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特開2024-136974半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136974
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/50 20230101AFI20240927BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20240927BHJP
   H10B 43/20 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 43/23 20230101ALI20240927BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240927BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B43/50
H01L27/00 301C
H01L27/00 301B
H10B43/20
H10B43/23
H10B43/27
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048297
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池戸 昭仁
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP17
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP44
5F083EP76
5F083ER02
5F083ER03
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA03
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA03
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA18
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR28
5F101BA42
5F101BA44
5F101BA46
5F101BB02
5F101BB08
5F101BC01
5F101BC02
5F101BC11
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BH23
(57)【要約】
【課題】リプレース時に片持ち梁がたわむリスクを低減させることができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の半導体記憶装置は、第1半導体層と、第2半導体層と、第3半導体層と、第1絶縁層と、第1絶縁層の上方に設けられ、複数の第1導電層と複数の第2絶縁層とが第1方向に交互に積層された積層体と、積層体を第1方向に貫通し、第4半導体層を含み、第4半導体層の側面が第2半導体層に接するピラーと、積層体を第1方向に貫通し、積層体を第1方向と交差する第2方向に分離し、第1方向、および第1方向および第2方向と交差する第3方向に延び、第1半導体層に達する分離部と、を有する。分離部は、下端が第1半導体層に達し、上端が第1半導体層の上面より上方に位置する第1部分と、第1部分の上方に位置する第2部分とを有し、第1部分の上端の第2方向の幅は、第2部分の下端の第2方向の幅よりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、
前記第1半導体層の上方に接して設けられた第2半導体層と、
前記第2半導体層の上方に接して設けられた第3半導体層と、
前記第3半導体層の上方に接して設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上方に設けられ、複数の第1導電層と複数の第2絶縁層とが第1方向に交互に積層された積層体と、
前記積層体を前記第1方向に貫通し、第4半導体層を含み、前記第4半導体層の側面が前記第2半導体層に接するピラーと、
前記積層体を前記第1方向に貫通し、前記積層体を前記第1方向と交差する第2方向に分離し、前記第1方向、および前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延び、前記第1半導体層に達する分離部と、
を有し、
前記分離部は、下端が前記第1半導体層に達し、上端が前記第1半導体層の上面より上方に位置する第1部分と、前記第1部分の上方に位置する第2部分とを有し、
前記第1部分の上端の前記第2方向の幅は、第2部分の下端の前記第2方向の幅よりも大きい、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1部分と前記第2部分の境界は、前記積層体の下層から2番目の第2絶縁層と下層から3番目の第1導電層との境界に設けられる請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記分離部は、前記積層体を複数のブロックに分離する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
第1半導体層を形成し、
前記第1半導体層上に第2半導体層を形成し、
前記第2半導体層上に第3半導体層を形成し、
前記第3半導体層上に第1絶縁層を形成し、
前記第1絶縁層上に複数の第1導電層と複数の第2絶縁層とが第1方向に交互に積層された第1積層体を形成し、
前記第1積層体を前記第1方向に貫通し、前記第1積層体を前記第1方向と交差する第2方向に分離し、前記第1方向、および前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延び、下端が前記第1半導体層に達し、上端が前記第1半導体層の上面より上方に位置する第1スリットを形成し、
第1積層体上に複数の第2導電層と複数の第3絶縁層とが前記第1方向に交互に積層された第2積層体を形成し、
前記第1積層体及び前記第2積層体を前記第1方向に貫通し、前記第2半導体層に側面が接する第4半導体層を含むピラーを形成し、
前記第2積層体を前記第1方向に貫通し、前記第2方向に分離し、前記第3方向に延び、下端が前記第1スリットの上端に達し、下端の前記第2方向の幅が前記第1スリットの上端の前記第2方向の幅よりも小さい第2スリットを形成する、半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種として、3次元のフラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-165132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、リプレース時に片持ち梁がたわむリスクを低減させることができる半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の半導体記憶装置は、第1半導体層と、第2半導体層と、第3半導体層と、第1絶縁層と、第1絶縁層の上方に設けられ、複数の第1導電層と複数の第2絶縁層とが第1方向に交互に積層された積層体と、積層体を第1方向に貫通し、第4半導体層を含み、第4半導体層の側面が第2半導体層に接するピラーと、積層体を第1方向に貫通し、積層体を第1方向と交差する第2方向に分離し、第1方向、および第1方向および第2方向と交差する第3方向に延び、第1半導体層に達する分離部と、を有する。分離部は、下端が第1半導体層に達し、上端が第1半導体層の上面より上方に位置する第1部分と、第1部分の上方に位置する第2部分とを有し、第1部分の上端の第2方向の幅は、第2部分の下端の第2方向の幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の半導体記憶装置1の断面図である。
図2】メモリセル部分における柱状部CLの模式的断面図である。
