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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136878
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】レンタル車両情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048172
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】下田 義弥
(72)【発明者】
【氏名】山下 華妃
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 沙也加
(72)【発明者】
【氏名】横山 博亮
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘幸
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB68
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】車両レンタルサービスに用いられる車両の状態をユーザが一目で理解できるレンタル車両情報提供システムを提供する。
【解決手段】レンタル車両情報提供システム100は、レンタル車両10のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を取得する車両情報取得部42と、取得したメンテナンス情報に含まれる各評価項目の各データを、各評価項目の基準値に対する相対値である評価値に変換する評価値変換部44と、評価値を示す情報を出力する出力部48とを有する管理装置40と、管理装置40から出力された評価値を示す情報を取得する評価値取得部22と、評価値を表示する表示部24とを有する端末装置20と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタル車両のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を取得する車両情報取得部と、
取得した前記メンテナンス情報に含まれる各評価項目の各データを、各評価項目の基準値に対する相対値である評価値に変換する評価値変換部と、
前記評価値を示す情報を出力する出力部と
を有する管理装置と、
前記管理装置から出力された前記評価値を示す情報を取得する評価値取得部と、
前記評価値を表示する表示部と
を有する端末装置と、
を備えるレンタル車両情報提供システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換するコード変換部を更に有し、
前記出力部は、前記評価値を示す情報として、前記一次元コードまたは前記二次元コードを含む画像を出力し、
前記端末装置は、前記一次元コードまたは前記二次元コードの情報を認識するコード認識部を更に有する
請求項1に記載のレンタル車両情報提供システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記レンタル車両に搭載されるか、前記レンタル車両を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置されるか、サーバに含まれるかのうち少なくともいずれかである
請求項1又は2に記載のレンタル車両情報提供システム。
【請求項4】
前記管理装置は、取得した前記データを記憶する記憶部をさらに有し、
前記評価値変換部は、前記記憶部に記憶された前記データが更新されるごとに、前記データを前記評価値に変換して前記評価値を更新し、
前記コード変換部は、前記評価値が更新されるごとに、前記評価値を前記一次元コードまたは前記二次元コードに変換する
請求項2に記載のレンタル車両情報提供システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記レンタル車両の前記評価値が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記評価値が所定条件を満たすと判定した場合に、前記レンタル車両を利用するユーザに対するクーポン情報を生成するクーポン情報生成部をさらに有し、
前記出力部は、生成された前記クーポン情報を出力する
請求項2に記載のレンタル車両情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンタル用の車両に関する情報をユーザに対して提供するレンタル車両情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両貸出サービスを利用するユーザの、車両の使用マナーを含む信頼度を判定するユーザ評価装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているユーザ評価装置は、車両貸出サービスを利用するユーザ自身に撮影させた、貸出時および返却時の車両の画像を取得し、貸出時画像および返却時画像を用いて返却時の汚れを検出する。これにより、車両貸出サービスを利用するユーザが使用した後の車両の状態を評価する。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のユーザ評価装置は、車両の状態の評価結果を車両貸出サービスの事業者側が用いるものであり、車両の状態の評価結果を車両貸出サービスのユーザ側に提供するものではない。このため、車両貸出サービスのユーザは、車両を使用する際に車両の状態を知ることができない。
【0006】
