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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136861
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】浴室暖房乾燥機
(51)【国際特許分類】
   F24D 15/00 20220101AFI20240927BHJP
   F24H 15/10 20220101ALI20240927BHJP
   F24H 15/254 20220101ALI20240927BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
F24D15/00 B
F24H15/10
F24H15/254
F24H15/395
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048150
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】中島 匠
(72)【発明者】
【氏名】滝島 裕貴
【テーマコード(参考)】
3L072
【Fターム(参考)】
3L072AB06
3L072AE10
3L072AF01
3L072AG05
(57)【要約】
【課題】浴室内での燻煙剤の使用を判別することが可能なシステムを合理的に構築する。
【解決手段】浴室Y内の温度を検知する温度センサ21の検知温度に基づく暖房運転と、浴室Y内の湿度を検知する湿度センサ22の検知湿度に基づく乾燥運転とが実行可能な運転制御部Ckが備えられた浴室暖房乾燥機において、浴室Y内での煙の存否を検知する煙センサ23が備えられ、運転制御部Ckには、煙センサ23の検知情報と温度センサ21の検知温度と湿度センサ22の検知湿度とに基づいて、浴室Y内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別する燻煙剤使用判別手段24が備えられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の温度を検知する温度センサの検知温度に基づく暖房運転と、前記浴室内の湿度を検知する湿度センサの検知湿度に基づく乾燥運転とが実行可能な運転制御部が備えられた浴室暖房乾燥機であって、
前記浴室内での煙の存否を検知する煙センサが備えられ、
前記運転制御部には、前記煙センサの検知情報と前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、前記浴室内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別する燻煙剤使用判別手段が備えられている浴室暖房乾燥機。
【請求項2】
前記燻煙剤使用判別手段は、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していると判別した場合に、前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、一定時間での浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合を求め、それらの上昇具合がそれぞれの所定の閾値を上回っている場合に、前記浴室内の煙が湯気であると判別する請求項1に記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項3】
前記燻煙剤使用判別手段は、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していると判別した場合に、前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、一定時間での浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合を求め、それらの上昇具合がそれぞれの所定の閾値を下回っている場合に、前記浴室内の煙が燻煙であると判別する請求項1に記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項4】
前記浴室内と連通する開口部を開閉可能な開口開閉手段が備えられ、
前記運転制御部は、前記燻煙剤使用判別手段にて前記燻煙剤が使用されていると判別された場合に、前記開口開閉手段を閉作動させて前記開口部を閉じる開口部閉鎖処理を行う請求項1~3のいずれか一項に記載の浴室暖房乾燥機。
【請求項5】
音声出力機能を有する報知手段が備えられ、
前記燻煙剤使用判別手段は、前記燻煙剤が使用されていると判別した後に、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していないと判別した場合は、前記浴室内での前記燻煙剤の使用が終了したと判別し、
