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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136972
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】油性固形状クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/92 20060101AFI20240927BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240927BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240927BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/02
A61Q19/10
A61Q1/14
A61K8/37
A61K8/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048294
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】591119750
【氏名又は名称】岩瀬コスファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100224605
【弁理士】
【氏名又は名称】畠中 省伍
(72)【発明者】
【氏名】松崎 晃一
(72)【発明者】
【氏名】田中 一平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC092
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AD201
4C083AD241
4C083AD242
4C083BB04
4C083BB12
4C083BB13
4C083CC23
4C083DD21
4C083DD30
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】メイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性に優れる油性固形状クレンジング化粧料を提供する。
【解決手段】下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む、油性固形状クレンジング化粧料。(A)融点が50℃以上120℃以下である固形エステル油(B)融点が25℃以下の液状油(C)多糖脂肪酸エステル(D)ノニオン性界面活性剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む、油性固形状クレンジング化粧料。
(A)融点が50℃以上120℃以下である固形エステル油
(B)融点が25℃以下の液状油
(C)多糖脂肪酸エステル
(D)ノニオン性界面活性剤
【請求項2】
前記多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度が3以上200以下である、請求項1に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項3】
前記多糖脂肪酸エステル(C)がデキストリン脂肪酸エステル又はイヌリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項4】
前記液状油(B)が液状エステル油(B1)を含み、
前記液状エステル油(B1)の量が、液状油(B)全量に対して、20%超である、
請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項5】
前記固形エステル油(A)の前記融点が60℃以上90℃以下である、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項6】
前記固形エステル油(A)がコメヌカロウ又はヒマワリ種子ロウである、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項7】
前記多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸の炭素数が8以上22以下である、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項8】
前記多糖脂肪酸エステル(C)の1単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が1以上3以下である、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項9】
前記ノニオン性界面活性剤(D)の量が、前記化粧料において、10質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【請求項10】
前記固形エステル油(A)の量が、前記化粧料において、3質量%以上22質量%以下であり、
前記液状油(B)の量が、前記化粧料において、40質量%以上80質量%以下であり、
前記多糖脂肪酸エステル(C)の量が、前記化粧料において、0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記ノニオン性界面活性剤(D)の量が、前記化粧料において、8質量%以上35質量%以下である、請求項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
クレンジング化粧料には、油性液状、水性液状、水性ゲル状、クリーム状等、様々な種類があり、それぞれのニーズに合わせて使用される。なかでも油性液状クレンジング化粧料は、油性成分を多く含んでいるためメイクアップ化粧料の洗浄性に優れている。しかしながら比較的低粘度であることから、使用時のたれ落ちや、マッサージした時の摩擦による肌への負担といった課題があった。
【0002】
近年、新たな剤型として油性固形状のクレンジング化粧料が広く普及している。油性固形状クレンジング化粧料は、油性液状クレンジング化粧料にワックス等の固化剤を含有させ、固形化したものであり、メイクアップ化粧料の洗浄性に優れ、かつ使用時のたれ落ちがなく、マッサージした時の摩擦による肌への負担が少ないといった利点がある。これまでいくつかの油性固形状クレンジング化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-206974
【特許文献2】特開2017-88585
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、たれ落ちがなく、マッサージ時の肌への負担が少なく、かつメイクアップ化粧料とのなじみ性が良く、汚れ落ちと洗浄後のさっぱり感に優れた油性固形状クレンジング化粧料が開示されている。
【0005】
特許文献2には、肌への伸び広がりが良く、メイクアップ化粧料とのなじみ性と洗浄性に優れ、高温時の経時安定性も良好な油性固形状クレンジング化粧料が開示されている。
【0006】
一般的に油性固形状クレンジング化粧料はジャー容器に充填され、使用時に使用者の手又は付属のスパチュラ等を用いて適量を取る。そのため、容器からの取れ性が悪いと使用性に難を生じる。しかしながら、いずれの特許文献においても、容器からの取れ性については考慮されていなかった。
【0007】
そこで本開示は、メイクアップ化粧料の洗浄性に優れ、かつ、容器からの取れ性に優れる油性固形状クレンジング化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一例は次のとおりである:
[項1]
下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む、油性固形状クレンジング化粧料。
(A)融点が50℃以上120℃以下である固形エステル油
(B)融点が25℃以下の液状油
(C)多糖脂肪酸エステル
(D)ノニオン性界面活性剤
[項2]
前記多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度が3以上200以下である、項1に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項3]
