(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137021
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】医療用画像処理装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240927BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61B1/00 640
A61B1/045 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048368
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹ノ内 祐介
(72)【発明者】
【氏名】小島 航史
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161JJ18
4C161NN05
4C161TT03
4C161TT12
4C161WW03
4C161WW07
4C161WW08
4C161YY14
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させること。
【解決手段】医療用画像処理装置9は、内視鏡100にて取得された画像情報を処理する処理モジュール95と、処理モジュール95の動作を制御するプロセッサ96とを備える。プロセッサ96は、接続された内視鏡100の種別に基づいて、処理モジュール95による処理内容を変更する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールと、
前記処理モジュールの動作を制御するプロセッサとを備え、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡の種別に基づいて、前記処理モジュールによる処理内容を変更する医療用画像処理装置。
【請求項2】
特定の前記内視鏡に対応し、前記特定の内視鏡にて取得された前記画像情報の前記処理モジュールによる処理内容に関する第1の設定情報を記憶するメモリをさらに備え、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が、前記メモリに記憶された前記第1の設定情報に対応した第1の内視鏡である場合と、前記第1の設定情報に対応していない第2の内視鏡である場合とで、前記処理モジュールによる処理内容を異なる処理内容に変更する請求項1に記載の医療用画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の内視鏡は、
前記第2の内視鏡にて取得された前記画像情報の前記処理モジュールによる処理内容に関する第2の設定情報を記憶する第2の内視鏡側メモリを備え、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させ、
接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡である場合には、前記第2の内視鏡側メモリに記憶された前記第2の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる請求項2に記載の医療用画像処理装置。
【請求項4】
前記画像情報を記憶する画像メモリをさらに備え、
前記処理モジュールは、
第1のレジスタを有し、前記第1のレジスタに記憶された設定情報に基づいて、前記画像メモリへの前記画像情報の書き込み、及び前記画像メモリからの前記画像情報の読み出しを制御するメモリコントローラと、
第2のレジスタを有し、前記第2のレジスタに記憶された設定情報に基づいて、前記メモリコントローラにて読み出された前記画像情報に対して画像処理を施す画像処理部とを備え、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1のレジスタ及び前記第2のレジスタに前記第1の設定情報を記憶し、
接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡である場合には、前記第1のレジスタ及び前記第2のレジスタに前記第2の設定情報を記憶する請求項3に記載の医療用画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の内視鏡側メモリは、
前記第2の内視鏡であることを示す第2の識別情報を記憶し、
前記プロセッサは、
前記第2の識別情報に基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する請求項3に記載の医療用画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の識別情報は、
前記第2の設定情報に含まれており、
前記プロセッサは、
前記第2の設定情報に含まれる前記第2の識別情報に基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する請求項5に記載の医療用画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の識別情報は、
前記第2の設定情報とは独立した情報として前記第2の内視鏡側メモリに記憶され、
前記プロセッサは、
前記第2の識別情報に基づいて接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡であると判定した場合に、前記第2の設定情報を前記第2の内視鏡側メモリから読み取る請求項5に記載の医療用画像処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡のコネクタに基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する請求項3に記載の医療用画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の内視鏡は、
前記第1の内視鏡固有の第1の抵抗を有し、
前記医療用画像処理装置は、
前記医療用画像処理装置固有の第2の抵抗を有し、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡の前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比を検出し、
