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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136985
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】受信回路及び半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20240927BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20240927BHJP
   H04L 25/03 20060101ALI20240927BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20240927BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
H04L25/02 R
H04L25/49 L
H04L25/03 C
H03K19/0175 240
H03K19/0185 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048312
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 伸介
【テーマコード(参考)】
5J056
5K029
【Fターム(参考)】
5J056AA01
5J056BB21
5J056CC01
5J056CC04
5J056CC10
5J056DD13
5J056DD29
5J056FF01
5J056FF09
5J056KK01
5K029AA03
5K029CC01
5K029DD24
5K029FF02
5K029KK25
(57)【要約】
【課題】信号からデータを適切に復元することができる半導体集積回路を提供する
【解決手段】本実施形態の受信回路は、連続時間線形等化器と、第1オフセット回路と、第2オフセット回路と、第1増幅回路と、第2増幅回路と、第3増幅回路とを備える。連続時間線形等化器は、受信信号に対して信号処理を施し信号処理した出力信号を出力する。第1オフセット回路は、出力信号に第1オフセット電圧を印加する。第2オフセット回路は、出力信号に第1オフセットと逆の極性の第2オフセット電圧を印加する。第1増幅回路は、第1オフセット回路の出力信号を増幅する。第2増幅回路は、第2オフセット回路の出力信号を増幅する。第3増幅回路は、出力信号に基づく信号を増幅する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号に対して信号処理を施し、前記信号処理した出力信号を出力する連続時間線形等化器と、
前記出力信号に第1オフセット電圧を印加する第1オフセット回路と、
前記出力信号に前記第1オフセットと逆の極性の第2オフセット電圧を印加する第2オフセット回路と、
前記第1オフセット回路の出力信号を増幅する第1増幅回路と、
前記第2オフセット回路の出力信号を増幅する第2増幅回路と、
前記出力信号に基づく信号を増幅する第3増幅回路と、
を備える受信回路。
【請求項2】
前記出力信号は、それぞれの電圧範囲が異なる複数の開口を含み、
前記第1オフセット回路は、前記出力信号の上位開口の中心が0Vとなるように前記第1オフセット電圧を印加し、
前記第2オフセット回路は、前記出力信号の下位開口の中心が0Vとなるように前記第2オフセット電圧を印加する請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記第1増幅回路の出力信号を閾値と比較し、第1比較結果を出力する第1比較回路と、
前記第2増幅回路の出力信号を前記閾値と比較し、第2比較結果を出力する第2比較回路と、
前記第3増幅回路の出力信号を前記閾値と比較し、第3比較結果を出力する第3比較回路と、
を有する請求項1に記載の受信回路。
【請求項4】
前記第1比較回路、前記第2比較回路及び前記第3比較回路の出力信号の全てを、前記第1増幅回路、前記第2増幅回路及び前記第3増幅回路のそれぞれの出力信号に重畳する請求項3に記載の受信回路。
【請求項5】
前記第1オフセット回路及び前記第2オフセット回路は、電圧源、バッファ回路、又は、コンデンサ及び抵抗を含む請求項1に記載の受信回路。
【請求項6】
前記受信信号がPAM-N信号(N=4以上の整数)の場合、N-1個の増幅回路を備える請求項1に記載の受信回路。
【請求項7】
受信信号に対して信号処理を施し、前記信号処理した出力信号を出力する連続時間線形等化器と、
前記出力信号に第1オフセット電圧を印加する第1オフセット回路と、
前記出力信号に前記第1オフセットと逆の極性の第2オフセット電圧を印加する第2オフセット回路と、
前記第1オフセット回路の出力信号を増幅する第1増幅回路と、
前記第2オフセット回路の出力信号を増幅する第2増幅回路と、
前記第1増幅回路の出力信号を閾値と比較し、第1比較結果を出力する第1比較回路と、
前記第2増幅回路の出力信号を前記閾値と比較し、第2比較結果を出力する第2比較回路と、
前記第1増幅回路の出力信号と前記第2増幅回路の出力信号とを補完して前記閾値と比較し、第3比較結果を出力する第3比較回路と、
を備える受信回路。
【請求項8】
前記受信信号がPAM-N信号(N=4以上の整数)の場合、N/2個の増幅回路を備える請求項7に記載の受信回路。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の受信回路と、
前記受信回路を備えたインターフェース回路と、