前記多糖脂肪酸エステル(C)がデキストリン脂肪酸エステル又はイヌリン脂肪酸エステルである、項1又は2に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項4]
前記液状油(B)が液状エステル油(B1)を含み、
前記液状エステル油(B1)の量が、液状油(B)全量に対して、20%超である、
項1~3のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項5]
前記固形エステル油(A)の前記融点が60℃以上90℃以下である、項1~4のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項6]
前記固形エステル油(A)がコメヌカロウ又はヒマワリ種子ロウである、項1~5のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項7]
前記多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸の炭素数が8以上22以下である、項1~6のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項8]
前記多糖脂肪酸エステル(C)の1単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が1以上3以下である、項1~7のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項9]
前記ノニオン性界面活性剤(D)の量が、前記化粧料において、10質量%以上30質量%以下である、項1~8のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
[項10]
前記固形エステル油(A)の量が、前記化粧料において、3質量%以上22質量%以下であり、
前記液状油(B)の量が、前記化粧料において、40質量%以上80質量%以下であり、
前記多糖脂肪酸エステル(C)の量が、前記化粧料において、0.1質量%以上10質量%以下であり、
前記ノニオン性界面活性剤(D)の量が、前記化粧料において、8質量%以上35質量%以下である、項1~9のいずれか一項に記載の油性固形状クレンジング化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本開示の油性固形状クレンジング化粧料は、メイクアップ化粧料の洗浄性、及び、容器からの取れ性に優れる。さらに、好ましくは、本開示の油性固形状クレンジング化粧料は、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を詳細に説明する。なお、含有量に示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0011】
<(A)固形エステル油>
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、(A)融点が50℃以上120℃以下である固形エステル油を含む。
【0012】
固形エステル油(A)の融点は、50℃以上、55℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上、80℃以上、85℃以上、90℃以上、95℃以上、又は100℃以上であってよく、好ましくは60℃以上、例えば70℃以上である。固形エステル油(A)の融点は、120℃以下、115℃以下、110℃以下、105℃以下、100℃以下、95℃以下、90℃以下、85℃以下、80℃以下、75℃以下、70℃以下、65℃以下、であってよく、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。融点が上記範囲にあることで、本開示の効果が好適に奏し得る。
【0013】
固形エステル油(A)は、天然物、合成物、又はその組み合わせであってもよい。固形エステル油(A)は天然物の場合、植物由来、又は動物由来であってもよい。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0014】
固形エステル油(A)は、脂肪酸とアルコール類のエステルであってよい。固形エステル油(A)は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。固形エステル油(A)は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。固形エステル油(A)は油脂(グリセリンと脂肪酸とのエステル)、油脂以外、又は油脂と油脂以外との組合せであってもよい。
【0015】
固形エステル油(A)を構成する脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。固形エステル油(A)を構成する脂肪酸は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。固形エステル油(A)を構成する脂肪酸の炭素数は、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよく、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上である。固形エステル油(A)を構成する脂肪酸の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは30以下である。
【0016】
固形エステル油(A)を構成するアルコールは1価又は多価(例えば2価以上、3価以上。例えば10価以下、5価以下。)であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。固形エステル油(A)を構成するアルコールは、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。固形エステル油(A)を構成するアルコールは、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。固形エステル油(A)を構成するアルコールの炭素数は、1以上、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、18以上、20以上、25以上、28以上、30以上、又は32以上であってよく、例えば2以上、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。固形エステル油(A)を構成するアルコールの炭素数は、50以下、45以下、40以下、38以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは40以下、より好ましくは36以下である。
【0017】
固形エステル油(A)を構成する1価アルコールの例としては、脂肪族炭化水素の1個の水素をヒドロキシ基で置換したアルコールが挙げられる。固形エステル油(A)を構成する1価アルコールの炭素数は、1価の場合、1以上、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、18以上、20以上、25以上、28以上、30以上、又は32以上であってよく、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。固形エステル油(A)を構成する1価アルコールの炭素数は、50以下、45以下、40以下、38以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは40以下、より好ましくは36以下である。
【0018】
固形エステル油(A)を構成する2価アルコールの例としては、エチレングリコールや、プロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。固形エステル油(A)を構成するアルコールの炭素数は、2価の場合、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、18以上、20以上、25以上、28以上、30以上、又は32以上であってよい。固形エステル油(A)を構成する2価アルコールの炭素数は、50以下、45以下、40以下、38以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0019】
