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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137005
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/42 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B65C9/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048336
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】390034223
【氏名又は名称】イーデーエム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 豊
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095BA03
3E095CA01
3E095CA09
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA42
3E095DA48
3E095DA82
3E095EA02
3E095EA05
3E095EA08
3E095EA12
3E095EA24
3E095EA32
3E095FA08
3E095FA30
(57)【要約】
【課題】第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部とを切り替える制御を実行するラベル貼付装置において、ラベルの無駄を低減できると共にラベル交換時における生産ライン停止へのダウンタイムを低減できるラベル貼付装置を提供すること。
【解決手段】ラベル貼付装置1は、第1ラベル貼付部3と、第1ラベル貼付部3よりも下流側に配置される第2ラベル貼付部4と、制御部61と、原反ラベル残存検知部312,412により検知されたラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数を予め記憶する記憶部62と、を備え、制御部61は、原反ラベル残存検知部312,412によりラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された場合に、記憶部62に記憶されたラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残りの枚数に基づいて、第1ラベル貼付部3及び第2ラベル貼付部4のラベル貼り付け動作を切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被貼付物にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、
搬送方向に搬送される被貼付物にラベルを貼り付け可能な第1ラベル貼付部と、
前記第1ラベル貼付部よりも被貼付物の搬送方向の下流側に配置され搬送方向に搬送される被貼付物にラベルを貼り付け可能な第2ラベル貼付部と、
前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える制御部と、を備え、
前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、複数のラベルが貼り付けられた長尺状のラベル付き台紙が巻回される原反部と、前記原反部に巻回された前記ラベル付き台紙の径方向の所定位置において前記ラベル付き台紙の残存する径方向の厚さを検知する原反ラベル残存検知部と、を有し、
前記ラベル貼付装置は、前記原反ラベル残存検知部により検知された前記ラベル付き台紙の残存する径方向の厚さに対応するラベルの残りの枚数を予め記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記原反ラベル残存検知部により前記ラベル付き台紙の径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された場合に、前記記憶部に記憶された前記ラベル付き台紙に残存するラベルの残りの枚数に基づいて、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える、ラベル貼付装置。
【請求項2】
前記第1ラベル貼付部の下流側において、前記第1ラベル貼付部における被貼付物へのラベルの貼り付け抜けを検知するラベル抜け検知部を備え、
前記制御部は、前記第1ラベル貼付部においてラベル貼り付け動作を連続して実行中であって前記第2ラベル貼付部においてラベル貼り付け動作の待機中である場合において、前記ラベル抜け検知部により前記第1ラベル貼付部におけるラベルの被貼付物への貼り付け抜けが検知された場合に、前記第2ラベル貼付部により、前記第1ラベル貼付部により貼り付け抜けが検知された被貼付物に対してラベルを貼付するように制御する、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、ラベル貼り付け動作を実行するラベル貼付部本体を有し、
前記ラベル貼付部本体は、ラベルを繰り出し可能であってラベルを被貼付物に貼付可能なラベル貼付位置と、前記ラベル貼付位置から退避された退避位置と、に移動可能である、請求項1又は2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記ラベル貼付部本体が前記退避位置に位置する場合に、前記ラベル貼付部本体の下方に移動可能に設けられる落下防止部を備える、請求項3に記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、前記ラベル付き台紙のラベルの有無を検知するラベル検知部を有し、
前記制御部は、前記ラベル検知部により前記ラベル付き台紙に貼り付けられた複数のラベルのうち少なくとも1枚のラベルが無いことを検知した場合に、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部による被貼付物へのラベルの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物へのラベルの貼り付けを行ったとして、前記ラベル付き台紙を所定長さ送り出す制御を実行する、請求項1又は2に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送方向に搬送される被貼付物にラベルを貼り付け可能な第1ラベル貼付機(第1ラベル貼付部)と、第2ラベル貼付機の下流側に配置される第2ラベル貼付機(第2ラベル貼付部)と、を備え、原反部に巻回された長尺状のラベル付き台紙の残量が少なくなったことをセンサが検知したことに基づいて、第1ラベル貼付機と第2ラベル貼付機とを自動的に切り替えるように制御するラベル貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、ラベル貼付装置が組み込まれた包装機などの製品搬送ラインを搬送されるラベルの搬送を停止しないように制御されている。
【0003】
ここで、原反部に巻回されたラベル付き台紙の残量が少ない場合において、第1ラベル貼付機と第2ラベル貼付機とを切り替える際に、原反部に巻回されたラベル付き台紙に残存するラベルの残りが可能な限り少ない時点で切り替える制御を行うことができれば、ラベルの無駄が低減されてラベルを節約することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-118715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1ラベル貼付機と第2ラベル貼付機とを切り替える制御を実行するラベル貼付装置において、ラベル貼付機の切り替え時に、ラベルの無駄を一層低減できることが求められる。特許文献1に記載のラベル貼付装置においては、原反部に巻回かれたラベル付き台紙の径方向の厚さによりラベル付き台紙の残量をセンサにより検知している。