を有する半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、受信回路及び半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路では、信号を受け、信号からデータを復元することがある。このとき、半導体集積回路は、信号からデータを適切に復元することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-48060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、信号からデータを適切に復元することができる受信回路及び半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の受信回路は、連続時間線形等化器と、第1オフセット回路と、第2オフセット回路と、第1増幅回路と、第2増幅回路と、第3増幅回路とを備える。連続時間線形等化器は、受信信号に対して信号処理を施し、前記信号処理した出力信号を出力する。第1オフセット回路は、出力信号に第1オフセット電圧を印加する。第2オフセット回路は、出力信号に前記第1オフセットと逆の極性の第2オフセット電圧を印加する。第1増幅回路は、第1オフセット回路の出力信号を増幅する。第2増幅回路は、第2オフセット回路の出力信号を増幅する。第3増幅回路は、出力信号に基づく信号を増幅する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】比較例の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図3】比較例の増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図5A】上位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。
図5B】中位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。
図5C】下位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態の変形例1の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図7】第1の実施形態の変形例2の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図8】第1の実施形態の変形例3の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図9】第1の実施形態の変形例4の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図10】第2の実施形態の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図11】補完処理付きのセンスアンプの構成の一例を示す回路図である。
図12】第2の実施形態の変形例1の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態の変形例2の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図14】第2の実施形態の変形例3の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図15】第2の実施形態の変形例4の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(メモリシステムの構成)
図1は、メモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2とを備える。なお、不揮発性メモリ2は、複数のメモリチップを含む場合がある。メモリシステム1は、ホスト装置4と接続可能である。
【0008】
ホスト装置4は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。ホスト装置4は、ホストインターフェース(ホストI/F)回路4aを備える。ホストI/F回路4aは、送信回路TXaと、受信回路RXaとを備える。
【0009】
メモリシステム1は、ホスト装置4が備えるマザーボード上に、メモリシステム1を構成する複数のチップを実装して構成してもよいし、メモリシステム1を1つのモジュールで実現するシステムLSI(Large-Scale Integrated Circuit)またはSoC(System-on-a-Chip)として構成してもよい。メモリシステム1の例としては、SDカードのようなメモリカード、SSD(Solid-State-Drive)、およびeMMC(embedded-Multi-Media-Card)などが挙げられる。
【0010】
不揮発性メモリ2は、複数のメモリセルを備えたNAND型フラッシュメモリであり、データを不揮発に記憶する。
【0011】
メモリコントローラ3は、例えばホスト装置4からの命令に応答して、不揮発性メモリ2に対して書き込み(プログラムともいう)、読み出し、および消去などを命令する。また、メモリコントローラ3は、不揮発性メモリ2のメモリ空間を管理する。メモリコントローラ3は、ホストインターフェース(ホストI/F)回路10、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、バッファメモリ13、メモリインターフェース(メモリI/F)回路14、およびECC(Error Checking and Correcting)回路15などを備える。メモリコントローラ3は、半導体集積回路の一例である。
【0012】
ホストI/F回路10は、ホストバスを介してホスト装置4に接続され、ホスト装置4との間でインターフェース処理を行う。また、ホストI/F回路10は、ホスト装置4との間で、命令、アドレス、およびデータの送受信を行う。
【0013】
ホストI/F回路10は、送信回路TXbと、受信回路RXbとを備える。送信回路TXbは、ホスト装置4の受信回路RXaへデータを送信する。受信回路RXbは、ホスト装置4の送信回路TXaから送信されたデータを受信する。
