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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136893
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20240927BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B41J29/13
B41J29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048194
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 元人
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ04
2C061AS06
2C061AS08
2C061CD01
(57)【要約】
【課題】オプション機能を提供するためのユニットを着脱可能にする構造を、標準モデルの構造に含める。
【解決手段】プリンタは、帯状の用紙が巻かれたロール紙を保持する用紙保持部と、前記用紙保持部から引き出された前記用紙に印字する印字部と、前記用紙保持部および前記印字部を収納する箱型の筐体と、を備え、前記筐体は、印字後の前記用紙を排出する排紙口が設けられた面の少なくとも一部を構成する板状のカバー部と、前記カバー部以外の部分である本体部と、を含み、前記本体部に対して前記カバー部を着脱自在に取り付ける構造である取付構造は、板状である前記カバー部の一方の面である第1面と他方の面である第2面とのどちらが前記本体部に面する向きでも前記カバー部を取り付け可能であって、前記カバー部は、前記第1面および前記第2面のいずれか一方に、前記用紙に所定の処理を施すオプションユニットを着脱自在に支持する支持部を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の用紙が巻かれたロール紙を保持する用紙保持部と、前記用紙保持部から引き出された前記用紙に印字する印字部と、前記用紙保持部および前記印字部を収納する箱型の筐体と、を備えるプリンタにおいて、
前記筐体は、印字後の前記用紙を排出する排紙口が設けられた面の少なくとも一部を構成する板状のカバー部と、前記カバー部以外の部分である本体部と、を含み、
前記本体部に対して前記カバー部を着脱自在に取り付ける構造である取付構造は、板状である前記カバー部の一方の面である第1面と他方の面である第2面とのどちらが前記本体部に面する向きでも前記カバー部を取り付け可能であって、
前記カバー部は、前記第1面および前記第2面のいずれか一方に、前記用紙に所定の処理を施すオプションユニットを着脱自在に支持する支持部を備える
プリンタ。
【請求項2】
前記支持部は、鉤状の形状を有し、
前記オプションユニットは、前記支持部に引っ掛け状態で支持される鉤状の形状を有した被支持部を有し、
前記支持部と前記被支持部との引っ掛け状態を解除する方向の移動によるズレを抑えるズレ抑止部を、前記支持部に隣接させてさらに設けた
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記ズレ抑止部は、ネジと、当該ネジがねじ込まれるネジ受部とを含んで構成され、
前記ネジ受部にねじ込まれた前記ネジの頭部は、前記支持部に引っ掛け状態で支持された前記被支持部に接して当該被支持部の移動を妨げる位置に位置する
請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記ネジの前記ネジ受部へのねじ込み方向は、前記支持部に引っ掛けられた前記被支持部が前記支持部から脱する際の移動方向の略反対方向である
請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記オプションユニットは、前記用紙に、切断の処理を施すものである
請求項1~4のいずれか1項に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙から引き出した用紙に印字して発行するプリンタが、用いられている(例えば特許文献1)。このようなプリンタにおいては、切断や剥離などを行わずに用紙を帯状のまま排出するモデルを標準とし、当該標準モデルに取り付け可能なオプションとして、切断や剥離などの機能を提供するといった販売手法が、とられることがある。
【0003】
上述のような手法によって複数モデルを展開している場合、オプションを着脱可能にするための構造が必要となる。当該構造を実現する部材は、標準モデルのプリンタを機能させるに必要な部材としてではなく、オプションのユニットとともに、別途準備されるのが一般的である。
