(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136871
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電気操作装置
(51)【国際特許分類】
G05G 25/00 20060101AFI20240927BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20240927BHJP
G05G 1/38 20080401ALN20240927BHJP
【FI】
G05G25/00 C
E02F9/16 J
G05G1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048164
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安永 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 博明
【テーマコード(参考)】
2D015
3J070
【Fターム(参考)】
2D015EB00
3J070AA32
3J070BA51
3J070CB02
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA21
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減できる電気操作装置を提供する。
【解決手段】電気操作装置1は、ケーシング3と、ケーシング3に回動可能に支持されるカム軸5と、カム軸5と共に回動するカム4と、カム軸5の回動角度を検出するポテンショメータ7と、ポテンショカバー9とを備える。ポテンショカバー9は、ポテンショメータ7を保持するホルダ、ケーシング3に取り付ける取付部、及び、ホルダと取付部との間に介在しポテンショメータ7をケーシング3に当接させる付勢部を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと
前記ケーシングに回動可能に支持されるカム軸と、
前記カム軸と共に回動するカムと、
前記カム軸の回動角度を検出するポテンショメータと、
前記ポテンショメータを保持するホルダ、前記ケーシングに取り付ける取付部、及び、前記ホルダと前記取付部との間に介在し前記ポテンショメータを前記ケーシングに当接させる付勢部を有する、ポテンショカバーと
を備える、電気操作装置。
【請求項2】
前記ケーシングが有する位置基準面に前記ポテンショメータが当接している、請求項1に記載の電気操作装置。
【請求項3】
前記付勢部の付勢方向に平行な、且つ前記取付部から前記ホルダに延びる方向に沿った平面において、前記付勢部の断面形状が屈曲した形状である、請求項1又は2に記載の電気操作装置。
【請求項4】
前記断面形状がU字状である、請求項3に記載の電気操作装置。
【請求項5】
前記断面形状が波形形状である、請求項3に記載の電気操作装置。
【請求項6】
前記カム軸、前記カム、前記ポテンショメータ、前記ホルダ及び前記付勢部が、第1カム軸、第1カム、第1ポテンショメータ、第1ホルダ及び第1付勢部であり、
前記ケーシングに回転可能に支持される第2カム軸と、
前記第2カム軸と共に回動する第2カムと、
前記第2カム軸の回動角度を検出する第2ポテンショメータと、
を更に備え、
前記ポテンショカバーが、前記第2ポテンショメータを保持する第2ホルダ、及び、前記第2ホルダと前記取付部との間に介在し前記第2ポテンショメータを前記ケーシングに当接させる第2付勢部を有する、請求項1又は2に記載の電気操作装置。
【請求項7】
前記第1ポテンショメータと前記第2ポテンショメータとが、前記第1カムと前記第2カムとの間に位置する、請求項6に記載の電気操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、電気操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子式の操作装置が開示されている。この操作装置は、建設機械の操作に用いられる。この操作装置では、支持台にカムが回動可能に支持されている。カムが磁石を収容するための取付け部を有している。この磁石と感磁センサとによって、カムの位置が検出される。検出されたカムの位置に基づいて、建設機械が操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電気操作装置では、感磁センサは、カムの周辺に位置させられる。これに対して、カムの位置を、カム軸の回動量で検出することが考えられる。具体的には、ポテンショメータでカム軸の回動量を検出することで、カムの位置が検出されうる。
