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特開2024-136856通信システム、制御装置、基地局、端末装置およびコンピュータに実行させるためのプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136856
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信システム、制御装置、基地局、端末装置およびコンピュータに実行させるためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20240927BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240927BHJP
   H04W 72/542 20230101ALI20240927BHJP
   H04W 76/11 20180101ALI20240927BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W16/28
H04W72/542
H04W76/11
H04B7/08 800
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048144
(22)【出願日】2023-03-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度 支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「テラヘルツ波による超大容量無線LAN伝送技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 和伸
(72)【発明者】
【氏名】栗原 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】矢野 一人
(72)【発明者】
【氏名】坂野 寿和
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD34
5K067DD42
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムを提供する。
【解決手段】m個の基地局およびn個の端末装置は、m<nのとき、連携して、走査スケジュールに基づいて1個の基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行し、m≧nのとき、連携して、走査スケジュールに基づいて1個の端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行うm(mは、2以上の整数)個の基地局と、
前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置と、
前記m個の基地局とバックホール回線によって接続された制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記m個の基地局および前記n個の端末装置を連携させてビームを走査するための走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信し、
前記m個の基地局は、前記制御装置から受信した前記走査スケジュールを前記n個の端末装置へ送信し、
前記mが前記nよりも小さいとき、
前記m個の基地局および前記n個の端末装置は、連携して、前記走査スケジュールに基づいて前記m個の基地局のうちの1個の基地局から1個の前記ビームを用いて送信されたフレームを、前記n個の端末装置が同期して前記ビームを走査しながら受信する第1の受信処理を前記1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理を前記m個の基地局の全てについて実行し、
前記mが前記n以上であるとき、
前記m個の基地局および前記n個の端末装置は、連携して、前記走査スケジュールに基づいて前記n個の端末装置のうちの1個の端末装置から1個の前記ビームを用いて送信されたフレームを、前記m個の基地局が同期して前記ビームを走査しながら受信する第2の受信処理を前記1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理を前記n個の端末装置の全てについて実行する、通信システム。
【請求項2】
前記mが前記nよりも小さいとき、前記第1の受信処理において、前記m個の基地局のうちの前記1個の基地局以外の基地局は、前記走査スケジュールに基づいてスリープ状態を維持する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記mが前記nよりも小さいとき、前記第1の受信処理において、前記フレームは、宛先の識別情報、送信元の識別情報、送信元の前記ビームの番号を含む、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記mが前記nよりも小さいとき、前記第1の受信処理において、前記フレームを受信した前記n個の端末装置の各々は、前記フレームを受信したときの受信信号強度を検出するとともに前記フレームから前記送信元のビームの番号を検出し、その検出した前記送信元のビームの番号と前記受信信号強度とを対応付けて測定結果を作成し、その作成した測定結果を自己が接続された基地局へ送信し、
前記n個の端末装置にそれぞれ接続されたn個の基地局は、それぞれn個の測定結果を前記制御装置へ送信する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記mが前記nよりも小さいとき、
前記制御装置は、前記n個の基地局から受信した前記n個の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続判定を実行する、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記n個の測定結果に基づいて、前記基地局と前記端末装置との組み合わせにおいて最も大きい受信信号強度を有する前記ビームの番号を特定し、その特定した番号を有する前記フレームを受信したときの受信信号強度がしきい値以上であるとき、しきい値以上の受信信号強度を有する前記ビームを接続可能であると判定する、請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記mが前記n以上であるとき、前記第2の受信処理において、前記n個の端末装置のうちの前記1個の端末装置以外の端末装置は、前記走査スケジュールに基づいてスリープ状態を維持する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記mが前記n以上であるとき、前記第2の受信処理において、前記フレームは、送信元の識別情報、送信元の前記ビームの番号を含む、請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記mが前記n以上であるとき、前記第2の受信処理において、前記フレームを受信した前記m個の基地局の各々は、前記フレームを受信したときの受信信号強度を検出するとともに前記フレームから前記送信元のビームの番号を検出し、その検出した前記送信元のビームの番号と前記受信信号強度とを対応付けて測定結果を作成し、その作成した測定結果を前記制御装置へ送信する、請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記mが前記n以上であるとき、前記制御装置は、前記m個の基地局からそれぞれ受信した前記m個の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続判定を実行する、請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記m個の測定結果に基づいて、前記基地局と前記端末装置との組み合わせにおいて最も大きい受信信号強度を有する前記ビームの番号を特定し、その特定した番号を有する前記フレームを受信したときの受信信号強度がしきい値以上であるとき、しきい値以上の受信信号強度を有する前記ビームを接続可能であると判定する、請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記フレームは、ミリ波帯における前記ビームまたはテラヘルツ帯における前記ビームを用いて送信される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムにおいて用いられる制御装置であって、
m(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成する作成手段と、
バックホール回線によって前記m個の基地局に接続され、前記バックホール回線を用いて前記走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信する通信手段とを備え、
前記mが前記nよりも小さいとき、
前記作成手段は、前記m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、前記n個の端末装置が同期して前記ビームを走査しながら受信する第1の受信処理を前記1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理を前記m個の基地局の全てについて実行するための第1の走査スケジュールを作成し、
前記mが前記n以上であるとき、
前記作成手段は、前記n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、前記m個の基地局が同期して前記ビームを走査しながら受信する第2の受信処理を前記1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理を前記n個の端末装置の全てについて実行するための第2の走査スケジュールを作成し、
前記通信手段は、前記作成手段が前記第1の走査スケジュールを作成したとき、前記バックホール回線を用いて前記第1の走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信し、前記作成手段が前記第2の走査スケジュールを作成したとき、前記バックホール回線を用いて前記第2の走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信する、制御装置。
【請求項14】
前記mが前記nよりも小さいとき、前記m個の基地局および前記n個の端末装置が前記第1の走査スケジュールに基づいて前記ビームを走査したときに前記n個の端末装置において測定された第1の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続可否を判定し、前記mが前記n以上であるとき、前記m個の基地局および前記n個の端末装置が前記第1の走査スケジュールに基づいて前記ビームを走査したときに前記m個の基地局において測定された第2の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続可否を判定する判定手段を更に備える、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記第1の測定結果は、前記m個の基地局の各々がx(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いてフレームを送信したときに、前記n個の端末装置の各々がビームをy(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyに走査して前記x個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度と前記x個のビーム1~ビームxの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含み、
前記第2の測定結果は、前記n個の端末装置の各々が前記y個のビーム1~ビームyを用いてフレームを送信したときに、前記m個の基地局の各々がビームを前記x個のビーム1~ビームxに走査して前記y個のビーム1~ビームyの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度と前記y個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含む、請求状14に記載の制御装置。
【請求項16】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムにおいて用いられる基地局であって、
m(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する受信手段と、
前記走査スケジュールに基づいて当該基地局がビームを用いたフレームの送信元であるか前記ビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する判定手段と、
当該基地局が前記フレームの送信元であると前記判定手段によって判定されたとき、x(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いて順次フレームを送信し、当該基地局が前記フレームの送信先であると前記判定手段によって判定されたとき、前記n個の端末装置のうちの1つの端末装置から送信された1つのビームを用いて送信されたフレームを、前記x個のビーム1~ビームxに走査しながら受信することを前記n個の端末装置の全てについて実行する通信手段とを備える基地局。
【請求項17】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムにおいて用いられる端末装置であって、
m(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する受信手段と、
前記走査スケジュールに基づいて当該端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるか前記ビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する判定手段と、
当該端末装置が前記フレームの送信元であると前記判定手段によって判定されたとき、y(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyを用いて順次フレームを送信し、当該端末装置が前記フレームの送信先であると前記判定手段によって判定されたとき、前記m個の基地局のうちの1つの基地局から送信された1つのビームを用いて送信されたフレームを、前記y個のビーム1~ビームyに走査しながら受信することを前記m個の基地局の全てについて実行する通信手段とを備える端末装置。
【請求項18】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムの前記制御装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
作成手段が、m(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成する第1のステップと、
通信手段が、バックホール回線によって前記m個の基地局に接続され、前記バックホール回線を用いて前記走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信する第2のステップとをコンピュータに実行させ、
前記mが前記nよりも小さいとき、
前記作成手段は、前記第1のステップにおいて、前記m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、前記n個の端末装置が同期して前記ビームを走査しながら受信する第1の受信処理を前記1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理を前記m個の基地局の全てについて実行するための第1の走査スケジュールを作成し、
前記mが前記n以上であるとき、
前記作成手段は、前記第1のステップにおいて、前記n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、前記m個の基地局が同期して前記ビームを走査しながら受信する第2の受信処理を前記1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理を前記n個の端末装置の全てについて実行するための第2の走査スケジュールを作成し、
前記通信手段は、前記第2のステップにおいて、前記作成手段が前記第1の走査スケジュールを作成したとき、前記バックホール回線を用いて前記第1の走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信し、前記作成手段が前記第2の走査スケジュールを作成したとき、前記バックホール回線を用いて前記第2の走査スケジュールを前記m個の基地局へ送信する、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項19】
判定手段が、前記mが前記よりも小さいとき、前記m個の基地局および前記n個の端末装置が前記第1の走査スケジュールに基づいて前記ビームを走査したときに前記n個の端末装置において測定された第1の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続可否を判定し、前記mが前記n以上であるとき、前記m個の基地局および前記n個の端末装置が前記第1の走査スケジュールに基づいて前記ビームを走査したときに前記m個の基地局において測定された第2の測定結果に基づいて前記基地局と前記端末装置との接続可否を判定する第3のステップを更にコンピュータに実行させる、請求項18に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項20】
前記第1の測定結果は、前記m個の基地局の各々がx(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いてフレームを送信したときに、前記n個の端末装置の各々がビームをy(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyに走査して前記x個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度と前記x個のビーム1~ビームxの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含み、
前記第2の測定結果は、前記n個の端末装置の各々が前記y個のビーム1~ビームyを用いてフレームを送信したときに、前記m個の基地局の各々がビームを前記x個のビーム1~ビームxに走査して前記y個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度と前記y個のビーム1~ビームyの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含む、請求状19に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムの前記基地局においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信手段が、前記通信システムにおけるm(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する第1のステップと、
判定手段が、前記走査スケジュールに基づいて当該基地局がビームを用いたフレームの送信元であるか前記ビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する第2のステップと、
通信手段が、当該基地局が前記フレームの送信元であると前記判定手段によって判定されたとき、x(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いて順次フレームを送信し、当該基地局が前記フレームの送信先であると前記判定手段によって判定されたとき、前記n個の端末装置のうちの1つの端末装置の1つのビームを用いて送信されたフレームを、前記x個のビーム1~ビームxに走査しながら受信することを前記n個の端末装置の全てについて実行する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項22】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の通信システムの前記端末装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信手段が、前記通信システムにおけるm(mは、2以上の整数)個の基地局と前記m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する第1のステップと、
判定手段が、前記走査スケジュールに基づいて当該端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるか前記ビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する第2のステップと、
通信手段が、当該端末装置が前記フレームの送信元であると前記判定手段によって判定されたとき、y(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyを用いて順次フレームを送信し、当該端末装置が前記フレームの送信先であると前記判定手段によって判定されたとき、前記m個の基地局のうちの1つの基地局の1つのビームを用いて送信されたフレームを、前記y個のビーム1~ビームyに走査しながら受信することを前記m個の基地局の全てについて実行する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信システム、制御装置、基地局、端末装置およびコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局と端末局とのペアごとに、一方がビームを形成して走査しながら送信し、他方が無指向性で受信した後、選択された指向性において信号品質を測定することが行われている(特許文献1)。
【0003】
より具体的には、ミリ波基地局300は、指向性を変更しながらチャネル品質測定用のパケットを送信し、端末局400は、全指向性(無指向性)にて受信したチャネル品質測定用のパケットを用いて信号品質を推定する。次いで、端末局400は、指向性を変更しながらチャネル品質測定用のパケットを送信し、ミリ波基地局300は、全指向性にて受信したチャネル品質測定用のパケットを用いて信号品質を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6310813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、基地局と端末との双方でビームを形成して送受信しなければ通信できないほど、減衰やノイズが大きい場合(片方向のビーム形成だけでは届かない場合)に、指向性を選択することができないという問題がある。
【0006】
この問題に対処するために、双方でビームを形成して走査しながら送受信する場合、試行回数が[基地局数×基地局のビーム数×端末数×端末のビーム数]に増大し、オーバーヘッドが増大するという問題が生じる。
【0007】
そこで、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムを提供する。
【0008】
また、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムにおいて用いられる制御装置を提供する。
【0009】
更に、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムにおいて用いられる基地局を提供する。
【0010】
更に、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムにおいて用いられる端末装置を提供する。
【0011】
更に、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムの制御装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0012】
更に、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムの基地局においてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0013】
