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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024136987
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】成形管理システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240927BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240927BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20240927BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/14
B29C45/16
B29C45/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048315
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】厚田 耕佑
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 総慈
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM22
4F206AM32
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB28
4F206JL02
4F206JL07
4F206JP01
4F206JP14
4F206JP15
4F206JP30
4F206JQ88
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】不良の詳細な情報の入力にかかる時間を短縮できる技術を提供する。
【解決手段】成形管理システムは、成形品の品目の識別情報である成形品目情報を複数記憶する成形品目記憶部と、成形品の不良の分類に関する情報である不良分類情報を複数有するマスターデータを記憶する不良分類記憶部と、成形品目記憶部に記憶された成形品目情報の選択を受け付ける第1受付部と、マスターデータが有する不良分類情報の選択を受け付ける第2受付部と、第1受付部が受け付けた成形品目情報と、第2受付部が受け付けた不良分類情報と、が関連付けて記憶される、品目不良記憶部と、成形品に不良が発生した場合に、不良が発生した成形品の品目の成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部に記憶されている不良分類情報の選択を受け付ける第3受付部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形管理システムであって、
成形品の品目の識別情報である成形品目情報を複数記憶する成形品目記憶部と、
前記成形品の不良の分類に関する情報である不良分類情報を複数有するマスターデータを記憶する不良分類記憶部と、
前記成形品目記憶部に記憶された前記成形品目情報の選択を受け付ける第1受付部と、
前記マスターデータが有する前記不良分類情報の選択を受け付ける第2受付部と、
前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報と、が関連付けて記憶される、品目不良記憶部と、
前記成形品に前記不良が発生した場合に、前記不良が発生した前記成形品の品目の前記成形品目情報に関連付けて前記品目不良記憶部に記憶されている前記不良分類情報の選択を受け付ける第3受付部と、を備える、
成形管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
第4受付部を備え、
前記成形品目記憶部は、前記成形品の種別に関する情報であり、光学部品、インサート部品、または多色成形部品のいずれかを含む、成形品種別情報を記憶し、
前記第4受付部は、前記成形品目記憶部に記憶された前記成形品種別情報の選択を受け付け、
前記品目不良記憶部には、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報と、前記第4受付部が受け付けた前記成形品種別情報と、が関連付けて記憶される、
成形管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記品目不良記憶部において、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報は、前記成形品の生産工程の識別情報である生産工程情報を介して関連付けて記憶される、
成形管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されているプログラム及び情報処理装置では、ショット番号と、成形品が良品であることを示す良タグあるいは成形品が不良品であることを示す不良タグが関連付けられた、タグデータが、金型内の温度データや圧力データ、流速データと紐付けて記憶装置に格納される。上述したタグデータは、ユーザーが、キーボード等の入力インターフェースを用いて入力するデータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-119172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成形品の生産において不良が発生した場合、ユーザーは、不良が発生した成形品の品目と、不良の詳細な情報を、関連付けて成形管理システムに記憶させる場合がある。このとき、ユーザーがキーボード等を用いて不良の詳細な情報を入力すると、情報の入力に時間がかかるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、成形品の品目の識別情報である成形品目情報を複数記憶する成形品目記憶部と、前記成形品の不良の分類に関する情報である不良分類情報を複数有するマスターデータを記憶する不良分類記憶部と、前記成形品目記憶部に記憶された前記成形品目情報の選択を受け付ける第1受付部と、前記マスターデータが有する前記不良分類情報の選択を受け付ける第2受付部と、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報と、が関連付けて記憶される、品目不良記憶部と、前記成形品に前記不良が発生した場合に、前記不良が発生した前記成形品の品目の前記成形品目情報に関連付けて前記品目不良記憶部に記憶されている前記不良分類情報の選択を受け付ける第3受付部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図2】成形管理システムが実行する不良分類紐付処理の工程図。
図3】成形品目一覧画面を示す図。
図4】不良分類紐付画面を示す図。
図5】不良入力処理の工程図。
図6】検査画面を示す図。
図7】不良入力画面を示す図。
図8】第2実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図9】第2実施形態における不良分類紐付処理の工程図。