図3】第1の実施形態の半導体装置における主要部の構成を説明する。
図4】第1の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図13】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図14】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図15】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図16】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図17】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図18】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図19】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図20】第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図21】第2の実施形態の主要部の構成を示すY方向に沿った断面図である。
図22】第2の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
図23】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図24】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図25】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図26】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図27】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図28】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図29】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図30】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図31】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図32】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図33】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図34】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図35】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図36】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図37】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図38】第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図39】第3の実施形態の主要部の構成を示すY方向に沿った断面図である。
図40】第3の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
図41】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図42】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図43】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図44】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図45】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図46】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図47】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図48】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図49】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図50】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図51】第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
図52】ショット領域の一例を示す図である。
図53】犠牲層パターンのマークの一例を示す断面図である。
図54】スリットSTのパターンのマークの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の半導体記憶装置1の断面図である。
以下、後述する積層体20の積層方向をZ方向とする。Z方向と交差、例えば、直交する1つの方向をY方向とする。Z及びY方向のそれぞれと直交する1つの方向をX方向とする。
【0008】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、メモリチップ2と、コントローラチップ3とを備える。メモリチップ2とコントローラチップ3とは、貼合面Bにおいて貼合されており、貼合面Bにおいて接合された貼合電極P1と貼合電極P2、および貼合電極P1と貼合電極P2に接続された配線を介して互いに電気的に接続されている。図1は、コントローラチップ3の上面上にメモリチップ2が搭載された状態を示している。
【0009】
コントローラチップ3は、基板11と、処理回路12と、ビア13と、配線14と、貼合電極P2と、層間絶縁膜15とを備える。
【0010】
基板11は、例えば、シリコン基板等の半導体基板である。処理回路12は、基板11上に設けられたトランジスタを備える。処理回路12は、トランジスタ以外に、さらに基板11上に設けられた抵抗素子、容量素子等の半導体素子を備えても良い。
【0011】
ビア13は、処理回路12と配線14との間、及び、配線14と貼合電極P2との間を電気的に接続する。配線14と貼合電極P2は、層間絶縁膜15内において多層配線構造を構成する。貼合電極P2は、層間絶縁膜15内に埋め込まれている。貼合電極P2の表面の少なくとも一部は、層間絶縁膜15の表面にほぼ面一に露出されている。配線14と貼合電極P2は、処理回路12等に電気的に接続される。ビア13、配線14及び貼合電極P2には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属が用いられる。層間絶縁膜15は、処理回路12、ビア13、及び配線14を被覆し保護する。層間絶縁膜15には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。
【0012】
メモリチップ2は、積層体20と、柱状部CLと、スリットSTと、ソース層SLと、層間絶縁膜21と、コンタクト22と、絶縁膜23と、配線24と、絶縁膜25と、ビア26と、配線27とを備えている。
【0013】
積層体20は、処理回路12の上方に設けられており、基板11に対してZ方向に位置する。積層体20は、Z方向に沿って交互に積層された複数の電極膜20aおよび複数の絶縁膜20bを備える。電極膜20aには、例えば、タングステン等の導電性金属が用いられる。絶縁膜20bには、例えば、シリコン酸化物等の絶縁膜が用いられる。絶縁膜20bは、電極膜20a同士を絶縁する。即ち、複数の電極膜20aは、相互に絶縁状態で積層されている。電極膜20aおよび絶縁膜20bのそれぞれの積層数は、任意である。絶縁膜20bは、例えば、ポーラス絶縁膜またはエアギャップであってもよい。
