IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カネカの特許一覧

<>
  • 特開-太陽電池モジュール 図1
  • 特開-太陽電池モジュール 図2
  • 特開-太陽電池モジュール 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136864
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048156
(22)【出願日】2023-03-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2020年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の新市場創造技術開発」共同研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】小島 広平
(72)【発明者】
【氏名】中村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】寺下 徹
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA01
5F251AA20
5F251BA18
5F251EA03
5F251EA09
5F251EA10
5F251EA11
5F251EA17
5F251EA19
5F251GA03
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA04
5F251JA05
5F251JA30
(57)【要約】
【課題】温度変化による光電変換効率の変化が小さい積層型の太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、第1方向の曲率が第1方向と交差する第2方向の曲率よりも大きい曲面形状を有する板状の表面保護部材と、第2方向に並んで配置される複数のペロブスカイト太陽電池サブモジュール、及び第2方向に隣接する2つのペロブスカイト太陽電池サブモジュールの端部に跨って配置され、第1方向に延びる帯状の第1配線材を有するペロブスカイト太陽電池接続体と、第1方向に1列に並べた複数の結晶シリコン太陽電池セル、及び隣接する2つの結晶シリコン太陽電池セルの略全長に亘って延びる複数の第2配線材をそれぞれ有する複数のシリコン太陽電池ストリングと、複数のシリコン太陽電池ストリングの裏側を覆う裏面保護部材と、表面保護部材と裏面保護部材の間に充填される封止材と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の曲率が前記第1方向と交差する第2方向の曲率よりも大きい曲面形状を有する板状の表面保護部材と、
前記第2方向に並んで配置される複数のペロブスカイト太陽電池サブモジュール、及び前記第2方向に隣接する2つの前記ペロブスカイト太陽電池サブモジュールの端部に跨って配置され、前記第1方向の略全長に亘って延びる帯状の1以上の第1配線材を有し、前記表面保護部材の裏側に配置されるペロブスカイト太陽電池接続体と、
前記第1方向に1列に並べた複数の結晶シリコン太陽電池セル、及び前記第1方向に隣接する2つの前記結晶シリコン太陽電池セルの略全長に亘って延びる複数の第2配線材、をそれぞれ有し、前記ペロブスカイト太陽電池接続体の裏側に前記第2方向に並んで配置される複数のシリコン太陽電池ストリングと、
前記複数のシリコン太陽電池ストリングの裏側を覆う裏面保護部材と、
前記表面保護部材と前記裏面保護部材の間に充填される封止材と、
を備える太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記ペロブスカイト太陽電池接続体と前記シリコン太陽電池ストリングの間に配置される絶縁部材をさらに備え、
前記封止材は、前記ペロブスカイト太陽電池接続体と前記絶縁部材の間及び前記シリコン太陽電池ストリングと前記絶縁部材の間にそれぞれ充填される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記ペロブスカイト太陽電池サブモジュールと前記シリコン太陽電池ストリングは、前記第1方向の長さが等しい、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第1配線材は、前記シリコン太陽電池ストリングの隙間を覆う、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールの利用が広がっており、設置場所の形状に合わせた曲面状の表面形状を有する太陽電池モジュールが望まれている。曲面状の太陽電池モジュールは、温度変化等によってその曲率が僅かに変化し得る。太陽電池モジュールの曲率が変化すると、太陽電池セルに応力が作用して割れが生じるおそれがある。太陽電池セルに作用する応力を緩和するために、太陽電池セルを波型に形成し、モジュールの曲面形状に合わせて曲がりやすくする技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、太陽電池モジュールの光電変換効率を向上するために、吸収する波長が異なる複数種類の太陽電池サブモジュールを積層した積層型の太陽電池モジュールも提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2014/109282号
