例えば、車載装置10から車両停止情報を取得する。
【0042】
位置判定部322は、情報取得部321が取得した車両位置情報及び端末位置情報に基づいて、車両内に携帯端末20が存在するか否かを判定する位置判定処理を行う。位置判定部322は、例えば、取得した車両位置情報及び端末位置情報が一致する場合、又は、車両位置情報及び端末位置情報の差が所定範囲内である場合に、車両内に携帯端末20が存在すると判定する。
【0043】
情報送信部323は、通信部31を介して、携帯端末20に位置判定結果を送信する。情報送信部323は、位置判定部322が車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合に、位置判定結果として、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を携帯端末20に送信する。また、情報送信部323は、位置判定部322が車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合に、位置判定結果として、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を車載装置10に送信してもよい。
【0044】
さらに、情報送信部323は、車両が所定の条件を満たすことを示す情報を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。情報送信部323は、例えば、車両停止情報を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。
【0045】
[車内着信音低減システム101の動作]
次に、
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減システム101において車内着信音が低減される際の車載装置10、携帯端末20及びサーバ30の動作の対応について説明する。
【0046】
まずステップS101において、携帯端末20の制御部22は、携帯端末20のGPS受信機21により検出した端末位置情報を、端末情報通信部23を介してサーバ30に送信する。また、ステップS102において、車載装置10の制御部12は、車載装置10のGPS受信機11により検出した車両位置情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。
【0047】
ステップS103に進み、サーバ30の情報取得部321は、通信部31を介して、車載装置10から、車両位置情報を取得する。また、情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20から、端末位置情報を取得する。位置判定部322は、取得した車両位置情報及び端末位置情報に基づいて、車両内に携帯端末20が存在するか否かを判定する位置判定処理を行う。位置判定部322が、車両内に携帯端末20が存在しないと判定した場合(ステップS104でNO)には、
図2の動作は終了する。一方、位置判定部322が、車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合(ステップS104でYES)には、ステップS105に進む。
【0048】
ステップS105において、サーバ30の情報送信部323は、通信部31を介して、携帯端末20に位置判定結果を送信する。情報送信部323は、位置判定結果として、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を携帯端末20に送信する。
【0049】
ステップS106において、携帯端末20の通知バイブレーション設定がオフの場合(ステップS106でNO)には、
図2の動作は終了する。一方、携帯端末20の通知バイブレーション設定がオンの場合(ステップS106でYES)には、ステップS107に進む。
【0050】
ステップS107において、携帯端末20の制御部22は、携帯端末20に着信があった場合に、スピーカ25から、携帯端末20が発する通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。制御部22は、例えば、携帯端末20が発する通知バイブレーション音の逆位相の音の音データを記憶部26より取得して、スピーカ25から出力する。
【0051】
また、ステップS108において、車載装置10の制御部12は、車両が停止したか否かを判定する。制御部12は、例えば、ドアセンサ15から入力された車両のドアの開閉状態を示す情報に基づいて、車両が停止したか否かを判定する。この場合、制御部12は、車両のドアの開放を検出した場合に、車両が停止したと判定する。
【0052】
ステップS108において、制御部12が、車両が停止していないと判定した場合(ステップS108でNO)には、動作はステップS108に戻る。一方、制御部12が、車両が停止したと判定した場合(ステップS108でYES)には、ステップS109に進む。
【0053】
ステップS109において、制御部12は、車両が停止したことを示す車両停止情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。
【0054】
ステップS110に進み、サーバ30の情報取得部321は、通信部31を介して、車載装置10から車両停止情報を取得する。情報送信部323は、取得した車両停止情報を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。
【0055】
ステップS111に進み、携帯端末20の制御部22は、着信があったことをユーザに通知する。制御部22は、例えば、携帯端末20が着信を受信した着信時刻、着信を受信した通信回線の種別、着信の発信元、着信の長さの少なくとも一つを含む通知を操作表示部27に表示する。その後、車内着信音低減システム101は、