【0014】
なお、図1において、2sは、各電極膜20aにコンタクトを接続するために設けられた電極膜20aの階段部分である。また、メモリチップ2は、ソースコンタクトSCを有する。ソースコンタクトSCの一端は、ソース層SLに電気的に接続され、他端は、貼合電極P1に電気的に接続されている。
【0015】
積層体20のZ方向の上端および下端の1つまたは複数の電極膜20aは、それぞれソース側選択ゲートSGSおよびドレイン側選択ゲートSGDとして機能する。ソース側選択ゲートSGSとドレイン側選択ゲートSGDとの間の電極膜20aは、ワード線WLとして機能する。ワード線WLは、メモリセルMTのゲート電極である。ドレイン側選択ゲートSGDは、ドレイン側選択トランジスタのゲート電極である。ソース側選択ゲートSGSは、ソース側選択トランジスタのゲート電極である。ソース側選択ゲートSGSは、積層体20の上部領域に設けられる。ドレイン側選択ゲートSGDは、積層体20の下部領域に設けられる。下部領域は、積層体20の、コントローラチップ3に近い側の領域を指し、上部領域は、積層体20の、コントローラチップ3から遠い側(コンタクト22と絶縁膜25に近い側)の領域を指す。
【0016】
上述したように、半導体記憶装置1は、ソース側選択トランジスタST2とドレイン側選択トランジスタST1との間に直列に接続された複数のメモリセルMTを有する。NANDストリングNSは、ソース側選択トランジスタST2、メモリセルMT及びドレイン側選択トランジスタST1が直列に接続された構造を有する。NANDストリングNSは、例えば、ビア26を介してビット線BLに接続される。ビット線BLは、積層体20の下方に設けられ、Y方向に延在している配線27である。
【0017】
複数の柱状部CLが、積層体20内に設けられている。柱状部CLは、積層体20内において、積層体20の積層方向(Z方向)に該積層体20を貫通するように延在し、ビット線BLに接続されたビア26からソース層SLまで設けられている。尚、本実施形態において、柱状部CLは、高アスペクト比であるため、Z方向に2段に分けて形成している。しかし、柱状部CLは、1段であってもよい。ソース側選択トランジスタST2及びドレイン側選択トランジスタは、柱状部CLの一部を含む。
【0018】
図2は、メモリセル部分における柱状部CLの模式的断面図である。複数の柱状部CLのそれぞれは、積層体20内に設けられたメモリホールMH内に設けられている。複数の柱状部CLは、それぞれ、半導体ボディMB、メモリ膜MM及びコア層MCを含む。柱状部CLは、その中心部に設けられたコア層MC、該コア層MCの周囲に設けられた半導体ボディ(半導体部材)MB、および、該半導体ボディMBの周囲に設けられたメモリ膜(電荷蓄積部材)MMを含む。半導体ボディMBは、ソース層SLと電気的に接続されている。メモリ膜MMは、半導体ボディMBと電極膜20aとの間に設けられ、例えば、外側から、トンネル絶縁膜、電荷捕獲膜、およびブロック絶縁膜を含む積層である。X-Y平面におけるメモリホールMHの形状は、例えば、円又は楕円である。
【0019】
図1に戻り、積層体20内には、複数のスリットSTが設けられている。スリットSTは、X方向に延在し、かつ、積層体20の積層方向(Z方向)に該積層体20を貫通している。スリットST内には、シリコン酸化物等の絶縁材料が充填されており、絶縁材料は板状に構成される。積層体20は、スリットSTにより、ブロックBLK毎に分断されている。スリットSTは、積層体20の電極膜20aを電気的に分断している。隣接する2つのスリットSTが1つのブロックBLKを挟むように、複数のスリットSTが形成されている。
【0020】
次に、図3を用いて、第1の実施形態の半導体装置における主要部の構成を説明する。図3は、実施形態の主要部の構成を示すY方向に沿った断面図である。ここでは、説明のために、スリットSTとメモリピラーMPを示す。図4は、第1の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
【0021】
シリコン基板10上には絶縁層31が設けられる。絶縁層31は、例えばシリコン酸化層を含む。
【0022】
絶縁層31上には複数の導電層32、33、34及び35が設けられる。具体的には、絶縁層31上に導電層32が設けられる。導電層32上に導電層33が設けられる。導電層33上に導電層34が設けられる。さらに、導電層34上に導電層35が設けられる。導電層32、33、34及び35は、ソース線SLとして機能する。
【0023】
導電層32は、金属を含む、例えばタングステンシリサイド(WSi)により形成される。なお、導電層32を設けない構成としてもよい。導電層33及び34は、例えば不純物が添加された多結晶シリコン層を含む。不純物は、例えばリン(P)またはヒ素(As)である。導電層35は、例えば不純物が添加されていない多結晶シリコン層を含む。
【0024】
導電層35上には絶縁層36が設けられる。絶縁層36は、例えばシリコン酸化層を含む。
【0025】
絶縁層36上には積層体20を構成する複数の電極膜20aおよび複数の絶縁膜20bが交互に積層される。電極膜20aは、例えばタングステン(W)を含む。絶縁膜20bは、例えばシリコン酸化膜を含む。電極膜20a上には、絶縁層37が設けられる。絶縁層37上には、絶縁層38が設けられる。絶縁層37及び38は、例えばシリコン酸化膜を含む。
【0026】
導電層33~35、複数の電極膜20a、複数の絶縁膜20b、及び、絶縁層37内には、メモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPは、シリコン基板10面に直交するZ方向に延伸した柱状構造を有する。
【0027】
スリットSTは、メモリセルアレイの積層体20をブロック単位に電気的に分離する。スリットSTは、導電層33~35、絶縁層36、積層体20、及び、絶縁層37内に設けられる。スリットSTは、X方向およびZ方向に延伸した板状構造を有する。
【0028】
スリットSTは、第1形状(第1部分)S1と、第1形状S1上に設けられた第2形状(第2部分)S2とを持つ2段形状を有する。第1形状S1は、導電層33、34、35、絶縁層36、及び、下から2段目の絶縁膜20b内に設けられる。第1形状S1は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。第1形状S1は、導電層35内から上の幅が導電層35内から下の幅より大きい。
【0029】
第2形状S2は、2段目の絶縁膜20bよりも上の電極膜20a、の絶縁膜20b、及び絶縁層37内に設けられる。第2形状S2は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。さらに、第1形状S1の上面の幅は、第2形状S2の下面の幅より大きい。
【0030】
第1形状S1と第2形状S2との境界は、下から2番目の絶縁膜20bと下から3番目の電極膜20aとの境界(あるいは間)に存在する。第1形状S1及び第2形状S2は、例えばシリコン酸化層等の絶縁層を含む。
【0031】
メモリピラーMPおよびスリットSTは、下層に進むに従い先細りの形状を有する。そのため、下層の片持ち梁の長さが上層の片持ち梁の長さより長くなってしまうため、リプレース時に片持ち梁がたわむことがある。
【0032】
本実施形態では、スリット拡幅部を構成する第1形状S1の幅を第2形状の幅よりも大きくすることで、下層の片持ち梁の長さが短くし、リプレース時に片持ち梁がたわむリスクを低減している。
【0033】
なお、図4に示すように、絶縁層38、絶縁層37、スリットSTの内部および底部を貫通して導電層33に達する導電膜を埋め込んで配線LIを形成し、ソース線SL(導電層32、33、34及び35)に対して電圧を供給するようにしてもよい。
【0034】
