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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136899
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048202
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】山尾 隆
(72)【発明者】
【氏名】土屋 賢史
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD05
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】車両の後席に座る人物の心身の疲労回復を支援する。
【解決手段】車両は、前席と、後席と、車外を視認できるガラスと、後席と前席の間に配置された可変透過率を有する透明ディスプレイとを備える。後席に座る人物は、透明ディスプレイ及びガラス越しに車外を視認可能である。透明ディスプレイは、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、第1フェーズの後にある第2フェーズと、第2フェーズの後にある第3フェーズとを、少なくとも有し、第1フェーズにおけるシーン切替の第1平均時間間隔は、第3フェーズにおけるシーン切替の第2平均時間間隔より長い。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に連結された第1車輪と、
前記車体に連結された第2車輪と、
前記車体に連結された第3車輪と、
前記車体に連結された第4車輪と、を少なくとも備え、
前記第1車輪、前記第2車輪、前記第3車輪、及び前記第4車輪を使って、所定の向きに走行可能な車両であって、
前記車体は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部と天井面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ、前記所定の向きについて前部に配置された前面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ、前記所定の向きについて後部に配置された後面部と、
前記床面部において、前記後面部より前記前面部側に配置された少なくとも一つの前席と、
前記床面部において、前記前面部より前記後面部側に配置された少なくとも一つの後席と、を備え、
前記前面部は、前記前席より前記所定の向きに車外を視認できるガラスを備え、
前記車体は更に、前記後席と前記前席の間に、透明ディスプレイを備え、
前記透明ディスプレイは、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズとを、少なくとも有し、
前記第1フェーズにおけるシーン切替の第1平均時間間隔は、前記第3フェーズにおけるシーン切替の第2平均時間間隔より長い、
車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記後席に放音するスピーカを備え、
前記第3フェーズの少なくとも一部において、前記スピーカは鳥の鳴き声を出力する、
車両。
【請求項3】
請求項1に記載の車両であって、
前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズは、視聴者にリラックスを促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズは、視聴者に睡眠を促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズは、視聴者に覚醒を促す、
車両。
【請求項4】
請求項1に記載の車両であって、
前記前席が配置された前室と、
前記後席が配置された後室と、
前記前室と前記後室とを隔てるように設置され、前記透明ディスプレイが配置された隔壁と、を更に備え、
前記隔壁の前記後室側の隔壁後室側面部、
前記後室に接する前記床面部、
前記後室に接する前記天井面部、
前記後室に接する前記後面部、
前記後室に接する前記左側面部、又は
前記後室に接する前記右側面部、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部を備え、
前記発光部の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する、
車両。
【請求項5】
請求項1に記載の車両であって、
香を発生させる香発生部を備え、
前記香発生部が発生する香は、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光の透過率を可変な表示装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両の車室内に設けられた表示装置が、光を透過可能な表示面に情報画像を表示する透明ディスプレイと、光の透過率を調整可能な遮光画像を表示する遮光ディスプレイとを備え、表示装置は、透明ディスプレイへ向かう直射光の強さを取得し、直射光が強くなるほど、遮光画像の透過率を低く調整することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-79917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、車両の後席に乗車した人物は、一時的に休息して心身の疲労を回復させたい場合がある。しかし、従来の車両の後席は、心身の疲労回復を目的として設計されてない。
【0005】
本開示の目的は、車両の後席に座る人物の心身の疲労回復を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、
車体に連結された第1車輪と、
前記車体に連結された第2車輪と、
前記車体に連結された第3車輪と、
前記車体に連結された第4車輪と、を少なくとも備え、
前記第1車輪、前記第2車輪、前記第3車輪、及び前記第4車輪を使って、所定の向きに走行可能な車両であって、
前記車体は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部と天井面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ、前記所定の向きについて前部に配置された前面部と、
前記床面部と前記天井面部を繋ぎ、前記所定の向きについて後部に配置された後面部と、
前記床面部において、前記後面部より前記前面部側に配置された少なくとも一つの前席と、
前記床面部において、前記前面部より前記後面部側に配置された少なくとも一つの後席と、を備え、
前記前面部は、前記前席より前記所定の向きに車外を視認できるガラスを備え、
前記車体は更に、前記後席と前記前席の間に、透明ディスプレイを備え、
前記透明ディスプレイは、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズとを、少なくとも有し、
前記第1フェーズにおけるシーン切替の第1平均時間間隔は、前記第3フェーズにおけるシーン切替の第2平均時間間隔より長い、
車両を提供する。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両の後席に座る人物の心身の疲労回復を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る車両の構成例を示し、上から車内を透視した平面図
図2】実施の形態1に係る車両の構成例を示し、横から車内を透視した側面図
図3】実施の形態1に係る車両の構成例を示し、車内の後席から前方を見た図
図4】実施の形態1に係る疲労回復支援システムの構成例を示すブロック図
図5】実施の形態1に係る各フェーズにおける透明ディスプレイの透過率の変化例を示すグラフ
図6】実施の形態1に係る第1フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの第1例を示す図
図7】実施の形態1に係る第1フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの第2例を示す図
図8】実施の形態1に係る第3フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの第1例を示す図
