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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136984
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
F25D25/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048311
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】武田 怜
(57)【要約】
【課題】貯蔵室内に設けられた閉じられた空間を構成する蓋のロックが解除された状態であっても、貯蔵室扉が閉まる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】貯蔵室内に設置され、前側に開口を備える容器と、前後方向に移動し、容器の開口に対して開閉する蓋と、蓋と容器との接触状態を保持する保持部と、を備え、容器は、上下方向に細長い形状の被係合部を左右方向の外側側面に備え、保持部は、蓋の前方で左右方向に延設される把持部と、左右方向の軸まわりで回転可能なように蓋の左右方向の側面に接続され、一端が把持部と接続する支持部と、支持部の他端に設けられ、被係合部の後側に係合する係合部と、を備え、保持部は、把持部が下げられた状態で蓋が後方に移動させられた場合に、係合部が被係合部の前側と接触し、貯蔵室扉は、係合部が被係合部の前側と接触している場合に、把持部に接触せずに閉まる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室の前側に設けられた開口に対して開閉する貯蔵室扉を備えた冷蔵庫であって、
前記貯蔵室内に設置され、前側に開口を備える容器と、
前後方向に移動し、前記容器の開口に対して開閉する蓋と、
前記蓋と前記容器との接触状態を保持する保持部と、を備え、
前記容器は、上下方向に細長い形状の被係合部を左右方向の外側側面に備え、
前記保持部は、
前記蓋の前方で左右方向に延設される把持部と、
左右方向の軸まわりで回転可能なように前記蓋の左右方向の側面に接続され、一端が前記把持部と接続する支持部と、
前記支持部の他端に設けられ、前記被係合部の後側に係合する係合部と、を備え、
前記保持部は、前記把持部が下げられた状態で前記蓋が後方に移動させられた場合に、前記係合部が前記被係合部の前側と接触し、
前記貯蔵室扉は、前記係合部が前記被係合部の前側と接触している場合に、前記把持部に接触せずに閉まる
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
請求項1に記載の冷蔵庫であって、
前記把持部が持ち上げられた状態で前記蓋が閉じられ、前記蓋と前記容器とが接触状態になった後に前記把持部が下げられることで、前記係合部が前記被係合部の後側と係合する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】
請求項1に記載の冷蔵庫であって、
前記容器は、前記被係合部と一体となってT字形状を形成する補強部を左右方向の側面にさらに備える
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項4】
請求項1に記載の冷蔵庫であって、
前記把持部は、左右方向に延在する補強部材を内部に備える
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項5】
請求項1に記載の冷蔵庫であって、
前記把持部は、左右方向における中央部分の後面が、下側になるにつれて前側に位置するような曲面形状または平面形状であり、
前記中央部分の後面および前記蓋の前面は、前記把持部が下げられた状態において、ポケットを形成する
