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特開2024-136915警告通知システムおよび警告通知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136915
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】警告通知システムおよび警告通知方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20240927BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048226
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宜紀
【テーマコード(参考)】
3C100
5E353
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA53
3C100AA56
3C100BB13
3C100BB17
3C100EE07
5E353AA02
5E353EE37
5E353LL03
5E353LL04
5E353LL06
5E353LL07
5E353QQ24
(57)【要約】
【課題】基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行可能とする。
【解決手段】印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4(基板生産装置)から発生される警告をモバイル端末6が通知するための互いに異なる複数の通知手段が設けられ、複数の通知手段のうちから決定された通知手段(実行通知手段)によって、オペレータが使用するモバイル端末6が警告を通知する(ステップS204)。この際、オペレータによって使用されるモバイル端末6に関する端末情報Itと、オペレータがモバイル端末6を使用する作業場所に応じた環境(生産エリア11、倉庫エリア12、事務所エリア13)の違いを示すフロア情報If(作業環境情報)とに基づき、通知手段が決定される(ステップS203、S301、S302)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産に要する動作を実行する基板生産装置から発せられる警告をオペレータに通知する警告通知システムであって、
オペレータによって使用されるモバイル端末に関する端末情報を管理する端末管理部と、
前記オペレータが前記モバイル端末を使用する作業場所に応じた環境の違いを示す作業環境情報を管理する作業環境管理部と、
前記モバイル端末が前記警告を通知するための互いに異なる複数の通知手段のうちから実行通知手段を決定する通知手段決定部と、
前記通知手段決定部で決定された前記実行通知手段によって、前記モバイル端末に前記警告を通知させる通知部と
を備え、
前記通知手段決定部は、前記端末情報および前記作業環境情報に基づき、前記実行通知手段を決定する警告通知システム。
【請求項2】
前記端末管理部は、前記モバイル端末の位置を示す端末位置情報を含む前記端末情報を前記モバイル端末から取得し、
前記通知手段決定部は、前記端末情報に含まれる前記端末位置情報および前記作業環境情報に基づき、前記実行通知手段を決定する請求項1に記載の警告通知システム。
【請求項3】
前記モバイル端末を使用するオペレータに関するオペレータ情報を管理するオペレータ管理部をさらに備え、
前記通知手段決定部は、前記端末情報、前記オペレータ情報および前記作業環境情報に基づき、前記実行通知手段を決定する請求項1または2に記載の警告通知システム。
【請求項4】
前記通知手段決定部は、前記通知部が前記実行通知手段による前記警告の通知を前記モバイル端末に実行させてから所定時間を過ぎても前記モバイル端末に対するオペレータの操作が確認できない場合は、前記複数の通知手段の間で前記実行通知手段を変更し、
前記通知部は、前記通知手段決定部によって変更された前記実行通知手段によって、前記モバイル端末に前記警告を再度通知させる請求項1または2に記載の警告通知システム。
【請求項5】
前記端末管理部は、前記通知部が前記実行通知手段による前記警告の通知を前記モバイル端末に実行させてから所定時間を過ぎても前記モバイル端末に対するオペレータの操作が確認できない場合は、前記端末情報を前記モバイル端末から取得することで前記端末情報を更新し、
前記通知手段決定部は、前記端末管理部によって更新された前記端末情報に基づき、前記実行通知手段を変更する請求項4に記載の警告通知システム。
【請求項6】
前記モバイル端末は、オペレータの指に嵌まるリング形状を有する請求項1または2に記載の警告通知システム。
【請求項7】
前記端末管理部は、前記モバイル端末の種類に応じた前記端末情報を前記モバイル端末から取得し、
前記通知手段決定部は、前記モバイル端末の種類および前記作業環境情報に基づき、前記実行通知手段を決定する請求項1または2に記載の警告通知システム。
【請求項8】
半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産に要する動作を実行する基板生産装置から発せられる警告をオペレータに通知する警告通知方法であって、
オペレータによって使用されるモバイル端末に関する端末情報と、前記オペレータが前記モバイル端末を使用する作業場所に応じた環境の違いを示す作業環境情報とに基づき、前記モバイル端末が前記警告を通知するための互いに異なる複数の通知手段のうちから実行通知手段を決定する工程と、
前記実行通知手段によって、前記モバイル端末に前記警告を通知する工程と
を備える警告通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産に要する動作を実行する基板生産装置から発せられる警告をオペレータに通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
