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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137010
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】信号伝送装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04L25/49 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048345
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 雄二
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029AA13
5K029GG03
5K029JJ03
(57)【要約】
【課題】絶縁通信における絶縁素子の駆動頻度を低減する。
【解決手段】互いに絶縁された第1回路(10A)及び第2回路(20A)を備える信号伝送装置(1A)であって、第1回路は、シリアルのデジタル信号(S)を複数ビットごとにパルス幅変調することでPWM信号(SPWM)を生成するエンコーダ(12)と、エンコーダからのPWM信号を絶縁素子(31)を用いて第2回路に送信するトランスミッタ(13)と、を備える。第2回路は、トランスミッタからのPWM信号を受信するレシーバ(21)と、レシーバにて受信されたPWM信号(RS)を復調することでデジタル信号を復元するデコーダ(22)と、を備える
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに絶縁された第1回路及び第2回路を備える信号伝送装置であって、
前記第1回路は、シリアルのデジタル信号を複数ビットごとにパルス幅変調することでPWM信号を生成するよう構成されたエンコーダと、前記エンコーダからの前記PWM信号を絶縁素子を用いて前記第2回路に送信するよう構成されたトランスミッタと、を備え、
前記第2回路は、前記トランスミッタからの前記PWM信号を受信するよう構成されたレシーバと、前記レシーバにて受信された前記PWM信号を復調することで前記デジタル信号を復元するよう構成されたデコーダと、を備える
、信号伝送装置。
【請求項2】
前記第1回路は、基本クロック信号に同期して前記デジタル信号を前記エンコーダに出力するよう構成されたデジタル信号出力回路を備え、
前記エンコーダは、前記基本クロック信号に同期し且つ前記基本クロック信号の所定倍の周波数を持つ第1逓倍クロック信号を用いて前記パルス幅変調を行い、
前記デコーダは、前記基本クロック信号に同期し且つ前記基本クロック信号の前記所定倍の周波数を持つ第2逓倍クロック信号を用いて前記復元を行う
、請求項1に記載の信号伝送装置。
【請求項3】
前記基本クロック信号は、前記第1回路にて生成され、又は、前記第1回路に接続された外部回路より前記第1回路に供給され、
前記基本クロック信号が他の絶縁素子を用いて前記第1回路から前記第2回路に伝送され、
前記第1回路は、前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第1逓倍クロック信号を生成するよう構成された第1逓倍回路を備え、
前記第2回路は、前記第1回路より伝送された前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第2逓倍クロック信号を生成するよう構成された第2逓倍回路を備える
、請求項2に記載の信号伝送装置。
【請求項4】
前記第1回路は、前記基本クロック信号を前記他の絶縁素子を用いて前記第2回路に送信するよう構成された他のトランスミッタを備え、
前記第2回路は、前記他のトランスミッタからの前記基本クロック信号を受信するよう構成された他のレシーバを備える
、請求項3に記載の信号伝送装置。
【請求項5】
原クロック信号が他の絶縁素子を用いて前記第2回路から前記第1回路に前記基本クロック信号として伝送され、
前記原クロック信号は、前記第2回路にて生成され、又は、前記第2回路に接続された外部回路より前記第2回路に供給され、
前記第1回路は、前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第1逓倍クロック信号を生成するよう構成された第1逓倍回路を備え、
前記第2回路は、前記原クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第2逓倍クロック信号を生成するよう構成された第2逓倍回路を備える
、請求項2に記載の信号伝送装置。
【請求項6】
前記第2回路は、前記原クロック信号を前記他の絶縁素子を用いて前記第1回路に送信するよう構成された他のトランスミッタを備え、
前記第1回路は、前記他のトランスミッタからの前記原クロック信号を前記基本クロック信号として受信するよう構成された他のレシーバを備える
、請求項5に記載の信号伝送装置。
【請求項7】
前記エンコーダは、前記複数ビット分の前記デジタル信号をパルス幅に変換し、前記パルス幅を有する前記PWM信号を生成し、
前記デコーダは、前記レシーバにて受信された前記PWM信号の前記パルス幅に基づき前記複数ビット分の前記デジタル信号を復元する
、請求項1~6の何れかに記載の信号伝送装置。
【請求項8】
前記エンコーダは、前記複数ビット分の前記デジタル信号をパルス幅に変換し、前記パルス幅を有する前記PWM信号を生成し、
前記デコーダは、前記レシーバにて受信された前記PWM信号の前記パルス幅に基づき前記複数ビット分の前記デジタル信号を復元し、
前記複数ビットはnビットであり、nは3以上の整数を表し、前記所定倍は(2/n)倍以上である
、請求項2~6の何れかに記載の信号伝送装置。
【請求項9】
前記デジタル信号出力回路はAD変換回路であって、
前記AD変換回路は、入力アナログ信号をAD変換することで前記デジタル信号を生成し、前記デジタル信号を前記基本クロック信号に同期して前記エンコーダに出力する
、請求項2~6の何れかに記載の信号伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁素子を用いて第1回路及び第2回路間で絶縁通信を行う構成が実用化されている。第1回路及び第2回路間においてデジタル信号の絶縁通信を行う際、デジタル信号のレベル変化のタイミング(ライズエッジ又はフォールエッジのタイミング)を送信側から受信側に伝送する。例えば絶縁素子としてパルストランスが用いられる場合、送信側でのデジタル信号にレベル変化が生じるたびにパルストランスを駆動する(パルストランスに電流を供給する)方法がある。絶縁素子としてコンデンサが用いられる場合も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-205470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁素子の駆動には比較的大きな電力が必要であり、絶縁素子の駆動頻度の増大は装置の消費電力増大を招く。また絶縁素子が駆動される際にノイズが発生するため、絶縁素子の駆動頻度の増大は発生ノイズ量の増大に繋がる。
【0005】
