(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136882
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】圧電振動デバイス
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20240927BHJP
H03H 9/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03H9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048178
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000149734
【氏名又は名称】株式会社大真空
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】藤野 和也
【テーマコード(参考)】
5J079
5J108
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA43
5J079HA02
5J079HA05
5J079HA06
5J079HA16
5J079HA22
5J079HA25
5J079HA29
5J108BB02
5J108CC04
5J108CC11
5J108DD02
5J108EE07
5J108GG14
5J108JJ04
5J108KK04
(57)【要約】
【課題】圧電振動子の複数の外部接続端子の形状と基板の一の主面に形成された複数の圧電振動子搭載用パッドの形状を工夫して小型化できる圧電振動デバイスを提供する。
【解決手段】圧電振動デバイス1は、基板2と、基板2の上面2aに搭載された圧電振動子3および電子部品4と、圧電振動子3および電子部品4を覆うように上面2aにモールドされた封止樹脂5とを備え、圧電振動子3の外底面(第2の封止部材40の下面40b)には、外底面の周縁部に外部接続端子(45a~45d)が形成され、上面2aには、圧電振動子搭載用パッド(52a~52d)が形成され、外部接続端子(45a~45d)は平面視で外底面の中心C1側の縁が中心C1から遠ざかるように形成され、平面視で、圧電振動子搭載用パッド(52a~52d)は対応する外部接続端子(45a~45d)と相似形状または類似形状をしている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の一の主面に搭載された圧電振動子および電子部品と、前記圧電振動子および前記電子部品を覆うように前記基板の前記一の主面側にモールドされた封止樹脂とを備える圧電振動デバイスであって、
前記圧電振動子の外底面には、当該外底面の周縁部に複数の外部接続端子が形成されており、
前記基板の前記一の主面には、前記複数の外部接続端子に対応した複数の圧電振動子搭載用パッドが形成されており、
前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で、当該外部接続端子の前記外底面の中心側の縁が当該外底面の中心から遠ざかるように、形成されており、
平面視で、前記複数の圧電振動子搭載用パッドのうちの少なくとも一つは、前記複数の外部接続端子のうちの対応する外部接続端子と相似形状または類似形状をしている
ことを特徴とする圧電振動デバイス。
【請求項2】
前記圧電振動子は平面視で略矩形状をしており、
前記複数の外部接続端子は4個であって前記外底面の4隅にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動デバイス。
【請求項3】
前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で略L字状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイス。
【請求項4】
前記圧電振動子は、
一の主面に第1の励振電極が形成され、他の主面に前記第1の励振電極と対になる第2の励振電極が形成された圧電振動板と、
前記圧電振動板の前記第1の励振電極を覆う第1の封止部材と、
前記圧電振動板の前記第2の励振電極を覆う第2の封止部材と
を有し、
前記第1の封止部材と前記圧電振動板とを接合し、前記第2の封止部材と前記圧電振動板とを接合することによって、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とを含む前記圧電振動板の振動部を気密封止した内部空間が形成されており、
前記圧電振動板は前記内部空間を囲う外枠部を備え、
前記振動部を気密封止する前記圧電振動板の封止部は、平面視で、環状に形成され、
前記第2の封止部材の前記圧電振動板と反対側の面が前記外底面に該当し、
前記複数の外部接続端子が、平面視で、前記第2の封止部材の前記振動板と反対側の面のうちの前記外枠部の領域に配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、前記基板の一の主面に搭載された圧電振動子および電子部品と、前記圧電振動子および前記電子部品を覆うように前記基板の前記一の主面側にモールドされた封止樹脂とを備える圧電振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動デバイスとして、例えば、特許文献1に開示された次のような圧電振動デバイスがある。圧電振動デバイスは、基板と、基板の一の主面に搭載された圧電振動子および電子部品と、圧電振動子および電子部品を覆うように基板の一の主面側にモールドされた封止樹脂とを備える。圧電振動子の外底面には、複数の外部接続端子が形成されており、基板の一の主面には、複数の外部接続端子に対応した複数の圧電振動子搭載用パッドが形成されており、複数の圧電振動子搭載用パッドの各々は、平面視で、略矩形状に形成されている。
【0003】
また、圧電振動子として、例えば、特許文献2に圧電振動デバイスとして開示された次のような圧電振動子がある。圧電振動子は、一の主面に第1の励振電極が形成され、他の主面に第1の励振電極が形成された圧電振動板と、圧電振動板の第1の励振電極を覆う第1の封止部材と、圧電振動板の第2の励振電極を覆う第2の封止部材とを有する。この圧電振動子では、第1の封止部材と圧電振動板とが接合され、かつ、第2の封止部材と圧電振動板とが接合されることによって、第1の励振電極および第2の励振電極とを含む圧電振動板の振動部を気密封止した内部空間が設けられている。圧電振動板の振動部を気密封止する封止部は、平面視で、環状に形成され、第2の封止部材の前記圧電振動板と反対側の面には、複数の外部接続端子が形成されている。複数の外部接続端子の各々は、平面視で、内部空間を囲う外枠部に沿うように配置され、平面視で、略L字状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-173431号公報
【特許文献2】国際公開第2020/122179号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された圧電振動デバイスに、特許文献2に開示された圧電振動子を適用した場合、圧電振動子の複数の外部接続端子の各々が平面視で略L字状をしているにも拘わらず、基板の一の主面に形成された複数の圧電振動子搭載用パッドの各々が平面視で略矩形状をしているために、複数の圧電振動子搭載用パッド間の領域を大きくとることができず、圧電振動デバイスを小型化することが難しい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、圧電振動子の複数の外部接続端子の形状と基板の一の主面に形成された複数の圧電振動子搭載用パッドの形状を工夫して小型化できる圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明に係る圧電振動デバイスは、基板と、前記基板の一の主面に搭載された圧電振動子および電子部品と、前記圧電振動子および前記電子部品を覆うように前記基板の前記一の主面側にモールドされた封止樹脂とを備える圧電振動デバイスであって、前記圧電振動子の外底面には、当該外底面の周縁部に複数の外部接続端子が形成されており、前記基板の前記一の主面には、前記複数の外部接続端子に対応した複数の圧電振動子搭載用パッドが形成されており、前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で、当該外部接続端子の前記外底面の中心側の縁が当該外底面の中心から遠ざかるように、形成されており、平面視で、前記複数の圧電振動子搭載用パッドのうちの少なくとも一つは、前記複数の外部接続端子のうちの対応する外部接続端子と相似形状または類似形状をしていることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、対応する外部接続端子と相似形状または類似形状に形成されている圧電振動子搭載パッドと、基板の一の主面側の複数の圧電振動子搭載パッドによって囲まれる領域を大きくとることができる。これにより、当該領域に、配線やスルーホール電極などを多く配置することができ、圧電振動デバイスを小型化することができる。さらに、全ての圧電振動子搭載用パッドが対応する外部接続端子と相似形状または類似形状の場合は、圧電振動子搭載用パッドへの圧電振動子の搭載の位置ずれの防止に好適である。