更に、この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減可能な通信システムの端末装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、通信システムは、m(mは、2以上の整数)個の基地局と、n(nは、2以上の整数)個の端末装置と、制御装置とを備える。m個の基地局は、無線通信を行う。n個の端末装置は、m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続される。制御装置は、m個の基地局とバックホール回線によって接続される。そして、制御装置は、m個の基地局およびn個の端末装置を連携させてビームを走査するための走査スケジュールをm個の基地局へ送信する。m個の基地局は、制御装置から受信した走査スケジュールをn個の端末装置へ送信する。
【0015】
mがnよりも小さいとき、
m個の基地局およびn個の端末装置は、連携して、走査スケジュールに基づいてm個の基地局のうちの1個の基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行し、
mがn以上であるとき、
m個の基地局およびn個の端末装置は、連携して、走査スケジュールに基づいてn個の端末装置のうちの1個の端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行する。
【0016】
(構成2)
構成1において、mがnよりも小さいとき、第1の受信処理において、m個の基地局のうちの1個の基地局以外の基地局は、走査スケジュールに基づいてスリープ状態を維持する。
【0017】
(構成3)
構成2において、mがnよりも小さいとき、第1の受信処理において、フレームは、宛先の識別情報、送信元の識別情報、送信元のビームの番号を含む。
【0018】
(構成4)
構成3において、mがnよりも小さいとき、第1の受信処理において、フレームを受信したn個の端末装置の各々は、フレームを受信したときの受信信号強度を検出するとともにフレームから送信元のビームの番号を検出し、その検出した送信元のビームの番号と受信信号強度とを対応付けて測定結果を作成し、その作成した測定結果を自己が接続された基地局へ送信する。n個の端末装置にそれぞれ接続されたn個の基地局は、それぞれn個の測定結果を制御装置へ送信する。
【0019】
(構成5)
構成4において、mがnよりも小さいとき、制御装置は、n個の基地局から受信したn個の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続判定を実行する。
【0020】
(構成6)
構成5において、制御装置は、n個の測定結果に基づいて、相互に接続された基地局と端末装置との組み合わせにおいて最も大きい受信信号強度を有するビームの番号を特定し、その特定した番号を有するフレームを受信したときの受信信号強度がしきい値以上であるとき、しきい値以上の受信信号強度を有するビームを接続可能であると判定する。
【0021】
(構成7)
構成1において、mがn以上であるとき、第2の受信処理において、n個の端末装置のうちの1個の端末装置以外の端末装置は、走査スケジュールに基づいてスリープ状態を維持する。
【0022】
(構成8)
構成7において、mがn以上であるとき、第2の受信処理において、フレームは、宛先の識別情報、送信元の識別情報、送信元のビームの番号を含む。
【0023】
(構成9)
構成8において、mがn以上であるとき、第2の受信処理において、フレームを受信したm個の基地局の各々は、フレームを受信したときの受信信号強度を検出するとともにフレームから送信元のビームの番号を検出し、その検出した送信元のビームの番号と受信信号強度とを対応付けて測定結果を作成し、その作成した測定結果を制御装置へ送信する。
【0024】
(構成10)
構成9において、mがn以上であるとき、制御装置は、m個の基地局からそれぞれ受信したm個の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続判定を実行する。
【0025】
(構成11)
構成10において、制御装置は、m個の測定結果に基づいて、相互に接続された基地局と端末装置との組み合わせにおいて最も大きい受信信号強度を有するビームの番号を特定し、その特定した番号を有するフレームを受信したときの受信信号強度がしきい値以上であるとき、しきい値以上の受信信号強度を有するビームを接続可能であると判定する。
【0026】
(構成12)
構成1において、フレームは、ミリ波帯におけるビームまたはテラヘルツ帯におけるビームを用いて送信される。
【0027】
(構成13)
また、この発明の実施の形態によれば、制御装置は、構成1から構成12のいずれかの通信システムにおいて用いられる制御装置であって、作成手段と、通信手段とを備える。作成手段は、m(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成する。通信手段は、バックホール回線によってm個の基地局に接続され、バックホール回線を用いて走査スケジュールをm個の基地局へ送信する。そして、mがnよりも小さいとき、作成手段は、m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行するための第1の走査スケジュールを作成する。また、mがn以上であるとき、作成手段は、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行するための第2の走査スケジュールを作成する。通信手段は、作成手段が第1の走査スケジュールを作成したとき、バックホール回線を用いて第1の走査スケジュールをm個の基地局へ送信し、作成手段が第2の走査スケジュールを作成したとき、バックホール回線を用いて第2の走査スケジュールをm個の基地局へ送信する。
【0028】
(構成14)
構成13において、制御装置は、判定手段を更に備える。判定手段は、mがnよりも小さいとき、m個の基地局およびn個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査したときにn個の端末装置において測定された第1の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続可否を判定し、mがn以上であるとき、m個の基地局およびn個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査したときにm個の基地局において測定された第2の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続可否を判定する。
【0029】
(構成15)
構成14において、第1の測定結果は、m個の基地局の各々がx(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いてフレームを送信したときに、n個の端末装置の各々がビームをy(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyに走査してx個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度とx個のビーム1~ビームxの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含む。第2の測定結果は、n個の端末装置の各々がy個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームを送信したときに、m個の基地局の各々がビームをx個のビーム1~ビームxに走査してy個のビーム1~ビームyの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度とy個のビーム1~ビームyの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含む。
【0030】
(構成16)
更に、この発明の実施の形態によれば、基地局は、構成1から構成12のいずれかの通信システムにおいて用いられる基地局であって、受信手段と、判定手段と、通信手段とを備える。受信手段は、通信システムにおけるm(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する。判定手段は、走査スケジュールに基づいて当該基地局がビームを用いたフレームの送信元であるかビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する。通信手段は、当該基地局がフレームの送信元であると判定手段によって判定されたとき、x(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いて順次フレームを送信し、当該基地局がフレームの送信先であると判定手段によって判定されたとき、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から送信された1つのビームを用いて送信されたフレームを、x個のビーム1~ビームxに走査しながら受信することをn個の端末装置の全てについて実行する。
【0031】
(構成17)
更に、この発明の実施の形態によれば、端末装置は、構成1から構成12のいずれかの通信システムにおいて用いられる端末装置であって、受信手段と、判定手段と、通信手段とを備える。受信手段は、m(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する。判定手段は、走査スケジュールに基づいて当該端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるかビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する。通信手段は、当該端末装置がフレームの送信元であると判定手段によって判定されたとき、y(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyを用いて順次フレームを送信し、当該端末装置がフレームの送信先であると判定手段によって判定されたとき、m個の基地局のうちの1つの基地局から送信された1つのビームを用いて送信されたフレームを、y個のビーム1~ビームyに走査しながら受信することをm個の基地局の全てについて実行する。
【0032】
(構成18)
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムは、構成1から構成12のいずれかの通信システムの制御装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
作成手段が、m(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成する第1のステップと、
通信手段が、バックホール回線によってm個の基地局に接続され、バックホール回線を用いて走査スケジュールをm個の基地局へ送信する第2のステップとをコンピュータに実行させ、
mがnよりも小さいとき、
作成手段は、第1のステップにおいて、m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行するための第1の走査スケジュールを作成し、
mがn以上であるとき、
作成手段は、第1のステップにおいて、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行するための第2の走査スケジュールを作成し、
通信手段は、第2のステップにおいて、作成手段が第1の走査スケジュールを作成したとき、バックホール回線を用いて第1の走査スケジュールをm個の基地局へ送信し、作成手段が第2の走査スケジュールを作成したとき、バックホール回線を用いて第2の走査スケジュールをm個の基地局へ送信する。
【0033】
(構成19)
構成18において、判定手段が、mがnよりも小さいとき、m個の基地局およびn個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査したときにn個の端末装置において測定された第1の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続可否を判定し、mがn以上であるとき、m個の基地局およびn個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査したときにm個の基地局において測定された第2の測定結果に基づいて基地局と端末装置との接続可否を判定する第3のステップを更にコンピュータに実行させる。
【0034】
(構成20)
構成19において、第1の測定結果は、m個の基地局の各々がx(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いてフレームを送信したときに、n個の端末装置の各々がビームをy(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyに走査してx個のビーム1~ビームxの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度とx個のビーム1~ビームxの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含み、
第2の測定結果は、n個の端末装置の各々がy個のビーム1~ビームyを用いてフレームを送信したときに、m個の基地局の各々がビームをx個のビーム1~ビームxに走査してy個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの(x×y)個の受信信号強度とy個のビーム1~ビームyの各々のビーム番号である(x×y)個のビーム番号とを含む。
【0035】
(構成21)
更に、この発明の実施の形態によれば、構成1から構成12のいずれかの通信システムの基地局においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信手段が、通信システムにおけるm(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する第1のステップと、
判定手段が、走査スケジュールに基づいて当該基地局がビームを用いたフレームの送信元であるかビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する第2のステップと、
通信手段が、当該基地局がフレームの送信元であると判定手段によって判定されたとき、x(xは、2以上の整数)個のビーム1~ビームxを用いて順次フレームを送信し、当該基地局がフレームの送信先であると判定手段によって判定されたとき、n個の端末装置のうちの1つの端末装置の1つのビームを用いて送信されたフレームを、x個のビーム1~ビームxに走査しながら受信することをn個の端末装置の全てについて実行する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0036】
(構成22)
更に、この発明の実施の形態によれば、構成1から構成12のいずれかの通信システムの端末装置においてコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
受信手段が、通信システムにおけるm(mは、2以上の整数)個の基地局とm個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続されたn(nは、2以上の整数)個の端末装置とを連携させてビームを走査するための走査スケジュールを受信する第1のステップと、
判定手段が、走査スケジュールに基づいて当該端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるかビームを用いたフレームの送信先であるかを判定する第2のステップと、
通信手段が、当該端末装置がフレームの送信元であると判定手段によって判定されたとき、y(yは、2以上の整数)個のビーム1~ビームyを用いて順次フレームを送信し、当該端末装置がフレームの送信先であると判定手段によって判定されたとき、m個の基地局のうちの1つの基地局の1つのビームを用いて送信されたフレームを、y個のビーム1~ビームyに走査しながら受信することをm個の基地局の全てについて実行する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0037】
この発明の実施の形態によれば、ミリ波帯またはテラヘルツ帯における接続判定のプロセスまたはリソースを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。
図2】この発明の実施の形態による別の通信システムの概略図である。
図3】この発明の実施の形態による更に別の通信システムの概略図である。
図4図1から図3に示す制御装置1の概略図である。
図5図1から図3に示す基地局2の概略図である。
図6図1から図3に示す端末装置7の概略図である。
図7】フレームFの概念図である。
図8】端末装置7が形成するビームの概念図である。
図9】走査期間における送信元および送信先によるビームの走査を示す概念図である。
図10】1つの走査期間における送信元および送信先のビームの走査を示す概念図である。
図11】1つの走査期間における送信元および送信先のビームの走査を示す他の概念図である。
図12】ビームを走査するときのシーケンスを示す概略図である。
図13】端末装置が送信元であるときのビームを走査するシーケンスの概念図である。
図14】基地局が送信元であるときのビームを走査するシーケンスの第1の概念図である。
図15】基地局が送信元であるときのビームを走査するシーケンスの第2の概念図である。
図16】走査スケジュールの例を示す概略図である。
図17】走査スケジュールの別の例を示す概略図である。
図18】測定結果を示す概略図である。
図19】制御装置1において集約された測定結果を示す概略図である。
図20】基地局AP向けの接続先情報および端末装置STA向けの接続先情報の概略図である。
図21】組{1,1,1,2},{1,2,1,1}に基づいて作成された基地局AP向けの接続先情報と端末装置STA向けの接続先情報の概略図である。
図22】この発明の実施の形態による通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。
図23図22のステップS23の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図24図22のステップS24の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図25図22のステップS25の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図26】制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図27】基地局2の動作を説明するためのフローチャートである。
図28図27のステップS57の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図29図27のステップS58の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図30】端末装置7の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0040】
図1は、この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。なお、図1は、基地局の個数が端末装置の個数よりも多い場合の通信システムの概略図である。
【0041】
図1を参照して、この発明の実施の形態による通信システム10Aは、制御装置1と、基地局2~6と、端末装置7~9とを備える。
【0042】
制御装置1は、バックホール回線BHCによって基地局2~6に接続されている。端末装置7は、例えば、基地局2に接続され、端末装置8は、例えば、基地局4に接続され、端末装置9は、例えば、基地局6に接続される。
【0043】
制御装置1は、端末装置7が基地局2に接続されていることを示す接続情報[基地局2-端末装置7]を基地局2からバックホール回線BHCを介して受信し、端末装置8が基地局4に接続されていることを示す接続情報[基地局4-端末装置8]を基地局4からバックホール回線BHCを介して受信し、端末装置9が基地局6に接続されていることを示す接続情報[基地局6-端末装置9]を基地局6からバックホール回線BHCを介して受信する。
【0044】
そして、制御装置1は、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局4-端末装置8]および接続情報[基地局6-端末装置9]を受信した時間に対応付けて、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局4-端末装置8]および接続情報[基地局6-端末装置9]をデータベース(=後述するデータベース13)に保存する。
【0045】
また、制御装置1は、基地局と端末装置との接続関係を判定する接続判定を実行したとき、接続判定を実行した時間に対応付けて、接続判定を実行したことを示す接続判定済情報をデータベース(=後述するデータベース13)に保存する。
【0046】
制御装置1は、定期的に、基地局と端末装置との接続関係を判定する接続判定を実行するか否かを判定する。
【0047】
この場合、制御装置1は、接続判定を実行するタイミングになると、保存した基地局と端末装置との接続情報を参照して、新たな端末装置が通信システム10Aに入って来たか否かを判定する。より具体的には、制御装置1は、保存した接続判定済情報に対応付けられた時間よりも後の時間に対応付けられた接続情報が保存されているとき、接続判定を実行すると判定し、保存した接続判定済情報に対応付けられた時間よりも後の時間に対応付けられた接続情報が保存されていないとき、接続判定を実行しないと判定する。
【0048】
制御装置1は、接続判定を実行すると判定したとき、基地局2~6および端末装置7~9を連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成し、その作成した走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2~6へ送信する。
【0049】
また、制御装置1は、基地局2~6および端末装置7~9を連携させてビームを走査したときに基地局2~6において検出された受信信号強度RSSIを含む測定結果を基地局2~6からバックホール回線BHCを介して受信し、その受信した測定結果に基づいて、後述する接続判定を行い、接続先情報を生成する。
【0050】
接続先情報は、基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる。従って、制御装置1は、バックホール回線BHCを介して、基地局向けの接続先情報を基地局2~6の全てに送信するとともに、端末装置向けの接続先情報を端末装置が接続された基地局2,4,6へ送信する。
【0051】
基地局2~6の各々は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを制御装置1から受信する。
【0052】
そして、基地局2~6のうち、端末装置7,8,9にそれぞれ接続された基地局2,4,6は、走査スケジュールをそれぞれ端末装置7,8,9へ送信する。
【0053】
そうすると、基地局2~6は、端末装置7~9と連携して、走査スケジュールに基づいて、端末装置7~9のうちの1個の端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、基地局2~6が同期してビームを走査しながら受信する受信処理R_prs_2(「第2の受信処理」を構成する)を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理PCN_prs_2(「第2のビーム走査処理」を構成する)を端末装置7~9の全てについて実行する。
【0054】
そして、ビーム走査処理PCN_prs_2において、基地局2~6の各々は、端末装置7~9からビームを用いて送信されたフレームを受信し、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームのビーム番号を検出し、{基地局の識別子、基地局のビーム番号、端末装置の識別子、端末装置のビーム番号}と、受信信号強度RSSIとを対応付けた測定結果[{基地局の識別子、基地局のビーム番号、端末装置の識別子、端末装置のビーム番号}:RSSI]を生成する。
【0055】
そうすると、基地局2~6の各々は、バックホール回線BHCを介して測定結果を制御装置1へ送信する。
【0056】