次に、第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について、図5図20を用いて説明する。図5図20は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
【0035】
まず、図5に示すように、半導体基板80の上面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術などを用いて、シリコン酸化膜81、タングステンシリサイド膜82、ポリシリコン膜83、シリコン酸化膜84a、ポリシリコン膜(または窒化シリコン膜)85、シリコン酸化膜84b、ポリシリコン膜86、シリコン酸化膜87を、順に成膜する。続いて、シリコン酸化膜87の上面に、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とを交互に成膜する。図5では、一例として、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる積層膜を、2層形成した構造を示している。なお、積層膜は3層以上であってもよい。
【0036】
続いて、図6に示すように、最上層のシリコン酸化膜89の上面に、エッチングマスク膜90を形成する。エッチングマスク膜90は、例えば、アモルファスカーボン膜である。フォトリソグラフィ技術と、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用い、スリット拡幅部(第1形状S1)が形成される領域のエッチングマスク膜90を選択的に除去する。なお、エッチングマスク膜90は、レジスト膜であってもよい。エッチングマスク膜90がレジスト膜である場合、フォトリソグラフィ技術のみを用いて、エッチングマスク膜90を形成する。例えば、最上層のシリコン酸化膜89の表面に、レジストをスピンコート法などによって塗布し、プリベーク後、露光技術を用いてレジストにスリット拡幅部のパターンを転写する。現像液に浸透させて、スリット拡幅部用溝が形成される領域のレジストを除去し、エッチングマスク膜90を形成する。このとき、開口部の幅は、後に形成されるスリットSTの幅よりも広く形成される。
【0037】
続いて、異方性エッチング技術を用い、エッチングマスク膜90の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89からなる積層膜、シリコン酸化膜87、及び、ポリシリコン膜86を順にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜86は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口の底面にポリシリコン膜86を露出させる。上述のエッチングが終了したら、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜90を除去する(図7)。このエッチングにより、スリット拡幅部用溝が形成される。
【0038】
次に、CVD技術などを用いて、半導体基板80の上方全面にシリコン窒化膜91を成膜する。続いて、異方性エッチング技術やCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術などを用い、シリコン酸化膜89をストッパーとしてシリコン窒化膜91をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜89(シリコン酸化膜89が複数層形成されている場合は、最上層のシリコン酸化膜89)の上面位置より上方のシリコン窒化膜91を除去し、図8に示すように、スリット拡幅部用溝内にシリコン窒化膜91を埋め込む。
【0039】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とを交互に成膜する。図9では、一例として、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる積層膜を、5層形成した構造を示している。さらに、CVD技術などを用いて、シリコン酸化膜92を成膜する。そして、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリホールMH形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてメモリホールMHを形成する。具体的には、まず、図示しないエッチングマスク膜の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜92、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる複数の積層膜、シリコン酸化膜87、ポリシリコン膜86、シリコン酸化膜84b、ポリシリコン膜85、シリコン酸化膜84a、ポリシリコン膜83を、順にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜83は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口部の底面にポリシリコン膜83を露出させる。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する。
【0040】
次に、メモリホールMH内に、メモリピラーMPを形成する。メモリピラーMPは、メモリ膜93、チャネルボディ膜94、コア絶縁膜95により構成される。まず、ALD(Atmic Layer Deposition)法などを用いて、シリコン酸化膜(ブロック絶縁膜)、シリコン窒化膜(チャージトラップ膜)、シリコン酸化膜(トンネル絶縁膜)、を順に成膜する。これらの3つの膜によりメモリ膜93が形成される。さらに、ALD法などを用いて、ポリシリコン膜(チャネルボディ膜94)、シリコン酸化膜(コア絶縁膜95)を順に成膜する。異方性エッチング技術やCMP技術などを用い、シリコン酸化膜92をストッパーとしてこれらの膜をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜92の上面位置より上方の膜を除去し、図9に示すように、メモリホールMH内にメモリピラーMPを形成する。
【0041】
続いて、フォトリソグラフィ技術を用い、スリットST形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてスリットSTを形成する。このとき、開口部の幅は、スリット拡幅部用溝の幅よりも狭く形成される。スリットSTの形成は、2段階に分けて行う。まず、1段階目のエッチングとして、開口部から露出している領域を、下方に向かってポリシリコン膜86の途中までエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜92、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる複数の積層膜、シリコン窒化膜91、ポリシリコン膜86を、順にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜86は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口部の底面にポリシリコン膜86を露出させる(図10)。
【0042】
なお、図9では図示を省略したが、スリットSTを形成する前に、不図示のシリコン酸化膜をシリコン酸化膜92およびメモリピラーMPを覆うように成膜する。これにより、形成したスリットSTを介してポリシリコン膜(または窒化シリコン膜)85を除去する薬液によって、メモリピラーMPを構成するポリシリコン膜(または窒化シリコン膜)が侵されることを防ぐことができる。なお、他の実施形態でも、同様に、シリコン酸化膜の成膜について図示が省略されている。
【0043】
続いて、2段階目のエッチングとして、開口部から露出している領域を、さらに下方に向かってエッチングする。すなわち、ポリシリコン膜85をストッパーとして、ポリシリコン膜86と、シリコン酸化膜84bとをエッチングする。このエッチングにより、開口部の底面にポリシリコン膜85を露出させる。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する(図11)。