【0009】
また、前記圧電振動子は平面視で略矩形状をしており、前記複数の外部接続端子は4個であって前記外底面の4隅にそれぞれ配置されているとしてもよい。
【0010】
この構成によれば、外部接続端子間の距離を大きくとることができる。これにより、例えば、圧電振動子の複数の外部接続端子を基板の一の主面に形成された複数の圧電振動子搭載用パッドに半田を用いて接合する場合に、接合時の外部接続端子間のショートを防止することができる。
【0011】
また、前記複数の外部接続端子の各々は、平面視で略L字状に形成されているとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、圧電振動デバイスの小型化に対して、複数の外部接続端子の各々の、圧電振動子の外底面の中心方向への張り出しを抑えることができる。これにより、例えば、圧電振動子の複数の外部接続端子を基板の一の主面に形成された複数の圧電振動子搭載用パッドに半田を用いて接合する場合に、接合時の外部接続端子間のショートを防止することができる。
【0013】
また、前記圧電振動子は、一の主面に第1の励振電極が形成され、他の主面に前記第1の励振電極と対になる第2の励振電極が形成された圧電振動板と、前記圧電振動板の前記第1の励振電極を覆う第1の封止部材と、前記圧電振動板の前記第2の励振電極を覆う第2の封止部材とを有し、前記第1の封止部材と前記圧電振動板とを接合し、前記第2の封止部材と前記圧電振動板とを接合することによって、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極とを含む前記圧電振動板の振動部を気密封止した内部空間が形成されており、前記圧電振動板は前記内部空間を囲う外枠部を備え、前記振動部を気密封止する前記圧電振動板の封止部は、平面視で、環状に形成され、前記第2の封止部材の前記圧電振動板と反対側の面が前記外底面に該当し、前記複数の外部接続端子が、平面視で、前記第2の封止部材の前記振動板と反対側の面のうちの前記外枠部の領域に配置されているとしてもよい。
【0014】
この構成によれば、外部接続端子が、平面視で、外枠部の領域に配置されているので、外部接続端子のうち、内部空間に重畳する部分をできる限り小さくすることができる。これにより、圧電振動子の基板への実装時、第2の封止部材の変形に起因する封止部に作用する応力を低減することができるとともに、圧電振動子の圧電振動子搭載パッドへの搭載位置のずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対応する外部接続端子と相似形状または類似形状に形成されている圧電振動子搭載パッドと、基板の一の主面側の複数の圧電振動子搭載パッドによって囲まれる領域を大きくとることができる。これにより、当該領域に、配線やスルーホール電極などを多く配置することができ、圧電振動デバイスを小型化することができる。さらに、全ての圧電振動子搭載用パッドが対応する外部接続端子と相似形状または類似形状の場合は、圧電振動子搭載用パッドへの圧電振動子の搭載の位置ずれの防止に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る封止樹脂を除く圧電振動デバイスの上面側の模式的な平面図である。
【
図2】
図1の圧電振動デバイス(
図1の基板)の下面側の模式的な平面図である。
【
図3】封止樹脂を加えた
図1のA-A線の圧電振動デバイスの模式的な断面図である。
【
図4】
図1の圧電振動子(
図1の圧電振動子が備える第1の封止部材)の上面側の模式的な平面図である。
【
図5】
図1の圧電振動子が備える第1の封止部材の下面側の模式的な平面図である。
【
図6】
図1の圧電振動子が備える圧電振動板の上面側の模式的な平面図である。
【
図7】
図1の圧電振動子が備える圧電振動板の下面側の模式的な平面図である。
【
図8】
図1の圧電振動子が備える第2の封止部材の上面側の模式的な平面図である。
【
図9】
図1の圧電振動子(
図1の圧電振動子が備える第2の封止部材)の下面側の模式的な平面図である。
【
図10】
図1の基板の上面側の模式的な平面図である。
【
図11】
図10の圧電振動子搭載用パッドの
図9の外部接続端子に対する類似形状を説明するための説明図である。
【
図12】外部接続端子および圧電振動子搭載用パッドの形状の一の変形例を説明するための説明図である。
【
図13】外部接続端子および圧電振動子搭載用パッドの形状の他の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の一実施形態に係る圧電振動デバイスについて、
図1から
図11を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る封止樹脂5を除く圧電振動デバイス1の上面側の模式的な平面図である。
図2は、
図1の圧電振動デバイス1(
図1の基板2)の下面側の模式的な平面図である。
図3は、封止樹脂5を加えた
図1のA-A線の圧電振動デバイスの模式的な断面図である。
図4は、
図1の圧電振動子3(
図1の圧電振動子3が備える第1の封止部材30)の上面側の模式的な平面図である。
図5は、
図1の圧電振動子3が備える第1の封止部材30の下面側の模式的な平面図である。
図6は、
図1の圧電振動子3が備える圧電振動板10の上面側の模式的な平面図である。
図7は、
図1の圧電振動子3が備える圧電振動板10の下面側の模式的な平面図である。
図8は、
図1の圧電振動子3が備える第2の封止部材40の上面側の模式的な平面図である。
図9は、
図1の圧電振動子3(
図1の圧電振動子3が備える第2の封止部材40)の下面側の模式的な平面図である。
図10は、
図1の基板2の上面側の模式的な平面図である。
図11は、
図10の第1から第4の圧電振動子搭載用パッド42a~42dの
図9の第1から第4の外部接続端子45a~45dに対する類似形状を説明するための説明図である。なお、
図1から
図11の各図のX軸、Y軸およびZ軸は互いに同一の座標軸である。また、各図のX軸、Y軸は水平方向を、Z軸は鉛直方向をそれぞれ表わしている。
【0018】
圧電振動デバイス1は、
図1から
図3に示すように、基板(本発明の「基板」に相当)2と、基板2の上面(本発明の「一の主面」に相当)2aに搭載された圧電振動子(本発明の「圧電振動子」に相当)3および電子部品(本発明の「電子部品」に相当)4と、圧電振動子3および電子部品4を覆うように基板2の上面2a側にモールドされた封止樹脂(本発明の「封止樹脂」に相当)5とを備える。
【0019】
圧電振動子3は、
図3に示すように、圧電振動板(本発明の「圧電振動板」に相当)10と、第1の封止部材(本発明の「第1の封止部材」に相当)30と、第2の封止部材(本発明の「第2の封止部材」に相当)40とを備える。圧電振動子3では、圧電振動板10と第1の封止部材30とが接合され、圧電振動子3と第2の封止部材40とが接合されることによって、略直方体のサンドイッチ構造のパッケージが構成される。すなわち、圧電振動子3においては、圧電振動板10の両主面のそれぞれに第1の封止部材30および第2の封止部材40が接合されることでパッケージの内部空間(キャビティ)C1が形成され、この内部空間C1に振動部11が気密封止される。
【0020】
圧電振動子3は、
図1に示すように、平面視で、互いに対向する第1の辺3aおよび第3の辺3cが短辺側であり、互いに対向する第2の辺3bおよび第4の辺3dが長辺側である、略矩形状をしている。なお、以下では、第1の辺3aおよび第3の辺3cを第1の短辺3aおよび第3の短辺3cと記載し、第2の辺3bおよび第4の辺3dを第2の長辺3bおよび第4の長辺3dと記載する。
【0021】
圧電振動子3は、圧電振動子3の外底面(圧電振動子3の下面、第3の封止部材40の下面40b)に形成された後述する第1~第4の外部接続端子45a~45dが、基板2の後述する上面2aに形成された後述する第1~第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dに電気的に接合するように、基板2の上面2aに搭載される。
図1に示すように、平面視で、圧電振動子3の第1の短辺3aおよび第3の短辺3cと、基板2の後述する第2の短辺50bおよび第4の短辺50dとが略直交するように、圧電振動子3を基板2の上面2aに搭載する。
【0022】
続いて、圧電振動子3を構成する圧電振動板10、第1の封止部材30および第2の封止部材40の各部材について順に説明する。
【0023】
まず、
図6および
図7を参照しつつ圧電振動板10について説明する。
【0024】
圧電振動板10は、水晶からなる圧電基板であって、上面(本発明の「一の主面」に相当)10aおよび下面(本発明の「他の主面」に相当)10bが平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、圧電振動板10として、厚みすべり振動を行うATカット水晶板が用いられる。
【0025】
圧電振動板10は、略矩形状に形成された振動部11と、振動部11と間を空けて振動部11を取り囲む振動部11よりも厚肉の外枠部(本発明の「外枠部」に相当)12と、振動部11と外枠部12とを連結する連結部13とを有している。すなわち、圧電振動板10は、振動板11と外枠部12および連結部13が一体的に設けられた構成となっている。
【0026】