【0006】
しかし、原反部に巻回されたラベル付き台紙の径方向の厚さによりラベル付き台紙の残量をセンサにより検知する方法では、原反部に巻回されるラベル付き台紙が1回転分の厚みが減少しても僅な厚さしか変化しないため、ラベルの残量の枚数を精度良く把握することが難しかった。また、ラベル付き台紙の残量を検知するセンサの設置位置を微調整して設置することが難しかった。第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部とを切り替える制御を実行するラベル貼付装置において、ラベルの残量を精度よく把握することで、ラベルの無駄を低減できることが求められている。また、ラベル交換時における生産ライン停止へのダウンタイムを低減できることが求められている。
【0007】
本発明は、第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部とを切り替える制御を実行するラベル貼付装置において、ラベルの無駄を低減できると共にラベル交換時における生産ライン停止へのダウンタイムを低減できるラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被貼付物にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、搬送方向に搬送される被貼付物にラベルを貼り付け可能な第1ラベル貼付部と、前記第1ラベル貼付部よりも被貼付物の搬送方向の下流側に配置され搬送方向に搬送される被貼付物にラベルを貼り付け可能な第2ラベル貼付部と、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える制御部と、を備え、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、複数のラベルが貼り付けられた長尺状のラベル付き台紙が巻回される原反部と、前記原反部に巻回された前記ラベル付き台紙の径方向の所定位置において前記ラベル付き台紙の残存する径方向の厚さを検知する原反ラベル残存検知部と、を有し、前記ラベル貼付装置は、前記原反ラベル残存検知部により検知された前記ラベル付き台紙の残存する径方向の厚さに対応するラベルの残りの枚数を予め記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記原反ラベル残存検知部により前記ラベル付き台紙の径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された場合に、前記記憶部に記憶された前記ラベル付き台紙に残存するラベルの残りの枚数に基づいて、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える、ラベル貼付装置に関する。
【0009】
また、前記第1ラベル貼付部の下流側において、前記第1ラベル貼付部における被貼付物へのラベルの貼り付け抜けを検知するラベル抜け検知部を備え、前記制御部は、前記第1ラベル貼付部においてラベル貼り付け動作を連続して実行中であって前記第2ラベル貼付部においてラベル貼り付け動作の待機中である場合において、前記ラベル抜け検知部により前記第1ラベル貼付部におけるラベルの被貼付物への貼り付け抜けが検知された場合に、前記第2ラベル貼付部により、前記第1ラベル貼付部により貼り付け抜けが検知された被貼付物に対してラベルを貼付するように制御することが好ましい。
【0010】
また、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、ラベル貼り付け動作を実行するラベル貼付部本体を有し、前記ラベル貼付部本体は、ラベルを繰り出し可能であってラベルを被貼付物に貼付可能なラベル貼付位置と、前記ラベル貼付位置から退避された退避位置と、に移動可能であることが好ましい。
【0011】
また、前記ラベル貼付部本体が前記退避位置に位置する場合に、前記ラベル貼付部本体の下方に移動可能に設けられる落下防止部を備えることが好ましい。
【0012】
また、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部は、それぞれ、前記ラベル付き台紙のラベルの有無を検知するラベル検知部を有し、前記制御部は、前記ラベル検知部により前記ラベル付き台紙に貼り付けられた複数のラベルのうち少なくとも1枚のラベルが無いことを検知した場合に、前記第1ラベル貼付部及び前記第2ラベル貼付部による被貼付物へのラベルの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物へのラベルの貼り付けを行ったとして、前記ラベル付き台紙を所定長さ送り出す制御を実行することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部とを切り替える制御を実行するラベル貼付装置において、ラベルの無駄を低減できると共にラベル交換時における生産ライン停止へのダウンタイムを低減できるラベル貼付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の全体構成を説明する図である。
図2】第1ラベル貼付機によりラベルを貼り付けている状態を示す図である。
図3】第2ラベル貼付機によりラベルを貼り付けている状態を示す図である。
図4】第2ラベル貼付機のラベル貼付機本体が退避位置に位置した状態を示す図である。
図5】第1ラベル貼付機のラベル貼付機本体が退避位置に位置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置1の全体構成を説明する図である。図2は、第1ラベル貼付機3によりラベルLaを貼り付けている状態を示す図である。図3は、第2ラベル貼付機4によりラベルLaを貼り付けている状態を示す図である。図4は、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41が退避位置に位置した状態を示す図である。図5は、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31が退避位置に位置した状態を示す図である。
【0016】
本実施形態のラベル貼付装置1は、例えば、包装機(図示せず)等に組み込まれている。ラベル貼付装置1は、図1図3に示すように、包装機の製品搬送ライン等により搬送される被貼付物10にラベルLaの貼り付け動作を実行する。
【0017】
ラベル貼付装置1は、図1に示すように、第1ラベル貼付機3(第1ラベル貼付部)及び第2ラベル貼付機4(第2ラベル貼付部)が、ラベルLaを貼り付ける被貼付物10の搬送方向Pに並んで配置される。第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、被貼付物10の搬送方向Pの上流側から下流側にこの順に配置されている。本実施形態においては、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のいずれかにより、搬送方向Pに搬送される被貼付物10にラベルLaを貼り付ける貼り付け動作を実行する。
【0018】