前記運転制御部は、前記燻煙剤使用判別手段にて前記燻煙剤の使用が終了したと判別された場合に、前記報知手段を作動させて前記浴室内での前記燻煙剤の使用が終了したことを音声出力で報知する燻製剤使用終了報知処理を行う請求項1~3のいずれか一項に記載の浴室暖房乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内の温度を検知する温度センサの検知温度に基づく暖房運転と、浴室内の湿度を検知する湿度センサの検知湿度に基づく乾燥運転とが実行可能な運転制御部が備えられた浴室暖房乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような浴室暖房乾燥機としては、浴室の外部に設置された熱源機から熱媒として循環供給される温水を利用して浴室内の空気を暖めた後、その暖めた空気を暖房用空気として浴室内に戻すことで浴室内を暖房し、又、暖めた空気を乾燥用空気として浴室内に戻すことで浴室内を乾燥させるガス温水式に構成されたものがある。このようなガス温水式の浴室暖房乾燥機の内部には、熱源機からの温水と浴室内の空気との熱交換を可能にする熱交換器や、熱交換器に対する熱源機からの温水の循環供給を可能にする配管などの多くの金属製部品が備えられている。
【0003】
このような浴室暖房乾燥機が設置された浴室においては、浴室暖房乾燥機の内部に備えられた各金属製部品の腐食などを防止する観点から、各金属製部品の腐食などを誘発する成分が含まれている防カビ用などの燻煙剤の浴室内での使用が原則的に禁止されており、このような事項は取扱説明書にも記載されている。
【0004】
しかしながら、このようなことを知らずに利用者が浴室内で燻煙剤を使用することがあり、燻煙剤の使用による金属製部品の腐食などに起因した浴室暖房乾燥機の故障を少なからず招くことがある。このような故障を防止するためには、利用者が燻煙剤を使用する場合に、事前にビニールなどを使用して浴室暖房乾燥機を覆っておく必要があるが、このような対策は面倒であり、そもそも、浴室内での燻煙剤の使用が禁止されていることを知らない利用者がそのような対策を行うとは考えられないことから、別の何らかの対策を講じる必要がある。
【0005】
ところで、主に熱交換器として用いられる銅伝熱管の腐食を防止する方法として、銅伝熱管の周囲雰囲気に含まれる有機酸を吸着する吸着材を、銅伝熱管が備えられた室外機の内部に備える方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-303428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、特許文献1に記載の腐食防止方法を利用して、燻煙剤に含まれている腐食誘発成分などを吸着する吸着材を浴室暖房乾燥機の内部に備えることが考えられる。しかしながら、燻煙剤に使用される成分は、燻煙剤の製造メーカや使用目的などによって多種多様であり、それらの成分に含まれている腐食誘発成分などの全てを吸着材に吸着させるには無理がある。
【0008】
又、別の対策として、燻煙剤に含まれている腐食誘発成分などを検出するセンサを浴室暖房乾燥機に備え、そのセンサにて腐食誘発成分などが検出された場合に、その検出成分を含む燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機の故障を防止するための何らかの手立てを講じるようにすることが考えられる。
【0009】
しかしながら、前述したように、燻煙剤に含まれている腐食誘発成分などは、燻煙剤の製造メーカや使用目的などによって多種多様であり、このような多種多様の腐食誘発成分などをセンサにて検出することは極めて困難である。しかも、燻煙剤に新たな腐食誘発成分などが使用された場合には、その新たな腐食誘発成分などをセンサにて検出することができない可能性もある。
【0010】
以上の点を考慮すると、燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機の故障を防止するための何らかの手立てを講じるにしても、その手立てを講じるためのきっかけになる何らかの手段が必要になる。そして、その手段としては、燻煙剤に含まれている腐食誘発成分などを検出するセンサではなく、浴室内での燻煙剤の使用を判別することが可能なシステムが考えられる。又、このようなシステムを単に構築するのではなく、極力、本来より浴室暖房乾燥機に備えられているセンサなどを活用して構築することが合理的である。
【0011】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、浴室内での燻煙剤の使用を判別することが可能なシステムを合理的に構築する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1特徴構成は、浴室内の温度を検知する温度センサの検知温度に基づく暖房運転と、前記浴室内の湿度を検知する湿度センサの検知湿度に基づく乾燥運転とが実行可能な運転制御部が備えられた浴室暖房乾燥機であって、
前記浴室内での煙の存否を検知する煙センサが備えられ、
前記運転制御部には、前記煙センサの検知情報と前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、前記浴室内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別する燻煙剤使用判別手段が備えられている点にある。
【0013】