【特許文献2】特開2018-157176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
曲面状に成形された太陽電池サブモジュールの曲率が温度変化により減少すると、太陽電池モジュールの平面視における長さは増大する。複数の太陽電池サブモジュールを積層してなる太陽電池モジュールの曲率が減少する場合、曲率中心側の太陽電池サブモジュールの方が平面視における長さの増大量が大きくなる。つまり、曲面状に成形された積層型の太陽電池モジュールでは、温度変化により表裏の太陽電池セルの位置関係が変化し得る。表裏の太陽電池セルの位置関係が変化すると、裏側の太陽電池セルへの光の入射量が変化し得る。このため、曲面状に成形された積層型の太陽電池モジュールでは、温度変化により太陽電池セル毎の起電力が不均等になることで、損失を生じて光電変換効率が比較的大きく低下するおそれがある。
【0006】
かかる実情に鑑みて、本発明は、温度変化による光電変換効率の変化が小さい積層型の太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、第1方向の曲率が前記第1方向と交差する第2方向の曲率よりも大きい曲面形状を有する板状の表面保護部材と、前記第2方向に並んで配置される複数のペロブスカイト太陽電池サブモジュール、及び前記第2方向に隣接する2つの前記ペロブスカイト太陽電池サブモジュールの端部に跨って配置され、前記第1方向の略全長に亘って延びる帯状の1以上の第1配線材を有し、前記表面保護部材の裏側に配置されるペロブスカイト太陽電池接続体と、前記第1方向に1列に並べた複数の結晶シリコン太陽電池セル、及び前記第1方向に隣接する2つの前記結晶シリコン太陽電池セルの略全長に亘って延びる複数の第2配線材、をそれぞれ有し、前記ペロブスカイト太陽電池接続体の裏側に前記第2方向に並んで配置される複数のシリコン太陽電池ストリングと、前記複数のシリコン太陽電池ストリングの裏側を覆う裏面保護部材と、前記表面保護部材と前記裏面保護部材の間に充填される封止材と、を備える。
【0008】
上述の太陽電池モジュールは、前記ペロブスカイト太陽電池接続体と前記シリコン太陽電池ストリングの間に配置される絶縁部材をさらに備え、前記封止材は、前記ペロブスカイト太陽電池接続体と前記絶縁部材の間及び前記シリコン太陽電池ストリングと前記絶縁部材の間にそれぞれ充填されてもよい。
【0009】
上述の太陽電池モジュールにおいて、前記ペロブスカイト太陽電池サブモジュールと前記シリコン太陽電池ストリングは、前記第1方向の長さが等しくてもよい。
【0010】
上述の太陽電池モジュールにおいて、前記第1配線材は、前記シリコン太陽電池ストリングの隙間を覆ってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る太陽電池モジュール は、温度変化による光電変換効率の変化が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの構成を示す模式平面図である。
図2図1の太陽電池モジュールのX-X線断面図である。
図3図1の太陽電池モジュールのY-Y線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール1の構成を示す模式平面図である。図2は、図1の太陽電池モジュール1のX-X線断面図である。図3は、図1の太陽電池モジュール1のY-Y線断面図である。太陽電池モジュール1は、表面保護部材10と、ペロブスカイト太陽電池接続体20と、絶縁部材30と、複数のシリコン太陽電池ストリング40と、裏面保護部材50と、封止材60と、を備える。
【0015】
表面保護部材10は、曲面形状を有する板状体である。表面保護部材10は、封止材60を介してペロブスカイト太陽電池接続体20の表面側を覆うことにより、ペロブスカイト太陽電池接続体20及びシリコン太陽電池ストリング40を保護する。また、表面保護部材10は、太陽電池モジュール1の全体の曲面形状を定める構造部材である。つまり、太陽電池モジュール1の他の構成要素は、表面保護部材10の曲面形状に追従して配置される。表面保護部材10は、第1方向(図1における上下方向)の曲率が第1方向と交差する第2方向(図1における左右方向)の曲率よりも大きい。なお、図示する例では、表面保護部材10の第2方向の曲率はゼロであるが、表面保護部材10は第2方向にも湾曲してもよい。表面保護部材10は、透光性、耐傷性及び対候性に優れることが好ましい。表面保護部材10の材質としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明樹脂、ガラスなどを挙げることができる。また、表面保護部材10の表面は、光の反射を抑制するために、凹凸状に加工されたり、反射防止コーティング層で被覆されてもよい。