ことを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の貯蔵室内において、チルド室や減圧室等として使用される、閉じられた空間が設けられることがある。この構成を有する冷蔵庫に関する技術として、特許文献1が知られている。同文献の段落0014及び図4には「減圧室13は、上面および前面に開口部を有し扁平である奥方に長い略直方体状の外郭部材14と、上面を閉塞する透明な強化ガラスで形成されたガラス板Gと、前面の開口部下方の水平な支軸24S廻りに回動自在に支持されるとともに前方および後方に内部の貯蔵物を出し入れするために開閉する減圧室蓋16とにより外周壁が形成されている。なお、減圧室蓋16は、開く場合、後記のリンク機構により、前方に引き出されながら正立して所定距離、例えば10mm、移動後に上部が前方に回動しつつ移動して開く。一方、減圧室蓋16が閉じる場合には後方に押し戻されながら上部が後方に回動しつつ後方に移動後、正立して所定距離移動し閉じる構成である」ことが記載されている。
【0003】
また、同文献の段落0034には、「図8に示すように、開閉ハンドル26は、減圧室蓋16の左右側部の支軸16s、16s廻りに回動自在に支持されており、棒体27を左右の支軸16s、16s廻りの回動軌跡の最下部に位置させた場合が、開閉ハンドル26によって減圧室蓋16を閉塞しロックした状態であり、一方、図9に示すように、棒体27を左右の支軸16s、16s廻りの回動軌跡の上方に位置させた場合が、開閉ハンドル26による減圧室蓋16のロックを開放した状態となっている。開閉ハンドル26の左右の支持部28、29のガイドローラ28r、29rは、それぞれに対応し減圧室13両側部の側面壁14a、14bに設けられる蓋ロック案内溝部材30、30に嵌入し、開閉ハンドル26による減圧室蓋16のロックが行われる」ことが記載されている。そして、同文献の段落0035には、「図19は、開閉ハンドル26による減圧室蓋16のロック開放状態を示した図であり、図21は、開閉ハンドル26による減圧室蓋16のロック状態を示した図であり、図20は、図21のロックの手前の状態を示した図である」ことが記載されている。
【0004】
さらに、同文献の段落0046には「図28に示すように、図27に示すバネ力中立位置より、開閉ハンドル26が上方に回動した場合には、ねじりコイルバネ32の白抜き矢印で表す付勢力までの開閉ハンドル26の回動支点の支軸16sからのウデの長さがu2となり、開閉ハンドル26にねじりコイルバネ32の上方への付勢力が働き、付勢力により上向きのモーメントが加わる。ここで、コイルバネ32が、開閉ハンドル26を上方へ回動させる付勢力は、開閉ハンドル26の自重を上回り、利用者が開閉ハンドル26から手を離した場合にも、開閉ハンドル26がコイルバネ32の付勢力により上方に回動するように構成されている」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-36430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すなわち、同文献では、同文献の図9に示すように、減圧室13のロック開放状態において、減圧室蓋16は前方に飛び出しており、開閉ハンドル26がコイルバネ32の付勢力により上方に回動して上方の位置で停止する。そして、同文献図2、3に記載のように右側の冷蔵室扉6bは、飲み物等を入れるポケット状の半透明の樹脂成型のドア収納6b1が内部側に突設されていることから、減圧室13のロック開放状態では、減圧室蓋16とドア収納6b1とがぶつかってしまい、冷蔵室扉6bが閉まらないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、貯蔵室内に設けられた閉じられた空間を構成する蓋のロックが解除された状態であっても、貯蔵室扉が閉まる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、例えば、貯蔵室の前側に設けられた開口に対して開閉する貯蔵室扉を備えた冷蔵庫であって、前記貯蔵室内に設置され、前側に開口を備える容器と、前後方向に移動し、前記容器の開口に対して開閉する蓋と、前記蓋と前記容器との接触状態を保持する保持部と、を備え、前記容器は、上下方向に細長い形状の被係合部を左右方向の外側側面に備え、前記保持部は、前記蓋の前方で左右方向に延設される把持部と、左右方向の軸まわりで回転可能なように前記蓋の左右方向の側面に接続され、一端が前記把持部と接続する支持部と、前記支持部の他端に設けられ、前記被係合部の後側に係合する係合部と、を備え、前記保持部は、前記把持部が下げられた状態で前記蓋が後方に移動させられた場合に、前記係合部が前記被係合部の前側と接触し、前記貯蔵室扉は、前記係合部が前記被係合部の前側と接触している場合に、前記把持部に接触せずに閉まる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、貯蔵室内に設けられた閉じられた空間を構成する蓋のロックが解除された状態であっても、貯蔵室扉が閉まる冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】冷蔵庫の貯蔵室内で閉空間を形成する部品の斜視図である。