【0005】
図8に、ポテンショメータ101でカム軸102の回動量を検出する構造の例が示される。
図8では、支持台103にカム軸102が回動可能に支持される。ホルダ104が支持台103に嵌合され位置決めされる。スプリング105がカバー106を付勢する。付勢されたカバー106がポテンショメータ101をホルダ104に押し付ける。ポテンショメータ101は、カバー106でホルダ104に押し付けられて位置決めされる。これにより、ポテンショメータ101の寸法バラツキが吸収されつつ、ポテンショメータ101は支持台103に位置決めされる。このポテンショメータ101の回転軸は、カップリング107を介してカム軸102と連結される。
【0006】
図8の構造では、図示されないカムがカム軸102に固定される。ポテンショメータ101がカム軸102の回動量を検出する。これにより、カムの位置が検出される。この構造では、支持台103にカムを取付けた状態で、ポテンショメータ101の取付け取り外しが可能である。
【0007】
しかしながら、
図8の構造では、ポテンショメータ101を取り付けるために、ホルダ104、スプリング105及びカバー106を用いている。この構造では、部品数が増大する。部品数の増大は、組立工数を増大させる。ポテンショメータ101を用いる電気操作装置においても、部品点数の低減が望まれる。
【0008】
本出願人の意図するところは、部品数を低減できる電気操作装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書が開示する電気操作装置は、
ケーシングと
前記ケーシングに回動可能に支持されるカム軸と、
前記カム軸と共に回動するカムと、
前記カム軸の回動角度を検出するポテンショメータと、
前記ポテンショメータを保持するホルダ、前記ケーシングに取り付ける取付部、及び、前記ホルダと前記取付部との間に介在し前記ポテンショメータを前記ケーシングに当接させる付勢部を有する、ポテンショカバーと
を備える。
【発明の効果】
【0010】
この電気操作装置は、部品点数を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電気操作装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の電気操作装置のポテンショメータ及びポテンショカバーの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2の符号Vで示すポテンショメータの取り付け状態の説明図である。
【
図6】
図6は、
図1の電気操作装置の、カムが中立位置にある使用状態が示された説明図である。
【
図7】
図7は、
図1の電気操作装置の、カムが回動した位置にある使用状態が示された説明図である。
【
図8】
図8は、
図1の電気操作装置の比較例として、ポテンショメータの取付構造が示された説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0013】
図1に、電気操作装置1が示されている。ここでは、説明の便宜上、
図1に示す前後方向、左右方向及び上下方向を用いて説明がされる。電気操作装置1は、ペダル、レバー等の操作具の操作量に応じた電気信号を出力する装置である。特に用途は限定されないが、例えば、電気操作装置1は、油圧パワーシャベル等の建設機械に用いられる。例えば、電気操作装置1は、走行ペダル装置として用いられる。
【0014】
この電気操作装置1は、左操作装置2A、右操作装置2B及びケーシング3を備える。左操作装置2A及び右操作装置2Bのそれぞれは、ケーシング3に取り付けられている。左操作装置2Aは、左クローラの駆動向き及び速度を操作可能である。右操作装置2Bは、右クローラの駆動向き及び速度を操作可能である。左操作装置2A及び右操作装置2Bのそれぞれに、図示されないペダルが取り付けられる。左操作装置2A及び右操作装置2Bのそれぞれは、ペダルの操作量に応じた電気信号を出力可能である。
【0015】
左操作装置2A及び右操作装置2Bは、互いに同等のものである。左操作装置2A及び右操作装置2Bは、左操作装置2Aと右操作装置2Bとの中間に位置する面に対称な構造である。以下の説明において、左操作装置2Aが主に説明され、右操作装置2Bの説明は省略される。
【0016】
図2には、電気操作装置1の部分断面図が示されている。左操作装置2Aは、カム4、カム軸5、カップリング6及びポテンショメータ7を備える。ケーシング3は、カムサポート8を有する。電気操作装置1は、更に、ポテンショカバー9を備える。
【0017】