部品が半田によって取り付けられた基板の生産現場では、基板に半田を印刷する印刷機、半田が印刷された基板に部品を実装する部品実装機あるいは部品が実装された基板の半田を溶融させるリフロー炉といった各種の基板生産装置が使用される。このような基板生産装置でエラーが発生すると、かかるエラーを示す警告がオペレータに通知されて、オペレータに対応を促すといった運用が一般に行われている。また、特許文献1、2では、オペレータへの通知に関する技術が開示されている。つまり、特許文献1では、通知を行ってから所定時間が経過してもエラーの原因が解消しなければ、通知をエスカレーションさせる。また、特許文献2では、エラーの種類に応じて通知のパターンが切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6746702号公報
【特許文献2】特許6586641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オペレータの周囲の環境は、生産現場においてオペレータが作業を行う場所に応じて変わる。そのため、基板生産装置が稼働する場所では、基板生産装置が発生する機械音のために、通知を示す音にオペレータが気付かない場合がある。あるいは、基板生産装置から離れて設けられる事務所などの場所では、通知を示す音が騒音となる場合がある。そこで、オペレータのいる環境に応じて適切に通知を行うことが求められていた。しかしながら、従来の技術はこれに応えられるものではなかった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る警告通知システムは、半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産に要する動作を実行する基板生産装置から発せられる警告をオペレータに通知する警告通知システムであって、オペレータによって使用されるモバイル端末に関する端末情報を管理する端末管理部と、前記オペレータが前記モバイル端末を使用する作業場所に応じた環境の違いを示す作業環境情報を管理する作業環境管理部と、前記モバイル端末が前記警告を通知するための互いに異なる複数の通知手段のうちから実行通知手段を決定する通知手段決定部と、前記通知手段決定部で決定された前記実行通知手段によって、前記モバイル端末に前記警告を通知させる通知部とを備え、前記通知手段決定部は、前記端末情報および前記作業環境情報に基づき、前記実行通知手段を決定する。
【0007】
本発明に係る警告通知方法は、半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産に要する動作を実行する基板生産装置から発せられる警告をオペレータに通知する警告通知方法であって、オペレータによって使用されるモバイル端末に関する端末情報と、前記オペレータが前記モバイル端末を使用する作業場所に応じた環境の違いを示す作業環境情報とに基づき、前記モバイル端末が前記警告を通知するための互いに異なる複数の通知手段のうちから実行通知手段を決定する工程と、前記実行通知手段によって、前記モバイル端末に前記警告を通知する工程とを備える。
【0008】
このように構成された本発明(警告通知システムおよび警告通知方法)では、基板生産装置から発生される警告をモバイル端末が通知するための互いに異なる複数の通知手段が設けられ、複数の通知手段のうちから決定された実行通知手段によって、オペレータが使用するモバイル端末が警告を通知する。この際、オペレータによって使用されるモバイル端末に関する端末情報と、オペレータがモバイル端末を使用する作業場所に応じた環境の違いを示す作業環境情報とに基づき、実行通知手段が決定される。したがって、基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行することが可能となっている。
【0009】
また、端末管理部は、モバイル端末の位置を示す端末位置情報を含む端末情報をモバイル端末から取得し、通知手段決定部は、端末情報に含まれる端末位置情報および作業環境情報に基づき、実行通知手段を決定するように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、端末位置情報が示すモバイル端末の位置と、作業環境情報が示す作業場所に応じた環境の違いとに基づき、警告を通知する実行通知手段が決定される。したがって、基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行することが可能となっている。
【0010】
また、モバイル端末を使用するオペレータに関するオペレータ情報を管理するオペレータ管理部をさらに備え、通知手段決定部は、端末情報、オペレータ情報および作業環境情報に基づき、実行通知手段を決定するように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、当該オペレータにとって適切な態様で実行することが可能となっている。
【0011】
また、通知手段決定部は、通知部が実行通知手段による警告の通知をモバイル端末に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末に対するオペレータの操作が確認できない場合は、複数の通知手段の間で実行通知手段を変更し、通知部は、通知手段決定部によって変更された実行通知手段によって、モバイル端末に警告を再度通知させるように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、最初の通知にオペレータが気付かない場合には、最初の通知とは異なる通知手段で再度通知を行って、オペレータに気付かせることができる。
【0012】