図2】容器の右側面の拡大図である。
図3】蓋の前方斜視図である。
図4】蓋の背面図である。
図5】蓋および保持部の右側面図である。
図6】支持部の前方斜視図である。
図7】支持部の左側面図である。
図8】支持部の上面図である。
図9】係合部が被係合部の後側と係合している様子を示す図である。
図10】蓋と容器とが接触した状態において把持部が持ち上げられている様子を示す図である。
図11】蓋と容器との接触状態が保持部により保持されている様子を示す図である。
図12】係合部が被係合部の前側と接触している様子を示す図である。
図13】把持部の後方斜視図である。
図14図13のA-A断面図である。
図15図14の断面図において蓋も併せて示した図である。
図16】係合部が被係合部の後側と係合しているときの把持部と貯蔵室扉との位置関係を示す図である。
図17】係合部が被係合部の前側と接触しているときの把持部と貯蔵室扉との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。これらの実施例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、以下の説明において使用する各図面において、共通する各装置、各機器には同一の符号を付しており、すでに説明した各装置、機器および動作の説明を省略する場合がある。
【0012】
図1は、冷蔵庫の貯蔵室内で閉空間を形成する部品について説明する斜視図である。冷蔵庫の貯蔵室内における閉じられた空間は、例えば、チルド室等として利用される。なお、図1に示す前後方向、左右方向、および上下方向は、冷蔵庫の正面視における前後方向、左右方向、および上下方向に対応する。
【0013】
本実施例に係る冷蔵庫は、貯蔵室の前側に設けられた開口に対して開閉する貯蔵室扉を備える。そして、本実施例に係る冷蔵庫は、前側に開口を有する貯蔵室内に設置され、前側に開口を備える容器1と、前後方向に移動し、容器1の開口に対して開閉する蓋2と、蓋2と容器1との接触状態を保持する保持部3と、を備える。
【0014】
図2は、容器1の右側面の拡大図である。容器1は、上下方向に細長いI字形状の被係合部1aを左右方向の外側側面に備える。また、容器1は、被係合部1aと一体となってT字形状を形成する補強部1bを左右方向の側面にさらに備えてもよい。補強部1bを備えることにより、被係合部1aの前後方向に力が加わったときの被係合部1aの強度を高めることができる。なお、容器1は左右対称のため、本実施例では、容器1の右側の外側側面についてのみ説明する。
【0015】
図3は、蓋の前方斜視図である。蓋2は、前面の縁部分2aが平面形状である。また、蓋2の前面における縁部分2aよりも内側部分2bは、後方に向かって窪んでおり、左側面視及び右側面視の何れにおいてU字形状となる曲面形状である。さらに、蓋2は、支持部31が接続される側面2cを左右両側に有する。そして、蓋2は、左右の側面2cのそれぞれに突起2dを有する。図4は、蓋の背面図である。図4に示すように、突起2dは、側面2cから左右方向外側に向かって突出している。
【0016】
図5は、蓋2および保持部3の右側面図である。保持部3は、図1に示すように、蓋2の前方で左右方向に延設される把持部30を備える。また、保持部3は、図1、5に示すように、左右方向の軸まわりで回転可能なように蓋2の左右方向の側面に接続され、一端が把持部30と接続する支持部31を備える。本実施例の支持部31は、図5に示すように、蓋2の左右方向の側面2cにねじBで接続され、ねじBを軸として回転することができる。また、支持部31は、ねじBの下側にS字状の板バネ31bを有する。板バネ31bは、前側から後側になるにつれて回転半径が大きくなる摺動部を有し、摺動部の底面が蓋2の突起2dと接触する。なお、右側の保持部3と左側の保持部3は左右対称であるため、本実施例では、右側の保持部3についてのみ説明する。