本発明は、車両レンタルサービスに用いられるレンタル車両の状態をユーザが一目で理解できるレンタル車両情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レンタル車両のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を取得する車両情報取得部と、取得した前記メンテナンス情報に含まれる各評価項目の各データを、各評価項目の基準値に対する相対値である評価値に変換する評価値変換部と、前記評価値を示す情報を出力する出力部とを有する管理装置と、前記管理装置から出力された前記評価値を示す情報を取得する評価値取得部と、前記評価値を表示する表示部とを有する端末装置と、を備えるレンタル車両情報提供システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレンタル車両情報提供システムによれば、車両レンタルサービスに用いられるレンタル車両の状態をユーザが一目で理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの概略構成図である。
図2図2は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムにおける評価値の表示形態の一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムにおける評価値の表示形態の一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの管理装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図6図6は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの端末装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図7図7は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの端末装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムについて、添付図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0011】
[レンタル車両情報提供システムの概要]
先ず、本発明の一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの概要について説明する。図1は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の概略構成図である。図1に示すように、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100は、車両10(レンタル車両)と、端末装置20と、事業者端末30と、管理装置40とを主体に構成されている。車両10と、端末装置20と、事業者端末30と、管理装置40とは、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークは、例えばインターネットが挙げられる。ネットワークは、4G/LTE、又は5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0012】
車両10は、車両レンタルサービスを提供する事業者が所有するレンタル用の車両である。図1に示すように、車両10は、例えばレンタル用の電動アシスト自転車である。なお、車両10は、レンタル用の電動キックボード、電気自動車、電動アシスト機能を有しない自転車又はキックボードであってもよい。図1に示す例では、車両10が1台示されているが、車両10は複数存在し、車両10の台数は特に限定されない。
【0013】
端末装置20は、車両レンタルサービスを利用するユーザが所持する端末装置である。例えば図1に示すように、端末装置20は、スマートフォンなどの携帯端末である。なお、端末装置20は、スマートグラス等のウェアラブルデバイスであってもよい。図1に示す例では、端末装置が1台示されているが、端末装置20は複数存在し、端末装置20の数は特に限定されない。
【0014】
事業者端末30は、車両レンタルサービスを提供する事業者により操作されるパーソナルコンピュータ等により構成される。事業者端末30は、車両10のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を管理する。
【0015】
管理装置40は、事業者端末30から車両10のメンテナンス情報を取得し、取得したメンテナンス情報に含まれる各評価項目の各データを評価値に変換して出力する。管理装置40は、車両10に搭載されるか、車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置されるか、例えば車両レンタルサービスを提供する事業者の事業所に設置されるサーバに含まれるかのうち少なくともいずれかである。一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムは、車両レンタルサービスにおいて、車両10のメンテナンス状態をユーザが直感的に理解できる形態でユーザに提供するシステムである。以下の説明では、車両レンタルサービスにおいて一般的な各種の構成については説明を省略し、レンタル車両情報提供システムに必要な各種の構成について説明する。
【0016】
[レンタル車両情報提供システムの構成]
図2は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の構成例を示すブロック図である。
【0017】