また、端末管理部は、通知部が実行通知手段による警告の通知をモバイル端末に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末に対するオペレータの操作が確認できない場合は、端末情報をモバイル端末から取得することで端末情報を更新し、通知手段決定部は、端末管理部によって更新された端末情報に基づき、実行通知手段を変更するように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、最初の通知にオペレータが気付かない場合には、その時点においてオペレータがいる場所に適した通知手段で再度通知を行って、オペレータに気付かせることができる。
【0013】
また、モバイル端末は、オペレータの指に嵌まるリング形状を有するように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、オペレータが指に嵌めるモバイル端末が通知を行うため、オペレータが通知に気付きやすくなる。
【0014】
また、端末管理部は、モバイル端末の種類に応じた端末情報をモバイル端末から取得し、通知手段決定部は、モバイル端末の種類および作業環境情報に基づき、実行通知手段を決定するように、警告通知システムを構成してもよい。かかる構成では、オペレータが使用するモバイル端末に応じた実行手段で、通知を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、基板生産装置から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は生産現場の一例を示すブロック図。
図2A図1の生産現場で使用される電気的構成の第1例を示すブロック図。
図2B】モバイル端末の通知実行部が有する通知機能の一例を表形式で示す図。
図3A】端末情報の一例を示す模式的に図。
図3B】オペレータ情報の一例を模式的に示す図。
図3C】フロア情報の一例を模式的に示す図。
図4】サーバが実行するログイン管理の一例を示すフローチャート。
図5】サーバが実行する通知手段制御の第1例を示すフローチャート。
図6】通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第1例を示すフローチャート。
図7A】通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第2例を示すフローチャート。
図7B図7Aの通知手段決定で使用されるオペレータ情報の一例を模式的に示す図。
図8】サーバが実行する通知手段制御の第2例を示すフローチャート。
図9】サーバが実行する通知手段制御の第3例を示すフローチャート。
図10図8の第2例あるいは図8の第3例に伴って実行される具体例を模式的に示す図。
図11図1の生産現場で使用される電気的構成の第2例を示すブロック図。
図12】通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第3例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は生産現場の一例を示すブロック図であり、図2A図1の生産現場で使用される電気的構成の第1例を示すブロック図である。この生産現場1では、半田によって部品が取り付けられた基板を生産する基板生産が実行される。生産現場1は、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13に大別される。
【0018】
生産エリア11では、基板生産に必要な動作を実行する各種の基板生産装置2、3、4が設置されている。これらのうち、印刷機2は基板に半田を印刷し、表面実装機3は印刷機2によって半田が印刷された基板に部品を実装し、リフロー炉4は表面実装機3によって部品が実装された基板を加熱して半田を溶融する。倉庫エリア12では、印刷機2で使用される半田や、表面実装機3で使用される部品を保管する倉庫121が設置されている。事務所エリア13では、事務作業を行うための事務機器などが設置されている。
【0019】
オペレータは、生産現場1を移動しつつ各種作業を行う。例えば、オペレータは、生産エリア11において印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4の保守を行ったり、倉庫エリア12において半田や部品の在庫管理を行ったり、倉庫エリア12において倉庫121から取り出した半田や部品を生産エリア11の印刷機2や表面実装機3に補充したり、事務所エリア13で事務作業を行ったりする。
【0020】
生産現場1では、オペレータの各種作業を管理するサーバ5(図2A)が設けられている。このサーバ5は例えば事務所エリア13に設置される。また、オペレータは、モバイル端末6を用いて各種作業を実行する。生産現場1では、複数のモバイル端末6が使用され、サーバ5は各モバイル端末6を管理する。特にサーバ5は、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4から発せされた警告に応じて、オペレータへの通知をモバイル端末6に実行させる。この通知によって、オペレータは警告を認識して、当該警告に対応する作業を実行できる。オペレータは、例えば、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4のエラー停止を示す警告に対応してエラー停止からの復旧作業を実行したり、表面実装機3の部品切れを示す警告に対応して部品の補給作業を実行したりする。
【0021】
モバイル端末6は、例えばパッド型コンピュータあるいはスマートフォンなどであり、位置検知部61、サーバ通信部62、通知実行部63および表示部64を有する。位置検知部61は、GPS(Global Positioning System)あるいはビーコンなどであり、モバイル端末6の位置を検知して、当該位置を示す位置情報を出力する。サーバ通信部62は、サーバ5と通信を行う。通知実行部63は、後述する通知機能を用いてオペレータに通知を行う。表示部64は、ディスプレイに所定の表示を行う。