【0014】
なお、送信回路TXa及びTXbは同じ構成のため、以下の説明では送信回路TXと呼ぶことがある。また、受信回路RXa及びRXbは同じ構成のため、以下の説明では受信回路RXと呼ぶことがある。
【0015】
また、送信回路TX及び受信回路RXは、ホスト装置4のホストI/F回路4aと、メモリコントローラ3のホストI/F回路10に設けられているが、このような構成に限定されるものではない。本実施形態の送信回路TX及び受信回路RXは、高速通信を行う他のインターフェース回路にも適用することができる。例えば、送信回路TX及び受信回路RXは、メモリI/F回路14に設けられていてもよい。
【0016】
プロセッサ11は、例えばCPU(中央処理装置)として構成される。プロセッサ11は、メモリコントローラ3全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ11は、ホスト装置4から書き込み命令を受けた場合に、メモリI/F回路14を介して、ホスト装置4からの書き込み命令に応じた書き込み命令を不揮発性メモリ2に発行する。読み出しおよび消去の場合も同様である。また、プロセッサ11は、ウェアレベリングなど、不揮発性メモリ2を管理するための様々な処理を実行する。
【0017】
RAM12は、プロセッサ11の作業領域として使用され、不揮発性メモリ2からロードされたファームウェアデータ、およびプロセッサ11が作成した各種テーブルなどを格納する。RAM12は、例えばDRAMまたはSRAMとして構成される。
【0018】
バッファメモリ13は、ホスト装置4から送信されたデータを一時的に記憶するとともに、不揮発性メモリ2から送信されたデータを一時的に記憶する。
【0019】
メモリI/F回路14は、バスを介して不揮発性メモリ2に接続され、不揮発性メモリ2との間でインターフェース処理を行う。また、メモリI/F回路14は、不揮発性メモリ2との間で命令、アドレス、およびデータの送受信を行う。
【0020】
ECC回路15は、データの書き込み時には、書き込みデータに対してエラー訂正符号を生成し、このエラー訂正符号を書き込みデータに付加してメモリI/F回路14に送る。また、ECC回路15は、データの読み出し時には、読み出しデータに対して、読み出しデータに含まれるエラー訂正符号を用いてエラー検出および/またはエラー訂正を行う。なお、ECC回路15は、メモリI/F回路14内に設けるようにしてもよい。
【0021】
(受信回路の構成)
本実施形態の受信回路RXの構成を説明する前に、比較例の受信回路RXcの構成について説明する。
【0022】
図2は、比較例の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
受信回路RXcは、CTLE(Continuous Time Linear Equalizer:連続時間線形等化器)回路101と、増幅回路102と、3つのセンスアンプ103a~103cと、判定回路104とを備える。
【0023】
CTLE回路101は、送信回路TXから差動のPAM4信号(以下の説明では受信信号と呼ぶ)を受信する。PAM4信号は、電圧方向を多値化することで、1タイムスロットあたり2bit(4値)のデータを伝送してデータレートを高くする。なお、本実施形態では、PAM4信号を一例として説明するが、これに限定されるものではない。本実施形態は、例えば、1タイムスロットあたり3bit(8値)のデータを伝送するPAM8、あるいは、1タイムスロットあたり4bit(16値)のデータを伝送するPAM16にも適用することができる。
【0024】
CTLE回路101は、受信信号に対してイコライジング処理等の各種の信号処理を施し、信号処理を施した受信信号を増幅回路102に出力する。CTLE回路101は、伝送路で発生したロスを、例えばハイパスフィルターで補償し、受信信号に対するジッタを低減する。
【0025】
増幅回路102は、CTLE回路101から出力された受信信号を増幅して、センスアンプ103a~103cに出力する。
【0026】
センスアンプ103aは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路102により増幅された受信信号を閾値+VREFと比較し、比較結果を判定回路104に出力する。
【0027】
センスアンプ103bは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路102により増幅された受信信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路104に出力する。 センスアンプ103cは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路102により増幅された受信信号を閾値-VREFと比較し、比較結果を判定回路104に出力する。
【0028】
閾値VREFは、基準電圧(0V)である。閾値+VREFは、閾値VREFよりも大きい値である。閾値-VREFは、閾値VREFよりも小さい値である。
【0029】
判定回路104は、センスアンプ103a~103cの比較結果に基づき、送信されたデータの値を判定する。より具体的には、判定回路104は、センスアンプ103a~103cの比較結果に基づき、送信されたデータのビットパターンが「00」、「01」、「10」及び「11」の4値のいずれであるかを判定する。
【0030】
図3は、比較例の増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、増幅回路102の入出力特性は、線形領域と非線形領域を有する。増幅回路102に入力される信号において、中位開口(Center Eye)は、線形領域で動作する。そのため、中位開口の信号は増幅回路102により適切に増幅され、増幅回路102から出力される信号において、中位開口は大振幅が得られる。
【0032】