圧電振動板10の上面10aのうちの振動部11の部分に、第1の励振電極(本発明の「第1の励振電極」に相当)20が形成されている。また、圧電振動板10の下面10bのうちの振動部11の部分に、第2の励振電極(本発明の「第2の励振電極」に相当)25が形成されている。
【0027】
圧電振動板10の上面10aに、第1の励振電極20を第1の外部接続端子45aに接続するための第1の引出配線21が形成されている。また、圧電振動板10の上面10aのうちの外枠部12の部分に、第1の接続用接合パターン22が形成されている。第1の引出配線21は、圧電振動板10の上面10aにおいて、第1の励振電極20から引き出され、連結部13を経由して、第1の接続用接合パターン22に繋がっている。
【0028】
圧電振動板10の下面10bに、第2の励振電極25を第3の外部接続端子45cに接続するための第2の引出配線26が形成されている。また、圧電振動板10の下面10bのうちの外枠部12の部分に、第2の接続用接合パターン27が形成されている。第2の引出配線25は、圧電振動板10の下面10bにおいて、第2の励振電極25から引き出され、連結部13を経由して、第2の接続用接合パターン27に繋がっている。
【0029】
圧電振動板10の上面10aに、圧電振動板10を第1の封止部材30に接合するための第1の振動側封止部としての第1の振動側接合パターン23が設けられている。第1の振動側接合パターン23は、圧電振動板10の上面10aのうちの外枠部12の部分に、平面視で環状に形成されている。
【0030】
圧電振動板10の下面10bに、圧電振動板10を第2の封止部材40に接合するための第2の振動側封止部としての第2の振動側接合パターン28が設けられている。第2の振動側接合パターン28は、圧電振動板10の下面10bのうちの外枠部12の部分に、平面視で環状に形成されている。
【0031】
圧電振動板10には、上面10aと下面10bとの間を貫通する、内壁面に導電性材料が形成された5つのスルーホール電極(第1から第5のスルーホール電極24a~24e)が形成されている。具体的には、第1から第4のスルーホール電極24a~24dは、外枠部12の4隅(角部)の領域にそれぞれ設けられている。第5のスルーホール電極24eは、平面視で、外枠部12の第1の振動側接合パターン23および第2の振動側接合パターン28の内側に設けられている。
【0032】
圧電振動板10の上面10aには、第1および第3のスルーホール電極24a,24cの周囲に、第1および第3のスルーホール電極24a,24cと電気的に接続される第1および第3の上面側接続用接合パターン24aa,24caが形成されている。また、圧電振動板10の下面10bには、第1~第3のスルーホール電極24a~24cの周囲に、第1~第3のスルーホール電極24a~24cと電気的に接続される第1~第3の下面側接続用接合パターン24ab~24cbが形成されている。なお、圧電振動板10の上面10aには、第2および第4のスルーホール電極24b,24dと電気的に接続される第1の振動側接合パターン23が存在する。また、圧電振動板10の下面10bには、第4のスルーホール電極24dと電気的に接続される第2の振動側接合パターン28が存在する。圧電振動板10の上面10aには、第5のスルーホール電極24eの周囲に、第5のスルーホール電極24eと電気的に接続される第5の上面側接続用接合パターン24eaが形成されている。なお、圧電振動板10の下面10bには、第5のスルーホール電極24eと電気的に接続される第2の接続用接合パターン27が存在する。
【0033】
圧電振動板10の上面10aには、第1および第3の上面側接続用接合パターン24aa,24caと電気的に接続される第6および第7の上面側接続用接合パターン24fa,24gaが形成されている。また、圧電振動板10の下面10bには、第1から第3の下面側接続用接合パターン24ab~24cbと電気的に接続される第6、第8および第7の下面側接続用接合パターン24fb,24hb,24gbが形成されている。
【0034】
続いて、
図4および
図5を参照しつつ第1の封止部材30について説明する。
【0035】
第1の封止部材30は、1枚の水晶板から形成された略直方体の基板であって、圧電振動版10と接合される側の面が平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、第1の封止部材30として、圧電振動板10と同じく、ATカット水晶板が用いられる。
【0036】
圧電振動子3の上面に該当する、第1の封止部材30の上面30aには、
図4に示すように、第1~第3のベタ配線からなる配線パターン31~33が形成されている。
【0037】
第1の封止部材30の圧電振動板10側の下面30bには、
図5に示すように、圧電振動板10に接合するための第1の封止側封止部としての第1の封止側接合パターン35が設けられている。第1の封止側接合パターン35は、平面視で環状に形成されている。平面視で、圧電振動板10側の第1の振動側接合パターン23と第1の封止部材30の第1の封止側接合パターン35とは重畳する位置にそれらは設けられている。
【0038】
第1の封止部材30には、上面30aと下面30bとの間を貫通する、内壁面に導電性材料が形成された6つのスルーホール電極(第1から第6のスルーホール電極33a~33f)が形成されている。具体的には、第1から第4のスルーホール電極33a~33dは、第1の封止部材30の4隅(角部)の領域にそれぞれ設けられている。第5から第6のスルーホール電極34e~34fは、平面視で、第1の封止部材30の第1の封止側接合パターン35の内側に設けられている。
【0039】
第1の封止部材30の下面30bには、第1~第3のスルーホール電極33a~33cの周囲に、第1~第3のスルーホール電極33a~33cと電気的に接続される第1~第3の下面側接続用接合パターン33ab~33cbが形成されている。なお、第1の封止部材30の上面30aには、第1のスルーホール電極33aと電気的に接続される第1の配線パターン31が存在し、第2、第4のスルーホール電極33b,33dと電気的に接続される第3の配線パターン33が存在し、第3のスルーホール電極33cと電気的に接続される第2の配線パターン32が存在する。また、第1の封止部材30の下面30bには、第4のスルーホール電極33dと電気的に接続される第1の封止側接合パターン35が存在する。第1の封止部材30の下面30bには、第5のスルーホール電極33eの周囲に、第5のスルーホール電極33eと電気的に接続される第5の下面側接続用接合パターン33ebが形成されている。なお、圧電振動板10の上面10aには、第5のスルーホール電極33eと電気的に接続される第1の配線パターン31が存在する。第1の封止部材30の下面30bには、第6のスルーホール電極33fの周囲に、第6のスルーホール電極33fと電気的に接続される第6の下面側接続用接合パターン33fbが形成されている。なお、圧電振動板10の上面10aには、第6のスルーホール電極33fと電気的に接続される第2の配線パターン32が存在する。
【0040】
第1の封止部材30の下面30bには、第7の下面側接続用接合パターン33gbが形成されている。第7の下面側接続用接合パターン33bgは圧電振動板10の上面10aの第1の接続用接合パターン22に電気的に接続されるものである。また、第1の封止部材30の下面30bには、第5の下面側接続用接合パターン33ebと第7の下面側接続用接合パターン33gbとを電気的に接続する第1の配線パターン36が形成されている。
【0041】
第1の封止部材30の下面30bには、第1~第3の下面側接続用接合パターン33ab~33cbと電気的に接続される第8から第10の下面側接続用接合パターン33hb~33jbが形成されている。
【0042】
最後に、
図8および
図9を参照しつつ第2の封止部材40について説明する。
【0043】
第2の封止部材40は、1枚の水晶板から形成された略直方体の基板であって、圧電振動版10と接合される側の面が平坦平滑面(鏡面加工)として形成されている。本実施形態では、第2の封止部材40として、圧電振動板10と同じく、ATカット水晶板が用いられる。
【0044】
第2の封止部材40の圧電振動板10側の上面40aには、圧電振動板10に接合するための第2の封止側封止部としての第2の封止側接合パターン41が設けられている。第2の封止側接合パターン41は、平面視で環状に形成されている。平面視で、圧電振動板10側の第2の振動側接合パターン28と第2の封止部材40の第2の封止側接合パターン41とは重畳する位置にそれらは設けられている。
【0045】
圧電振動子3の下面(圧電振動子3の外底面)に該当する第2の封止部材40の下面40bには、
図9に示すように、第1から第4の外部接続端子(本発明の「外部接続端子」に相当)45a~45dが下面40bの周縁部(圧電振動子3の外底面の周縁部)に形成されている。第1の外部接続端子45aは入力端子であり、第3の外部接続端子45cは出力端子である。また、第2の外部接続端子45bおよび第4の外部接続端子45dはそれぞれグランド端子である。
【0046】
第1の外部接続端子45a~45dの第2の封止部材40の下面40bへの配置位置について説明する。
【0047】
圧電振動板10、第1の封止部材30および第2の封止部材40を含む圧電振動子3では、圧電振動板10と第1の封止部材30とが第1の振動側接合パターン23と第1の封止側接合パターン35とを重ね合わせた状態で拡散接合されて第1のシールパス(本発明の「封止部」に相当)6Aが形成される(