【0022】
図2Bはモバイル端末の通知実行部が有する通知機能の一例を表形式で示す図である。通知実行部63は、表示部64のディスプレイに文字あるいはマークを表示する表示通知機能、スピーカから音声を発する音声通知機能、LEDライトから光を発する発光通知機能あるいはバイブレータを振動させる振動通知機能を有する。なお、通知実行部63は、これらの通知機能のうちの2以上の通知機能を同時に実行できる。さらに、通知実行部63は、各通知機能による通知レベルを多段階で変更できる。例えば、音声通知機能で発する音声の大きさ(音声レベル)は、小および大の2段階で変更でき、発光通知機能で発する光の大きさ(発光レベル)は、小および大の2段階で変更でき、振動通知機能で発する振動の大きさ(振動レベル)は小および大の2段階で変更できる。さらに、通知実行部63は、各通知機能による通知パターンを複数の通知パターンの間で変更できる。例えば、音声通知機能で発する音声のパターンは音声パターン1および音声パターン2の間で変更でき、発光通知機能で発する発光のパターンは発光パターン1および発光パターン2の間で変更でき、振動通知機能で発する振動のパターンは振動パターン1および振動パターン2の間で変更できる。
【0023】
サーバ5は例えばコンピュータであり、管理部51、通知手段決定部52、通知部53、制御部54および表示部55を有する。管理部51は、モバイル端末6に関する端末情報It(図3A)を管理する端末管理部511と、オペレータに関するオペレータ情報Io(図3B)を管理するオペレータ管理部512と、生産現場1(換言すれば、フロア)に関するフロア情報IfU図3C)を管理するフロア情報管理部513とを有する。通知手段決定部52は、モバイル端末6が通知を実行するために使用する通知手段を決定する。通知手段決定部52により決定される通知手段は、図2Bに示す複数の通知機能のうちの一あるいは複数の組み合わせにより構成される。さらに、通知手段は、当該通知手段を構成する通知機能の通知レベルおよび通知パターンを含む。つまり、通知実行部63は、複数通りの通知手段のそれぞれによって、警告を通知することができる。通知部53は、印刷機2、表面実装機3、リフロー炉4およびサーバ5との通信を実行する。また、制御部54は、サーバ5を統括的に制御する。表示部55は、ディスプレイに所定の表示を行う。これらのうち、管理部51、通知手段決定部52および制御部54は、例えばサーバ5が備えるプロセッサなどに構築される。
【0024】
図3Aは端末情報の一例を示す模式的に図である。端末情報Itは、モバイル端末6を識別するための端末IDと、モバイル端末6の種類(パッドあるいはスマートフォン)を示す端末種類情報と、モバイル端末6の通知実行部63が有する通知機能を示す通知機能情報(図2Bに示す情報)と、モバイル端末6の位置検知部61が検知した位置情報とを含む。端末管理部511は、通知部53を介してこの端末情報Itをモバイル端末6から取得する。
【0025】
図3Bはオペレータ情報の一例を模式的に示す図である。オペレータ情報Ioは、オペレータを識別するためのオペレータIDを含む。
【0026】
図3Cはフロア情報の一例を模式的に示す図である。フロア情報Ifは、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13の位置を示す。また、フロア情報Ifは、生産エリア11における、印刷機2、表面実装機3およびリフロー炉4の位置を示してもよい。
【0027】
図4はサーバが実行するログイン管理の一例を示すフローチャートである。ステップS101では、制御部54は、通知部53がオペレータIDを取得したかを確認する。つまり、オペレータがモバイル端末6の表示部64を操作することでオペレータIDを入力すると、モバイル端末6のサーバ通信部62が当該オペレータIDをサーバ5の通知部53に送信する。通知部53がオペレータIDを取得すると(ステップS101で「YES」)、制御部54は、通知部53を介してモバイル端末6から端末情報Itを取得して、端末管理部511に保存する(ステップS102)。この際、端末管理部511は、ステップS101で取得されたオペレータIDと、ステップS102で取得された端末情報Itとを対応付けて管理する(ステップS103)。これによって、モバイル端末6を使用するオペレータを認識することができる。
【0028】
図5はサーバが実行する通知手段制御の第1例を示すフローチャートである。ステップ201では、制御部54は、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4からの警告を通知部53が受信したかを確認する。通知部53が警告を受信すると(ステップS201で「YES」)、制御部54は、モバイル端末6の位置情報の取得を端末管理部511に指示し、端末管理部511は、位置検知部61が出力する位置情報を、通知部53を介して取得する(ステップS202)。
【0029】
ステップS203では、通知手段決定部52は、通知実行部63が通知を実行するために使用する通知手段を決定する。図6は通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第1例を示すフローチャートである。ステップS301では、通知手段決定部52は、ステップS202で取得された位置情報と、フロア情報管理部513で管理されるフロア情報Ifとを照合する。これによって、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13のうち、モバイル端末6が存在するエリアである存在エリアを示す照合結果が得られる。そして、通知手段決定部52は、照合結果が示す存在エリアの環境に応じた通知手段を決定する(ステップS302)。
【0030】