一方、増幅回路102に入力される信号において、上位開口(Upper Eye)、及び、下位開口(Lower Eye)は、非線形領域で動作する。そのため、増幅回路102から出力される信号において、上位開口、及び、下位開口の信号は振幅がクリップし、上位開口、及び、下位開口は大振幅が得られない。すなわち、上位開口、及び、下位開口は、増幅回路102によって適切に増幅できない場合がある。
【0033】
このように、上位開口、及び、下位開口が増幅回路102によって適切に増幅できない場合、センスアンプ103a及び103cにおいて正確に閾値判定ができない。そのため、比較例の受信回路RXcは、データを適切に復元できないことがある。
【0034】
これに対し、本実施形態の受信回路RX(RXa,RXb)は、データを適切に復元することができる構成を有する。
【0035】
図4は、第1の実施形態の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。
受信回路RXaは、CTLE回路31と、電圧源32a及び32bと、増幅回路33a~33cと、センスアンプ34a~34cと、判定回路35とを備える。増幅回路33a及びセンスアンプ34aは、信号の上位開口に関する処理のための回路である。増幅回路33b及びセンスアンプ34bは、信号の中位開口に関する処理のための回路である。増幅回路33c及びセンスアンプ34cは、信号の下位開口に関する処理のための回路である。
【0036】
CTLE回路31は、送信回路TXから差動のPAM4信号(以下の説明では受信信号と呼ぶ)を受信する。CTLE回路31は、受信信号に対してイコライジング処理等の各種の信号処理を施し、信号処理を施した受信信号を、電圧源32a、増幅回路33b及び電圧源32bに出力する。CTLE回路31は、伝送路で発生したロスを、例えばハイパスフィルターで補償し、受信信号に対するジッタを低減する。
【0037】
電圧源32aは、CTLE回路31から出力された受信信号に対して負のオフセット電圧を与えて増幅回路33aに出力する。具体的には、電圧源32aは、上位開口の中心が0Vになるように-Vosのオフセット電圧を与える。電圧源32aは、第1オフセット回路の一例である。
【0038】
電圧源32bは、CTLE回路31から出力された受信信号に対して正のオフセット電圧を与えて増幅回路33cに出力する。具体的には、電圧源32bは、下位開口の中心が0Vとなるように+Vosのオフセット電圧を与える。電圧源32bは、第2オフセット回路の一例である。
【0039】
増幅回路33aは、電圧源32aから出力された受信信号を増幅して、増幅した受信信号をセンスアンプ34aに出力する。増幅回路33bは、CTLE回路31から出力された受信信号を増幅して、センスアンプ34bに出力する。増幅回路33cは、電圧源32bから出力された受信信号を増幅して、増幅した受信信号をセンスアンプ34cに出力する。増幅回路33aは第1増幅回路の一例であり、増幅回路33bは第3増幅回路の一例であり、増幅回路33cは第2増幅回路の一例である。
【0040】
センスアンプ34aは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路33aにより増幅された受信信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0041】
センスアンプ34bは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路33bにより増幅された受信信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0042】
センスアンプ34cは、クロック信号CLKに同期して、増幅回路33cにより増幅された受信信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0043】
センスアンプ34a~34cの閾値VREFは、基準電圧(0V)である。センスアンプ34aは第1比較回路の一例であり、センスアンプ34bは第3比較回路の一例であり、センスアンプ34cは第2比較回路の一例である。
【0044】
判定回路35は、センスアンプ34a~34cの比較結果に基づき、送信されたデータの値を判定する。より具体的には、判定回路35は、センスアンプ34a~34cの比較結果に基づき、送信されたデータのビットパターンが「00」、「01」、「10」及び「11」の4値のいずれであるかを判定する。
【0045】
図5Aは、上位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。図5Bは、中位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。図5Cは、下位開口に関する増幅回路の入出力特性及び入出力波形の一例を示す図である。
【0046】
増幅回路33aには、電圧源32aにより上位開口の中心が0Vになるように負のオフセット電圧(-Vos)が与えられた信号が入力される。これにより、図5Aに示すように、上位開口の中心が0Vとなった信号が増幅回路33aに入力される。
【0047】
負のオフセット電圧を与えて上位開口の中心を0Vとすることで、増幅回路33aにおいて、上位開口は線形領域で動作する。そのため、上位開口の信号は、増幅回路33aにより適切に増幅される。この結果、増幅回路33aから出力される信号において、上位開口は大振幅が得られる。
【0048】
増幅回路33bには、CTLE回路31から出力された信号が入力される。これにより、図5Bに示すように、中位開口の中心が0Vの信号が増幅回路33bに入力される。
【0049】
このように、CTLE回路31から出力された信号に対してオフセット電圧を与えずに増幅回路33bに入力することで、増幅回路33bにおいて、中位開口は線形領域で動作する。そのため、中位開口の信号は、増幅回路33bにより適切に増幅される。この結果、増幅回路33bから出力される信号において、中位開口は大振幅が得られる。