図9】実施の形態1に係る第3フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの第2例を示す図
図10】実施の形態2に係る、リアドアウィンドウに調光フィルムが設けられ、第1フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの一例を示す図
図11】実施の形態2に係る、リアドアウィンドウに遮光カーテンが設けられ、第1フェーズにおいて透明ディスプレイに表示される映像コンテンツの一例を示す図
図12】実施の形態2に係る、第3フェーズにおけるシーン切替の時間間隔を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
(実施の形態1)
<車両の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両1の構成例を示し、上から車内を透視した平面図である。図2は、実施の形態1に係る車両1の構成例を示し、横から車内を透視した側面図である。図3は、実施の形態1に係る車両1の構成例を示し、車内の後席22から前方を見た図である。次に、図1図2及び図3を参照して、車両1の構成について説明する。
【0012】
なお、説明の便宜上、図1及び図2に示すように、車両1の全長方向をY軸とし、車両1の幅方向をX軸とし、車両1の高さ方向をZ軸とする。また、説明の便宜上、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」、Y軸の正方向を「前」、Y軸の負方向を「後」、X軸の正方向を「右」、X軸の負方向を「左」と称する場合がある。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0013】
車両1は、車体2と、車体2に連結された第1車輪3A、第2車輪3B、第3車輪3C及び第4車輪3Dとを少なくとも備え、第1車輪3A、第2車輪3B、第3車輪3C及び第4車輪3Dを使って、所定の向き(例えばY軸の向き)に走行可能である。ただし、車両1は、4つの車輪を備える構成に限らず、2つ又は3つの車輪、あるいは、5つ以上の車輪を備える構成であってもよい。また、車両1は、自家用車、商用車、タクシー、トラック、又は、バス等であってもよい。
【0014】
車体2は、所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12とを備える。
【0015】
車体2は、床面部11と天井面部12を繋ぎ、所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、床面部11と天井面部12とを繋ぎ、所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14とを備える。
【0016】
車体2は、床面部11と天井面部12を繋ぎ、所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、床面部11と天井面部12を繋ぎ、所定の向きについて後部17に配置された後面部18とを備える。
【0017】
車体2は、床面部11において、後面部18より前面部16側に配置された少なくとも1つの前席21と、床面部11において、前面部16より後面部18側に配置された少なくとも1つの後席22とを備える。
【0018】
前面部16は、前席21より所定の向きに車外を視認できる、ガラスのフロントウィンドウ4を備える。
【0019】
車体2は、さらに、後席22と前席21の間に、長方形の透明ディスプレイ102を備える。透明ディスプレイ102は、長方形の長手方向が水平方向(X軸方向)に沿うように設置される。透明ディスプレイ102は、少なくとも自発光ディスプレイ103と、光の透過率が可変である調光フィルム104とを備える。調光フィルムは、シートと読み替えられてもよい。以下では説明をわかり易くするために、透明ディスプレイ102の透過率を変化させると表現する場合があるが、これは調光フィルム104の透過率を変化させると読み替えられてもよい。自発光ディスプレイ103の例として、有機ELディスプレイ又はLEDディスプレイ等が挙げられる。
【0020】
後席22に座ったユーザは、透明ディスプレイ102及びフロントウィンドウ4越しに、車外を視認可能である。
【0021】
透明ディスプレイ102は、所定の映像コンテンツを再生するように設定されている。本実施の形態では映像コンテンツを動画像として説明するが、映像コンテンツは静止画像であってもよい。なお、映像コンテンツの詳細については後述する。
【0022】
車両1は、前席21が配置された前室23と、後席22が配置された後室24とを備える。車両1は、前室23と後室24とを隔てるように設置され、透明ディスプレイ102が配置された隔壁31をさらに備える。
【0023】
車両1は、車内に、光色と光の強さを調整可能な発光部107を備える。発光部107は、隔壁31の後室24側の隔壁後室側面部32、後室24に接する床面部11、後室24に接する天井面部12、後室24に接する後面部18、後室24に接する左側面部13、後室24に接する右側面部14の少なくとも1つに配置される。なお、図3には、発光部107の一部が描画されている。発光部107の例として、LED(Light Emitting Diode)ライトが挙げられる。
【0024】
車両1は、香りを発生させる香発生部108を備える。香発生部108は、例えば、後室24に備えられる。香発生部108の例として、アロマディフューザが挙げられる。なお、香発生部108が発生させる香りの詳細については後述する。
【0025】
車両1は、車内の後室24にスピーカ106を備える。スピーカ106は、図3に示すように、透明ディスプレイ102の上部と下部のそれぞれに設置されてよい。さらに、スピーカ106は、後席22にも設置されてよい(図示しない)。設置されたスピーカ106の少なくとも一部(例えば後席22に設置されたスピーカ106)は、ツイーターであってよい。設置されたスピーカ106の少なくとも一部は、ウーファーであってもよい。
【0026】
車両1は、車内の後席22付近に、操作部109を備える。操作部109は、車内に設置されたタブレット端末であってよい。あるいは、操作部109は、ユーザが所持するスマートフォンを車両1に有線又は無線で接続したものであってよい。なお、ユーザが操作部109を通じて行うことができる操作の詳細については後述する。
【0027】
<システムの構成>
図4は、実施の形態1に係る疲労回復支援システムの構成例を示すブロック図である。
【0028】
車両1に搭載される、実施の形態1に係る疲労回復支援システムは、ECU100、IVIシステム101、透明ディスプレイ102、自発光ディスプレイ103、調光フィルム104、アンプ105、スピーカ106、発光部107、香発生部108、及び、操作部109を備える。ECUは、Electronic Control Unitの略語である。これらは、例えば、車両ネットワーク110を介して情報を送受信できる。車両ネットワーク110の例として、CAN(Controller Area Network)、LIN、又は、FlexRay等が挙げられる。
【0029】
透明ディスプレイ102、自発光ディスプレイ103、調光フィルム104、スピーカ106、発光部107、香発生部108、及び、操作部109については、上述にて説明済みであるので、ここでは説明を省略する。
【0030】
アンプ105は、スピーカ106から出力される音響の信号を増幅する。アンプ105は、ハイレゾ対応であってよい。これにより、より高音質な音響をスピーカ106から出力できる。
【0031】
IVIは「In-Vehicle Infotainment」の略語であり、Infotainmentは、Information(情報)とEntertainment(娯楽)を組み合わせた造語である。IVIシステム101は、車両1に搭載した電子機器により、情報と娯楽を搭乗者に提供するシステムである。
【0032】
ECU100は、車両ネットワーク110を介して、IVIシステム101から情報を受信したり、IVIシステム101にコマンドを送信したりする。なお、車両1に搭載されるECU100は、1つに限られず、複数であってもよい。
【0033】