本開示は、絶縁素子の駆動頻度の低減に寄与する信号伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る信号伝送装置は、互いに絶縁された第1回路及び第2回路を備える信号伝送装置であって、前記第1回路は、シリアルのデジタル信号を複数ビットごとにパルス幅変調することでPWM信号を生成するよう構成されたエンコーダと、前記エンコーダからの前記PWM信号を絶縁素子を用いて前記第2回路に送信するよう構成されたトランスミッタと、を備え、前記第2回路は、前記トランスミッタからの前記PWM信号を受信するよう構成されたレシーバと、前記レシーバにて受信された前記PWM信号を復調することで前記デジタル信号を復元するよう構成されたデコーダと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、絶縁素子の駆動頻度の低減に寄与する信号伝送装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態に係る信号伝送装置の変形構成図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係り、クロック信号とデジタル信号の関係を示す図である。
図4図4は、本開示の第1実施形態に係り、4つのクロック信号の波形を示す図である。
図5図5は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、信号伝送装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図6図6は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1_1に係り、信号伝送装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図7図7は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1_3に係り、信号伝送装置の構成図である。
図8図8は、本開示の第2実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
図9図9は、本開示の第2実施形態に係る信号伝送装置の変形構成図である。
図10図10は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の符号“10A”によって参照される送信側回路は(図1参照)、送信側回路10Aと表記されることもあるし、回路10Aと略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
【0010】
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。レベルとは電位のレベルを指す。任意の注目した信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをライズエッジと称し、ローレベルからハイレベルへの切り替わりのタイミングをライズエッジタイミングと称する。任意の注目した信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをフォールエッジと称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりのタイミングをフォールエッジタイミングと称する。
【0011】
回路を形成する複数の部位間についての接続とは、特に記述なき限り、電気的な接続を指すと解して良い。
【0012】
<<第1実施形態>>
本開示の第1実施形態を説明する。図1に第1実施形態に係る信号伝送装置1Aの構成を示す。信号伝送装置1Aは、第1回路である送信側回路10Aと、第2回路である受信側回路20Aと、絶縁素子31及び32と、を備える。送信側回路10A及び受信側回路20Aは電気的に互いに絶縁される。本明細書において、絶縁とは直流の信号及び電力の伝達が遮断されていることを意味する。
【0013】
送信側回路10Aは、デジタル信号出力回路11と、エンコーダ12と、トランスミッタ13と、逓倍回路14と、トランスミッタ15と、クロックジェネレータCG1と、を備える。受信側回路20Aは、レシーバ21と、デコーダ22と、信号処理回路23と、逓倍回路24と、レシーバ25と、を備える。尚、信号処理回路23は受信側回路20Aの構成要素に含まれないと解しても良い。この場合、信号処理回路23は、受信側回路20Aの外部に設けられた回路であって且つ受信側回路20Aに接続された回路であると解される。
【0014】
送信側回路10Aにおけるグランドは“GND1”にて参照され、受信側回路20Aにおけるグランドは“GND2”にて参照される。送信側回路10Aにおける任意の電圧又は信号は、グランドGND1を基準とする電圧又は信号であって、グランドGND1から見た電位を有する。受信側回路20Aにおける任意の電圧又は信号は、グランドGND2を基準とする電圧又は信号であって、グランドGND2から見た電位を有する。回路10A及び20Aの夫々において、グランドは0V(ゼロボルト)の基準電位を有する基準導電部を指す又は基準電位そのものを指す。但し、グランドGND1とグランドGND2は互いに絶縁されているため、互いに異なる電位を有し得る。基準導電部は金属等の導体にて形成される。
【0015】
送信側回路10A内の各回路は電源電圧VDD1に基づいて駆動する。電源電圧VDD1はグランドGND1よりも高い電位を有する正の直流電圧である。受信側回路20A内の各回路は電源電圧VDD2に基づいて駆動する。電源電圧VDD2はグランドGND2よりも高い電位を有する正の直流電圧である。
【0016】
クロックジェネレータCG1は、所定の周波数fREFを有するクロック信号CLK1(基本クロック信号)を生成及び出力する。クロック信号CLK1及び後述のクロック信号CLK2~CLK4は、何れも、ハイレベル及びローレベルの信号レベルを交互に持つ矩形波信号である。任意の信号においてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。
【0017】
尚、図2に示す如く、クロックジェネレータCG1は、送信側回路10Aの外部に設けられた回路であって且つ送信側回路10Aに接続された外部回路であっても良く、この場合、クロックジェネレータCG1から出力されるクロック信号CLK1が送信側回路10Aに供給される。
【0018】
デジタル信号出力回路11はクロックジェネレータCG1に接続され、クロックジェネレータCG1からクロック信号CLK1を受ける。デジタル信号出力回路11はクロック信号CLK1に同期してデジタル信号Sを出力する。デジタル信号Sはシリアルのデジタル信号である。図3にクロック信号CLK1とデジタル信号Sの関係を示す。クロック信号CLK1において隣接する2つのライズエッジタイミング間の期間を単位期間と称する。1つの単位期間の長さを時間Tで表す。時間Tはクロック信号CLK1の1周期の長さに等しい。尚、デジタル信号Sはデジタルのデータを表す信号であるため、デジタル信号Sをデータ信号Sに読み替えても良く、これに合わせてデジタル信号出力回路11をデータ信号出力回路11に読み替えても良い。
【0019】