【0050】
増幅回路33cには、電圧源32bにより下位開口の中心が0Vになるように正のオフセット電圧(+Vos)が与えられた信号が入力される。これにより、図5Cに示すように、下位開口の中心が0Vとなった信号が増幅回路33cに入力される。
【0051】
正のオフセット電圧を与えて下位開口の中心を0Vとすることで、増幅回路33cにおいて、下位開口は線形領域で動作する。そのため、下位開口の信号は、増幅回路33cにより適切に増幅される。この結果、増幅回路33cから出力される信号において、下位開口は大振幅が得られる。
【0052】
図4に示すように、センスアンプ34aは、上位開口の大振幅が得られた増幅回路33aの出力信号を閾値VREF(0V)と比較する。同様に、センスアンプ34bは、中位開口の大振幅が得られた増幅回路33bの出力信号を閾値VREF(0V)と比較する。同様に、センスアンプ34cは、下位開口の大振幅が得られた増幅回路33cの出力信号を閾値VREF(0V)と比較する。
【0053】
センスアンプ34a~34cは、それぞれ大振幅が得られた信号と閾値VREFとを比較するため、正確に閾値判定を行うことができる。
【0054】
判定回路35は、正確に閾値判定されたセンスアンプ34a~34cの比較結果に基づき、送信データのビットパターンを判定する。このように、本実施形態の受信回路RXは、振幅クリップを防いだ大振幅の信号と閾値VREFとを比較することで正確に閾値判定ができるため、信号からデータを適切に復元することができる。
【0055】
(変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。
図6は、第1の実施形態の変形例1の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図6において、図4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図6に示すように、第1の実施形態の変形例1に係る受信回路RXdは、CTLE回路31と、増幅回路33a~33cとの間にそれぞれ出力オフセットを与えるバッファ回路36a~36cを備える。
【0057】
バッファ回路36aは、上位開口の中心が0Vになるように、CTLE回路31から出力された受信信号に対して負のオフセット電圧(-Vos)を与えて増幅回路33aに出力する。
【0058】
バッファ回路36bは、CTLE回路31から出力された受信信号に対して0Vのオフセット電圧を与えて増幅回路33bに出力する。
【0059】
バッファ回路36cは、下位開口の中心が0Vとなるように、CTLE回路31から出力された受信信号に対して正のオフセット電圧(+Vos)を与えて増幅回路33cに出力する。
【0060】
その他の構成は、第1の実施形態の受信回路RXと同様である。このような構成により、受信回路RXdは、上位開口、中位開口及び下位開口のそれぞれについて大振幅を得ることができる。そのため、受信回路RXdは、振幅クリップを防いだ大振幅の信号と閾値VREFとを比較することで正確に閾値判定ができるため、信号からデータを適切に復元することができる。
【0061】
(変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について説明する。
図7は、第1の実施形態の変形例2の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図7において、図4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
第1の実施形態の変形例2に係る受信回路RXeは、CTLE回路31と増幅回路33aとの間に入力オフセット電圧を与えるためのコンデンサC1及びC2と、プルアップ抵抗R1及びR2とを備える。また、受信回路RXeは、CTLE回路31と増幅回路33bとの間に入力オフセット電圧を与えるためのコンデンサC3及びC4と、プルアップ抵抗R3及びR4とを備える。また、受信回路RXeは、CTLE回路31と増幅回路33cとの間に入力オフセット電圧を与えるためのコンデンサC5及びC6と、プルアップ抵抗R5及びR6とを備える。
【0063】
コンデンサC1及びC2、プルアップ抵抗R1及びR2は、上位開口の中心が0Vになるように、CTLE回路31から出力された受信信号に対して負のオフセット電圧(-Vos)を与えて増幅回路33aに出力する。
【0064】
コンデンサC3及びC4、プルアップ抵抗R3及びR4は、CTLE回路31から出力された受信信号に対して0Vのオフセット電圧を与えて増幅回路33bに出力する。
【0065】
コンデンサC5及びC6、プルアップ抵抗R5及びR6は、下位開口の中心が0Vとなるように、CTLE回路31から出力された受信信号に対して正のオフセット電圧(+Vos)を与えて増幅回路33cに出力する。
【0066】
その他の構成は、第1の実施形態の受信回路RXと同様である。このような構成により、受信回路RXeは、第1の実施形態と同様に、振幅クリップを防いだ大振幅の信号と閾値VREFとを比較することで正確に閾値判定ができるため、信号からデータを適切に復元することができる。
【0067】
(変形例3)
次に、第1の実施形態の変形例3について説明する。
図8は、第1の実施形態の変形例3の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図8において、図4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
図8に示すように、第1の実施形態の変形例3に係る受信回路RXfは、図4のCTLE回路31に代わり、出力オフセットを与えるCTLE回路31a~31cを用いる。CTLE回路31a~31cは、送信回路TXから送信されたPAM4信号を受信する。また、CTLE回路31a~31cは、それぞれ増幅回路33a~33cに接続される。