【0044】
次に、CVD法などを用いて、半導体基板80上方の露出している面の全面にシリコン窒化膜96を成膜する。すなわち、シリコン酸化膜92の上面と、スリットSTの側面及び底面に、シリコン窒化膜96が形成される。引き続き、異方性エッチング技術を用いてシリコン窒化膜96をエッチバックする。これにより、シリコン酸化膜92の上面とスリットSTの底面のシリコン窒化膜96を選択的に除去し、スリットST側面のシリコン窒化膜96を残すことができる(図12)。
【0045】
続いて、薬液などを用いた等方性エッチング技術などにより、ポリシリコン膜85をエッチングする(図13)。これにより、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分に、メモリピラーMPの外側壁の一部が露出する。引き続き、薬液などを用いた等方性エッチングにより、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分に露出しているメモリ膜93と、シリコン酸化膜84a、84bを除去する。これにより、メモリ膜93の一部が除去されて、チャネルボディ膜94が空洞部分に露出する(図14)。なお、スリットSTの側面に形成されたシリコン窒化膜96は、メモリ膜93をエッチングする際に、スリットSTの側方に積層されているシリコン酸化膜87、89、92がエッチングされるのを防止する。
【0046】
次に、CVD技術などを用いて、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分にポリシリコン膜97を充填する。これにより、タングステンシリサイド膜82、ポリシリコン膜83、ポリシリコン膜97、ポリシリコン膜86、の4層の導電膜が積層される。これらの導電膜層は、ソース線SLとして機能する。また、ポリシリコン膜97を充填することによって、ソース線SLとチャネルボディ膜94とが電気的に接続される。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜92の表面やスリットST内に成膜されたポリシリコン膜85を除去する。このエッチバック処理により、スリットST下方のポリシリコン膜83も一部除去される。すなわち、ポリシリコン膜83のハーフエッチングにより、スリットSTの底面および底面近傍の側面からポリシリコン膜83が露出する(図15)。
【0047】
次に、熱酸化処理により、スリットSTの内壁(底面や側面)に露出しているポリシリコン膜83、97、86の表面に熱酸化膜98を形成する(図16)。引き続き、薬液などを用いた等方性エッチング技術により、シリコン窒化膜を選択的に除去する。この等方性エッチングにより、スリットSTの側面に形成されたシリコン窒化膜96が除去される。また、拡幅部のシリコン窒化膜91も除去される。さらに、スリットSTの側面に露出したシリコン窒化膜88が除去される。これにより、スリットSTの内部、及び、シリコン酸化膜87、89、92に上下を挟まれた領域に、空洞部分が形成される(図17)。
【0048】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88が除去された空洞部分にタングステン膜などの導電膜99を充填する。この導電膜99は、ソース側選択ゲートSGS、ドレイン側選択ゲートSGD、ワード線WLとして機能する。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜92の表面やスリットST内に成膜された導電膜99を除去する(図18)。
【0049】
続いて、CVD法などを用いてシリコン酸化膜101を成膜する。引き続き、CMP技術などを用い、シリコン酸化膜101をエッチングする。これにより、スリットST内にシリコン酸化膜101を埋め込む。最後に、CVD法などを用いて、半導体基板80の上方全面にシリコン酸化膜102を成膜してメモリピラーMPの上面を絶縁膜で覆い、スリットSTの形成を終了する(図19)。以上の手順を実行することにより、図3に示す構造が形成される。
【0050】
なお、シリコン酸化膜102より上方に形成される図示しない配線から、ソース線SLに対して電圧を供給する配線LIを形成する場合、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、シリコン酸化膜102およびスリットST内のシリコン酸化膜101を貫通し、スリットST底部のポリシリコン膜83に達する溝を形成する。当該溝内に導電膜を埋め込んで配線LIを形成する(図20)。以上の手順を実行することにより、図4に示す構造が形成される。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、図21を用いて、第2の実施形態の半導体装置における主要部の構成を説明する。図21は、第2の実施形態の主要部の構成を示すY方向に沿った断面図である。図22は、第2の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
【0052】
第2の実施形態では、スリットSTの第1形状S1の形状が第1の実施形態と異なる。図21に示すように、第1形状S1は、導電層33、34、35、絶縁層36、及び、下から2段目の絶縁膜20b内に設けられる。第1形状S1は、上層から下層に進むに従い徐々に先細る形状を有する。その他の構造は第1の実施形態と同様である。
【0053】
なお、図21に示すように、絶縁層38、絶縁層37、スリットSTの内部および底部を貫通して導電層33に達する導電膜を埋め込んで配線LIを形成し、ソース線SL(導電層32、33、34及び35)に対して電圧を供給するようにしてもよい。
【0054】
次に、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について、図23図38を用いて説明する。図23図38は、第2の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
【0055】
まず、図23に示すように、半導体基板80の上面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術などを用いて、シリコン酸化膜81、タングステンシリサイド膜82、ポリシリコン膜83、シリコン酸化膜84a、ポリシリコン膜85、シリコン酸化膜84b、ポリシリコン膜86、シリコン酸化膜87を、順に成膜する。続いて、シリコン酸化膜87の上面に、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とを交互に成膜する。図23では、一例として、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる積層膜を、2層形成した構造を示している。なお、積層膜は3層以上であってもよい。
【0056】
続いて、図24に示すように、最上層のシリコン酸化膜89の上面に、エッチングマスク膜90を形成する。エッチングマスク膜90は、例えば、アモルファスカーボン膜である。フォトリソグラフィ技術と、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用い、スリット拡幅部が形成される領域のエッチングマスク膜90を選択的に除去する。なお、エッチングマスク膜90は、レジスト膜であってもよい。エッチングマスク膜90がレジスト膜である場合、フォトリソグラフィ技術のみを用いて、エッチングマスク膜90を形成する。例えば、最上層のシリコン酸化膜89の表面に、レジストをスピンコート法などによって塗布し、プリベーク後、露光技術を用いてレジストにスリット拡幅部(第1形状S1)のパターンを転写する。現像液に浸透させて、スリット拡幅部用溝が形成される領域のレジストを除去し、エッチングマスク膜90を形成する。このとき、開口部の幅は、後に形成されるスリットSTの幅よりも広く形成される。