図10】生産工程一覧画面を示す図。
図11】工程不良分類紐付画面を示す図。
図12】成形品目工程紐付画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。成形管理システム10は、管理サーバ100と、射出成形機210と、センサ220と、検査装置230と、クラウドサーバ300と、端末装置400と、を備える。管理サーバ100は、射出成形機210および検査装置230とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。センサ220は、射出成形機210に接続されている。クラウドサーバ300は、管理サーバ100および端末装置400とインターネットINを介して相互に通信可能に構成されている。なお、図1には、成形管理システム10が、射出成形機210と、センサ220と、検査装置230をそれぞれ1台ずつ備える例が示されているが、成形管理システム10は、射出成形機210と、センサ220と、検査装置230を、それぞれ複数台ずつ備えてもよい。また、成形管理システム10は、検査装置230以外にも、射出成形機210から成形品を取り出す取り出しロボットや、射出成形機210で使用される材料を乾燥させる乾燥機などの周辺機器を備えてもよい。
【0008】
射出成形機210は、射出成形を行う装置である。射出成形機210は、第1制御部211と、それぞれ図示しない射出装置と型締装置を備えている。型締装置には、キャビティーを有する成形型が装着される。成形型は、金属製でもよいし、セラミック製でもよいし、樹脂製でもよい。金属製の成形型のことを金型と呼ぶ。第1制御部211は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。第1制御部211は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。射出成形機210は、液晶ディスプレイなどの表示装置と、キーボードなどの入力装置を備えてもよい。
【0009】
第1制御部211は、管理サーバ100を介してクラウドサーバ300から取得した成形条件に基づいて、射出成形機210の各部を制御して射出成形を行い、成形品を成形する。より具体的には、第1制御部211は、型締装置を制御して成形型を型締めし、射出装置を制御して材料を可塑化した造形材料を成形型に射出することによって、成形型に設けられたキャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。
【0010】
センサ220は、射出成形機210の動作状態に関する物理量である、射出圧力や金型の温度、射出充填時間などを計測する。センサ220は、例えば、射出圧力を計測する圧力センサや、金型の温度を計測する温度センサなどである。センサ220は、計測した射出成形機210の動作状態に関する物理量を、射出成形機210の第1制御部211を介して、管理サーバ100に送信する。なお、センサ220は、管理サーバ100とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。この場合、センサ220は、計測した射出成形機210の動作状態に関する物理量を、第1制御部211を介さずに管理サーバ100に送信してもよい。
【0011】
検査装置230は、成形品の検査を行う装置である。検査装置230は、第2制御部231と、検査装置表示部232と、図示しないカメラと、によって構成される。検査装置表示部232は、液晶ディスプレイなどによって構成される。検査装置表示部232には、タッチパネル機能が備えられてもよい。また、検査装置230は、キーボードなどの入力装置を備えてもよい。第2制御部231は、カメラを制御して成形品を撮像し、撮像された成形品の画像を検査装置表示部232に表示させる。第2制御部231は、撮像された成形品の画像を、管理サーバ100に送信してもよい。
【0012】
管理サーバ100は、第1処理部101と、第1記憶部102と、通信制御部103と、を備えるコンピューターによって構成されている。第1処理部101は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。第1記憶部102は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。通信制御部103は、クラウドサーバ300や射出成形機210などの他の装置との通信を制御するための通信回路を備えている。管理サーバ100は、複数台のコンピューターによって構成されていてもよい。管理サーバ100は、液晶ディスプレイなどの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えてもよい。
【0013】
第1処理部101は、センサ220から送信された射出成形機210の動作状態に関する物理量を取得する。第1処理部101によって取得された射出成形機210の動作状態に関する物理量は、第1記憶部102に記憶される。第1処理部101は、射出成形機210の動作状態に関する物理量を、クラウドサーバ300に送信してもよい。この場合、クラウドサーバ300の第2記憶部302に、射出成形機210の動作状態に関する物理量が記憶される。
【0014】
端末装置400は、CPUと記憶装置と表示部450とを備えるコンピューターとして構成されている。端末装置400としては、例えば、タブレット端末やノート型パソコン、スマートフォン、ハンディターミナルを適用できる。表示部450には、クラウドサーバ300から出力された各種の画面が表示される。表示部450には、タッチパネル機能が備えられてもよい。端末装置400を、情報端末とも呼ぶ。
【0015】
クラウドサーバ300は、インターネットIN経由で使用されるサーバである。クラウドサーバ300は、第2処理部301と、第2記憶部302と、を備える。管理サーバ100の第1記憶部102と、クラウドサーバ300の第2記憶部302を、まとめて記憶部とも呼ぶ。なお、管理サーバ100とクラウドサーバ300は、1つのサーバとして構成されていてもよい。
【0016】
第2記憶部302は、成形品目記憶部360と、不良分類記憶部370と、品目不良記憶部380と、を備える。
【0017】
成形品目記憶部360には、成形品の品目の識別情報である成形品目情報が複数記憶される。成形品目情報は、それぞれの成形品の品目に割り当てられた識別情報である。成形品目情報は、それぞれの成形品の品目の名称や、それぞれの成形品の品目に割り当てられたID番号などである。以下では、成形品の品目を、成形品目とも呼ぶ。
【0018】
また、成形品目記憶部360には、成形品の種別に関する情報である、成形品種別情報が記憶される。成形品種別情報は、光学部品、インサート部品、多色成形部品などである。ここで、光学部品は、透明な部分を含む成形品である。インサート部品は、インサート品と樹脂が一体となった成形品が成形されるインサート成形で、成形される成形品である。多色成形部品は、異なる色や材質の樹脂が一体となった成形品が成形される多色成形で、成形される成形品である。なお、成形品種別情報は、光学部品、インサート部品、または多色成形品の、いずれかを含めばよい。また、成形品種別情報は、球状部品や、板状部品などを含んでもよい。