前記分圧比が既知の値である場合に、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であると判定し、
前記分圧比が既知の値ではない場合に、接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡であると判定する請求項3に記載の医療用画像処理装置。
【請求項10】
前記第1の内視鏡は、
前記第1の内視鏡固有の第1の抵抗を有し、
前記医療用画像処理装置は、
前記医療用画像処理装置固有の第2の抵抗を有し、
前記メモリには、
複数の前記第1の内視鏡に応じた各前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる請求項2に記載の医療用画像処理装置。
【請求項11】
前記第1の内視鏡は、
前記第1の内視鏡固有の第1の識別情報を記憶する第1の内視鏡側メモリを備え、
前記メモリには、
複数の前記第1の内視鏡に応じた各前記第1の識別情報と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記第1の識別情報に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる請求項2に記載の医療用画像処理装置。
【請求項12】
前記第1の内視鏡は、
前記第1の内視鏡固有のコネクタを有し、
前記メモリには、
複数の前記第1の内視鏡に応じて各前記コネクタを示すコネクタ情報と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、
前記プロセッサは、
接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記コネクタを示す前記コネクタ情報に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる請求項2に記載の医療用画像処理装置。
【請求項13】
医療用画像処理装置のプロセッサが実行する制御方法であって、
前記プロセッサは、
前記医療用画像処理装置に接続された内視鏡の種別に基づいて、前記内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールによる処理内容を変更する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用画像処理装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野において用いられ、撮像素子を用いて生体内を撮像し、当該生体内を観察する内視鏡システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の内視鏡システムは、生体内に挿入されるとともに当該生体内を撮像する撮像部を含む内視鏡と、当該内視鏡が着脱自在に接続され、当該内視鏡にて撮像された撮像画像を処理する処理モジュールを含む医療用画像処理装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、1つの医療用画像処理装置に対して、発売世代の異なる種々の内視鏡が接続される場合がある。そして、当該種々の内視鏡では、撮像部等が異なる。このため、医療用画像処理装置では、接続された内視鏡(撮像部等)に応じた処理内容で処理モジュールに処理を行わせる必要がある。
【0005】
例えば、医療用画像処理装置において、接続された内視鏡固有の情報と当該内視鏡に応じた処理モジュールの処理内容を示す情報とを関連付けて記憶させておく。このように構成すれば、医療用画像処理装置に対して既存の内視鏡が当該医療用画像処理装置に接続された場合に対応することができる。しかしながら、医療用画像処理装置に対して後発の内視鏡が当該医療用画像処理装置に接続された場合には、メモリに当該後発の内視鏡に応じた情報が記憶されていない。このため、医療用画像処理装置に対して後発の内視鏡が接続された場合に対応することができない。後発の内視鏡が発売される毎に、当該後発の内視鏡に応じた情報を医療用画像処理装置のメモリに記憶することも考えられるが、そのような対応では、利便性が悪いものとなる。
そこで、既存の内視鏡が接続された場合、及び後発の内視鏡が接続された場合の双方に対応することができ、利便性を向上させることができる技術が要望されている。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、利便性を向上させることができる医療用画像処理装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る医療用画像処理装置は、内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールと、前記処理モジュールの動作を制御するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡の種別に基づいて、前記処理モジュールによる処理内容を変更する。
【0008】
本開示に係る制御方法は、医療用画像処理装置のプロセッサが実行する制御方法であって、前記プロセッサは、前記医療用画像処理装置に接続された内視鏡の種別に基づいて、前記内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールによる処理内容を変更する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る医療用画像処理装置及び制御方法によれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態の変形例1を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例1を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
【
図7】
図7は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
【
図10】
図10は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の変形例5を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例5を説明する図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例6を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0012】