例えば、生産エリア11の環境では、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4から機械音が発せられる。したがって、音声レベルが小さい音声通知は、オペレータに気付かれないおそれがあり、生産エリア11では不適切である。よって、表示通知機能、音声レベルが大きい音声通知機能、発光通知機能、振動通知機能あるいはこれらのうちの2以上の組み合わせを含む通知手段が適切となる。なお、生産エリア11に適する通知手段には複数の候補が存在する。そこで、通知手段決定部52は、複数の候補の優先度を予め有しており、優先度が高い一の候補を、通知の実行に使用する通知手段に決定する。
【0031】
倉庫エリア12の環境では、オペレータは、モバイル端末6を把持していると想定され、モバイル端末6の振動に気付く可能性が高い。したがって、通知手段決定部52は、振動通知機能を含む通知手段を、通知の実行に使用すると決定する。なお、倉庫エリア12に適する通知手段には複数の候補が存在する。そこで、通知手段決定部52は、複数の候補の優先度を予め有しており、優先度が高い一の候補を、通知の実行に使用する通知手段に決定する。
【0032】
事務所エリア13の環境では、モバイル端末6から発せられる音声が騒音となるおそれがある。したがって、通知手段決定部52は、音声通知機能を含まない通知手段を、通知の実行に使用すると決定する。なお、事務所エリア13に適する通知手段として複数の候補が存在する。そこで、通知手段決定部52は、複数の候補の優先度を予め有しており、優先度が高い一の候補を、通知の実行に使用する通知手段に決定する。
【0033】
こうして、使用する通知手段が決定されると(ステップS203、S301、S302)、通知部53は、決定された通知手段を用いて警告を通知せよとの警告通知指令を、モバイル端末6のサーバ通信部62に送信する。そして、モバイル端末6の通知実行部63は、サーバ通信部62が受信した警告通知指令が示す通知手段によって、警告を通知する(ステップS204)。
【0034】
以上に説明する実施形態では、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4(基板生産装置)から発生される警告をモバイル端末6が通知するための互いに異なる複数の通知手段が設けられ、複数の通知手段のうちから決定された通知手段(実行通知手段)によって、オペレータが使用するモバイル端末6が警告を通知する(ステップS204)。この際、オペレータによって使用されるモバイル端末6に関する端末情報Itと、オペレータがモバイル端末6を使用する作業場所に応じた環境(生産エリア11、倉庫エリア12、事務所エリア13)の違いを示すフロア情報If(作業環境情報)とに基づき、通知手段が決定される(ステップS203、S301、S302)。したがって、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行することが可能となっている。
【0035】
また、端末管理部511は、モバイル端末6の位置を示す位置情報(端末位置情報)を含む端末情報Itをモバイル端末6から取得する。そして、通知手段決定部52は、フロア情報Ifに含まれる位置情報およびフロア情報Ifに基づき、通知手段を決定する(ステップS203、S301、S302)。かかる構成では、位置情報が示すモバイル端末6の位置と、フロア情報Ifが示す作業場所に応じた環境(生産エリア11、倉庫エリア12、事務所エリア13)の違いとに基づき、警告を通知する通知手段が決定される。したがって、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4から発せられる警告のオペレータへの通知を、オペレータのいる環境に応じた適切な態様で実行することが可能となっている。
【0036】
図7Aは通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第2例を示すフローチャートである。ステップS401では、通知手段決定部52は、ステップS202で取得された位置情報と、フロア情報管理部513で管理されるフロア情報Ifとを照合する。これによって、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13のうち、モバイル端末6が存在するエリアである存在エリアを示す照合結果が得られる。そして、ステップS402では、通知手段決定部52は、存在エリアに適する通知手段の複数の候補を特定する。生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13それぞれに対する複数の候補は上述の通りである。
【0037】
ステップS403では、通知手段決定部52は、複数の候補のうちから、オペレータ情報Io(図7B)に適合する候補を通知手段に決定する。図7B図7Aの通知手段決定で使用されるオペレータ情報の一例を模式的に示す図である。このオペレータ情報Ioは、オペレータを識別するためのオペレータIDと、当該オペレータの感覚器官に関する情報(聴覚補助要否、色覚補助要否)とを含む。聴覚補助要否とは、オペレータが聴覚以外の感覚器官に対する通知を必要とするか否かを示し、視覚補助要否は、オペレータが視覚以外の感覚器官に対する通知を必要とするか否かを示す。したがって、聴覚補助が必要である場合には、通知手段決定部52は、複数の候補において、視覚に対して通知を行う表示通知機能、視覚に対して通知を行う発光通知機能および触覚に対して通知を行う振動通知機能の少なくとも一方を含む候補のうちで最も優先度の高い候補を、通知に使用する通知手段に決定する。また、視覚補助が必要である場合には、通知手段決定部52は、複数の候補において、聴覚に対する通知を行う音声通知機能および触覚に対する通知を行う振動通知機能の少なくとも一方を含む候補のうちで最も優先度の高い候補を、通知に使用する通知手段に決定する。
【0038】