【0019】
不良分類記憶部370には、成形品の不良の分類に関する情報である不良分類情報を複数有するマスターデータが記憶される。マスターデータは、それぞれの種別の成形品に特有の不良の不良分類情報を有する。不良分類情報は、傷、バリ、ウェルドライン、フローマーク、充填不足、欠け・割れ、落下、寸法不良、汚れ、曲がり、変色、焼け、検査ミス、気泡、黄変、インサート品不良、インサート品挿入ミス、充填不足(1色目)、充填不足(2色目)、劣化などである。ここで、充填不足とは、成形型に造形材料を射出した際に、キャビティーに造形材料が十分に充填されなかったことを意味する。インサート品不良とは、インサート成形工程において、インサート品に不良があったために、成形品に不良が生じたことを意味する。インサート品挿入ミスとは、インサート成形工程において、成形型へのインサート品の取り付けに問題があったことを意味する。充填不足(1色目)とは、多色成形工程において、1色目の色の造形材料がキャビティーに十分に充填されなかったことを意味する。充填不足(2色目)とは、多色成形工程において、1色目の色とは異なる色である、2色目の色の造形材料が、キャビティーに十分に充填されなかったことを意味する。
【0020】
上述した不良分類情報のうち、気泡および黄変は、光学部品に特有の不良分類情報である。インサート品不良およびインサート品挿入ミスは、インサート部品に特有の不良分類情報である。充填不足(1色目)および充填不足(2色目)は、多色成形部品に特有の不良分類情報である。
【0021】
品目不良記憶部380には、成形品目情報と不良分類情報が関連付けて記憶される。
【0022】
クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1受付部310と、第2受付部320と、第3受付部330と、第4受付部340と、を備える。第1受付部310と、第2受付部320と、第3受付部330と、第4受付部340は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0023】
第1受付部310は、成形品目記憶部360に記憶された成形品目情報の選択を受け付ける。
【0024】
第2受付部320は、不良分類記憶部370に記憶されたマスターデータが有する不良分類情報の選択を受け付ける。
【0025】
第3受付部330は、成形品に不良が発生した場合に、不良分類情報の選択を受け付ける。
【0026】
第4受付部340は、成形品目記憶部360に記憶された成形品種別情報の選択を受け付ける。
【0027】
図2は、成形管理システム10が実行する不良分類紐付処理の工程図である。不良分類紐付処理は、予め定められた操作が成形管理システム10に対して行われた場合に実行される。
【0028】
ステップS10において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、成形品目記憶部360に記憶されている成形品目情報が表示される画面である成形品目一覧画面SC1のデータを生成し、端末装置400に出力する。成形品目一覧画面SC1は、端末装置400の表示部450に表示される。
【0029】
図3は、成形品目一覧画面SC1を示す図である。成形品目一覧画面SC1には、成形品目表示領域RG1と、追加ボタンBT1と、が設けられている。成形品目表示領域RG1には、各成形品目について、成形品目情報である成形品目IDと、成形品目情報である成形品目名と、が表示されている。また、成形品目表示領域RG1には、各成形品目に対応付けられたチェックボックスC1が設けられている。
【0030】
図2のステップS20において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、成形品目に対応付ける不良分類情報をユーザーが選択するための画面である不良分類紐付画面SC2のデータを生成し、端末装置400に出力する。不良分類紐付画面SC2は、端末装置400の表示部450に表示される。ステップS20は、図3に示す成形品目一覧画面SC1において、追加ボタンBT1がクリックされた場合に実行される。
【0031】
図4は、不良分類紐付画面SC2を示す図である。不良分類紐付画面SC2には、選択欄BX1と、選択欄BX2と、選択欄BX3と、選択欄BX4と、確定ボタンBT2と、が設けられている。選択欄BX1では、成形品目IDが選択される。選択欄BX1は、ユーザーが選択欄BX1をクリックすることで、成形品目記憶部360に記憶されている成形品目IDの一覧が表示されるように設けられている。選択欄BX2では、成形品目名が選択される。選択欄BX2は、ユーザーが選択欄BX2をクリックすることで、成形品目記憶部360に記憶されている成形品目名の一覧が表示されるように設けられている。選択欄BX3では、成形品種別情報が選択される。選択欄BX3は、ユーザーが選択欄BX3をクリックすることで、成形品目記憶部360に記憶されている成形品種別情報の一覧が表示されるように設けられている。選択欄BX4では、不良分類情報が選択される。選択欄BX4は、ユーザーが選択欄BX4をクリックすることで、不良分類記憶部370に記憶されているマスターデータが有する不良分類情報の一覧が表示されるように設けられている。
【0032】
ユーザーは、不良分類紐付画面SC2で情報を選択する。以下では、ユーザーが不良分類紐付画面SC2で選択する情報について説明する。ユーザーは、選択欄BX1において不良分類情報を関連付ける成形品目の成形品目ID、または、選択欄BX2において不良分類情報を関連付ける成形品目の成形品目名を選択する。ユーザーは、選択欄BX3において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目情報に対応する成形品目の、成形品種別情報を選択する。例えば、選択欄BX1または選択欄BX2で透明な部分を含む成形品の成形品目情報が選択された場合、ユーザーは、選択欄BX3で「光学部品」を選択する。ユーザーは、選択欄BX3で、複数の成形品種別情報を選択してもよい。例えば、選択欄BX1または選択欄BX2で、透明な部分を含み、かつ、インサート品を含む成形品の成形品目情報が選択された場合、ユーザーは、選択欄BX3で「光学部品」と「インサート部品」を選択する。ユーザーは、選択欄BX4において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目情報に対応する成形品目に関連付ける不良分類情報を選択する。選択欄BX1から選択欄BX4には、各選択欄でユーザーが選択した情報が表示される。
【0033】
ユーザーは、選択欄BX4において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目で発生する可能性がある不良の不良分類情報を選択する。言い換えると、ユーザーは、選択欄BX4において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目に特有の不良の不良分類情報を選択する。以下では、各成形品目について、ユーザーが選択欄BX4で選択する不良分類情報の例を説明する。