本構成によると、燻煙剤使用判別手段は、煙センサの検知情報に基づいて浴室内での煙の存否を判別することができる。又、この判別にて煙が存在していると判別した場合は、温度センサの検知温度と湿度センサの検知湿度とに基づいて浴室内の煙が湯気か否かを判別することができる。そして、この判別にて浴室内の煙が湯気であると判別した場合は、浴室内の煙が浴室内での温水の使用によるものであり、燻煙剤の使用によるものではないことから、浴室内にて燻煙剤が使用されていないと判別することができる。一方、浴室内の煙が湯気ではないと判別した場合は、浴室内の煙が燻煙剤の使用によるものであると推定することができ、この推定に基づいて、浴室内にて燻煙剤が使用されていると判別することができる。
【0014】
その結果、本来より浴室暖房乾燥機に備えられている温度センサと湿度センサとを活用し、煙センサと燻煙剤使用判別手段とを追加装備することにより、浴室内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別することが可能なシステムを合理的に構築することができる。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、前記燻煙剤使用判別手段は、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していると判別した場合に、前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、一定時間での浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合を求め、それらの上昇具合がそれぞれの所定の閾値を上回っている場合に、前記浴室内の煙が湯気であると判別する点にある。
【0016】
本構成によると、燻煙剤使用判別手段は、浴室内温度と浴室内湿度の各上昇具合がそれらの所定の閾値を上回っている大きいものである場合は、浴室内の煙が、浴室内温度と浴室内湿度の各上昇具合が急激に大きくなる浴室内での温水の使用による湯気であると判別することができる。
【0017】
その結果、浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合をそれらの閾値と比較し、それぞれの比較結果が所定の閾値を上回っている場合に浴室内の煙が湯気であると判別することにより、浴室内にて燻煙剤が使用されていない場合の判別確度をより高くすることができる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、前記燻煙剤使用判別手段は、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していると判別した場合に、前記温度センサの検知温度と前記湿度センサの検知湿度とに基づいて、一定時間での浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合を求め、それらの上昇具合がそれぞれの所定の閾値を下回っている場合に、前記浴室内の煙が燻煙であると判別する点にある。
【0019】
本構成によると、燻煙剤使用判別手段は、浴室内温度と浴室内湿度の各上昇具合がそれらの所定の閾値を下回っている小さいものである場合は、浴室内の煙が、浴室内温度と浴室内湿度の各上昇具合が小さくなる浴室内での燻煙剤の使用による燻煙であると判別することができる。
【0020】
その結果、浴室内温度と浴室内湿度のそれぞれの上昇具合をそれらの閾値と比較し、それぞれの比較結果が所定の閾値を下回っている場合に浴室内の煙が燻煙剤の使用による燻煙であると判別することにより、浴室内にて燻煙剤が使用されている場合の判別確度をより高くすることができる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、前記浴室内と連通する開口部を開閉可能な開口開閉手段が備えられ、
前記運転制御部は、前記燻煙剤使用判別手段にて前記燻煙剤が使用されていると判別された場合に、前記開口開閉手段を閉作動させて前記開口部を閉じる開口部閉鎖処理を行う点にある。
【0022】
本構成によると、浴室内で燻煙剤が使用されている場合は、燻煙剤の使用が燻煙剤使用判別手段にて判別され、この判別に基づいて運転制御部が開口部閉鎖処理を行って開口部を閉じる。
【0023】
その結果、開口部から浴室暖房乾燥機の内部への燻煙の流入を防止することができ、燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機の故障を防止することができる。
【0024】
本発明の第5特徴構成は、音声出力機能を有する報知手段が備えられ、
前記燻煙剤使用判別手段は、前記燻煙剤が使用されていると判別した後に、前記煙センサの検知情報に基づいて前記浴室内に煙が存在していないと判別した場合は、前記浴室内での前記燻煙剤の使用が終了したと判別し、
前記運転制御部は、前記燻煙剤使用判別手段にて前記燻煙剤の使用が終了したと判別された場合に、前記報知手段を作動させて前記浴室内での前記燻煙剤の使用が終了したことを音声出力で報知する燻製剤使用終了報知処理を行う点にある。
【0025】