【0057】
続いて、異方性エッチング技術を用い、エッチングマスク膜90の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89からなる積層膜、シリコン酸化膜87、及び、ポリシリコン膜86を順にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜86は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口の底面にポリシリコン膜86を露出させる。上述のエッチングが終了したら、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜90を除去する(図25)。このエッチングにより、スリット拡幅部用溝が形成される。
【0058】
次に、CVD技術などを用いて、半導体基板80の上方全面にシリコン窒化膜91を成膜する。続いて、異方性エッチング技術やCMP技術などを用い、シリコン酸化膜89をストッパーとしてシリコン窒化膜91をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜89(シリコン酸化膜89が複数層形成されている場合は、最上層のシリコン酸化膜89)の上面位置より上方のシリコン窒化膜91を除去し、図26に示すように、スリット拡幅部用溝内にポリシリコン膜111を埋め込む。なお、ポリシリコン膜111に代えてタングステン膜をスリット拡幅部用溝内に埋め込むようにしてもよい。
【0059】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とを交互に成膜する。図27では、一例として、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる積層膜を、5層形成した構造を示している。さらに、CVD技術などを用いて、シリコン酸化膜92を成膜する。そして、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリホールMH形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてメモリホールMHを形成する。具体的には、まず、図示しないエッチングマスク膜の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜92、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる複数の積層膜、シリコン酸化膜87、ポリシリコン膜86、シリコン酸化膜84b、ポリシリコン膜85、シリコン酸化膜84a、ポリシリコン膜83を、順にエッチングする。このとき、ポリシリコン膜83は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口部の底面にポリシリコン膜83を露出させる。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する。
【0060】
次に、メモリホールMH内に、メモリピラーMPを形成する。メモリピラーMPは、メモリ膜93、チャネルボディ膜94、コア絶縁膜95により構成される。まず、ALD(Atmic Layer Deposition)法などを用いて、シリコン酸化膜(ブロック絶縁膜)、シリコン窒化膜(チャージトラップ膜)、シリコン酸化膜(トンネル絶縁膜)、を順に成膜する。これらの3つの膜によりメモリ膜93が形成される。さらに、ALD法などを用いて、ポリシリコン膜(チャネルボディ膜94)、シリコン酸化膜(コア絶縁膜95)を順に成膜する。異方性エッチング技術やCMP技術などを用い、シリコン酸化膜92をストッパーとしてこれらの膜をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜92の上面位置より上方の膜を除去し、図27に示すように、メモリホールMH内にメモリピラーMPを形成する。
【0061】
続いて、フォトリソグラフィ技術を用い、スリットST形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてスリットSTを形成する。このとき、開口部の幅は、スリット拡幅部用溝の幅よりも狭く形成される。スリットSTの形成は、開口部から露出している領域を、ポリシリコン膜111の上面(拡幅部の表面)までエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜92、シリコン窒化膜88とシリコン酸化膜89とからなる複数の積層膜を、順にエッチングする。このエッチングにより、開口部の底面にポリシリコン膜111を露出させる。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する(図28)。
【0062】
続いて、薬液などを用いた等方性エッチング技術などにより、ポリシリコン膜111をエッチングする(図29)。
【0063】
次に、CVD法などを用いて、半導体基板80上方の露出している面の全面にシリコン窒化膜96を成膜する。すなわち、シリコン酸化膜92の上面と、スリットSTの側面及び底面に、シリコン窒化膜96が形成される。引き続き、異方性エッチング技術を用いてシリコン窒化膜96をエッチバックする。これにより、シリコン酸化膜92の上面とスリットSTの底面のシリコン窒化膜96を選択的に除去し、スリットST側面のシリコン窒化膜96を残すことができる。続いて、セルフアラインの異方性エッチング技術などにより、スリットSTの底面のシリコン酸化膜84bを除去する(図30)。なお、上記エッチバック時にオーバーエッチングを行い、シリコン窒化膜96とシリコン酸化膜84bを連続的に除去してもよい。
【0064】
続いて、薬液などを用いた等方性エッチング技術などにより、ポリシリコン膜85をエッチングする(図31)。これにより、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分に、メモリピラーMPの外側壁の一部が露出する。引き続き、薬液などを用いた等方性エッチングにより、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分に露出しているメモリ膜93と、シリコン酸化膜84a、84bを除去する。これにより、メモリ膜93の一部が除去されて、チャネルボディ膜94が空洞部分に露出する(図32)。なお、スリットSTの側面に形成されたシリコン窒化膜96は、メモリ膜93をエッチングする際に、スリットSTの側方に積層されているシリコン酸化膜87、89、92がエッチングされるのを防止する。
【0065】
次に、CVD技術などを用いて、ポリシリコン膜85が除去された空洞部分にポリシリコン膜97を充填する。これにより、タングステンシリサイド膜82、ポリシリコン膜83、ポリシリコン膜97、ポリシリコン膜86、の4層の導電膜が積層される。これらの導電膜層は、ソース線SLとして機能する。また、ポリシリコン膜97を充填することによって、ソース線SLとチャネルボディ膜94とが電気的に接続される。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜92の表面やスリットST内に成膜されたポリシリコン膜85を除去する。このエッチバック処理により、スリットST下方のポリシリコン膜83も一部除去される。すなわち、ポリシリコン膜83のハーフエッチングにより、スリットSTの底面および底面近傍の側面からポリシリコン膜83が露出する(図33)。
【0066】
次に、熱酸化処理により、スリットSTの内壁(底面や側面)に露出しているポリシリコン膜83、97、86の表面に熱酸化膜98を形成する(図34)。引き続き、薬液などを用いた等方性エッチング技術により、シリコン窒化膜を選択的に除去する。この等方性エッチングにより、スリットSTの側面に形成されたシリコン窒化膜96が除去される。また、拡幅部のシリコン窒化膜91も除去される。さらに、スリットSTの側面に露出したシリコン窒化膜88が除去される。これにより、スリットSTの内部、及び、シリコン酸化膜87、89、92に上下を挟まれた領域に、空洞部分が形成される(図35)。