ラベル貼付装置1は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のうちラベル貼り付け動作を実行しているラベル貼付機においてラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残量が少なくなった場合に、ラベルLaを貼り付けるラベル貼付機を、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に自動的に切り替え、又は、第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に自動的に切り替えることで、包装機の製品搬送ライン等により搬送される被貼付物10の搬送を停止しないように制御されている。
【0019】
ラベル貼付装置1は、図1に示すように、被貼付物10を搬送する被貼付物搬送部2と、第1ラベル貼付機3と、第2ラベル貼付機4と、第1ラベル貼付機3の下流側において被貼付物搬送部2により搬送される被貼付物10にラベルLaが貼付されたか否かを検知するラベル抜け検知センサ5(ラベル抜け検知部)と、制御装置6と、を備える。
【0020】
ラベル貼付装置1は、被貼付物搬送部2により搬送される被貼付物10にラベルLaを貼り付ける。被貼付物搬送部2は、被貼付物10を搬送方向Pに搬送する。被貼付物搬送部2は、例えば、包装機の製品搬送ライン等により構成される。被貼付物搬送部2は、例えば、複数のローラ211、221,222,223,231,232,233により、長尺状に形成される被貼付物10の移動をガイドする。
【0021】
被貼付物搬送部2は、被貼付物10を、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4それぞれのラベル貼り付け位置まで搬送し、ラベルLaが貼り付けられた被貼付物10を、次の工程(例えば、検査機7により行われる検査工程など)が行われる位置に向けて搬送する。
【0022】
具体的には、被貼付物搬送部2は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の上流側おいて搬送ローラ211によりガイドされて搬送された被貼付物10を、第1ラベル貼付機3のラベル貼り付け位置において第1ラベル貼付機3に対向して配置される受けローラ221に向けて搬送すると共に、第1ラベル貼付機3の下流側に配置される長さ調整ガイドローラ222及び下流側ガイドローラ223により、下流側に配置される第2ラベル貼付機4に対向して配置される受けローラ231に向けて搬送する。更に、被貼付物搬送部2は、第2ラベル貼付機4に対向して配置される受けローラ231に搬送された被貼付物10を、第2ラベル貼付機4の下流側に配置される長さ調整ガイドローラ232及び下流側ガイドローラ233により、下流側に配置される検査機7に向けて搬送する。
【0023】
第1ラベル貼付機3の下流側に配置される長さ調整ガイドローラ222及び第2ラベル貼付機4の下流側に配置される長さ調整ガイドローラ232は、上下方向に移動することで被貼付物10の手繰り量を調整して、被貼付物10の長さを調整する機構である。例えば、第1ラベル貼付機3の下流側に配置される長さ調整ガイドローラ222は、上下方向に移動することで被貼付物10の手繰り量を調整して、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの被貼付物10の長さがラベルLaのピッチの倍数(製品個数)になるように調整する。
【0024】
被貼付物10が被貼付物搬送部2により搬送された場合、包装機の製品搬送ラインなどの被貼付物搬送部2から、ラベル貼り付け位置信号が出力されている。制御装置6の制御部61(後述)は、被貼付物搬送部2により被貼付物10が搬送された場合に、包装機や製品搬送ラインなどの被貼付物搬送部2から出力されるラベル貼り付け位置信号に基づいて、ラベルLaの貼り付け位置を特定して、被貼付物10に対してラベルLaの貼り付け処理を実行する。
【0025】
本実施形態においては、被貼付物10は、図2及び図3に示すように、例えば、複数の被貼付部11が搬送方向Pに連続して並んで形成される包材により形成される。例えば、被貼付部11には、図2及び図3に示すように、楕円形状の開口11aが形成され、ラベルLaは開口11aを塞ぐように開口11aの縁部に沿って貼り付けられる。なお、被貼付物はこれに限定されず、例えば、被貼付物は開口を有していなくてもよいし、被貼付物は商品として完成しているものでもよい。
【0026】
第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、搬送方向Pに移動される被貼付物10にラベルLaを貼り付ける。ラベル貼付装置1は、搬送方向Pに移動される被貼付物10に対して、ラベルLaの貼り付け動作を中断させないように、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の貼り付け動作を切り替え可能である。
【0027】
第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、図1に示すように、ラベル貼付機本体31,41(ラベル貼付部本体)と、操作ターミナル部32,42と、昇降部33,43と、落下防止部34,44と、を有する。
【0028】
ラベル貼付機本体31,41は、ラベル貼り付け動作を実行する。ラベル貼付機本体31,41は、図4及び図5に示すように、ラベルLaを繰り出し可能であってラベルLaを被貼付物10に貼付可能なラベル貼付位置と、ラベル貼付位置から上方に退避された退避位置と、に移動可能である。図4においては、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31がラベル貼付位置に位置し、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41が退避位置に位置している。図5においては、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31が退避位置に位置し、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41がラベル貼付位置に位置している。
【0029】
ラベル貼付機本体31,41がラベル貼付位置に位置する場合には、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、ラベルLaを被貼付物10に貼り付ける貼り付け動作を実行することが可能であり、又は、ラベルLaを被貼付物10に貼り付ける貼り付け動作を待機することが可能である。
【0030】
例えば、第1ラベル貼付機3によりラベルLaを被貼付物10に貼り付ける貼り付け動作を行う場合には、ラベル貼付機本体31をラベル貼付位置に位置させた状態で、図2に示すように、ラベルLaを被貼付物10に貼り付けることができる。この場合には、図1に示すように、第2ラベル貼付機4は、ラベル貼付位置に位置した状態で、ラベル貼り付け動作を、第1ラベル貼付機3のラベル貼り付け動作から切り替えるまで待機している。
【0031】
また、第2ラベル貼付機4によりラベルLaを被貼付物10に貼り付ける貼り付け動作を行う場合には、ラベル貼付機本体41をラベル貼付位置に位置させた状態で、図3に示すように、ラベルLaを被貼付物10に貼り付けることができる。この場合には、図1に示すように、第1ラベル貼付機3は、ラベル貼付位置に位置した状態で、ラベル貼り付け動作を、第2ラベル貼付機4のラベル貼り付け動作から切り替えるまで待機している。
【0032】