基地局2~6は、バックホール回線BHCを介して基地局向けの接続先情報を制御装置1から受信する。
【0057】
また、端末装置7,8,9にそれぞれ接続された基地局2,4,6は、バックホール回線BHCを介して端末装置向けの接続先情報を制御装置1から受信し、その受信した端末装置向けの接続先情報をそれぞれ端末装置7,8,9へ送信する。
【0058】
端末装置7,8,9は、それぞれ、基地局2,4,6から走査スケジュールを受信する。そして、端末装置7,8,9の各々は、基地局2~6と連携して、走査スケジュールに基づいて、上述したビーム走査処理PCN_prs_2において、1個のビームを用いてフレームを送信することを全てのビームについて実行する。
【0059】
また、端末装置7,8,9は、それぞれ、端末装置7,8,9向けの接続先情報を基地局2,4,6から受信する。
【0060】
図2は、この発明の実施の形態による別の通信システムの概略図である。なお、図2は、端末装置の個数が基地局の個数よりも多い場合の通信システムの概略図である。
【0061】
図2を参照して、通信システム10Bは、制御装置1と、基地局2,3と、端末装置7~9とを備える。
【0062】
制御装置1は、バックホール回線BHCによって基地局2,3に接続されている。端末装置7,8は、例えば、基地局2に接続され、端末装置9は、例えば、基地局3に接続される。
【0063】
制御装置1は、上述した方法によって、接続判定を実行すると判定したとき、基地局2,3および端末装置7~9を連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成し、その作成した走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2,3へ送信する。
【0064】
また、制御装置1は、基地局2,3および端末装置7~9を連携させてビームを走査したときに端末装置7~9において検出された受信信号強度RSSIと、ビーム番号とを含む測定結果を基地局2,3からバックホール回線BHCを介して受信し、その受信した測定結果に基づいて、後述する接続判定を行い、接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を生成する。そして、制御装置1は、バックホール回線BHCを介して接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を基地局2,3へ送信する。
【0065】
制御装置1は、その他、図1において説明した動作を実行する。
【0066】
基地局2,3の各々は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを制御装置1から受信する。
【0067】
そして、基地局2は、走査スケジュールを端末装置7,8へ送信し、基地局3は、走査スケジュールを端末装置9へ送信する。
【0068】
そうすると、基地局2,3は、端末装置7~9と連携して、走査スケジュールに基づいて基地局2,3のうちの1個の基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、端末装置7~9が同期してビームを走査しながら受信する受信処理R_prs_1(「第1の受信処理」を構成する)を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理PCN_prs_1(「第1のビーム走査処理」を構成する)を基地局2,3の全てについて実行する。
【0069】
そして、ビーム走査処理PCN_prs_1において、端末装置7~9の各々は、基地局2,3からビームを用いて送信されたフレームを受信し、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームのビーム番号を検出し、受信信号強度RSSIとビーム番号とを対応付けた測定結果を生成する。
【0070】
そうすると、端末装置7,8の各々は、測定結果を基地局2へ送信し、端末装置9は、測定結果を基地局3へ送信する。
【0071】
そして、基地局2は、端末装置7,8から受信した測定結果をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。また、基地局3は、端末装置9から受信した測定結果をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。
【0072】
また、基地局2,3は、バックホール回線BHCを介して接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を制御装置1から受信する。そして、基地局2は、端末装置7,8向けの接続先情報をそれぞれ端末装置7,8へ送信し、基地局3は、端末装置9向けの接続先情報を端末装置9へ送信する。
【0073】
端末装置7,8は、基地局2から走査スケジュールを受信し、端末装置9は、基地局3から走査スケジュールを受信する。そして、端末装置7,8,9の各々は、基地局2,3と連携して、走査スケジュールに基づいて、上述したビーム走査処理PCN_prs_1において、基地局2,3のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、ビームを走査しながら受信することを基地局2,3の全てについて実行する。
【0074】
そして、端末装置7~9の各々は、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームのビーム番号を検出し、受信信号強度RSSIとビーム番号とを対応付けた測定結果を生成する。
【0075】
そうすると、端末装置7,8の各々は、測定結果を基地局2へ送信し、端末装置9は、測定結果を基地局3へ送信する。
【0076】
また、端末装置7,8の各々は、端末装置向けの接続先情報を基地局2から受信し、端末装置9は、端末装置向けの接続先情報を基地局3から受信する。
【0077】
図3は、この発明の実施の形態による更に別の通信システムの概略図である。なお、図3は、端末装置の個数が基地局の個数と等しい場合の通信システムの概略図である。
【0078】
図3を参照して、この発明の実施の形態による通信システム10Cは、制御装置1と、基地局2~4と、端末装置7~9とを備える。
【0079】
制御装置1は、バックホール回線BHCによって基地局2~4に接続されている。端末装置7は、例えば、基地局2に接続され、端末装置8は、例えば、基地局3に接続され、端末装置9は、例えば、基地局4に接続される。
【0080】
制御装置1は、上述した方法によって、接続判定を実行すると判定したとき、基地局2~4および端末装置7~9を連携させてビームを走査するための走査スケジュールを作成し、その作成した走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2~4へ送信する。
【0081】
また、制御装置1は、基地局2~4および端末装置7~9を連携させてビームを走査したときに端末装置7~9において検出された受信信号強度RSSIと、ビーム番号とを含む測定結果を基地局2~4からバックホール回線BHCを介して受信し、その受信した測定結果に基づいて、後述する接続判定を行い、接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を生成する。そして、制御装置1は、バックホール回線BHCを介して接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を基地局2~4へ送信する。
【0082】
制御装置1は、その他、図1において説明した動作を実行する。
【0083】
基地局2~4の各々は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを制御装置1から受信する。
【0084】
そして、基地局2は、走査スケジュールを端末装置7へ送信し、基地局3は、走査スケジュールを端末装置8へ送信し、基地局4は、走査スケジュールを端末装置9へ送信する。
【0085】
そうすると、基地局2~4は、端末装置7~9と連携して、走査スケジュールに基づいて基地局2~4のうちの1個の基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、端末装置7~9が同期したビームを走査しながら受信する受信処理R_prs_1を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理PCN_prs_1を基地局2~4の全てについて実行する。
【0086】
そして、ビーム走査処理PCN_prs_1において、端末装置7~9の各々は、基地局2~4からビームを用いて送信されたフレームを受信し、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームのビーム番号を検出し、受信信号強度RSSIとビーム番号とを対応付けた測定結果を生成する。
【0087】
そうすると、端末装置7は、測定結果を基地局2へ送信し、端末装置8は、測定結果を基地局3へ送信し、端末装置9は、測定結果を基地局4へ送信する。
【0088】
そして、基地局2は、端末装置7から受信した測定結果をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。また、基地局3は、端末装置8から受信した測定結果をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。更に、基地局4は、端末装置9から受信した測定結果をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。
【0089】
また、基地局2~4は、バックホール回線BHCを介して接続先情報(=基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を制御装置1から受信する。そして、基地局2は、端末装置7向けの接続先情報を端末装置7へ送信し、基地局3は、端末装置8向けの接続先情報を端末装置8へ送信し、基地局4は、端末装置9向けの接続先情報を端末装置9へ送信する。
【0090】
端末装置7は、基地局2から走査スケジュールを受信し、端末装置8は、基地局3から走査スケジュールを受信し、端末装置9は、基地局4から走査スケジュールを受信する。そして、端末装置7,8,9の各々は、基地局2~4と連携して、走査スケジュールに基づいて、上述したビーム走査処理PCN_prs_1において、1個のビームを用いて送信されたフレームを、ビームを走査しながら受信する。
【0091】
そして、端末装置7~9の各々は、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームのビーム番号を検出し、受信信号強度RSSIとビーム番号とを対応付けた測定結果を生成する。
【0092】
そうすると、端末装置7は、測定結果を基地局2へ送信し、端末装置8は、測定結果を基地局3へ送信し、端末装置9は、測定結果を基地局4へ送信する。
【0093】
また、端末装置7は、端末装置7向けの接続先情報を基地局2から受信し、端末装置8は、端末装置8向けの接続先情報を基地局3から受信し、端末装置9は、端末装置9向けの接続先情報を基地局4から受信する。
【0094】
上述したように、通信システム10Cにおいて、基地局2~4は、図2に示す通信システム10Bにおける基地局2,3と同じ動作を実行し、端末装置7~9は、図2に示す通信システム10Bにおける端末装置7~9と同じ動作を実行する。
【0095】
従って、この発明の実施の形態においては、基地局の個数をm(mは、2以上の整数)個とし、端末装置の個数をn(nは、2以上の整数)個とし、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも小さいとき、図2において説明したように、m個の基地局およびn個の端末装置は、連携して、走査スケジュールに基づいてm個の基地局のうちの1個の基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する受信処理R_prs_1を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理PCN_prs_1をm個の基地局の全てについて実行する。
【0096】
一方、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも大きい以上であるとき、図1および図3において説明したように、m個の基地局およびn個の端末装置は、連携して、走査スケジュールに基づいてn個の端末装置のうちの1個の端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する受信処理R_prs_2を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行するビーム走査処理PCN_prs_2をn個の端末装置の全てについて実行する。
【0097】
図4は、図1から図3に示す制御装置1の概略図である。図4を参照して、制御装置1は、通信手段11と、制御手段12と、データベース13とを備える。そして、通信手段11は、バックホール回線BHCに接続される。
【0098】
[通信システム10Aにおける制御装置1の説明]
通信手段11は、制御手段12から走査スケジュールを受け、その受けた走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2~6へ送信する。
【0099】
また、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して基地局k(kは、2~6)から測定結果MR_kを受信すると、その受信した測定結果MR_kを制御手段12へ出力することを基地局2~6から送信された測定結果MR_2~MR_6の全てについて実行する。
【0100】
更に、通信手段11は、接続先情報(基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を制御手段12から受け、その受けた基地局2~6向けの接続先情報をバックホール回線BHCを介して基地局2~6へ送信し、端末装置7~9向けの接続先情報を端末装置7~9がそれぞれ接続された基地局2,4,6へ送信する。
【0101】
制御手段12は、後述する方法によって走査スケジュールを生成し、その生成した走査スケジュールを通信手段11へ出力する。
【0102】
また、制御手段12は、測定結果MR_kを通信手段11から受けると、その受けた測定結果MR_kをデータベース13に格納することを測定結果MR_2~MR_6の全てについて実行する。そして、制御手段12は、データベース13に格納された測定結果MS_2~MS_6を集計し、その集計結果に基づいて、後述する方法によって接続判定を実行する。
【0103】
そうすると、制御手段12は、接続判定の結果に基づいて接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を生成し、その生成した接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を通信手段11へ出力する。
【0104】
データベース13は、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局4-端末装置8]および接続情報[基地局6-端末装置9]を受信した時間に対応付けて、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局4-端末装置8]、接続情報[基地局6-端末装置9]および測定結果MR_1~MR_6を格納する。
【0105】
[通信システム10Bにおける制御装置1の説明]
通信手段11は、制御手段12から走査スケジュールを受け、その受けた走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2,3へ送信する。
【0106】
また、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して基地局2が受信した端末装置7の測定結果MR_7と、端末装置8の測定結果MR_8とを制御手段12へ出力し、基地局3が受信した端末装置9の測定結果MR_9を制御手段12へ出力する。
【0107】
更に、通信手段11は、接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を制御手段12から受け、その受けた接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)をバックホール回線BHCを介して基地局2,3へ送信する。
【0108】
制御手段12は、後述する方法によって走査スケジュールを生成し、その生成した走査スケジュールを通信手段11へ出力する。
【0109】
また、制御手段12は、測定結果MR_7を通信手段11から受けると、その受けた測定結果MR_7をデータベース13に格納し、測定結果MR_8を通信手段11から受けると、その受けた測定結果MR_8をデータベース13に格納し、測定結果MR_9を通信手段11から受けると、その受けた測定結果MR_9をデータベース13に格納する。そして、制御手段12は、データベース13に格納された測定結果MS_7,MS_8,MS_9を集計し、その集計結果に基づいて、後述する方法によって接続判定を実行する。
【0110】
そうすると、制御手段12は、接続判定の結果に基づいて接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を生成し、その生成した接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を通信手段11へ出力する。
【0111】
[通信システム10Cにおける制御装置1の説明]
通信手段11は、制御手段12から走査スケジュールを受け、その受けた走査スケジュールをバックホール回線BHCを介して基地局2~4へ送信する。
【0112】
また、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して基地局k(kは、2~4)から測定結果MR_kを受信すると、その受信した測定結果MR_kを制御手段12へ出力することを基地局2~4から送信された測定結果MR_2~MR_4の全てについて実行する。
【0113】
更に、通信手段11は、接続先情報(基地局向けの接続先情報と端末装置向けの接続先情報とからなる)を制御手段12から受け、その受けた基地局2~4向けの接続先情報をバックホール回線BHCを介して基地局2~4へ送信し、端末装置7~9向けの接続先情報を端末装置7~9がそれぞれ接続された基地局2~4へ送信する。
【0114】
制御手段12は、後述する方法によって走査スケジュールを生成し、その生成した走査スケジュールを通信手段11へ出力する。
【0115】
また、制御手段12は、測定結果MR_kを通信手段11から受けると、その受けた測定結果MR_kをデータベース13に格納することを測定結果MR_2~MR_4の全てについて実行する。そして、制御手段12は、データベース13に格納された測定結果MS_2~MS_4を集計し、その集計結果に基づいて、後述する方法によって接続判定を実行する。
【0116】
そうすると、制御手段12は、接続判定の結果に基づいて接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を生成し、その生成した接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を通信手段11へ出力する。
【0117】
データベース13は、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局3-端末装置8]および接続情報[基地局4-端末装置9]を受信した時間に対応付けて、接続情報[基地局2-端末装置7]、接続情報[基地局3-端末装置8]、接続情報[基地局4-端末装置9]および測定結果MR_2~MR_4を格納する。
【0118】
この発明の実施の形態においては、上述した通信システム10A,10B,10Cは、この発明の実施の形態による通信システム10を構成するものとする。
【0119】
従って、通信システム10においては、基地局の個数mが端末装置の個数n以上である場合(図1および図3参照)と、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも小さい場合(図2参照)とがある。
【0120】
そして、通信システム10においては、n個の端末装置は、m個の基地局のうちの一部の基地局または全ての基地局に接続される。
【0121】
図5は、図1から図3に示す基地局2の概略図である。図5を参照して、基地局2は、アンテナ21A,22A,23Aと、ビームフォーミング手段21~23と、無線通信手段24と、測定手段25と、制御手段26と、通信手段27とを備える。
【0122】
アンテナ21Aは、マイクロ波帯(300MHz~300GHz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、1本以上のアンテナからなる。
【0123】
アンテナ22Aは、ミリ波帯(30GHz~300GHz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、複数のアンテナからなる。
【0124】
アンテナ23Aは、テラヘルツ波帯(100GHz~10THz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、複数のアンテナからなる。
【0125】
アンテナ21Aは、ビームフォーミング手段21に接続される。アンテナ22Aは、ビームフォーミング手段22に接続される。アンテナ23Aは、ビームフォーミング手段23に接続される。
【0126】
ビームフォーミング手段21は、マイクロ波帯におけるビームを形成するための指示信号S_MC_Bを無線通信手段24から受けると、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってマイクロ波帯におけるビームを形成するように、またはビームを形成することなく、アンテナ21Aを制御する。
【0127】
ビームフォーミング手段22は、ミリ波帯におけるビームの番号“1”~“x”を無線通信手段24から受けると、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってミリ波帯における複数のビームb~bを順次形成するようにアンテナ22Aを制御する。
【0128】
ビームフォーミング手段23は、テラヘルツ波帯におけるビームの番号“1”~“x”を無線通信手段24から受けると、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってテラヘルツ波帯における複数のビームb~bを順次形成するようにアンテナ23Aを制御する。
【0129】
無線通信手段24は、走査スケジュールのみを制御手段26から受けると、走査スケジュールの各走査期間において、アンテナ23Aのビームを複数のビームb~bに順次切り換えるためのビーム番号“1”~“x”をビームフォーミング手段23へ出力する。
【0130】
また、無線通信手段24は、走査スケジュールと、ビーム番号“1”~“x”をそれぞれ含むフレームF~Fとを制御手段26から受けると、1つの走査期間において、ビーム番号kのビームbを用いてフレームFを送信することを全ての走査期間について実行するようにビームフォーミング手段23を制御する。
【0131】
更に、無線通信手段24は、アンテナ23Aがビームフォーミング手段23によって形成されたビームによって信号を受信したとき、その受信信号をアンテナ23Aから受け、その受信信号を受信したときのビームのビーム番号kをビームフォーミング手段23から受けると、その受けた受信信号およびビーム番号kを測定手段25へ出力する。
【0132】
更に、無線通信手段24は、アンテナ21Aを介して端末装置(端末装置7~9のいずれか)から測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を受信すると、その受信した測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を制御手段26へ出力する。
【0133】
更に、無線通信手段24は、接続先情報の送信先(=基地局2に接続されている端末装置)と、接続先情報(=端末装置向けの接続先情報)とを含むフレームF_APを制御手段26から受けると、指示信号S_MC_BおよびフレームF_APをビームフォーミング手段21へ出力し、マイクロ波帯のビームでフレームF_Aを送信先(=基地局2に接続されている端末装置)へ送信するようにビームフォーミング手段21を制御する。
【0134】