【0067】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜88が除去された空洞部分にタングステン膜などの導電膜99を充填する。この導電膜99は、ソース側選択ゲートSGS、ドレイン側選択ゲートSGD、ワード線WLとして機能する。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜92の表面やスリットST内に成膜された導電膜99を除去する(図36)。
【0068】
続いて、CVD法などを用いてシリコン酸化膜101を成膜する。引き続き、CMP技術などを用い、シリコン酸化膜101をエッチングする。これにより、スリットST内にシリコン酸化膜101を埋め込む。最後に、CVD法などを用いて、半導体基板80の上方全面にシリコン酸化膜102を成膜してメモリピラーMPの上面を絶縁膜で覆い、スリットSTの形成を終了する(図37)。以上の手順を実行することにより、図21に示す構造が形成される。
【0069】
なお、シリコン酸化膜102より上方に形成される図示しない配線から、ソース線SLに対して電圧を供給する配線LIを形成する場合、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、シリコン酸化膜102およびスリットST内のシリコン酸化膜101を貫通し、スリットST底部のポリシリコン膜83に達する溝を形成する。当該溝内に導電膜を埋め込んで配線LIを形成する(図38)。以上の手順を実行することにより、図22に示す構造が形成される。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、図39を用いて、第3の実施形態の半導体装置における主要部の構成を説明する。図39は、第3の実施形態の主要部の構成を示すY方向に沿った断面図である。図40は、第3の実施形態の主要部の他の構成を示すY方向に沿った断面図である。
【0071】
絶縁層41上には、導電層42が設けられる。導電層42上には、絶縁層43が設けられる。絶縁層43上には積層体20を構成する複数の電極膜20aおよび複数の絶縁膜20bが交互に積層される。絶縁膜20a上には絶縁層44が設けられる。
【0072】
絶縁層43、複数の電極膜20a、複数の絶縁膜20b、及び、絶縁層44内には、メモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPは、絶縁層41面に直交するZ方向に延伸した柱状構造を有する。メモリピラーMPのチャネルボディ膜の一部は、絶縁層43から突出(露出)させ、導電層42に接続される。
【0073】
スリットSTは、絶縁層43、積層体20、及び、絶縁層44内に設けられる。スリットSTは、第1形状S1と、第1形状S1上に設けられた第2形状S2とを持つ2段形状を有する。
【0074】
第1形状S1は、絶縁層43及び下から2段目の絶縁膜20b内に設けられる。第1形状S1は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。
【0075】
第2形状S2は、2段目の絶縁膜20bよりも上の電極膜20a、の絶縁膜20b、及び絶縁層44内に設けられる。第2形状S2は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。さらに、第1形状S1の上面の幅は、第2形状S2の下面の幅より大きい。
【0076】
スリットSTは、メモリセルアレイの積層体20をブロック単位に電気的に分離する。スリットSTは、導電層33~35、絶縁層36、積層体20、及び、絶縁層37内に設けられる。スリットSTは、X方向およびZ方向に延伸した板状構造を有する。
【0077】
スリットSTは、第1形状S1と、第1形状S1上に設けられた第2形状S2とを持つ2段形状を有する。第1形状S1は、導電層33、34、35、絶縁層36、及び、下から2段目の絶縁膜20b内に設けられる。第1形状S1は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。第1形状S1は、導電層35内から上の幅が導電層35内から下の幅より大きい。
【0078】
第2形状S2は、2段目の絶縁膜20bよりも上の電極膜20a、の絶縁膜20b、及び絶縁層37内に設けられる。第2形状S2は、Y方向に沿った断面において、上面の幅が底面(あるいは下面)の幅より大きい。さらに、第1形状S1の上面の幅は、第2形状S2の下面の幅より大きい。
【0079】
第1形状S1と第2形状S2との境界は、下から2番目の絶縁膜20bと下から3番目の電極膜20aとの境界(あるいは間)に存在する。第1形状S1及び第2形状S2は、例えばシリコン酸化層等の絶縁層を含む。
【0080】
このような構造により、第1の実施形態と同様に、スリット拡幅部を構成する第1形状S1の幅を第2形状の幅よりも大きくすることで、下層の片持ち梁の長さが短くし、リプレース時に片持ち梁がたわむリスクを低減している。
【0081】
次に、第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について、図41図51を用いて説明する。図41図51は、第3の実施形態の半導体装置の製造工程の一例を示す断面図である。
【0082】
まず、図41に示すように、半導体基板80の上面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術などを用いて、シリコン酸化膜121を成膜する。続いて、シリコン酸化膜121の上面に、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とを交互に成膜する。図41では、一例として、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とからなる積層膜を、2層形成した構造を示している。なお、積層膜は3層以上であってもよい。
【0083】
続いて、図42に示すように、最上層のシリコン酸化膜123の上面に、エッチングマスク膜124を形成する。エッチングマスク膜124は、例えば、アモルファスカーボン膜である。フォトリソグラフィ技術と、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用い、スリット拡幅部(第1形状S1)が形成される領域のエッチングマスク膜124を選択的に除去する。なお、エッチングマスク膜124は、レジスト膜であってもよい。エッチングマスク膜124がレジスト膜である場合、フォトリソグラフィ技術のみを用いて、エッチングマスク膜124を形成する。例えば、最上層のシリコン酸化膜123の表面に、レジストをスピンコート法などによって塗布し、プリベーク後、露光技術を用いてレジストにスリット拡幅部のパターンを転写する。現像液に浸透させて、スリット拡幅部用溝が形成される領域のレジストを除去し、エッチングマスク膜124を形成する。このとき、開口部の幅は、後に形成されるスリットSTの幅よりも広く形成される。
【0084】
続いて、異方性エッチング技術を用い、エッチングマスク膜124の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123からなる積層膜、及び、シリコン酸化膜121を順にエッチングする。このエッチングにより、開口の底面にシリコン基板80を露出させる。上述のエッチングが終了したら、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜124を除去する。このエッチングにより、スリット拡幅部用溝が形成される。
【0085】
続いて、熱酸化処理により、スリットSTの底面に露出しているシリコン基板80の表面に熱酸化膜125を形成する(図43)。
【0086】