【0069】
CTLE回路31aは、受信信号に対してイコライジング処理等の各種の信号処理を施し、信号処理を施した受信信号に対して負のオフセット電圧を与えて増幅回路33aに出力する。CTLE回路31aは、上位開口の中心が0Vになるように-Vosのオフセット電圧を与える。
【0070】
CTLE回路31bは、受信信号に対してイコライジング処理等の各種の信号処理を施し、信号処理を施した受信信号に対して0Vのオフセット電圧を与えて増幅回路33bに出力する。
【0071】
CTLE回路31cは、受信信号に対してイコライジング処理等の各種の信号処理を施し、信号処理を施した受信信号に対して正のオフセット電圧を与えて増幅回路33cに出力する。CTLE回路31cは、下位開口の中心が0Vとなるように+Vosのオフセット電圧を与える。
【0072】
その他の構成は、第1の実施形態の受信回路RXと同様である。このような構成により、受信回路RXfは、第1の実施形態と同様に、振幅クリップを防いだ大振幅の信号と閾値VREFとを比較することで正確に閾値判定ができるため、信号からデータを適切に復元することができる。
【0073】
(変形例4)
次に、第1の実施形態の変形例4について説明する。
図9は、第1の実施形態の変形例4の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図9において、図4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図9に示すように、第1の実施形態の変形例4に係る受信回路RXgは、図4の構成に判定帰還型イコライザを適用した例である。受信回路RXgは、図4の構成に対してバッファ回路37a~37iが追加されている。
【0075】
センスアンプ34a~34cの出力信号は、それぞれバッファ回路37a~37cにより遅延され、増幅回路33aから出力された受信信号に重畳される。同様に、センスアンプ34a~34cの出力信号は、それぞれバッファ回路37d~37fにより遅延され、増幅回路33bから出力された受信信号に重畳される。同様に、センスアンプ34a~34cの出力信号は、それぞれバッファ回路37g~37iにより遅延され、増幅回路33cから出力された受信信号に重畳される。
【0076】
このような判定帰還型イコライザを適用することで、受信回路RXgは、ISIジッタを補償する。その他の構成は、第1の実施形態度の受信回路RXと同様である。このような構成により、受信回路RXgは、第1の実施形態と同様に、振幅クリップを防いだ大振幅の信号と閾値VREFとを比較することで正確に閾値判定ができるため、信号からデータを適切に復元することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態の受信回路RX(RXa,RXb)は、センスアンプ34a~34cの前段にそれぞれ増幅回路33a~33cが設けられている。そのため、第1の実施形態の受信回路RXは、比較例の受信回路RXcに対して3倍の増幅回路が必要となり、回路面積が増大する。
【0078】
そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態に対して回路面積を削減することができる受信回路について説明する。
【0079】
図10は、第2の実施形態の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図10において、図4と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図10に示すように、受信回路RXhは、図4の受信回路RXaから増幅回路33bが削除され、センスアンプ34bに代わり、補完処理付きのセンスアンプ34dを備える。
【0081】
センスアンプ34dには、増幅回路33aの出力信号H+及びH-と、増幅回路33cの出力信号L+及びL-が入力される。センスアンプ34dは、上位開口の信号と下位開口の信号の補完処理を行い、中位開口の信号を生成する。そして、センスアンプ34dは、補完処理により生成した中位開口の信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0082】
図11は、補完処理付きのセンスアンプの構成の一例を示す回路図である。
センスアンプ34dは、トランジスタT1~T14を備える。トランジスタT1~T8はNMOSトランジスタであり、トランジスタT9~T14はPMOSトランジスタである。
【0083】
トランジスタT1のゲートには増幅回路33aの出力信号H-が入力される。トランジスタT1のソースは、トランジスタT2のソース及びトランジスタT3のドレインに接続される。トランジスタT1のドレインは、トランジスタT4のドレイン、トランジスタT7のソース、及び、トランジスタT11のドレインに接続される。
【0084】
トランジスタT2のゲートには増幅回路33aの出力信号H+が入力される。トランジスタT2のソースは、トランジスタT1のソース及びトランジスタT3のドレインに接続される。トランジスタT2のドレインは、トランジスタT5のドレイン、トランジスタT8のソース、及び、トランジスタT12のドレインに接続される。
【0085】
トランジスタT3のゲートにはクロック信号CLKが入力される。トランジスタT3のソースは基準電位VSSに接続され、ドレインはトランジスタT1及びT2それぞれのソースに接続される。基準電位VSSは、センスアンプ34dが動作する際の基準となる電位であり、例えばグラウンド電位である。
【0086】
トランジスタT4のゲートには増幅回路33cの出力信号L-が入力される。トランジスタT4のソースは、トランジスタT5のソース及びトランジスタT6のドレインに接続される。トランジスタT4のドレインは、トランジスタT1のドレイン、トランジスタT7のソース、及び、トランジスタT11のドレインに接続される。
【0087】