固形エステル油(A)を構成する3価アルコールの例としては、グリセリン等が挙げられる。固形エステル油(A)を構成する3価アルコールの炭素数は、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、18以上、20以上、25以上、28以上、30以上、又は32以上であってよい。固形エステル油(A)を構成する3価アルコールの炭素数は、50以下、45以下、40以下、38以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0020】
固形エステル油(A)を構成する4価以上の多価アルコールの例としては、ペンタエリスリトール等の糖アルコールが挙げられる。固形エステル油(A)を構成する多価アルコールの炭素数は、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、18以上、20以上、25以上、28以上、30以上、又は32以上であってよい。固形エステル油(A)を構成する多価アルコールの炭素数は、50以下、45以下、40以下、38以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0021】
固形エステル油(A)の分子量は、100以上、200以上、300以上、500以上、750以上、1000以上、1200以上、1500以上であってよく、好ましくは300以上である。固形エステル油(A)の分子量は、3000以下、2500以下、2000以下、1500以下、1000以下、又は500以下であってよい。
【0022】
固形エステル油(A)の例としては、コメヌカロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、ミツロウ、ヒマワリ種子ロウ、水添ホホバ油、水添大豆油、水添パーム油等が挙げられる。その中でもコメヌカロウ又はヒマワリ種子ロウを含むことが好ましい。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0023】
[固形エステル油(A)の量]
固形エステル油(A)の量は、化粧料において、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、12%以上、15%以上、18%以上、20%以上、23%以上、又は25%以上であってよく、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。本開示で用いられる固形エステル油(A)の量は、化粧料において、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、22%以下、18%以下、15%以下、14%以下、10%以下、8%以下、6%以下、又は4%以下であってよく、22%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、18%以下がさらに好ましい。固形エステル油(A)の含有量が3%以上の場合、高温時の経時安定性が向上し得る。また固形エステル油(A)の含有量が22%以下の場合、容器からの取れ性、洗い流し後のべたつきのなさ及びの高温時の経時安定性が向上し得る。
【0024】
<(B)液状油>
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、(B)融点が25℃以下の液状油を含む。
【0025】
液状油(B)の融点は、-25℃以上、-20℃以上、-15℃以上、-10℃以上、-5℃以上、0℃以上、5℃以上、10℃以上、15℃以上、又は20℃以上である。液状油(B)の融点は、25℃以下、23℃以下、18℃以下、13℃以下、8℃以下、3℃以下、-2℃以下、-7℃以下、-12℃以下、又は-18℃であってよい。融点が上記範囲にあることで、本開示の効果が好適に奏し得る。
【0026】
本開示で用いられる液状油(B)の例としては、液状エステル油(B1)、液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)等が挙げられる。液状油(B)は、液状エステル油(B1)を含むことが好ましい。液状油(B)は天然物、合成物、又はその組み合わせであってもよい。液状油(B)は天然物の場合、植物由来、又は動物由来であってもよい。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0027】
[(B1)液状エステル]
液状油(B)は液状エステル油(B1)を含んでもよい。液状エステル油(B1)は、脂肪酸とアルコール類のエステルであってよい。液状エステル油(B1)は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。液状エステル油(B1)は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。液状エステル油(B1)は油脂(グリセリンと脂肪酸とのエステル)、油脂と油脂以外との組合せ、又は油脂以外であってもよい。
【0028】
液状エステル油(B1)を構成する脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。液状エステル油(B1)を構成する脂肪酸は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。液状エステル油(B1)を構成する脂肪酸の炭素数は、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよく、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。液状エステル油(B1)を構成する脂肪酸の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは30以下である。
【0029】
液状エステル油(B1)を構成するアルコールは1価又は多価(例えば2価又は3価)であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。液状エステル油(B1)を構成するアルコールは、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。液状エステル油(B1)を構成するアルコールは、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。液状エステル油(B1)を構成するアルコールの炭素数は、1以上、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよい液状エステル油(B1)を構成するアルコールの炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、8以下、6以下、4以下、又は3以下であってよい。
【0030】
液状エステル油(B1)を構成する1価アルコールの例としては、脂肪族炭化水素の1個の水素をヒドロキシ基で置換したアルコールが挙げられる。液状エステル油(B1)を構成する1価アルコールの炭素数は、1価の場合、1以上、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよい。液状エステル油(B1)を構成する1価アルコールの炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
【0031】
液状エステル油(B1)を構成する2価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール等のグリコール類が挙げられる。液状エステル油(B1)を構成するアルコールの炭素数は、2価の場合、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよい。液状エステル油(B1)を構成する2価アルコールの炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、8以下、6以下、4以下、又は3以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0032】