車両10は、通信部11、記憶部12、入出力部13、バッテリー14、CPU(Central Processing Unit)15を有する。
【0018】
通信部11は、ネットワークを介して事業者端末30及び管理装置40との間で通信可能に構成される。通信部11は、事業者端末30及び管理装置40から所定のデータを受信したり、事業者端末30に所定のデータを送信したりする。通信部11は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-Fi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0019】
記憶部12は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部12には、CPU15が実行する各種のプログラムと、各種のデータが記憶される。記憶部12は、例えば車両10毎に付与されている車両IDを示す情報を記憶する。記憶部12は、例えばバッテリー14のバッテリー残量を示すデータを一時的に記憶する。
【0020】
入出力部13は、ユーザが操作可能な各種スイッチやボタン、モニタ等を有する。入出力部13は、ユーザから、車両10の利用に必要な各種の情報を受け付け、ユーザの操作に対応する各種の情報を出力する。入出力部13は、例えば、ユーザから車両10の利用に必要な暗証番号の情報、車両10の返却に必要な情報等を受け付ける。
【0021】
CPU15は、入出力部13がユーザから車両10の返却に必要な情報を受け付けると、車両10のレンタルが終了したと判断して、通信部11を介してバッテリー残量を示すデータを車両IDとともに事業者端末30に送信する。
【0022】
事業者端末30は、通信部31、入出力部32、記憶部33、CPU34を有する。
【0023】
通信部31は、ネットワークを介して車両10及び管理装置40との間で通信可能に構成される。通信部31は、車両10からバッテリー残量を示すデータを車両IDとともに受信する。通信部31は、管理装置40から車両10のメンテナンス情報を要求する指示を受信すると、車両10のメンテナンス情報を車両IDとともに管理装置40に送信する。通信部31は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-Fi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0024】
入出力部32は、例えばキーボード、マウス、モニタ、タッチパネル等を有する。入出力部32は、車両10のメンテナンス情報を管理するために必要な各種の情報を受け付け、各種の情報を出力する。ここで、事業者は、入出力部32を介して、車両10のメンテナンス情報を入力する。事業者は、例えば、車両10のメンテナンス情報として、車両10のバッテリー14を充電した日時、車両10のバッテリー14の交換を行った日時、車両10の清掃を行った日時、車両10の消毒を行った日時、清掃、消毒又はバッテリーの交換を行ってからの車両の利用回数(以下利用回数と言う)等を、車両10の車両IDに紐づけて入力する。なお、車両10のメンテナンス情報は、事業者により手動で入力されてもよく、車両10のメンテナンス情報を管理するその他の装置等から入力されてもよい。
【0025】
記憶部33は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部33は、車両10のメンテナンス情報を、車両IDに紐づけて記憶する。
【0026】
CPU34は、通信部31が車両10のメンテナンス情報の要求を受信すると、通信部31を介してメンテナンス情報を管理装置40に送信する。CPU34は、例えば、車両10のメンテナンス情報として、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数を示すデータを管理装置40に送信する。バッテリー残量とは、通信部31がデータを取得した時点でのバッテリー14の充電率であり、通信部31を介して車両10から受信される。充電回数とは、事業者がバッテリー14を交換してから現在までのバッテリー14の充電を行った回数であり、車両10のバッテリー14を充電した日時及びバッテリー14の交換を行った日時に基づいて算出される。消毒後の経過時間とは、事業者が前回車両10の消毒を行ってから現在までの経過時間であり、車両10の消毒を行った日時に基づいて算出される。清掃後の経過時間とは、事業者が前回車両10の清掃を行ってから現在までの経過時間であり、車両10の清掃を行った日時に基づいて算出される。利用回数とは、事業者が車両10の消毒、清掃又はバッテリーの交換を行ってからの利用回数である。
【0027】
管理装置40は、通信部41、車両情報取得部42、記憶部43、評価値変換部44、コード変換部45、判定部46、クーポン情報生成部47、出力部48を有する。
【0028】
通信部41は、ネットワークを介して車両10、事業者端末30及び端末装置20との間で通信可能に構成される。通信部41は、事業者端末30に車両10のメンテナンス情報を要求する指示を車両IDとともに送信する。また、通信部41は、車両10のメンテナンス情報を事業者端末30から受信する。通信部41は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi-Fi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0029】