デジタル信号Sは時系列上に並ぶ複数ビット分のデータを表す。デジタル信号Sは1単位期間において1ビット分のデータを有する。第i番目の単位期間におけるデジタル信号Sによって表されるデータを、記号“D[i]”にて参照する。ここでは第i番目の単位期間はクロック信号CLK1における第i番目のライズエッジタイミングから開始されると考える。iは任意の整数を表す。データD[i]は“1”又は“0”の値を持つ1ビットデータである。デジタル信号出力回路11は、第i番目の単位期間におけるデジタル信号SのレベルによりデータD[i]を表現する。図3において、波形611はクロック信号CLK1の波形であり、波形613はデジタル信号Sの波形である。図3には、デジタル信号Sにて表現されるデータ列612も図示される。
【0020】
ここではデジタル信号出力回路11は、データD[i]が“1”の値を持つとき、第i番目の単位期間においてデジタル信号Sのレベルをハイレベルに設定し、データD[i]が“0”の値を持つとき、第i番目の単位期間においてデジタル信号Sのレベルをローレベルに設定するものとする。但し、データD[i]の値とデジタル信号Sのレベルとの関係を上述の関係の逆にすることもできる。図3の例では、データD[i]、D[i+1]、D[i+2]、D[i+3]、D[i+4]、D[i+5]の値は、夫々、1、0、1、1、0、1である。
【0021】
上述の説明から理解されるよう、デジタル信号出力回路11はデジタル信号Sにより表されるデータが特定エッジを契機に更新されるようデジタル信号Sを出力する。特定エッジは、ここではクロック信号CLK1のライズエッジである。従って、デジタル信号出力回路11は、クロック信号CLK1における第i番目のライズエッジを契機にデジタル信号SのレベルをデータD[i-1]に対応するレベルからデータD[i]に対応するレベルに切り替える。例えば、データD[i-1]の値が“0”であって且つデータD[i]の値が“1”であれば、デジタル信号出力回路11は、クロック信号CLK1における第i番目のライズエッジを契機にデジタル信号Sのレベルをローレベルからハイレベルに切り替える。或いは例えば、データD[i-1]の値が“1”であって且つデータD[i]の値が“0”であれば、デジタル信号出力回路11は、クロック信号CLK1における第i番目のライズエッジを契機にデジタル信号Sのレベルをハイレベルからローレベルに切り替える。仮に、データD[i-1]及びD[i]の値が共に“0”であれば、クロック信号CLK1の第i番目のライズエッジの前後間においてデジタル信号Sはローレベルに維持され、データD[i-1]及びD[i]の値が共に“1”であれば、クロック信号CLK1の第i番目のライズエッジの前後間においてデジタル信号Sはハイレベルに維持される。
【0022】
エンコーダ12はデジタル信号出力回路11に接続され、デジタル信号出力回路11からデジタル信号Sを受ける。エンコーダ12は逓倍回路14から供給される逓倍クロック信号CLK3を用いてデジタル信号Sをパルス幅変調することにより、パルス幅変調信号(PWM信号)である信号SPWMを生成及び出力する。
【0023】
トランスミッタ13はエンコーダ12に接続され、エンコーダ12から信号SPWMを受ける。トランスミッタ13及びレシーバ21により絶縁通信形式にて信号SPWMが送信側回路10Aから受信側回路20Aに伝送される。トランスミッタ13は信号SPWMを絶縁素子31を用いて受信側回路20Aに送信する。レシーバ21はトランスミッタ13から信号SPWMを受信する。
【0024】
絶縁素子31は、送信側回路10A及び受信側回路20A間の絶縁を確保したまま信号SPWMを送信側回路10Aから受信側回路20Aに伝送するための素子である。絶縁素子31は互いに磁気結合された送信側コイル及び受信側コイルを有するパルストランスであって良い。この場合、絶縁素子31における送信側コイルはトランスミッタ13に接続され且つ絶縁素子31における受信側コイルはレシーバ21に接続される。トランスミッタ13は信号SPWMに応じて絶縁素子31をパルス駆動することで絶縁素子31の受信側コイルに信号SPWMに応じた電圧を誘起させる。レシーバ21にて絶縁素子31の受信側コイルでの誘起電圧を読み取ることで信号SPWMを受信する。絶縁素子31のパルス駆動とは、絶縁素子31の送電側コイルに対し所定の向きにパルス状の電流を供給することを指す。トランスミッタ13は信号SPWMにおけるライズエッジごとに且つフォールエッジごとに絶縁素子31をパルス駆動して良い。信号SPWMのライズエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、信号SPWMのフォールエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、を別々に絶縁素子31に設けておいても良い。絶縁素子31を1以上のコンデンサにて形成しても良い。
【0025】
以下、レシーバ21にて受信された信号SPWMを、送信側回路10A内の信号SPWMと明確に区別すべく、受信信号RSPWM又は信号RSPWMと称する。即ち、レシーバ21は信号SPWMの受信結果に基づき受信信号RSPWMを出力する。信号SPWMのライズエッジタイミングにて受信信号RSPWMにもライズエッジが生じるよう、且つ、信号SPWMのフォールエッジタイミングにて受信信号RSPWMにもフォールエッジが生じるよう、トランスミッタ13は信号SPWMを送信し且つレシーバ21は受信信号RSPWMを生成するものとする。
【0026】
デコーダ22はレシーバ21に接続され、レシーバ21から受信信号RSPWMを受ける。デコーダ22は逓倍回路24から供給される逓倍クロック信号CLK4を用いて受信信号RSPWMを復調する。デコーダ22における復調はエンコーダ12のパルス幅変調に対する復調であり、故にデコーダ22での復調によりデコーダ22にてデジタル信号Sが復元される。デコーダ22にて復元されたデジタル信号Sを、送信側回路10A内のデジタル信号Sと明確に区別すべく、復元デジタル信号RSと称する。デコーダ22から復元デジタル信号RSが出力される。尚、復元デジタル信号RSはデジタルのデータを表す信号であるため、復元デジタル信号RSを復元データ信号RSに読み替えても良い。
【0027】
逓倍回路14はクロックジェネレータCG1に接続され、クロックジェネレータCG1からクロック信号CLK1を受ける。逓倍回路14は、クロック信号CLK1に基づき、クロック信号CLK1に同期したクロック信号であって且つクロック信号CLK1をm逓倍したクロック信号を、逓倍クロック信号CLK3として生成及び出力する。遅延ロックループ(DLL)を用いて逓倍回路14を構成できる。逓倍クロック信号CLK3の周波数は、クロック信号CLK1の周波数fREFのm倍である。mは2以上の整数値を表し、例えば4である。
【0028】
トランスミッタ15はクロックジェネレータCG1に接続され、クロックジェネレータCG1からクロック信号CLK1を受ける。トランスミッタ15及びレシーバ25により絶縁通信形式にてクロック信号CLK1が送信側回路10Aから受信側回路20Aに伝送される。トランスミッタ15はクロック信号CLK1を絶縁素子32を用いて受信側回路20Aに送信する。レシーバ25はトランスミッタ15からクロック信号CLK1を受信する。
【0029】