トランジスタT5のゲートには増幅回路33cの出力信号L+が入力される。トランジスタT5のソースは、トランジスタT4のソース及びトランジスタT6のドレインに接続される。トランジスタT5のドレインは、トランジスタT2のドレイン、トランジスタT8のソース、及び、トランジスタT12のドレインに接続される。
【0088】
トランジスタT6のゲートにはクロック信号CLKが入力される。トランジスタT6のソースは基準電位VSSに接続され、ドレインはトランジスタT4及びT5それぞれのソースに接続される。
【0089】
トランジスタT7及びT9によりインバータが構成される。また、トランジスタT8及び10によりインバータが構成される。トランジスタT7及びT9により構成されるインバータから出力OUT+が出力され、トランジスタT8及びT10により構成されるインバータから出力OUT-が出力される。
【0090】
トランジスタT7及びT9のゲートは共通に接続される。また、トランジスタT7及びT9のドレインは共通に接続される。トランジスタT7及びT9のゲートは、トランジスタT8及びT10により構成されるインバータの出力に接続される。
【0091】
トランジスタT7のソースは、トランジスタT1、T4及びT11のドレインに接続される。トランジスタT9のソースは、電源VDDに接続される。電源VDDは、センスアンプ34dが動作する際の電源電圧の電位である。電源VDDの電位は、基準電位VSSの電位よりも高い。
【0092】
トランジスタT8及びT10のゲートは共通に接続される。また、トランジスタT8及びT10のドレインは共通に接続される。トランジスタT8及びT10のゲートは、トランジスタT7及びT8により構成されるインバータの出力に接続される。
【0093】
トランジスタT8のソースは、トランジスタT2、T5及びT12のドレインに接続される。トランジスタT10のソースは、電源VDDに接続される。
【0094】
トランジスタT11~T14のゲートにはクロック信号CLKが入力される。トランジスタT11~T14のソースは、電源VDDに接続される。トランジスタT11のドレインは、トランジスタT1及びT4のドレインに接続される。トランジスタT12のドレインは、トランジスタT2及びT5のドレインに接続される。トランジスタT13のドレインは、トランジスタT7及びT9により構成されるインバータの出力に接続される。トランジスタT14のドレインは、トランジスタT8及びT10により構成されるインバータの出力に接続される。
【0095】
このように構成されたセンスアンプ34dにより補完処理を行い中位開口の信号を生成する。そして、生成した中位開口の信号を閾値判定する。これにより、センスアンプ34dの前段に対応する増幅回路を設ける必要がなくなる。
【0096】
具体的には、第1の実施形態の受信回路RXは3個の増幅回路33a~33cを備えていたのに対し、第2の実施形態の受信回路RXhは2個の増幅回路33a及び33cを備え増幅回路33bを備えていない。そのため、第2の実施形態の受信回路RXhは、第1の実施形態の受信回路RXに対して増幅回路が1個削減され、増幅回路の面積を約33%削減することができる。例えば、増幅回路がインダクタ負荷回路を用いて信号を増幅する構成の場合、面積削減の効果が大きくなる。
【0097】
なお、第2の実施形態は、PAM4信号に限定されることなく、PAM-N信号(Nは4以上の整数)に適用することができる。例えば、N=8の場合、補完処理を行わない第1の実施形態の受信回路RXでは、7個(=N-1)の増幅回路が必要となる。これに対し、補完処理を行う第2の実施形態の受信回路RXhでは、4個(=N/2)の増幅回路が必要となる。そのため、第2の実施形態の受信回路RXhは、第1の実施形態の受信回路RXに対して増幅回路を3個削減することができ、増幅回路の面積を約43%削減することができる。
【0098】
また、例えば、N=16の場合、補完処理を行わない第1の実施形態の受信回路RXでは、15個(=N-1)の増幅回路が必要となる。これに対し、補完処理を行う第2の実施形態の受信回路RXhでは、8個(=N/2)の増幅回路が必要となる。そのため、第2の実施形態の受信回路RXhは、第1の実施形態の受信回路RXに対して増幅回路を7個削減することができ、増幅回路の面積を約47%削減することができる。
【0099】
このように、第2の実施形態の受信回路RXhは、1タイムスロットあたりに伝送するデータが多くなるに従い、第1の実施形態の受信回路RXよりも回路面積の削減率を高くすることができる。
【0100】
以上のように、第2の実施形態の受信回路RXhは、第1の実施形態と同様に、信号からデータを適切に復元することができ、かつ、第1の実施形態の受信回路RXよりも回路面積を削減することができる。
【0101】
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。
図12は、第2の実施形態の変形例1の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図12において、図6及び図10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図12の受信回路RXiは、図6の受信回路RXdに対して、図10の補完処理付きのセンスアンプ34dを適用した例である。
【0102】
図12に示すように、第2の実施形態の変形例1に係る受信回路RXiは、図6の受信回路RXdから出力オフセットを与えるバッファ回路36および増幅回路33bが削除されている。また、受信回路RXiは、図6の受信回路RXdのセンスアンプ34bに代わり、図10に示す補完処理付きのセンスアンプ34dを備える。
【0103】
第2の実施形態と同様に、センスアンプ34dには、増幅回路33aの出力信号H+及びH-と、増幅回路33cの出力信号L+及びL-が入力される。センスアンプ34dは、上位開口の信号と下位開口の信号の補完処理を行い、中位開口の信号を生成する。そして、センスアンプ34dは、補完処理により生成した中位開口の信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0104】