【0004】
オプションのユニットの他に別途準備すべき部材があると、材料や製造に要するコストが高くなり、また、その部材を管理する必要も生じてしまうので、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、オプション機能を提供するためのユニットを着脱可能にする構造を、標準モデルが含む構造によって実現可能なプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のプリンタは、帯状の用紙が巻かれたロール紙を保持する用紙保持部と、前記用紙保持部から引き出された前記用紙に印字する印字部と、前記用紙保持部および前記印字部を収納する箱型の筐体と、を備えるプリンタであって、前記筐体は、印字後の前記用紙を排出する排紙口が設けられた面の少なくとも一部を構成する板状のカバー部と、前記カバー部以外の部分である本体部と、を含み、前記本体部に対して前記カバー部を着脱自在に取り付ける構造である取付構造は、板状である前記カバー部の一方の面である第1面と他方の面である第2面とのどちらが前記本体部に面する向きでも前記カバー部を取り付け可能であって、前記カバー部は、前記第1面および前記第2面のいずれか一方に、前記用紙に所定の処理を施すオプションユニットを着脱自在に支持する支持部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる標準状態のプリンタの、外観の一例を示す図である。
図2図2は、プリンタの内部構造の一例を示す図である。
図3図3は、切断ユニット付きプリンタの、外観の一例を示す図である。
図4図4は、プリンタの、前部カバーを含む部分の構造例を示す図である。
図5図5は、プリンタの、前部カバーを含む部分の構造例を示す図である。
図6図6は、図4および図5の状態から下部ケースを除いた状態を示す図である。
図7図7は、図6の状態から前部カバーを取り外して裏返して支持部を表に向けた状態を示す図である。
図8図8は、支持部を表にした前部カバーを装着した状態を示す図である。
図9図9は、切断ユニットの構造の一例を示す分解斜視図である。
図10図10は、切断ユニット付きプリンタの、前部カバーを含む部分の構造例を示す図である。
図11図11は、支持部による切断ユニットの支持状態を示す図である。
図12図12は、支持部による切断ユニットの支持状態を示す図である。
図13図13は、剥離ユニットおよび、剥離ユニットのフレームに対する位置関係を示す図である。
図14図14は、下部ケースを除いた状態での、剥離ユニット付きプリンタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、実施形態にかかる標準状態のプリンタ1の、外観の一例を示す図である。図2は、プリンタ1の内部構造の一例を示す図である。
【0009】
プリンタ1は、標準モデルのプリンタの一例であって、筐体2、表示操作部103、開閉ボタン104及び排紙口105を備える。排紙口105が設けられている側がプリンタ1の正面側であり、排紙口105が設けられた面の反対側が背面側である。
【0010】
筐体2は、箱型の容器であって、上部ケース21及び下部ケース22を備えている。上部ケース21は下向きの開口部を、下部ケース22は上向きの開口部を有する。上部ケース21は、背面側の辺を、ヒンジ20によって、下部ケース22に回動自在に取り付けられている。これにより上部ケース21と下部ケース22とは回動自在に連結され、回動に伴い、互いの開口部を開閉する。
【0011】
ヒンジ20は、上部ケース21と下部ケース22を、背面側にて、回動自在に連結する。ヒンジ20は、下部ケース22の幅方向片側に、トーションばね等の付勢部材を備える。付勢部材は、上部ケース21を、下部ケース22が開放される向きに付勢することで、上部ケース21が下部ケース22を閉じる際の動きを緩やかにする。
【0012】
筐体2内には、用紙保持部3および印字部4が設けられている。用紙保持部3は、帯状の用紙31が巻かれたロール紙30を、回転自在に保持する。
【0013】
ロール紙30としては、例えば、レシートロールやラベルロールがある。レシートロールは、帯状のレシート用紙(用紙31の一例)が巻かれたものである。レシート用紙は、印字されて切断されることによりレシートとなる帯状の用紙31である。
【0014】
ラベルロールは、帯状のラベル用紙(用紙31の一例)が巻かれたものである。ラベル用紙としては、帯状の台紙にラベルが貼付されたものである台紙付きラベルや、台紙がない帯状のラベルがある。なお、ラベルは、印字面の裏面に粘着層が設けられたものである。
【0015】