絶縁素子32は、送信側回路10A及び受信側回路20A間の絶縁を確保したままクロック信号CLK1を送信側回路10Aから受信側回路20Aに伝送するための素子である。絶縁素子32は送信側コイル及び受信側コイルを有するパルストランスであって良い。この場合、絶縁素子32における送信側コイルはトランスミッタ15に接続され且つ絶縁素子32における受信側コイルはレシーバ25に接続される。トランスミッタ15はクロック信号CLK1に応じて絶縁素子32をパルス駆動することで絶縁素子32の受信側コイルにクロック信号CLK1に応じた電圧を誘起させる。レシーバ25にて絶縁素子32の受信側コイルでの誘起電圧を読み取ることでクロック信号CLK1を受信する。絶縁素子32のパルス駆動とは、絶縁素子32の送電側コイルに対し所定の向きにパルス状の電流を供給することを指す。トランスミッタ15はクロック信号CLK1におけるライズエッジごとに且つフォールエッジごとに絶縁素子32をパルス駆動して良い。クロック信号CLK1のライズエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、クロック信号CLK1のフォールエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、を別々に絶縁素子32に設けておいても良い。絶縁素子32を1以上のコンデンサにて形成しても良い。
【0030】
以下、レシーバ25にて受信されたクロック信号CLK1を、送信側回路10A内のクロック信号CLK1と明確に区別すべく、クロック信号CLK2と称する。即ち、レシーバ25はクロック信号CLK1の受信結果に基づきクロック信号CLK2を出力する。
【0031】
逓倍回路24はレシーバ25に接続され、レシーバ25からクロック信号CLK2を受ける。逓倍回路24は、クロック信号CLK2に基づき、クロック信号CLK2に同期したクロック信号であって且つクロック信号CLK2をm逓倍したクロック信号を、逓倍クロック信号CLK4として生成及び出力する。遅延ロックループ(DLL)を用いて逓倍回路24を構成できる。逓倍クロック信号CLK4の周波数はクロック信号CLK2の周波数fREFのm倍である。
【0032】
信号処理回路23はデコーダ22及びレシーバ25に接続され、デコーダ22及びレシーバ25から復元デジタル信号RS及びクロック信号CLK2を受ける。復元デジタル信号RSはクロック信号CLK2に同期した信号である。信号処理回路23はクロック信号CLK2を用いて復元デジタル信号RSが持つデータ(従ってデジタル信号Sが持つデータ)を認識できる。即ち、信号処理回路23は復元デジタル信号RSが持つデータをクロック信号CLK2に同期して読み取ることができる。信号処理回路23は、クロック信号CLK2に基づき復元デジタル信号RSに対して所定の信号処理を行う。
【0033】
図4にクロック信号CLK1~CLK4の波形例を示す。クロック信号CLK1及びCLK2は共に周波数fREFを有する矩形波信号である。クロック信号CLK1のライズエッジがトランスミッタ15からレシーバ25に伝送されることでクロック信号CLK2にライズエッジが生じる。クロック信号CLK1のフォールエッジがトランスミッタ15からレシーバ25に伝送されることでクロック信号CLK2にフォールエッジが生じる。ここにおける伝送の遅延は微小であるとして無視する。そうすると、クロック信号CLK1のライズエッジの発生時刻にてクロック信号CLK2にライズエッジが発生し、クロック信号CLK1のフォールエッジの発生時刻にてクロック信号CLK2にフォールエッジが発生する。尚、クロック信号CLK1のライズエッジの発生時にクロック信号CLK2にフォールエッジが発生するよう且つクロック信号CLK1のフォールエッジの発生時にクロック信号CLK2にライズエッジが発生するようレシーバ25を変形することも可能である。
【0034】
逓倍回路14は、クロック信号CLK1の各ライズエッジタイミングにて逓倍クロック信号CLK3にライズエッジが生じるよう、クロック信号CLK1及びCLK3間の位相を調整する。逓倍回路24は、クロック信号CLK2の各ライズエッジタイミングにて逓倍クロック信号CLK4にライズエッジが生じるよう、クロック信号CLK2及びCLK4間の位相を調整する。図4では“m=4”であることが想定されており、故に逓倍クロック信号CLK2及びCLK4の夫々において、1周期の長さは時間(T/4)である。
【0035】
エンコーダ12はデジタル信号Sをnビットごとにパルス幅変調する。即ち、エンコーダ12はデジタル信号Sをnビットを単位に分割し、分割されたデジタル信号Sを、順次、パルス幅変調することで信号SPWMを得る。
【0036】
第1実施形態は、以下の実施例EX1_1~EX1_3を含む。第1実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の実施例EX1_1~EX1_3に適用される。但し、各実施例において、第1実施形態で上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、実施例EX1_1~EX1_3の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0037】
[実施例EX1_1]
実施例EX1_1を説明する。実施例EX1_1では、図1の信号伝送装置1Aにおいて“n=4”である。即ち実施例EX1_1においてエンコーダ12はデジタル信号Sを4ビットごとにパルス幅変調する。以下、詳細に説明する。
【0038】
デジタル信号Sは第1番目のビットのデータから第N番目のビットのデータまでのデータ列を表す。Nは十分に大きな整数値を表すものとする(例えばN=2256)。上述のデータD[i]はデジタル信号Sにおける第i番目のビットのデータである。エンコーダ12は、デジタル信号Sを4ビットを単位に分割し、分割されたデジタル信号Sを、順次、パルス幅変調することで信号SPWMを得る。
【0039】
図5を参照し、今、データD[i]~D[i+3]から成る4ビットデータD[i:1+3]に注目する。時刻tA1はクロック信号CLK1における第i番目のライズエッジタイミングである。時刻tA2はクロック信号CLK1における第(i+4)番目のライズエッジタイミングである。従って、時刻tA1及びtA2間の4単位期間におけるデジタル信号Sにより4ビットデータD[i:1+3]が表現される。4単位期間は時間(4×T)の長さを持つ。時刻tA3はクロック信号CLK1における第(i+8)番目のライズエッジタイミングである。従って、時刻tA2及びtA3間の4単位期間におけるデジタル信号Sにより4ビットデータD[i+4:i+7]が表現される。4ビットデータD[i+4:i+7]はデータD[i+4]~D[i+7]から成る。
【0040】
4ビットデータD[i:1+3]のような任意の4ビットデータは、10進数表記で0~15までの何れかの整数値をデジタル値として持つ。エンコーダ12は、4ビットデータD[i:1+3]をパルス幅に変換することにより、4ビットデータD[i:1+3]に対する信号SPWMを生成する。
【0041】