液状エステル油(B1)を構成する3価アルコールの例としては、グリセリン等が挙げられる。液状エステル油(B1)を構成する3価アルコールの炭素数は、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよい。液状エステル油(B1)を構成する3価アルコールの炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、8以下、10以下、12以下、8以下、6以下、4以下、又は3以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0033】
液状エステル油(B1)を構成する多価アルコール(4価以上)の例としては、ペンタエリスリトール等の糖アルコールが挙げられる。液状エステル油(B1)を構成する多価アルコールの炭素数は、2以上、3以上、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよい。液状エステル油(B1)を構成する多価アルコールの炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、10以下、8以下、6以下、4以下、又は3以下であってよく、好ましくは10以下である。
【0034】
液状エステル油(B1)の分子量は、100以上、200以上、300以上、500以上、750以上、1000以上、1200以上、1500以上であってよく、好ましくは300以上である。液状エステル油(B1)の分子量は、3000以下、2500以下、2000以下、1500以下、1000以下、又は500以下であってよい。
【0035】
液状エステル油(B1)の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチル等の脂肪酸エステル類;
【0036】
オリーブ油、ツバキ油、シア油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボカド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サフラワー油、落下生油、綿実油、ピスタシオ油、ククイナッツ油、アマニ油、サザンカ油、シナノン油、アルモンド油、卵黄油、肝油等の油脂類;
【0037】
ホホバ種子油等の液状ロウ類;等が挙げられる。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0038】
[(B2)液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール]
液状油(B)は液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)を含んでもよい。液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。
【0039】
液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、ポリブテン、α-オレフィンオリゴマー等の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0040】
液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の重量平均分子量は、200以上、300以上、500以上、750以上、1000以上、2000以上、3000以上、5000以上、7500以上、10000以上、12000以上、15000以上であってよい。液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の重量平均分子量は、10000以下、8000以下、6000以下、4000以下、2000以下、1000以下、800以下、又は600以下であってよい。
【0041】
[液状油(B)の組成]
液状エステル油(B1)の量は、液状油(B)全量に対して、20%以上、30%以上、35%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上であってよく、好ましくは20%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは50%以上である。液状エステル油(B1)の量は、液状油(B)に対して、100%以下、95%以下、85%以下、75%以下、65%以下、55%以下、45%以下、35%以下、又は25%以下であってよい。液状油(B)全量中に対する液状エステル油(B1)の含有量が上記下限値以上(例えば、20%以上)の場合、容器からの取れ性、肌への伸び広がり性及び洗い流し後のべたつきのなさが良好となり得る。
【0042】
液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の量は、液状油(B)全量に対して、0%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、65%以上、70%以上、又は80%以上であってよい。液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の量は、液状油(B)全量に対して、80%以下、65%以下、50%以下、30%以下、又は15%以下であってよい。液状炭化水素及び/又は液状脂肪族アルコール(B2)の量が上記範囲にあることが、本開示の効果を好適に奏する観点から好ましい。
【0043】
[液状油(B)の量]
液状油(B)の量は、化粧料において、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上であってよく、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさら好ましい。本開示で用いられる液状油(B)の量は、化粧料において、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、又は45%以下であってよく、80%以下が好ましい。液状油(B)の量が上記範囲にあることが、本開示の効果を好適に奏する観点から好ましい。
【0044】
<(C)多糖脂肪酸エステル>
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、多糖脂肪酸エステル(C)を含む。
【0045】
多糖脂肪酸エステル(C)は、天然物、合成物、又はその組み合わせであってもよい。多糖脂肪酸エステル(C)は天然物の場合、植物由来、又は動物由来であってもよい。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0046】
多糖脂肪酸エステル(C)は、多糖類と脂肪酸のエステルである。多糖脂肪酸エステル(C)は飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。多糖脂肪酸エステル(C)は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。
【0047】
多糖脂肪酸エステル(C)の例としては、各種多糖の脂肪酸エステルが挙げられる。多糖の例としては、スクロース、シクロアミロース、デキストリン(マルトデキストリン、イソマルトデキストリン、シクロデキストリン等)、デキストラン、マルトース、トレハロース、ラクトース、スクラロース、澱粉、セルロース、カードラン、イヌリン、プルラン、アルギン酸、カラギーナン、グアーガム、キチン、キトサン、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、イソマルトデキストリン、ジェランガム、タマリンドシードガム等が挙げられる。多糖脂肪酸エステル(C)は、デキストリン脂肪酸エステル又はイヌリン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0048】
多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、好ましくは飽和である。多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸は、直鎖、分岐鎖、又は環状であってよく、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状である。
【0049】