印字部4は、用紙保持部3から引き出された用紙31を搬送しながら用紙31に印字を施すものであって、印字ヘッド41及びプラテンローラ42を備える。印字ヘッド41は、上部ケース21の内側面に固定されていて、上部ケース21が下部ケース22の上面の開口部を閉じた状態で、プラテンローラ42に密着する。
【0016】
印字ヘッド41は、例えば、サーマルヘッドであって、複数個が並列して設けられた発熱体を備える。印字ヘッド41は、自身とプラテンローラ42との間に挟んだ用紙31に対し、発熱体の熱により印字する。プラテンローラ42は、ステッピングモータの駆動力が伝達されることにより回転して、印字ヘッド41との間に挟んだ用紙31を搬送する。
【0017】
表示操作部103は、上部ケース21の上面に設けられている。表示操作部103は、各種操作の入力を受け、各種情報を表示する。開閉ボタン104は、上部ケース21の側面部の手前側に設けられている。開閉ボタン104が押下されると、下部ケース22を閉じる位置に上部ケース21を保持する構造のロック状態が解除され、上部ケース21が付勢部材の付勢に従って持ち上がって、筐体2が開放される。
【0018】
下部ケース22の正面(前面)の一部は、前部カバー23により構成されている。前部カバー23は、カバー部の一例である。また、筐体2の、前部カバー23を除く他の部分は、本体部の一例である。
【0019】
排紙口105は、レシート等の印字物(印字後の用紙31)を発行(排出)する開口部であって、前部カバー23の上端部と、上部ケース21の前面下端部との間に設けられている。
【0020】
図3は、切断ユニット付きプリンタ101の、外観の一例を示す図である。本実施形態の図1に示すプリンタ1は、標準状態のものである。標準状態のプリンタ1の正面に、切断ユニット6を取り付けることで、切断ユニット付きプリンタ101とすることができる。切断ユニット6は、用紙31に所定の処理を施すオプションユニットの一例である。切断ユニット6の取り付けには、標準状態のプリンタ1の前部カバー23を、裏返して使用する。
【0021】
図4図8は、プリンタ1の、前部カバー23を含む部分の構造例を示す図である。図6は、図4および図5の状態から下部ケース22を除いた状態を示す。また、図7は、図6の状態から前部カバー23を取り外して裏返して支持部232(後述)を表に向けた状態を示す。そして図8は、支持部232を表にした前部カバー23を装着した状態を示す。
【0022】
標準状態のプリンタ1の前部カバー23は、第1面2301を正面に向けて、フレーム7に取り付けられている。下部ケース22の前面部分221はU字状に抉れた形状とされていて、当該抉れた部分に嵌め込まれるように、前部カバー23は配置される。
【0023】
前部カバー23は、両側部に取付タブ231を有する。取付タブ231には、ネジ238の軸部が貫通する孔が形成されている。また、フレーム7の前面の、取付タブ231に対応する位置には、円筒状のネジ受部71が突出して設けられている(図7参照)。
【0024】
取付タブ231およびネジ受部71は、取付構造の一例を構成する。取付構造は、前部カバー23を着脱自在に取り付けるための構造である。当該取付構造は、板状である前部カバー23の一方の面である第1面2301と他方の面である第2面2302とのどちらが正面向きでも、前部カバー23をフレーム7に対して取り付け可能である。つまり、上記取付構造は、前部カバー23の内側と外側とを裏返して着脱可能にする。
【0025】
なお、フレーム7は、プリンタ1が内蔵する各部を支持して所定の位置に位置させるものであって、下部ケース22の前面部分221で隠れる位置に設けられている。フレーム7は、例えばプラテンローラ42の両端部を回転自在に支持し、プラテンローラ42を所定の位置に留め置く。
【0026】
さらに、前部カバー23は、下辺部の2箇所に凸部233(取付構造を構成する一部)を有している(図7参照)。また、フレーム7の、前部カバー23の下辺部が触れる位置には、溝状の凹部73(取付構造を構成する一部)が形成されている(図8参照)。凹部73に凸部233が差し込まれることにより、フレーム7に対して前部カバー23の下辺部が固定される。
【0027】
図6に示すように、前部カバー23は、凹部73に凸部233が差し込まれて、ネジ238の軸部が取付タブ231の孔を貫通してネジ受部71にねじ込まれることにより、フレーム7に固定されている。この状態から、ネジ238が取り外され、フレーム7から離した前部カバー23が裏返されると、図7に示す状態になる。この状態では、第1面2301に代わって、第1面2301の裏面である第2面2302が、正面を向く。また、この状態から、凹部73に凸部233を差し込んで前部カバー23をフレーム7に重ね合わせ、ネジ238で取付タブ231をネジ受部71に固定すると、図8に示す状態になる。
【0028】