4ビットデータD[i:1+3]に対するパルス幅は、4ビットデータD[i:1+3]が有するデジタル値と単位幅ΔWとの積である。4ビットデータD[i:1+3]が有するデジタル値を記号“VALA1”で表すと、4ビットデータD[i:1+3]に対するパルス幅は“VALA1×ΔW”である。4ビットデータD[i:1+3]に対する信号SPWMは時刻tA2から時刻tA3までの4単位期間をかけてエンコーダ12から出力される。図5において、波形600~603並びに614及び615は、夫々に、時刻tA2及びtA3間における信号SPWMの波形である。但し、波形600、601、602、603、614、615は、デジタル値VALA1が夫々0、1、2、3、14、15であるときの信号SPWMの波形であって且つ時刻tA2及びtA3間の信号SPWMの波形である。
【0042】
4ビットデータD[i:1+3]に対するパルス幅は、時刻tA2及びtA3間において信号SPWMが所定レベルを有する期間の長さに相当する。所定レベルはローレベルであっても良いが、ここではハイレベルであるものとする。単位幅ΔWは逓倍クロック信号CLK3の1周期分の長さである。“n=4”であるとき、時間(4×T)にて16種類の値を表すべく、逓倍回路14はクロック信号CLK1を4逓倍することで周波数(4×fREF)を持つ逓倍クロック信号CLK3を生成し、これに合わせて逓倍回路24はクロック信号CLK2を4逓倍することで周波数(4×fREF)を持つ逓倍クロック信号CLK4を生成する。周波数(4×fREF)の逆数は時間(T/4)であり、単位幅ΔWに一致する。尚、変形として、逓倍クロック信号CLK3及びCLK4の各周波数は周波数(4×fREF)より高くても良く、周波数(4×fREF)の整数倍であっても良い(例えば8×fREFであっても良い)。
【0043】
エンコーダ12は、デジタル値VALA1が0であれば時刻tA2及びtA3間にて信号SPWMをローレベルに維持する。エンコーダ12は、デジタル値VALA1が0以外であれば時刻tA2において信号SPWMにライズエッジを発生させ、4ビットデータD[i:1+3]に対するパルス幅分の時間が経過すると(即ち時間“VALA1×ΔW”が経過すると)、信号SPWMにフォールエッジを発生させる。エンコーダ12は逓倍クロック信号CLK3を用いて必要なパルス幅を設定できる。
【0044】
4ビットデータD[i:1+3]に続く4ビットデータD[i+4:i+7]についても同様である。即ちエンコーダ12は、4ビットデータD[i+4:i+7]をパルス幅に変換することにより、4ビットデータD[i+4:i+7]に対する信号SPWMを生成する。
【0045】
図6に示す如く、4ビットデータD[i+4:i+7]に対する信号SPWMは時刻tA3から時刻tA4までの4単位期間をかけてエンコーダ12から出力される。時刻tA4は時刻tA3から4単位期間だけ後の時刻であり、時刻tA5は時刻tA4から4単位期間だけ後の時刻である。4ビットデータD[i+4:i+7]に対するパルス幅は、4ビットデータD[i+4:i+7]が有するデジタル値と単位幅ΔWとの積である。4ビットデータD[i+4:i+7]が有するデジタル値を記号“VALB1”で表すと、4ビットデータD[i+4:i+7]に対するパルス幅は“VALB1×ΔW”である。エンコーダ12は、デジタル値VALB1が0であれば時刻tA3及びtA4間にて信号SPWMをローレベルに維持する。エンコーダ12は、デジタル値VALB1が0以外であれば時刻tA3において信号SPWMにライズエッジを発生させ、4ビットデータD[i+4:i+7]に対するパルス幅分の時間が経過すると(即ち時間“VALB1×ΔW”が経過すると)、信号SPWMにフォールエッジを発生させる。
【0046】
デジタル信号Sのデータの内、4ビットデータD[i:1+3]及びD[i+4:i+7]以外の4ビットデータも同様である。尚、時刻tA1に相当するタイミングをエンコーダ12に認識させるべく、逓倍クロック信号CLK3にだけでなくクロック信号CLK1もエンコーダ12に入力して良い。
【0047】
上述したように、信号SPWMのライズエッジタイミングにて受信信号RSPWMにもライズエッジが生じるよう、且つ、信号SPWMのフォールエッジタイミングにて受信信号RSPWMにもフォールエッジが生じるよう、トランスミッタ13から信号SPWMが送信され且つレシーバ21にて受信信号RSPWMが生成される。故に信号SPWMにおけるパルス幅の情報が受信信号RSPWMに含まれる。
【0048】
デコーダ22は、逓倍クロック信号CLK4に基づき4単位期間ごとに受信信号RSPWMにおけるパルス幅をデジタル値に変換し、変換結果を用いてデジタル信号Sと等価な復元デジタル信号RSを生成する。
【0049】
即ち例えば、デコーダ22は、逓倍クロック信号CLK4を用いて時刻tA2及びtA3間における受信信号RSPWMのパルス幅を特定し、特定したパルス幅をデジタル値VALA2に変換する(図6参照)。“VALA1=VALA2”となるようパルス幅変調の方法がエンコーダ12及びデコーダ22間で共有される。デコーダ22は、デジタル値VALA2を表すシリアルのデジタル信号を、時刻tA3及びtA4間の復元デジタル信号RSとして出力する。時刻tA3及びtA4間の復元デジタル信号RSは時刻tA1及びtA2間のデジタル信号Sと同一のデジタル信号であり、送信側回路10A内の4ビットデータD[i:1+3]と等価な4ビットデータRD[i:1+3]を表す。4ビットデータRD[i:1+3]はデータRD[i]~RD[i+3]から成り、データRD[i]~RD[i+3]は夫々データD[i]~D[i+3]の受信側回路20Aでの受信データである。
【0050】
同様に例えば、デコーダ22は、逓倍クロック信号CLK4を用いて時刻tA3及びtA4間における受信信号RSPWMのパルス幅を特定し、特定したパルス幅をデジタル値VALB2に変換する(図6参照)。“VALB1=VALB2”となるようパルス幅変調の方法がエンコーダ12及びデコーダ22間で共有される。デコーダ22は、デジタル値VALB2を表すシリアルのデジタル信号を、時刻tA4及びtA5間の復元デジタル信号RSとして出力する。時刻tA4及びtA5間の復元デジタル信号RSは時刻tA2及びtA3間のデジタル信号Sと同一のデジタル信号であり、送信側回路10A内の4ビットデータD[i+4:1+7]と等価な4ビットデータRD[i+4:1+7]を表す。4ビットデータRD[i+4:1+7]はデータRD[i+4]~RD[i+7]から成り、データRD[i+4]~RD[i+7]は夫々データD[i+4]~D[i+7]の受信側回路20Aでの受信データである。
【0051】
デコーダ22は、クロック信号CLK2に同期して復元デジタル信号RSを出力する。従って例えば時刻tA3及びtA4間に注目すれば、デコーダ22は、時刻tA3及びtA31間における復元デジタル信号RSのレベルにてデータRD[i]を表し、時刻tA31及びtA32間における復元デジタル信号RSのレベルにてデータRD[i+1]を表し、時刻tA32及びtA33間における復元デジタル信号RSのレベルにてデータRD[i+2]を表し、時刻tA33及びtA4間における復元デジタル信号RSのレベルにてデータRD[i+3]を表す。時刻tA31は時刻tA3より時間Tだけ後の時刻であり、時刻tA32は時刻tA31より更に時間Tだけ後の時刻であり、時刻tA33は時刻tA32より更に時間Tだけ後の時刻である。時刻tA3及びtA4間の時間差は時間(4×T)であるので、時刻tA4は時刻tA33より更に時間Tだけ後の時刻である。尚、時刻tA3に相当するタイミングをデコーダ22に認識させるべく、逓倍クロック信号CLK4にだけでなくクロック信号CLK2もデコーダ22に入力して良い。