【0017】
図6は、支持部31の前方斜視図である。図7は、支持部31の左側面図である。図8は、支持部31の上面図である。本実施例に係る冷蔵庫は、図6~8に示すように、容器1の被係合部1aの後側に係合する係合部31aを、支持部31の他端に、すなわち、把持部30と接続する支持部31の一端とは反対側である支持部31の後端に、備える。また、係合部31aは、容器1の被係合部1aと係合するために、図8に示すように、容器1と対向する側(図8では左側)に突出している。係合部が被係合部の後側と係合している様子を図9に示す。なお、図9は、右側の支持部を左側から見た図である。また、図9では、説明の理解を容易にするために、容器1について蓋2と接触する前側部分のみを記載している。図9に示すように、係合部31aは、被係合部1aの後側と係合する。これにより、蓋2はロックされる。係合部31aが被係合部1aの後側と係合しているときの把持部30と貯蔵室扉との位置関係を図16に示す。図16に示すように、係合部31aが被係合部1aの後側と係合しているときは、把持部30と貯蔵室扉の内側に設けられたドアバケットBとが接触しない。そのため、係合部31aが被係合部1aの後側と係合している場合に、貯蔵室扉が把持部30に接触せずに閉まる。
【0018】
図10は、蓋2と容器1とが接触した状態において把持部30が持ち上げられている様子を示す図である。図11は、蓋2と容器1との接触状態が保持部3により保持されている様子を示す図である。図10、11に示すように、把持部30が持ち上げられると支持部31の後端が下がり、把持部30が下げられると支持部の後端が上がる。そこで、支持部31の後端に形成される係合部31aは、把持部30が持ち上げられた状態のときは被係合部1aよりも下方に位置し、把持部30が下げられた状態のときは被係合部1aと同じ高さに位置するように形成される。このような構成により、把持部30が持ち上げられた状態で蓋2が閉じられたときは、係合部31aが被係合部1aの下を通過して被係合部1aの後方まで移動することができる。そして、把持部30が持ち上げられた状態で蓋2が閉じられ、蓋2と容器1との接触状態になった後に把持部30が下げられることで、図9に示すように、係合部31aが被係合部1aの後側と係合する。なお、係合部31aは、容器1の被係合部1aと円滑に係合するために、例えば、図7に示すように、前側部分は半円形状である。これにより、係合部31aが被係合部1aの後側に係合するときに、係合部31aの接触面積が少なくなり、摩擦力が少なくなるため、円滑に係合することができる。
【0019】
図10に示すように、把持部30が持ち上げられているときは、板バネ31bの摺動部は、回転半径が大きい後側部分が突起2dに接触する。このとき、板バネ31bは、縮んだ状態となるため、元に戻ろうとする復元力が発生する。この復元力により、突起2dに対して板バネ31bの摺動部が後側に摺動する。その結果、把持部30は下げられた状態に戻る。すなわち、保持部3は、板バネ31bにより、持ち上げられた把持部30が自然と下げられた状態に戻るようにしている。このような構成により、蓋2のロックが解除された状態において、把持部30が把持されていないときは、把持部30が下げられた状態となるようにしている。なお、本実施例では、板バネ31bを設ける例について説明したが、把持部30の自重により把持部30が下げられた状態に戻るようにしてもよいし、把持部30の自重および板バネ31bの両方により把持部30が下げられた状態に戻るようにしてもよい。
【0020】