図3参照)。また、圧電振動板10と第2の封止部材40とが第2の振動側接合パターン28と第2の封止側接合パターン41とを重ね合わせた状態で拡散接合されて第2のシールパス(本発明の「封止部」に相当)6Bが形成される(
図3参照)。これにより、
図3に示すサンドイッチ構造のパッケージが製造される。第1および第2のシールパス6A,6Bは、平面視で、環状に形成されている。これにより、第1の励振電極20と第2の励振電極25とを含む圧電振動板10の振動部11を気密封止した内部空間C1が形成される。
【0048】
このように拡散接合によって第1および第2のシールパス6A,6Bが形成された圧電振動子3において、第1の封止部材30と圧電振動板10とは、1.00μm以下のギャップを有し、第2の封止部材40と圧電振動板10とは、1.00μm以下のギャップを有する。つまり、第1の封止部材30と圧電振動板10との間の第1のシールパス6Aの厚みが、1.00μm以下(例えば、Au-Au接合では0.15μm~1.00μm)であり、第2の封止部材40と圧電振動板10との間の第2のシールパス6Bの厚みが、1.00μm以下(例えば、Au-Au接合では0.15μm~1.00μm)である。
【0049】
図9には、内部空間C1と外枠部W1との境界線L1を一点鎖線で示している。つまり、境界線L1は、内部空間C1の外周縁であって、外枠部W1の内周縁になっている。本実施の形態では、境界線L1は、平面視で、圧電振動板10の外枠部12の内周縁に略一致する位置に設けられている。
【0050】
外枠部W1は、圧電振動子3において、第1の封止部材30および圧電振動板10と、第2の封止部材40および圧電振動板10とが略隙間のない状態で密着している部分になっている。略隙間のない状態で密着しているとは、第1の封止部材30および圧電振動板10の隙間と、第2の封止部材40および圧電振動板10の隙間とが、例えば1.00μm以下で密着していることを意味する。本実施の形態では、外枠部W1は、平面視で、圧電振動板10の外枠部12に略一致する位置に設けられている。
【0051】
内部空間C1は、圧電振動子3において、第1の封止部材30および圧電振動板10と、第2の封止部材40および圧電振動板10とが密着しておらず、隙間を有する部分になっている。この場合、第1の封止部材20および圧電振動板10の隙間と、第2の封止部材30および圧電振動板10の隙間とが、例えば1.00μmよりも大きくなっている。また、圧電振動板10の振動部11と外枠部12の間の空間の部分も、内部空間C1になっている。内部空間C1は、第1および第2のシールパス6A,6Bよりも内周側に設けられている。本実施の形態では、内部空間C1は、平面視で、圧電振動板10の外枠部12よりも内側の領域に略一致する位置に設けられている。
【0052】
本実施の形態では、第1の外部接続端子45a~45dの各々は、平面視で、内部空間C1を囲う外枠部W1(圧電振動板10の外枠部12)に沿うように、配置されている。本実施形態では、第1の外部接続端子45a~45dの各々は、平面視で、その一部が外枠部W1に重畳するように配置されている。また、第1の外部接続端子45a~45dの各々は、第2の封止部材40の下面40aの4隅に配置されている。
【0053】
第1の外部接続端子45a~45dの各々は、第1の外部接続端子45aの突起部45abを除いて、平面視で、外枠部W1にのみ重畳するように配置されて、外枠部W1と内部空間C1とに跨らないように配置されている。
【0054】
平面視で、第2の封止部材40の下面40bの中心を中心Cと記載する。第1の外部接続端子45aは、平面視で、第1の外部接続端子45aの中心C側の縁45aaが、中心Cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第1の外部接続端子45aは、平面視で、縁45aaが中心Cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第4の長辺3dと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第1の短辺3aと平行に延びる、略L字状をしている。ただし、第1の外部接続端子45aには、圧電振動子3の搭載方向の指標(インデックス)となる突起部45abが設けられている。なお、当該指標は、突起部45abに限定されるものではなく、例えば、C面(角面)やR面(丸面)などの面取りなどであってもよい。
【0055】
第2の外部接続端子45bは、平面視で、第2の外部接続端子45bの中心C側の縁45baが中心Cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第2の外部接続端子45bは、平面視で、縁45baが中心Cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第1の短辺3aと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第2の長辺3bと平行に延びる、略L字状をしている。
【0056】
第3の外部接続端子45cは、平面視で、第3の外部接続端子45cの中心C側の縁45caが、中心Cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第3の外部接続端子45cは、平面視で、縁45caが中心Cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第2の長辺3bと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第3の短辺3cと平行に延びる、略L字状をしている。
【0057】
第4の外部接続端子45dは、平面視で、第4の外部接続端子45dの中心C側の縁45daが、中心Cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第4の外部接続端子45dは、平面視で、縁45caが中心Cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第3の短辺3cと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第4の長辺3dと平行に延びる、略L字状をしている。
【0058】
第2の封止部材40には、上面40aと下面40bとの間を貫通する、内壁面に導電性材料が形成された4つのスルーホール電極(第1から第4のスルーホール電極42a~42d)が形成されている。具体的には、第1から第4のスルーホール電極42a~42dは、第2の封止部材40の4隅(角部)の領域にそれぞれ設けられている。
【0059】
第2の封止部材40の上面40aには、第1~第3のスルーホール電極42a~42cの周囲に、第1~第3のスルーホール電極42a~42cと電気的に接続される第1~第3の上面側接続用接合パターン42aa~42caが形成されている。なお、第1の封止部材40の下面40bには、第1~第3のスルーホール電極42a~42cと電気的に接続される第1から第3の外部接続端子45a~45cが存在する。また、第2の封止部材40の上面40aには、第4のスルーホール電極42dと電気的に接続される第2の封止側接合パターン41が存在し、第2の封止部材40の下面40bには、第4のスルーホール電極42dと電気的に接続される第4の外部接続端子45dが存在する。
【0060】
第2の封止部材40の上面40aには、第1~第3の第1~第3の上面側接続用接合パターン42aa~42caと電気的に接続される第5から第7の上面側接続用接合パターン42ea~42gaが形成されている。
【0061】
圧電振動子3では、第1の外部接続端子45aは、第1のスルーホール電極42a、第1の上面側接続用接合パターン42aa、第5の上面側接続用接合パターン42ea/第6の下面側接続用接合パターン24fb、第1の下面側接続用接合パターン24ab、第1のスルーホール電極24a、第1の上面側接続用接合パターン24aa、第6の上面側接続用接合パターン24fa/第8の下面側接続用接合パターン33hb、第1の下面側接続用接合パターン33ab、第1のスルーホール電極33a、第1の配線パターン31、第5のスルーホール電極33e、第5の下面側接続用接合パターン33eb、第1の配線パターン36、第7の下面側接続用接合パターン33gb、第5の上面側接続用接合パターン24ea、第5のスルーホール電極24e、第2の接続用接合パターン27、第2の引出電極26を介して、第2の励振電極25に電気的に接続されている。
【0062】
また、圧電振動子3では、第3の外部接続端子45cは、第3のスルーホール電極42c、第3の上面側接続用接合パターン42ca、第7の上面側接続用接合パターン42ga/第7の下面側接続用接合パターン24gb、第3の下面側接続用接合パターン24cb、第3のスルーホール電極24c、第3の上面側接続用接合パターン24ca、第7の上面側接続用接合パターン24ga/第10の下面側接続用接合パターン33jb、第3の下面側接続用接合パターン33cb、第3のスルーホール電極33c、第2の配線パターン32、第6のスルーホール電極33f、第6の下面側接続用接合パターン33fb、第1の接続用接合パターン22、第1の引出電極21を介して、第1の励振電極20に電気的に接続されている。