本構成によると、浴室内での燻煙剤の使用が終了した場合は、燻煙剤の使用終了が燻煙剤使用判別手段にて判別され、この判別に基づいて運転制御部が燻製剤使用終了報知処理を行って燻煙剤の使用終了を報知手段から音声出力で報知する。
【0026】
その結果、利用者は浴室に行かなくても、燻煙剤の使用終了を報知手段から音声出力で明確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】浴室暖房乾燥機の概略構成図
図2】乾燥機用リモコンの正面図
図3】(a)は浴室内と連通するケーシング開口部のガラリによる開放状態を示す要部の垂直断面図(b)は浴室内と連通するケーシング開口部のガラリによる閉鎖状態を示す要部の垂直断面図
図4】対燻煙剤故障防止制御のフローチャート
図5】(a)は別実施形態での浴室内と連通するケーシング開口部のシャッターによる開放状態を示す要部の垂直断面図(b)は別実施形態での浴室内と連通するケーシング開口部のシャッターによる閉鎖状態を示す要部の垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を天井埋め込み型の浴室暖房乾燥機に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本発明は、天井埋め込み型の浴室暖房乾燥機に限らず、例えば、壁掛け型の浴室暖房乾燥機などに適用することが可能である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態で例示する浴室暖房乾燥機DKは、浴室Yの天井部Yaに備えられており、浴室Yの外部に備えられた熱源機Nから熱媒が循環供給されるように構成されている。浴室暖房乾燥機DKは、換気運転、涼風運転、暖房運転、乾燥運転、などが実行可能に構成されている。熱源機Nは、例えば、家庭用の給湯器などによって構成され、浴室暖房乾燥機DKに熱媒を循環供給する機能に加えて、一般給湯栓などに対して湯水を供給する給湯機能などが備えられている。
【0030】
浴室暖房乾燥機DKには、その運転を制御する制御部としての乾燥機用運転制御部Ckが備えられている。乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkと各種の情報が送受信可能に通信接続されている。熱源機Nには、その運転を制御する制御部として熱源機用運転制御部Cnが備えられている。熱源機用運転制御部Cnは、熱源機用リモコンRnと各種の情報が送受信可能に通信接続されている。図示は省略するが、乾燥機用リモコンRkとしては、例えば、浴室Yの内部に設置される浴室用リモコンと、浴室Yに隣接する脱衣室に設置される脱衣室用リモコンとが備えられている。浴室用リモコンと脱衣室用リモコンには、主要な機能が同様に備えられている。熱源機用リモコンRnは、例えば台所又は洗面所などに設置されている。
【0031】
乾燥機用運転制御部Ckと熱源機用運転制御部Cnとは、各種の情報が送受信可能に通信接続されている。これにより、例えば浴室用リモコンRk1から乾燥機用運転制御部Ckに乾燥運転の実行が指令されると、この指令に基づいて、乾燥機用運転制御部Ckから熱源機用運転制御部Cnに乾燥運転用の熱媒要求指令が送信される。又、乾燥機用運転制御部Ckが乾燥運転を停止する場合は、乾燥機用運転制御部Ckから熱源機用運転制御部Cnに熱媒要求終了指令が送信される。
【0032】
熱源機用運転制御部Cnは、乾燥機用運転制御部Ckからの熱媒要求指令を受信すると、熱媒供給運転を実行して、図1に示すように、加熱した熱媒(例えば、80°の熱媒)を、熱源機Nと浴室暖房乾燥機DKとにわたる熱媒往き管1や熱媒戻り管2などを通じて浴室暖房乾燥機DKに循環供給する。又、熱源機用運転制御部Cnは、乾燥機用運転制御部Ckからの熱媒要求終了指令を受信すると、熱媒供給運転を終了して、加熱した熱媒の浴室暖房乾燥機DKへの循環供給を終了する。
【0033】
(浴室暖房乾燥機の構成)
浴室暖房乾燥機DKの構成について説明すると、図1に示すように、浴室暖房乾燥機DKには、浴室Y内の浴用空間Ybと連通する開口部10Aを有して浴室Yの天井部Yaの裏側に設置されるケーシング10と、開口部10Aを覆う状態で浴室Yの天井部Yaの表側に設置されるグリル板11とが備えられている。グリル板11には、浴用空間Ybの空気をケーシング10内に取り入れるための吸気口11Aが形成されている。
【0034】
ケーシング10の内部には、浴用空間Ybの空気をグリル板11の吸気口11Aからケーシング10内に取り入れて加熱した後に送風路12から浴用空間Ybに送風する温風供給手段HA、浴用空間Ybの空気をグリル板11の吸気口11Aからケーシング10内に取り入れた後に外部に排出する換気ファン13、送風路12から浴用空間Ybに送風される空気の送風方向を変更する可動ルーバ14、などが備えられている。換気ファン13には、換気ファン13にてケーシング10内に取り入れられた浴用空間Ybの空気を屋外に導く排気ダクト3が接続されている。
【0035】
温風供給手段HAには、浴用空間Ybの空気をグリル板11の吸気口11Aから吸い込んでケーシング10内に取り入れるとともに、取り入れた空気を送風路12から浴用空間Ybに送風する循環ファン15と、循環ファン15にてケーシング10内に取り入れられた浴用空間Ybの空気を加熱する空気加熱用熱交換器16とが備えられている。