また、図4に示すように、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41を退避位置に位置させることで、第2ラベル貼付機4においてラベルの交換作業などのメンテナンス作業を行うことができ、図5に示すように、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31を退避位置に位置させることで、第1ラベル貼付機3においてラベルの交換作業などのメンテナンス作業を行うことができる。
【0033】
ラベル貼付機本体31,41は、図1に示すように、いずれも、ラベル付き台紙Lが巻回されて保持されるラベル原反ホルダ310,410(原反部)と、ラベル残量検知センサ312,412(原反ラベル残存検知部)と、ラベル搬送部313,413と、ラベル剥離部314,414と、ラベル検知センサ315,415(ラベル検知部)と、台紙Lbを巻き取る台紙巻取ホルダ316,416と、を備える。
【0034】
ラベル原反ホルダ310,410のホルダ部311,411には、複数のラベルLaが貼り付けられた長尺状のラベル付き台紙Lが巻回されている。長尺状のラベル付き台紙Lは、ラベル原反ホルダ310,410のホルダ部311,411にロール状に巻回されることで、径方向に厚さを有するラベルロールを構成する。ラベル原反ホルダ310,410は、それぞれ、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体31,41に着脱可能に設けられている。ラベル原反ホルダ310,410に巻回されるラベル付き台紙Lが無くなった場合に、新しいラベル原反ホルダ310,410に交換できる。
【0035】
ラベル付き台紙Lは、台紙Lbに、複数のラベルLaが所定間隔をおいて仮貼着されることで構成される。本実施形態においては、ラベルLaは、図2及び図3に示すように、例えば、所定の大きさの楕円形状のシート状に形成される。台紙Lbは、長尺状に形成され、ラベルLaが被貼付物10に貼り付けられて、ラベル付き台紙LからラベルLaが剥離された後に、台紙巻取ホルダ316,416に搬送され、台紙巻取ホルダ316,416にロール状に巻回される。
【0036】
ラベル残量検知センサ312,412は、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置に配置され、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置においてラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さを検知する。ラベル残量検知センサ312,412は、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の厚さが所定の厚さになったことを検知する。ラベル残量検知センサ312,412により検知されたラベル残量検知信号は、制御装置6の制御部61(後述)に送信される。
【0037】
例えば、ラベル残量検知センサ312,412は、ラベル付き台紙Lの径方向の所定位置に配置され、ラベル付き台紙Lを幅方向に挟むように配置される発光部及び受光部を有し、ラベルロール径方向の厚さ以下の場合に、受光部により発光部からの光を受光するように構成されている。ラベル付き台紙Lの径方向の厚さが所定値以下の場合には、受光部により発光部からの光を受光して、ラベル付き台紙Lの残量が所定量となったことを検出することができる。
【0038】
ラベル搬送部313,413は、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されて保持された長尺状のラベル付き台紙Lをラベル剥離部314,414に供給すると共に、ラベル付き台紙LからラベルLaが剥離された後の台紙Lbを台紙巻取ホルダ316,416に向けて搬送する。
【0039】
ラベル搬送部313,413に搬送されたラベル付き台紙Lは、ラベル剥離部314,414の先端で折り返される。これにより、ラベル搬送部313,413は、ラベル付き台紙LからラベルLaを剥離させて、被貼付物搬送部2により搬送される被貼付物10にラベルLaを貼り付ける。ラベル付き台紙LからラベルLaが剥離された後の台紙Lbは、ラベル剥離部314,414の下流側において、台紙巻取ホルダ316,416に向けて搬送される。
【0040】
ラベル検知センサ315,415は、図1に示すように、ラベル付き台紙Lの搬送方向におけるラベル剥離部314,414よりも上流側において、ラベル付き台紙Lに貼着されているラベルLaの有無を検知する。これにより、ラベル検知センサ315,415は、ラベル付き台紙Lに貼り付けられた複数のラベルLaのうち少なくとも1枚のラベルLaが無いことを検知できる。ラベル検知センサ315,415により検知されたラベル有無信号は、制御装置6の制御部61(後述)に送信される。
【0041】
操作ターミナル部32,42は、メインタッチ表示パネル部321,421と、ラベル枚数カウンタ表示部322,422と、押しボタンスイッチ部323,423と、シグナル灯324,424と、を有する。第2ラベル貼付機4の操作ターミナル部42は、これらに加えて、切り替え操作パネル425を有する。
【0042】
メインタッチ表示パネル部321,421は、各種設定値の入力や表示が可能になっているメイン表示入力部である。
ラベル枚数カウンタ表示部322,422は、ラベルLaの繰り出し枚数のカウントを表示する。本実施形態では、ラベル枚数カウンタ表示部322,422は、ラベルLaの繰り出し枚数のカウントアップのみ表示している。
押しボタンスイッチ部323,423は、昇降部33,43(後述)をボタン操作で動作させることが可能である。押しボタンスイッチ部323,423を操作することにより、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31や第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41を任意の高さの位置に移動できる。
切り替え操作パネル425は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の切り替え動作に関する各種設定値の入力や表示が可能になっている操作パネルである。
【0043】
シグナル灯324,424には、複数の報知ランプが配設されており、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の状態に応じて、運転中やラベル交換中であること、各種警報やラベル残量などの各種情報を、報知ランプの表示色や、報知ランプが点灯又は点滅することにより、報知するように構成されている。シグナル灯324,424における報知内容は、制御装置6の制御部61により制御される。
【0044】
昇降部33,43は、ラベル貼付機本体31,41を、ラベルLaを被貼付物10に貼付可能なラベル貼付位置と、ラベル貼付位置から上方に退避された退避位置と、に移動させることが可能である。
【0045】
落下防止部34,44は、図4及び図5に示すように、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体31,41が退避位置に位置する場合に、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体31,41の下方に移動可能に設けられる。
【0046】