前部カバー23の第2面2302には、支持部232が設けられている。支持部232は、鉤状(フック状)の部分であって、切断ユニット6を引っ掛け状態で支持する。また、第2面2302には、支持部232に隣接して、ネジ受部235が設けられている。ネジ受部235は、ズレ抑止部の一部であって、後述のネジ239とともにズレ抑止部を構成する。ネジ受部235が受けるネジの差し込み方向は、上から下である。これと同じ上から下への移動によって、切断ユニット6が備える鉤部631(図9参照、後述)は、支持部232に引っ掛け保持される。
【0029】
図9は、切断ユニット6の構造の一例を示す分解斜視図である。図10は、切断ユニット付きプリンタ101の、前部カバー23を含む部分の構造例を示す図である。なお、図9に示す切断ユニット6は、背面側から見た状態である。
【0030】
切断ユニット6は、駆動部60、固定刃61、可動刃62、ブラケット63、カバー69などを有する。駆動部60は、モータやリンク等を含み、可動刃62を上下移動させる。固定刃61は、上下動する可動刃62と協働して、用紙31を挟んで切断する。
【0031】
なお、切断ユニット6は、用紙31を幅方向の全域に渡って切断するフルカットを行うものであってもよいし、或いは、用紙31の幅方向の一部を切り残すパーシャルカットを行うものであってもよい。また、切断ユニット6における、固定刃61に対する可動刃62の移動の仕方は、本実施形態のような上下動に限られるものではない。
【0032】
ブラケット63は、駆動部60の背面側を構成する板状の部材に、鉤部631および凸部632が設けられたものである。鉤部631は、被支持部の一例である。
【0033】
鉤部631は、切断ユニット6の背面から突出したL字状の形状を有する部分であって、支持部232に引っ掛けられる部分である。鉤部631は、例えば、切断ユニット6の背面を構成する板金の一部分が、背面から略直角に起こされて、さらに先端部が略直角に折り曲げられることで、形成される。
【0034】
凸部632は、切断ユニット6の背面を構成する板金の下部から下向きに突出した部分である。凸部632は、フレーム7に設けられた凹部72(図8参照)に差し込まれる。凹部72は、凹部73と隣り合う位置に設けられている。凹部72に凸部632が差し込まれることにより、フレーム7に対して切断ユニット6の下部が固定される。
【0035】
カバー69は、上記各部(駆動部60、固定刃61、可動刃62、ブラケット63等)を覆う切断ユニット6の外装であり、排紙口605が形成されている。排紙口605は、排紙口105から排出される用紙31の進行方向に沿った延長線上に位置する。
【0036】
なお、固定刃61は案内部615を、ブラケット63は案内部635を有している。案内部615および案内部635は、排紙口605の上流側に位置して用紙31の上面および下面に対向し、用紙31を排紙口605へ案内する。
【0037】
図11および図12は、支持部232による切断ユニット6の支持状態を示す図である。図12は、図11よりもやや上の位置から、斜め下を見下ろした状態を示す。
【0038】
鉤部631は、支持部232の上に位置させて下向きに移動させることにより、支持部232に引っ掛け状態で支持される。引っ掛け後に、鉤部631が支持部232から抜けないよう押えるために、ネジ239が用いられている。ネジ239は、ズレ抑止部の一部であって、上述のネジ受部235とともにズレ抑止部を構成する。ネジ239は、支持部232に隣接して設けられたネジ受部235にねじ込まれる。このねじ込み方向は、上から下である。ねじ込まれたネジ239は、軸部がネジ受部235に螺合し、頭部がネジ受部235の上に位置する。
【0039】
鉤部631、支持部232およびネジ受部235の位置および寸法は、ネジ受部235にねじ込まれたネジ239の頭部が、支持部232に引っ掛け支持された鉤部631の端を覆う位置関係となるよう、設計されている。このような位置及び寸法により、支持部232に引っ掛け支持された鉤部631は、ネジ239の頭部により少なくとも端を押えられる。これにより、ネジ239がネジ受部235にねじ込まれた状態では、鉤部631は上向きに移動することができないので、支持部232から鉤部631が外れることがない。
【0040】
以上のように、切断ユニット6がフレーム7に取り付けられた後、下部ケース22で覆い直されることにより、切断ユニット付きプリンタ101が構成される。なお、切断ユニット6をプリンタ1から取り外す場合には、上述の手順の逆である。つまり、下部ケース22を剥がしてフレーム7を露出させ、ネジ239を除いて切断ユニット6を取り外し、さらにネジ238を除いて前部カバー23を取り外して裏返して付け直し、下部ケース22で覆いなおす。
【0041】
図13は、剥離ユニット8および、剥離ユニット8のフレーム7に対する位置関係を示す図である。図14は、下部ケース22を除いた状態での、剥離ユニット付きプリンタ102の一例を示す図である。