また、ECU100は、不揮発性のメモリを含んでよい。メモリには、映像コンテンツが記憶されてよい。メモリには、映像コンテンツと連動してスピーカ106から出力される音響に関するコンテンツ(以下、音響コンテンツと称する)が記憶されてよい。メモリには、映像コンテンツと連動して調光フィルム104の光の透過率を変化させるためのコンテンツ(以下、調光コンテンツと称する)が記憶されてよい。メモリには、映像コンテンツと連動して発光部107を発光させるためのコンテンツ(以下、発光コンテンツと称する)が記憶されてよい。メモリには、映像コンテンツと連動して香発生部108から香りを発生させるためのコンテンツ(以下、香コンテンツと称する)が記憶されてよい。これらのコンテンツは、予めメモリに記憶されてよい。また、これらのコンテンツは、適宜アップデートされてもよい。
【0034】
ECU100は、映像コンテンツを再生して透明ディスプレイ102に表示させる処理を行う。ECU100は、映像コンテンツの再生と連動させて、音響コンテンツをアンプ105に送信し、スピーカ106から音響コンテンツを出力させる処理を行う。ECU100は、映像コンテンツの再生と連動させて、調光コンテンツに基づき、透明ディスプレイ102の透過率を変更する処理を行う。ECU100は、映像コンテンツの再生と連動させて、発光コンテンツに基づき、発光部107の光色及び/又は光の強さ等を変更する処理を行う。ECU100は、映像コンテンツの再生と連動して、香コンテンツに基づき、香発生部108から香りを発生させるか否か、発生させる香りの種別、及び/又は、発生させる香りの強さ等を変更する処理を行う。
【0035】
ECU100は、操作部109から操作内容を示す情報(以下、操作情報と称する)を受信し、その操作情報に基づいて、透明ディスプレイ102、調光フィルム104、アンプ105、発光部107、及び、香発生部108の少なくとも1つを制御する。例えば、ECU100は、操作情報に基づいて透明ディスプレイ102を制御することにより、映像コンテンツの再生の開始又は停止を行う。例えば、ECU100は、操作情報に基づいてアンプ105を制御することにより、音響コンテンツの音量の調節を行う。例えば、ECU100は、操作情報に基づいて調光フィルム104を制御することにより、透過率の最大値及び/又は最小値の調節等を行う。例えば、ECU100は、操作情報に基づいて発光部107を制御することにより、発光部107の発光を許可するか否かの設定、及び、光量の調節等を行う。例えば、ECU100は、操作情報に基づいて香発生部108を制御することにより、香発生部108からの香りの発生を許可するか否かの設定、及び、香りの強さ(例えば香りを送出するための風量の強さ)の設定等を行う。なお、ECU100は、プロセッサ、コントローラ、制御部、又は、制御回路といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0036】
<疲労回復支援のための処理>
図5は、実施の形態1に係る各フェーズにおける透明ディスプレイ102の透過率の変化例を示すグラフである。図5に示すグラフにおいて、横軸は時間を示し、縦軸は透過率を示し、太線201は透過率の変化を示す。図6は、実施の形態1に係る第1フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの第1例を示す図である。図7は、実施の形態1に係る第1フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの第2例を示す図である。図8は、実施の形態1に係る第3フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの第1例を示す図である。図9は、実施の形態1に係る第3フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの第2例を示す図である。
【0037】
次に、図5図6図7図8及び図9を参照しながら、後席22に座るユーザの疲労回復を支援するために行われる処理について詳細に説明する。
【0038】
映像コンテンツは、時間経過に伴って変化する画像であり、第1フェーズと、第1フェーズの後にある第2フェーズと、第2フェーズの後にある第3フェーズと、第3フェーズの後にある第4フェーズとを少なくとも有する。つまり、映像コンテンツが再生されると、透明ディスプレイ102に、第1フェーズ、第2フェーズ、第3フェーズ、及び、第4フェーズの順に映像が表示される。なお、リアドアウィンドウ5に遮光カーテン(図示しない)が設けられ、映像コンテンツを再生する際、当該遮光カーテンが閉められてよい。あるいは、リアドアウィンドウ5に光の透過率を変更可能な調光フィルムが設けられ、ECU100は、映像コンテンツを再生する際、自動的に当該調光フィルムの透過率を小さくしてもよい。これにより、後室24を暗くすることができる。次に、各フェーズについて詳細に説明する。
【0039】
<第1フェーズ>
第1フェーズでは、後席22に座るユーザ(視聴者)にリラックスを促す映像が、透明ディスプレイ102に表示される。第1フェーズの初めにおける透明ディスプレイ102の透過率(第1透過率)に対して、第1フェーズの終わりにおける透明ディスプレイ102の透過率(第2透過率)は、小さくてよい。例えば、第1フェーズでは、図5に示すように、透明ディスプレイ102の透過率は、時間経過に伴って小さくなるよう変化してよい。これにより、フロントウィンドウ4越しに車外の景色に向いていたユーザの視線を、徐々に透明ディスプレイ102に表示された映像コンテンツに誘導することができ、ユーザの意識をスムーズに映像コンテンツに向けさせることができる。
【0040】
リラックスを促す映像は、第1フェーズの前半が、図6に例示するような、森と川を含む自然の映像(以下、自然の映像210と称する)であってよい。このような自然の映像210を表示することにより、ユーザの緊張感を緩和し、ユーザにリラックスを促すことができる。リラックスを促す映像は、第1フェーズの後半が、図7に例示するような、夕日の太陽が地平線又は水平線に沈む映像(以下、夕日の映像220と称する)であってよい。このような夕日の映像220を表示することにより、ユーザにアクティブな日中の終わりを意識させ、ユーザにリラックスを促すことができる。
【0041】
夕日の映像220は、長方形である透明ディスプレイ102の長手方向に沿った地平線又は水平線を有してよい。そして、夕日の映像220は、地平線又は水平線に一部が接する円状で光を発する部分(夕日の太陽)を含んでよい。夕日の映像220は、後席22に座るユーザから見て、夕日の映像220の地平線又は水平線が、フロントウィンドウ4とダッシュボード7との境界線300と一致又は平行となるように構成されてよい。
【0042】
これにより、境界線300の上方のフロントウィンドウ4越しに見える車外の景色は、夕日の映像220の地平線又は水平線の上方の空の部分と重複し、境界線300の下方のダッシュボード7は、夕日の映像220の地平線又は水平線の下方の地面又は海の部分と重複する。典型的には、夕日の映像220の地平線又は水平線の下方の地面又は海の部分は、夕日の映像220の地平線又は水平線の上方の空の部分よりも暗めなので、透明ディスプレイ102越しにダッシュボード7はあまり見えなくなる。したがって、透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツと、透明ディスプレイ102越しに見える景色との重複がユーザに与える違和感を小さくできる。加えて、フロントウィンドウ4越しに見える車外の景色に向いていたユーザの意識を、透明ディスプレイ102に表示された映像コンテンツにスムーズに誘導することができる。
【0043】
第1フェーズでは、自然の映像210が表示される際、当該自然の映像210に対応する音響がスピーカ106から出力され、当該自然の映像210に対応する光色及び/又は光の強さで発光部107が発光し、当該自然の映像210に対応する香りが香発生部108から発生する。また、第1フェーズでは、夕日の映像220が表示される際、当該夕日の映像220に対応する音響がスピーカ106から出力され、当該夕日の映像220に対応する光色及び/又は光の強さで発光部107が発光し、当該夕日の映像220に対応する香りが香発生部108から発生する。これにより、ユーザは、視覚だけでなく、聴覚及び嗅覚を通じてリラックスが促される。
【0044】
<第2フェーズ>