落下防止部34,44は、ラベル貼付機本体31,41が退避位置に位置する場合に、退避させた位置からラベル貼付機本体31,41の下方に配置されるように引き出した位置に移動されることで、ラベル交換時において、ラベル付き台紙Lや台紙Lbの落下を防止する。また、落下防止部34,44を、退避させた位置からラベル貼付機本体31,41の下方に配置されるように引き出した位置に移動させることで、安全装置が作動して、ラベル付き台紙Lや台紙Lbの機械巻き込みを防止する。ラベル交換の終了後に、落下防止部34,44を引き出した位置から退避させる位置に移動させることで、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4をラベル貼付位置に移動させて、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4を待機状態する。なお、落下防止部34,44は、手動で移動させてもよいし、自動で移動させてもよい。
【0047】
ラベル抜け検知センサ5は、第1ラベル貼付機3の下流側において、第1ラベル貼付機3における被貼付物10へのラベルLaの貼り付け抜けを検知する。ラベル抜け検知センサ5において、第1ラベル貼付機3における被貼付物10へのラベルLaの貼り付け抜けを検知した場合、貼り付け抜けの信号を制御装置6の制御部61に送信する。
【0048】
制御装置6は、制御部61と、記憶部62と、を有する。
【0049】
記憶部62は、制御プログラム、各種制御パラメーターなどを記憶する。また、記憶部62は、ラベル残量検知センサ312,412により検知されたラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置におけるラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数を予め記憶する。
【0050】
ラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数は、ラベル貼り付け動作を実行させる前に、ラベル残量検知センサ312,412を設置した後において、記憶部62に、予め記憶される。具体的には、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置におけるラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さにおいて、ラベル残量検知センサ312,412がラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さを検知した時点において、ラベル付き台紙Lに残存しているラベルLaの残りの枚数をカウントしておき、ラベル貼り付け動作を実行させる前に、その残存枚数を、切り替え操作パネル425に入力することで、記憶部62に、ラベル残量検知センサ312,412がラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さを検知した時点におけるラベルLaの残り枚数を予め記憶させる。
【0051】
例えば、ラベル残量検知センサ312,412がラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さを検知した時点において、ラベルLaの残りが120枚である場合には、ラベル残量検知センサ312,412を設置した設置位置においては、ラベルLaの残りが120枚であるとして、切り替え操作パネル425に、「120」を入力して、記憶部62に予め記憶させる。
【0052】
また、記憶部62は、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数を記憶する。後述する制御部61は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の切り替え動作を実行する場合に、記憶部62に記憶された第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数に基づいて、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4を切り替える切り替え動作を実行する。
【0053】
具体的には、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を切り替える際に、仮に第1ラベル貼付機3を停止させるのと同時に第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を開始するように制御すると、第1ラベル貼付機3により被貼付物10に貼り付けられたラベルLaが搬送方向Pに搬送されて第2ラベル貼付機4まで搬送されるため、ラベルLaが重なって貼り付けられる状態となる。
【0054】
そのため、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を切り替える際に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの距離を考慮して、第1ラベル貼付機3において被貼付物10の貼り付けられたラベルLaを通過させた後に、第2ラベル貼付機4の貼り付け動作を開始する制御を制御部61により制御可能にするために、記憶部62に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数を予め記憶させる。本実施形態においては、例えば、切り替え操作パネル425に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaのラベル切り替え枚数を数値で入力することで、記憶部62に予め記憶させる。
【0055】
また、第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に貼り付け動作を切り替える際に、仮に第2ラベル貼付機4を停止させるのと同時に第1ラベル貼付機3に貼り付け動作を開始するように制御すると、第1ラベル貼付機3を通過した被貼付物10にはラベルLaが貼り付けられないため、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間に存在する被貼付物10には、ラベルLaが貼り付けられない状態となる。
【0056】
そのため、第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に貼り付け動作を切り替える際に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの距離を考慮して、ラベルLaの貼り付けの抜けが無いように、第2ラベル貼付機4の貼り付け動作を停止させる前に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数の期間だけ第2ラベル貼付機4及び第1ラベル貼付機3を同時に動作させる制御可能にするために、記憶部62に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数を予め記憶させる。本実施形態においては、切り替え操作パネル425に、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaのラベル切り替え枚数を数値で入力することで、記憶部62に予め記憶させる。
【0057】
制御部61は、ラベル貼付装置1の各種動作を制御する。制御部61は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4それぞれの動作を統括的に制御する。また、制御部61は、シグナル灯324,424における報知内容を制御する。
【0058】
従来、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、新しいラベル付き台紙Lに交換する場合や、ラベルLaの被貼付物10への貼り付け抜けがあった場合に、包装機などの製品搬送ラインを一旦停止させて復旧作業を行う必要があった。
【0059】