測定手段25は、無線通信手段24から受信信号およびビーム番号kを受けると、その受けた受信信号の受信信号強度RSSIを検出する。そして、測定手段25は、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを対応付けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を生成し、その生成した測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を制御手段26へ出力する。
【0135】
制御手段26は、通信手段27から走査スケジュールを受けると、その受けた走査スケジュールを参照して、基地局2がビームを受信するか否かを判定する。
【0136】
この場合、制御手段26は、基地局2がビームを受信すると判定したとき、測定手段25からの測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を待つ。
【0137】
そして、制御手段26は、測定手段25から測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を受けると、その受けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を通信手段27へ出力する。
【0138】
一方、制御手段26は、基地局2がビームを受信しないと判定したとき(即ち、基地局2が複数のビームを順次送信すると判定したとき)、ビーム番号“1”~“x”をそれぞれ含むフレームF~Fを生成し、走査スケジュールとフレームF~Fとを無線通信手段24へ出力する。
【0139】
また、制御手段26は、通信手段27から接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を受けると、その受けた端末装置向けの接続先情報を無線通信手段24へ出力する。
【0140】
通信手段27は、測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を制御手段26から受けると、その受けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]をバックホール回線BHCを介して制御装置1へ送信する。
【0141】
また、通信手段27は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを制御装置1から受信し、その受信した走査スケジュールを制御手段26へ出力する。
【0142】
更に、通信手段27は、バックホール回線BHCを介して接続先情報(=基地局向けの接続先情報および端末装置向けの接続先情報からなる)を制御装置1から受信し、その受信した端末装置向けの接続先情報を制御手段26へ出力する。
【0143】
上述したように、基地局2は、マイクロ波帯、ミリ波帯およびテラヘルツ波帯で無線通信を行う機能を有する。
【0144】
なお、基地局3~6の各々は、図5に示す基地局2と同じ構成からなる。
【0145】
図6は、図1から図3に示す端末装置7の概略図である。図7を参照して、端末装置7は、アンテナ71A,72A,73Aと、ビームフォーミング手段71~73と、無線通信手段74と、測定手段75と、制御手段76とを備える。
【0146】
アンテナ71Aは、マイクロ波帯(300MHz~300GHz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、1本以上のアンテナからなる。
【0147】
アンテナ72Aは、ミリ波帯(30GHz~300GHz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、複数のアンテナからなる。
【0148】
アンテナ73Aは、テラヘルツ波帯(100GHz~10THz)におけるビームを形成し、フレームを送受信するためのアンテナであり、複数のアンテナからなる。
【0149】
アンテナ71Aは、ビームフォーミング手段71に接続される。アンテナ72Aは、ビームフォーミング手段72に接続される。アンテナ73Aは、ビームフォーミング手段73に接続される。
【0150】
ビームフォーミング手段71は、マイクロ波帯におけるビームを形成するための指示信号S_MC_Tを無線通信手段74から受けると、マイクロ波帯におけるビームを形成するようにアンテナ71Aを制御する。
【0151】
ビームフォーミング手段72は、ミリ波帯におけるビームの番号“1”~“x”を無線通信手段74から受けると、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってミリ波帯における複数のビームb~bを順次形成するようにアンテナ72Aを制御する。
【0152】
ビームフォーミング手段73は、テラヘルツ波帯におけるビームの番号“1”~“x”を無線通信手段74から受けると、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってテラヘルツ波帯における複数のビームb~bを順次形成するようにアンテナ73Aを制御する。
【0153】
無線通信手段74は、アンテナ71Aを介して走査スケジュールを受信すると、その受信した走査スケジュールを制御手段76へ出力する。
【0154】
また、無線通信手段74は、アンテナ73Aが形成するビームの番号“1”~“y”を制御手段76から受けると、ビームの番号“1”~“y”をビームフォーミング手段73へ出力して番号“1”~“y”のビームb~bをアンテナ73Aが形成するようにビームフォーミング手段73を制御する。
【0155】
更に、無線通信手段74は、アンテナ73Aがビームフォーミング手段73によって形成されたビームによって信号を受信したとき、その受信信号をアンテナ73Aから受け、その受信信号を受信したときのビームのビーム番号kをビームフォーミング手段73から受けると、その受けた受信信号およびビーム番号kを測定手段75へ出力する。
【0156】
更に、無線通信手段74は、測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を制御手段76から受けると、その受けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を、アンテナ71Aを介して、端末装置7が接続されている基地局へ送信するようにビームフォーミング手段71を制御する。
【0157】
更に、無線通信手段74は、アンテナ71Aを介して接続先情報(=端末装置向けの接続先情報)を受信すると、その受信した接続先情報(=端末装置向けの接続先情報)を制御手段76へ出力する。
【0158】
測定手段75は、無線通信手段74から受信信号およびビーム番号kを受けると、その受けた受信信号の受信信号強度RSSIを検出する。そして、測定手段75は、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを制御手段76へ出力する。
【0159】
制御手段76は、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを測定手段75から受けると、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを含む測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を生成し、その生成した測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を無線通信手段74へ出力して、測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を端末装置7が接続されている基地局へ送信するように無線通信手段74を制御する。
【0160】
また、制御手段76は、接続先情報(=端末装置向けの接続先情報)を無線通信手段74から受ける。そして、制御手段76は、接続先情報(=端末装置向けの接続先情報)を参照して、端末装置7の接続先を取得する。
【0161】
上述したように、端末装置7は、マイクロ波帯、ミリ波帯およびテラヘルツ波帯で無線通信を行う機能を有する。
【0162】
なお、端末装置8,9の各々は、図6に示す端末装置7と同じ構成からなる。
【0163】
図7は、フレームFの概念図である。図7を参照して、フレームFは、送信元IDと、送信元ビーム番号と、TTL(Time To Live)と、“終了”とを含む。
【0164】
送信元IDは、フレームFの送信元の識別情報である。送信元ビーム番号は、送信元から送信されたビームの番号である。TTLは、フレームFの有効期間を表す。“終了”は、フレームFの終わりであることを表わす。
【0165】
なお、フレームFが宛先の識別情報を含まないのは、宛先の識別情報が、後述する走査スケジュールから自明であるからである。
【0166】
以下においては、基地局2~6および端末装置7~9は、テラヘルツ波帯のビームを用いてフレームを送受信して基地局2~6と端末装置7~9との接続判定に用いられる測定結果を取得し、制御装置1は、基地局2~6および端末装置7~9によって取得された測定結果に基づいて基地局2~6と端末装置7~9との接続判定を行うことを説明する。
【0167】
従って、以下において、「ビーム」と記載した場合、「ビーム」は、テラヘルツ波帯のビームを意味する。
【0168】
図8は、端末装置7が形成するビームの概念図である。図8を参照して、ビームb~b24は、平面方向のビームを表す。ビームb~b24の各々は、ピークのゲインが3dB低下したときの半値角が5度~10度のビームである。そして、ビームb~b24は、例えば、隣接する2つのビームb,bk+1の方向が15度の角度を成すときのビームである。
【0169】
端末装置7のビームフォーミング手段73は、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによって隣接する2つのビームb,bk+1の方向が15度の角度を成すようにアンテナ73Aを制御することによってアンテナ73Aからビームb,b,b,・・・,b24を順次形成する。
【0170】
基地局2~6および端末装置8,9の各々も、端末装置7と同様にして、ビームb,b,b,・・・,b24を順次形成する。
【0171】
図9は、走査期間における送信元および送信先によるビームの走査を示す概念図である。
【0172】
図9を参照して、基地局2は、送信元であり、端末装置7は、送信先である。1つの走査期間において、基地局2がビームbを用いてフレームFを送信し、端末装置7は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームbを受信する。
【0173】
その後、基地局2がビームbを用いてフレームFを送信し、端末装置7は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームbを受信する。
【0174】
以下、同様にして、基地局2がビームb24を用いてフレームFを送信し、端末装置7は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームb24を受信する。
【0175】
そして、端末装置7は、基地局2から送信されたフレームFを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともに、フレームFに含まれるビーム番号kを検出する。そうすると、端末装置7は、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを対応付けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を作成する。
【0176】
端末装置7が送信元であり、基地局2が送信先であるときも、同様にして、端末装置7がビームbを用いてフレームFを送信し、基地局2は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームbを受信する。
【0177】
その後、端末装置7がビームbを用いてフレームFを送信し、基地局2は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームbを受信する。
【0178】
以下、同様にして、端末装置7がビームb24を用いてフレームFを送信し、基地局2は、ビームb~b24を順次形成して(即ち、ビームb~b24を走査して)ビームb24を受信する。
【0179】
そして、基地局2は、端末装置7から送信されたフレームFを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともに、フレームFに含まれるビーム番号kを検出する。そうすると、基地局2は、ビーム番号kと受信信号強度RSSIとを対応付けた測定結果[ビーム番号k/受信信号強度RSSI]を作成する。
【0180】
このように、端末装置7が送信元であり、基地局2が送信先である場合と、基地局2が送信元であり、端末装置7が送信先である場合との両方において、基地局2および端末装置7は、連携して、ビームをビームb~b24に順次走査する。
【0181】
この発明の実施の形態においては、m個の基地局の個数mがn個の端末装置の個数nよりも小さいとき(即ち、m<nであるとき(図2参照))、m個の基地局が送信元であり、n個の端末装置が送信先である。
【0182】
そして、m個の基地局のうちの1個の基地局が1つのビームを用いてフレームFを送信しているとき、m個の基地局のうちの(m-1)個の基地局がスリープ状態になり、n個の端末装置は、同期して、ビームをビームb~b24に順次走査してフレームFを受信する。
【0183】
また、この発明の実施の形態においては、m個の基地局の個数mがn個の端末装置の個数n以上であるとき(即ち、m≧nであるとき(図1および図3参照))、n個の端末装置が送信元であり、m個の基地局が送信先である。
【0184】
ここで、m個の基地局の個数mがn個の端末装置の個数nに等しいとき、n個の端末装置が送信元になるのは、次の理由による。
【0185】
m個の基地局の個数mがn個の端末装置の個数nに等しいときに、m個の基地局が送信元になると、ビーム走査の測定結果を端末装置から基地局へ送信するプロセスが余分になるためである。
【0186】
そして、m個の基地局の個数mがn個の端末装置の個数n以上であるとき、フレームの送信元であるn個の端末装置のうちの1個の端末装置が1つのビームを用いてフレームFを送信しているとき、n個の端末装置のうちの(n-1)個の端末装置がスリープ状態になり、m個の基地局は、同期して、ビームをビームb~b24に順次走査してフレームFを受信する。
【0187】
図10は、1つの走査期間における送信元および送信先のビームの走査を示す概念図である。図10においては、端末装置STAが送信元であり、2つの基地局AP1,AP2が送信先である。
【0188】
図10を参照して、端末装置STAが1つのビーム1を用いてフレームを送信すると、2個の基地局AP1,AP2は、同期して、ビームをビーム1~ビームxに順次切り換えながら、端末装置STAのビーム1を用いて送信されたフレームを受信する(図10の(1)参照)。
【0189】
(1)の後、端末装置STAが1つのビーム2を用いてフレームを送信すると、2個の基地局AP1,AP2は、同期して、ビームをビーム1~ビームxに順次切り換えながら、端末装置STAのビーム2を用いて送信されたフレームを受信する(図10の(2)参照)。
【0190】
(2)の後、端末装置STAのビーム3~ビームyの各々について、2個の基地局AP1,AP2は、同期して、ビームをビーム1~ビームxに順次切り換えながら、端末装置STAのビームjを用いて送信されたフレームを受信することをj=3~yの全てについて順次実行する(図10の(3)参照)。
【0191】
このように、端末装置STAの1つのビームjを用いて送信されたフレームを受信側の2個の基地局AP1,AP2を同期させて受信することによって、[基地局APのビーム数×端末装置STAの個数×端末装置STAのビーム数]の回数で、端末装置STAのy個のビーム1~yの各々を用いて送信されたフレームを複数の基地局AP1,AP2のビームをx個のビーム1~xに同期して切り換えて受信できる。
【0192】
従って、従来方法における回数(=[基地局数×基地局のビーム数×端末数×端末のビーム数])よりも少ない回数(=[基地局APのビーム数×端末装置STAの個数×端末装置STAのビーム数])で、端末装置STAのy個のビーム1~yの各々を用いて送信されたフレームを複数の基地局AP1,AP2のビームをx個のビーム1~xに同期して切り換えて受信できる。
【0193】
即ち、従来方法における回数よりも[(AP数-1)×端末装置STAの個数×基地局APのビーム数×端末装置STAのビーム数]だけ、回数を削減できる。
【0194】
図11は、1つの走査期間における送信元および送信先のビームの走査を示す他の概念図である。図11においては、基地局APが送信元であり、2つの端末装置STA1,STA2が送信先である。
【0195】
図11を参照して、基地局AP1が1つのビーム1を用いてフレームを送信すると、2個の端末装置STA1,STA2は、同期して、ビームをビーム1~ビームyに順次切り換えながら、基地局AP1のビーム1を用いて送信されたフレームを受信する(図11の(1)参照)。
【0196】
(1)の後、基地局AP1が1つのビーム2を用いてフレームを送信すると、2個の端末装置STA1,STA2は、同期して、ビームをビーム1~ビームyに順次切り換えながら、基地局AP1のビーム2を用いて送信されたフレームを受信する(図11の(2)参照)。
【0197】
(2)の後、基地局AP1が放射するビーム3~xの各々を用いて送信されたフレームについて、2個の端末装置STA1,STA2は、同期して、ビームをビーム1~ビームyに順次切り換えながら、基地局AP1のビームkを用いて送信されたフレームを受信することをk=3~xの全てについて順次実行する(図11の(3)参照)。
【0198】
このように、基地局AP1から放射された1つのビームk(kは、1~xのいずれか)を受信側の2個の端末装置STA1,STA2を同期させて受信することによって、[基地局APのビーム数×基地局APの個数×端末装置STAのビーム数]の回数で、基地局AP1のx個のビーム1~xの各々を用いて送信されたフレームを複数の端末装置STA1,STA2のビームをy個のビーム1~yに同期して切り換えて受信できる。
【0199】
従って、従来方法における回数(=[基地局数×基地局のビーム数×端末数×端末のビーム数])よりも少ない回数(=[基地局APのビーム数×基地局APの個数×端末装置STAのビーム数])で、基地局AP1のx個のビーム1~ビームxの各々を用いて送信されたフレームを複数の端末装置STA1,STA2のビームをy個のビーム1~ビームyに同期して切り換えて受信できる。
【0200】
即ち、従来方法における回数よりも[(端末装置STAの個数-1)×基地局APの個数×基地局APのビーム数×端末装置STAのビーム数]だけ、回数を削減できる。
【0201】
図12は、ビームを走査するときのシーケンスを示す概略図である。図12においては、端末装置STA1が基地局AP1に接続されており、端末装置STA2が基地局AP2に接続されており、端末装置STAnが基地局APmに接続されているものとする。即ち、全ての端末装置STA1,STA,STAnが基地局APに接続されているものとする。また、接続判定の対象を端末装置STA1とする。
【0202】
図12を参照して、スケジューリング期間が発生すると、制御装置1は、走査スケジュールを作成するか否かを判定する。より具体的には、制御装置1は、新しい端末装置が通信システム10に入って来たか否かを判定することによって走査スケジュールを作成するか否かを判定する。
【0203】
この場合、制御装置1は、新しい端末装置が通信システムに入って来たと判定したとき、走査スケジュールを作成すると判定し、新しい端末装置が通信システム10に入って来なかったと判定したとき、走査スケジュールを作成しないと判定する。
【0204】
そして、制御装置1は、走査スケジュールを作成すると判定したとき、走査方法を判別する(ステップS1)。
【0205】
より具体的には、制御装置1は、基地局APの個数mが端末装置STAの個数nよりも小さいとき(即ち、m<nであるとき)、基地局APがビームでフレームを送信し、n個の端末装置STAがビームでフレームを受信する走査方法であると判別する。この走査方法を「ダウンリンクにおける走査方法」と言う。
【0206】
一方、制御装置1は、基地局APの個数mが端末装置STAの個数n以上であるとき(即ち、m≧nであるとき)、端末装置STAがビームでフレームを送信し、m個の基地局がビームでフレームを受信する走査方法であると判別する。この走査方法を「アップリンクにおける走査方法」と言う。
【0207】
制御装置1は、走査方法を判別すると、その判別した走査方法に従って走査スケジュールを作成し、その作成した走査スケジュールを全ての基地局AP1,AP2,APmへバックホール回線BHCを用いて送信する(ステップS2,S3,S4)。
【0208】
基地局AP1は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを受信すると、その受信した走査スケジュールを自己に接続された端末装置STA1へ送信する(ステップS5)。
【0209】
また、基地局AP2は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを受信すると、その受信した走査スケジュールを自己に接続された端末装置STA2へ送信する(ステップS6)。
【0210】
更に、基地局APmは、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを受信すると、その受信した走査スケジュールを自己に接続された端末装置STAmへ送信する(ステップS7)。
【0211】
その後、図10において説明した方法、または図11において説明した方法によって、ビーム走査による測定が実行される(ステップS8)。
【0212】
そして、基地局AP1,AP2,APmは、ビーム走査による測定が終了すると、バックホール回線BHCを用いて測定結果を制御装置1へ送信する。
【0213】
制御装置1は、バックホール回線BHCを介して、測定結果を受信すると、後述する方法によって接続判定を実行する(ステップS9)。
【0214】
そして、制御装置1は、接続判定を完了すると、接続先情報を作成する。接続先情報は、端末装置向けの接続先情報と基地局向けの接続先情報とからなる。端末装置向けの接続先情報は、端末装置STAとビーム番号との対応関係からなり、基地局向けの接続先情報は、基地局APとビーム番号との対応関係からなる。
【0215】
制御装置1は、接続先情報を作成すると、その作成した接続先情報をバックホール回線BHCを用いて基地局AP1,AP2へ送信する(ステップS10,S11)。
【0216】
基地局AP1は、バックホール回線BHCを介して接続先情報を受信すると、その受信した接続先情報を自己に接続されている端末装置STA1へ送信する(ステップS12)。
【0217】
そうすると、基地局AP1は、接続先情報に基づいてビームを切り換え(ステップS13)、基地局AP2は、接続先情報に基づいてビームを切り換え(ステップS14)、端末装置STA1は、接続先情報に基づいてビームを切り換える(ステップS15)。
【0218】
ここで、端末装置STA1に接続されていない基地局AP2もビームを切り換えるのは、基地局AP1,AP2が連携して端末装置STA1と通信を行うからである。
【0219】
ステップS15の後、基地局AP1,AP2は、連携して、テラヘルツ帯において、端末装置STA1とデータ通信を行う(ステップS16)。
【0220】
図13は、端末装置が送信元であるときのビームを走査するシーケンスの概念図である。
【0221】
図13を参照して、端末装置STA2,STAnがスリープ状態に設定された状態で、端末装置STA1は、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームyを用いて順次フレームを送信する。
【0222】
そして、基地局AP1,AP2,APmは、端末装置STA1が送信ビーム1でフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームxに順次切り換えて端末装置STA1の送信ビーム1を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームxで受信する。
【0223】
また、基地局AP1,AP2,APmは、端末装置STA1が送信ビーム2を用いてフレームを送信しているとき、同期して、ビームを受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームxに順次切り換えて端末装置STA1の送信ビーム2を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームxで受信する。