第2フェーズでは、後席22に座るユーザ(視聴者)に睡眠を促す(つまり誘眠の)映像が、透明ディスプレイ102に表示される。睡眠を促す映像は、例えば比較的明度の低い映像であってよい。あるいは、第2フェーズでは、映像コンテンツが透明ディスプレイ102に表示されなくてよい。
【0045】
第1フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第1平均透過率)は、第2フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第2平均透過率)よりも大きくてよい。別言すると、第2フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第2平均透過率)は、第1フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第1平均透過率)よりも小さくてよい。例えば、第2フェーズにおける透明ディスプレイ102の透過率は、透過率として設定可能な範囲の最小値であってよい。これにより、第2フェーズでは後室24内が比較的暗くなるので、第1フェーズでリラックスしたユーザを睡眠に誘導することができる。
【0046】
第2フェーズでは、睡眠を促す映像に対応する音響がスピーカ106から出力され、当該睡眠を促す映像に対応する光色及び/又は光の強さで発光部107が発光し、当該睡眠を促す映像に対応する香りが香発生部108から発生する。あるいは、第2フェーズでは、スピーカ106から音響が出力されず、発光部107が発光しなくてもよい。これにより、ユーザは、視覚だけでなく、聴覚及び嗅覚を通じて睡眠が促される。
【0047】
<第3フェーズ>
第3フェーズでは、後席22に座っているユーザ(視聴者)に覚醒を促す映像が、透明ディスプレイ102に表示される。第3フェーズにおける透明ディスプレイ102の透過率は、第1透過率より小さい第3透過率であってよい。また、第3透過率は、第2透過率と等しくてもよい。例えば、第3フェーズにおける透明ディスプレイ102の透過率は、透過率として設定可能は範囲の最小値であってよい。
【0048】
覚醒を促す映像は、第3フェーズの前半が、図8に例示するような、朝日の太陽が地平線又は水平線から昇る映像(以下、朝日の映像230と称する)であってよい。このような朝日の映像230を表示することにより、ユーザにアクティブな日中の始まりを意識させ、ユーザの覚醒を促すことができる。覚醒を促す映像は、第3フェーズの後半が、図9に例示するような、一輪の花を含む映像(以下、花の映像240と称する)であってよい。このような花の映像240を表示することにより、ユーザの注目を引いて、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0049】
朝日の映像230は、長方形である透明ディスプレイ102の長手方向に沿った地平線又は水平線を有してよい。そして、朝日の映像230は、地平線又は水平線に一部が接する円状で光を発する部分(朝日の太陽)を含んでよい。朝日の映像230は、後席22に座るユーザから見て、朝日の映像230の地平線又は水平線が、フロントウィンドウ4とダッシュボード7の境界線300と一致又は平行となるように構成されてよい。
【0050】
これにより、境界線300の上方のフロントウィンドウ4越しに見える車外の景色は、朝日の映像230の地平線又は水平線の上方の空の部分と重複し、境界線300の下方のダッシュボード7は、朝日の映像230の地平線又は水平線の下方の地面又は海の部分と重複する。典型的には、朝日の映像230の地平線又は水平線の下方の地面又は海の部分は、朝日の映像230の地平線又は水平線の上方の空の部分よりも暗めなので、透明ディスプレイ102越しにダッシュボード7はあまり見えなくなる。したがって、透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツと、透明ディスプレイ102越しに見える景色との重複がユーザに与える違和感を小さくできる。
【0051】
第3フェーズでは、朝日の映像230が表示される際、当該朝日の映像230に対応する音響がスピーカ106から出力され、当該朝日の映像230に対応する光色及び/又は光の強さで発光部107が発光し、当該朝日の映像230に対応する香りが香発生部108から発生する。また、第3フェーズでは、花の映像240が表示される際、当該の花の映像240に対応する音響がスピーカ106から出力され、当該花の映像240に対応する光色及び/又は光の強さで発光部107が発光し、当該花の映像240に対応する香りが香発生部108から発生する。これにより、ユーザは、視覚だけでなく、聴覚及び嗅覚を通じて覚醒が促される。
【0052】
<第4フェーズ>
第4フェーズでは、後席22に座るユーザ(視聴者)に対して、少なくともリラックス、睡眠又は覚醒を促さない映像が、透明ディスプレイ102に表示される。第4フェーズで表示される映像は、例えば比較的明度の高い映像であってよい。あるいは、第4フェーズでは、映像コンテンツが透明ディスプレイ102に表示されなくてよい。
【0053】
第4フェーズの開始から一定時間経過後において透明ディスプレイ102の透過率は、第3透過率より大きい第4透過率であってよい。すなわち、第4透過率は、比較的高い透過率であってよい。例えば、第4フェーズでは、図5に示すように、透明ディスプレイ102の透過率が時間経過に伴って大きくなるように変化してよい。これにより、透明ディスプレイ102に表示された映像コンテンツに向いていたユーザの視線を、徐々にフロントウィンドウ4越しの車外の景色に誘導することができ、ユーザの意識をスムーズに車外の景色に向けさせることができる。
【0054】
第4フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第3平均透過率)は、第3フェーズの期間の透明ディスプレイ102の透過率の平均値(第4平均透過率)より大きくてよい。例えば、第4フェーズにおける透明ディスプレイ102の透過率は、図5に示すように、時間経過に伴って大きくなり、最後に、透過率として設定可能は範囲の最大値となってよい。これにより、透明ディスプレイ102の透過率が大きくなるので、第3フェーズで映像コンテンツに向いていたユーザの視線を、徐々にフロントウィンドウ4越しに車外の景色に誘導することができ、ユーザの意識をスムーズに車外の現実の景色に向けさせることができる。
【0055】
第4フェーズでは、音響がスピーカ106から出力されず、発光部107が発光せず、香りが香発生部108から発生しなくてよい。
【0056】
<透過率について>
後室24を完全に真っ暗にし、車外を全く視認できない状態にした場合、ユーザが車酔いしやすくなる可能性がある。したがって、透明ディスプレイ102の透過率の最小値は0よりも大きくてよい。つまり、透明ディスプレイ102は、車外からの光を完全に遮断しない構成であってよい。透明ディスプレイ102の透過率の最小値は、任意に変更可能であってもよい。例えば、車酔いしやすいユーザが後席22に座る場合の透明ディスプレイ102の透過率の最小値は、車酔いしにくいユーザが後席22に座る場合の透明ディスプレイ102の透過率の最小値よりも、高く設定されてよい。
【0057】
(実施の形態1のまとめ)
以上の実施の形態1の記載により、下記の技術が開示される。
【0058】
<技術A1>
車両1は、
車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、を備え、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)を備え、
前記車体2は更に、前記後席22と前記前席21の間に、可変透過率を有する透明ディスプレイ102を備え、
前記後席22より、前記透明ディスプレイ102及び前記ガラス(例えばフロントウィンドウ4)越しに、車外を視認可能であり、
前記透明ディスプレイ102は、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズと、前記第3フェーズの後にある第4フェーズとを、少なくとも有し、
前記第1フェーズの始めにおいて、前記透明ディスプレイの前記可変透過率は、第1透過率であり、
前記第1フェーズの終わりにおいて前記透明ディスプレイの前記可変透過率は、前記第1透過率より小さい第2透過率である。
【0059】
<技術A2>