多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸の炭素数は、5以上、6以上、8以上、10以上、15以上、20以上、又は25以上であってよく、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上である。多糖脂肪酸エステル(C)を構成する脂肪酸の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、16以下、12以下、又は8以下であってよく、好ましくは30以下、より好ましくは22以下、さらに好ましくは18未満である。
【0050】
多糖脂肪酸エステル(C)の1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度は1以上、1.2以上、1.5以上、1.8以上、2.2以上、2.5以上、又は2.7以上であってよく、好ましくは1.2以上である。多糖脂肪酸エステル(C)の1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度は3以下、2.8以下、2.6以下、2.4以下、2.2以下、2.0以下、1.8以下、1.7以下、又は1.6以下であってよく、好ましくは2.2以下、構成する脂肪酸の炭素数が16以上の場合は好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7以下である多糖脂肪酸エステル(C)および1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7を超える多糖脂肪酸エステル(C)を併用することである。ここで、多糖脂肪酸エステル(C)の1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度は、例えば、デキストリンの場合はグルコース単位当り、イヌリンの場合はフルクトース単位当りの、水酸基中エステル化されたものの平均モル数を示し、1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度は公知の方法により測定でき、例えばNMR測定、ケン化価等から算出可能である。
【0051】
多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度は、2以上、3以上、5以上、10以上、15以上、又は20以上であってよく、好ましくは3以上、例えば10以上である。多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度は、200以下、150以下、100以下、80以下、60以下、50以下、40以下、20以下、10以下、7以下、又は5以下であってよく、好ましくは150以下、より好ましくは100以下、例えば50以下、又は40以下である。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。上記上限値(例えば150以下)であることが、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性の観点から、好適である。
【0052】
なお、多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度は、ソモギー・ネルソン法で還元糖を、フェノール硫酸法で全糖を測定し、次式により算出することができる。
多糖脂肪酸エステル(C)の糖平均重合度=全糖(質量%)/還元糖(質量%)
【0053】
デキストリン脂肪酸エステルのグルコース平均重合度は、2以上、3以上、5以上、10以上、15以上、又は20以上であってよく、好ましくは10以上である。デキストリン脂肪酸エステルのグルコース平均重合度は、200以下、150以下、又は100以下であってよく、好ましくは150以下、より好ましくは100以下である。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。上記上限値(例えば150以下)であることが、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性の観点から、好適である。
【0054】
デキストリン脂肪酸エステルの具体例としては、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、(パルミチン酸/ヘキシルデカン酸)デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等が挙げられ、これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。市販品としては、「レオパールKL2」「レオパールTT2」「レオパールTL2」「レオパールMKL2」「レオパールWX」「ユニフィルマHVY」(すべて千葉製粉社製)が挙げられる。
【0055】
イヌリン脂肪酸エステルの平均糖重合度は、2以上、3以上、5以上、10以上、15以上、又は20以上であってよく、好ましくは3以上である。イヌリン脂肪酸エステルの平均糖重合度は、100以下、80以下、60以下、40以下、30以下、20以下、10以下、7以下、又は5以下であってよく、好ましくは30以下、より好ましくは7以下である。上記上限値以下(例えば7以下)であることが、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性の観点から好ましい。
【0056】
イヌリン脂肪酸エステルの具体例としては、パルミチン酸イヌリン、ミリスチン酸イヌリン、オレイン酸イヌリン、ステアリン酸イヌリン等を挙げられ、これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。市販品としては、「レオパールISK2」「レオパールISL2」(ともに千葉製粉社製)が挙げられる。
【0057】
[多糖脂肪酸エステル(C)の量]
多糖脂肪酸エステル(C)の量は、化粧料において、0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、5%以上、又は7.5%以上であってよく、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上である。多糖脂肪酸エステル(C)の量は、化粧料において、20%以下、15%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、又は1.5%以下であってよく、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。多糖脂肪酸エステル(C)の量が上記範囲にあることが、本開示の効果を好適に奏する観点から好ましい。多糖脂肪酸エステル(C))の含有量が上記下限値以上(例えば0.1%以上)の場合、メイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性、肌への伸び広がり性及び高温時の経時安定性を向上する観点から好ましい。また多糖脂肪酸エステル(C)の含有量が上記上限値以下(例えば10%以下)の場合、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性を向上する観点から好ましい。
【0058】
1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7以下である多糖脂肪酸エステル(C)及び1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7を超える多糖脂肪酸エステル(C)を併用する場合、1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7を超える多糖脂肪酸エステル(C)の量は、1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7以下である多糖脂肪酸エステル(C)の量1に対して、塗布時の摩擦感のなさの観点から0.2以上、0.4以上、0.5以上、1以上、2以上、3以上、又は4以上であってよく、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上である。1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7を超える多糖脂肪酸エステル(C)の量は、1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7以下である多糖脂肪酸エステル(C)の量1に対して、10以下、8以下、6以下、5以下、4以下、3以下、2以下、又は1以下であってよく、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7以下である多糖脂肪酸エステル(C)及び1単糖単位あたりの平均脂肪酸エステル化度が1.7を超える多糖脂肪酸エステル(C)の量が上記範囲にあることが、塗布時の摩擦感のなさを好適に奏する観点から好ましい。