【0224】
以下、同様にして、基地局AP1,AP2,APmは、端末装置STA1が送信ビームyを用いてフレームを送信しているとき、同期して、ビームを受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームxに順次切り換えて端末装置STA1の送信ビームyを用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームxで受信する。
【0225】
このように、基地局AP1,AP2,APmは、同期して、受信ビームを受信ビーム1~受信ビームxに走査しながら端末装置STA1の送信ビーム1~送信ビームyを用いて送信されたフレームの各々を受信する。
【0226】
基地局AP1は、端末装置STA1から送信されたフレームを受信したとき、フレームを受信したときの受信信号強度RSSIと、端末装置STA1から送信されたフレームにより、ビーム番号yとを検出する。
【0227】
そして、基地局AP1は、ビーム番号yと受信信号強度RSSIとを対応付けた測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]を作成し、その作成した測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]をバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0228】
また、基地局AP2も、基地局AP1と同様にして、測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]を作成し、その作成した測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]をバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0229】
更に、基地局APmも、基地局AP1と同様にして、測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]を作成し、その作成した測定結果[ビーム番号y/受信信号強度RSSI]をバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0230】
なお、図13において、端末装置STA2,STAnがスリープ状態に設定された状態で、端末装置STA1が送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームyを用いて順次フレームを送信するのは、端末装置STA2,STAnがスリープ状態でないと、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームyを用いて送信されたフレームが端末装置STA2,STAnから送信された電波と干渉し、基地局AP1,AP2,APmが端末装置STA1から送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームyを用いて送信されたフレームを正確に受信できないからである。
【0231】
また、基地局AP1,AP2,APmのうちの1つの基地局が端末装置と接続されていない場合も、上述したように、基地局AP1,AP2,APmは、同期して、端末装置STA1の送信ビーム1~送信ビームyの各々を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームxに走査しながら受信する。
【0232】
その結果、端末装置と接続されていない基地局についても、制御装置1が測定結果に基づいて接続先情報を作成するので、端末装置と接続されていない基地局をハンドオーバの候補とできる。
【0233】
図14および図15は、それぞれ、基地局が送信元であるときのビームを走査するシーケンスの第1および第2の概念図である。
【0234】
図14を参照して、基地局AP2,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP1は、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信する。
【0235】
そして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP1が送信ビーム1を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP1の送信ビーム1を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0236】
また、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP1が送信ビーム2を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP1の送信ビーム2を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0237】
以下、同様にして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP1が送信ビームxを用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP1の送信ビームxを用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0238】
引き続いて、基地局AP1,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP2は、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信する。
【0239】
そして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP2が送信ビーム1を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP2の送信ビーム1を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0240】
また、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP2が送信ビーム2を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP2の送信ビーム2を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0241】
以下、同様にして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局AP2が送信ビームxを用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局AP2の送信ビームxを用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0242】
図15を参照して、基地局AP1,AP2がスリープ状態に設定された状態で、基地局APmは、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信する。
【0243】
そして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局APmが送信ビーム1を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局APmの送信ビーム1を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0244】
また、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局APmが送信ビーム2を用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局APmの送信ビーム2を用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0245】
以下、同様にして、端末装置STA1,STA2,STAnは、基地局APmが送信ビームxを用いてフレームを送信しているとき、同期して、受信ビーム1、受信ビーム2、・・・、受信ビームyに順次切り換えて基地局APmの送信ビームxを用いて送信されたフレームを受信ビーム1~受信ビームyで受信する。
【0246】
端末装置STA1は、基地局AP1から送信されたフレームを受信したとき、フレームを受信したときの受信信号強度RSSI_AP1と、基地局AP1から送信されたフレームにより、ビーム番号x_AP1とを検出する。
【0247】
そして、端末装置STA1は、ビーム番号y_AP1と受信信号強度RSSI_AP1とを対応付けた測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA1_1を作成する。
【0248】
また、端末装置STA1は、基地局AP2から送信されたフレームを受信したとき、フレームを受信したときの受信信号強度RSSI_AP2と、基地局AP2から送信されたフレームにより、ビーム番号x_AP2とを検出する。
【0249】
そして、端末装置STA1は、ビーム番号y_AP2と受信信号強度RSSI_AP2とを対応付けた測定結果[ビーム番号y_AP2/受信信号強度RSSI_AP2]_STA1_2を作成する。
【0250】
以下、同様にして、端末装置STA1は、基地局APmから送信されたフレームを受信したとき、フレームを受信したときの受信信号強度RSSI_APmと、基地局APmから送信されたフレームにより、ビーム番号x_APmとを検出する。
【0251】
そして、端末装置STA1は、ビーム番号y_APmと受信信号強度RSSI_APmとを対応付けた測定結果[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA1_mを作成する。
【0252】
また、端末装置STA2は、端末装置STA1と同様にして、測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA2_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA2_mを作成する。
【0253】
以下、同様にして、端末装置STAnは、端末装置STA1と同様にして、測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STAn_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STAn_mを作成する。
【0254】
そうすると、端末装置STA1は、測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA1_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA1_mを自己が接続された基地局AP1へ送信する。
【0255】
また、端末装置STA2は、測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA2_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA2_mを自己が接続された基地局AP2へ送信する。
【0256】
以下、同様にして、端末装置STAnは、測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STAn_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STAn_mを自己が接続された基地局APmへ送信する。
【0257】
そして、基地局AP1は、端末装置STA1から測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA1_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA1_mを受信すると、その受信した測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA1_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA1_mをバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0258】
また、基地局AP2は、端末装置STA2から測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA2_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA2_mを受信すると、その受信した測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STA2_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STA2_mをバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0259】
以下、同様にして、基地局APmは、端末装置STAnから測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STAn_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STAn_mを受信すると、その受信した測定結果[ビーム番号y_AP1/受信信号強度RSSI_AP1]_STAn_1~[ビーム番号y_APm/受信信号強度RSSI_APm]_STAn_mをバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信する。
【0260】
なお、図14において、基地局AP2,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP1が送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信するのは、基地局AP2,APmがスリープ状態でないと、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームが基地局AP2,APmから送信されたで電波と干渉し、端末装置STA1,STA2,STAnが基地局AP1の送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームを正確に受信できないからである。
【0261】
また、図14において、基地局AP1,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP2が送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信するのは、基地局AP1,APmがスリープ状態でないと、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームが基地局AP1,APmから送信された電波と干渉し、端末装置STA1,STA2,STAnが基地局AP2から送信された送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームを正確に受信できないからである。
【0262】
更に、図15において、基地局AP1,AP2がスリープ状態に設定された状態で、基地局APmが送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて順次フレームを送信するのは、基地局AP1,AP2がスリープ状態でないと、送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームが基地局AP1,AP2から送信された電波と干渉し、端末装置STA1,STA2,STAnが基地局APmから送信された送信ビーム1、送信ビーム2、・・・、送信ビームxを用いて送信されたフレームを正確に受信できないからである。
【0263】
図16は、走査スケジュールの例を示す概略図である。なお、図16は、端末装置STAが送信元である場合の走査スケジュールの例を示す(即ち、アップリンクの測定における走査スケジュールの例を示す)。
【0264】
図16を参照して、走査期間TS1~TS5の各々は、タイムスロットによって開始時刻を表す。そして、全ての基地局APおよび端末装置STAは、事前に確立されたリンクによって時刻同期ができているものとする。
【0265】
なお、タイムスロットは、開始時刻に限らず、“開始時刻+終了時刻”を表してもよく、“開始時刻+継続時間”を表してもよい。
【0266】
また、走査期間TS1~TS4の各々は、例えば、4つのサブ走査期間からなる。即ち、走査期間TS1は、4つのサブ走査期間TS1_1~TS1_4からなり、走査期間TS2は、4つのサブ走査期間TS2_1~TS2_4からなり、走査期間TS3は、4つのサブ走査期間TS3_1~TS3_4からなり、走査期間TS4は、4つのサブ走査期間TS4_1~TS4_4からなる。
【0267】
更に、走査期間およびサブ走査期間の長さは、可変とし、1つのサブ走査期間当たりの最小時間は、例えば、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)のフレーム(図7参照)を送信可能な長さに設定される。
【0268】
走査スケジュールは、走査期間TS1において、端末装置STA1がビーム1を形成し、フレームを送信すること、STA2,STAnがスリープ状態になること、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、ビームをビーム1~4に走査しながら端末装置STA1からのフレームを受信することを含む。
【0269】
そして、走査期間TS1は、4個のサブ走査期間TS1_1~TS1_4からなり、サブ走査期間TS1_1は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS1_2は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS1_3は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1からのビーム1を用いて送信されたフレームをビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS1_4は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1からのビーム1を用いて送信されたフレームをビーム4で受信することを含む。
【0270】
また、走査スケジュールは、走査期間TS2において、端末装置STA1がビーム2を用いてフレームを送信すること、STA2,STAnがスリープ状態になること、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、ビームをビーム1~4に走査しながら端末装置STA1からのフレームをビーム1~ビーム4で受信することを含む。
【0271】
更に、走査スケジュールは、走査期間TS3において、端末装置STA1がビーム3を用いてフレームを送信すること、STA2,STAnがスリープ状態になること、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、ビームをビーム1~4に走査しながら端末装置STA1からのフレームをビーム1~ビーム4で受信することを含む。
【0272】
更に、走査スケジュールは、走査期間TS4において、端末装置STA1がビーム4を用いてフレーム送信すること、STA2,STAnがスリープ状態になること、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、ビームをビーム1~4に走査しながら端末装置STA1からのフレームをビーム1~ビーム4で受信することを含む。
【0273】
更に、走査スケジュールは、走査期間TS5において、端末装置STA1が動作をせず、端末装置STA2,STAnがスリープ状態になること、基地局AP1,AP2,APmの各々が測定結果を送信することを含む。
【0274】
従って、走査期間TS5は、基地局AP1,AP2,APmの各々は、上述した方法によって測定結果を作成し、その作成した測定結果をバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信することを含む。
【0275】
なお、走査期間TS2~TS4は、走査期間TS1と同様に、それぞれ、サブ走査期間TS2_1~TS2_4、サブ走査期間TS3_1~TS3_4、およびサブ走査期間TS4_1~TS4_4を含む。
【0276】
そして、サブ走査期間TS2_1は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS2_2は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1からのビーム2をビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS2_3は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS2_4は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム4で受信することを含む。
【0277】
また、サブ走査期間TS3_1は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS3_2は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1からのビーム3をビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS3_3は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS3_4は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム4で受信することを含む。
【0278】
更に、サブ走査期間TS4_1は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS4_2は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS3_3は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS3_4は、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム4で受信することを含む。
【0279】
図17は、走査スケジュールの別の例を示す概略図である。なお、図17は、基地局APが送信元である場合の走査スケジュールの例を示す(即ち、ダウンリンクの測定における走査スケジュールの例を示す)。
【0280】
図17を参照して、走査期間TS1~TS4は、基地局AP2,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP1がそれぞれビーム1~ビーム4を用いてフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、ビームをビーム1~ビーム4に走査して基地局AP1のビーム1~ビーム4のそれぞれで送信されたフレームを受信することを含む。
【0281】
また、走査期間TS5~TS8は、基地局AP1,APmがスリープ状態に設定された状態で、基地局AP2がそれぞれビーム1~ビーム4を用いてフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、ビームをビーム1~ビーム4に走査して基地局AP2のビーム1~ビーム4のそれぞれで送信されたフレームを受信することを含む。
【0282】
更に、走査期間TS9~TS12は、基地局AP1,AP2がスリープ状態に設定された状態で、基地局APmがそれぞれビーム1~ビーム4を用いてフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、ビームをビーム1~ビーム4に走査して基地局APmのビーム1~ビーム4のそれぞれで送信されたフレームを受信することを含む。
【0283】
そして、走査期間TS13は、端末装置STA1,STA2,STAnが、上述した方法によって測定結果を作成し、その作成した測定結果をそれぞれ基地局AP1(=端末装置STA1が接続された基地局),AP2(=端末装置STA2が接続された基地局),APm(=端末装置STAnが接続された基地局)へ送信し、基地局AP1,AP2,APmがそれぞれ端末装置STA1,STA2,STAnから測定結果を受信することを含む。