カム軸5は、カムサポート8に支持されている。カム軸5は、回動可能である。即ち、カム軸5は、ケーシング3に回動可能に支持されている。カム4は、カム軸5に固定されている。これにより、カム4は、カム軸5と共に回動可能である。ポテンショメータ7は、ポテンショカバー9によって、ケーシング3に取り付けられている。カム軸5とポテンショメータ7とはカップリング6を介して接続されている。
【0018】
図3には、ポテンショメータ7及びポテンショカバー9が示されている。ポテンショメータ7は、ケース10、軸11及び配線12を備える。軸11は、ケース10に対して回転可能である。軸11は回転突起13を有する。ポテンショメータ7は、突起10Aを有する。突起10Aは、ケース10の表面から突出している。配線12は、ポテンショメータ7と外部との間で信号を入出力可能である。ポテンショメータ7は、軸11の回転量(回動量)を電気信号として出力可能である。
【0019】
ポテンショカバー9は、一対のホルダ14、一対の取付部15、及び、4つの付勢部16を有する。それぞれのホルダ14は、それぞれの取付部15に、付勢部16を介して接続されている。一対のホルダ14のそれぞれが、互いに別々の付勢部16によって、取付部15に接続されている。
【0020】
このポテンショカバー9では、ホルダ14、取付部15及び付勢部16が一体成形されている。ポテンショカバー9は、コスト低減の観点から、好ましくは、一体成形品である。しかしながら、ポテンショカバー9は、一体成形品に限定されない。例えば、付勢部16として別体の付勢体が用いられてもよい。ポテンショカバー9は、この付勢体を介して、ホルダ14と取付部15とが接続されていてもよい。
【0021】
それぞれのホルダ14は、天板14A、一対の側板14B及び一対の凹み14Cを有する。一対の側板14Bは対向している。一対の側板14Bは、天板14Aを間にして天板14Aの端から延びている。凹み14Cは、側板14Bの表面から凹んでいる。
【0022】
それぞれの取付部15は、取付孔15Aを有する。
図1に示される様に、この取付孔15Aにネジ26が通され、ポテンショカバー9はケーシング3に取付けられる。なお、ネジ26で取付けられる取付部15は、例示である。この取付部15は、ポテンショカバー9をケーシング3に取付け可能であればよい。取付部15は、ネジ26による取り付けに限定されない。
【0023】
図3に示されるポテンショメータ7は、一方のホルダ14に保持される。保持姿勢では、ポテンショメータ7の上面7Aが、ホルダ14の天板14Aに当接する。ポテンショメータ7の側面7Bが、ホルダ14の側板14Bに当接する。ポテンショメータ7の突起10Aがホルダ14の凹み14Cに係合する。この係合によって、ポテンショメータ7は、カム軸5の軸方向において、ホルダ14に対して位置決めされる。なお、突起10A及び凹み14Cに代えて、ポテンショメータ7に凹みが形成され、ホルダ14に突起が形成されてもよい。このホルダ14では、天板14Aが弾性変形して、一対の側板14Bがポテンショメータ7を挟み込む。一対の側板14Bが挟み込むことで、ホルダ14に対してポテンショメータ7が位置決めされている。
【0024】
なお、
図3では、左操作装置2Aのポテンショメータ7が示され、右操作装置2Bのポテンショメータ7の記載は省略されている。図示されないが、右操作装置2Bのポテンショメータ7も、左操作装置2Aのポテンショメータ7と同様にして、他方のホルダ14に保持される。
【0025】
図4に示される様に、このポテンショカバー9では、天板14Aが屈曲している。これにより、天板14Aは弾性変形し易い。
図4において、天板14Aは、円弧状に屈曲している。天板14Aの屈曲形状は、円弧状に限定されない。天板14Aの屈曲形状は、好ましくは、弾性変形して、一対の側板14Bがポテンショメータ7を挟み込める形状である。
【0026】
このポテンショカバー9では、それぞれの付勢部16が屈曲している。これより、付勢部16は、弾性変形し易い。
図4において、付勢部16は、上下を逆転させたU字状に屈曲している。付勢部16の屈曲形状は、特に限定されない。付勢部16の屈曲形状は、取付部15に対してホルダ14の位置が変化するときに、弾性変形可能であればよい。
【0027】
図5には、
図2の符号Vで示されたポテンショメータ7の取り付け状態が示されている。ポテンショカバー9は、ケーシング3にポテンショメータ7を取り付けている。
図5では、ポテンショメータ7に接続されるカップリング6及びカム軸5は省略されている。図示されないが、カップリング6にポテンショメータ7の回転突起13が係合し、ポテンショメータ7とカップリング6とが接続される
【0028】