図2の動作を終了する。
【0056】
[第1実施形態の作用効果]
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減方法において、サーバ30は、車両の位置情報及び携帯端末の位置情報を取得し、取得した車両の位置情報及び携帯端末20の位置情報に基づいて、車両内に携帯端末が存在するか否かを判定する。
【0057】
これにより、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減方法は、携帯端末20が車載装置10と接続されていない場合であっても、車両内に携帯端末20が存在することを判定できる。
【0058】
また、サーバ30は、車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合に、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を携帯端末20に送信する。
【0059】
携帯端末20は、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を受信し、携帯端末20に着信があった場合に、携帯端末20が有するスピーカ(第1出力装置)25から、通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【0060】
これにより、本発明の第1実施形態に係る車内着信音低減方法は、携帯端末20が着信時に発する通知バイブレーション音に、携帯端末20のスピーカ25から出力される逆位相の音を重畳することができ、携帯端末20が発する通知バイブレーション音を打消すことができる。車内着信音低減方法は、車両内に存在する携帯端末20が車載装置10と接続されていない場合であっても、通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる。
【0061】
また、車載装置10は、車両内に携帯端末20が存在する場合に、車両の状態が所定の条件を満たすか否かを判定し、車両の状態が所定の条件を満たすと判定した場合に、車両が所定の条件を満たすことを示す情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、車両が所定の条件を満たすことを示す情報を、携帯端末20に送信し、携帯端末20は、車両が所定の条件を満たすことを示す情報を受信した場合に、着信があったことをユーザに通知する。
【0062】
これにより、車両内に存在する携帯端末20に着信があった場合に、通知バイブレーション音の逆位相の音を出力させて車両内で携帯端末20が発する通知バイブレーション音を打消した後、所定のタイミングで、着信があったことを携帯端末20のユーザに通知できる。ユーザが、携帯端末20に着信があったことを所定のタイミングで確認できる。
【0063】
ここで、所定の条件とは、車両のドアの開放を検知したか、車両が目的地に到着したと判定されたか、車両のイグニッションスイッチ又はパワースイッチがオフになったことを検出したか、車両のパーキングブレーキの作動が検出されたかのを少なくとも一つ含んでもよい。
【0064】
これにより、車両内に存在する携帯端末20に着信があった場合に、通知バイブレーション音の逆位相の音を出力させて車両内で携帯端末20が発する通知バイブレーション音を打消した後、車両が停止したタイミングで、着信があったことをユーザに通知できる。ユーザが、携帯端末20に着信があったことを車両が停止したタイミング以降に確認できる。
【0065】
また、通知は、携帯端末20が着信を受信した着信時刻、携帯端末20が着信を受信した通信回線の種別、着信の発信元、着信の長さの少なくとも一つを含んでもよい。これにより、ユーザが、着信に関する情報を確認できる。
【0066】
(第2実施形態)
以下、本発明を適用した第2実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0067】
図3に示すように、第2実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システム102の構成は、第1実施形態の車内着信音低減システム101に対して、車載装置10がスピーカ16(第2出力装置)を更に備える点が異なる。なお、スピーカ16は、車両内に設置されればよく、スピーカ16が設置される位置及び数は特に限定されない。また、また、第1実施形態の車内着信音低減システム101に対して、第2実施形態の車内着信音低減システム102の車載装置10の制御部12、携帯端末20の制御部22、サーバ30の制御部32の動作が異なる。
【0068】
第2実施形態において、携帯端末20の制御部22は、端末情報通信部23を介して、サーバ30から、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信する。制御部22は、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信し、携帯端末20に着信があった場合に、端末情報通信部23を介して即時に着信中であることを示す着信情報をサーバ30に送信する。すなわち、制御部22は、携帯端末20に着信があった場合に、リアルタイムで着信情報をサーバ30に送信する。なお、着信情報には、携帯端末20が着信中であることを示す情報に加えて、携帯端末20が発する通知バイブレーション音に関する情報が含まれる。例えば、着信情報には、携帯端末20に設定されているバイブレーション機能のパターンに関する情報が含まれる。
【0069】