【0036】
グリル板11の吸気口11Aと空気加熱用熱交換器16との間には、吸気口11Aからケーシング10内に取り入れられて空気加熱用熱交換器16にて加熱される前の空気の温度を浴室Y内の温度として検知する温度センサ21と、その空気の湿度を浴室Y内の湿度として検知する湿度センサ22とが備えられている。温度センサ21の検知温度と湿度センサ22の検知湿度は、温度センサ21及び湿度センサ22から乾燥機用運転制御部Ckに送信される。
【0037】
図1に示すように、空気加熱用熱交換器16には、熱源機Nからの熱媒が、前述した熱媒往き管1と浴室暖房乾燥機DKのケーシング10内に備えられた熱媒供給管30とを通じて供給される。又、空気加熱用熱交換器16からは、熱交換後の熱媒が、浴室暖房乾燥機DKのケーシング10内に備えられた熱媒排出管31と前述した熱媒戻り管2とを通じて熱源機Nに戻される。熱媒供給管30には、空気加熱用熱交換器16に対する熱媒供給の断続を可能にする熱動弁32が備えられている。
【0038】
(乾燥機用リモコンの構成)
乾燥機用リモコンRkの構成について説明する。
尚、乾燥機用リモコンRkとしては、前述したように浴室用リモコンと脱衣室用リモコンとが備えられているが、浴室用リモコンは、浴用以外の一部の機能が省略されている以外は、脱衣室用リモコンに備えられた機能と同様の機能を有していることから、以下においては、乾燥機用リモコンRkとして脱衣室用リモコンを例示して説明し、浴室用リモコンの説明は省略する。
【0039】
図2に示すように、乾燥機用リモコンRkには、浴室暖房乾燥機DKの運転状態などを含む各種の情報を表示する液晶式の表示部40、暖房運転や乾燥運転などの実行を乾燥機用運転制御部Ckに指令する各種の運転指令スイッチ41~44、暖房運転や乾燥運転などの運転時間を設定するタイマー設定スイッチ45、可動ルーバ14の向き変更を指令する風向スイッチ46、運転の停止を指令する停止スイッチ47、音声出力機能を有する報知手段48などが備えられている。
【0040】
乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkに備えられた各種のスイッチ41~47が操作されて、それらの操作に応じた指令が乾燥機用リモコンRkから指令されると、その指令に応じた各種の運転を実行するように構成されている。具体的には、乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkからの指令に基づいて、換気ファン13、可動ルーバ14、循環ファン15、熱動弁32、などの制御対象機器の作動を制御して、換気運転、涼風運転、暖房運転、乾燥運転、などを実行するように構成されている。
【0041】
以下、図1~2などを参照して、換気運転、涼風運転、暖房運転、乾燥運転に関する乾燥機用運転制御部Ckの制御作動について説明する。
【0042】
(換気運転)
乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkに備えられた換気運転用の運転指令スイッチ41が操作されて換気運転の実行が指令されると、循環ファン15を停止させた状態で、かつ、熱動弁32を閉じて空気加熱用熱交換器16に対する熱媒の供給を停止させた状態で、換気ファン13を作動させる換気運転を実行する。これにより、換気ファン13の作動で、浴用空間Ybの空気が屋外に排出されるとともに、この排出に応じて、浴室Y外の空気が、浴室Yのドアに備えられた通気ガラリ(図示せず)などから浴用空間Ybに流入して、浴用空間Ybの空気が入れ替えられる。
【0043】
(涼風運転)
乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkに備えられた涼風運転用の運転指令スイッチ42が操作されて涼風運転の実行が指令されると、熱動弁32を閉じて空気加熱用熱交換器16に対する熱媒の供給を停止させた状態で、換気ファン13と循環ファン15とを作動させる涼風運転を実行する。これにより、換気ファン13の作動で、浴用空間Ybの空気が屋外に排出されるとともに、この排出に応じて、浴室Yの通気ガラリなどから浴室Y外の空気が浴用空間Ybに流入して補充され、かつ、循環ファン15の作動で、浴用空間Ybの空気が浴用空間Ybからケーシング10内に取り入れられた後に、涼風として送風路12から浴用空間Ybに送風される。
【0044】
(暖房運転)
乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkに備えられた暖房運転用の運転指令スイッチ43が操作されて暖房運転の実行が指令されると、換気ファン13を停止させた状態で、かつ、熱動弁32を開いて熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器16に供給させた状態で、循環ファン15を作動させる暖房運転を実行する。これにより、循環ファン15の作動で、浴用空間Ybからケーシング10内に取り入れられた浴用空間Ybの空気が、空気加熱用熱交換器16にて加熱された後に、暖房用空気として送風路12から浴用空間Ybに送風される。そして、この暖房運転において、乾燥機用運転制御部Ckは、温度センサ21の検知温度(浴室Y内の温度)に基づいて循環ファン15の駆動回転速度を制御することにより、空気加熱用熱交換器16による加熱後に浴用空間Ybに送風される暖房用空気の温度を調整する。