【0052】
信号伝送装置1Aと異なる参考装置では、デジタル信号Sそのものを絶縁形式で第1回路から第2回路に送信する。絶縁形式における信号の送受信では、信号のエッジのたびに大きな電力を要する。絶縁素子がパルストランスであることを考える。この場合、信号のエッジのたびにパルストランスを駆動する(即ちパルストランスに電流を供給する)必要があり、駆動の度に大きな電力を要する。具体例としてデータD[i]~D[i+3]が夫々1、0、1、1である場合(図3参照)、参考装置では、それら4ビット分のデータを絶縁形式で送信する際に、4つのエッジ(2つのライズエッジと2つのフォールエッジ)を第2回路に伝送すべくパルストランスを4回駆動する必要がある。パルストランスの駆動回数の増大に伴い必要な電力が増大する。またパルストランスの駆動時にはノイズが発生するので、パルストランスの駆動頻度の増大に伴い発生ノイズ量も増大する。絶縁素子がコンデンサにて構成される場合も同様である。
【0053】
これに対し、信号伝送装置1Aでは、パルス幅変調される単位データ(ここでは4ビット分のデータ)ごとの絶縁素子の駆動回数は最大2回に抑えられる。具体例としてデータD[i]~D[i+3]が夫々1、0、1、1である場合(図3参照)、信号伝送装置1Aでは、それら4ビット分のデータを絶縁形式で送信する際に、絶縁素子31を2回駆動すれば足る(図5参照)。即ち、信号伝送装置1Aでは参考装置と比べて絶縁素子の駆動頻度(単位時間あたり又は単位データ量あたりの絶縁素子の駆動回数)を低減することができる。結果、必要な電力及び発生ノイズ量を低減することができる。また信号SPWMのレベル変化の頻度が概ね一定となることから、絶縁素子31の駆動による周辺回路(例えばデジタル信号出力回路11)への影響を抑制できる。
【0054】
[実施例EX1_2]
実施例EX1_2を説明する。信号伝送装置1Aにおいてnの値は4以外でも良い。例えば“n=8”である場合には以下のようにすれば良い。説明の具体化のため、適宜図6を再度参照しつつ、時刻tA1及びtA3間の8単位期間におけるデジタル信号Sにより表現される8ビットデータD[i:i+7]に注目する。
【0055】
8ビットデータD[i:i+7]はデータD[i]~D[i+7]から成る。8ビットデータが有するデジタル値は10進数表記で0~255までの何れかの整数値を持つ。エンコーダ12は、8ビットデータD[i:i+7]をパルス幅に変換することにより、8ビットデータD[i:i+7]に対する信号SPWMを生成する。8ビットデータD[i:i+7]に対するパルス幅は、8ビットデータD[i:i+7]が有するデジタル値と単位幅ΔWとの積である。単位幅ΔWは時間(T/32)に相当する。
【0056】
“n=8”であるとき、時間(8×T)にて256種類の値を表すべく、逓倍回路14はクロック信号CLK1を32逓倍することで周波数(32×fREF)を持つ逓倍クロック信号CLK3を生成し、これに合わせて逓倍回路24はクロック信号CLK2を32逓倍することで周波数(32×fREF)を持つ逓倍クロック信号CLK4を生成する。周波数(32×fREF)の逆数は時間(T/32)であり、単位幅ΔWに一致する。8ビットデータD[i:1+7]に対する信号SPWMは時刻tA3から時刻tA5までの8単位期間をかけてエンコーダ12から出力される。8ビットデータD[i:1+7]に対する信号SPWMは8ビットデータD[i:1+7]に対するパルス幅を有する。8ビットデータD[i:1+7]に対するパルス幅は、時刻tA3及びtA5間において信号SPWMが所定レベル(ここではハイレベル)を有する期間の長さに相当する。8ビットデータD[i:1+7]に続く他の8ビットデータについても同様である。
【0057】
“n=8”の場合、デコーダ22は、逓倍クロック信号CLK4に基づき8単位期間ごとに受信信号RSPWMにおけるパルス幅をデジタル値に変換し、変換結果を用いてデジタル信号Sと等価な復元デジタル信号RSを生成する。
【0058】
即ち例えば、デコーダ22は、逓倍クロック信号CLK4を用いて時刻tA3及びtA5間における受信信号SPWMのパルス幅を特定し、特定したパルス幅をデジタル値に変換する。デコーダ22は、当該変換により得られたデジタル値を表すシリアルのデジタル信号を、時刻tA5及びtA7間の復元デジタル信号RSとして出力する。図示されない時刻tA7は時刻tA5よりも時間(8×T)だけ後の時刻である。時刻tA5及びtA7間の復元デジタル信号RSは時刻tA1及びtA3間のデジタル信号Sと同一のデジタル信号であり、送信側回路10A内の8ビットデータD[i:1+7]と等価な8ビットデータを表す。
【0059】
この他、nの値は3以上の整数であれば任意である。“n≧3”とすることで実施例EX1_1にて述べたような作用効果(絶縁素子の駆動回数低減に伴う必要電力量及び発生ノイズの低減効果)が得られる。逓倍クロック信号CLK3及びCLK4の各周波数は典型的には周波数fREFの(2/n)倍である。但し、逓倍クロック信号CLK3及びCLK4の各周波数を、周波数fREFの(2/n)倍より高くしても良く、例えば、周波数fREFの(2n+1/n)倍であっても構わない。
【0060】
[実施例EX1_3]
実施例EX1_3を説明する。例えばデジタル信号出力回路11は、図7に示す如くAD変換回路11aであっても良い。AD変換回路11aは、サンプリングタイミングにおける入力アナログ信号SをAD変換(アナログ/デジタル変換)することでAD変換の結果を表すデジタル信号Sを生成し、デジタル信号Sをクロック信号CLK1に同期してエンコーダ12に出力する。ここで出力されるデジタル信号Sの特性は上述した通りである。入力アナログ信号Sは送信側回路10Aとは異なる任意の回路からAD変換回路11aに供給される。入力アナログ信号Sは送信側回路10A内で生成される信号であっても良い。サンプリングタイミングは図示されない制御回路により指定される。
【0061】
例として、AD変換回路11aが入力アナログ信号Sを8ビットのデジタル信号に変換するフラッシュ型又は逐次比較型のAD変換回路である場合を考える。この場合、変換により得られた8ビットのデジタル信号が、例えば上述の時刻tA1及びtA3間にて、クロック信号CLK1に同期してAD変換回路11aから出力される。但し、AD変換回路11aにおけるAD変換の形式は任意である。AD変換回路11aはデルタシグマ型のAD変換回路であっても良く、この場合、復元デジタル信号RSに対しクロック信号CLK2に同期してデジタルのフィルタリング処理を行うデジタルフィルタを信号処理回路23に設けておくことができる。
【0062】
デジタル信号出力回路11がAD変換回路11aである場合、絶縁素子の駆動に伴うノイズはAD変換の精度に影響を与えうる。しかしながら、本実施形態の構成の採用により発生ノイズ量の低減が期待されるので、AD変換の精度向上が見込める。
【0063】
この他、デジタル信号出力回路11はクロック信号CLK1に同期してデジタル信号Sを出力する回路であれば任意である。信号伝送装置1Aはクロック信号CLK1に同期して任意のデジタル信号Sの送受信を行う絶縁通信装置(デジタルアイソレータ)であっても良い。
【0064】
<<第2実施形態>>