車両情報取得部42は、通信部41を介して、事業者端末30から車両10のメンテナンス情報を取得する。車両情報取得部42は、例えば、車両10のメンテナンス情報として、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数を示すデータを、車両10の車両IDとともに取得する。車両情報取得部42は、取得した車両10のメンテナンス情報に含まれる評価項目のデータが、記憶部43に記憶されている車両IDに対応するメンテナンス情報に含まれる評価項目のデータから更新されている場合に、取得したメンテナンス情報に含まれる評価項目のデータを記憶部43に記憶する。
【0030】
記憶部43は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部43は、取得した車両10のメンテナンス情報を車両IDとともに記憶する。記憶部43は、後述する評価値変換部44により変換された評価値を、車両IDとともに記憶する。
【0031】
評価値変換部44は、取得したメンテナンス情報に含まれる各評価項目の各データを、各評価項目の基準値に対する相対値である評価値に変換する。評価値変換部44は、記憶部43に記憶されたデータが更新されるごとに、データを評価値に変換して評価値を更新する。
【0032】
ここで、評価値変換部44による評価値の変換方法の一例について説明する。評価値変換部44は、取得した車両10のメンテナンス情報に含まれる、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の各データを、相対値である評価値に変換する。評価値変換部44は、例えば、取得したバッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の各データを、相対値である5段階の評価値1~5に変換する。この場合、5段階の評価値1~5は、「5」が最も評価が高く、「1」が最も評価が低いものとする。例えば、バッテリー残量については、基準値を100%と設定し、バッテリー残量が0%以上20%未満の場合には評価値を「1」、20%以上40%未満の場合には「2」、40%以上60%未満の場合には「3」、60%以上80未満の場合には「4」、80%以上100以下の場合には「5」といったように、バッテリー残量を5段階の評価値に変換する。
【0033】
充電回数については、例えば、基準値をバッテリー14の製造元が推奨する推奨充電回数に設定する。そして、充電回数の推奨充電回数に対する割合を算出し、算出した割合に基づいて、充電回数を5段階の評価値1~5に変換する。この場合、5段階の評価値1~5は、「5」が最も評価が高く、「1」が最も評価が低いものとする。例えば、充電回数については、充電回数が少ないほど、すなわち充電回数の推奨充電回数に対する割合が低いほど評価が高く、充電回数が多いほど、すなわち充電回数の推奨充電回数に対する割合が高いほど評価が低くなるように、充電回数を5段階の評価値に変換する。
【0034】
また、車両レンタルサービスを提供する事業者は、車両10を回収するタイミングで、車両10の消毒及び清掃を行う。消毒後の経過時間、清掃後の経過時間を評価値へ変換するための基準値は、例えば、車両レンタルサービスを提供する事業者が車両10を回収する頻度の基準として設定している経過時間に設定する。そして、経過時間の基準値に対する割合を算出し、算出した割合に基づいて、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間を5段階の評価値1~5に変換する。この場合、5段階の評価値1~5は、「5」が最も評価が高く、「1」が最も評価が低いものとする。例えば、消毒後の経過時間については、消毒からの経過時間が短いほど評価が高く、消毒からの経過時間が長いほど評価が低くなるように、消毒後の経過時間を5段階の評価値に変換する。同様に、清掃後の経過時間については、清掃からの経過時間が短いほど評価が高く、清掃からの経過時間が長いほど評価が低くなるように、清掃後の経過時間を5段階の評価値に変換する。
【0035】
さらに、利用回数を評価値へ変換するための基準値は、例えば、車両レンタルサービスを提供する事業者がバッテリーの交換を行う頻度の基準として設定している利用回数に設定する。そして、利用回数の基準値に対する割合を算出し、算出した割合に基づいて、利用回数を5段階の評価値1~5に変換する。この場合、5段階の評価値1~5は、「5」が最も評価が高く、「1」が最も評価が低いものとする。例えば、利用回数については、バッテリー交換後の車両の利用回数が少ないほど評価が高く、バッテリー交換後の車両の利用回数が多いほど評価が低くなるように、利用回数を5段階の評価値に変換する。
【0036】
なお、評価項目の各データを評価値へ変換するための基準値は、車両レンタルサービスを提供する事業者によって設定可能である。これにより、レンタル車両のメンテナンス状態をユーザが直感的に理解できる形態でユーザに提供することができ、車両レンタルサービスに用いられるレンタル車両のメンテナンス状態をユーザが一目で理解できる。
【0037】
コード変換部45は、評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換する。コード変換部45は、評価値が更新されるごとに、評価値を前記一次元コードまたは二次元コードに変換する。コード変換部45は、取得したデータを5段階に変換した評価値の情報を一次元コードまたは二次元コードに変換する。なお、コード変換部45は、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表した画像を、一次元コードまたは二次元コードに変換してもよい。また、コード変換部45は、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表した画像をインターネット上で表示可能なURL(Uniform Resource Locator)を、一次元コードまたは二次元コードに変換してもよい。評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態の例については、後述する。