【0063】
また、圧電振動子3では、第2の外部接続端子45bは、第2のスルーホール電極42b、第2の上面側接続用接合パターン42ba、第6の上面側接続用接合パターン42fa/第8の下面側接続用接合パターン24hb、第2の下面側接続用接合パターン24bb、第2のスルーホール電極24b、第1の振動側接合パターン23、第9の下面側接続用接合パターン33ib、第2の下面側接続用接合パターン33bb、第2のスルーホール電極33bを介して、第3の配線パターン33に電気的に接続されている。
【0064】
また、圧電振動子3では、第4の外部接続端子45dは、第4のスルーホール電極42d、第2の封止側接合パターン41、第2の振動側接合パターン28、第4のスルーホール電極24d、第1の振動側接合パターン23、第1の封止側接合パターン35、第4のスルーホール電極33dを介して、第3の配線パターン33に電気的に接続されている。
【0065】
電子部品4は、圧電振動子3を制御するIC(Integrated Circuit)であり、基板2の上面2aにワイヤボンディングにより搭載されている。電子部品4は、所定の発振出力を生成する発振回路などの電子回路などを有しており、発振回路で生成された発振出力をクロック信号などの基準信号として外部に出力する。
【0066】
電子部品4の上面には、
図1に示すように、平面視で略矩形状をした第1から第6の外部接続端子4a~4fが形成されている。第1から第6の外部接続端子4a~4fは、例えば、以下の端子である。第1の外部接続端子4aは、クロック入力端子であり、基板2の上面2aに形成された第1の電子部品搭載用パッド53aにワイヤで電気的に接続される。また、第2の外部接続端子4bは、アウトプットイネイブル端子であり、基板2の上面2aに形成された第2の電子部品搭載用パッド53bにワイヤで電気的に接続される。また、第3の外部接続端子4cは、電源端子であり、基板2の上面2aに形成された第3の電子部品搭載用パッド53cにワイヤで電気的に接続される。また、第4の外部接続端子4dは、クロック出力端子であり、基板2の上面2aに形成された第4の電子部品搭載用パッド53dにワイヤで電気的に接続される。また、第5の外部接続端子4eは、グランド端子であり、基板2の上面2aに形成された第5の電子部品搭載用パッド53eにワイヤで電気的に接続される。また、第6の外部接続端子4fは、発振出力端子であり、基板2の上面2aに形成された第6の電子部品搭載用パッド53fにワイヤで電気的に接続される。
【0067】
基板2は、圧電振動子3と電子部品4とを配線パターンによって電気的に接続し、かつ、一体に構成する絶縁性基板であり、樹脂材料から構成されている。基板2は、例えば、切断などの加工が容易な絶縁体であるガラスエポキシ樹脂を基材としている。
【0068】
基板2は、
図1および
図10に示すように、平面視で、第1の辺50aおよび第3の辺50cが長辺側であり、第2の辺50bおよび第4の辺50dが短辺側である、略矩形状をしている。なお、以下では、第1の辺50aおよび第3の辺50cを第1の長辺50aおよび第3の長辺50cと記載し、第2の辺50bおよび第4の辺50dを第2の短辺50bおよび第4の短辺50dと記載する。
【0069】
基板2の上面(本発明の「一の主面」に相当)2aには、
図1および
図3に示すように、圧電振動子3および電子部品4が搭載される。平面視で基板2の上面2aと圧電振動子3とが重畳する重畳領域は略矩形である。
図1、
図3および
図10に示すように、平面視で上面2aの当該重畳領域の角毎に、当該角およびその周辺を含むように、凹部(第1から第4の凹部51a~51d)が形成されている。
【0070】
凹部(第1から第4の凹部51a~51d)は、圧電振動子3の外部接続端子(第1から第4の外部接続端子45a~45d)を内部に配置可能な形状であり、上面2aに対して垂直な方向に凹んでいる。
【0071】
第1の凹部51aは、平面視で、第4の短辺50dと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第1の長辺50aと平行に延びる、略L字状をしている。また、第2の凹部51bは、平面視で、第1の長辺50aと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第2の短辺50bと平行に延びる、略L字状をしている。また、第3の凹部51cは、平面視で、第2の短辺50bと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第3の長辺50cと平行に延びる、略L字状をしている。また、第4の凹部51dは、平面視で、第3の長辺50cと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第4の短辺50dと平行に延びる、略L字状をしている。
【0072】
基板2の上面2aには、
図10に示すように、第1の凹部51aの底面に第1の圧電振動子搭載用パッド52aが形成され、第2の凹部51bの底面に第2の圧電振動子搭載用パッド52bが形成され、第3の凹部51cの底面に第3の圧電振動子搭載用パッド52cが形成され、第4の凹部51dの底面に第4の圧電振動子搭載用パッド52dが形成されている。第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dは、例えば、以下の端子である。第1の圧電振動子搭載用パッド52aは、圧電振動子3の入力端子である第1の外部接続端子45aと接続される端子である。第2の圧電振動子搭載用パッド52bは、圧電振動子3のグランド端子である第2の外部接続端子45bと接続される端子である。第3の圧電振動子搭載用パッド52cは、圧電振動子3の出力端子である第3の外部接続端子45bと接続される端子である。第4の圧電振動子搭載用パッド52cは、圧電振動子3のグランド端子である第4の外部接続端子45dと接続される端子である。なお、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dが本発明の「圧電振動子搭載用パッド」に相当する。
【0073】
平面視で、基板2の上面2aにおける、基板2の上面2aと圧電振動子3とが重畳する重畳領域の中心を中心cと記載する。第1の圧電振動子搭載用パッド52aは、平面視で、第1の圧電振動子搭載用パッド52aの中心c側の縁52aaが、中心cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第1の圧電振動子搭載用パッド52aは、平面視で、縁52aaが中心cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第4の短辺50dと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第1の長辺50aと平行に延びる、略L字状をしている。平面視で、第1の圧電振動子搭載用パッド52aの側面と、第1の凹部51aの側面との間には、隙間がある。また、平面視で、第1の圧電振動子搭載用パッド52a(第1の圧電振動子搭載用パッド52aの搭載面)は、圧電振動子3の第1の外部接続端子45aと相似形状(相似には合同も含まれる。他の箇所も同様)または類似形状をしている(本実施形態では、類似形状をしている)。また、平面視で、第1の圧電振動子搭載用パッド52a(第1の圧電振動子搭載用パッド52aの搭載面)は、第1の外部接続端子45aが接合可能な位置に形成されている。
【0074】
第2の圧電振動子搭載用パッド52bは、平面視で、第2の圧電振動子搭載用パッド52bの中心c側の縁52baが、中心cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第2の圧電振動子搭載用パッド52bは、平面視で、縁52baが中心cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第1の長辺50aと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第2の短辺50bと平行に延びる、略L字状をしている。平面視で、第2の圧電振動子搭載用パッド52bの側面と、第2の凹部51bの側面との間には、隙間がある。また、平面視で、第2の圧電振動子搭載用パッド52b(第2の圧電振動子搭載用パッド52bの搭載面)は、圧電振動子3の第2の外部接続端子45bと相似形状または類似形状をしている(本実施形態では、類似形状をしている)。また、平面視で、第2の圧電振動子搭載用パッド52b(第2の圧電振動子搭載用パッド52bの搭載面)は、第2の外部接続端子45bが接合可能な位置に形成されている。
【0075】
第3の圧電振動子搭載用パッド52cは、平面視で、第3の圧電振動子搭載用パッド52cの中心c側の縁52caが、中心cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第3の圧電振動子搭載用パッド52cは、平面視で、縁52caが中心cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第2の短辺50bと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第3の長辺50cと平行に延びる、略L字状をしている。平面視で、第3の圧電振動子搭載用パッド52cの側面と、第3の凹部51cの側面との間には、隙間がある。また、平面視で、第3の圧電振動子搭載用パッド52c(第3の圧電振動子搭載用パッド52cの搭載面)は、圧電振動子3の第3の外部接続端子45cと相似形状または類似形状をしている(本実施形態では、類似形状をしている)。また、平面視で、第3の圧電振動子搭載用パッド52c(第3の圧電振動子搭載用パッド52cの搭載面)は、第3の外部接続端子45cが接合可能な位置に形成されている。