【0034】
成形品目が光学部品の場合、ユーザーは、気泡、黄変、傷、バリなどの不良分類情報を選択する。成形品目がインサート部品の場合、ユーザーは、インサート品不良、インサート品挿入ミス、傷、バリなどの不良分類情報を選択する。成形品目が多色成形部品の場合、ユーザーは、充填不足(1色目)、充填不足(2色目)、傷、バリなどの不良分類情報を選択する。また、成形品目が光学部品でない場合、ユーザーは、気泡、黄変などの不良分類情報を選択しない。成形品目がインサート部品でない場合、ユーザーは、インサート品不良、インサート品挿入ミスなどの不良分類情報を選択しない。成形品目が多色成形部品でない場合、ユーザーは、充填不足(1色目)、充填不足(2色目)などの不良分類情報を選択しない。
【0035】
図2のステップS30において、第1受付部310は、図4に示す不良分類紐付画面SC2の選択欄BX1で選択された成形品目ID、または、選択欄BX2で選択された成形品目名を、成形品目情報として受け付ける。ステップS30以降の各ステップは、不良分類紐付画面SC2の確定ボタンBT2がクリックされた場合に実行される。
【0036】
図2のステップS40において、第2受付部320は、図4に示す不良分類紐付画面SC2の選択欄BX4で選択された不良分類情報を受け付ける。
【0037】
図2のステップS50において、第4受付部340は、図4に示す不良分類紐付画面SC2の選択欄BX3で選択された成形品種別情報を受け付ける。
【0038】
ステップS60において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS30で第1受付部310が受け付けた成形品目情報と、ステップS40で第2受付部320が受け付けた不良分類情報と、ステップS50で第4受付部340が受け付けた成形品種別情報を、関連付けて品目不良記憶部380に記憶させる。以上で説明したようにして、不良分類紐付処理が実行される。
【0039】
図5は、成形管理システム10が実行する、不良入力処理の工程図である。不良入力処理は、検査装置230が成形品を検査した場合に実行される。
【0040】
ステップS110において、検査装置230の第2制御部231は、検査画面SC3を検査装置表示部232に出力する。検査画面SC3は、検査装置表示部232に表示される。なお、第2制御部231は、検査画面SC3を、管理サーバ100に出力してもよい。この場合、管理サーバ100は、クラウドサーバ300を介して、検査画面SC3を端末装置400の表示部450に表示させる。
【0041】
図6は、検査画面SC3を示す図である。検査画面SC3には、画像表示領域RG2と、前画像表示ボタンBT3と、次画像表示ボタンBT4と、良品ボタンBT5と、不良品ボタンBT6と、が設けられている。画像表示領域RG2には、検査装置230のカメラによって撮像された成形品の画像が表示される。検査画面SC3には、画像表示領域RG2に表示されている成形品の成形品目情報が表示されている。前画像表示ボタンBT3と次画像表示ボタンBT4は、ユーザーがこれらをクリックすることで、画像表示領域RG2に表示される画像が、同じ成形品目情報を有する別の成形品の画像に変更されるように設けられている。ユーザーは、同じ成形品目情報を有する全ての成形品の画像を検査画面SC3で確認し、全ての成形品に不良が無い場合は良品ボタンBT5を、少なくとも1つの成形品に不良がある場合は不良品ボタンBT6をクリックする。
【0042】
図5のステップS120において、第2制御部231は、検査画面SC3において不良品ボタンBT6が選択されたか否かを判定する。第2制御部231は、良品ボタンBT5が選択された場合、不良入力処理を終了させる。第2制御部231は、不良品ボタンBT6が選択された場合、ステップS130を実行する。
【0043】
ステップS130において、検査装置230は、不良分類情報をユーザーが選択するための画面である不良入力画面SC4を検査装置表示部232に出力する。不良入力画面SC4は、検査装置表示部232に表示される。なお、第2制御部231は、不良入力画面SC4を、管理サーバ100に出力してもよい。この場合、管理サーバ100は、クラウドサーバ300を介して、不良入力画面SC4を端末装置400の表示部450に表示させる。
【0044】
図7は、不良入力画面SC4を示す図である。不良入力画面SC4には、選択欄BX11と、入力欄BX12と、保存ボタンBT7と、キャンセルボタンBT8と、が設けられている。また、不良入力画面SC4には、検査画面SC3に表示されていた成形品の成形品目情報が表示されている。選択欄BX11では、不良分類情報が選択される。選択欄BX11は、ユーザーが選択欄BX11をクリックすることで、不良入力画面SC4に表示されている成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている不良分類情報の一覧が表示されるように設けられている。入力欄BX12には、不良が発生した成形品の個数が入力される。
【0045】
ユーザーは、不良入力画面SC4に情報を入力する。ユーザーは、選択欄BX11において、不良入力画面SC4に表示されている成形品目情報を有する成形品に発生した不良に該当する不良分類情報を選択する。ユーザーは、入力欄BX12において、不良が発生した成形品の個数を入力する。
【0046】
以下では、成形品に不良がある場合に、ユーザーが不良入力画面SC4の選択欄BX11で選択する情報の例を説明する。例えば、光学部品である成形品に気泡が確認された場合、ユーザーは、選択欄BX11において「気泡」の不良分類情報を選択する。インサート部品である成形品のインサート品に不良が確認された場合、ユーザーは、選択欄BX11において「インサート品不良」の不良分類情報を選択する。多色成形部品である成形品の、1色目の色の造形材料の充填が不十分であることが確認された場合、ユーザーは、選択欄BX11において「充填不足(1色目)」の不良分類情報を選択する。
【0047】
図5のステップS140において、第3受付部330は、図7に示す不良入力画面SC4の選択欄BX11で選択された不良分類情報を受け付ける。すなわち、第3受付部330は、成形品に不良が発生した場合に、不良が発生した成形品の品目の成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている不良分類情報の選択を受け付ける。また、ステップS140において、第2処理部301は、入力欄BX12に入力された情報を受け付ける。ステップS140は、不良入力画面SC4の保存ボタンBT7がクリックされた場合に実行される。
【0048】
図5のステップS150において、第2処理部301は、ステップS140で第3受付部330が受け付けた不良分類情報と、不良入力画面SC4に表示されていた成形品目情報と、入力欄BX12に入力された情報を、関連付けて第2記憶部302に記憶させる。なお、第2処理部301は、上述した情報を関連付けて管理サーバ100の第1記憶部102に記憶させてもよい。すなわち、第2処理部301は、不良が発生した成形品の成形品目情報と、不良分類情報と、不良が発生した成形品の個数を、関連付けて記憶部に記憶させる。以上で説明したようにして、不良入力処理が実行される。