図7Aおよび図7Bに示す例では、モバイル端末6を使用するオペレータに関するオペレータ情報Ioがオペレータ管理部512によって管理される。そして、通知手段決定部52は、端末情報It、オペレータ情報Ioおよびフロア情報Ifに基づき、通知に使用する通知手段(実行通知手段)を決定する(ステップS401~S403)。かかる構成では、印刷機2、表面実装機3およびリフロー炉4から発せられる警告のオペレータへの通知を、当該オペレータにとって適切な態様で実行することが可能となっている。
【0039】
特に、聴覚補助要否および視覚補助要否といったオペレータの身体機能特性に応じて通知手段(実行通知手段)が決定され、この通知手段によって警告の通知が実行される。つまり、印刷機2、表面実装機3およびリフロー炉4から発せられる警告のオペレータへの通知を、当該オペレータの身体機能特性にとって適切な態様で実行することが可能となっている。
【0040】
図8はサーバが実行する通知手段制御の第2例を示すフローチャートである。ステップ501では、制御部54は、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4からの警告を通知部53が受信したかを確認する。通知部53が警告を受信すると(ステップS501で「YES」)、制御部54は、モバイル端末6の位置情報の取得を端末管理部511に指示し、端末管理部511は、位置検知部61が出力する位置情報を、通知部53を介して取得する(ステップS502)。
【0041】
ステップS503では、通知手段決定部52は、ステップS502で取得された位置情報と、フロア情報管理部513で管理されるフロア情報Ifとを照合する。これによって、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13のうち、モバイル端末6が存在するエリアである存在エリアを示す照合結果が得られる。そして、通知手段決定部52は、存在エリアに適する通知手段の複数の候補を特定する(ステップS504)。生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13それぞれに対する複数の候補は上述の通りである。さらに、通知手段決定部52は、複数の候補のうちで最も優先度の高い候補を、通知に使用する通知手段に決定する(ステップS505)。
【0042】
こうして、使用する通知手段が決定されると(ステップS505)、通知部53は、決定された通知手段を用いて警告を通知せよとの警告通知指令を、モバイル端末6のサーバ通信部62に送信する。そして、モバイル端末6の通知実行部63は、サーバ通信部62が受信した警告通知指令が示す通知手段によって、警告を通知する(ステップS506)。
【0043】
ステップS507では、通知手段決定部52は、ステップS504で特定された複数の候補のうち、優先度が最上位であってステップS506で使用された候補の優先度を最下位に下げる。これによって、優先度が2番目であった候補が、優先度が1番目(すなわち、最上位)に繰り上がる。
【0044】
ステップS508では、制御部54は、オペレータによるモバイル端末6の操作の有無を確認する。モバイル端末6が操作されると、サーバ通信部62は、モバイル端末6への操作があったことを示す操作検知信号を通知部53に送信し、制御部54は、通知部53が操作検知信号を受信すると、オペレータによるモバイル端末6の操作があったと判定して(ステップS508で「YES」)、図8のフローチャートを終了する。
【0045】
制御部54は、オペレータによるモバイル端末6の操作が確認できない場合(ステップS508で「NO」の場合)には、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4の警告が解消しているかを確認する(ステップS509)。具体的には、制御部54は、印刷機2、表面実装機3あるいはリフロー炉4のうち、警告を発した基板生産装置に問い合わせを、通知部53を介して行う。この問い合わせに対して、警告が解消したとの返答を得ると(ステップS509で「YES」)、図8のフローチャートを終了する一方、警告が解消しないとの返答を得ると(ステップS509で「NO」)、ステップS510に進む。
【0046】
ステップS510では、制御部54は、ステップS506において決定された通知手段による通知を実行してから所定時間が経過したかを確認する。所定時間の経過が確認できない場合(ステップS510で「NO」の場合)には、ステップS508に戻る。一方、所定時間の経過が確認された場合(ステップS510で「YES」の場合)には、ステップS505に戻る。
【0047】
ステップ505では、通知手段決定部52は、複数の候補のうちで最も優先度の高い候補を、通知に使用する通知手段に決定する。上述の通り、優先度が2番目であった候補が、優先度が1番目(すなわち、最上位)に繰り上がったことから、当該候補が通知に使用する通知手段に決定される。そして、上記と同様にステップS506~S510が実行される。
【0048】
図8の例では、通知手段決定部52は、通知部53がステップS505で決定された通知手段による警告の通知をモバイル端末6に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末6に対するオペレータの操作が確認できない場合(ステップS508、S510)は、複数の候補の間で通知手段を変更する(ステップS507、S505)。そして、通知部53は、通知手段決定部52によって変更された通知手段によって、モバイル端末6に警告を再度通知させる(ステップS506)。かかる構成では、最初の通知にオペレータが気付かない場合には、最初の通知とは異なる通知手段で再度通知を行って、オペレータに気付かせることができる。
【0049】
図9はサーバが実行する通知手段制御の第3例を示すフローチャートである。図9の第3例と図8の第2例とが異なるのは、ステップS510で「YES」の場合)に、ステップS502に戻る点である。したがって、図8の第2例と共通する部分については相当符号を付して説明を省略し、図8の第2例と相違する部分を中心に説明を行う。