【0076】
第4の圧電振動子搭載用パッド52dは、平面視で、第4の圧電振動子搭載用パッド52dの中心c側の縁52daが、中心cから遠ざかるように、形成されている。本実施形態では、第4の圧電振動子搭載用パッド52dは、平面視で、縁52caが中心cから遠ざかるように屈曲しており、平面視で、第3の長辺50cと平行に延び、そこから略垂直に折れ曲がって第4の短辺50dと平行に延びる、略L字状をしている。平面視で、第4の圧電振動子搭載用パッド52dの側面と、第4の凹部51dの側面との間には、隙間がある。また、平面視で、第4の圧電振動子搭載用パッド52d(第4の圧電振動子搭載用パッド52dの搭載面)は、圧電振動子3の第4の外部接続端子45dと相似形状または類似形状をしている(本実施形態では、類似形状をしている)。また、平面視で、第4の圧電振動子搭載用パッド52d(第4の圧電振動子搭載用パッド52dの搭載面)は、第4の外部接続端子45dが接合可能な位置に形成されている。
【0077】
圧電振動子3は、第1から第4の外部接続端子45a~45dが、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの搭載面に半田Hを用いて接合されることで、基板2の上面2aに実装される(
図3参照)。この実装では、上述したように、平面視で、圧電振動子3の第1の短辺3aおよび第3の短辺3cと、基板2の第2の短辺50bおよび第4の短辺50dとが略直交するように、圧電振動子3を基板2の上面2aに搭載する。
【0078】
図10に示すように、基板2の上面2aには、平面視で、第1の長辺50aと第2の短辺50bとが交わる角およびその角を含むように、略矩形状の第5の凹部51eか形成されている。また、基板2の上面2aには、平面視で、第2の短辺50bと第3の長辺50cとが交わる角およびその角を含むように、略矩形状の第6の凹部51fか形成されている。第5および第6の凹部51e,51fは上面2aに対して垂直な方向に凹んでいる。
【0079】
基板2の上面2aには、第5の凹部51eの底面に平面視で略矩形状の第1~第3の電子部品搭載用パッド53a~53cが形成され、第6の凹部51fの底面に平面視で略矩形状の第4~第6の電子部品搭載用パッド53d~53fが形成されている。第1から第6の圧電振動子搭載用パッド53a~53fは、例えば、以下の端子である。第1の電子部品搭載用パッド53aは、クロック入力端子であり、電子部品4の第1の外部接続端子4aがワイヤにより電気的に接続される。また、第2の電子部品搭載用パッド53bは、アウトプットイネイブル端子であり、電子部品4の第2の外部接続端子4bがワイヤにより電気的に接続される。また、第3の電子部品搭載用パッド53cは、電源端子であり、電子部品4の第3の外部接続端子4cがワイヤにより電気的に接続される。また、第4の電子部品搭載用パッド53dは、クロック出力端子であり、電子部品4の第4の外部接続端子4dがワイヤにより電気的に接続される。また、第5の電子部品搭載用パッド53eは、グランド端子であり、電子部品4の第5の外部接続端子4eがワイヤにより電気的に接続される。また、第6の電子部品搭載用パッド53fは、発振出力端子であり、電子部品4の第6の外部接続端子4fがワイヤにより電気的に接続される。
【0080】
図10に示すように、基板2の上面2a側には、第1の圧電振動子搭載用パッド52aに電気的に接続されている第1の内部配線パターンおよび第1の内部配線パターンと電気的に繋がっている第1の上面側接続用接合パターンからなる第1の配線パターン54aが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第3の圧電振動子搭載用パッド52cに電気的に接続されている第2の内部配線パターンおよび第2の内部配線パターンと電気的に繋がっている第2の上面側接続用接合パターンからなる第2の配線パターン54bが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第2の圧電振動子搭載用パッド52bと第4の圧電振動子搭載用パッド52dとを電気的に接続する第3の内部配線パターンからなる第3の配線パターン54cが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第1の圧電振動子搭載用パッド52aと第1の電子部品搭載用パッド53aとを電気的に接続する第4の内部配線パターンからなる第4の配線パターン54dが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第3の圧電振動子搭載用パッド52cと第4の電子部品搭載用パッド53dとを電気的に接続する第5の内部配線パターンからなる第5の配線パターン54eが形成されている。
【0081】
また、基板2の上面2a側には、第2の圧電振動子搭載用パッド52bと第5の電子部品搭載用パッド53eとを電気的に接続する第6の内部配線パターンおよび第6の内部配線パターンと電気的に繋がっている第6の上面側接続用接合パターンからなる第6の配線パターン54fが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第2の電子部品搭載用パッド53bに電気的に接続されている第7の内部配線パターンおよび第7の内部配線パターンと電気的に繋がっている第7の上面側接続用接合パターンからなる第7の配線パターン54gが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第3の電子部品搭載用パッド53cに電気的に接続されている第8の内部配線パターンおよび第8の内部配線パターンと電気的に繋がっている第8の上面側接続用接合パターンからなる第8の配線パターン54hが形成されている。また、基板2の上面2a側には、第6の電子部品搭載用パッド53fに電気的に接続されている第9の内部配線パターンおよび第9の内部配線パターンと電気的に繋がっている第9の上面側接続用接合パターンからなる第9の配線パターン54iが形成されている。
【0082】
図2に示すように、基板2の下面2bには、平面視で、下面2bの角毎に、当該角およびその周辺を含むように、略矩形状の凹部(第1から第4の凹部55a~55d)が形成されている。第1から第4の凹部55a~55dは下面2bに対して垂直な方向に凹んでいる。
【0083】
基板2の下面2bには、第1の凹部55aの底面に第1の外部接続端子56aが形成され、第2の凹部55bの底面に第2の外部接続端子56bが形成され、第3の凹部55cの底面に第3の外部接続端子56cが形成され、第4の凹部55dの底面に第4の外部接続端子56dが形成されている。第1から第4の外部接続端子56a~56dは、圧電振動デバイス1を他の機器(基板など)に搭載する際に利用されるものである。第1から第6の外部接続端子56a~56dは、例えば、以下の端子である。第1の外部接続端子56aは、電源端子である。また、第2の外部接続端子56bは、クロック出力端子である。また、第3の外部接続端子56cは、グランド端子である。また、第4の外部接続端子56dは、アウトプットイネイブル端子である。
【0084】
第1の外部接続端子56aは、平面視で、略矩形状をしており、第1の外部接続端子56aの側面と第1の凹部55aの側面との間には隙間がある。また、第2の外部接続端子56bは、平面視で、略矩形状をしており、第2の外部接続端子56bの側面と第2の凹部55bの側面との間には隙間がある。また、第3の外部接続端子56cは、平面視で、略矩形状をしており、第3の外部接続端子56cの側面と第3の凹部55cの側面との間には隙間がある。また、第4の外部接続端子56dは、平面視で、略矩形状をしており、第4の外部接続端子56dの側面と第4の凹部55dの側面との間には隙間がある。ただし、第4の外部接続端子56dには、圧電振動デバイス1の搭載方向の指標となるC面(角面)の面取りが施されている。なお、当該指標は、C面(角面)の面取りに限定されるものではなく、例えば、R面(丸面)などの面取りや突起などであってもよい。
【0085】
基板2の下面2b側には、第1の外部接続端子56aに電気的に接続されている第1の内部配線パターンからなる第1の配線パターン57aが形成されており、第1の配線パターン57aは基板2の側面にまで延びている。また、基板2の下面2b側には、第1の外部接続端子56aに電気的に接続されている第2の内部配線パターンおよび第2の内部配線パターンと電気的に繋がっている第2の下面側接続用接合パターンからなる第2の配線パターン57bが形成されている。また、基板2の下面2b側には、第2の外部接続端子56bに電気的に接続されている第3の内部配線パターンからなる第3の配線パターン57cが形成されており、第3の配線パターン57cは基板2の側面にまで延びている。また、基板2の下面2b側には、第2の外部接続端子56bに電気的に接続されている第4の内部配線パターンおよび第4の内部配線パターンと電気的に繋がっている第4の下面側接続用接合パターンからなる第4の配線パターン57dが形成されている。また、基板2の下面2b側には、第3の外部接続端子56cに電気的に接続されている第5の内部配線パターンおよび第5の内部配線パターンと電気的に繋がっている第5の下面側接続用接合パターンからなる第5の配線パターン57eが形成されている。