本開示の第2実施形態を説明する。図8に第2実施形態に係る信号伝送装置1Bの構成を示す。信号伝送装置1Bは、第1回路である送信側回路10Bと、第2回路である受信側回路20Bと、絶縁素子31及び33と、を備える。送信側回路10B及び受信側回路20Bは電気的に互いに絶縁される。
【0065】
図8の信号伝送装置1Bは図1の信号伝送装置1Aと類似した構成を持ち、両者間でクロック信号生成回路の配置位置が相違するだけである。
【0066】
図1の送信側回路10AにおいてクロックジェネレータCG1及びトランスミッタ15をレシーバ16に置換することで図8の送信側回路10Bが得られる。従って、図8の送信側回路10Bは、デジタル信号出力回路11と、エンコーダ12と、トランスミッタ13と、逓倍回路14と、レシーバ16と、を備える。上記置換を除き、送信側回路10Bは送信側回路10Aと同様の構成を有し且つ同様の動作を行う。
【0067】
図1の受信側回路20Aにおいてレシーバ25をトランスミッタ26及びクロックジェネレータCG2に置換することで図8の受信側回路20Bが得られる。従って、図8の受信側回路20Bは、レシーバ21と、デコーダ22と、信号処理回路23と、逓倍回路24と、トランスミッタ26と、クロックジェネレータCG2と、を備える。上記置換を除き、受信側回路20Bは受信側回路20Aと同様の構成を有し且つ同様の動作を行う。また、信号伝送装置1Bでは図1の絶縁素子32の代わりに絶縁素子33が設けられる。
【0068】
信号伝送装置1A及び1B間の相違点のみに注目して、信号伝送装置1Bの動作を説明する。第2実施形態で特に述べない事項に関しては、第1実施形態の記載が第2実施形態にも適用される。但し、この適用の際、第1実施形態の記載における符号“1A”、“10A”、“20A”が、第2実施形態において適宜“1B”、“10B”、“20B”に読み替えられる。
【0069】
クロックジェネレータCG2は、所定の周波数fREFを有するクロック信号(原クロック信号)を生成及び出力する。第2実施形態ではクロックジェネレータCG2から出力されるクロック信号がクロック信号CLK2である。クロックジェネレータCG2は信号処理回路23、逓倍回路24及びトランスミッタ26に接続され、信号処理回路23、逓倍回路24及びトランスミッタ26に対してクロック信号CLK2を供給する。尚、図9に示す如く、クロックジェネレータCG2は、受信側回路20Bの外部に設けられた回路であって且つ受信側回路20Bに接続された外部回路であっても良く、この場合、クロックジェネレータCG2から出力されるクロック信号CLK2が受信側回路20Bに供給される。
【0070】
トランスミッタ26及びレシーバ16により絶縁通信形式にてクロック信号CLK2(原クロック信号)が受信側回路20Bから送信側回路10Bに伝送される。トランスミッタ26はクロック信号CLK2を絶縁素子33を用いて送信側回路10Bに送信する。レシーバ16はトランスミッタ26からクロック信号CLK2を受信する。
【0071】
絶縁素子33は、送信側回路10B及び受信側回路20B間の絶縁を確保したままクロック信号CLK2を受信側回路20Bから送信側回路10Bに伝送するための素子である。絶縁素子33は送信側コイル及び受信側コイルを有するパルストランスであって良い。この場合、絶縁素子33における送信側コイルはトランスミッタ26に接続され且つ絶縁素子33における受信側コイルはレシーバ16に接続される。トランスミッタ26はクロック信号CLK2に応じて絶縁素子33をパルス駆動することで絶縁素子33の受信側コイルにクロック信号CLK2に応じた電圧を誘起させる。レシーバ16にて絶縁素子33の受信側コイルでの誘起電圧を読み取ることでクロック信号CLK2を受信する。絶縁素子33のパルス駆動とは、絶縁素子33の送電側コイルに対し所定の向きにパルス状の電流を供給することを指す。トランスミッタ26はクロック信号CLK2におけるライズエッジごとに且つフォールエッジごとに絶縁素子33をパルス駆動して良い。クロック信号CLK2のライズエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、クロック信号CLK2のフォールエッジを契機にパルス駆動されるパルストランスと、を別々に絶縁素子33に設けておいても良い。絶縁素子33を1以上のコンデンサにて形成しても良い。
【0072】
レシーバ16にて受信されたクロック信号CLK2を、受信側回路20B内のクロック信号CLK2と明確に区別すべく、クロック信号CLK1と称する。レシーバ16はクロック信号CLK2の受信結果に基づきクロック信号CLK1を出力する。換言すれば、レシーバ16はトランスミッタ26から送信されたクロック信号CLK2(原クロック信号)をクロック信号CLK1(基本クロック信号)として受信する。このように、信号伝送装置1Bでは、絶縁素子33を用いてクロック信号CLK2が受信側回路20Bから送信側回路10Bに伝送されることで、送信側回路10B内にてクロック信号CLK1が得られる。クロック信号CLK2のライズエッジタイミングにてクロック信号CLK1にもライズエッジが生じるよう、且つ、クロック信号CLK2のフォールエッジタイミングにてクロック信号CLK1にもフォールエッジが生じるよう、トランスミッタ26はクロック信号CLK2を送信し且つレシーバ16はクロック信号CLK1を生成するものとする。
【0073】
クロック信号CLK1が図1のクロックジェネレータCG1ではなくレシーバ16から出力される点を除き、送信側回路10Bにおけるデジタル信号出力回路11、エンコーダ12、トランスミッタ13及び逓倍回路14の各動作は第1実施形態と同様である。クロック信号CLK2が図1のレシーバ25ではなくクロックジェネレータCG2から出力される点を除き、受信側回路20Bにおけるレシーバ21、デコーダ22、信号処理回路23及び逓倍回路24の各動作は第1実施形態と同様である。
【0074】
<<第3実施形態>>
本開示の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1又は第2実施形態に適用可能な応用技術又は変形技術等を説明する。
【0075】
任意の信号又は電圧に関して、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係は上述したものの逆とされ得る。
【0076】
従って例えば、クロック信号CLK1において隣接する2つのフォールエッジタイミング間の期間が単位期間であっても良い。この場合、第i番目の単位期間は第i番目のフォールエッジから開始され、デジタル信号出力回路11は第i番目の単位期間におけるデジタル信号SのレベルによりデータD[i]を表現する。
【0077】
図10に半導体装置100の外観斜視図を示す。信号伝送装置1A又は1Bは半導体装置100に組み込まれた装置であって良い。半導体装置100は、半導体基板上に形成された半導体集積回路を有する半導体チップと、半導体チップを収容する筐体(パッケージ)と、筐体から半導体装置100の外部に対して露出する複数の外部端子と、を備えた電子部品である。半導体チップを樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで半導体装置100が形成される。尚、図10に示される半導体装置100の外部端子の数及び半導体装置100の筐体の種類は例示に過ぎず、それらを任意に設計可能である。
【0078】