技術A1に記載の車両1において、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズにおいて、前記透明ディスプレイの前記可変透過率は、前記第1透過率より小さい第3透過率であり、
前記第4フェーズの開始から一定時間経過後において前記透明ディスプレイの前記可変透過率は、前記第3透過率より大きい第4透過率である。
【0060】
<技術A3>
技術A2に記載の車両1において、
前記第3透過率は、前記第2透過率と等しい。
【0061】
<技術A4>
技術A1から技術A3のいずれか1項に記載の車両1において、
前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズは、視聴者にリラックスを促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズは、視聴者に睡眠を促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズは、視聴者に覚醒を促す、
前記所定の映像コンテンツの前記第4フェーズは、視聴者に対して、少なくとも前記リラックス又は前記睡眠又は前記覚醒を促さない。
【0062】
<技術A5>
技術A1から技術A4のいずれか1項に記載の車両1において、
前記透明ディスプレイ102の前記可変透過率の、前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズにおける平均の、第1平均透過率は、
前記透明ディスプレイ102の前記可変透過率の、前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズにおける平均の、第2平均透過率より、大きい。
【0063】
<技術A6>
技術A1から技術A4のいずれか1項に記載の車両1において、
前記透明ディスプレイ102の前記可変透過率の、前記所定の映像コンテンツの前記第4フェーズにおける平均の、第3平均透過率は、
前記透明ディスプレイ102の前記可変透過率の、前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズにおける平均の、第4平均透過率より、大きい。
【0064】
<技術A7>
技術A1から技術A6のいずれか1項に記載の車両1において、
前記透明ディスプレイ102は、少なくとも自発光ディスプレイ103と光の透過率が可変であるシート(例えば調光フィルム104)とを備える。
【0065】
<技術A8>
技術A1から技術A7のいずれか1項に記載の車両1において、
前記前席21が配置された前室23と、
前記後席22が配置された後室24と、
前記前室23と前記後室24とを隔てるように設置され、前記透明ディスプレイ102が配置された隔壁31と、を更に備え、
前記隔壁31の前記後室24側の隔壁後室側面部32、
前記後室24に接する前記床面部11、
前記後室24に接する前記天井面部12、
前記後室24に接する前記後面部18、
前記後室24に接する前記左側面部13、又は
前記後室24に接する前記右側面部14、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部107を備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0066】
<技術A9>
技術A1から技術A8のいずれか1項に記載の車両1において、
香を発生させる香発生部108を備え、
前記香発生部108は発生する香は、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0067】
<技術B1>
車両1は、車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、を備え、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)を備え、
前記車体2は更に、前記後席22と前記前席21の間に、長方形の透明ディスプレイ102を備え、
前記透明ディスプレイ102は、前記長方形の長手方向が水平方向に沿うように設置され、
前記後席22より、前記透明ディスプレイ102及び前記ガラス(例えばフロントウィンドウ4)越しに、車外を視認可能であり、
前記透明ディスプレイ102は、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズを、少なくとも有し、
前記第1フェーズの少なくとも一部において、前記長方形の長手方向に沿った地平線もしくは水平線を有する映像を含む。
【0068】
<技術B2>
技術B1に記載の車両1において、
前記地平線もしくは水平線を有する前記映像は、前記地平線もしくは水平線に一部が接する円状で光を発する部分を表示する。
【0069】
<技術B3>
技術B2に記載の車両1において、
前記地平線もしくは水平線を有する前記映像に置ける、円状で光を発する部分は、太陽を表す。
【0070】
<技術B4>
技術B1から技術B3のいずれか1項に記載の車両1において、
前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズは、視聴者にリラックスを促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズは、視聴者に睡眠を促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズは、視聴者に覚醒を促す。
【0071】
<技術B5>
技術1から技術B4のいずれか1項に記載の車両1において、
前記第3フェーズの少なくとも一部において、前記長方形の長手方向に沿った地平線もしくは水平線を有する映像を含み、
前記地平線もしくは水平線を有する前記映像は、前記地平線もしくは水平線に一部が接する円状で光を発する部分を表示する。
【0072】
<技術B6>
技術B5に記載の車両1において、
前記地平線もしくは水平線を有する前記映像における、円状で光を発する部分は、太陽を表す。
【0073】
<技術B7>
技術B1から技術B6のいずれか1項に記載の車両1において、
前記透明ディスプレイ102は、少なくとも自発光ディスプレイ103と光透過率が可変であるシート(例えば調光フィルム)を備える。
【0074】
<技術B8>
技術B1から技術B7のいずれか1項に記載の車両1において、
前記前席21が配置された前室23と、
前記後席22が配置された後室24と、
前記前室23と前記後室24とを隔てるように設置され、前記透明ディスプレイ102が配置された隔壁31と、を更に備え、
前記隔壁31の前記後室24側の隔壁後室側面部32、
前記後室24に接する前記床面部11、
前記後室24に接する前記天井面部12、
前記後室24に接する前記後面部18、
前記後室24に接する前記左側面部13、又は
前記後室24に接する前記右側面部14、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部107を備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0075】
<技術B9>
技術B1から技術B8のいずれか1項に記載の車両1において、
香を発生させる香発生部108を備え、
前記香発生部108は発生する香は、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0076】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1にて説明した内容に対して追加又は変更する内容を説明する。したがって、特段の説明が無い場合、実施の形態1の内容は、すべて実施の形態2に組み込まれる。
【0077】
<第1フェーズ>
図10は、実施の形態2に係る、リアドアウィンドウ5に調光フィルム401が設けられ、第1フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの一例を示す図である。図11は、実施の形態2に係る、リアドアウィンドウ5に遮光カーテン411が設けられ、第1フェーズにおいて透明ディスプレイ102に表示される映像コンテンツの一例を示す図である。
【0078】
図10に示すように、リアドアウィンドウ5に調光フィルム401が設けられてよい。加えて、リアウィンドウ6に調光フィルム402(図1参照)が設けられてよい。そして、ECU100は、第1フェーズを開始する際、リアドアウィンドウ5の調光フィルム401及びリアウィンドウ6の調光フィルム402の透過率を、第1フェーズを開始する前の透過率よりも、低くする(例えば透過率を最小値に変更する)制御を行ってよい。これにより、後室24を暗くすることができる。