これに対して、本発明においては、制御部61は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える。具体的には、制御部61は、ラベルを貼り付け動作を実行するラベル貼付機を、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に切り替える制御を実行し、又は、第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に切り替える制御を実行する。
【0060】
ラベル貼付機の切り替え動作は、例えば、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の一方又は他方のラベル貼付機において、供給されるラベルLaの終了した場合における新しいラベル付き台紙Lへの交換や、ラベル貼付機の故障などのトラブルによる機械停止や、ラベル貼付機のラベル繰り出し不良などが生じた場合に、被貼付物10の搬送を停止させずに、ラベル貼り付け動作を実行させることができる。これにより、生産性を向上させることができる。
【0061】
制御部61は、エラー信号を検出した場合に、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のうち貼り付け動作を実行しているラベル貼付機から、待機しているラベル貼付機による貼り付け動作に切り替える制御を実行する。エラー信号は、例えば、ラベル貼り付け動作を実行しているラベル貼付機(第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4)の故障などのトラブルによる機械停止や、ラベル貼り付け動作を実行しているラベル貼付機(第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4)のラベル繰り出し不良などの場合に、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4から出力される。
【0062】
また、制御部61は、第1ラベル貼付機3からのエラー信号を検出した場合には、第1ラベル貼付機3の下流側に待機して配置される第2ラベル貼付機4において、第1ラベル貼付機3により貼り付けできなかった被貼付物10に対して、貼り付け動作を実行するように制御する。なお、第2ラベル貼付機4からのエラー信号を検出した場合には、第2ラベル貼付機4の下流側にはラベル貼付機が存在しないため、第2ラベル貼付機4の下流側に配置されてラベル有無を検査する検査機7によりラベルLaの貼り付け不良等が検出された場合には、不良品は排出される。つまり、第2ラベル貼付機4においてラベルLaが貼り付けられていない状態(ラベル抜け)が発生すると検査機7により検知されて、ラベル抜けとされたNG製品は、後工程において、シフト排出される。一方で、第2ラベル貼付機4に故障等が発生してラベルLaを繰り出しできない場合には、警報が発報されて、第2ラベル貼付機4による貼り付け動作から、第1ラベル貼付機3による貼り付け動作へ自動的に切り替わる。
【0063】
また、制御部61は、ラベル残量検知センサ312,412によりラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された場合に、記憶部62に予め記憶されたラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残りの枚数に基づいて、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の一方から他方に又は他方から一方にラベル貼り付け動作を切り替える。
【0064】
また、制御部61は、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4の切り替え動作を実行する場合に、記憶部62に予め記憶された第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaの枚数に基づいて、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4を切り替える切り替え動作を行うように制御する。
【0065】
また、制御部61は、第1ラベル貼付機3においてラベル貼り付け動作を連続して実行中であって第2ラベル貼付機4においてラベル貼り付け動作の待機中である場合において、ラベル抜け検知センサ5により第1ラベル貼付機3におけるラベルLaの被貼付物10への貼り付け抜けが検知された場合に、第2ラベル貼付機4により、第1ラベル貼付機3により貼り付け抜けが検知された被貼付物10に対してラベルLaを貼付するように制御する。
【0066】
また、制御部61は、ラベル検知センサ315,415によりラベル付き台紙Lに貼り付けられた複数のラベルLaのうち少なくとも1枚のラベルLaが無いことを検知した場合に、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4による被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行ったとして、ラベル付き台紙LをラベルLaの長さ分(所定長さ)送り出す制御を実行する。
【0067】
従来、長尺状のラベル付き台紙Lに並べて貼り付けられた複数のラベルLaのうちの1枚のラベルLaが、何らかの要因により剥がれて脱落していることがあった。このような場合、従来のラベル貼付機においては、ラベル検知センサによりラベルのエッジを検知することにより、次のラベルのエッジが来なければ警報が出力されて停止する制御を行っていた。ラベルが無くラベル抜けが生じた場合、ラベル検知センサにより検知されるラベル間の長さがラベル規定長さを超えたとしてラベル送りの暴走による機械停止となったり、または、次のラベルのエッジまでの検出に時間を要することになる。ラベル送りの暴走による機械停止の原因としては、ラベルの繰り出しが間に合わないことや、1サイクルの中に重複したラベル貼り付け信号が入り機械停止になるという可能性がある。
【0068】
これに対して、本発明においては、長尺状のラベル付き台紙Lに貼り付けられた複数のラベルLaのうち少なくとも1枚のラベルLaが無いことが検知された場合において、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4による被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行ったとして、ラベル付き台紙LをラベルLaの長さ分(所定長さ)送り出す制御を実行する。これにより、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4を非常停止させることなく、ラベル貼付装置が組み込まれた包装機などの製品搬送ラインを搬送されるラベルの搬送を停止させずに貼り付け動作を継続できる。
【0069】
より具体的には、本発明の第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、ラベルLaの送り出しの際に、ラベル検知センサ315,415において、ラベルLaのエッジを検出し、ラベルLaのエッジを検出した後に、ラベル付き台紙Lを所定長さ繰り出す制御を実行する貼り付け制御を行っている。そして、本発明においては、ラベル付き台紙Lを所定長さ分送った場合に、ラベルLaのエッジが検知されないと、規定のラベルLaの長さ分、ラベル付き台紙Lを送り、次に検出したラベルLaのエッジを検知した場合に、定位置に停止させる。このように、本発明では、ラベルLaの抜けが1枚の場合には疑似的にラベル付き台紙LをラベルLaの長さ分(所定長さ)送り出す制御を実行する。一方、ラベルLaの抜けが2枚以上(ラベルLaの抜けの枚数は設定により変更可能)発生した場合にはラベル暴走とみなし、警報出力して、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4を停止させる。