以上の構成により、受信回路RXiは、第1の実施形態と同様に、信号からデータを適切に復元することができ、かつ、第1の実施形態の変形例1の受信回路RXdよりも回路面積を削減することができる。
【0105】
(第2の実施形態の変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。
図13は、第2の実施形態の変形例2の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図13において、図7及び図10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図13の受信回路RXjは、図7の受信回路RXeに対して、図10の補完処理付きのセンスアンプ34dを適用した例である。
【0106】
図13に示すように、第2の実施形態の変形例2に係る受信回路RXjは、図7の受信回路RXeから入力オフセット電圧を与えるコンデンサC3及びC4および増幅回路33bが削除されている。また、受信回路RXjは、図7の受信回路RXeのセンスアンプ34bに代わり、図10に示す補完処理付きのセンスアンプ34dを備える。
【0107】
第2の実施形態と同様に、センスアンプ34dには、増幅回路33aの出力信号H+及びH-と、増幅回路33cの出力信号L+及びL-が入力される。センスアンプ34dは、上位開口の信号と下位開口の信号の補完処理を行い、中位開口の信号を生成する。そして、センスアンプ34dは、補完処理により生成した中位開口の信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0108】
以上の構成により、受信回路RXjは、第1の実施形態と同様に、信号からデータを適切に復元することができ、かつ、第1の実施形態の変形例2の受信回路RXeよりも回路面積を削減することができる。
【0109】
(第2の実施形態の変形例3)
次に、第2の実施形態の変形例3について説明する。
図14は、第2の実施形態の変形例3の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図14において、図8及び図10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図14の受信回路RXkは、図8の受信回路RXfに対して、図10の補完処理付きのセンスアンプ34dを適用した例である。
【0110】
図14に示すように、第2の実施形態の変形例3に係る受信回路RXkは、図8の受信回路RXfから出力オフセット電圧を与えるCTLE回路31bおよび増幅回路33bが削除されている。また、受信回路RXkは、図8の受信回路RXfのセンスアンプ34bに代わり、図10に示す補完処理付きのセンスアンプ34dを備える。
【0111】
第2の実施形態と同様に、センスアンプ34dには、増幅回路33aの出力信号H+及びH-と、増幅回路33cの出力信号L+及びL-が入力される。センスアンプ34dは、上位開口の信号と下位開口の信号の補完処理を行い、中位開口の信号を生成する。そして、センスアンプ34dは、補完処理により生成した中位開口の信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0112】
以上の構成により、受信回路RXkは、第1の実施形態と同様に、信号からデータを適切に復元することができ、かつ、第1の実施形態の変形例3の受信回路RXfよりも回路面積を削減することができる。
【0113】
(第2の実施形態の変形例4)
次に、第2の実施形態の変形例4について説明する。
図15は、第2の実施形態の変形例4の受信回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図15において、図9及び図10と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図13の受信回路RXmは、図9の受信回路RXgに対して、図10の補完処理付きのセンスアンプ34dを適用した例である。
【0114】
図15に示すように、第2の実施形態の変形例4に係る受信回路RXmは、図9の受信回路RXgから増幅回路33bおよびバッファ回路37d~37fが削除されている。また、受信回路RXmは、図9の受信回路RXgのセンスアンプ34bに代わり、図10に示す補完処理付きのセンスアンプ34dを備える。
【0115】
第2の実施形態と同様に、センスアンプ34dには、増幅回路33aの出力信号H+及びH-と、増幅回路33cの出力信号L+及びL-が入力される。センスアンプ34dは、上位開口の信号と下位開口の信号の補完処理を行い、中位開口の信号を生成する。そして、センスアンプ34dは、補完処理により生成した中位開口の信号を閾値VREFと比較し、比較結果を判定回路35に出力する。
【0116】
以上の構成により、受信回路RXmは、第1の実施形態と同様に、信号からデータを適切に復元することができ、かつ、第1の実施形態の変形例4の受信回路RXgよりも回路面積を削減することができる。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
1…メモリシステム、2…不揮発性メモリ、3…メモリコントローラ、4…ホスト装置、10…ホストI/F回路、11…プロセッサ、12…RAM、13…バッファメモリ、14…メモリI/F回路、15…ECC回路、31…CTLE、32a,32b…電圧源、33a~33c…増幅回路、34a~34d…センスアンプ、35…判定回路、36a~36c,37a~37i…バッファ回路、TX…送信回路、RX…受信回路。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15