〔内視鏡システムの概略構成〕
図1は、実施の形態に係る内視鏡システム1の構成を示す図である。
内視鏡システム1は、医療分野において用いられ、生体内を観察するシステムである。この内視鏡システム1は、
図1に示すように、挿入部2と、光源装置3と、ライトガイド4と、カメラヘッド5と、表示装置6と、第2の伝送ケーブル7と、第3の伝送ケーブル8と、制御装置9とを備える。
【0013】
本実施の形態では、挿入部2は、硬性鏡で構成されている。すなわち、挿入部2は、全体が硬質、または一部が軟質で他の部分が硬質である細長形状を有し、生体内に挿入される。この挿入部2内には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する光学系(図示略)が設けられている。
【0014】
光源装置3は、ライトガイド4の一端が接続され、制御装置9による制御の下、当該ライトガイド4の一端に当該制御装置9にて指定された照明光を当該制御装置9にて指定された光量で供給する。
なお、本実施の形態では、光源装置3は、制御装置9とは別体で構成されているが、これに限らず、当該制御装置9と同一の筐体内に設けられた構成を採用しても構わない。
【0015】
ライトガイド4は、一端が光源装置3に着脱自在に接続されるとともに、他端が挿入部2に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド4は、光源装置3から供給された光を一端から他端に伝達し、挿入部2に供給する。挿入部2に供給された光は、当該挿入部2の先端から出射され、生体内に照射される。生体内に照射され、当該生体からの戻り光(被写体像)は、挿入部2内の光学系により集光される。
【0016】
カメラヘッド5は、
図1に示すように、挿入部2における接眼部21(
図1)に着脱自在に接続されるカメラヘッド本体51と、当該カメラヘッド本体51から延在し、一端に設けられたコネクタCNを介して制御装置9に着脱自在に接続される第1の伝送ケーブル52とを備える。そして、カメラヘッド5は、制御装置9による制御の下、挿入部2にて集光された被写体像を撮像して画像信号(以下、撮像画像と記載)を生成する。
【0017】
本実施の形態では、制御装置9には、発売世代の異なる種々のカメラヘッド5が接続可能に構成されている。以下では、制御装置9に対して既存のカメラヘッド5を既存カメラヘッド5A(
図2参照)と記載する。また、制御装置9に対して後発のカメラヘッド5を後発カメラヘッド5B(
図2参照)と記載する。そして、挿入部2及びカメラヘッド5は、本開示に係る内視鏡100(
図1)に相当する。また、挿入部2及び既存カメラヘッド5Aは、本開示に係る第1の内視鏡100A(
図2参照)に相当する。さらに、挿入部2及び後発カメラヘッド5Bは、本開示に係る第2の内視鏡100B(
図2参照)に相当する。
【0018】
既存カメラヘッド5Aとしては、制御装置9に対して既存のカメラヘッド5であれば、1つであってもよく、あるいは、複数であってもよい。この既存カメラヘッド5Aは、撮像部5A1(
図2参照)と、抵抗5A2(
図2参照)とを備える。
【0019】
撮像部5A1は、挿入部2にて集光された被写体像を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備える。そして、撮像部5A1は、制御装置9による制御の下、挿入部2にて集光された被写体像を撮像して撮像画像を生成する。当該撮像画像は、本開示に係る画像情報に相当する。
【0020】
抵抗5A2は、本開示に係る第1の抵抗に相当する。この抵抗5A2は、既存カメラヘッド5A固有の抵抗値を有する抵抗である。
【0021】
後発カメラヘッド5Bとしては、制御装置9に対して後発のカメラヘッド5であれば、1つであってもよく、あるいは、複数であってもよい。この後発カメラヘッド5Bは、撮像部5B1(
図2参照)と、第2の内視鏡側メモリ5B2(
図2参照)とを備える。
【0022】
撮像部5B1は、挿入部2にて集光された被写体像を受光して電気信号に変換するCCDまたはCMOS等の撮像素子を備える。そして、撮像部5B1は、制御装置9による制御の下、挿入部2にて集光された被写体像を撮像して撮像画像を生成する。当該撮像画像は、本開示に係る画像情報に相当する。
【0023】
第2の内視鏡側メモリ5B2は、撮像関連情報と、後発スコープフラグとを記憶する。
撮像関連情報は、本開示に係る第2の設定情報に相当する。この撮像関連情報は、後発カメラヘッド5B固有の情報であって、当該後発カメラヘッド5Bにおける撮像部5B1にて生成された撮像画像の後述する処理モジュール95(
図2参照)による処理内容に関する情報である。具体的に、撮像関連情報は、撮像部5B1に関連する画像フォーマット、及び画像処理パラメータを含む。
【0024】
画像フォーマットは、撮像部5B1にて生成された撮像画像の画像サイズ、及び後述する画像メモリ94(
図2参照)への書き込み及び読み出しのサイズを含む。
【0025】
画像処理パラメータは、撮像部5B1にて生成された撮像画像に対して処理モジュール95にて画像処理を施す際に必要となる画像処理パラメータである。
【0026】
後発スコープフラグは、本開示に係る第2の識別情報に相当する。この後発スコープフラグは、カメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bである場合にONに設定されている。
【0027】
ここで、第1の伝送ケーブル52は、カメラヘッド本体51(撮像部5A1,5B1)から出力される撮像画像等を制御装置9に伝送するとともに、制御装置9から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力等をカメラヘッド本体51に伝送する。
【0028】
なお、第1の伝送ケーブル52を介したカメラヘッド本体51から制御装置9への撮像画像等の伝送は、当該撮像画像等を光信号で伝送してもよく、あるいは、電気信号で伝送しても構わない。第1の伝送ケーブル52を介した制御装置9からカメラヘッド本体51への制御信号、同期信号、クロックの伝送も同様である。
【0029】
表示装置6は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、制御装置9による制御の下、当該制御装置9からの映像信号に基づく画像を表示する。