半導体装置100に第1~第3半導体チップが設けられて良い。この場合、第1半導体チップ内の半導体集積回路に第1回路を含め、且つ、第2半導体チップ内の半導体集積回路に第2回路を含める。第1実施形態に係る信号伝送装置1Aが半導体装置100に組み込まれる場合(図1参照)、第1回路及び第2回路は夫々送信側回路10A及び受信側回路20Aであり、第3半導体チップに絶縁素子31及び32が形成される(但し、絶縁素子31及び32を第1及び第2半導体チップに分散して配置することもできる)。第2実施形態に係る信号伝送装置1Bが半導体装置100に組み込まれる場合(図8参照)、第1回路及び第2回路は夫々送信側回路10B及び受信側回路20Bであり、第3半導体チップに絶縁素子31及び33が形成される(但し、絶縁素子31及び33を第1及び第2半導体チップに分散して配置することもできる)。
【0079】
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【0080】
<<付記>>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0081】
本開示の一側面に係る信号伝送装置は、互いに絶縁された第1回路(10A又は10B)及び第2回路(20A又は20B)を備える信号伝送装置(1A又は1B)であって、前記第1回路は、シリアルのデジタル信号(S)を複数ビットごとにパルス幅変調することでPWM信号(SPWM)を生成するよう構成されたエンコーダ(12)と、前記エンコーダからの前記PWM信号を絶縁素子(31)を用いて前記第2回路に送信するよう構成されたトランスミッタ(13)と、を備え、前記第2回路は、前記トランスミッタからの前記PWM信号を受信するよう構成されたレシーバ(21)と、前記レシーバにて受信された前記PWM信号(RS)を復調することで前記デジタル信号を復元するよう構成されたデコーダ(22)と、を備える構成(第1の構成)である。
【0082】
これにより、デジタル信号をそのまま絶縁通信により第1回路から第2回路へと伝送する方式と比べて、絶縁素子の駆動頻度を低減することができる。結果、必要な電力及び発生ノイズ量を低減することができる。
【0083】
上記第1の構成に係る信号伝送装置において、前記第1回路は、基本クロック信号(CLK1)に同期して前記デジタル信号を前記エンコーダに出力するよう構成されたデジタル信号出力回路(11)を備え、前記エンコーダは、前記基本クロック信号に同期し且つ前記基本クロック信号の所定倍の周波数を持つ第1逓倍クロック信号(CLK3)を用いて前記パルス幅変調を行い、前記デコーダは、前記基本クロック信号に同期し且つ前記基本クロック信号の前記所定倍の周波数を持つ第2逓倍クロック信号(CLK4)を用いて前記復元を行う構成(第2の構成)であっても良い。
【0084】
上記第2の構成に係る信号伝送装置(1A;図1参照)において、前記基本クロック信号は、前記第1回路にて生成され、又は、前記第1回路に接続された外部回路より前記第1回路に供給され、前記基本クロック信号が他の絶縁素子(32)を用いて前記第1回路から前記第2回路に伝送され、前記第1回路は、前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第1逓倍クロック信号を生成するよう構成された第1逓倍回路(14)を備え、前記第2回路は、前記第1回路より伝送された前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第2逓倍クロック信号を生成するよう構成された第2逓倍回路(24)を備える構成(第3の構成)であっても良い。
【0085】
上記第3の構成に係る信号伝送装置において、前記第1回路は、前記基本クロック信号を前記他の絶縁素子を用いて前記第2回路に送信するよう構成された他のトランスミッタ(15)を備え、前記第2回路は、前記他のトランスミッタからの前記基本クロック信号を受信するよう構成された他のレシーバ(25)を備える構成(第4の構成)であっても良い。
【0086】
上記第2の構成に係る信号伝送装置(1B;図8参照)において、原クロック信号(CLK2)が他の絶縁素子(33)を用いて前記第2回路から前記第1回路に前記基本クロック信号として伝送され、前記原クロック信号は、前記第2回路にて生成され、又は、前記第2回路に接続された外部回路より前記第2回路に供給され、前記第1回路は、前記基本クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第1逓倍クロック信号を生成するよう構成された第1逓倍回路(14)を備え、前記第2回路は、前記原クロック信号の周波数を前記所定倍することで前記第2逓倍クロック信号を生成するよう構成された第2逓倍回路(24)を備える構成(第5の構成)であっても良い。
【0087】
上記第5の構成に係る信号伝送装置において、前記第2回路は、前記原クロック信号を前記他の絶縁素子を用いて前記第1回路に送信するよう構成された他のトランスミッタ(26)を備え、前記第1回路は、前記他のトランスミッタからの前記原クロック信号を前記基本クロック信号として受信するよう構成された他のレシーバ(16)を備える構成(第6の構成)であっても良い。
【0088】
上記第1~第6の構成の何れかに係る信号伝送装置において、前記エンコーダは、前記複数ビット分の前記デジタル信号をパルス幅に変換し、前記パルス幅を有する前記PWM信号を生成し、前記デコーダは、前記レシーバにて受信された前記PWM信号の前記パルス幅に基づき前記複数ビット分の前記デジタル信号を復元する構成(第7の構成)であっても良い。
【0089】
上記第2~第6の構成の何れかに係る信号伝送装置において、前記エンコーダは、前記複数ビット分の前記デジタル信号をパルス幅に変換し、前記パルス幅を有する前記PWM信号を生成し、前記デコーダは、前記レシーバにて受信された前記PWM信号の前記パルス幅に基づき前記複数ビット分の前記デジタル信号を復元し、前記複数ビットはnビットであり、nは3以上の整数を表し、前記所定倍は(2/n)倍以上である構成(第8の構成)であっても良い。
【0090】
上記第2~第6及び第8の構成の何れかに係る信号伝送装置において、前記デジタル信号出力回路はAD変換回路(11a)であって、前記AD変換回路は、入力アナログ信号をAD変換することで前記デジタル信号を生成し、前記デジタル信号を前記基本クロック信号に同期して前記エンコーダに出力する構成(第9の構成)であっても良い。
【符号の説明】
【0091】
1A、1B 信号伝送装置
10A、10B 送信側回路(第1回路)
20A、20B 受信側回路(第2回路)
11 デジタル信号出力回路
12 エンコーダ
13 トランスミッタ
14 逓倍回路
15 トランスミッタ
16 レシーバ
21 レシーバ
22 デコーダ
23 信号処理回路
24 逓倍回路
25 レシーバ
26 トランスミッタ
31~33 絶縁素子
CG1、CG2 クロックジェネレータ
VDD1、VDD2 電源電圧
GND1、GND2 グランド
CLK1、CLK2 クロック信号
CLK3、CLK4 逓倍クロック信号
デジタル信号
PWM 信号(PWM信号)
RSPWM 受信信号(受信PWM信号)
RS 復元デジタル信号
11a AD変換回路
入力アナログ信号
100 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10