ケーシング3は、位置基準面3A及び位置基準面3Bを有する。ポテンショカバー9がケーシング3に取り付けられることで、ポテンショメータ7はケーシング3に当接している。ポテンショメータ7はケーシング3に押し付けられている。このポテンショメータ7は、ポテンショカバー9の天板14Aによって位置基準面3Aに押し付けられている。ポテンショメータ7は、ポテンショメータ7の突起10Aとポテンショカバー9の凹み14Cとが係合して(
図3参照)、ポテンショカバー9よって位置基準面3Bに押し付けられている。
【0029】
位置基準面3Aは、上下方向における、ポテンショメータ7の位置基準面である。位置基準面3Bは、カム軸5の軸方向における、ポテンショメータ7の位置基準面である。
図2に示される様に、カム軸5とポテンショメータ7とがカップリング6を介して接続される。カップリング6によって、カム軸5の軸線とポテンショメータ7の軸線とのずれが調整される。
【0030】
図6には、
図1の電気操作装置1の断面が示されている。
図6では、左操作装置2Aの断面が示されている。カム4は、前後方向に傾いてない。カム4は、中立位置にある。以下の説明においても、左操作装置2Aが主に説明され、右操作装置2Bの説明は省略される。
【0031】
ケーシング3は、ベース17を有する。ベース17は、カム4の下方に位置する。このベース17は、例えば、建設機械の運転室の床に取り付けられる。ベース17の貫通孔17Aにボルトが通されて、床に固定される。ケーシング3は、左操作装置2Aを取り付けるために、一対のストッパ18、一対のガイド孔19、及び、一対の収容室20を有する。一対のストッパ18は前後方向にカム軸5を間にして間隔を空けて位置している。一対のガイド孔19は前後方向にカム軸5を間にして間隔を空けて位置している。それぞれのガイド孔19の下方に収容室20が位置している。ガイド孔19と収容室20とは同軸上に位置している。ガイド孔19と収容室20とは連通している。
【0032】
左操作装置2Aは、一対のプッシュロッド21、一対のスプリング22、一対のバネ受け23、及び、一対のダンパスプリング24を備える。それぞれのプッシュロッド21は、ガイド孔19に挿入されている。プッシュロッド21は、ガイド孔19に沿って移動可能である。バネ受け23は、収容室20に収容されている。バネ受け23は、収容室20に沿って移動可能である。バネ受け23は、スプリング22によって、収容室20の上端に付勢されている。プッシュロッド21は、バネ受け23に下方から支持されている。ダンパスプリング24は、プッシュロッド21をカム4に向かって付勢している。プッシュロッド21は、カム4の押圧部25に当接している。
【0033】
図7には、前方にカム4が最大に回動した左操作装置2Aの断面が示されている。カム4は、前方のストッパ18に当接している。前方の押圧部25は、プッシュロッド21を押し下げている。押し下げられたプッシュロッド21によって、バネ受け23は、下方に押し下げられている。バネ受け23は、スプリング22の付勢力に抗して、下方に押し下げられている。押し下げられたプッシュロッド21によって、ダンパスプリング24が圧縮されている。一方で、後方のプッシュロッド21は、ダンパスプリング24によって、押し上げられている。後方のプッシュロッド21は、上方に回動した押圧部25に当接している。
【0034】
この電気操作装置1では、左操作装置2A及び右操作装置2Bのそれぞれに、ペダルが取り付けられる。オペレータが操作していない左操作装置2Aの状態は、
図6の使用状態である。ポテンショメータ7は、カム軸5の回動角度を検出している。ポテンショメータ7の検出信号に基づき、左クローラは、駆動されず停止状態にある。オペレータが操作していない状態では、右操作装置2Bの状態も、
図6の使用状態である。右クローラは、駆動されず停止状態にある。
【0035】
一方で、オペレータがペダルを前方に踏む込むことで、カム4及びカム軸5は反時計回りに回動する。オペレータがペダルを前方に最大に踏み込むことで、カム4はストッパ18に当接する。カム4及びカム軸5は、反時計回りに最大に回動する。左操作装置2Aの状態は、
図7の使用状態に変化する。ポテンショメータ7は、カム軸5の回動角度を検出している。ポテンショメータ7の検出信号に基づき、左クローラは、前進向きに最大速度で駆動される。
【0036】
この電気操作装置1では、ペダルを前方に踏み込むことで、クローラが前進向きに駆動される。ペダルを後方に踏み込むことで、クローラが後退向きに駆動される。カム4の踏み込み量を変化させることで、クローラの速度が調整される。
【0037】
オペレータが左右のペダルを同様に前方に踏み込むことで、建設機械は前進する。オペレータが左右のペダルを同様に後方に踏み込むことで、建設機械は後退する。オペレータが左右のペダルの踏み込み量に差を生じさせることで、左クローラと右クローラとに速度差が生じる。この速度差によって、建設機械は、旋回する。この速度差を変更することで、建設機械の旋回半径が変更される。