【0284】
また、走査期間TS14は、基地局AP1,AP2,APmが、それぞれ、端末装置STA1,STA2,STAnから受信した測定結果をバックホール回線BHCを用いて制御装置1へ送信することを含む。
【0285】
走査期間TS1は、サブ走査期間TS1_1~TS1_4からなる。
【0286】
サブ走査期間TS1_1は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム1をビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS1_2は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム1をビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS1_3は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム1をビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS1_4は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム1をビーム4で受信することを含む。
【0287】
また、走査期間TS2は、サブ走査期間TS2_1~TS2_4からなる。
【0288】
サブ走査期間TS2_1は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム2をビーム1で受信することを含み、サブ走査期間TS2_2は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム2をビーム2で受信することを含み、サブ走査期間TS2_3は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム2をビーム3で受信することを含み、サブ走査期間TS2_4は、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1からのビーム2をビーム4で受信することを含む。
【0289】
走査期間TS3~TS4の各々が有するサブ走査期間についても同様である。この場合、走査期間TS3のサブ走査期間TS3_2~TS3_4においては、走査期間TS1のサブ走査期間TS1_2~TS1_4についての説明における“基地局AP1からのビーム1”を“基地局AP1からのビーム3”に読み替え、走査期間TS4のサブ走査期間TS4_2~TS4_4においては、走査期間TS1のサブ走査期間TS1_2~TS1_4についての説明における“基地局AP1からのビーム1”を“基地局AP1からのビーム4”に読み替えればよい。
【0290】
走査期間TS5~TS12におけるサブ走査期間TS5_1~TS5_4,TS6_1~TS6_4,TS7_1~TS7_4,TS8_1~TS8_4,TS9_1~TS9_4,TS10_1~TS10_4,TS11_1~TS11_4,TS12_1~TS12_4についての説明も、上述した走査期間TS1~TS4におけるサブ走査期間TS1_1~TS1_4,TS2_1~TS2_4,TS3_1~TS3_4,TS4_1~TS4_4と同様である。
【0291】
図18は、測定結果を示す概略図である。図18を参照して、測定結果MR_AP1は、基地局AP1がアップリンクで測定した測定結果であり、測定結果MR_AP2は、基地局AP2がアップリンクで測定した測定結果であり、以下、同様にして、測定結果MR_APmは、基地局APmがアップリンクで測定した測定結果である。
【0292】
測定結果MR_AP1において、行方向の“APビーム1”~“APビーム4”は、基地局AP1が端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~4で送信されたフレームを受信するときのビーム1~4である。
【0293】
また、測定結果MR_AP2において、行方向の“APビーム1”~“APビーム4”は、基地局AP2が端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~4で送信されたフレームを受信するときのビーム1~4である。
【0294】
以下、同様にして、測定結果MR_APmにおいて、行方向の“APビーム1”~“APビーム4”は、基地局APmが端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~4で送信されたフレームを受信するときのビーム1~4である。
【0295】
測定結果MR_AP1~MR_APmの各々において、列方向の“STA1ビーム1”~“STA1ビーム4”は、端末装置STA1がフレームの送信に用いたビーム1~ビーム4であり、以下、同様にして、列方向の“STAnビーム1”~“STAnビーム4”は、端末装置STAnがフレームの送信に用いたビーム1~ビーム4である。
【0296】
その結果、測定結果MR_AP1において、“APビーム1”と“STA1ビーム1”とに対応する“-89dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム1で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム2”と“STA1ビーム1”とに対応する“-58dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム2で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム3”と“STA1ビーム1”とに対応する“-84dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム3で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム4”と“STA1ビーム1”とに対応する“-88dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム4で受信したときの受信信号強度である。
【0297】
従って、測定結果MR_AP1において、行方向の4個の受信信号強度RSSIは、受信側である基地局AP1が、端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~ビーム4のそれぞれから送信されたフレームの各々をビーム1~ビーム4で受信したときの受信信号強度である。
【0298】
また、測定結果MR_AP1において、“APビーム1”と“STA1ビーム1”とに対応する“-89dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム1で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム1”と“STA1ビーム2”とに対応する“-60dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム2を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム1で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム1”と“STA1ビーム3”とに対応する“-78dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム3を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム1で受信したときの受信信号強度であり、“APビーム1”と“STA1ビーム4”とに対応する“-89dBm”の受信信号強度RSSIは、端末装置STA1がビーム4を用いてフレームを送信したときに、基地局AP1が、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム1で受信したときの受信信号強度である。
【0299】
測定結果MR_AP1において、“APビーム1”と“STAnビーム1~STAnビーム4”とに対応する受信信号強度RSSIについても、同様である。
【0300】
従って、測定結果MR_AP1において、“APビーム1”と“STA1ビーム1~STA1ビーム4”とに対応する行方向の4個の受信信号強度RSSIは、受信側である基地局AP1が、端末装置STA1のビーム1~ビーム4のそれぞれから送信されたフレームの各々をビーム1で受信したときの受信信号強度である。
【0301】
以下、同様にして、測定結果MR_AP1において、“APビーム1”と“STAnビーム1~STAnビーム4”とに対応する行方向の4個の受信信号強度RSSIは、受信側である基地局AP1が、端末装置STAnのビーム1~ビーム4のそれぞれから送信されたフレームの各々をビーム1で受信したときの受信信号強度である。
【0302】
従って、測定結果MR_AP1において、列方向の4個の受信信号強度RSSIは、受信側である基地局AP1が、端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~ビーム4のそれぞれから送信されたフレームの各々をビーム1で受信したときの受信信号強度である。
【0303】
測定結果MR_AP2,・・・,MR_APmの各々についても、同様である。
【0304】
なお、図18に示す測定結果MR_AP1,MR_AP2,MR_APmにおいては、時系列データとして処理するためのタイムスタンプまたは伝搬損を算出するためのビーム送信側の送信電力を追加してもよい。
【0305】
一方、端末装置STA1、端末装置STA2・・・および端末装置STAnがダウンリンクで測定した測定結果は、端末装置STA1、端末装置STA2・・・および端末装置STAnごとに作成される。端末装置STA1についての測定結果MR_STA1は、図18に示す測定結果MR_AP1の行方向を“端末装置STA1のビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_AP1の列方向を“基地局AP1のビーム1~ビーム4”~“基地局APmのビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_AP1の左上に記載された“AP1”を“STA1”に変えたものになる。
【0306】
また、端末装置STA2がダウンリンクで測定した測定結果MR_STA2は、図18に示す測定結果MR_AP2の行方向を“端末装置STA2のビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_AP2の列方向を“基地局AP1のビーム1~ビーム4”~“基地局APmのビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_AP2の左上に記載された“AP2”を“STA2”に変えたものになる。
【0307】
以下、同様にして、端末装置STAnがダウンリンクで測定した測定結果MR_STAnは、図18に示す測定結果MR_APmの行方向を“端末装置STAnのビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_APmの列方向を“基地局AP1のビーム1~ビーム4”~“基地局APmのビーム1~ビーム4”に変え、図18に示す測定結果MR_APmの左上に記載された“APm”を“STAn”に変えたものになる。
【0308】
測定結果MR_STA1、測定結果MR_STA2、・・・、測定結果MR_STAnについても、時系列データとして処理するためのタイムスタンプまたは伝搬損を算出するためのビーム送信側の送信電力を追加してもよい。
【0309】
図19は、制御装置1において集約された測定結果を示す概略図である。図19を参照して、集約測定結果MR_SMZ_upは、図18に示す測定結果MR_AP1~MR_APmを集約した構成からなる。集約測定結果MR_SMZ_upの“up”は、集約測定結果MR_SMZ_upがアップリンクにおける測定結果を集約したものであることを表わす。
【0310】
その結果、集約測定結果MR_SMZ_upは、基地局AP1~APmの各々が、端末装置STA1~STAnの各々のビーム1~ビーム4で送信されたフレームの各々をビーム1~ビーム4で受信したときの受信信号強度RSSIからなる。
【0311】
なお、基地局AP1~APmが送信側であり、端末装置STA1~STAnが受信側である場合も、集約測定結果MR_SMZ_upと同様な構成からなる集約測定結果MR_SMZ_downが作成される。集約測定結果MR_SMZ_downの“down”は、集約測定結果MR_SMZ_downがダウンリンクにおける測定結果を集約したものであることを表わす。
【0312】
そして、集約測定結果MR_SMZ_downにおいては、行方向に基地局AP1ビーム1~AP1ビーム4,AP2ビーム1~AP2ビーム4,・・・,APmビーム1~APmビーム4が格納され、列方向に端末装置STA1ビーム1~STA1ビーム4,STA2ビーム1~STA2ビーム4,・・・,STAnビーム1~STAnビーム4が格納される。
【0313】
[接続判定]
制御装置1における接続判定について説明する。制御装置1の制御手段12は、全ての測定結果がデータベース13に格納されると、全ての測定結果をデータベース13から読み出して全ての測定結果を集約し、集約測定結果MR_SMZ_upを作成する。
【0314】
集約測定結果MR_SMZ_upは、“AP1ビーム1~AP1ビーム4”と“STA1ビーム1~STA1ビーム4”との組合せ、“AP1ビーム1~AP1ビーム4”と“STA2ビーム1~STA2ビーム4”との組合せ、・・・、“AP1ビーム1~AP1ビーム4”と“STAnビーム1~STAnビーム4”との組合せ、“AP2ビーム1~AP2ビーム4”と“STA2ビーム1~STA2ビーム4”との組合せ、“AP2ビーム1~AP2ビーム4”と“STA2ビーム1~STA2ビーム4”との組合せ、・・・、“AP2ビーム1~AP2ビーム4”と“STAnビーム1~STAnビーム4”との組合せ、以下、同様にして、“APmビーム1~APmビーム4”と“STA1ビーム1~STA1ビーム4”との組合せ、“APmビーム1~APmビーム4”と“STA2ビーム1~STA2ビーム4”との組合せ、・・・、“APmビーム1~APmビーム4”と“STAnビーム1~STAnビーム4”との組合せを含む。即ち、集約測定結果MR_SMZ_upは、(n×m)個の組合せを含む。
【0315】
そして、制御手段12は、集約測定結果MR_SMZ_upに基づいて、各AP-STAの組み合わせにおいて、最も大きい受信信号強度RSSIが得られるときのビーム番号を検出する。
【0316】
その後、制御手段12は、最も大きい受信信号強度RSSI_maxがしきい値(例えば、-60dBm)以上であるか否かを判定する。そして、制御手段12は、最も大きい受信信号強度RSSI_maxがしきい値以上であると判定したとき、最も大きい受信信号強度RSSI_maxが得られるときのビームを接続可能であると判定し、最も大きい受信信号強度RSSI_maxがしきい値以上でないと判定したとき、最も大きい受信信号強度RSSI_maxが得られるときのビームを接続可能でないと判定する。
【0317】
制御手段12は、最も大きい受信信号強度RSSI_maxが得られるときのビームを接続可能であると判定したとき、基地局APのID(=AP_ID)と、接続可能な基地局APのビーム番号bAPと、端末装置STAのID(=STA_ID)と、接続可能な端末装置STAのビーム番号bSTAとの組{AP_ID,bAP,STA_ID,bSTA}を作成する。
【0318】
そうすると、制御手段12は、組{AP_ID,bAP,STA_ID,bSTA}に基づいて、基地局AP向けの接続先情報IF_CNT_APと端末装置STA向けの接続先情報IF_CNT_STAとを作成する。
【0319】
制御手段12は、図19に示す(n×m)個の組合せの各々について、上述した方法によって、組{AP_ID,bAP,STA_ID,bSTA}を作成するとともに、その作成した組{AP_ID,bAP,STA_ID,bSTA}に基づいて基地局AP向けの接続先情報IF_CNT_APと端末装置STA向けの接続先情報IF_CNT_STAとを作成する。
【0320】
そして、制御手段12は、(n×m)個の接続先情報IF_CNT_APおよび(n×m)個の接続先情報IF_CNT_STAを通信手段11へ出力する。
【0321】
通信手段11は、(n×m)個の接続先情報IF_CNT_APおよび(n×m)個の接続先情報IF_CNT_STAを制御手段12から受けると、バックホール回線BHCを用いて(n×m)個の接続先情報IF_CNT_APを全ての基地局APへ送信し、バックホール回線BHCを用いて(n×m)個の接続先情報IF_CNT_STAを端末装置STAが接続されている基地局APへ送信する。
【0322】
そうすると、全ての基地局APは、バックホール回線BHCを介して(n×m)個の接続先情報IF_CNT_APを受信する。また、端末装置STAが接続されている基地局APは、バックホール回線BHCを介して(n×m)個の接続先情報IF_CNT_STAを受信すると、その受信した(n×m)個の接続先情報IF_CNT_STAのうち、自己に接続されている端末装置STAを含む接続先情報を自己に接続されている端末装置STAへ送信する。そして、端末装置STAは、自己が接続されている基地局APから接続先情報IF_CNT_STAを受信する。
【0323】
図20は、基地局AP向けの接続先情報および端末装置STA向けの接続先情報の概略図である。
【0324】
図20の(a)は、基地局AP1向けの接続先情報を示し、図20の(b)は、端末装置STA1向けの接続先情報を示し、図20の(c)は、基地局AP2向けの接続先情報を示し、図20の(d)は、端末装置STA2向けの接続先情報を示す。
【0325】
図20の(a)~(d)において、“NA”は、どのビームも使用できないことを表わす。
【0326】
図20の(a)を参照して、基地局AP1向けの接続先情報は、基地局AP1のビーム2が、宛先である端末装置STA1と接続可能であることを表わす。
【0327】
また、基地局AP1向けの接続先情報は、基地局AP1が、宛先である端末装置STA2と接続可能なビームが有しないことを表す。
【0328】
図20の(b)を参照して、端末装置STA1向けの接続先情報は、端末装置STA1のビーム4が接続先である基地局AP1に接続可能であることを表わす。
【0329】
また、端末装置STA1向けの接続先情報は、端末装置STA1が、接続先である基地局AP2と接続可能なビームが有しないことを表す。
【0330】
更に、図20の(c)を参照して、基地局AP2向けの接続先情報は、基地局AP2のビーム3が、宛先である端末装置STA2と接続可能であることを表わす。
【0331】
また、基地局AP2向けの接続先情報は、基地局AP2が、宛先である端末装置STA1と接続可能なビームが有しないことを表す。
【0332】
更に、図20の(d)を参照して、端末装置STA2向けの接続先情報は、端末装置STA2が、接続先である基地局AP1と接続可能なビームが有しないことを表す。
【0333】
また、端末装置STA2向けの接続先情報は、端末装置STA2のビーム4が、接続先である基地局2と接続可能であることを表す。
【0334】
なお、図19に示す集約測定結果MR_SMZ_upにおいては、“AP1ビーム1”-“STA1ビーム1”~“STA1ビーム4”の組み合わせにおいて、最大の受信信号強度RSSI=-60dBmが得られ、“AP1ビーム2”-“STA1ビーム1”~“STA1ビーム4”の組み合わせにおいて、最大の受信信号強度RSSI=-58dBmが得られ、“AP1ビーム3”-“STA1ビーム1”~“STA1ビーム4”の組み合わせにおいて、最大の受信信号強度RSSI=-62dBmが得られ、“AP1ビーム4”-“STA1ビーム1”~“STA1ビーム4”の組み合わせにおいて、最大の受信信号強度RSSI=-75dBmが得られる。
【0335】
そして、これらの最大の受信信号強度RSSIのうち、しきい値(=-60dBm)以上である最大の受信信号強度RSSIは、-60dBmおよび-58dBmである。
【0336】
その結果、-60dBmが得られる(AP1ビーム1,STA1ビーム2)は、接続可能であると判定され、-58dBmが得られる(AP1ビーム2,STA1ビーム1)は、接続可能であると判定される。
【0337】
そして、組{1,1,1,2}が、-60dBmの受信信号強度RSSIに対して得られ、組{1,2,1,1}が、-58dBmの受信信号強度RSSIに対して得られる。
【0338】
そうすると、制御装置1の制御手段12は、組{1,1,1,2},{1,2,1,1}に基づいて基地局AP向けの接続先情報と端末装置STA向けの接続先情報とを生成する。
【0339】
図21は、組{1,1,1,2},{1,2,1,1}に基づいて作成された基地局AP向けの接続先情報と端末装置STA向けの接続先情報の概略図である。
【0340】
図21を参照して、図21の(a)は、基地局PA1向けの接続先情報であり、図21の(b)は、端末装置STA1向けの接続先情報である。
【0341】
組{1,1,1,2}の下線部の“1”は、端末装置STA1のIDを表し、組{1,1,1,2}の下線部の“1”は、基地局AP1のビーム番号を表すので、基地局AP1のビーム番号=1のビームは、宛先である端末装置STA1に接続可能であることを表わす(図21の(a)参照)。
【0342】
また、組{1,2,1,1}の下線部の“1”は、端末装置STA1のIDを表し、組{1,2,1,1}の下線部の“2”は、基地局AP1のビーム番号を表すので、基地局AP1のビーム番号=2のビームは、宛先である端末装置STA1に接続可能であることを表わす(図21の(a)参照)。
【0343】
従って、図21の(a)に示すAP1向け接続情報が作成される。
【0344】
更に、組{1,1,1,2}の下線部の“2”は、端末装置STA1のビーム番号を表し、組{1,1,1,2}の下線部の“1”は、基地局AP1の識別情報であるので、端末装置STA1のビーム番号=2のビームは、宛先である基地局AP1に接続可能であることを表わす(図21の(b)参照)。
【0345】
更に、組{1,2,1,1}の下線部の“1”は、端末装置STA1のビーム番号を表し、組{1,2,1,1}の下線部の“1”は、基地局AP1の識別情報であるので、端末装置STA1のビーム番号=1のビームは、宛先である基地局AP1に接続可能であることを表わす(図21の(b)参照)。
【0346】
その結果、図21に示すAP1向けの接続先情報およびSTA1向けの接続先情報が作成される。
【0347】
図22は、この発明の実施の形態による通信システム10の動作を説明するためのフローチャートである。
【0348】
図22を参照して、通信システム10の動作が開始されると、通信システム10の制御装置1は、接続判定が必要であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0349】
この場合、制御装置1は、新しい端末装置が通信システム10に入ってきたと判定したとき、接続判定が必要であると判定し、新しい端末装置が通信システム10に入って来なかったと判定したとき、接続判定が必要でないと判定する。
【0350】
ステップS21において、制御装置1が、接続判定が必要であると判定したとき、制御装置1は、mがn以上であるか否か(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数n以上であるか否か)を判定する(ステップS22)。
【0351】
ステップS22において、mがn以上である(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数n以上である)と判定されたとき、(I) 全ての端末装置および基地局へ走査スケジュールを送信すること、(II)端末装置が送信し、基地局が受信したときの受信信号強度を測定すること、および(III)各基地局から制御装置へ測定結果を送信することが順次実行される(ステップS23)。
【0352】
一方、ステップS22において、mがn以上でない(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも小さい)と判定されたとき、(I) 全ての端末装置および基地局へ走査スケジュールを送信すること、(IV)基地局が送信し、端末装置が受信したときの受信信号強度を測定すること、(V)端末装置から接続中の基地局へ測定結果を送信すること、および(VI)端末装置が接続された基地局から制御装置へ測定結果を送信することが順次実行される(ステップS24)。
【0353】