【0045】
(乾燥運転)
乾燥機用運転制御部Ckは、乾燥機用リモコンRkに備えられた乾燥運転用の運転指令スイッチ44が操作されて乾燥運転の実行が指令されると、熱動弁32を開いて熱源機Nからの熱媒を空気加熱用熱交換器16に供給させた状態で、換気ファン13と循環ファン15とを作動させる乾燥運転を実行する。これにより、換気ファン13の作動で、浴用空間Ybの空気が屋外に排出されるとともに、この排出に応じて、浴室Yの通気ガラリなどから浴室Y外の空気が浴用空間Ybに流入して補充され、かつ、循環ファン15の作動で、浴用空間Ybからケーシング10内に取り入れられた浴用空間Ybの空気が、空気加熱用熱交換器16にて加熱された後に、乾燥用空気として送風路12から浴用空間Ybに送風される。そして、この乾燥運転において、乾燥機用運転制御部Ckは、例えば、湿度センサ22の検知湿度(浴室Y内の湿度)に基づいて浴用空間Ybでの乾燥具合を推定し、湿度センサ22の検知湿度の変化に基づいて乾燥運転による浴用空間Ybでの乾燥の進捗状況を推定する。
【0046】
ところで、このような浴室暖房乾燥機DKが設置された浴室Yにおいては、浴室暖房乾燥機DKの内部に備えられた空気加熱用熱交換器16などの各金属製部品の腐食などを防止する観点から、各金属製部品の腐食などを誘発する成分が含まれている防カビ用などの燻煙剤の浴室Y内での使用が原則的に禁止されており、このような事項は取扱説明書にも記載されている。
【0047】
しかしながら、このようなことを知らずに利用者が浴室Y内で燻煙剤を使用することがあり、燻煙剤の使用による金属製部品の腐食などに起因した浴室暖房乾燥機DKの故障を少なからず招くことがある。このような故障を防止するためには、利用者が燻煙剤を使用する場合に、事前にビニールなどを使用して浴室暖房乾燥機DKを覆っておく必要があるが、このような対策は面倒であり、そもそも、浴室Y内での燻煙剤の使用が禁止されていることを知らない利用者がそのような対策を行うとは考えられないことから、別の何らかの対策を講じる必要がある。
【0048】
そこで、以下においては浴室Y内での燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機DKの故障を防止するための構成などについて説明する。
先ずは、浴室Y内での燻煙剤の使用を検知するための燻煙剤使用検知システムSの構成について説明する。
【0049】
図1に示すように、浴室暖房乾燥機DKのグリル板11には、浴室Y内での煙の存否を検知する光電式の煙センサ23が備えられている。煙センサ23の検知情報は、煙センサ23から乾燥機用運転制御部Ckに送信される。乾燥機用運転制御部Ckには、煙センサ23の検知情報と温度センサ21の検知温度と湿度センサ22の検知湿度とに基づいて、浴室Y内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別する燻煙剤使用判別手段24が備えられている。
【0050】
燻煙剤使用判別手段24は、煙センサ23の検知情報に基づいて浴室Y内での煙の存否を判別し、この判別にて煙が存在していると判別した場合に、温度センサ21の検知温度と湿度センサ22の検知湿度とに基づいて浴室Y内の煙が湯気か否かを判別する。そして、この判別にて浴室Y内の煙が湯気であると判別した場合は、浴室Y内の煙が浴室Y内での温水の使用によるものであり、燻煙剤の使用によるものではないことから、浴室Y内にて燻煙剤が使用されていないと判別する。一方、浴室Y内の煙が湯気ではないと判別した場合は、浴室Y内の煙が燻煙剤の使用によるものであると推定し、この推定に基づいて、浴室Y内にて燻煙剤が使用されていると判別する。
【0051】
このように、本実施形態で例示する浴室暖房乾燥機DKにおいては、本来より浴室暖房乾燥機DKに備えられている温度センサ21と湿度センサ22とを活用し、煙センサ23と燻煙剤使用判別手段24とを追加装備することにより、浴室Y内にて燻煙剤が使用されているか否かを判別することが可能な燻煙剤使用検知システムSが合理的に構築されている。
【0052】
燻煙剤使用検知システムSによる浴室Y内での燻煙剤の使用判別について説明を加えると、燻煙剤使用判別手段24は、煙センサ23の検知情報に基づいて浴室Y内に煙が存在していると判別した場合に、温度センサ21の検知温度と湿度センサ22の検知湿度とに基づいて、一定時間(例えば1分間)での浴室内温度Tと浴室内湿度RHのそれぞれの上昇具合を求め、それらの上昇具合がそれぞれの所定の閾値x,yを上回っている場合に、浴室Y内の煙が湯気であると判別する。又、それらの上昇具合の少なくとも一方がそれぞれの所定の閾値x,y以下である場合に、浴室Y内の煙が燻煙剤の使用による燻煙であると判別する。
【0053】
尚、本実施形態では、一定時間での浴室内温度T又は浴室内湿度RHの上昇具合として、燻煙剤使用判別手段24が浴室Y内に煙が存在していると判別した段階での浴室内温度T1又は浴室内湿度RH1と、その判断から一定時間が経過した後の浴室内温度T2又は浴室内湿度RH2との差ΔT,ΔRH(ΔT=T2-T1,ΔRH=ΔRH2-ΔRH1)を求めるようにしている。