【0016】
ペロブスカイト太陽電池接続体20は、表面保護部材10の裏側に配置される。ペロブスカイト太陽電池接続体20は、第2方向に並んで配置される複数のペロブスカイト太陽電池サブモジュール21、及び第2方向に隣接する2つのペロブスカイト太陽電池サブモジュール21の端部に跨って配置され、第1方向の略全長に亘って延びる帯状の1以上の第1配線材22を有する。ペロブスカイト太陽電池接続体20には、太陽電池モジュール1の外部に電力を出力するための一対の第1引出線23が接続される。
【0017】
ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21は、透明な基材211と、基材211上に第2方向に並んで形成され、第1方向に延びる複数の帯状の太陽電池サブセル部212と、太陽電池サブセル部212のさらに第2方向外側に第2方向に延びる帯状に形成される一対の接続部213と、を有する構成とされ得る。
【0018】
基材211は、ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21の強度を担保する板状又はシート状の構造部材である。基材211は、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂から形成され得る。基材211は、表面保護部材10に倣って曲げられるような可撓性を有する。
【0019】
太陽電池サブセル部212は、それぞれ独立して光電変換を行い得るよう、且つ電気的に直列に接続された状態に形成され得る。太陽電池サブセル部212は、第1電極層、光電変換層及び第2電極層を基材211側からこの順番に有する構成とされ得る。また、太陽電池サブセル部212は、電荷輸送層等のさらなる層を有する構成とされてもよい。太陽電池サブセル部212は、第1電極層を切断する第1分離溝と、第1分離溝の近傍で光電変換層を切断する第2分離溝と、第2分離溝の近傍で第2電極層を切断する第3分離溝と、によって、それぞれ独立して電力を取り出せるよう分離され、且つ電気的に直列に接続された状態に形成され得る。
【0020】
接続部213は、複数の太陽電池サブセル部212の接続体から電力を出力するための外部電極をそれぞれ有する。外部電極は、隣接する太陽電池サブセル部212の第1電極層又は第2電極層と接続される。外部電極には、第1配線材22が接続される。
【0021】
ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21は、基材211の上に第1電極層を形成する工程と、第1電極層を切断する第1分離溝を形成する工程と、第1電極層の上に光電変換層を形成する工程と、第1分離溝の近傍で光電変換層を切断する第2分離溝を形成する工程と、光電変換層の上に第2電極層を形成する工程と、第2分離溝の近傍で第2電極層を切断する第3分離溝を形成する工程と、を備える製造方法によって製造され得る。
【0022】
第1配線材22は、ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21間を機械的及び電気的に接続する。また、第1配線材22は、ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21の第1方向の熱による変形を抑制する。このため、第1配線材22としては、例えば金属箔、金属板等の比較的ヤング率が大きく、線膨張係数が小さい導電性材料から形成され得る。より具体的な第1配線材22の材質としては、例えばステンレス鋼、炭素鋼、ばね鋼等が挙げられる。また、複数のシリコン太陽電池ストリング40への光の入射量の差を低減するために、第1配線材22は、平面視でシリコン太陽電池ストリング40の隙間を覆うよう配置されることが好ましい。このため、ペロブスカイト太陽電池サブモジュール21の第2方向の長さとシリコン太陽電池ストリング40の第2方向の長さとは等しいことが好ましい。なお、長さが「等しい」とはその差が平均値の5%以下であることを意味する。
【0023】
絶縁部材30は、ペロブスカイト太陽電池接続体20の裏側を覆う。絶縁部材30は、ペロブスカイト太陽電池接続体20とシリコン太陽電池ストリング40の間に介在することにより、ペロブスカイト太陽電池接続体20とシリコン太陽電池ストリング40の接触による破損及び短絡を防止する。絶縁部材30は、板状又はシート状の材料から形成することができる。具体的には、絶縁部材30は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、オレフィン系樹脂、含フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の板材若しくはフィルムによって形成することができる。
【0024】