そして、ステップS23またはステップS24の後、制御装置1は、接続判定を実行する(ステップS25)。
【0354】
そうすると、ステップS21において、接続判定が必要でないと判定されたとき、またはステップS25の後、通信システム10の動作が終了する。
【0355】
図23は、図22のステップS23の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0356】
図23を参照して、ステップS22において、mがn以上である(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数n以上である)と判定されたとき、制御装置1は、バックホール回線BHCを用いて各基地局へ走査スケジュールを送信する(ステップS23-1)。
【0357】
そして、全ての基地局は、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを受信する。その後、全ての基地局のうち、端末装置と接続中の基地局は、接続中の端末装置へ走査スケジュールを送信する(ステップS23-2)。
【0358】
そうすると、全ての基地局および端末装置は、i=1を設定し(ステップS23-3)、j=1を設定し(ステップS23-4)、k=1を設定する(ステップS23-5)。
【0359】
ここで、“i”は、端末装置の引数であり、“j”は、端末装置のビームの引数であり、“k”は、基地局のビームの引数である。
【0360】
ステップS23-5の後、i番目の端末装置STAi以外の端末装置がスリープ状態へ移行する(ステップS23-6)。この場合、i番目の端末装置STAi以外の端末装置は、走査スケジュールを参照してスリープ状態へ移行する。
【0361】
ステップS23-6の後、接続判定の対象であるi番目の端末装置STAiがビームjを用いてフレームを送信する(ステップS23-7)。
【0362】
そして、全ての基地局が同期して、ビームjを用いて送信されたフレームをビームkで受信する(ステップS23-8)。そして、全ての基地局の各々は、フレームをビームkで受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームjで送信されたフレームからビームjのビーム番号を検出し、測定結果[ビーム番号/受信信号強度RSSI]を作成する。
【0363】
そうすると、全ての基地局は、k=xであるか否かを判定する(ステップS23-9)。
【0364】
ステップS23-9において、k=xでないと判定されたとき、全ての基地局は、k=k+1を設定する(ステップS23-10)。
【0365】
その後、通信システム10の動作は、ステップS23-6へ移行し、ステップS23-9において、k=xであると判定されるまで、ステップS23-6~ステップS23-10が繰り返し実行される。
【0366】
そして、ステップS23-9において、k=xであると判定されると、全ての基地局は、j=yであるか否かを判定する(ステップS23-11)。
【0367】
ステップS23-11において、j=yでないと判定されたとき、全ての基地局は、j=j+1を設定する(ステップS23-12)。
【0368】
その後、通信システム10の動作は、ステップS23-5へ移行し、ステップS23-11において、j=yであると判定されるまで、ステップS23-5~ステップS23-12が繰り返し実行される。
【0369】
そして、ステップS23-11において、j=yであると判定されると、全ての基地局は、i=nであるか否かを判定する(ステップS23-13)。
【0370】
ステップS23-13において、i=nでないと判定されたとき、全ての基地局は、i=i+1を設定する(ステップS23-14)。
【0371】
その後、通信システム10の動作は、ステップS23-4へ移行し、ステップS23-13において、i=nであると判定されるまで、ステップS23-4~ステップS23-14が繰り返し実行される。
【0372】
そして、ステップS23-13において、i=nであると判定されると、各基地局は、バックホール回線BHCを用いて制御装置1へ測定結果を送信する(ステップS23-15)。
【0373】
その後、制御装置は、各基地局から測定結果を受信する(ステップS23-16)。
【0374】
そして、ステップS23-16の後、通信システム10の動作は、図22のステップS25へ移行する。
【0375】
図23に示すフローチャートにおいては、ステップS23-9において、k=xであると判定されるまで、ステップS23-6~ステップS23-10が繰り返し実行されることは、i番目の端末装置STAi以外の端末装置がスリープ状態であるときに、全ての基地局(=m個の基地局)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームxに順次走査してi番目の端末装置STAiのビームjを用いて送信されたフレームを受信することに相当する。
【0376】
また、図23に示すフローチャートにおいては、ステップS23-11において、j=yであると判定されるまで、ステップS23-5~ステップS23-12が繰り返し実行されることは、i番目の端末装置STAi以外の端末装置がスリープ状態であるときに、全ての基地局(=m個の基地局)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームxに順次走査してi番目の端末装置STAiがビームjを用いて送信したフレームを受信する受信処理を、i番目の端末装置STAiによって走査されるy個のビーム1~ビームyの全てについて実行することに相当する。
【0377】
更に、図23に示すフローチャートにおいては、ステップS23-13において、i=nであると判定されるまで、ステップS23-4~ステップS23-14が繰り返し実行されることは、i番目の端末装置STAi以外の端末装置がスリープ状態であるときに、全ての基地局(=m個の基地局)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームxに順次走査してi番目の端末装置STAiがビームjを用いて送信したフレームを受信する受信処理を、i番目の端末装置STAiによって走査されるy個のビーム1~ビームyの全てについて実行するビーム走査処理を全ての端末装置(=n個の端末装置)について実行することに相当する。
【0378】
このように、全ての基地局(=m個の基地局)が、同期して、ビーム走査処理を全ての端末装置(=m個の端末装置)について実行することによって、全ての基地局(=m個の基地局)は、端末装置のビームjを用いて送信したフレームを同時に受信することを、y回、実行すれば、全ての基地局(=m個の基地局)が端末装置から送信されるy個のビーム1~ビームyを用いて送信したフレームの全てを受信したことになる。
【0379】
一方、各基地局が、異なるタイミングで端末装置のy個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームを受信する場合、m個の基地局が端末装置から送信されたフレームを受信する回数は、(m×y)回である。
【0380】
従って、各基地局が、異なるタイミングで端末装置のy個のビーム1~ビームyを受信する場合に比べ、端末装置から送信されるy個のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームを受信する受信回数を減少できる。その結果、接続判定のプロセスまたはリソースを削減できる。
【0381】
図24は、図22のステップS24の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0382】
図24に示すフローチャートは、図23に示すフローチャートのステップS23-3~ステップS23-15をステップS24-1~ステップS24-13に変えたものであり、その他は、図23に示すフローチャートと同じである。
【0383】
図24を参照して、上述したステップS22において、mがn以上でないと判定されたとき(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも小さいと判定されたとき)、上述したステップS23-1およびステップS23-2が順次実行される。
【0384】
そして、ステップS23-2の後、全ての基地局および端末装置は、p=1を設定し(ステップS24-1)、k=1を設定し(ステップS24-2)、j=1を設定する(ステップS24-3)。ここで、“p”は、基地局の引数である。
【0385】
ステップS24-3の後、p番目の基地局以外の基地局がスリープ状態へ移行する(ステップS24-4)。この場合、p番目の基地局以外の基地局は、走査スケジュールを参照してスリープ状態へ移行する。
【0386】
ステップS24-4の後、接続判定の対象であるp番目の基地局がビームkを用いてフレームを送信する(ステップS24-5)。
【0387】
そして、全ての端末装置が同期して、ビームkを用いて送信されたフレームをビームjで受信する(ステップS24-6)。そして、全ての端末装置の各々は、ビームkを受信したときの受信信号強度RSSIを検出するとともにビームkで送信されたフレームからビームkのビーム番号を検出し、測定結果[ビーム番号/受信信号強度RSSI]を作成する。
【0388】
そうすると、全ての端末装置は、j=yであるか否かを判定する(ステップS24-7)。
【0389】
ステップS24-7において、j=yでないと判定されたとき、全ての端末装置は、j=j+1を設定する(ステップS24-8)。
【0390】
その後、通信システム10の動作は、ステップS24-4へ移行し、ステップS24-7において、j=yであると判定されるまで、ステップS24-4~ステップS24-8が繰り返し実行される。
【0391】
そして、ステップS24-7において、j=yであると判定されると、全ての端末装置は、k=xであるか否かを判定する(ステップS24-9)。
【0392】
ステップS24-9において、k=xでないと判定されたとき、全ての端末装置は、k=k+1を設定する(ステップS24-10)。
【0393】
その後、通信システム10の動作は、ステップS24-3へ移行し、ステップS24-9において、k=xであると判定されるまで、ステップS24-3~ステップS24-10が繰り返し実行される。
【0394】
そして、ステップS24-9において、k=xであると判定されると、全ての端末装置は、p=mであるか否かを判定する(ステップS24-11)。
【0395】
ステップS24-11において、p=mでないと判定されたとき、全ての端末装置は、p=p+1を設定する(ステップS24-12)。
【0396】
その後、通信システム10の動作は、ステップS24-2へ移行し、ステップS24-11において、p=mであると判定されるまで、ステップS24-2~ステップS24-12が繰り返し実行される。
【0397】
そして、ステップS24-11において、p=mであると判定されると、各端末装置は、接続中の基地局へ測定結果を送信する(ステップS24-13)。
【0398】
その後、上述したステップS23-16が実行され、ステップS23-16の後、通信システム10の動作は、図22のステップS25へ移行する。
【0399】
図24に示すフローチャートにおいては、ステップS24-7において、j=yであると判定されるまで、ステップS24-4~ステップS24-8が繰り返し実行されることは、p番目の基地局以外の基地局がスリープ状態であるときに、全ての端末装置(=n個の端末装置)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームyに順次走査してp番目の基地局のビームkを用いて送信されたフレームを受信することに相当する。
【0400】
また、図24に示すフローチャートにおいては、ステップS24-9において、k=xであると判定されるまで、ステップS24-3~ステップS24-10が繰り返し実行されることは、p番目の基地局以外の基地局がスリープ状態であるときに、全ての端末装置(=n個の端末装置)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームyに順次走査してp番目の基地局のビームkを用いて送信されたフレームを受信する受信処理を、p番目の基地局によって走査されるx個のビーム1~ビームxの全てについて実行することに相当する。
【0401】
更に、図24に示すフローチャートにおいては、ステップS24-11において、p=mであると判定されるまで、ステップS24-2~ステップS24-12が繰り返し実行されることは、p番目の基地局以外の基地局がスリープ状態であるときに、全ての端末装置(=n個の端末装置)が、同期して、ビームを全てのビーム1~ビームyに順次走査してp番目の基地局のビームkを用いて送信されたフレームを受信する受信処理を、p番目の基地局によって走査されるx個のビーム1~ビームxの全てについて実行するビーム走査処理を全ての基地局(=m個の基地局)について実行することに相当する。
【0402】
このように、全ての端末装置(=n個の端末装置)が、同期して、ビーム走査処理を全ての基地局(=m個の基地局)について実行することによって、全ての端末装置(=n個の端末装置)は、基地局のビームkを用いて送信されたフレームを同時に受信することを、x回、実行すれば、全ての端末装置(=n個の端末装置)が基地局から送信されるx個のビーム1~ビームxの全てで受信したことになる。
【0403】
一方、各端末装置が、異なるタイミングで基地局から送信されるx個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームを受信する場合、n個の端末装置が基地局から送信されたフレームを受信する回数は、(n×x)回である。
【0404】
従って、各端末装置が、異なるタイミングで基地局のx個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームを受信する場合に比べ、基地局のx個のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームを受信する受信回数を減少できる。その結果、接続判定のプロセスまたはリソースを削減できる。
【0405】
図25は、図22のステップS25の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0406】
図25を参照して、図22のステップS23またはステップS24の後、制御装置1の制御手段12は、全ての測定結果をデータベース13から読み出し、その読み出した全ての測定結果を集約する(ステップS251)。
【0407】
そして、制御手段12は、z=1を設定する(ステップS252)。ここで、zは、各基地局と各端末装置との組合せを示す引数である。
【0408】
ステップS252の後、制御手段12は、集約した測定結果に基づいて、各基地局と各端末装置との組合せzにおいて、最大の受信信号強度RSSI_max_zが得られるときのビーム番号bSTA_z,bAP_zを検出する(ステップS253)。
【0409】
そうすると、制御手段12は、最大の受信信号強度RSSI_max_zがしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS254)。
【0410】
ステップS254において、最大の受信信号強度RSSI_max_zがしきい値以上であると判定されたとき、制御手段12は、最大の受信信号強度RSSI_max_zが得られるときのビームを接続可能であると判定する(ステップS255)。
【0411】
そして、制御手段12は、基地局の識別情報AP_ID、接続可能な基地局のビーム番号bAP_z、端末装置の識別情報STA_ID、接続可能な端末装置のビーム番号bSTA_zとの組{AP_ID,bAP_z,STA_ID,bSTA_z}を作成する(ステップS256)。
【0412】
引き続いて、制御手段12は、組{AP_ID,bAP_z,STA_ID,bSTA_z}に基づいて、基地局向けの接続先情報IF_CNT_APと、端末装置向けの接続先情報IF_CNT_STAとを作成する(ステップS257)。
【0413】
その後、制御手段12は、通信手段11およびバックホール回線BHCを介して、基地局向けの接続先情報IF_CNT_APを全ての基地局APへ送信し、通信手段11およびバックホール回線BHCを介して、端末装置向けの接続先情報IF_CNT_STAを端末装置が接続された基地局へ送信する(ステップS258)。
【0414】
一方、ステップS254において、最大の受信信号強度RSSI_max_zがしきい値以上でないと判定したとき、制御手段12は、最大の受信信号強度RSSI_max_zが得られるときのビームを接続不可であると判定する(ステップS259)。
【0415】
そして、ステップS258またはステップS259の後、制御手段12は、z=Zであるか否かを判定する(ステップS260)。ここで、Zは、各基地局と各端末装置との組合せの総数である。
【0416】
ステップS260において、z=Zでないと判定されたとき、制御手段12は、z=z+1を設定する(ステップS261)。その後、ステップS25の詳細な動作は、ステップS253へ移行し、ステップS260において、z=Zであると判定されるまで、ステップS253~ステップS261が繰り返し実行される。
【0417】
そして、ステップS260において、z=Zであると判定されると、通信システム10の動作は、図22の“終了”へ移行する。
【0418】
図26は、制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図26を参照して、制御装置1の動作が開始されると、制御手段12は、g=1を設定し(ステップS31)、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して、基地局AP_gから基地局と端末装置との接続関係を示す接続情報IF_CNT_gを受信する(ステップS32)。なお、gは、接続情報を示す引数である。
【0419】
そして、通信手段11は、接続情報IF_CNT_gを制御手段12へ出力する。制御手段12は、接続情報IF_CNT_gを通信手段11から受けると、内蔵したタイマーを参照して、接続情報IF_CNT_gを受けたときの時刻tを検出し、接続情報IF_CNT_gを時刻tに対応付けてデータベース13に格納する(ステップS33)。
【0420】
そうすると、制御手段12は、g=Gであるか否かを判定する(ステップS34)。ここで、Gは、接続情報の総数である。
【0421】
ステップS34において、g=Gでないと判定されたとき、制御手段12は、g=g+1を設定する(ステップS35)。その後、制御装置1の動作は、ステップS32へ移行し、ステップS34において、g=Gであると判定されるまで、ステップS32~ステップ35が繰り返し実行される。
【0422】
そして、ステップS34において、g=Gであると判定されたとき、制御手段12は、上述した方法によって、接続判定が必要であるか否かを判定する(ステップS36)。
【0423】
ステップS36において、接続判定が必要であると判定されたとき、制御手段12は、Q個の接続情報IF_CNT_1~IF_CNT_Gに基づいて基地局の個数nと端末装置の個数mとを検出する(ステップS37)。
【0424】
そうすると、制御手段12は、mがn以上であるか否かを判定する(ステップS38)。
【0425】
ステップS38において、mがn以上でないと判定されたとき(即ち、mがnよりも小さいと判定されたとき)、制御手段12は、第1の走査スケジュールを作成する(ステップS39)。そして、制御手段12は、第1の走査スケジュールを通信手段11へ出力する。
【0426】
ここで、第1の走査スケジュールは、m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行するための走査スケジュールである。図17に示すように、走査期間TS1において、基地局AP1がビーム1を用いてフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS2において、基地局AP1がビーム2を用いてフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS3において、基地局AP1がビーム3を用いて送信されたフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS4において、基地局AP1がビーム4を用いて送信されたフレームを送信し、端末装置STA1,STA2,STAnが、同期して、基地局AP1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信しているからである。
【0427】
一方、ステップS38において、mがn以上であると判定されたとき、制御手段12は、第2の走査スケジュールを作成する(ステップS40)。そして、制御手段12は、第2の走査スケジュールを通信手段11へ出力する。
【0428】
ここで、第2の走査スケジュールは、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行するための走査スケジュールである。図16に示すように、走査期間TS1において、端末装置STA1がビーム1を用いてフレームを送信し、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム1を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS2において、端末装置STA1がビーム2を用いてフレームを送信し、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム2を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS3において、端末装置STA1がビーム3を用いてフレームを送信し、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム3を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信し、走査期間TS4において、端末装置STA1がビーム4を用いてフレームを送信し、基地局AP1,AP2,APmが、同期して、端末装置STA1のビーム4を用いて送信されたフレームをビーム1~ビーム4で逐次受信しているからである。
【0429】
そして、ステップS39またはステップS40の後、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して、第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュールを全ての基地局へ送信する(ステップS41)。
【0430】
その後、通信手段11は、バックホール回線BHCを介して、全ての基地局から測定結果を受信する(ステップS42)。そして、通信手段11は、測定結果を制御手段12へ出力する。
【0431】
制御手段12は、内蔵したタイマーを参照して、通信手段11から測定結果を受けたときの時刻tを検出し、測定結果を時刻tに対応付けてデータベース13に格納する(ステップS43)。
【0432】
その後、制御手段12は、図25のステップS251~ステップS261を順次実行する(ステップS44)。
【0433】
そして、ステップS36において、接続判定が必要でないと判定されたとき、またはステップS44の後、制御装置1の動作が終了する。
【0434】
図26に示すフローチャートによれば、制御手段12は、基地局の個数mと端末装置の個数nとの大小関係に応じて、第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュールを作成する(ステップS37~ステップS40参照)。
【0435】
そして、第1の走査スケジュールは、m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行するための走査スケジュールである。
【0436】
また、第2の走査スケジュールは、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行するための走査スケジュールである。
【0437】
従って、制御手段12は、基地局の個数mが端末装置の個数n以上でないとき(即ち、基地局の個数mが端末装置の個数nよりも小さいとき)、m個の基地局のうちの1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行するための第1の走査スケジュールを作成するので(ステップS39参照)、m個の基地局およびn個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査した場合、1つの基地局から1個のビームを用いて送信されたフレームを、n個の端末装置が同期してビームを走査しながら受信する第1の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第1のビーム走査処理をm個の基地局の全てについて実行する。