【0070】
以上のように、本発明では、ラベルLaの抜けが1枚の場合には、第1ラベル貼付機よる被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行ったとして、ラベル付き台紙LをラベルLaの長さ分(所定長さ)送り出す定寸送りの制御を実行する。定寸送りの制御は、ラベル付き台紙L上にラベルLa間以上の隙間が発生したり、ラベル付き台紙L上のラベルLaが1枚無い場合に、存在しないラベルの差分の長さを疑似的に繰り出す制御である。
【0071】
次に、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置1の動作の一例について説明する。本動作例は、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4においてラベル貼り付け動作を実行している際において、ラベル貼り付け動作を実行しているラベル貼付機においてラベル残量が少なくなった場合のラベル貼付機を切り替える動作例である。
【0072】
まず、第1ラベル貼付機3により、ラベルの貼り付け動作が連続して実行されており、第2ラベル貼付機4は、第1ラベル貼付機3から貼り付け動作を切り替えるために待機している場合について説明する。
【0073】
第1ラベル貼付機3において、ラベル貼り付け動作を継続して実行すると、ラベルLaの残量が少なくなってラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知されたことがラベル残量検知センサ312により検知される。その後、第1ラベル貼付機3において枚数カウンタがONにされて、ラベルLaを被貼付物10に貼り付ける毎に、ラベルLaの残り枚数の枚数カウンタの計数がアップする。
【0074】
ここで、ラベル残量検知センサ312により検知されたラベル原反ホルダ310に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置におけるラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数を切り替え操作パネル425に数値で入力することにより、記憶部62には、ラベルLaの残りの枚数が予め記憶されている。また、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaのラベル切り替え枚数を切り替え操作パネル425に数値で入力することで、記憶部62には、ラベル切り替え枚数が予め記憶されている。
【0075】
これにより、ラベルLaの残り枚数の枚数カウンタの計数が所定数に達することで、記憶部62に記憶されたラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残りの枚数に達した場合に、第1ラベル貼付機3の貼り付け動作が停止される。また、切り替えタイミング指令にて、ラベル切り替え枚数のカウントがONにされて、ラベル切り替え枚数のカウント数が上昇し、所定カウント数に達した場合に、第1ラベル貼付機3によるラベル貼り付け動作から、第2ラベル貼付機4によるラベル貼り付け動作に切り替わる切り替え動作を行うように制御される。
【0076】
この場合、記憶部62に記憶されたラベル切り替え枚数に基づいて第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に切り替える切り替え動作が実行されるため、ラベル切り替え枚数が所定カウント数に達した場合に、第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を開始することで、第2ラベル貼付機4は、第1ラベル貼付機3により被貼付物10に貼り付けられたラベルLaに重ならないように、ラベルLaを被貼付物10に貼り付けることができる。
【0077】
第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を行うラベル貼付機を切り替えた場合に、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31を、手動又は自動で退避位置に移動させる。そして、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31の下方に、落下防止部34を退避させた位置から手動又は自動で引き出した位置に移動させた後に、作業者は、新しいラベル付き台紙Lに交換する。作業者が第1ラベル貼付機3において新しいラベル付き台紙Lに交換した後、落下防止部34を引き出した位置から手動又は自動で退避させる位置に移動させた後に、第1ラベル貼付機3のラベル貼付機本体31をラベル貼付位置に移動させて、次の貼り付け動作に備えて、第1ラベル貼付機3を待機させる。
【0078】
次に、第2ラベル貼付機4により、ラベルの貼り付け動作が連続して実行されており、第1ラベル貼付機3は、第2ラベル貼付機4から貼り付け動作を切り替えるために待機している場合について説明する。
【0079】
第2ラベル貼付機4において、ラベル貼り付け動作を継続して実行すると、ラベルLaの残量が少なくなってラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知されたことがラベル残量検知センサ412により検知される。その後、第1ラベル貼付機3において枚数カウンタがONにされて、ラベルLaを被貼付物10に貼り付ける毎に、ラベルLaの残り枚数の枚数カウンタの計数がアップする。
【0080】
ここで、ラベル残量検知センサ412により検知されたラベル原反ホルダ410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置におけるラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数を切り替え操作パネル425に数値で入力することにより、記憶部62には、ラベルLaの残りの枚数が予め記憶されている。また、第1ラベル貼付機3から第2ラベル貼付機4までの間を搬送される被貼付物10に貼り付けることが可能なラベルLaのラベル切り替え枚数を切り替え操作パネル425に数値で入力することで、記憶部62には、ラベル切り替え枚数が予め記憶されている。
【0081】
これにより、ラベルLaの残り枚数の枚数カウンタの計数が所定数に達することで、記憶部62に記憶されたラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残りの枚数に達した場合に、第2ラベル貼付機4の貼り付け動作が継続して実行された状態で、第1ラベル貼付機3がラベル貼付位置に移動して、第1ラベル貼付機3による貼り付け動作が開始される。同時に、切り替えタイミング指令にて、ラベル切り替え枚数のカウントがONにされて、ラベル切り替え枚数のカウント数が上昇し、所定カウント数に達した場合に、第2ラベル貼付機4が停止する。ここでは、ラベル切り替え枚数のカウントが所定カウント数に達するまでの間、第2ラベル貼付機4によるラベル貼り付け動作と第1ラベル貼付機3によるラベル貼り付け動作とが同時に行われている。このようにして、第2ラベル貼付機4によるラベル貼り付け動作から、第1ラベル貼付機3によるラベル貼り付け動作に切り替わる切り替え動作を行うように制御される。
【0082】