【0054】
つまり、燻煙剤使用判別手段24は、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っている大きいものである場合は、浴室Y内の煙が、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHが急激に大きくなる浴室Y内での温水の使用による湯気であると判別する。
【0055】
又、燻煙剤使用判別手段24は、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHの少なくとも一方がそれらの所定の閾値x,y以下の小さいものである場合は、浴室Y内の煙が、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの少なくとも一方の上昇具合ΔT,ΔRHが小さくなる浴室Y内での燻煙剤の使用による燻煙であると判別する。
【0056】
このように、浴室内温度Tと浴室内湿度RHのそれぞれの上昇具合ΔT,ΔRHをそれらの閾値x,yと比較し、それぞれの比較結果が所定の閾値x,yを上回っている場合に浴室Y内の煙が湯気であると判別することにより、浴室Y内にて燻煙剤が使用されていない場合の判別確度を高くすることができる。又、それぞれの比較結果の少なくとも一方が所定の閾値x,y以下である場合に浴室Y内の煙が燻煙剤の使用による燻煙であると判別することにより、浴室Y内の煙が燻煙である場合に招く恐れのある浴室暖房乾燥機DKの故障を防止し易くすることができる。
【0057】
次に、浴室Y内での燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機DKの故障を防止するための構成について説明する。
【0058】
図1図3に示すように、浴室暖房乾燥機DKのケーシング10とグリル板11との間には、浴室Y内と連通するケーシング10の開口部10Aを開閉可能な開口開閉手段25として、揺動による開閉操作が可能な複数の可動ルーバ26Aを有するガラリ26が備えられている。図3に示すように、ガラリ26には、複数の可動ルーバ26Aを連動連結する連動部材26Bと、この連動部材26Bを可動ルーバ26Aの開閉方向に往復移動させる電動モータ26Cとが含まれている。ガラリ26は、通常は図3の(a)に示すように各可動ルーバ26Aが全開位置に位置することでケーシング10の開口部10Aを開放している。
【0059】
乾燥機用運転制御部Ckは、燻煙剤使用判別手段24にて燻煙剤が使用されていると判別された場合に、図3の(b)に示すように、ガラリ26の電動モータ26Cを作動させて、各可動ルーバ26Aを全開位置から全閉位置に揺動させることでケーシング10の開口部10Aを閉鎖する。これにより、ケーシング10の開口部10Aから浴室暖房乾燥機DKの内部への燻煙の流入を防止することができ、燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機DKの故障を防止することができる。
【0060】
以下に、燻煙剤の使用に起因した浴室暖房乾燥機DKの故障を防止する対燻煙剤故障防止制御での乾燥機用運転制御部Ckの制御作動について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
対燻煙剤故障防止制御において、乾燥機用運転制御部Ckは、その燻煙剤使用判別手段24が、先ず、煙センサ23から送信される煙センサ23の検知情報に基づいて、浴室Y内に煙が存在しているか否か判別する煙存否判別処理を行い(ステップ#1)、煙存否判別処理にて浴室Y内に煙が存在していないと判別した場合(Noの場合)は、通常の運転制御に戻る。
【0062】
乾燥機用運転制御部Ckは、ステップ#1の煙存否判別処理にて浴室Y内に煙が存在していると判別した場合(Yesの場合)は、燻煙剤使用判別手段24が、温度センサ21と湿度センサ22から送信される検知温度と検知湿度とに基づいて、浴室Y内に煙が存在していると判別した段階(煙検知段階)での浴室内温度T1と浴室内湿度RH1とを記憶する第1記憶処理を行い(ステップ#2)、又、煙検知段階から一定時間の経過後(例えば1分後)に、その段階での浴室内温度T2と浴室内湿度RH2とを記憶する第2記憶処理を行う(ステップ#3)。そして、燻煙剤使用判別手段24が、記憶した浴室内温度T1又は浴室内湿度RH1と浴室内温度T2又は浴室内湿度RH2との差ΔT,ΔRHを浴室内温度T又は浴室内湿度RHのそれぞれの上昇具合として求める上昇具合演算処理を行い(ステップ#4)、上昇具合演算処理にて求めた浴室内温度Tの上昇具合ΔTと浴室内湿度RHの上昇具合ΔRHとが、それぞれの所定の閾値x,yを上回っているか否かを判別する上昇具合判別処理を行う(ステップ#5)。
【0063】
乾燥機用運転制御部Ckは、ステップ#5の上昇具合判別処理にて浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っている場合(Yesの場合)は、その燻煙剤使用判別手段24が、浴室Y内の煙が、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHが急激に大きくなる浴室Y内での温水の使用による湯気であると判別し、この判別結果に基づいて通常の運転制御に戻る。