【0038】
電気操作装置1は、ポテンショカバー9を備える。このポテンショカバー9は、ポテンショメータ7を保持するホルダ14、ケーシング3に取り付ける取付部15、及び、ホルダ14と取付部15との間に介在しポテンショメータ7をケーシング3に当接させる付勢部16を有する。この電気操作装置1は、ポテンショメータ7を取り付ける部品数を低減できる。
【0039】
このポテンショカバー9では、ホルダ14がポテンショメータ7を保持する。ポテンショカバー9は、ホルダ14に対して位置決めされている。ポテンショカバー9がケーシング3に取り付けられることで、ポテンショメータ7がケーシング3に取り付けられる。このポテンショカバー9は、ケーシング3に対するポテンショメータ7の位置決めを容易にできる。
【0040】
ポテンショカバー9によって、ケーシング3が有する位置基準面3Aにポテンショメータ7が当接している。これにより、ポテンショメータ7は、上下方向において、位置決めされる。この観点から、ケーシング3が位置基準面3Aを有することが好ましい。また、ポテンショカバー9によって、ケーシング3が有する位置基準面3Bにポテンショメータ7が当接している。これにより、ポテンショメータ7は、カム軸5の軸方向において、位置決めされる。この観点から、ケーシング3が位置基準面3Bを有することが好ましい。
【0041】
図4に示される様に、付勢部16の付勢方向に平行な、且つ取付部15からホルダ14に延びる方向に沿った平面において、付勢部16の断面形状は屈曲した形状である。断面形状が屈曲した付勢部16は、付勢方向に対して弾性変形し易い。断面形状が屈曲した付勢部16は弾性変形に対して耐久性に優れる。この観点から、付勢部16の断面形状は、好ましくは、屈曲した形状である。
【0042】
また、ポテンショカバー9では、付勢部16の形状は、取付部15とホルダ14との間で延びる板状であってもよい。付勢部16の形状が、屈曲した板状であってもよい。厚さが幅より小さい板状の付勢部16は、付勢方向に弾性変形し易い。この観点から、付勢部16の形状は、好ましくは、厚さが幅より小さい板状である。
【0043】
なお、付勢部16の断面形状は、弾性変形に適した形状が好ましいが、特に限定されない。例えば、付勢部16の断面形状は、屈曲形状が連続する波形形状であってもよい。付勢部16の屈曲断面形状は、特に限定されないが、耐久性の観点から、好ましくは、滑らかな曲線形状である。
【0044】
図4のポテンショカバー9では、付勢部16は、上下逆向きのU字状である。U字状の断面形状は、簡単な形状である。従って、ポテンショカバー9の製造は容易である。また、付勢部16は耐久性にも優れる。これらの観点から、付勢部16の断面形状は、好ましくはU字状である。付勢部16の断面形状は、波形形状であってもよい。
【0045】
図2に示される様に、電気操作装置1は、左操作装置2A及び右操作装置2Bを備える。ここで、左操作装置2Aにおける、カム軸5、カム4及びポテンショメータ7が、第1カム軸、第1カム、第1ポテンショメータである。右操作装置2Bにおける、カム軸5、カム4及びポテンショメータ7が、第2カム軸、第2カム、第2ポテンショメータとされる。ポテンショカバー9では、一方のホルダ14及び一方の一対の付勢部16が、第1ホルダ及び第1付勢部とされる。他方のホルダ14及び他方の一対の付勢部16が、第2ホルダ及び第2付勢部とされる。このポテンショカバー9は、左操作装置2Aのポテンショメータ7と右操作装置2Bのポテンショメータ7とを、ケーシング3に当接させている。このポテンショカバー9は、左操作装置2Aのポテンショメータ7と右操作装置2Bのポテンショメータ7とをケーシング3に取り付ける。ポテンショカバー9は、電気操作装置1の部品点数の低減と、組立工数の低減とに、更に寄与する。
【0046】
図2に示される様に、電気操作装置1では、左操作装置2Aのポテンショメータ7と右操作装置2Bのポテンショメータ7とが、左操作装置2Aのカム4と右操作装置2Bのカム4との間に位置する。この一対のポテンショメータ7の配置より、1個のポテンショカバー9で、一対のポテンショメータ7がケーシング3に容易に取り付けられる。更に、電気操作装置1では、左操作装置2Aのカム軸5と右操作装置2Bのカム軸5とが同一軸線上に配置されている。一対のカム軸5が同軸線上に配置されることで、ポテンショカバー9で、一対のポテンショメータ7がケーシング3に更に容易に取り付けられる。
【0047】