【0038】
判定部46は、車両10の評価値に基づいて、車両10を利用するユーザに対するクーポン情報を生成するか否かを判定する。判定部46は、車両10の評価値が所定条件を満たすか否かを判定する。判定部46は、例えば、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値のうち3つ以上の項目の評価値が「3」以下となっているか否かを判定する。
【0039】
クーポン情報生成部47は、判定部46が、車両10の評価値が所定条件を満たすと判定した場合に、車両10を利用するユーザに対するクーポン情報を生成する。クーポン情報とは、例えば、車両10の利用料の割引に関する情報である。クーポン情報の内容については、車両レンタルサービスを提供する事業者が設定可能である。
【0040】
出力部48は、評価値を示す情報を出力する。出力部48は、管理装置40が車両10又は車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置される場合には、例えばディスプレイである。この場合、出力部48は、評価値を示す情報として、コード変換部45により変換された一次元コードまたは二次元コードをディスプレイに表示する。また、出力部48は、管理装置40がサーバに設置される場合には、評価値を示す情報を、通信部41を介して端末装置20に送信してもよく、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表した画像を、通信部41を介して端末装置20に送信してもよい。
【0041】
また、出力部48は、クーポン情報が生成された場合には、生成されたクーポン情報を出力する。出力部48は、生成されたクーポン情報を、通信部41を介して端末装置20及び事業者端末30に送信する。なお、出力部48は、管理装置40が車両10又は車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置される場合には、生成されたクーポン情報をディスプレイに表示してもよい。
【0042】
端末装置20は、通信部21、評価値取得部22、コード認識部23、表示部24を有する。
【0043】
通信部21は、ネットワークを介して事業者端末30及び管理装置40との間で通信可能に構成される。通信部21は、事業者端末30及び管理装置40から所定のデータを受信したり、事業者端末30に所定のデータを送信したりする。通信部21は、4G/LTE、5Gなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wi―Fi通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0044】
評価値取得部22は、管理装置40から出力された評価値を示す情報を取得する。評価値取得部22は、管理装置40が車両10又は車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置される場合には、端末装置20に搭載されたカメラである。この場合、評価値取得部22は、管理装置40の出力部48から出力された一次元コードまたは二次元コードを含む画像を撮像する。なお、評価値取得部22は、管理装置40がサーバ上に設置される場合には、ネットワークを介して、管理装置40から送信された評価値を示す情報を通信部21を介して取得する。
【0045】
コード認識部23は、評価値取得部22により取得された一次元コードまたは二次元コードの情報を認識する。なお、一次元コードまたは二次元コードの情報を認識する方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。コード認識部23は、一次元コードまたは二次元コードの情報から、評価値を示す情報を取得する。
【0046】
表示部24は、例えばディスプレイであり、表示部24は、評価値を表示する。表示部24は、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表示する。評価値の表示形態は、例えば図3に示すように、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値をレーダーチャートで示した形態である。また、評価値の表示形態は、例えば図4に示すように、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値を棒グラフで示した形態であってもよい。評価値の表示形態は、特に限定されるものではない。
【0047】
また、表示部24は、管理装置40から通信部21を介してクーポン情報を受信した場合には、受信したクーポン情報を表示する。なお、表示部24は、クーポン情報を受信した場合には、受信したクーポン情報を受信したことを通知する通知画面を表示し、ユーザが通知画面を選択するなどのクーポン情報を表示させるための操作を行った場合に、クーポン情報を表示してもよい。レンタル車両サービスのユーザは、表示部24により表示された評価値を基に、レンタルする車両10を選択できる。なお、車両10をレンタルするための手続きは、従来行っている手続きで行ってもよい。
【0048】
[レンタル車両情報提供システムの動作]