【0059】
<(D)ノニオン性界面活性剤>
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、ノニオン性界面活性剤(D)を含む。
【0060】
ノニオン性界面活性剤(D)としては、特に限定されないが、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル、POEポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらは一種が用いられてもよいし、又は二種以上が併用されてもよい。
【0061】
POEアルキルエーテルの具体例としては、POE(5)デシルエーテル、POE(6)デシルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4)ラウリルエーテル、POE(5)ラウリルエーテル、POE(7)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(15)ラウリルエーテル、POE(19)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)ラウリルエーテル、POE(40)ラウリルエーテル、POE(3)トリデシルエーテル、POE(5)トリデシルエーテル、POE(7)トリデシルエーテル、POE(8)トリデシルエーテル、POE(9)トリデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(12)トリデシルエーテル、POE(15)トリデシルエーテル、POE(20)トリデシルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(8)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(13)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(150)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(7)ステアリルエーテル、POE(10)ステアリルエーテル、POE(11)ステアリルエーテル、POE(15)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(40)ステアリルエーテル、POE(50)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテル、POE(8)イソステアリルエーテル、POE(12)イソステアリルエーテル、POE(16)イソステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(9)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル等が挙げられる。なお、POEの後の括弧内の数字はエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0062】
POEPOPアルキルエーテルの具体例としては、POE(7)POP(2)デシルエーテル、POE(10)POP(2)デシルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(4)ステアリルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。なお、POPの後の括弧内の数字はプロピレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0063】
グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
【0064】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、カプリル酸ポリグリセリル-6、カプリン酸ポリグリセリル-2、カプリン酸ポリグリセリル-6、カプリン酸ポリグリセリル-10、セスキカプリン酸ポリグリセリル-2、ジカプリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-5、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10、トリラウリン酸ポリグリセリル-6、モノミリスチン酸ポリグリセリ5、モノミリスチン酸ポリグリセリル-10、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-5、モノステアリン酸ポリグリセリル-6、モノステアリン酸ポリグリセリル-10、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-5、モノオレイン酸ポリグリセリル-10、セスキオレイン酸ポリグリセリル-2、ジオレイン酸ポリグリセリル-5、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、トリオレイン酸ポリグリセリル-5、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-5、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10等が挙げられる。なお、ポリグリセリルの後の数字はグリセリンの重合数を意味する。
【0065】
POEグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸PEG-5グリセリル、モノステアリン酸PEG-10グリセリル、モノステアリン酸PEG-15グリセリル、モノステアリン酸PEG-20グリセリル、モノステアリン酸PEG-30グリセリル、モノステアリン酸PEG-40グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-3グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-5グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-6グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-8グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-10グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-15グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-20グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-25グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-30グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-40グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-50グリセリル、モノイソステアリン酸PEG-60グリセリル、ジイソステアリン酸PEG-10グリセリル、ジイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ジイソステアリン酸PEG-30グリセリル、ジイソステアリン酸PEG-60グリセリル、トリテアリン酸PEG-10グリセリル、トリステアリン酸PEG-15グリセリル、トリステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-10グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-15グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-30グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-40グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-50グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-60グリセリル、モノオレイン酸PEG-5グリセリル、モノオレイン酸PEG-15グリセリル、トリオレイン酸PEG-20グリセリル、モノオレイン酸PEG-30グリセリル、モノオレイン酸PEG-40グリセリル、モノオレイン酸PEG-50グリセリル、モノオレイン酸PEG-60グリセリル等が挙げられる。なお、PEGの後の数字はエチレングリコールの重合数を意味する。