第2実施形態において、サーバ30の制御部32の情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20から着信情報を受信する。情報送信部323は、受信した着信情報を、通信部31を介して即時に車載装置10に送信する。すなわち、情報送信部323は、携帯端末20に着信があった場合に、リアルタイムで着信情報を車載装置10に送信する。
【0070】
第2実施形態において、車載装置10の制御部12は、通信部13を介して、サーバ30から着信情報を受信する。制御部12は、サーバ30から受信した着信情報に基づいて、携帯端末20が着信中に、スピーカ16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。なお、通知バイブレーション音の逆位相の音の音データは、バイブレーション機能のパターンに応じて予め記憶部14に記憶されている。制御部12は、携帯端末20が設定するバイブレーション機能のパターンに対応する逆位相の音の音データを記憶部14より取得して、スピーカ16から出力する。なお、制御部12は、バイブレーション機能のパターンに対応する逆位相の音の音データを、ネットワークを介して取得してもよい。
【0071】
図4を参照して、車内着信音低減システム102において車内着信音が低減される際の車載装置10、携帯端末20及びサーバ30の動作の対応について説明する。
図4のステップS201~S206及びステップS210~S213は、
図2のステップS101~S106及びステップS108~111と同じ動作であるであるため、説明を省略する。
【0072】
ステップS207において、携帯端末20の制御部22は、携帯端末20に着信があった場合に、端末情報通信部23を介して即時に着信中であることを示す着信情報をサーバ30に送信する。すなわち、制御部22は、携帯端末20に着信があった場合に、リアルタイムで着信情報をサーバ30に送信する。なお、着信情報には、携帯端末20が着信中であることを示す情報に加えて、携帯端末20に設定されているバイブレーション機能の通知バイブレーション音に関する情報が含まれてもよい。
【0073】
ステップS208に進み、サーバ30の制御部32の情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20から着信情報を受信する。情報送信部323は、受信した着信情報を、通信部31を介して即時に車載装置10に送信する。
【0074】
ステップS209に進み、車載装置10の制御部12は、通信部13を介して、サーバ30から着信情報を受信する。制御部12は、サーバ30から受信した着信情報に基づいて、携帯端末20が着信中に、スピーカ16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。その後ステップS210~S213の動作を実施した後に、第2実施形態に係る車内着信音低減システム102は
図4の動作を終了する。
【0075】
[第2実施形態の作用効果]
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る車内着信音低減方法において、携帯端末20は、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を受信し、携帯端末20に着信があった場合に、即時に着信中であることを示す着信情報をサーバ30に送信する。また、サーバ30は、携帯端末20から受信した着信情報を即時に車載装置10に送信する。車載装置10は、サーバ30から受信した着信情報に基づいて、携帯端末20が着信中に、スピーカ(第2出力装置)16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【0076】
これにより、本発明の第2実施形態に係る車内着信音低減方法は、携帯端末20が着信時に発する通知バイブレーション音に、車両に搭載されたスピーカ16から出力される逆位相の音を重畳することができ、携帯端末20が発する通知バイブレーション音を打消すことができる。車内着信音低減方法は、車両内に存在する携帯端末20が車載装置10と接続されていない場合であっても、通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる。
【0077】
(第3実施形態)
以下、本発明を適用した第3実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0078】
図5に示すように、第3実施形態に係る車内着信音低減方法を実現する車内着信音低減システム103の構成は、第2実施形態の車内着信音低減システム102に対して、車載装置10がマイク17を更に備える点が異なる。なお、マイク17は、車両内に設置されればよく、マイク17が設置される位置及び数は特に限定されない。また、第2実施形態の車内着信音低減システム102に対して、第3実施形態の車内着信音低減システム103の車載装置10の制御部12、携帯端末20の制御部22、サーバ30の制御部32の動作が異なる。
【0079】
第3実施形態において、携帯端末20の制御部22は、端末情報通信部23を介して、サーバ30から、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信する。制御部22は、車両内に携帯端末20が存在することを示す情報を受信し、携帯端末20のバイブレーション機能がオンの場合に、端末情報通信部23を介して、バイブレーション機能がオンであることを示す情報をサーバ30に送信する。
【0080】
第3実施形態において、サーバ30の制御部32の情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20からバイブレーション機能がオンであることを示す情報を受信する。情報送信部323は、携帯端末20からバイブレーション機能がオンであることを示す情報を受信した場合に、車載装置10が有するマイク17をオンにすることを指示する指示信号を、通信部31を介して車載装置10に送信する。