【0086】
また、基板2の下面2b側には、第3の外部接続端子56cに電気的に接続されている第6の内部配線パターンからなる第6の配線パターン57fが形成されており、第6の配線パターン57fは基板2の側面にまで延びている。また、基板2の下面2b側には、第4の外部接続端子56dに電気的に接続され、枝分かれてして一方の枝が基板2の側面にまで延びる第7の内部配線パターンおよび第7の内部配線パターンの他方の枝の先端と電気的に繋がっている第7の下面側接続用接合パターンからなる第7の配線パターン57gが形成されている。また、基板2の下面2b側には、一方の端が基板2の側面にまで延びている第8の内部配線パターンおよび第8の内部配線パターンと電気的に繋がっている第8の下面側接続用接合パターンからなる第8の配線パターン57hが形成されている。また、基板2の下面2b側には、一方の端が基板2の側面にまで延びている第9の内部配線パターンおよび第9の内部配線パターンと電気的に繋がっている第9の下面側接続用接合パターンからなる第9の配線パターン57iが形成されている。
【0087】
基板2には、内壁面に導電性材料が形成された6つのスルーホール電極(第1から第6のスルーホール電極58a~58f)が形成されている。第1のスルーホール電極58aは、基板2の上面2a側の第1の配線パターン54aと基板2の下面2b側の第8の配線パターン57hとを電気的に接続する。第2のスルーホール電極58bは、基板2の上面2a側の第2の配線パターン54bと基板2の下面2b側の第9の配線パターン57iとを電気的に接続する。第3のスルーホール電極58cは、基板2の上面2a側の第8の配線パターン54hと基板2の下面2b側の第2の配線パターン57bとを電気的に接続する。第4のスルーホール電極58dは、基板2の上面2a側の第6の配線パターン54fと基板2の下面2b側の第5の配線パターン57eとを電気的に接続する。第5のスルーホール電極58eは、基板2の上面2a側の第9の配線パターン54iと基板2の下面2b側の第4の配線パターン57dとを電気的に接続する。第6のスルーホール電極58fは、基板2の上面2a側の第7の配線パターン54gと基板2の下面2b側の第7の配線パターン57gとを電気的に接続する。
【0088】
第1の外部接続端子56aは、第2の配線パターン57b、第3のスルーホール電極58c、第8の配線パターン54hを介して、第3の電子部品搭載用パッド53cに電気的に接続されている。第2の外部接続端子56bは、第4の配線パターン57d、第5のスルーホール電極58e、第9の配線パターン54iを介して、第6の電子部品搭載用パッド53fに電気的に接続されている。第3の外部接続端子56cは、第5の配線パターン57e、第4のスルーホール電極58d、第6の配線パターン54fを介して、第2の圧電振動子搭載用パッド52bおよび第5の電子部品搭載用パッド53eに電気的に接続されている。第4の外部接続端子56dは、第7の配線パターン57g、第6のスルーホール電極58f、第7の配線パターン54gを介して、第2の電子部品搭載用パッド53bに電気的に接続されている。第8の配線パターン57hは、第1のスルーホール電極58a、第1の内部配線パターン54aを介して、第1の圧電振動子搭載用パッド52aに電気的に接続されている。第9の配線パターン57iは、第2のスルーホール電極58b、第2の内部配線パターン54bを介して、第3の圧電振動子搭載用パッド52cに電気的に接続されている。
【0089】
封止樹脂5は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であり、
図3に示すように、圧電振動子3および電子部品4を覆うように基板2の上面2a側にモールドされている。平面視で、基板2の周縁と封止樹脂5の周縁とは略一致している。
【0090】
上述したように、圧電振動子3の外底面(第2の封止部材40の下面40b)に形成された第1~第4の外部接続端子52a~52dと、基板2の上面2aに形成された第1~第4の圧電振動子搭載用パッド45a~45dとに関して、圧電振動子搭載用パッドは平面視で接合される外部接続端子と相似形状または類似形状をしている(本実施形態では、類似形状をしている)。以下、類似形状について説明する。
【0091】
(1)
図11(a)に示すように、外部接続端子52Aの辺の長さLA1~LA4と、圧電振動子搭載用パッド45Aの辺の長さLB1~LB4とする。外部接続端子45Aは平面視でL字状をし、圧電振動子搭載用パッド52Aが平面視でL字状をしている場合には、辺の比率が等しくなくても(例えば、(LA1/LA2)/(LB1/LB2)≠1、(LA4/LA2)/(LB4/LB2)≠1、(LA3/LA1)/(LB3/LB1)≠1など)、圧電振動子搭載用パッド52Aは外部接続端子45Aに対して類似形状を満たす関係にある。
【0092】
(2)
図11(b)に示すように、外部接続端子45BにC面(角面)の面取りが施されているが、圧電振動子搭載用パッド52Bには面取りが施されていない場合も、圧電振動子搭載用パッド52Bは外部接続端子45Bに対して類似形状を満たす関係にある。なお、面取りはR面(丸面)などの面取りの場合も類似形状の関係を満たす。また、外部接続端子には面取りが施されていないが、圧電振動子搭載用パッドに面取りが施されている場合も類似形状の関係を満たす。また、外部接続端子および圧電振動子搭載用パッドの双方に面取りが施されているが、面取りを施す角の位置が異なる場合や面取りの大きさが異なる場合も類似形状の関係を満たす。
【0093】
(3)外部接続端子に突起が形成されているが、圧電振動子搭載用パッドには突起が形成されていない場合も(
図9の第1の外部接続端子45aと
図10の第1の圧電振動子搭載用パッド52a参照)、圧電振動子搭載用パッドは外部接続端子に対して類似形状を満たす関係にある。なお、外部接続端子には突起が形成されていないが、圧電振動子搭載用パッドに突起が形成されている場合も類似形状の関係を満たす。また、外部接続端子および圧電振動子搭載用パッドの双方に突起が形成されているが、突起を形成する位置が異なる場合や突起の寸法が異なる場合も類似形状の関係を満たす。また、突起ではなく凹みの場合も類似形状の関係を満たす。
【0094】
(4)
図11(c)に示すように、外部接続端子45Cの縁45C1の折れ曲がり角度と圧電振動子搭載用パッド52Cの縁52C1の折れ曲がり角度とが異なる場合も、圧電振動子搭載用パッド52Cは外部接続端子45Cに対して類似形状を満たす関係にある。
【0095】
(5)
図11(d)に示すように、外部接続端子45Cの縁45D1が屈曲し、圧電振動子搭載パッド52Dの縁52D1が小さく湾曲している場合も、圧電振動子搭載用パッド52Dは外部接続端子45Dに対して類似形状を満たす関係にある。
【0096】
(6)上記(1)~(5)を適宜組み合わせた場合も、圧電振動子搭載用パッドは外部接続端子に対して類似形状を満たす関係にある。
【0097】
(7)外部接続端子と同じ図形と圧電振動子搭載用パッドとが上記の(1)~(6)の関係を満たす他、外部接続端子を拡大または縮小した図形と圧電振動子搭載用パッドとが上記(1)~(6)の関係を満たす場合も、圧電振動子搭載用パッドは外部接続端子に対して類似形状を満たす関係にある。
【0098】
なお、上記の例(1)~(7)はあくまで類似形状の例であって、類似形状が上記の例(1)~(7)に限定される趣旨ではない。
【0099】
上記した実施形態によれば、基板2の上面2aに形成される第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの各々を、基板2の上面2aを垂直な方向から見た場合に、圧電振動子3の外底面(第2の封止部材40の下面40b)に形成された第1から第4の外部接続端子45a~45dのうちの対応する外部接続端子と相似形状または類似形状とする。つまり、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dを、平面視で、圧電振動子3と基板2とが重畳する重畳領域の中心側の縁が当該中心から離れるように、略L字形状としている。これにより、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの当該中心側の縁で取り囲まれる領域を大きくすることができる。これにより、当該領域に、配線やスルーホール電極などを多く配置することができ、圧電振動デバイス1を小型化することができる。さらに、全ての第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dが第1から第4の外部接続端子45a~45dのうちの対応する外部接続端子と相似形状または類似形状とすることで、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dへの圧電振動子3の搭載の位置ずれを防止できる。
【0100】