【0050】
つまり、ステップS506において決定された通知手段による通知を実行してから所定時間の経過が確認されると(ステップS510で「YES」)、制御部54は、モバイル端末6の位置情報の取得を端末管理部511に指示し、端末管理部511は、位置検知部61が出力する位置情報を、通知部53を介して取得する(ステップS502)。そして、上記と同様に、ステップS503~S510を実行する。したがって、モバイル端末6を携帯するオペレータが、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13の間で移動すると、ステップS504で特定される複数の候補が変更され、結果的にステップS505で決定される通知手段が変わり得る。
【0051】
このように図9の第3例では、通知部53がステップS505で決定された通知手段による警告の通知をモバイル端末6に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末6に対するオペレータの操作が確認できない場合(ステップS508、S510)、端末管理部511は、位置情報をモバイル端末6から取得することで端末情報Itの位置情報を更新する(ステップS502)。そして、通知手段決定部52は、端末管理部511によって更新された端末情報Itの位置情報に基づき、通知に使用する通知手段を変更する(ステップS503~505)。かかる構成では、最初の通知にオペレータが気付かない場合には、その時点においてオペレータがいる場所に適した通知手段で再度通知を行って、オペレータに気付かせることができる。
【0052】
図10図8の第2例あるいは図8の第3例に伴って実行される具体例を模式的に示す図である。図10の例では、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13のそれぞれに対して2つの通知手段1、2(換言すれば、候補)が設けられている。ここで、通知手段1の優先度は、通知手段2の優先度より高いとする。生産エリア11に対しては、音声レベルが大であって音声パターン1の音声通知機能と、振動レベルが小であって振動パターン1の振動通知機能とによる通知手段1と、音声レベルが大であって音声パターン2の音声通知機能と、振動レベルが小であって振動パターン2の振動通知機能とによる通知手段2とが設けられている。倉庫エリア12に対しては、音声レベルが小の音声通知機能と、振動レベルが小の振動通知機能とによる通知手段1と、音声レベルが大の音声通知機能と、振動レベルが小の振動通知機能とによる通知手段2とが設けられている。事務所エリア13に対しては、音声通知機能はオフであって振動レベルが小の振動通知機能による通知手段1と、音声通知機能はオフであって振動レベルが大の振動通知機能による通知手段2とが設けられている。
【0053】
例えば図8の第2例で、ステップS502で取得されたモバイル端末6の位置情報が、ステップS503での照合の結果、事務所エリア13内の位置を示す場合、ステップS505では、事務所エリア13に対して設定された通知手段1を、通知に使用すると決定される。また、通知部53がステップS505で決定された通知手段による警告の通知をモバイル端末6に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末6に対するオペレータの操作が確認できない場合(ステップS508、S510)は、通知に使用する通知手段が、事務所エリア13に対して設けられた通知手段1から通知手段2に変更される(ステップS507、S505)。
【0054】
あるいは、図9の第3例で、ステップS502で取得されたモバイル端末6の位置情報が、ステップS503での照合の結果、事務所エリア13内の位置を示す場合、ステップS505では、事務所エリア13に対して設定された通知手段1を、通知に使用すると決定される。また、通知部53がステップS505で決定された通知手段による警告の通知をモバイル端末6に実行させてから所定時間を過ぎてもモバイル端末6に対するオペレータの操作が確認できない場合(ステップS508、S510)は、端末管理部511は、位置情報をモバイル端末6から取得することで端末情報Itの位置情報を更新する(ステップS502)。例えば、ステップS502で取得されたモバイル端末6の位置情報が、ステップS503での照合の結果、倉庫エリア12内の位置を示す場合、ステップS505では、倉庫エリア12に対して設定された通知手段1を、通知に使用すると決定される。
【0055】
図11図1の生産現場で使用される電気的構成の第2例を示すブロック図であり、図12は通知の実行に使用する通知手段を決定する通知手段決定の第3例を示すフローチャートである。図11に示す電気的構成の第2例では、複数のモバイル端末6にそれぞれ対応して複数のウェアラブル端末7が設けられている。ウェアラブル端末7の種類としては、例えばスマートリング、スマートグラスあるいはスマートウォッチが挙げられる。これに対応して、モバイル端末6は、対応するウェアラブル端末7の通信を行う端末通信部65を有する。
【0056】
ウェアラブル端末7は、通信部71および通知実行部72を有する。通信部71は、モバイル端末6の端末通信部65との通信を行う。通知実行部72は、オペレータへの警告の通知を行う。つまり、通信部71は、決定された通知手段を用いて警告を通知せよとの警告通知指令をサーバ5の通知部53から、モバイル端末6の端末通信部65を介して受信する。これに対して、通知実行部72は、通信部71が受信した警告通知指令が示す通知手段を用いて警告を通知する。
【0057】
ウェアラブル端末7の種類がスマートリングである場合には、ウェアラブル端末7は、オペレータの指に嵌る円環形状(すなわち、指輪形状)を有する。このようなリング型のウェアラブル端末7(スマートリング)の通知実行部72は、LEDライトから光を発する発光通知機能と、バイブレータを振動させる振動通知機能とを有する。かかる構成では、オペレータが指に嵌めるウェアラブル端末7(モバイル端末)が通知を行うため、オペレータが通知に気付きやすくなる。