シリコン太陽電池ストリング40は、それぞれ第1方向に延在し、絶縁部材30の裏側に第2方向に並んで配置される。シリコン太陽電池ストリング40は、第1方向に1列に並べて配置される複数の結晶シリコン太陽電池セル41と、第1方向に隣接する2つの結晶シリコン太陽電池セル41の略全長に亘って延びる複数の第2配線材42と、をそれぞれ有する。本実施形態において、シリコン太陽電池ストリング40は、太陽電池モジュール1の外部に電力を出力するための一対の第2引出線43によって接続されている。シリコン太陽電池ストリング40の第1方向の曲げ強度を向上するために、単一の結晶シリコン太陽電池セル41に対して、第1方向一方側に延出する複数の第2配線材42と、第1方向他方側に延出する複数の第2配線材42とが交互に接続されることが好ましい。
【0025】
結晶シリコン太陽電池セル41は、例えば結晶シリコン基板に互いに極性が異なる第1半導体層及び第2半導体層を積層し、半導体層上に集電のための電極を配置した構成とされ得る。結晶シリコン太陽電池セル41は、両面に電極が配設された両面電極型の太陽電池セルであってもよいが、裏面側にのみ電極が配設された裏面電極型の太陽電池セルであることが好ましい。第2配線材42は、隣接する結晶シリコン太陽電池セル41の電極間を接続する。第2配線材42は、比較的ヤング率が大きく、線膨張係数が小さい線状又は細い帯状の導電性材料から形成されることが好ましい。具体例として、第2配線材42は、例えばステンレス鋼線、ばね鋼線、ピアノ線等の金属線から形成され得る。
【0026】
裏面保護部材50は、複数のシリコン太陽電池ストリングの裏側に配置される。裏面保護部材50は、封止材60を介して、シリコン太陽電池ストリング40の裏面を覆うことによって、ペロブスカイト太陽電池接続体20及びシリコン太陽電池ストリング40を保護する。裏面保護部材50は、板状又はシート状の材料から形成することができ、遮水性に優れることが好ましい。具体的には、裏面保護部材50は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、オレフィン系樹脂、含フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の板材若しくはフィルムなどによって形成することができ、これらの板材若しくはフィルムとアルミニウム箔等の金属箔との積層体を用いてもよい。
【0027】
封止材60は、表面保護部材10と裏面保護部材50の間に充填され、ペロブスカイト太陽電池接続体20及びシリコン太陽電池ストリング40を封止することにより水分等から保護する。ペロブスカイト太陽電池接続体20及びシリコン太陽電池ストリング40の確実な封止のために、封止材60は、表面保護部材10とペロブスカイト太陽電池接続体20と間、ペロブスカイト太陽電池接続体20と絶縁部材30の間、絶縁部材30とびシリコン太陽電池ストリング40の間、及びシリコン太陽電池ストリング40と裏面保護部材50の間にそれぞれ充填されることが好ましい。封止材60としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/α-オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート、ポリビニルブチラート、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、シリコーン樹脂等の透光性を有する樹脂が好適に用いられる。封止材60は、製造段階ではペロブスカイト太陽電池サブモジュール21及び結晶シリコン太陽電池セル41の隙間に浸入する熱可塑性を有し、最終製品において熱可塑性を喪失するにより太陽電池モジュール1の温度が上昇しても形状を保持できる材料から形成されることが好ましい。つまり、封止材60は、熱可塑性樹脂を主体とし、この熱可塑性樹脂の軟化点よりも高い温度で活性化し、熱可塑性樹脂を架橋して硬化させる架橋剤を含有する樹脂組成物によって形成されることが好ましい。
【0028】
太陽電池モジュール1は、相対的に曲率が大きい第1方向に第1配線材22及び第2配線材42が延在することにより、第1方向の曲率の変化を抑制する。これにより、表側のペロブスカイト太陽電池サブモジュール21と裏側のシリコン太陽電池ストリング40との端部の位置ずれを制限できるので、シリコン太陽電池ストリング40の第1方向の端部への光の入射量の変化を抑制できる。このため、太陽電池モジュール1は、温度変化による光電変換効率の変化が小さい。特に、太陽電池モジュール1が上述のように信頼性を向上する絶縁部材を備える場合、厚みが増大して温度変化による曲率変化が生じやすくなるため、第1配線材22及び第2配線材42により曲率の変化を抑制する効果がより顕著となる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。例えば本発明に係る太陽電池モジュールは、絶縁部材を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 太陽電池モジュール
10 表面保護部材
20 ペロブスカイト太陽電池接続体
21 ペロブスカイト太陽電池サブモジュール
22 第1配線材
23 第1引出線
211 透明な基材
212 太陽電池サブセル部
213 接続部
30 絶縁部材
40 シリコン太陽電池ストリング
41 結晶シリコン太陽電池セル
42 第2配線材
43 第2引出線
50 裏面保護部材
60 封止材
図1
図2
図3