【0081】
第3実施形態において、車載装置10の制御部12は、通信部13を介して、サーバ30から指示信号を受信する。制御部12は、指示信号を受信した場合に、マイク17を用いて、携帯端末20に着信があった場合に携帯端末20が発する通知バイブレーション音を取得し、マイク17を用いて取得した通知バイブレーション音に基づいて、スピーカ16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。具体的には、制御部12は、取得した通知バイブレーション音の音データを解析し、携帯端末20に設定されているバイブレーション機能のパターンを特定する。制御部12は、特定した通知バイブレーション機能のパターンに対応する逆位相の音の音データを記憶部14より取得して、スピーカ16から出力する。なお、制御部12は、バイブレーション機能のパターンに対応する逆位相の音の音データを、ネットワークを介して取得してもよい。
【0082】
図6を参照して、車内着信音低減システム103において車内着信音が低減される際の車載装置10、携帯端末20及びサーバ30の動作の対応について説明する。
図6のステップS301~S306及びステップS311~S314は、
図4のステップS201~S206及びステップS210~213と同じ動作であるであるため、説明を省略する。
【0083】
ステップS307において、携帯端末20の制御部22は、端末情報通信部23を介して、バイブレーション機能がオンであることを示す情報をサーバ30に送信する。
【0084】
ステップS208に進み、サーバ30の制御部32の情報取得部321は、通信部31を介して、携帯端末20からバイブレーション機能がオンであることを示す情報を受信する。情報送信部323は、車載装置10が有するマイク17をオンにすることを指示する指示信号を、通信部31を介して車載装置10に送信する。
【0085】
ステップS209に進み、車載装置10の制御部12は、通信部13を介して、サーバ30から指示信号を受信する。制御部12は、マイク17を用いて、携帯端末20に着信があった場合に携帯端末20が発する通知バイブレーション音を取得する。
【0086】
ステップS310に進み、車載装置10の制御部12は、マイク17を用いて取得した通知バイブレーション音に基づいて、スピーカ16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。その後ステップS311~S314の動作を実施した後に、第2実施形態に係る車内着信音低減システム102は
図6の動作を終了する。
【0087】
[第3実施形態の作用効果]
以上説明したように、本発明の第3実施形態に係る車内着信音低減方法において、サーバ30は、車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合に、車載装置10が有するマイク17をオンにすることを指示する指示信号を車載装置10に送信する。車載装置10は、マイク17を用いて、携帯端末20に着信があった場合に携帯端末20が発する通知バイブレーション音を取得する。車載装置10は、マイク17を用いて取得した通知バイブレーション音に基づいて、スピーカ16から通知バイブレーション音の逆位相の音を出力する。
【0088】
これにより、本発明の第3実施形態に係る車内着信音低減方法は、車両に搭載されたマイク17を用いて取得した通知バイブレーション音に基づいて。携帯端末20が着信時に発する通知バイブレーション音に、スピーカ16から出力される逆位相の音を重畳することができ、携帯端末20が発する通知バイブレーション音を打消すことができる。車内着信音低減方法は、車両内に存在する携帯端末20が車載装置10と接続されていない場合であっても、通知バイブレーション音によるドライバーのわき見運転やながら運転を低減することができる。
【0089】
(変形例)
以下、本発明を適用した第1~第3実施形態の変形例について説明する。第1~第3実施形態においては、サーバ30が、車両位置情報及び端末位置情報を取得し、取得した車両位置情報及び端末位置情報に基づいて、車両内に携帯端末20が存在するか否かを判定する。これに対し、変形例においては、車載装置10は、車両に搭載され車両内を撮像可能なカメラをさらに有し、車載装置10の制御部12は、カメラが撮像した車両内の画像を取得し、取得した画像から画像解析により携帯端末20を検出してもよい。この場合、制御部12は、車両内の画像から携帯端末20を検出した場合に、車両内に携帯端末20が存在すると判定してもよい。なお、画像から画像解析により携帯端末20を検出する方法については、既知の技術であるため、説明を省略する。
【0090】
この場合、車載装置10の制御部12は、車両内に携帯端末20が存在すると判定した場合に、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を、通信部13を介してサーバ30に送信する。サーバ30は、通信部31を介して、車両内に携帯端末20が存在すること示す情報を車載装置10から受信する。サーバ30は、車両内に前記携帯端末が存在することを示す情報を、通信部31を介して携帯端末20に送信する。
【0091】
第1~第3実施形態の変形例によれば、車両内に搭載されたカメラが撮像した車両内の画像から携帯端末20を検出することにより、携帯端末20が車載装置10と接続されていない場合であっても、車両内に携帯端末20が存在するか否かを判定できる。
【0092】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0093】
10 車載装置
16 スピーカ(第2出力装置)
20 携帯端末
25 スピーカ(第1出力装置)
30 サーバ
101~103 車内着信音低減システム