【0049】
以上で説明した第1実施形態における成形管理システム10によれば、品目不良記憶部380には、成形品目記憶部360に記憶されている成形品目情報から選択された成形品目情報と、不良分類記憶部370に記憶されているマスターデータが有する不良分類情報から選択された不良分類情報が、関連付けて記憶されている。また、第3受付部330は、成形品に不良が発生した場合に、不良が発生した成形品の成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている不良分類情報の選択を受け付ける。そのため、ユーザーは、成形品に不良が発生した場合に、不良が発生した成形品の成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている不良分類情報を選択できる。したがって、発生した不良の詳細な情報を、キーボードなどを用いて入力する必要がないため、不良の詳細な情報の入力にかかる時間を短縮することができる。
【0050】
また、本実施形態では、ユーザーは、図2に示す不良分類紐付処理において、それぞれの成形品目に特有の不良の不良分類情報のみを、その成形品目の成形品目情報と関連付けて品目不良記憶部380に記憶させることができる。そのため、図7に示す不良入力画面SC4の選択欄BX11には、不良が発生した成形品目に特有の不良の不良分類情報のみが表示される。例えば、不良入力画面SC4に光学部品の成形品目情報が表示されている場合、選択欄BX11には、光学部品に特有の不良の不良分類情報のみが表示される。そのため、不良入力処理において、発生した不良の不良分類情報を、ユーザーが選択しやすくできる。
【0051】
また、本実施形態では、図5に示す不良入力処理において、成形品目情報と、不良分類情報と、不良が発生した成形品の個数が、関連付けて第2記憶部302に記憶される。そのため、第2記憶部302には、特定の不良分類情報の不良が発生した成形品の数が記憶される。したがって、特定の不良分類情報の不良が発生した成形品の数を正確に集計できる。
【0052】
また、本実施形態では、不良分類記憶部370には、複数の不良分類情報を有するマスターデータが記憶されている。このマスターデータは、全ての成形品目について、各成形品目に特有の不良分類情報を有する。そのため、ユーザーは、1つのマスターデータを編集することで、全ての成形品目の不良分類情報を編集することができる。したがって、不良分類記憶部370に、成形品目毎に、それぞれの成形品目に特有の不良分類情報を有するマスターデータが記憶されている場合と比べて、不良分類情報のマスターデータを管理しやすくできる。
【0053】
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第2実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第5受付部350をさらに備える。また、クラウドサーバ300の第2記憶部302は、生産工程記憶部390をさらに備える。クラウドサーバ300以外の成形管理システム10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。
【0054】
生産工程記憶部390には、成形品の生産工程の識別情報である生産工程情報が複数記憶される。成形品の生産工程は、乾燥工程、プレス工程、成形工程、光学部品成形工程、インサート成形工程、多色成形工程、搬送工程、外観検査工程、バリ取り工程、洗浄工程、出荷検査工程、出荷承認工程、梱包工程、完成在庫工程などである。生産工程情報は、それぞれの生産工程に割り当てられた識別情報である。生産工程情報は、生産工程の名称や、それぞれの生産工程に割り当てられたID番号などである。
【0055】
以下では、上述した各生産工程の詳細を説明する。乾燥工程は、成形品の成形に使用される材料が乾燥される工程である。プレス工程は、インサート成形工程で使用されるインサート品が作成される工程である。成形工程は、射出成形機210によって成形品が成形される工程である。光学部品成形工程は、射出成形機210によって光学部品である成形品が成形される工程である。インサート成形工程は、射出成形機210によってインサート部品である成形品が成形される工程である。インサート成形工程は、インサート成形が可能な射出成形機210によって実施される。多色成形工程は、射出成形機210によって多色成形部品である成形品が成形される工程である。多色成形工程は、多色成形が可能な射出成形機210によって実施される。なお、成形工程では、光学部品の成形、インサート成形、または多色成形は実施されないとする。搬送工程は、材料や成形品が、射出成形機210や周辺機器の間で搬送される工程である。外観検査工程は、射出成形機210で成形品が成形された直後に、検査装置230によって成形品が検査される工程である。バリ取り工程は、成形品のバリが除去される工程である。洗浄工程は、成形品が洗浄される工程である。出荷検査工程は、成形品が出荷される前に、検査装置230によって成形品が検査される工程である。出荷承認工程は、成形品の品質に問題がなく、出荷が工場の責任者に承認される工程である。梱包工程は、成形品が梱包される工程である。なお、成形品を梱包せずに保管用の容器に入れる作業や、成形品を梱包せずに保管用のトレイに載せる作業も、梱包工程に含むとする。完成在庫工程は、梱包工程より後に行われる生産工程である。完成在庫工程では、成形品は、出荷可能な状態で保管庫などに保管されている。
【0056】
第5受付部350は、生産工程記憶部390に記憶された生産工程情報の選択を受け付ける。
【0057】
図9は、第2実施形態における不良分類紐付処理の工程図である。なお、図2に示した第1実施形態における不良分類紐付処理と同様の処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0058】
ステップS210において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、生産工程記憶部390に記憶されている生産工程情報が表示される画面である生産工程一覧画面SC5のデータを生成し、端末装置400に出力する。生産工程一覧画面SC5は、端末装置400の表示部450に表示される。
【0059】
図10は、生産工程一覧画面SC5を示す図である。生産工程一覧画面SC5には、生産工程表示領域RG3と、追加ボタンBT9と、が設けられている。
【0060】
生産工程表示領域RG3には、各生産工程について、生産工程情報である工程IDと、生産工程情報である工程名と、工程種別と、が表示されている。また、生産工程表示領域RG3には、各生産工程について、生産工程が外注工程であるか否かを表すチェックボックスC3と、生産工程が完成在庫工程であるか否かを表すチェックボックスC4が表示されている。また、生産工程表示領域RG3には、各生産工程に対応付けられたチェックボックスC2が設けられている。
【0061】