次に、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システムの動作の一例について、図5図7のフローチャートを参照して説明する。図5は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の管理装置40が実行する処理を示すフローチャートである。図6及び図7は、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の端末装置20が実行する処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、管理装置40は、車両10に設置されているものとする。
【0049】
図5のステップS1において、管理装置40の車両情報取得部42は、通信部41を介して、事業者端末30から車両10のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を取得する。車両情報取得部42は、例えば、車両10のメンテナンス情報として、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数を示すデータを、車両10の車両IDとともに取得する。
【0050】
処理はステップS2に進み、車両情報取得部42は、取得した車両10のメンテナンス情報に含まれるデータが、記憶部43に記憶されている車両IDに対応するメンテナンス情報に含まれるデータから更新されているか否かを判定する。取得したメンテナンス情報に含まれるデータが記憶部43に記憶されている車両IDに対応するメンテナンス情報に含まれるデータから更新されている場合(ステップS2でYES)には、処理はステップS3に進む。一方、取得したメンテナンス情報に含まれるデータが記憶部43に記憶されているメンテナンス情報に含まれるデータから更新されていない場合(ステップS2でNO)には、管理装置40は、図5のフローを終了する。
【0051】
ステップS3において、記憶部43は、取得した車両10のメンテナンス情報を車両IDとともに記憶する。
【0052】
処理はステップS4に進み、評価値変換部44は、取得したメンテナンス情報に含まれる各評価項目のデータを、相対値である評価値に変換する。評価値変換部44は、例えば、取得したバッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の各データを、相対値である5段階の評価値1~5に変換する。
【0053】
処理はステップS5に進み、コード変換部45は、評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換する。コード変換部45は、取得したデータを5段階に変換した評価値の情報を一次元コードまたは二次元コードに変換する。なお、コード変換部45は、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表した画像を、一次元コードまたは二次元コードに変換してもよい。
【0054】
処理はステップS6に進み、出力部48は、評価値を示す情報として、コード変換部45により変換された一次元コードまたは二次元コードをディスプレイに表示して、処理はステップS7に進む。
【0055】
ここで、図6のステップS21において、端末装置20の評価値取得部22は、管理装置40の出力部48から出力された一次元コードまたは二次元コードを取得する。評価値取得部22は、管理装置40の出力部48から出力された一次元コードまたは二次元コードを含む画像を撮像して、一次元コードまたは二次元コードを取得する。
【0056】
処理はステップS22に進み、コード認識部23は、評価値取得部22により取得された一次元コードまたは二次元コードの情報を認識する。コード認識部23は、一次元コードまたは二次元コードの情報から、評価値を示す情報を取得する。
【0057】
処理はステップS23に進み、表示部24は、評価値をユーザが車両10の状態を直感的に理解できるような表示形態で表示し、図6のフローを終了する。評価値の表示形態は、例えば図3に示すように、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値をレーダーチャートで示した形態である。また、評価値の表示形態は、例えば図4に示すように、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値を棒グラフで示した形態であってもよい。
【0058】
図5のステップS7に戻り、管理装置40の判定部46は、車両10の評価値が所定条件を満たすか否かを判定する。判定部46は、例えば、バッテリー残量、充電回数、消毒後の経過時間、清掃後の経過時間、利用回数の5項目の評価値のうち3つ以上が「3」以下となっているか否かを判定する。車両10の評価値が所定条件を満たす場合(ステップS7でYES)には、処理はステップS8に進む。車両10の評価値が所定条件を満たさない場合(ステップS7でNO)には、管理装置40は図5のフローを終了する。
【0059】
ステップS8において、クーポン情報生成部47は、車両10を利用するユーザに対するクーポン情報を生成する。処理はステップS9に進み、出力部48は生成されたクーポン情報を出力して、図6のフローを終了する。出力部48は、生成されたクーポン情報を、通信部41を介して端末装置20及び事業者端末30に送信する。なお、出力部48は、管理装置40が車両10又は車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置される場合には、生成されたクーポン情報をディスプレイに表示してもよい。
【0060】
ここで、図7のステップS31において、端末装置20の表示部24は、管理装置40から通信部21を介してクーポン情報を受信した場合か否かを判定する。クーポン情報を受信した場合(ステップS31でYES)には、表示部24は、受信したクーポン情報を表示する。なお、表示部24は、クーポン情報を受信した場合には、受信したクーポン情報を受信したことを通知する通知画面を表示してもよい。この場合、表示部24は、ユーザが通知画面を選択するなどのクーポン情報を表示させるための操作を行った場合に、クーポン情報を表示してもよい。