【0066】
ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
【0067】
本開示における油性固形状クレンジング化粧料で用いられる前記POEソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン等が挙げられる。
【0068】
POEソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット等が挙げられる。
【0069】
POE硬化ヒマシ油の具体例としては、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0070】
POEフィトステロールの具体例としては、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロール等が挙げられる。
【0071】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸PEG-9、モノラウリン酸PEG-10、モノステアリン酸PEG-6、モノステアリン酸PEG-9、モノステアリン酸PEG-10、モノステアリン酸PEG-23、モノステアリン酸PEG-25、モノステアリン酸PEG-40、モノステアリン酸PEG-45、モノステアリン酸PEG-55、ジステアリン酸PEG-150、ジステアリン酸PEG-250、ジイソステアリン酸PEG-8、モノオレイン酸PEG-5、モノオレイン酸PEG-6、モノオレイン酸PEG-9、モノオレイン酸PEG-10、モノオレイン酸エステルPEG-14、モノオレイン酸エステルPEG-16等が挙げられる。
【0072】
化粧料に含まれるノニオン性界面活性剤(D)のHLB値は、5以上、7.5以上、10以上、12.5以上、又は15以上であってよい。化粧料に含まれるノニオン性界面活性剤(D)のHLB値は、20以上、18以下、16以下、14以下、12以下、又は10以下であってよい。
なお、本明細書において、親水性親油性バランス(HLB)は、
(1)グリフィン法により次式:
HLB=20×[(界面活性剤中に含まれる親水基の分子量)/(界面活性剤の分子量)]
から求めた値、
(2)アトラス法により次式:
HLB=20×(1-(ケン化価)/(エステル中の脂肪酸の中和価))
から求めた値、
(3)有機概念図により次式:
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性)×10
ここで、Σ無機性値/Σ有機性は、IOB(Inorganic-Organicbalance)である。(甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、11~17頁、三共出版、1984年発行参照)。
(4)文献1(界面活性剤ハンドブック,1998年5月1日 3版)に記載されている値、又は
(5)文献2(The HLB SYSTEM, 1989.7 ICI Americas Inc)に記載されている値であってよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤について、グリフィン法によりHLBの数値を求めてもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルについて、アトラス法によりHLBの数値を求めてもよい。上記方法により計算できない場合に、有機概念図より求めてもよく、文献1(又は文献2)に記載されている数値を採用してもよい。例えば、HLBの数値が文献1に記載されていない場合には、文献2に記載されている数値を採用してもよい。二種類以上の、ノニオン性界面活性剤を含む混合系においては、混合系のHLBは、それぞれ単独乳化剤のHLBの加重平均で算出できる。
【0073】
[ノニオン性界面活性剤(D)の量]
ノニオン性界面活性剤(D)の量は、化粧料において、3%以上、5%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以下、16%以上、18%以上、20%以上、23%以上、又は25%以上であってよく、8%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、12%以上がさらに好ましい。本開示で用いられるノニオン性界面活性剤(D)の量は、化粧料において、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、22%以下、18%以下、16%以下、14%以下、10%以下、8%以下、6%以下、又は4%以下であってよく、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、25%以下がさらに好ましい。ノニオン性界面活性剤(D)の量が上記下限値以上(例えば8%以上)の場合、メイクアップ化粧料の洗浄性及び洗い流し後のべたつきのなさが向上し得る。またノニオン性界面活性剤(D)の含有量が上記上限値以下(例えば35%以下)の場合、洗い流し後のべたつきのなさ及び高温時の経時安定性が向上し得る。
【0074】
<その他成分>
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、上記成分の他に必要に応じて、本開示の効果を損なわない範囲で上記成分以外の通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、成分(A)及び成分(B)以外の油性成分、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン、多価アルコール、ノニオン性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、酸化防止剤、消炎剤、紫外線吸収剤、着色剤、香料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を含むことができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0075】
その他成分の各量は、化粧料において、0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2%以上、又は3%以上であってよい。その他成分の各量は、化粧料において、化粧料において、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、又は0.5%以下であってよい。その他成分の総量は、化粧料において、0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2%以上、3%以上、5%以上、又は7.5%以上であってよい。その他成分の各量は、化粧料において、化粧料において、20%以下、15%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下であってよく、好ましくは10%以下である。
【0076】
本発明における油性とは、化粧料中に実質的に水を含有しないことをいう。水の量は、化粧料において、5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又は0.5%以下であってよく、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
【0077】
<化粧料の用途等>
本開示における油性液状クレンジング化粧料は、メイクアップ化粧料、特に油性のメイクアップ化粧料の洗浄に好適に用いられる。メイクアップ化粧料の例としては、ファンデーション、口紅、白粉、頬紅、プレストパウダー、チークカラー、アイシャドウ、アイライナー、ベースファンデーション等が挙げられる。