工程種別は、生産工程の種別に関する情報である。工程種別は、成形、一般、出荷検査、出荷承認、完成在庫の5つである。生産工程は、いずれかの工程種別に分類される。工程種別が成形である生産工程は、成形工程、光学部品成形工程、インサート成形工程、多色成形工程などの、成形品が成形される工程である。工程種別が一般である生産工程は、バリ取り工程、洗浄工程、外観検査工程などの、成形品が製造される工程のうち、成形品が成形される工程を除いた工程である。工程種別が出荷検査である生産工程は、出荷検査工程である。工程種別が出荷承認である生産工程は、出荷承認工程である。工程種別が完成在庫である生産工程は、完成在庫工程である。生産工程情報と、工程種別とは、予め関連付けられて生産工程記憶部390に記憶されている。なお、工程種別は、上述した5つでなくてもよい。また、生産工程表示領域RG3には、工程種別が表示されていなくてもよい。
【0062】
外注工程は、成形管理システム10が備える射出成形機210または周辺機器を有する工場以外の工場において実施される生産工程である。以下では、成形管理システム10が備える射出成形機210または周辺機器を有する工場を、自社の工場とも呼び、自社の工場以外の工場を、他社の工場とも呼ぶ。すなわち、外注工程は、他社の工場で実施される生産工程である。例えば、他社の工場が有する射出成形機によってインサート成形工程が実施される場合、インサート成形工程は外注工程である。生産工程が外注工程である場合、チェックボックスC3にチェックが表示される。また、生産工程が完成在庫工程である場合、チェックボックスC4にチェックが表示される。
【0063】
図9のステップS220において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、生産工程に対応付ける不良分類情報をユーザーが選択するための画面である工程不良分類紐付画面SC6のデータを生成し、端末装置400に出力する。工程不良分類紐付画面SC6は、端末装置400の表示部450に表示される。ステップS220は、図10に示す生産工程一覧画面SC5において、追加ボタンBT9がクリックされた場合に実行される。
【0064】
図11は、工程不良分類紐付画面SC6を示す図である。工程不良分類紐付画面SC6には、選択欄BX21と、選択欄BX22と、表示欄BX23と、チェックボックスC5と、チェックボックスC6と、選択欄BX24と、選択欄BX25と、確定ボタンBT10と、が設けられている。選択欄BX21では、工程IDが選択される。選択欄BX21は、ユーザーが選択欄BX21をクリックすることで、生産工程記憶部390に記憶されている工程IDの一覧が表示されるように設けられている。選択欄BX22では、工程名が選択される。選択欄BX22は、ユーザーが選択欄BX22をクリックすることで、生産工程記憶部390に記憶されている工程名の一覧が表示されるように設けられている。表示欄BX23には、工程種別が表示される。チェックボックスC5では、生産工程が外注工程であるか否かの情報が選択される。チェックボックスC6では、生産工程が完成在庫工程であるか否かの情報が選択される。選択欄BX24では、成形管理システム10が備える射出成形機210または周辺機器が選択される。選択欄BX24は、ユーザーが選択欄BX24をクリックすることで、成形管理システム10が備える射出成形機210および周辺機器の一覧が表示されるように設けられている。選択欄BX25では、不良分類情報が選択される。選択欄BX25は、ユーザーが選択欄BX25をクリックすることで、不良分類記憶部370に記憶されているマスターデータが有する不良分類情報の一覧が表示されるように設けられている。
【0065】
ユーザーは、工程不良分類紐付画面SC6に情報を入力する。以下では、ユーザーが工程不良分類紐付画面SC6に入力する情報について説明する。
【0066】
ユーザーは、選択欄BX21において不良分類情報を関連付ける生産工程の工程ID、または、選択欄BX22において不良分類情報を関連付ける生産工程の工程名を選択する。表示欄BX23には、選択欄BX21で選択された工程IDまたは選択欄BX22で選択された工程名に関連付けて生産工程記憶部390に記憶されている工程種別が表示される。
【0067】
ユーザーは、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程が外注工程である場合、チェックボックスC5にチェックを入力する。ユーザーは、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程を、他社の工場で実施させる場合に、チェックボックスC5にチェックを入力する。ユーザーは、例えば、成形管理システム10が、インサート成形が可能な射出成形機210や、多色成形が可能な射出成形機210を備えない場合に、インサート成形工程および多色成形工程を外注工程とする。上述した場合、ユーザーは、選択欄BX21または選択欄BX22においてインサート成形工程または多色成形工程を選択し、チェックボックスC5にチェックを入力する。
【0068】
ユーザーは、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程が完成在庫工程である場合、チェックボックスC6にチェックを入力する。
【0069】
ユーザーは、選択欄BX24において、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程で使用される射出成形機210または周辺機器を選択する。選択欄BX24には、ユーザーが選択した射出成形機210または周辺機器の名称が表示される。
【0070】
ユーザーは、選択欄BX25において、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程に関連付ける不良分類情報を選択する。選択欄BX25には、ユーザーが選択した不良分類情報が表示される。
【0071】
ユーザーは、選択欄BX25において、選択欄BX21または選択欄BX22で選択された生産工程で発生する可能性がある不良分類情報を選択する。以下では、各生産工程について、ユーザーが選択欄BX25で選択する不良分類情報の例を説明する。生産工程が乾燥工程の場合、ユーザーは、変色、焼けなどの不良分類情報を選択する。生産工程がプレス工程の場合、ユーザーは、バリ、寸法不良、曲がりなどの不良分類情報を選択する。生産工程が成形工程の場合、ユーザーは、充填不足、バリ、寸法不良などの不良分類情報を選択する。生産工程が光学部品成形工程の場合、ユーザーは、気泡、黄変、バリなどの不良分類情報を選択する。生産工程がインサート成形工程の場合、ユーザーは、インサート品不良、インサート品挿入ミス、充填不足などの不良分類情報を選択する。生産工程が多色成形工程の場合、ユーザーは、充填不足(1色目)、充填不足(2色目)、バリなどの不良分類情報を選択する。生産工程が搬送工程の場合、ユーザーは、欠け・割れ、傷、落下などの不良分類情報を選択する。生産工程が外観検査工程の場合、ユーザーは、充填不足、傷、寸法不良などの不良分類情報を選択する。生産工程がバリ取り工程の場合、ユーザーは、欠け・割れ、傷などの不良分類情報を選択する。生産工程が洗浄工程の場合、ユーザーは、汚れ、欠け・割れ、傷などの不良分類情報を選択する。生産工程が出荷検査工程の場合、ユーザーは、充填不足、傷、寸法不良などの不良分類情報を選択する。生産工程が出荷承認工程の場合、ユーザーは、落下、検査ミスなどの不良分類情報を選択する。生産工程が梱包工程の場合、ユーザーは、落下、欠け・割れ、傷などの不良分類情報を選択する。生産工程が完成在庫工程の場合、ユーザーは、汚れ、劣化などの不良分類情報を選択する。