【0079】
あるいは、図11に示すように、リアドアウィンドウ5に遮光カーテン411が設けられてよい。加えて、リアウィンドウ6に遮光カーテン(図示しない)が設けられてよい。そして、ECU100は、第1フェーズを開始する際、リアドアウィンドウ5の遮光カーテン411及びリアウィンドウ6の遮光カーテン(図示しない)を、自動的に閉める制御を行ってよい。これにより、後室24を暗くすることができる。
【0080】
このように後室24を暗くした後、ECU100は、第1フェーズの少なくとも一部において(例えば第1フェーズを開始した直後に)、「ゆっくり深呼吸をしてください」といった深呼吸を促す音声をスピーカ106から出力する。
【0081】
それから、ECU100は、第1フェーズとして、リラックスを促す映像を透明ディスプレイ102に表示する。リラックスを促す映像は、実施の形態1にて説明した自然の映像210及び夕日の映像220の他に、所定の周期で動作するオブジェクトを含む映像であってよい。所定の周期で動作するオブジェクトは、回転する水車であってよい。すなわち、第1フェーズにおいて、リラックスを促す映像として、図10又は図11に例示するような、所定の周期で回転する水車421を含む映像(以下、水車の映像420と称する)が表示されてよい。なお、水車の映像420は、実写であってもよいし、Computer Graphics(CG)であってもよい。水車の映像420は、実施の形態1にて説明した自然の映像210の後に表示されてよい。ただし、水車の映像420は、第1フェーズのいずれのタイミングで表示されてもよい。
【0082】
このように、深呼吸を促すアナウンスを出力し、所定の周期で回転する水車421を含む水車の映像420を表示することにより、後席22のユーザを、一定間隔で深呼吸をするよう誘導することができる。その結果、ユーザのリラックスを促し、ユーザの眠気を高めることができる。
【0083】
なお、所定の周期で動作するオブジェクトは、水車に限られず、例えば、風車、又は、所定の時間間隔で打ち寄せる波であってもよい。すなわち、第1フェーズにおいて、リラックスを促す映像として、所定の周期で回転する風車を含む映像(以下、風車の映像と称する)、又は、所定の時間間隔で打ち寄せる波を含む映像(以下、波の映像と称する)が表示されてもよい。なお、風車の映像又は波の映像は、実写であってもよいし、CGであってもよい。
【0084】
第1フェーズにて表示されるリラックスを促す映像は、図6又は図10に例示するように、特定のオブジェクトに注目しない映像(例えば自然の風景)であってよい。このような特定のオブジェクトに注目しない映像を表示することにより、ユーザがリラックスし易くなり、ユーザの眠気を高めることができる。特定のオブジェクトに注目しない映像は、広角で撮影された映像であってよい。
【0085】
<第3フェーズ>
図12は、実施の形態2に係る、第3フェーズにおけるシーン切替の時間間隔を説明するための図である。
【0086】
図12に示すように、第3フェーズにおけるシーンが切り替わる平均の時間間隔(以下、第2平均時間間隔と称する)は、第1フェーズにおけるシーンが切り替わる平均の時間間隔(以下、第1平均時間間隔と称する)よりも短くてよい。別言すると、第1フェーズにおけるシーンが切り替わる平均の時間間隔(第1平均時間間隔)は、第3フェーズにおけるシーンが切り替わる平均の時間間隔(第2平均時間間隔)よりも長くてよい。このように、第3フェーズでは、比較的短時間でシーンが切り替わる映像コンテンツを表示することにより、後席22のユーザの視覚に強い刺激を与え、ユーザの覚醒を促すことができる。なお、第1平均時間間隔は、第1フェーズにおける各シーンの時間の合計時間を、第1フェーズに含まれるシーン数で除算した値であってよい。第2平均時間間隔は、第3フェーズにおける各シーンの時間の合計時間を、第3フェーズに含まれるシーン数で除算した値であってよい。
【0087】
第3フェーズの少なくとも一部において、ECU100は、鳥の鳴き声をスピーカ106から出力してよい。このように、第3フェーズにおいて鳥の鳴き声を出力することにより、ユーザに朝のイメージを想起させ、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0088】
第3フェーズにおいて表示される覚醒を促す映像は、図9に例示するように、特定のオブジェクトに注目した映像(例えば一輪の花)であってよい。このような特定のオブジェクトに注目した映像を表示することにより、ユーザが集中し易くなり、ユーザの覚醒を促すことができる。特定のオブジェクトに注目した映像は、ズームアップで撮影された映像であってよい。
【0089】
ECU100は、第3フェーズを開始する際又は第3フェーズの終了時、リアドアウィンドウ5の調光フィルム401及びリアウィンドウ6の調光フィルム402の透過率を、第2フェーズのときの透過率よりも、高くする(例えば透過率を最大値に変更する)制御を行ってよい。これにより、後室24を明るくし、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0090】
あるいは、ECU100は、第3フェーズを開始する際又は第3フェーズの終了時、リアドアウィンドウ5の遮光カーテン411及びリアウィンドウ6の遮光カーテン(図示しない)を開ける制御を行ってよい。これにより、後室24を明るくし、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0091】
<後室の遮光性>
実施の形態1で説明したように、前席21と後席22の間には、前席21と後席22を仕切る隔壁31と、その隔壁31に配置された透明ディスプレイ102とが備えられる。図10又は図11に示すように、透明ディスプレイ102は、隔壁31に収まるように配置されてよい。以下、隔壁31における透明ディスプレイ102以外の部分を、外枠450と称する。
【0092】
後席22のユーザは、透明ディスプレイ102及びフロントウィンドウ4越しに、車外を視認可能である。透明ディスプレイ102は、第1光透過率と、当該第1光透過率よりも大きい第2光透過率との間で変更できる可変光透過率を有する。可変光透過率は、透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0093】
透明ディスプレイ102は、少なくとも自発光ディスプレイ103と光透過率が可変であるシート(調光フィルム104)とを備える。
【0094】
隔壁31において、透明ディスプレイ102以外の部分(外枠450)における平均の透過率(以下、第3光透過率と称する)は、第1光透過率より小さくすることが可能である。すなわち、外枠450の第3光透過率は、比較的小さいものであってよい。これにより、車外からの光が外枠450を透過して後室24に進入することを抑制でき、後室24を暗くすることができる。外枠450は調光ガラスで構成されてよい。この場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、外枠450(調光ガラス)の透過率を下げる制御を行ってよい。あるいは、外枠450は、単に遮光性の高い部材で構成されてもよい。
【0095】
後室24に接する後面部18における平均の光透過率(以下、第4光透過率と称する)は、第1光透過率より小さく設定することが可能である。例えば、リアウィンドウ6の第4光透過率は、比較的小さいものであってよい。これにより、車外からの光がリアウィンドウ6を透過して後室24に進入することを抑制でき、後室24を暗くすることができる。リアウィンドウ6に調光フィルム402が設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該調光フィルム402の透過率を下げる制御を行ってよい。リアウィンドウ6に遮光カーテン(図示しない)が設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該遮光カーテンを閉める制御を行ってよい。なお、当該遮光カーテンは手動で閉められてもよい。あるいは、リアウィンドウ6に、遮光性の高いシートが貼られてもよい。
【0096】