【0438】
その結果、n個の端末装置が第1の走査スケジュールに基づいてビームを走査する回数(=y)は、n個の端末装置が、それぞれ、異なるタイミングでビームを走査する場合の回数(=n×y)よりも少なくなる。よって、n個の端末装置がビームを走査する回数を少なくでき、n個の端末装置がビームを走査するときのリソースを低減できる。
【0439】
また、制御手段12は、基地局の個数mが端末装置の個数n以上であるとき、n個の端末装置のうちの1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の端末装置によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行するための第2の走査スケジュールを作成するので(ステップS40参照)、m個の基地局およびn個の端末装置が第2の走査スケジュールに基づいてビームを走査した場合、1つの端末装置から1個のビームを用いて送信されたフレームを、m個の基地局が同期してビームを走査しながら受信する第2の受信処理を1個の基地局によって走査される全てのビームについて実行する第2のビーム走査処理をn個の端末装置の全てについて実行する。
【0440】
その結果、m個の基地局が第2の走査スケジュールに基づいてビームを走査する回数(=x)は、m個の基地局が、それぞれ、異なるタイミングでビームを走査する場合の回数(=m×x)よりも少なくなる。よって、m個の基地局がビームを走査する回数を少なくでき、m個の基地局がビームを走査するときのリソースを低減できる。
【0441】
図27は、基地局2の動作を説明するためのフローチャートである。図27を参照して、基地局2の動作が開始されると、基地局2の制御手段26は、自己に接続している端末装置があるか否かを判定する(ステップS51)。基地局2の制御手段26は、基地局2との間で通信を行っている端末装置を認識しているので、ステップS51において、基地局2との間で通信を行っている端末装置が有れば、自己に接続している端末装置が有ると判定し、基地局2との間で通信を行っている端末装置が無ければ、自己に接続している端末装置が無いと判定する。
【0442】
ステップS51において、自己に接続している端末装置が有ると判定されたとき、制御手段26は、基地局2と基地局2に接続している端末装置との接続関係を示す接続情報を作成する(ステップS52)。
【0443】
そして、制御手段26は、接続情報を通信手段27へ出力する。通信手段27は、制御手段26から接続情報を受けると、バックホール回線BHCを介して接続情報を制御装置へ送信する(ステップS53)。
【0444】
その後、通信手段27は、バックホール回線BHCを介して、制御装置1から走査スケジュールを受信し(ステップS54)、その受信した走査スケジュールを制御手段26へ出力する。この場合、通信手段27は、上述した第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュールを受信する。
【0445】
制御手段26は、走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を通信手段27から受けると、走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を保持するとともに走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を無線通信手段24へ出力して走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を基地局2に接続された端末装置へ送信するように無線通信手段24を制御する。
【0446】
無線通信手段24は、走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を制御手段26から受けると、マイクロ波帯のビームをアンテナ21Aから放射するようにビームフォーミング手段21を制御して走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)をアンテナ21Aへ出力する。これによって、走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)が基地局2に接続されている端末装置へ送信される(ステップS55)。
【0447】
ステップS55の後、制御手段26は、走査スケジュール(=第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュール)を参照して、基地局2がビームを用いたフレームの送信先であるか否かを判定する(ステップS56)。
【0448】
この場合、制御手段26は、走査スケジュールが第1の走査スケジュールであるとき、基地局2がビームを用いたフレームの送信先でないと判定し、走査スケジュールが第2の走査スケジュールであるとき、基地局2がビームを用いたフレームの送信先であると判定する。
【0449】
ステップS56において、基地局2がビームを用いたフレームの送信先であると判定されたとき、基地局2は、ビームをk個のビームに走査して端末装置のビームiを用いて送信されたフレームを受信することを端末装置からのy個のビームについて実行してy個の受信信号強度とy個のビーム番号とを検出して測定結果を作成する(ステップS57)。
【0450】
一方、ステップS56において、基地局2がビームを用いたフレームの送信先でないと判定されたとき、基地局2は、ビームをx個のビームに走査してx個のビームで順次フレームを送信する(ステップS58)。
【0451】
その後、基地局2の無線通信手段24は、アンテナ21Aを介して、自己(基地局2)に接続されている端末装置から測定結果を受信し(ステップS59)、その受信した測定結果を制御手段26へ出力する。
【0452】
ステップS57またはステップS59の後、制御手段26は、測定結果を通信手段27へ出力する。通信手段27は、制御手段26から測定結果を受けると、バックホール回線BHCを介して、測定結果を制御装置1へ送信する(ステップS60)。
【0453】
そして、基地局2の通信手段27は、バックホール回線BHCを介して、自己宛て(基地局2宛て)の接続先情報と、自己(基地局2)に接続している端末装置宛ての接続先情報とを制御装置1から受信する(ステップS61)。
【0454】
その後、制御手段26は、自己(基地局2)に接続している端末装置宛ての接続先情報を無線通信手段24へ出力する。
【0455】
無線通信手段24は、自己(基地局2)に接続している端末装置宛ての接続先情報を制御手段26から受けると、マイクロ波帯のビームをアンテナ21Aから放射するようにビームフォーミング手段21を制御して端末装置宛ての接続先情報をアンテナ21Aへ出力する。これによって、端末装置宛ての接続先情報が基地局2に接続されている端末装置へ送信される(ステップS62)。これによって、基地局2の動作が終了する。
【0456】
図28は、図27のステップS57の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0457】
図28を参照して、図27のステップS56において、基地局2がビームを用いたフレームの送信先であると判定されたとき、基地局2の制御手段26は、k=1を設定する(ステップS571)。
【0458】
そして、制御手段26は、テラヘルツ帯のx個のビーム1~ビームxを順次形成するように無線通信手段24を制御する。
【0459】
そうすると、無線通信手段24は、ビーム番号kのビームkをアンテナ23Aが形成するようにビームフォーミング手段23を制御する。
【0460】
そして、ビームフォーミング手段23は、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってビーム番号kのビームkをアンテナ23Aで形成する。
【0461】
その結果、無線通信手段24は、アンテナ23Aを介して、端末装置のビームjを用いて送信されたフレームをビームkで受信し(ステップS572)、受信信号を取得する。
【0462】
そして、無線通信手段24は、受信信号を測定手段25へ出力する。測定手段25は、無線通信手段24から受信信号を受けると、受信信号を受信したときの受信信号強度RSSIを測定するとともに、ビームkを用いて送信されたフレームからビーム番号を検出する。
【0463】
そうすると、測定手段25は、受信信号強度RSSIとビーム番号とを制御手段26へ出力する。制御手段26は、測定手段25から受信信号強度RSSIとビーム番号とを受け、その受けた受信信号強度RSSIとビーム番号とを含む測定結果を作成する(ステップS573)。
【0464】
その後、制御手段26は、k=xであるか否かを判定する(ステップS574)。
【0465】
ステップS574において、k=xでないと判定されたとき、制御手段26は、k=k+1を設定する(ステップS575)。その後、基地局2の動作は、ステップS572へ移行し、ステップS574において、k=xであると判定されるまで、ステップS572~ステップS575が繰り返し実行される。
【0466】
そして、ステップS574において、k=xであると判定されると、基地局2の動作は、図27のステップS60へ移行する。
【0467】
図29は、図27のステップS58の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0468】
図29を参照して、図27のステップS56において、自己(基地局2)がビームを用いたフレームの送信先でないと判定されたとき、基地局2の制御手段26は、k=1を設定する(ステップS581)。
【0469】
そして、制御手段26は、テラヘルツ帯のビームkを形成するように無線通信手段24を制御する。
【0470】
そうすると、無線通信手段24は、ビーム番号kのビームkをアンテナ23Aが形成するようにビームフォーミング手段23を制御する。
【0471】
そして、ビームフォーミング手段23は、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってビーム番号kのビームkをアンテナ23Aで形成し、フレームを送信する(ステップS582)。
【0472】
その後、制御手段26は、k=xであるか否かを判定する(ステップS583)。
【0473】
ステップ583において、k=xでないと判定されたとき、制御手段は、k=k+1を設定する(ステップS584)。その後、基地局2の動作は、ステップS582へ移行し、ステップS583において、k=xであると判定されるまで、ステップS582~ステップS584が繰り返し実行される。
【0474】
そして、ステップS583において、k=xであると判定されると、基地局2の動作は、図27のステップS59へ移行する。
【0475】
なお、基地局3~6の各々の動作も、図27に示すフローチャート(図28および図29に示すフローチャートを含む)に従って実行される。
【0476】
図30は、端末装置7の動作を説明するためのフローチャートである。図30を参照して、端末装置7の動作が開始されると、無線通信手段74は、ビームフォーミング手段71によってマイクロ波帯のビームを形成するように制御されたアンテナ21Aを介して、端末装置7が接続されている基地局から走査スケジュールを受信し(ステップS71)、その受信した走査スケジュールを制御手段76へ出力する。
【0477】
制御手段76は、走査スケジュールを無線通信手段74から受ける。そして、制御手段76は、走査スケジュールを参照して、端末装置7がビームを用いたフレームの送信先であるか否かを判定する(ステップS72)。
【0478】
ステップS72において、端末装置7がビームを用いたフレームの送信先であると判定されたとき、制御手段76は、k=1を設定する(ステップS73)。
【0479】
そして、制御手段76は、y個のビーム1~ビームyをアンテナ73Aで形成するように無線通信手段74を制御する。無線通信手段74は、制御手段76からの制御に応じて、テラヘルツ帯のy個のビーム1~ビームyをアンテナ73Aで形成するようにビームフォーミング手段73を制御する。
【0480】
そして、ビームフォーミング手段73は、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってy個のビーム1~ビームyをアンテナ73Aで形成する。
【0481】
その結果、無線通信手段74は、アンテナ73Aを介して、基地局のビームkを用いて送信されたフレームをy個のビーム1~ビームyで走査して受信し(ステップS74)、y個の受信信号を取得する。
【0482】
そして、無線通信手段74は、y個の受信信号を測定手段75へ出力する。測定手段75は、無線通信手段74からy個の受信信号を受けると、y個の受信信号を受信したときのy個の受信信号強度RSSI_1~RSSI_yを測定するとともに、y個のビーム1~ビームyを用いて送信されたy個のフレームからy個のビーム番号b_1~b_yを検出する。
【0483】
そうすると、測定手段75は、受信信号強度RSSI_1~RSSI_yとビーム番号b_1~b_yとを制御手段76へ出力する。制御手段76は、測定手段75から受信信号強度RSSI_1~RSSI_yとビーム番号b_1~b_yとを受け、その受けた受信信号強度RSSI_1~RSSI_yとビーム番号b_1~b_yとを含む測定結果MR_1~MR_yを作成する(ステップS75)。
【0484】
そして、制御手段76は、k=xであるか否かを判定する(ステップS76)。
【0485】
ステップS76において、k=xでないと判定されたとき、制御手段76は、k=k+1を設定する(ステップS77)。その後、端末装置7の動作は、ステップS74へ移行し、ステップS76において、k=xであると判定されるまで、ステップS74~ステップS77が繰り返し実行される。
【0486】
そして、ステップS76において、k=xであると判定されると、制御手段76は、測定結果{MR_1~MR_y}_1~{MR_1~MR_y}_xを無線通信手段74へ出力する。
【0487】
無線通信手段74は、制御手段76から測定結果{MR_1~MR_y}_1~{MR_1~MR_y}_xを受けると、マイクロ波帯のビームをアンテナ71Aから送信するようにビームフォーミング手段71を制御する。
【0488】
そして、ビームフォーミング手段71は、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってマイクロ波帯のビームをアンテナ71Aから放射する。
【0489】
その結果、無線通信手段74は、アンテナ71Aを介して、測定結果{MR_1~MR_y}_1~{MR_1~MR_y}_xを端末装置が接続されている基地局へ送信する(ステップS78)。
【0490】
一方、ステップS72において、端末装置7がビームを用いたフレームの送信先でないと判定されたとき、無線通信手段74は、j=1を設定し(ステップS79)、ビームjを形成するようにビームフォーミング手段73Aを制御する。
【0491】
そして、ビームフォーミング手段73Aは、アナログビームフォーミングまたはデジタルビームフォーミングによってアンテナ73Aから、ビームjを形成し、フレームを送信する(ステップS80)。
【0492】
その後、無線通信手段74は、j=yであるか否かを判定する(ステップS81)。
【0493】
ステップS81において、j=yでないと判定されたとき、無線通信手段74は、j=j+1を設定する(ステップS82)。その後、端末装置7の動作は、ステップS80へ移行し、ステップS81において、j=yであると判定されるまで、ステップS80~ステップS82が繰り返し実行される。
【0494】
そして、ステップS81において、j=yであると判定されると、端末装置7の動作は、ステップS83へ移行する。
【0495】
そうすると、ステップS78の後、またはステップS81において、j=yであると判定されたとき、無線通信手段74は、アンテナ71Aを介して、端末装置7宛ての接続先情報を端末装置7が接続されている基地局から受信し(ステップS83)、その受信した接続先情報を制御手段76へ出力する。
【0496】
そして、ステップS83の後、端末装置7の動作が終了する。
【0497】
図30に示すフローチャートにおいては、ステップS73~ステップS78は、端末装置7が基地局の送信先であるとき、端末装置7が、走査スケジュールに従って、基地局の1つのビームkを用いて送信されたフレームをy個のビーム1~ビームyに走査して受信することをk=1~xについて実行することに相当する。
【0498】
そして、端末装置7が基地局の送信先であるとき、基地局のビーム1~ビームxを用いて送信されたフレームを受信したときの測定結果測定結果{MR_1~MR_y}_1~{MR_1~MR_y}_xが基地局へ送信される(ステップS78参照)。
【0499】
また、図30に示すフローチャートにおいては、ステップS79~ステップS82は、端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるとき、y個のビーム1~ビームyを用いて順次フレームを送信することに相当する。
【0500】
そして、端末装置がビームを用いたフレームの送信元であるとき、基地局が、ビームをx個のビーム1~ビームxに走査して端末装置7のビーム1~ビームyを用いて送信されたフレームの各々を受信したときの測定結果を作成するので、図30に示すフローチャートにおいては、ステップS81において、j=yであると判定されたとき、端末装置7において測定結果を作成せずに、ステップS83へ移行することになる。
【0501】
なお、端末装置8,9の動作も図30に示すフローチャートに従って実行される。
【0502】
この発明の実施の形態においては、制御装置1の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
【0503】
この場合、制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
【0504】
そして、ROMは、図26に示すフローチャート(図25に示すフローチャートを含む)の各ステップからなるプログラムProg_Aを記憶する。
【0505】
CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して基地局2~6および端末装置7~9が連携してビームを走査するときの制御を行う。RAMは、測定結果等を一時的に記憶する。
【0506】
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行して基地局2~6および端末装置7~9が連携してビームを走査するときの制御を行う。
【0507】
従って、プログラムProg_Aを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0508】
また、この発明の実施の形態においては、基地局2~6の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
【0509】
この場合、基地局2~6の各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、図27に示すフローチャート(図28および図29に示すフローチャートを含む)の各ステップからなるプログラムProg_Bを記憶する。
【0510】
CPUは、ROMからプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して基地局2~6の各々におけるビームを用いたフレームの送信およびビームを用いたフレームの受信を実行する。
【0511】
また、プログラムProg_Bは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Bを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出して実行して基地局2~6の各々におけるビームを用いたフレームの送信およびビームを用いたフレームの受信を実行する。
【0512】
従って、プログラムProg_Bを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0513】
更に、この発明の実施の形態においては、端末装置7~9の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。
【0514】
この場合、端末装置7~9の各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、図30に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Cを記憶する。
【0515】
CPUは、ROMからプログラムProg_Cを読み出し、その読み出したプログラムProg_Cを実行して端末装置7~9の各々におけるビームを用いたフレームの送信およびビームを用いたフレームの受信を実行する。
【0516】
また、プログラムProg_Cは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Cを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Cを読み出して実行して端末装置7~9の各々におけるビームを用いたフレームの送信およびビームを用いたフレームの受信を実行する。
【0517】
従って、プログラムProg_Cを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0518】
上記においては、基地局2~6および端末装置7~9は、テラヘルツ波帯のビームを用いてフレームを送受信して基地局2~6と端末装置7~9との接続判定に用いられる測定結果を取得することを説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局2~6および端末装置7~9は、ミリ波帯のビームを用いてフレームを送受信して基地局2~6と端末装置7~9との接続判定に用いられる測定結果を取得してもよい。
【0519】
また、上記においては、基地局2~6および端末装置7~9は、平面方向のビームを用いてフレームを送受信すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基地局2~6および端末装置7~9は、平面方向に加え、高さ方向にも制御したビームを用いてフレームを送受信するようにしてもよい。
【0520】
この発明の実施の形態においては、上述した第1の走査スケジュールまたは第2の走査スケジュールを作成する制御手段12は、「作成手段」を構成する。
【0521】
また、この発明の実施の形態においては、図25のステップS251~ステップS261を実行する制御手段12は、「判定手段」を構成する。
【0522】
更に、この発明の実施の形態においては、バックホール回線BHCを介して走査スケジュールを受信する通信手段27は、「受信手段」を構成する。
【0523】
更に、この発明の実施の形態においては、基地局2がビームを用いたフレームの送信先であるか否かを判定する制御手段26は、「判定手段」を構成する。
【0524】
更に、この発明の実施の形態においては、図28に示すフローチャートを実行するビームフォーミング手段23、無線通信手段24、測定手段25および制御手段26は、「通信手段」を構成する。
【0525】
更に、この発明の実施の形態においては、図30のステップS71を実行するビームフォーミング手段71および無線通信手段74は、「受信手段」を構成する。
【0526】
更に、この発明の実施の形態においては、図30のステップS72を実行する制御手段76は、「判定手段」を構成する。
【0527】
更に、この発明の実施の形態においては、図30のステップS73~ステップS82を実行するビームフォーミング手段73、無線通信手段74、測定手段75および制御手段76は、「通信手段」を構成する。
【0528】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0529】
この発明は、通信システム、制御装置、基地局、端末装置およびコンピュータに実行させるためのプログラムに適用される。
【符号の説明】
【0530】
1 制御装置、2~6 基地局、7~9 端末装置、10A,10B,10C 通信システム、11,27 通信手段、12 制御手段、13 データベース、21A,22A,23A,71A,72A,73A アンテナ、21~23,71~73 ビームフォーミング手段、24,74 無線通信手段、25,75 測定手段、26,76 制御手段。
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