【0042】
剥離ユニット8は、オプションユニットの、他の例である。剥離ユニット8は、用紙31が、帯状の台紙にラベルが貼付されたものであり、且つ、台紙から剥離させたラベルを発行したい場合に、用いられる。つまり、剥離ユニット8は、印字後のラベルの搬送に伴い、台紙からラベルを剥離させるものである。
【0043】
剥離ユニット8は、第1部材81および第2部材82を有する。第1部材81はプラテンローラ42の下流側に近接して設けられ、第2部材82は、フレーム7に対して固定される部分であって、第1部材81を回動自在に支える。第1部材81の回動方向は、プラテンローラ42に対して接離する方向であり、回動に伴い、プラテンローラ42に近接する位置と、プラテンローラ42から離れた位置と、の間を移動する。回動の軸はプラテンローラ42に対して略平行である。
【0044】
第1部材81は、プラテンローラ42に近接した位置において、プラテンローラ42との間に、台紙を挟み込む。台紙の先端は、第1部材81と第2部材82との間の隙間である台紙排出口83との間から、筐体2外へ出される。さらに、第1部材81は、剥離されたラベルを下から支えるラベル受部811を備える。ラベル受部811は、ラベルの粘着面が貼りつきにくい加工(凹凸の形成或いはフッ素樹脂によるコーティング等)が施された面である。
【0045】
この剥離ユニット8をフレーム7に取り付ける際には、前部カバー23は不要であるので、取り除かれる。
【0046】
第2部材82は、幅方向両端部に、取付タブ821を有している。取付タブ821は、フレーム7のネジ受部71に対応する位置に設けられ、ネジ238の軸部が貫通する孔を有する。第2部材82は、ネジ238の軸部が取付タブ821の孔を貫通してネジ受部71にねじ込まれることにより、フレーム7に固定される。
【0047】
なお、第2部材82は、下部に、下向きに突出した凸部を有している。この凸部は、切断ユニット6が有する凸部632に対応する部分であって、フレーム7に設けられた凹部72(図8参照)に差し込まれる。凹部72に剥離ユニット8の凸部が差し込まれることにより、フレーム7に対して、剥離ユニット8の下部が固定される。
【0048】
このように、本実施形態のプリンタ1によれば、切断ユニット6を着脱可能にするための構造を、標準モデルのプリンタ1の筐体2の一部を構成する前部カバー23およびその周囲によって、実現することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ズレ抑止部を設けたことにより、前部カバー23の一方の面に設けられた鉤状の支持部232に、オプションユニットに設けられた被支持部(鉤部631)を引っ掛けるという簡便な支持状態が、ズレによって不意に解除されることを抑止することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、ズレ抑止部を、ネジ受部235とネジ239とにより構成したので、簡便な構造のため設けやすく、また、設置スペースを少なく済ませることができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 …プリンタ(標準モデルのプリンタの一例)、
101…切断ユニット付きプリンタ、102…剥離ユニット付きプリンタ、
103…表示操作部、104…開閉ボタン、105…排紙口、
2 …筐体、20…ヒンジ、
21 …上部ケース(本体部の一部)、
22 …下部ケース(本体部の一部)、221…前面部分、
23 …前部カバー(カバー部の一例)、2301…第1面、2302…第2面、
231…取付タブ(取付構造の一部)、
232…支持部、
233…凸部(取付構造の一部)、
235…ネジ受部(ズレ抑止部の一部)、
238…ネジ、239…ネジ(ズレ抑止部の一部)、
3 …用紙保持部、30…ロール紙、31…用紙、
4 …印字部、41…印字ヘッド、42…プラテンローラ、
6 …切断ユニット(オプションユニットの一例)、605…排紙口、
60 …駆動部、
61 …固定刃、615…案内部、
62 …可動刃、
63 …ブラケット、
631…鉤部(被支持部の一例)、632…凸部、635…案内部、
69 …カバー、
7 …フレーム、71…ネジ受部(取付構造の一部)、
72 …凹部、73…凹部(取付構造の一部)、
8 …剥離ユニット(オプションユニットの一例)、
81 …第1部材、811…ラベル受部、
82 …第2部材、821…取付タブ、
83 …台紙排出口。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2009-107279号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14