ここでは、電気操作装置1を建設機械の走行ペダル装置として用いる例が説明されたが、電気操作装置1は、走行ペダル装置以外のペダル装置に用いられてもよい。また、オペレータが手で操作するレバーが取り付けられ電気レバー装置として用いられてもよい。更に、ペダルとレバーとの両方が取り付けられ電気レバーペダル装置として用いられてもよい。
【0048】
電気操作装置1は、油圧シャベル、油圧クレーン、ホイールローダー等の建設機械を操作するための油圧回路にも好適に採用できる。更に、電気操作装置1は、建設機械以外の車両や機械にも適用可能である。
【0049】
電気操作装置1は、左操作装置2A及び右操作装置2Bを備えていたが、一つの操作装置を備えてもよい。ポテンショカバー9は、一対のホルダ14を有していたが、一つのホルダ14を有してもよい。
【0050】
[開示態様]
以下の態様のそれぞれは、好ましい実施形態を開示する。
【0051】
[態様1]
ケーシングと
前記ケーシングに回動可能に支持されるカム軸と、
前記カム軸と共に回動するカムと、
前記カム軸の回動角度を検出するポテンショメータと、
前記ポテンショメータを保持するホルダ、前記ケーシングに取り付ける取付部、及び、前記ホルダと前記取付部との間に介在し前記ポテンショメータを前記ケーシングに当接させる付勢部を有する、ポテンショカバーと
を備える、電気操作装置。
【0052】
上記構成によれば、ポテンショカバーがポテンショメータを保持するホルダ、ケーシングに取り付ける取付部、及び、ポテンショメータをケーシングに当接させる付勢部を有する。これにより、部品点数を低減できる。
【0053】
[態様2]
前記ケーシングが有する位置基準面に前記ポテンショメータが当接している、態様1に記載の電気操作装置。
【0054】
上記構成によれば、ポテンショメータはケーシングの基準面に当接している。これにより、ポテンショメータは、ケーシングを基準に位置決めできる。
【0055】
[態様3]
前記付勢部の付勢方向に平行な、且つ前記取付部から前記ホルダに延びる方向に沿った平面において、前記付勢部の断面形状が屈曲した形状である、態様1又は2に記載の電気操作装置。
【0056】
上記構成によれば、付勢部の断面形状が屈曲した形状であるので、付勢部は、付勢方向に対して弾性変形し易く、弾性変形に対して耐久性に優れる。
【0057】
[態様4]
前記断面形状がU字状である、態様3に記載の電気操作装置。
【0058】
上記構成によれば、付勢部の断面形状がU字状であるので、ポテンショカバーの製造が容易であり、付勢部は耐久性に優れる。
【0059】
[態様5]
前記断面形状が波形形状である、態様3又は4に記載の電気操作装置。
【0060】
上記構成によれば、付勢部の断面形状が波形形状であるので、付勢部は弾性変形し易く、弾性変形に対して耐久性に優れる。
【0061】
[態様6]
前記カム軸、前記カム、前記ポテンショメータ、前記ホルダ及び前記付勢部が、第1カム軸、第1カム、第1ポテンショメータ、第1ホルダ及び第1付勢部であり、
前記ケーシングに回転可能に支持される第2カム軸と、
前記第2カム軸と共に回動する第2カムと、
前記第2カム軸の回動角度を検出する第2ポテンショメータと、
を更に備え、
前記ポテンショカバーが、前記第2ポテンショメータを保持する第2ホルダ、及び、前記第2ホルダと前記取付部との間に介在し前記第2ポテンショメータを前記ケーシングに当接させる第2付勢部を有する、態様1から5のいずれかに記載の電気操作装置。
【0062】
上記構成によれば、一個のポテンショカバーで、一対のポテンショメータのそれぞれを、ケーシング3に当接させる。このポテンショカバーは、部品点数の低減と、組立工数の低減とに、更に寄与する。
【0063】
[態様7]
前記第1ポテンショメータと前記第2ポテンショメータとが、前記第1カムと前記第2カムとの間に位置する、態様6に記載の電気操作装置。
【0064】
上記構成によれば、一対のポテンショメータを近づけて配置できる。これにより、1個のポテンショカバーで、一対のポテンショメータがケーシングに容易に取り付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上説明された電気操作装置は、建設機械に限らず、種々の機械の操作に広く適応できる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・電気操作装置
2A・・・左操作装置
2B・・・右操作装置
3・・・ケーシング
4・・・カム(第1カム、第2カム)
5・・・カム軸(第1カム軸、第2カム軸)
7・・・ポテンショメータ(第1ポテンショメータ、第2ポテンショメータ)
9・・・ポテンショカバー
14・・・ホルダ(第1ホルダ、第2ホルダ)
15・・・取付部
16・・・付勢部(第1付勢部、第2付勢部)