後室24に接する左側面部13における平均の光透過率(以下、第5光透過率と称する)は、第1光透過率より小さく設定することが可能である。例えば、リアドアウィンドウ5Aの第5光透過率は、比較的小さいものであってよい。これにより、車外からの光がリアドアウィンドウ5Aを透過して後室24に進入することを抑制でき、後室24を暗くすることができる。リアドアウィンドウ5Aに調光フィルム401Aが設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該調光フィルム401Aの透過率を下げる制御を行ってよい。リアドアウィンドウ5Aに遮光カーテン411Aが設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該遮光カーテン411Aを閉める制御を行ってよい。なお、当該遮光カーテン411Aは手動で閉められてもよい。あるいは、リアドアウィンドウ5Aに、遮光性の高いシートが貼られてもよい。
【0097】
後室24に接する右側面部14における平均の光透過率(以下、第6光透過率と称する)は、第1光透過率より小さく設定することが可能である。例えば、リアドアウィンドウ5Bの第6光透過率は、比較的小さいものであってよい。これにより、車外からの光がリアドアウィンドウ5Bを透過して後室24に進入することを抑制でき、後室24を暗くすることができる。リアドアウィンドウ5Bに調光フィルム401Bが設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該調光フィルム401Bの透過率を下げる制御を行ってよい。リアドアウィンドウ5Bに遮光カーテン411Bが設けられている場合、ECU100は、第1フェーズを開始する際、当該遮光カーテン411Bを閉める制御を行ってよい。なお、当該遮光カーテン411Bは手動で閉められてもよい。あるいは、リアドアウィンドウ5Bに、遮光性の高いシートが貼られてもよい。
【0098】
(実施の形態2のまとめ)
以上の実施の形態2の記載により、下記の技術が開示される。
【0099】
<技術C1>
車両1は、
車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、を備え、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)を備え、
前記車体2は更に、前記後席22と前記前席21の間に、透明ディスプレイ102と、前記後席22に向けて放音するスピーカ106とを備え、
前記ディスプレイ及び前記スピーカ106は、所定の映像コンテンツ及び音声をそれぞれ再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズを、少なくとも有し、
前記第1フェーズの少なくとも一部において、前記スピーカ106が深呼吸を促す音声を出力し、前記ディスプレイは所定の周期で動作するオブジェクトを表示する。
【0100】
<技術C2>
技術C1に記載の車両1において、
前記所定の周期で動作するオブジェクトは、回転する水車421又は風車である。
【0101】
<技術C3>
技術C1に記載の車両1において、
前記所定の周期で動作するオブジェクトは、所定の時間間隔で打ち寄せる波である。
【0102】
<技術C4>
技術C1から技術C3のいずれか1項に記載の車両1において、
前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズは、視聴者にリラックスを促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズは、視聴者に睡眠を促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズは、視聴者に覚醒を促す。
【0103】
<技術C5>
技術C1から技術C4のいずれか1項に記載の車両1において、
前記前席21が配置された前室23と、
前記後席22が配置された後室24と、
前記前室23と前記後室24とを隔てるように設置され、前記透明ディスプレイが配置された隔壁31と、を更に備え、
前記隔壁31の前記後室24側の隔壁後室側面部32、
前記後室24に接する前記床面部11、
前記後室24に接する前記天井面部12、
前記後室24に接する前記後面部18、
前記後室24に接する前記左側面部13、又は
前記後室24に接する前記右側面部14、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部107を備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0104】
<技術C6>
技術C1から技術C5のいずれか1項に記載の車両1において、
香を発生させる香発生部108を備え、
前記香発生部108は発生する香は、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0105】
<技術D1>
車両1は、
車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、を備え、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)を備え、
前記車体2は更に、前記後席22と前記前席21の間に、第1光透過率と、前記第1光透過率よりも大きい第2光透過率の間で変更できる可変光透過率を有する透明ディスプレイ102を備え、
前記後席22より、前記透明ディスプレイ102及び前記ガラス越しに、車外を視認可能であり、
前記可変光透過率は、前記透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0106】
<技術D2>
技術D1に記載の車両1において、
前記透明ディスプレイ102は、少なくとも自発光ディスプレイ103と光透過率が可変であるシート(例えば調光フィルム104)を備える。
【0107】
<技術D3>
技術D1又は技術D2に記載の車両1において、
前記前席21が配置され、少なくとも前面部16と接する前室23と、
前記後席22が配置され、少なくとも後面部18と接する後室24と、
前記前室23と前記後室24の間に配置され前記前室23と前記後室24を仕切り、前記透明ディスプレイ102が配置された隔壁31と、を更に備え、
前記隔壁31において、前記透明ディスプレイ102以外の部分(例えば外枠450)における平均の光透過率は、第3光透過率であって、
前記第3光透過率は、前記第1光透過率より小さくすることが可能である。
【0108】
<技術D4>
技術D3に記載の車両1において、
前記後室24に接する後面部18における平均の光透過率は、第4光透過率であって、
前記第4光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0109】
<技術D5>
技術D3又は技術D4に記載の車両1において、
前記後室24に接する左側面部13における平均の光透過率は、第5光透過率であって、
前記第5光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0110】
<技術D6>
技術D3から技術D5のいずれか1項に記載の車両1において、
前記後室24に接する右側面部14における平均の光透過率は、第6光透過率であって、
前記第6光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0111】
<技術D7>
技術D3から技術D6のいずれか1項に記載の車両1において、
前記後室24に接する隔壁31、
前記後室24に接する床面部11、
前記後室24に接する天井面部12、
前記後室24に接する後面部18、
前記後室24に接する左側面部13、又は
前記後室24に接する右側面部14、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部107を備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0112】
<技術D8>
技術D3から技術D7に記載の車両1において、
香を発生させる香発生部108を備え、
前記香発生部108は発生する香は、前記透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0113】
<技術D9>
車両1に設置される透明ディスプレイ102であって、
前記車両1は、
車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)と、を備え、