【0078】
本開示における油性固形状クレンジング化粧料は、25℃、1気圧で流動性のないクレンジング化粧料である。その形状は、特に限定されないが、例えば、略角状、略球状、棒状、板状及び各種容器への流し込み成型したもの等が挙げられる。
【実施例0079】
以下、実施例を挙げて本開示により詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0080】
本明細書に示す評価試験において、油性固形状クレンジング化粧料に含まれる成分及びその含有量を変更しながら実施した。各成分の含有量を示す単位は全て質量%であり、これを常法にて調製した。
【0081】
25℃まで自然冷却しても固形状にならなかった試料については、「‐」評価とし、下記評価試験を実施していない。
【0082】
<メイクアップ化粧料の洗浄性>
本明細書に示す「メイクアップ化粧料の洗浄性」に係る評価試験において、常法にて調製して得られた油性固形状クレンジング化粧料と、評価試験用口紅、リキッドファンデーション及びオイルマスカラを用いて、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0083】
<メイクアップ化粧料の洗浄性の評価基準>
メイクアップ化粧料の洗浄性が良い :3点
メイクアップ化粧料の洗浄性がやや良い :2点
メイクアップ化粧料の洗浄性が悪い :1点
【0084】
<メイクアップ化粧料の洗浄性の評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0085】
<容器からの取れ性>
本明細書に示す「容器からの取れ性」に係る評価試験において、常法にて調製し、20mL容量のジャー容器(グラセル社製、製品名:LOOP-20、材質;ポリプロピレン、高さ:34mm、外径:φ41.3mm、内径:φ39.7mm)に15g充填された油性固形状クレンジング化粧料を用いて、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0086】
<容器からの取れ性の評価基準>
容器からの取れ性が良い :3点
容器からの取れ性がやや良い :2点
容器からの取れ性が悪い :1点
【0087】
<容器からの取れ性の評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0088】
<肌への伸び広がり性>
本明細書に示す「肌への伸び広がり性」に係る評価試験において、常法にて調製して得られた油性固形状クレンジング化粧料を用いて、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0089】
<肌への伸び広がり性の評価基準>
肌への伸び広がり性が良い :3点
肌への伸び広がり性がやや良い :2点
肌への伸び広がり性が悪い :1点
【0090】
<肌への伸び広がり性の評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0091】
<塗布時の摩擦感のなさ>
本明細書に示す「塗布時の摩擦感のなさ」に係る評価試験において、常法にて調製して得られた油性固形状クレンジング化粧料を用いて、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0092】
<塗布時の摩擦感のなさの評価基準>
塗布時の摩擦感がない :3点
塗布時の摩擦感がややない :2点
塗布時の摩擦感がある :1点
【0093】
<肌への伸び広がり性の評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0094】
<洗い流し後のべたつきのなさ>
本明細書に示す「洗い流し後のべたつきのなさ」に係る評価試験において、常法にて調製して得られた油性固形状クレンジング化粧料を用いて、10名のパネラーにより、下記の評価基準のように評価し、その合計点を評価結果として評価した。
【0095】
<洗い流し後のべたつきのなさの評価基準>
洗い流し後のべたつきがない :3点
洗い流し後のべたつきがややある :2点
洗い流し後のべたつきがある :1点
【0096】
<洗い流し後のべたつきのなさの評価結果>
◎:25点~30点
〇:20点~24点
△:15点~19点
×:10点~14点
【0097】
<高温時の経時安定性>
本明細書に示す「高温時の経時安定性」に係る評価試験において、常法にて調製し、20mL容量のジャー容器(グラセル社製、製品名:LOOP-20、材質;ポリプロピレン、高さ:34mm、外径:φ41.3mm、内径:φ39.7mm)に15g充填された油性固形状クレンジング化粧料を、40又は50℃条件下で保存し、目視にて外観状態を確認し、下記の評価基準のように評価した。
【0098】
<高温時の経時安定性の評価基準>
◎:50℃条件下1ヶ月以上経過しても外観の変化が確認されなかった。
○:40℃条件下1ヶ月以上経過しても外観の変化が確認されなかった。
△:40℃条件下1ヶ月未満で発汗が確認された。
×:40℃条件下1ヶ月未満で液化が確認された。
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
表1の実施例1から実施例10では、固形エステル油(A)の種類及び含有量を代えても、比較例1から比較例3と比較して、25℃、1気圧で流動性のないクレンジング化粧料が得られ、かつメイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れた結果が得られた。
【0103】
【表1】
【0104】
表2の実施例11から実施例20は、液状油(B)の種類及び含有量を代えても、25℃、1気圧で流動性のないクレンジング化粧料が得られ、かつメイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れた結果が得られた。
【0105】
【表2】
【0106】
表3及び4の実施例21から実施例41では、多糖脂肪酸エステル(C)の種類及び含有量を代えても、比較例4と比較して、25℃、1気圧で流動性のないクレンジング化粧料が得られ、かつメイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れた結果が得られた。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
表5の実施例42から実施例50では、ノニオン性界面活性剤(D)の種類及び含有量を代えても、比較例5及び比較例6と比較して、25℃、1気圧で流動性のないクレンジング化粧料が得られ、かつメイクアップ化粧料の洗浄性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れた結果が得られた。
【0110】
【表5】
【0111】
表中の化合物の詳細は以下のとおりである:
※1:OILKEMIA 5S CC Polymer、Lubrizol社製
※2:DK-PGT PASTE Ti、大東化成工業社製
※3:DK-PGT PASTE R27、大東化成工業社製
※4:DK-PGT PASTE R7、大東化成工業社製
※5:エスベンWV、ホージュン社製
※6:ユニフィルマHVY、千葉製粉社製
※7:レオパールKL2、千葉製粉社製
※8:TiO2 CR-50 DSG、K.S. PEARL社製
※9:STV-455、チタン工業社製
※10:HP Iron Oxide Yellow DSG、K.S. PEARL社製
※11:HP Iron Oxide Red DSG、K.S. PEARL社製
※12:HP Iron Oxide Black DSG、K.S. PEARL社製
※13:タルク DN-SH、大日本化成社製
※14:ABL-412HP、チタン工業社製
※15:RFVB-10D-2R、大東化成工業社製
※16:AEROSIL R972、日本アエロジル社製
※17:レオパールTL2、千葉製粉社製
※18:レオパールTT2、千葉製粉社製
※19:レオパールMKL2、千葉製粉社製
※20:レオパールWX、千葉製粉社製
※21:レオパールISK2、千葉製粉社製
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、メイクアップ化粧料の洗浄性、容器からの取れ性及び肌への伸び広がり性に優れ、洗い流し後のべたつきがなく、かつ高温時の経時安定性に優れた油性固形状クレンジング化粧料を提供することができる。