また、圧電振動子3は平面視で略矩形状をしており、第1から第4の外部接続端子45a~45dを圧電振動子3の外底面(第2の封止部材40の下面40b)の4隅にそれぞれ配置することで、第1から第4の外部接続端子45a~45d間の距離を大きくとることができる。これにより、例えば、圧電振動子3の第1から第4の外部接続端子45a~45dを基板2の上面2aに形成された第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dに半田を用いて接合する場合に、接合時の第1から第4の外部接続端子45a~45d間のショートを防止することができる。
【0101】
また、第1から第4の外部接続端子45a~45dの各々を、平面視で、第1から第4の外部接続端子45a~45dの各々の第2の封止部材40の下面40bの中心C(圧電振動子3の外底面の中心)側の縁が中心Cから離れるように、略L字形状としている。これにより、圧電振動デバイス1の小型化に対して、第1から第4の外部接続端子45a~45dの各々の、第2の封止部材40の下面40bの中心C方向への張り出しを抑えることができる。これにより、例えば、圧電振動子3の第1から第4の外部接続端子45a~45dを基板2の上面2aに形成された第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dに半田を用いて接合する場合に、接合時の第1から第4の外部接続端子45a~45d間のショートを防止することができる。
【0102】
また、第1から第4の外部接続端子45a~45dが、平面視で、外枠部W1の領域に配置されているので、第1から第4の外部接続端子45a~45d各々のうち、内部空間に重畳する部分をできる限り小さくすることができる。これにより、圧電振動子3の基板2への実装時、第2の封止部材40の変形に起因する第1および第2のシールパス(封止部)6A,6Bに作用する応力を低減することができるとともに、圧電振動子3の基板2の上面に形成された第1から第4の圧電振動子搭載パッド52a~52dへの搭載位置のずれを抑制することができる。
【0103】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0104】
例えば、上記の実施形態では、第2の封止部材40の下面40b(圧電振動子3の外底面)に形成された第1から第4の外部接続端子45a~45dは、平面視で、中心C側の縁45aa~45daが中心Cから遠ざかるように屈曲した略L字状をしているが、これに限定されるものではなく、例えば、第2の封止部材40の下面40a(圧電振動子3の外底面)に形成された第1から第4の外部接続端子は、平面視で、中心C側の縁が中心Cから遠ざかるような他の形状をしていてもよい。例えば、
図12(a)に示すように、第1から第4の外部接続端子45Ma~45Mdは、平面視で、中心C側の縁45Maa~45Mdaが中心Cから遠ざかるように湾曲して、形成されていてもよい。この場合、基板2の上面2aに形成される第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52Ma~52Mdは、
図12(b)に示すように、平面視で、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52Ma~52Mdの中心c(平面視で、基板2の上面2aにおける、基板2の上面2aと圧電振動子3とが重畳する重畳領域の中心)側の縁52Maa~52Mdaが中心cから遠ざかるように湾曲して、形成されるようにする。平面視で、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52Ma~52Mdは、第1から第4の外部接続端子45Ma~45Mdのうちの接合される外部接合端子と相似形状または類似形状をしている。なお、類似形状には、例えば、外部接続端子と同じまたは拡大または縮小した図形(外部接続端子と相似形状にある図形)と圧電振動子搭載用パッドとが、(1)外部接続端子の2辺の比と圧電振動子搭載用パッドの2辺の比が異なる場合、(2)面取りの有無や面取りの位置や大きさなどに相違がある場合、(3)突起部または凹み部の有無や突起部または凹み部の位置や大きさなどに相違がある場合、(4)湾曲している縁の曲率に相違がある場合なども圧電振動子搭載用パッドは外部接続端子に対して類似形状を満たす関係にある。なお、これらの例はあくまで類似形状の例であって、類似形状がこれらに限定される趣旨ではない。
【0105】
上記の実施形態では、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの全てが平面視で第1から第4の外部接続端子45a~45dのうちの接合される外部接続端子と相似形状または類似形状をしているとしているが、これに限定されるものではなく、第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの少なくとも一つが平面視で第1から第4の外部接続端子45a~45dのうちの接合される外部接続端子と相似形状または類似形状をしていればよい。
【0106】
また、上記の実施形態では、圧電振動子3の外底面(第2の封止部材40の下面40b)に形成された外部接続端子が第1から第4の外部接続端子45a~45dの4個であり、基板2の上面2aに形成された圧電振動子搭載用パッドが第1から第4の圧電振動子搭載用パッド52a~52dの4個であるが、これに限定されるものではなく、他の個数であってもよく、例えば、
図13(a),(b)に示すように、外部接続端子が第1および第2の外部接続端子45Na,45Nbの2個で、圧電振動子搭載用パッドが第1および第2の圧電振動子搭載用パッド52Na,52Nbの2個であってもよい。なお、
図13(a)では、第1および第2の外部接続端子52Ma,52Mb以外のスルーホール電極などは図示の簡略化のために省略しており、また、
図13(b)では、第1および第2の圧電振動子搭載用パッド52Na,52Nb以外の電子部品搭載用パッド、配線パターン、スルーホール電極などは図示の簡略化のために省略している。
【0107】
第1および第2の外部接続端子45Na,45Nbは、それぞれ、
図13(a)に示すように、第2の封止部材40の下面40bの周縁部に形成されており、平面視で、第1および第2の外部接続端子45Na,45Nbの中心(第2の封止部材40の下面40bの中心)C側の縁45Naa,45Nbaが中心Cから遠ざかるように屈曲した、U字状をしている。また、第1および第2の圧電振動子搭載用パッド52Na,52Nbは、基板2の上面2aに設けられた第1および第2の凹部51Na,52Nbの底面に形成されており、平面視で、第1および第2の圧電振動子搭載用パッド52Na,52Nbの中心(平面視で、基板2の上面2aにおける、基板2の上面2aと圧電振動子3とが重畳する重畳領域の中心)c側の縁52Naa,52Nbaが中心cから遠ざかるように屈曲した、U字状をしている。第1および第2の圧電振動子搭載用パッド52Na,52Nbは、平面視で、第1および第2の外部接続端子45Na,45Nbのうちの接合される外部接続端子と相似形状または類似形状をしている。
【0108】
また、上記の実施形態では、圧電振動子3は、圧電振動板10と、圧電振動板10の第1の励振電極20を覆う第1の封止部材30と、圧電振動板10の第2の励振電極20を覆う第2の封止部材40とを重ね合わせた構造としているが、これに限定されるものではなく、例えば、圧電振動子は、上方のみに開口したキャビティを有する断面視で箱型構造のベースの内側に水晶片を搭載し、当該開口を平板状の蓋で塞いで気密封止した構造であってもよい。
【0109】
また、上記の実施形態で圧電振動板10の振動部11として、例えば、平板状の振動部であってもよいし、メサ構造(中央部が外周部よりも厚肉の構造)の振動部であってもよいし、逆メサ構造(中央部が外周部よりも薄肉の構造)の振動部であってもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、圧電振動板10の振動部11の形状は、例えば、矩形(ATカット)であるとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、矩形(SCカットなど)でもよいし、音叉形状(BTカット)でもよい。
【0111】
また、電子部品4は温度補償回路を備えているICであってもよい。
【0112】
また、上記実施形態や変形例は、SPXO(Simple Packaged Crystal Oscillator)およびTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)のいずれにも適用可能である。
【0113】
また、上記の実施形態で説明した内容や上記の変形例で説明した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、基板と、前記基板の一の主面に搭載された圧電振動子および電子部品と、前記圧電振動子および前記電子部品を覆うように前記基板の前記一の主面側にモールドされた封止樹脂とを備える圧電振動デバイスに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1:圧電振動デバイス
2:基板
3:圧電振動子
4:電子部品
5:封止樹脂
10:圧電振動板
11:振動部
12:外枠部
13:連結部
20:第1の励振電極
25:第2の励振電極
30:第1の封止部材
40:第2の封止部材
45a~45d:第1から第4の外部接続端子
52a~52d:第1から第4の圧電振動子搭載用パッド
C1:キャビティ
W1:外枠部