前記透明ディスプレイ102は、前記車体2の前記後席と前記前席の間であって、前記後席より、前記透明ディスプレイ及び前記ガラス越しに、車外を視認可能に配置可能であり、
第1光透過率と、前記第1光透過率よりも大きい第2光透過率の間で変更できる可変光透過率を有し、
前記可変光透過率は、再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0114】
<技術D10>
技術D9に記載の透明ディスプレイ102において、
少なくとも自発光ディスプレイ103と光透過率が可変であるシート(例えば調光フィルム104)を備える。
【0115】
<技術D11>
技術D9に記載の透明ディスプレイ102において、
前記前席21が配置され、少なくとも前面部16と接する前室23と、
前記後席22が配置され、少なくとも後面部18と接する後室24と、
前記前室23と前記後室24の間に配置され前記前室23と前記後室24を仕切り、前記透明ディスプレイ102が配置された隔壁と、を更に車両1に備え、
前記隔壁31において、前記透明ディスプレイ102以外の部分(例えば外枠450)における平均の光透過率は、第3光透過率であって、
前記第3光透過率は、前記第1光透過率より小さくすることが可能である。
【0116】
<技術D12>
技術D11に記載の透明ディスプレイ102において、
前記後室24に接する後面部18における平均の光透過率は、第4光透過率であって、
前記第4光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0117】
<技術D13>
技術D11又は技術D12に記載の透明ディスプレイ102において、
前記後室24に接する左側面部13における平均の光透過率は、第5光透過率であって、
前記第5光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0118】
<技術D14>
技術D11から技術D13のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ102において、
前記後室24に接する右側面部14における平均の光透過率は、第6光透過率であって、
前記第6光透過率は、前記第1光透過率より小さく設定することが可能である。
【0119】
<技術D15>
技術D11から技術D14のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ102において、
前記後室24に接する隔壁31、
前記後室24に接する床面部11、
前記後室24に接する天井面部12、
前記後室24に接する後面部18、
前記後室24に接する左側面部13、又は
前記後室24に接する右側面部14、
の少なくとも一つに配置可能であり、光色と光の強さを調整可能な発光部107を前記車両1に備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0120】
<技術D16>
技術D11から技術D15のいずれか1項に記載の透明ディスプレイ102において、
香を発生させる香発生部108を車両1に備え、
前記香発生部108は発生する香は、前記透明ディスプレイ102で再生される映像コンテンツと、前記映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0121】
<技術E1>
車両1は、
車体2に連結された第1車輪3Aと、
前記車体2に連結された第2車輪3Bと、
前記車体2に連結された第3車輪3Cと、
前記車体2に連結された第4車輪3Dと、を少なくとも備え、
前記第1車輪3A、前記第2車輪3B、前記第3車輪3C、及び前記第4車輪3Dを使って、所定の向きに走行可能であり、
前記車体2は、
前記所定の向きに沿って配置された床面部11と天井面部12と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って左側面に配置された左側面部13と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ前記所定の向きに沿って右側面に配置された右側面部14と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて前部15に配置された前面部16と、
前記床面部11と前記天井面部12を繋ぎ、前記所定の向きについて後部17に配置された後面部18と、
前記床面部11において、前記後面部18より前記前面部16側に配置された少なくとも一つの前席21と、
前記床面部11において、前記前面部16より前記後面部18側に配置された少なくとも一つの後席22と、を備え、
前記前面部16は、前記前席21より前記所定の向きに車外を視認できるガラス(例えばフロントウィンドウ4)を備え、
前記車体2は更に、前記後席22と前記前席21の間に、透明ディスプレイ102を備え、
前記透明ディスプレイ102は、所定の映像コンテンツを再生するように設定されており、
前記所定の映像コンテンツは、第1フェーズと、前記第1フェーズの後にある第2フェーズと、前記第2フェーズの後にある第3フェーズとを、少なくとも有し、
前記第1フェーズにおけるシーン切替の第1平均時間間隔は、前記第3フェーズにおけるシーン切替の第2平均時間間隔より長い。
【0122】
<技術E2>
技術E1に記載の車両1において、
前記後席22に放音するスピーカ106を備え、
前記第3フェーズの少なくとも一部において、前記スピーカ106は鳥の鳴き声を出力する。
【0123】
<技術E3>
技術1又は技術E2に記載の車両1において、
前記所定の映像コンテンツの前記第1フェーズは、視聴者にリラックスを促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第2フェーズは、視聴者に睡眠を促し、
前記所定の映像コンテンツの前記第3フェーズは、視聴者に覚醒を促す。
【0124】
<技術E4>
技術E1から技術E3のいずれか1項に記載の車両1において、
前記前席21が配置された前室23と、
前記後席22が配置された後室24と、
前記前室23と前記後室24とを隔てるように設置され、前記透明ディスプレイ102が配置された隔壁31と、を更に備え、
前記隔壁31の前記後室24側の隔壁後室側面部32、
前記後室24に接する前記床面部11、
前記後室24に接する前記天井面部12、
前記後室24に接する前記後面部18、
前記後室24に接する前記左側面部13、又は
前記後室24に接する前記右側面部14、
の少なくとも一つに配置された光色と光の強さを調整可能な発光部107を備え、
前記発光部107の前記光色及び/又は前記光の強さは、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0125】
<技術E5>
技術E1から技術E4のいずれか1項に記載の車両1において、
香を発生させる香発生部108を備え、
前記香発生部108が発生する香は、前記所定の映像コンテンツと、前記所定の映像コンテンツの時間経過とに対応して変化する。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示の技術は、搭乗者がより快適に過ごすことができる車両の実現に有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 車両
2 車体
3A 第1車輪
3B 第2車輪
3C 第3車輪
3D 第4車輪
4 フロントウィンドウ
5 リアドアウィンドウ
6 リアウィンドウ
7 ダッシュボード
11 床面部
12 天井面部
13 左側面部
14 右側面部
15 前部
16 前面部
17 後部
18 後面部
21 前席
22 後席
23 前室
24 後室
31 隔壁
32 隔壁後室側面部
100 ECU
101 IVIシステム
102 透明ディスプレイ
103 自発光ディスプレイ
104 調光フィルム
105 アンプ
106 スピーカ
107 発光部
108 香発生部
109 操作部
110 車両ネットワーク
210 自然の映像
220 夕日の映像
230 朝日の映像
240 花の映像
300 境界線
401、402 調光フィルム
411 遮光カーテン
420 水車の映像
421 水車
450 外枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12