【0072】
図9のステップS230において、第5受付部350は、図11に示す工程不良分類紐付画面SC6の選択欄BX21で選択された工程ID、または、選択欄BX22で選択された工程名を、生産工程情報として受け付ける。ステップS230は、工程不良分類紐付画面SC6の確定ボタンBT10がクリックされた場合に実行される。
【0073】
図9のステップS240において、第2受付部320は、図11に示す工程不良分類紐付画面SC6の選択欄BX25で選択された不良分類情報を受け付ける。
【0074】
図9のステップS250において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS230で第5受付部350が受け付けた生産工程情報と、ステップS240で第2受付部320が受け付けた不良分類情報を、関連付けて品目不良記憶部380に記憶させる。
【0075】
ステップS260において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、成形品目に対応付ける生産工程をユーザーが選択するための画面である成形品目工程紐付画面SC7のデータを生成し、端末装置400に出力する。成形品目工程紐付画面SC7は、端末装置400の表示部450に表示される。ステップS260は、ステップS10において図3に示す成形品目一覧画面SC1の追加ボタンBT1がクリックされた場合に実行される。
【0076】
図12は、成形品目工程紐付画面SC7を示す図である。成形品目工程紐付画面SC7には、選択欄BX1と、選択欄BX2と、選択欄BX3と、選択欄BX31と、確定ボタンBT11と、が設けられている。選択欄BX1と、選択欄BX2と、選択欄BX3は、図4に示す不良分類紐付画面SC2の選択欄BX1、選択欄BX2、選択欄BX3と同様に設けられている。選択欄BX31では、生産工程情報が選択される。選択欄BX31は、ユーザーが選択欄BX31をクリックすることで、生産工程記憶部390に記憶されている生産工程情報の一覧が表示されるように設けられている。
【0077】
ユーザーは、成形品目工程紐付画面SC7で情報を選択する。以下では、ユーザーが成形品目工程紐付画面SC7で選択する情報について説明する。
【0078】
ユーザーは、選択欄BX1において生産工程情報を関連付ける成形品目の成形品目ID、または、選択欄BX2において生産工程情報を関連付ける成形品目の成形品目名を選択する。ユーザーは、選択欄BX3において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目情報に対応する成形品目の、成形品種別情報を選択する。ユーザーは、選択欄BX31において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目情報に対応する成形品目に関連付ける生産工程情報を選択する。選択欄BX1から選択欄BX3、および選択欄BX31には、各選択欄でユーザーが選択した情報が表示される。
【0079】
ユーザーは、選択欄BX31において、選択欄BX1または選択欄BX2で選択された成形品目の生産に必要な生産工程を選択する。例えば、成形品目が光学部品の場合、ユーザーは、選択欄BX31において、光学部品成形工程と外観検査工程を含む生産工程情報を選択する。成形品目がインサート部品の場合、ユーザーは、選択欄BX31において、プレス工程、インサート成形工程、および外観検査工程を含む生産工程情報を選択する。成形品目が多色成形部品の場合、ユーザーは、選択欄BX31において、多色成形工程と外観検査工程を含む生産工程情報を選択する。
【0080】
図9のステップS270において、第1受付部310は、図12に示す成形品目工程紐付画面SC7の選択欄BX1で選択された成形品目ID、または、選択欄BX2で選択された成形品目名を、成形品目情報として受け付ける。ステップS270は、成形品目工程紐付画面SC7の確定ボタンBT11がクリックされた場合に実行される。
【0081】
図9のステップS280において、第5受付部350は、図12に示す成形品目工程紐付画面SC7の選択欄BX31で選択された生産工程情報を受け付ける。
【0082】
図9のステップS290において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS270で第1受付部310が受け付けた成形品目情報と、ステップS280で第5受付部350が受け付けた生産工程情報を、関連付けて品目不良記憶部380に記憶させる。品目不良記憶部380には、ステップS250において、ステップS230で第5受付部350が受け付けた生産工程情報と、ステップS240で第2受付部320が受け付けた不良分類情報が、関連付けて記憶されている。そのため、品目不良記憶部380において、ステップS270で第1受付部310が受け付けた成形品目情報と、ステップS240で第2受付部320が受け付けた不良分類情報は、生産工程情報を介して関連付けて記憶される。以上で説明したようにして、不良分類紐付処理が実行される。
【0083】
以下では、第2実施形態における不良入力処理について説明する。図5に示す不良入力処理のステップS130において、検査装置230は、不良分類情報をユーザーが選択するための画面である不良入力画面SC4を検査装置表示部232に出力する。第2実施形態では、図7に示す不良入力画面SC4の選択欄BX11は、ユーザーが選択欄BX11をクリックすることで、成形品目の生産工程情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている不良分類情報の一覧が表示されるように設けられている。ここで、成形品目の生産工程情報とは、不良入力画面SC4に表示されている成形品目情報に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されている生産工程情報である。
【0084】
以上で説明した第2実施形態における成形管理システム10によれば、品目不良記憶部380には、第5受付部350が受け付けた生産工程情報と第2受付部320が受け付けた不良分類情報が関連付けて記憶され、また、第1受付部310が受け付けた成形品目情報と第5受付部350が受け付けた生産工程情報が関連付けて記憶される。すなわち、品目不良記憶部380において、第1受付部310が受け付けた成形品目情報と、第2受付部320が受け付けた不良分類情報は、生産工程情報を介して関連付けて記憶される。そのため、成形品目情報と不良分類情報が直接的に関連付けて品目不良記憶部380に記憶されなくても、生産工程情報を介して、成形品目情報と不良分類情報を間接的に関連付けて品目不良記憶部380に記憶させることができる。
【0085】