図12は、係合部が被係合部の前側と接触している様子を示す図である。把持部30が下げられた状態で、蓋2が後方に移動させられると、係合部31aが被係合部1aと同じ高さに位置で後方に移動するため、係合部31aが被係合部1aの前側と接触する。係合部31aが被係合部1aの前側と接触した場合、蓋2はこれ以上後方に移動することができないため、蓋2と容器1とを接触させることができない。つまり、この場合、蓋2を閉じることはできない。ただし、本実施例では、被係合部1aを細長い形状であるI字形状にしているため、係合部31aが被係合部1aの前側と接触した場合の蓋2の前方への飛び出し量を抑えることができる。係合部31aが被係合部1aの前側と接触しているときの把持部30と貯蔵室扉との位置関係を図17に示す。なお、図17では、ドアバケットBと把持部30との間にはわずかに隙間があり、これらは接触していない。図17に示すように、係合部31aが被係合部1aの前側と接触しているときは、閉じられた貯蔵室扉の内側に設けられたドアバケットBが把持部30と接触しない。そのため、係合部31aが被係合部1aの前側と接触している場合でも貯蔵室扉が閉まる。なお、閉じられた貯蔵室扉の内側に設けられたドアバケットBと、把持部30との間の隙間を小さくすることで、容器1やドアバスケットBの奥行寸法をできるだけ伸ばすことができ、収納スペースを大きくすることができる。そして、本実施例では、図17に示すように、係合部31aが被係合部1aの前側と接触しているときでも、閉じられた貯蔵室扉の内側に設けられたドアバケットBが把持部30と接触しないので、貯蔵室扉の開閉に伴うドアバケットBや容器1、蓋2、保持部3の破損を防ぐことができる。
【0021】
図13は、把持部30の後方斜視図である。図14は、図13のA-A断面図である。図1に示すように、把持部30は、左右方向に延設され、把持部30が下げられることで、把持部30の左右方向の両端にそれぞれ接続された支持部31の係合部31aと、容器1の左右方向両側に設けられた被係合部1aと係合させる。そのため、把持部30が下げられる際に、使用者から把持部30へ加えられる力は、左右均等に加わることが望ましい。そこで、本実施例の把持部30は、左右方向に延在する補強部材30aを、図14に示すように、内部に備える。本実施例では、図14に示すように、補強部材30aは左右方向の側面視において矩形筒形状である金具を例示するがこれに限定されない。把持部30が補強部材30aを内部に備えることにより、把持部30の剛性が向上し、使用者から把持部30へ加えられる力が左右両端に伝わりやすくなる。
【0022】
また、把持部30は、図14に示すように、左右方向における中央部分30mの後面が、下側になるにつれて前側に位置するような曲面形状または平面形状である。一方で、中央部分30mの左右方向の両側部分30nの後面は、中央部分30mよりも鉛直な平面形状である。このような構成により、図13に示すように、把持部30の中央部分30mの後側に窪みを形成することができる。
【0023】
図15は、図14の断面図において蓋2も併せて示した図である。図15に示すように、中央部分30mの後側に窪みを形成することで、把持部30の中央部分30mの後面および蓋2の前面は、把持部30が下げられた状態において、ポケットを形成することができる。なお、ポケットとは、使用者が把持部30を把持した際に手を入れることができる空間である。中央部分30mの後面が、下側になるにつれて前側に位置するような曲面形状または平面形状とすることで、中央部分30mの後面の下側と蓋2の前面との間に空間ができるので、ポケットを形成することができる。また、把持部30の両側部分30nは、中央部分30mよりも鉛直な平面形状であることにより、両側部分30nの後面と、蓋2の前面との間には、ポケットが形成されない。このような構成により、使用者が把持部30を持ち上げようとするとき、あるいは、下げようとするときに、把持部30の中央部分30mを把持するように誘導することができる。中央部分30mから左右それぞれの支持部31までの距離に大きく差異はないため、上記構成により把持部30の中央部分30mが把持されて力が加えられることで、左右の支持部31に力が均等に伝わる。
【0024】
以上詳細に説明したように、本実施例によれば、蔵室内に設けられた閉じられた空間を構成する蓋のロックが解除された状態であっても、貯蔵室扉が閉まる冷蔵庫を提供することができる。
【符号の説明】
【0025】
1:容器
1a:被係合部
1b:補強部
2:蓋
2a:前面の縁部分
2b:前面の内側部分
2c:側面
2d:突起
3:保持部
30:把持部
30a:補強部材
30m:中央部分
30n:中央部分の両側部分
31:支持部
31a:係合部
31b:板バネ
B:ねじ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17