【0061】
[作用効果]
以上説明したように、一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100は、管理装置40と、端末装置20とを備える。管理装置40は、レンタル車両(車両10)のメンテナンス状態を示すメンテナンス情報を取得する車両情報取得部42と、取得したメンテナンス情報に含まれる評価項目の各データを、各評価項目の基準値に対する相対値である評価値に変換する評価値変換部44と、評価値を示す情報を出力する出力部48とを有する。端末装置20は、管理装置40から出力された評価値を示す情報を取得する評価値取得部22と、評価値を表示する表示部24とを有する。
【0062】
一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の管理装置40は、評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換するコード変換部45を更に有し、出力部48は、評価値を示す情報として、一次元コードまたは前記二次元コードを含む画像を出力する。端末装置20は、一次元コードまたは二次元コードの情報を認識するコード認識部23を更に有する。
【0063】
管理装置40がレンタル車両の評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換することにより、評価値を示す情報を出力することができる。端末装置20が一次元コードまたは二次元コードを読み取ることで、ユーザが簡単にレンタル車両の評価値を示す情報を取得することができる。
【0064】
一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の管理装置40は、レンタル車両に搭載されるか、レンタル車両を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置されるか、サーバに含まれるかのうち少なくともいずれかである。これにより、管理装置40は、レンタル車両のメンテナンス情報を、レンタル車両、レンタル車両用の駐車スペースまたはサーバから出力できる。ユーザがレンタル車両をレンタルする際に、端末装置20を用いてレンタル車両の評価値を示す情報を取得できる。ユーザは、レンタル車両の状態を確認して利用するレンタル車両を選択できる。
【0065】
一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の管理装置40は、取得したデータを記憶する記憶部43をさらに有し、評価値変換部44は、記憶部43に記憶されたデータが更新されるごとに、データを評価値に変換して評価値を更新する。コード変換部45は、評価値が更新されるごとに、評価値を一次元コードまたは二次元コードに変換する。管理装置40が、記憶部43に記憶されたデータが更新されるごとに評価値を更新して出力することにより、最新の評価値をユーザに提供できる。ユーザはレンタル車両の最新の状態を確認できる。
【0066】
一実施形態に係るレンタル車両情報提供システム100の管理装置40は、レンタル車両の評価値が所定条件を満たすか否かを判定する判定部46と、判定部46が、評価値が所定条件を満たすと判定した場合に、レンタル車両を利用するユーザに対するクーポン情報を生成するクーポン情報生成部47をさらに有する。出力部48は、生成されたクーポン情報を出力する。評価値が所定条件を満たすレンタル車両を利用するユーザに対するクーポン情報を生成し、クーポン情報を出力することにより、評価値が低いレンタル車両の利用をユーザに促すことができる。レンタル車両の稼働率を向上することができる。ユーザは、レンタル車両の状態とクーポン情報に基づいてレンタル車両を選択できる。
【0067】
本発明は、以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲おいて種々変更可能である。
【0068】
端末装置20は、例えば、カメラにより一次元コードまたは二次元コードを撮像した画面上の車両10の位置に、AR(Augmented Reality)により評価値を示す情報を重畳した画像を、表示部24に表示することで、評価値を示す情報を出力してもよい。
【0069】
また、管理装置40は、車両10及び端末装置20の各々に搭載されたGPS受信機等から、車両10及び端末装置20の各々の位置情報を取得し、端末装置20に搭載された加速度センサ、ジャイロセンサ等の各種センサから、端末装置20の向きを取得してもよい。この場合、管理装置40は、車両10及び端末装置20の各々の位置情報と端末装置20の向きとに基づいて、端末装置20のカメラが撮像している車両10を特定し、特定された車両10の状態を示すデータを事業者端末30から取得することにより、特定した車両10の評価値を出力してもよい。
【0070】
また、例えば、管理装置40が、車両10又は車両10を返却するレンタル車両用の駐車スペースに設置される場合には、端末装置20がカメラを用いて一次元コードまたは二次元コードの情報を認識する代わりに、管理装置40と端末装置20間の近距離通信により評価値を示す情報を取得可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 レンタル車両
20 端末装置
22 評価値取得部
24 表示部
40 管理装置
42 車両情報取得部
44 評価値変換部
48 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7