【0058】
ウェアラブル端末7の種類がスマートグラスである場合には、ウェアラブル端末7は、オペレータの両眼に対向するディスプレイと、当該ディスプレイを保持しつつオペレータの顔に係止するフレーム(すなわち、眼鏡フレーム)とを有する。このようなグラス型のウェアラブル端末7(スマートグラス)の通知実行部72は、ディスプレイに文字によるメッセージを表示する表示通知機能を有する。かかる構成では、オペレータの両眼に対向するディスプレイを有するウェアラブル端末7(モバイル端末)が通知を行うため、オペレータが通知に気付きやすくなる。
【0059】
ウェアラブル端末7の種類がスマートウォッチである場合には、ウェアラブル端末7は、オペレータの腕に装着できる形状(すなわち、腕時計形状)を有し、ディスプレイを有する。このようなウォッチ型のウェアラブル端末7(スマートウォッチ)の通知実行部72は、LEDライトから光を発する発光通知機能と、バイブレータを振動させる振動通知機能と、ディスプレイに文字によるメッセージを表示する表示通知機能とを有する。かかる構成では、オペレータが腕に装着するウェアラブル端末7(モバイル端末)が通知を行うため、オペレータが通知に気付きやすくなる。
【0060】
図12の通知手段決定では、サーバ5の端末管理部511は、ウェアラブル端末7の端末情報を、モバイル端末6の通信部71から、モバイル端末6の端末通信部65を介して取得する(ステップS601)。ウェアラブル端末7の端末情報は、ウェアラブル端末7を識別するための端末IDと、ウェアラブル端末7の種類(スマートリング、スマートグラスあるいはスマートウォッチ)を示す端末種類情報と、ウェアラブル端末7の通知実行部72が有する通知機能を示す通知機能情報と、ウェアラブル端末7の位置を示す位置情報とを含む。なお、ウェアラブル端末7の位置情報は、当該ウェアラブル端末7と通信を行うモバイル端末6の位置検知部61が検知した位置情報で代替される。
【0061】
ステップS602では、通知手段決定部52は、ステップS601で取得されたウェアラブル端末7の位置情報と、フロア情報管理部513で管理されるフロア情報Ifとを照合する。これによって、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13のうち、ウェアラブル端末7が存在するエリアである存在エリアを示す照合結果が得られる。
【0062】
ステップS603では、通知手段決定部52は、照合結果が示す存在エリアの環境に応じた通知手段を決定する。特に、通知手段決定部52は、ウェアラブル端末7の種類に応じて通知手段を決定する。つまり、ウェアラブル端末7の種類によって、ウェアラブル端末7の通知実行部72が有する通知機能が異なる。そこで、ウェアラブル端末7の通知実行部72が有する通知機能のうち、照合結果が示すウェアラブル端末7の存在エリアの環境に応じた通知手段が決定される。
【0063】
かかる例では、端末管理部511は、ウェアラブル端末7(モバイル端末)の種類に応じた端末情報Itをウェアラブル端末7から取得する(ステップS601)。これに対して、通知手段決定部52は、ウェアラブル端末7の種類およびフロア情報If(作業環境情報)に基づき、警告の通知に使用する通知手段(実行通知手段)を決定する(ステップS603)。かかる構成では、オペレータが使用するウェアラブル端末7に応じた実行手段で、通知を行うことができる。
【0064】
以上に説明したように本実施形態では、印刷機2、表面実装機3およびリフロー炉4のそれぞれが本発明の「基板生産装置」に相当し、サーバ5が本発明の「警告通知システム」の一例に相当し、端末管理部511が本発明の「端末管理部」の一例に相当し、オペレータ管理部512が本発明の「オペレータ管理部」の一例に相当し、フロア情報管理部513が本発明の「作業環境管理部」の一例に相当し、通知手段決定部52が本発明の「通知手段決定部」の一例に相当し、通知部53が本発明の「通知部」の一例に相当し、モバイル端末6およびウェアラブル端末7のそれぞれが本発明の「モバイル端末」の一例に相当し、端末情報Itが本発明の「端末情報」の一例に相当し、フロア情報Ifが本発明の「作業環境情報」の一例に相当し、オペレータ情報Ioが本発明の「オペレータ情報」の一例に相当する。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、図11および図12の例では、モバイル端末6を介さずに、サーバ5からウェアラブル端末7に直接警告通知指令を送るように構成しもよい。この場合には、ウェアラブル端末7の位置を検知するGPSやビーコンといった位置検知部をウェアラブル端末7に搭載して、当該位置検知部が検知した位置情報をステップS601で取得すれば良い。
【0066】
また、生産エリア11において、印刷機2、表面実装機3およびリフロー炉4の全てが設置される必要は無く、これらの一部のみが設置されていてもよい。
【0067】
また、生産現場1に設けられるエリアの種類は、生産エリア11、倉庫エリア12および事務所エリア13に限られず、オペレータの作業内容の違いに応じて、種々のエリアに生産現場1を区分けできる。
【符号の説明】
【0068】
2…印刷機(基板生産装置)
3…表面実装機(基板生産装置)
4…リフロー炉(基板生産装置)
5…サーバ(警告通知システム)
511…端末管理部
512…オペレータ管理部
513…フロア情報管理部(作業環境管理部)
52…通知手段決定部
53…通知部
6…モバイル端末
7…ウェアラブル端末(モバイル端末)
It…端末情報
If…フロア情報(作業環境情報)
Io…オペレータ情報
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12