C.他の実施形態:
(C-1)上記実施形態では、成形管理システム10は、第4受付部340を備える。これに対して、成形管理システム10は、第4受付部340を備えなくてもよい。この場合、成形品目記憶部360には、成形品種別情報が記憶されていなくてもよい。また、品目不良記憶部380には、成形品種別情報が記憶されなくてもよい。
【0086】
(C-2)第2実施形態では、品目不良記憶部380において、第1受付部310が受け付けた成形品目情報と、第2受付部320が受け付けた不良分類情報は、生産工程情報を介して関連付けて記憶される。これに対して、品目不良記憶部380において、成形品目情報と不良分類情報は、生産工程情報だけでなく、他の情報を介して関連付けて記憶されてもよい。例えば、成形品目情報と不良分類情報は、生産工程情報および工順情報を介して関連付けて記憶されてもよい。ここで、工順情報とは、各生産工程が実行される順番に関する情報である。この場合、成形品目情報と工順情報、工順情報と生産工程情報、生産工程情報と不良分類情報が、それぞれ関連付けて品目不良記憶部380に記憶される。
【0087】
(C-3)上記実施形態では、図5に示す不良入力処理において、ユーザーが成形品の画像を確認し、成形品が不良品であるか否かを判断している。これに対して、検査装置230が、成形品が不良品であるか否かを判断してもよい。例えば、成形品の特定の部分の寸法の閾値を予め検査装置230に記憶させておき、成形品の当該特定の部分の寸法の測定値が閾値を超えている場合に、成形品が不良品であると検査装置230が判断してもよい。
【0088】
(C-4)上記実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、成形品目一覧画面SC1や不良分類紐付画面SC2、生産工程一覧画面SC5などの画面のデータを生成し、端末装置400に出力する。これに対して、第2処理部301は、上述した画面のデータを、射出成形機210や検査装置230、管理サーバ100に出力してもよい。この場合、上述した画面は、射出成形機210や管理サーバ100が備える表示装置や、検査装置表示部232に表示される。
【0089】
(C-5)上記実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301が、第1受付部310、第2受付部320、第3受付部330、第4受付部340、および第5受付部350を備える。これに対して、管理サーバ100の第1処理部101が、第1受付部310、第2受付部320、第3受付部330、第4受付部340、および第5受付部350の、一部または全部を備えてもよい。
【0090】
(C-6)上記実施形態では、クラウドサーバ300の第2記憶部302が、成形品目記憶部360と、不良分類記憶部370と、品目不良記憶部380と、生産工程記憶部390と、を備える。これに対して、管理サーバ100の第1記憶部102が、成形品目記憶部360と、不良分類記憶部370と、品目不良記憶部380と、生産工程記憶部390と、を備えてもよい。
【0091】
D.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0092】
(1)本開示の一形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、成形品の品目の識別情報である成形品目情報を複数記憶する成形品目記憶部と、前記成形品の不良の分類に関する情報である不良分類情報を複数有するマスターデータを記憶する不良分類記憶部と、前記成形品目記憶部に記憶された前記成形品目情報の選択を受け付ける第1受付部と、前記マスターデータが有する前記不良分類情報の選択を受け付ける第2受付部と、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報と、が関連付けて記憶される、品目不良記憶部と、前記成形品に前記不良が発生した場合に、前記不良が発生した前記成形品の品目の前記成形品目情報に関連付けて前記品目不良記憶部に記憶されている前記不良分類情報の選択を受け付ける第3受付部と、を備える。
このような形態によれば、ユーザーは、成形品に不良が発生した場合に、発生した不良の詳細な情報を、キーボードなどを用いて入力する必要がないため、不良の詳細な情報の入力にかかる時間を短縮することができる。
【0093】
(2)上記形態において、第4受付部を備え、前記成形品目記憶部は、前記成形品の種別に関する情報であり、光学部品、インサート部品、または多色成形部品のいずれかを含む、成形品種別情報を記憶し、前記第4受付部は、前記成形品目記憶部に記憶された前記成形品種別情報の選択を受け付け、前記品目不良記憶部には、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報と、前記第4受付部が受け付けた前記成形品種別情報と、が関連付けて記憶されてもよい。
このような形態によれば、ユーザーは、成形品種別情報を選択することができる。
【0094】
(3)上記形態において、前記品目不良記憶部において、前記第1受付部が受け付けた前記成形品目情報と、前記第2受付部が受け付けた前記不良分類情報は、前記成形品の生産工程の識別情報である生産工程情報を介して関連付けて記憶されてもよい。
このような形態によれば、成形品目情報と不良分類情報が直接的に関連付けて品目不良記憶部に記憶されなくても、生産工程情報を介して、成形品目情報と不良分類情報を間接的に関連付けて品目不良記憶部に記憶させることができる。
【符号の説明】
【0095】
10…成形管理システム、100…管理サーバ、101…第1処理部、102…第1記憶部、103…通信制御部、210…射出成形機、211…第1制御部、220…センサ、230…検査装置、231…第2制御部、232…検査装置表示部、300…クラウドサーバ、301…第2処理部、302…第2記憶部、310…第1受付部、320…第2受付部、330…第3受付部、340…第4受付部、350…第5受付部、360…成形品目記憶部、370…不良分類記憶部、380…品目不良記憶部、390…生産工程記憶部、400…端末装置、450…表示部、BT1…追加ボタン、BT10…確定ボタン、BT11…確定ボタン、BT2…確定ボタン、BT3…前画像表示ボタン、BT4…次画像表示ボタン、BT5…良品ボタン、BT6…不良品ボタン、BT7…保存ボタン、BT8…キャンセルボタン、BT9…追加ボタン、BX1…選択欄、BX11…選択欄、BX12…入力欄、BX2…選択欄、BX21…選択欄、BX22…選択欄、BX23…表示欄、BX24…選択欄、BX25…選択欄、BX3…選択欄、BX31…選択欄、BX4…選択欄、C1,C2,C3,C4,C5,C6…チェックボックス、IN…インターネット、NT…ネットワーク、RG1…成形品目表示領域、RG2…画像表示領域、RG3…生産工程表示領域、SC1…成形品目一覧画面、SC2…不良分類紐付画面、SC3…検査画面、SC4…不良入力画面、SC5…生産工程一覧画面、SC6…工程不良分類紐付画面、SC7…成形品目工程紐付画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12