次に、CVD技術などを用いて、半導体基板80の上方全面にシリコン窒化膜126を成膜する。続いて、異方性エッチング技術やCMP技術などを用い、シリコン酸化膜123をストッパーとしてシリコン窒化膜126をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜123(シリコン酸化膜123が複数層形成されている場合は、最上層のシリコン酸化膜123)の上面位置より上方のシリコン窒化膜126を除去し、図44に示すように、スリット拡幅部用溝内にシリコン窒化膜126を埋め込む。
【0087】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とを交互に成膜する。図45では、一例として、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とからなる積層膜を、5層形成した構造を示している。さらに、CVD技術などを用いて、シリコン酸化膜127を成膜する。そして、フォトリソグラフィ技術を用い、メモリホールMH形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてメモリホールMHを形成する。具体的には、まず、図示しないエッチングマスク膜の開口部から露出している領域を、下方に向かってエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜127、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とからなる複数の積層膜、シリコン酸化膜121を、順にエッチングする。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する。
【0088】
次に、メモリホールMH内に、メモリピラーMPを形成する。メモリピラーMPは、メモリ膜93、チャネルボディ膜94、コア絶縁膜95により構成される。まず、ALD(Atmic Layer Deposition)法などを用いて、シリコン酸化膜(ブロック絶縁膜)、シリコン窒化膜(チャージトラップ膜)、シリコン酸化膜(トンネル絶縁膜)、を順に成膜する。これらの3つの膜によりメモリ膜93が形成される。さらに、ALD法などを用いて、ポリシリコン膜(チャネルボディ膜94)、シリコン酸化膜(コア絶縁膜95)を順に成膜する。異方性エッチング技術やCMP技術などを用い、シリコン酸化膜127をストッパーとしてこれらの膜をエッチングする。エッチングにより、シリコン酸化膜127の上面位置より上方の膜を除去し、図45に示すように、メモリホールMH内にメモリピラーMPを形成する。
【0089】
続いて、フォトリソグラフィ技術を用い、スリットST形成領域に開口部を有する図示しないエッチングマスク膜を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチング技術を用いてスリットSTを形成する。このとき、開口部の幅は、スリット拡幅部用溝の幅よりも狭く形成される。スリットSTの形成は、開口部から露出している領域を、下方に向かって熱酸化膜125の途中までエッチングする。すなわち、シリコン酸化膜127、シリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とからなる複数の積層膜、シリコン酸化膜121、熱酸化膜125を、順にエッチングする。このとき、熱酸化膜125は貫通せず、ハーフエッチングにとどめる。このエッチングにより、開口部の底面に熱酸化膜125を露出させる。そして、異方性エッチング技術やアッシング技術などを用いて、エッチングマスク膜を除去する(図46)。
【0090】
次に、薬液などを用いた等方性エッチング技術により、シリコン窒化膜を選択的に除去する。この等方性エッチングにより、拡幅部のシリコン窒化膜126が除去される。また、スリットSTの側面に露出したシリコン窒化膜122が除去される。これにより、スリットSTの内部、及び、シリコン酸化膜121、123、127に上下を挟まれた領域に、空洞部分が形成される(図47)。
【0091】
続いて、CVD技術などを用いて、シリコン窒化膜122が除去された空洞部分にタングステン膜などの導電膜128を充填する。この導電膜128は、ソース側選択ゲートSGS、ドレイン側選択ゲートSGD、ワード線WLとして機能する。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜127の表面やスリットST内に成膜された導電膜128を除去する。続いて、CVD法などを用いてシリコン酸化膜129を成膜する。引き続き、CMP技術などを用い、シリコン酸化膜129をエッチングする。これにより、スリットST内にシリコン酸化膜129を埋め込む(図48)。
【0092】
次に図示しない上層配線を形成後、別途形成した周辺回路形成されたチップ(例えばコントローラチップ3)と貼合する。続いて、CMP技術などを用い、シリコン基板80及び熱酸化膜125を除去する。引き続き、異方性エッチング技術などを用いて全面をエッチバックし、シリコン酸化膜121の一部と、メモリピラーMPのメモリ膜93の一部と、メモリピラーMPのコア絶縁膜95の一部とを除去し、メモリピラーMPのチャネルボディ膜94の一部をシリコン酸化膜121から突出(露出)させる(図49)。
【0093】
最後に、シリコン酸化膜121の上面に、CVD技術などを用いて、ポリシリコン膜130と、シリコン酸化膜131とを順に成膜する(図50)。ポリシリコン膜130は、ソース線SLとして機能する。以上の手順を実行することにより、図39に示す構造が形成される。
【0094】
なお、シリコン酸化膜127より上方に形成される図示しない配線から、ソース線SLに対して電圧を供給する配線LIを形成する場合、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを用いて、スリットST内のシリコン酸化膜129を貫通し、スリットST底部のポリシリコン膜130に達する溝を形成する。当該溝内に導電膜を埋め込んで配線LIを形成する(図51)。以上の手順を実行することにより、図40に示す構造が形成される。
【0095】
上記各実施形態の構造を製造する半導体デバイスの正孔では、基板の上方に複数のレイヤーが積層される。各レイヤーにはショット領域ごとにデバイスパターンと重ね合わせマークとが形成される。半導体デバイスの露光工程では、パターン形成前の上層レイヤーへのパターン転写位置を決定するために、下層レイヤーの重ね合わせ(パターン合わせ)マークを用いて、転写位置に対する基準位置が計測される。
【0096】
図52は、ショット領域の一例を示す図である。図52に示すように、ショット領域Shは、複数のチップ領域Chを有する。各チップ領域Chは、デバイス領域Deとカーフ領域Krとを有する。
【0097】
カーフ領域Krは、デバイス領域Deの周辺に配置された領域(周辺領域)である。デバイス領域Deの周辺に配置されたカーフ領域Krには、複数の重ね合わせマークMaが形成される。
【0098】
図53は、犠牲層パターンのマークの一例を示す断面図である。図54は、スリットSTのパターンのマークの一例を示す断面図である。
図53に示すように、カーフ領域KrのマークMaでは、犠牲層であるシリコン窒化膜126上にスリットSTのパターンは配置されない。そのため、犠牲層であるシリコン窒化膜126が除去されず残り、シリコン窒化膜126の上層にシリコン窒化膜122とシリコン酸化膜123とからなる積層膜が形成される。
【0099】
一方、スリットSTのパターンの複数の重ね合わせマークMaでは、スリット拡幅部を構成する第1形状S1が形成されない。すなわち、スリットSTは、下層に進むに従い先細りの形状を有する。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1…半導体記憶装置、2…メモリチップ、3…コントローラチップ、11…基板、12…処理回路、13…ビア、14…配線、15,21…層間絶縁膜、20…積層体、22…コンタクト、23…絶縁膜、24…配線、106…絶縁層、25…絶縁膜。
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