この場合、記憶部62に記憶されたラベル切り替え枚数に基づいて第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に切り替える切り替え動作が実行されるため、ラベル切り替え枚数が所定カウント数に達するまでの間において第2ラベル貼付機4によるラベル貼り付け動作と第1ラベル貼付機3によるラベル貼り付け動作とが同時に行われて、ラベル切り替え枚数が所定カウント数に達した場合に、第2ラベル貼付機4に貼り付け動作を停止することで、第1ラベル貼付機3は、第2ラベル貼付機4により被貼付物10に貼り付けられたラベルLaの後にラベルLaの貼り付けの抜けが無いように、ラベルLaを被貼付物10に貼り付けることができる。
【0083】
第2ラベル貼付機4から第1ラベル貼付機3に貼り付け動作を行うラベル貼付機を切り替えた場合に、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41を、手動又は自動で退避位置に移動する。そして、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41の下方に、落下防止部44を退避させた位置から手動又は自動で引き出した位置に移動させた後に、作業者は、新しいラベル付き台紙Lに交換する。作業者が第2ラベル貼付機4において新しいラベル付き台紙Lに交換した後、落下防止部44を引き出した位置から手動又は自動で退避させる位置に移動させた後に、第2ラベル貼付機4のラベル貼付機本体41をラベル貼付位置に移動させて、次の貼り付け動作に備えて待機させる。
【0084】
本実施形態のラベル貼付装置1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のラベル貼付装置1は、第1ラベル貼付機3と、第1ラベル貼付機3よりも下流側に配置される第2ラベル貼付機4と、制御部61と、を備え、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、ラベル原反ホルダ310,410に巻回されたラベル付き台紙Lの径方向の所定位置においてラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さを検知するラベル残量検知センサ312,412を有し、ラベル貼付装置1は、ラベル残量検知センサ312,412により検知されたラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数を予め記憶する記憶部62を備え、制御部61は、ラベル残量検知センサ312,412によりラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された場合に、記憶部62に記憶されたラベル付き台紙Lに残存するラベルLaの残りの枚数に基づいて、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のラベル貼り付け動作を、待機しているラベル貼付機の貼り付け動作に切り替える。
【0085】
従来、原反部に巻回されたラベル付き台紙の径方向の厚さによりラベル付き台紙の残量をセンサにより検知する方法では、原反部に巻回されるラベル付き台紙が1回転分の厚みが減少しても僅な厚さしか変化しないため、ラベルの残量の枚数を精度良く把握することが難しかった。また、ラベル付き台紙の残量を検知するセンサの設置位置を微調整して設置することが難しかった。これに対して、本発明では、ラベル残量検知センサ312,412によりラベル付き台紙Lの径方向の厚さが径方向の所定位置において検知された後に、記憶部62に記憶されたラベル残量検知センサ312,412により検知されたラベル付き台紙Lの残存する径方向の厚さに対応するラベルLaの残りの枚数に基づいてラベルLaの残りの枚数をカウントするため、センサのみでラベルLaの残量を把握する場合よりも、ラベルLaの残量を精度よく把握できる。よって、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4のラベル貼り付け動作を待機しているラベル貼付機の貼り付け動作に切り替える際において、ラベルLaの無駄を低減できる。また、ラベル交換時における生産ライン停止へのダウンタイムを低減できる。
【0086】
また、本実施形態においては、制御部61は、第1ラベル貼付機3においてラベル貼り付け動作を連続して実行中であって第2ラベル貼付機4においてラベル貼り付け動作の待機中である場合において、ラベル抜け検知センサ5により第1ラベル貼付機3におけるラベルLaの被貼付物10への貼り付け抜けが検知された場合に、第2ラベル貼付機4により、第1ラベル貼付機3により貼り付け抜けが検知された被貼付物10に対してラベルLaを貼付するように制御する。これにより、第1ラベル貼付機3においてラベルLaの被貼付物10への貼り付け抜けがあった場合でも、第1ラベル貼付機3の下流側において、ラベルLaを被貼付物10に貼り付けることができる。よって、被貼付物10へのラベルLaが貼り付け不良を防ぐことができる。
【0087】
また、本実施形態においては、ラベル貼付機本体31,41は、ラベルLaを繰り出し可能であってラベルLaを被貼付物10に貼付可能なラベル貼付位置と、ラベル貼付位置から退避された退避位置と、に移動可能である。これにより、ラベル貼付機本体31,41を退避位置に移動させることで、新しいラベル付き台紙Lに交換するなどのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0088】
また、本実施形態においては、ラベル貼付機本体31,41が退避位置に位置する場合に、ラベル貼付機本体31,41の下方に移動可能に設けられる落下防止部34,44を備える。これにより、ラベル貼付機本体31,41が退避位置に位置してメンテナンスを行っている場合に、落下防止部34,44をラベル貼付機本体31,41の下方に移動させることで、ラベル貼付機本体31,41の落下を防止できる。よって、新しいラベル付き台紙Lに交換するなどのメンテナンス作業を安全に行うことができる。
【0089】
また、本実施形態においては、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4は、それぞれ、ラベル付き台紙LのラベルLaの有無を検知するラベル検知センサ315,415を有し、制御部61は、ラベル検知センサ315,415によりラベル付き台紙Lに貼り付けられた複数のラベルLaのうち少なくとも1枚のラベルLaが無いことを検知した場合に、第1ラベル貼付機3及び第2ラベル貼付機4による被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行わずに疑似的に被貼付物10へのラベルLaの貼り付けを行ったとして、ラベル付き台紙Lを所定長さ送り出す制御を実行する。これにより、第1ラベル貼付機3又は第2ラベル貼付機4を非常停止することなく、ラベル貼付装置が組み込まれた包装機などの製品搬送ラインを搬送されるラベルの搬送を停止させずに貼り付け動作を継続できる。
【0090】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 ラベル貼付装置
3 第1ラベル貼付機(第1ラベル貼付部)
4 第2ラベル貼付機(第2ラベル貼付部)
5 ラベル抜け検知センサ(ラベル抜け検知部)
10 被貼付物
31,41 ラベル貼付機本体(ラベル貼付部本体)
34,44 落下防止部
61 制御部
62 記憶部
310,410 ラベル原反ホルダ(原反部)
312,412 ラベル残量検知センサ(原反ラベル残存検知部)
315,415 ラベル検知センサ(ラベル検知部)
La ラベル
L ラベル付き台紙
図1
図2
図3
図4
図5