【0064】
乾燥機用運転制御部Ckは、ステップ#5の上昇具合判別処理にて浴室内温度Tと浴室内湿度RHの双方の上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っていない場合(Noの場合)、言い換えると、それらの上昇具合ΔT,ΔRHの少なくとも一方がそれぞれの所定の閾値x,y以下である場合は、燻煙剤使用判別手段24が、浴室Y内の煙が燻煙剤の使用による燻煙であると判別し、この判別結果に基づいて、ガラリ26の電動モータ26Cを作動させて、各可動ルーバ26Aを全開位置(図3の(a)参照)から全閉位置(図3の(b)参照)に揺動させることでケーシング10の開口部10Aを閉鎖する開口部閉鎖処理を行う(ステップ#6)。
【0065】
乾燥機用運転制御部Ckは、ステップ#6の開口部閉鎖処理を行った後、燻煙剤使用判別手段24がステップ#1と同様の煙存否判別処理を行い(ステップ#7)、この煙存否判別処理にて浴室Y内に煙が存在していると判別している間(Yesの間)はケーシング10の開口部10Aをガラリ26の可動ルーバ26Aで閉じた閉鎖状態を維持する。一方、ステップ#7の煙存否判別処理にて浴室Y内に煙が存在していないと判別した場合(Noの場合)は、この判別結果に基づいて浴室Y内での燻煙剤の使用が終了したと推定し、この推定に基づいて、ガラリ26の電動モータ26Cを作動させて、各可動ルーバ26Aを全閉位置(図3の(b)参照)から全開位置(図3の(a)参照)に揺動させることでケーシング10の開口部10Aを開放する開口部開放処理を行う(ステップ#8)。又、乾燥機用リモコンRkに対して、その報知手段48から浴室Y内での燻煙剤の使用が終了したことを音声出力(アナウンス)させる報知指令を送信し、その報知作動を乾燥機用リモコンRkにて実行させることで、浴室Y外の利用者に浴室Y内での燻煙剤の使用が終了したことを報知する燻製剤使用終了報知処理を行い(ステップ#9)、その後、通常の運転制御に戻る。
【0066】
〔別実施形態〕
本発明の別実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各別実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の別実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0067】
(1)上記の実施形態においては、本実施形態においては、浴室Y内での煙の存在を検知した後の煙が湯気か否かの判別を行うにあたり、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っている場合は浴室Y内の煙が湯気であると判別し、それ以外の場合(各上昇具合ΔT,ΔRHの少なくとも一方がそれぞれの所定の閾値x,y以下である場合)は、浴室Y内の煙が燻煙であると判別するようにしたが、これに限らず、例えば、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,y以下である場合は浴室Y内の煙が燻煙であると判別し、それ以外の場合(各上昇具合ΔT,ΔRHの少なくとも一方がそれぞれの所定の閾値x,yを上回っている場合)は、浴室Y内の煙が湯気であると判別するようにしてもよい。
又、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っている場合に浴室Y内の煙が湯気であると判別し、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを下回っている場合に浴室Y内の煙が燻煙であると判別するようにしてもよい。この場合、浴室内温度Tと浴室内湿度RHの各上昇具合ΔT,ΔRHがそれらの所定の閾値x,yを上回っていず、かつ、それらの所定の閾値x,yを下回っていない間は不感帯となる。
【0068】
(2)上記の実施形態においては、開口開閉手段25として、揺動による開閉操作が可能な複数の可動ルーバ26Aを有するガラリ26を例示したが、これに限らず、例えば、図5に示すように、シャッターケース27A内に巻き取り収納されたシャッターカーテン(スラット)27Bを、チェーン式伝動機構27Cを介した電動モータ27Dの作動で出退操作することで、ケーシング10の開口部10Aを開放する状態(図5の(a)参照)と閉塞する状態(図5の(b)参照)とに切り替え可能に構成されたシャッター27を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10A 開口部
21 温度センサ
22 湿度センサ
23 煙センサ
24 燻煙剤使用判別手段
25 開口開閉手段(ガラリ26、シャッター27)
48 報知手段
Ck 運転制御部
RH 浴室内湿度
T 浴室内温度
Y 浴室
x 浴室内温度の上昇具合に対する閾値
y 浴室内湿度の上昇具合対する閾値
ΔT 浴室内温度の上昇具合
ΔRH 浴室内湿度の上昇具合
図1
図2
図3
図4
図5