【0030】
第2の伝送ケーブル7は、一端が表示装置6に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第2の伝送ケーブル7は、制御装置9にて処理された映像信号を表示装置6に伝送する。
【0031】
第3の伝送ケーブル8は、一端が光源装置3に着脱自在に接続され、他端が制御装置9に着脱自在に接続される。そして、第3の伝送ケーブル8は、制御装置9からの制御信号を光源装置3に伝送する。
【0032】
制御装置9は、本開示に係る医療用画像処理装置に相当する。この制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等で構成され、光源装置3、カメラヘッド5、及び表示装置6の動作を統括的に制御する。
なお、制御装置9の詳細な構成については、後述する「制御装置の構成」において説明する。
【0033】
〔制御装置の構成〕
次に、制御装置9の構成について説明する。
図2は、制御装置9の構成を示すブロック図である。
制御装置9は、
図2に示すように、抵抗90と、分圧比検知部91と、撮像関連情報通信部92と、フラグ検知部93と、画像メモリ94と、処理モジュール95と、制御部96と、入力部97と、出力部98と、記憶部99とを備える。
【0034】
抵抗90は、本開示に係る第2の抵抗に相当する。この抵抗90は、制御装置9固有の抵抗値を有する抵抗である。
分圧比検知部91は、制御部96による制御の下、抵抗90の抵抗値と、既存カメラヘッド5Aにおける抵抗5A2の抵抗値とに基づく分圧比を検知する。
【0035】
撮像関連情報通信部92は、制御部96による制御の下、後発カメラヘッド5Bにおける第2の内視鏡側メモリ5B2に記憶された撮像関連情報を取得する。
【0036】
フラグ検知部93は、制御部96による制御の下、カメラヘッド5に記憶された後発スコープフラグを確認する。
【0037】
画像メモリ94は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されている。この画像メモリ94は、カメラヘッド5から順次、出力される撮像画像を複数フレーム分、一時的に記憶可能とする。
【0038】
処理モジュール95は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)によって構成され、カメラヘッド5から順次、出力される撮像画像を処理する。この処理モジュール95は、
図2に示すように、メモリコントローラ951と、画像処理部952とを備える。
【0039】
メモリコントローラ951は、画像フォーマットを記憶する第1のレジスタ9511を有し、当該第1のレジスタ9511に記憶された画像フォーマットにしたがって、画像メモリ94への撮像画像の書き込み、及び当該画像メモリ94からの読み出しを制御する。具体的に、メモリコントローラ951は、カメラヘッド5から順次、出力される撮像画像を画像フォーマットに応じた書き込みサイズで画像メモリ94に順次、書き込む。また、メモリコントローラ951は、画像フォーマットに応じた読み出しサイズで画像メモリ94から撮像画像を読み出すとともに、当該読み出した撮像画像を画像処理部952に入力させる。
【0040】
画像処理部952は、画像処理パラメータを記憶する第2のレジスタ9521を有し、当該第2のレジスタ9521に記憶された画像処理パラメータを用いて、メモリコントローラ951にて画像メモリ94から読み出された撮像画像に対して画像処理を施す。また、画像処理部952は、画像処理を施した後の撮像画像を表示するための表示用画像(表示用の映像信号)を生成する。そして、画像処理部952は、当該表示用画像を表示装置6に出力する。これにより、表示装置6には、当該表示用画像が表示される。
【0041】
具体的に、当該画像処理としては、オプティカルブラック減算処理、デモザイク処理、ホワイトバランス調整処理、デジタルゲイン処理(デジタル信号に対して当該デジタル信号を増幅するデジタルゲインを乗算する処理)、ノイズ低減処理、色補正処理、色強調処理、輪郭強調処理、拡大処理、色調変更処理、RGB信号(撮像画像)を輝度色差信号(Y,Cb/Cr信号)に変換するYC処理等を例示することができる。
【0042】
制御部96は、本開示に係るプロセッサに相当する。この制御部96は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部99に記憶された各種のプログラムが実行されることにより実現され、光源装置3、カメラヘッド5、及び表示装置6の動作を制御するとともに、制御装置9全体の動作を制御する。なお、制御部96は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA等の集積回路によって構成されても構わない。なお、制御部96の機能については、後述する「制御装置の動作」において説明する。
【0043】
入力部97は、マウス、キーボード、及びタッチパネル等の操作デバイスを用いて構成され、術者等のユーザによるユーザ操作を受け付ける。そして、入力部97は、当該ユーザ操作に応じた操作信号を制御部96に出力する。
【0044】
出力部98は、スピーカやプリンタ等を用いて構成され、各種情報を出力する。
【0045】
記憶部99は、本開示に係るメモリに相当する。この記憶部99は、制御部96が実行するプログラムや、制御部96の処理に必要な情報等を記憶する。当該制御部96の処理に必要な情報としては、対応テーブルを例示することができる。
対応テーブルは、制御装置9の抵抗90の抵抗値、及び複数の既存カメラヘッド5Aに応じた各抵抗5A2の各抵抗値に基づく各分圧比と、当該複数の既存カメラヘッド5A毎の第1の設定情報とが関連付けられたテーブルである。
【0046】
ここで、第1の設定情報は、既存カメラヘッド5A固有の情報であって、当該既存カメラヘッド5Aにおける撮像部5A1にて生成された撮像画像の処理モジュール95による処理内容に関する情報である。具体的に、第1の設定情報は、撮像部5A1に関連する画像フォーマット、及び画像処理パラメータを含む。
【0047】
画像フォーマットは、撮像部5A1にて生成された撮像画像の画像サイズ、及び画像メモリ94への書き込み及び読み出しのサイズを含む。
【0048】
画像処理パラメータは、撮像部5A1にて生成された撮像画像に対して処理モジュール95にて画像処理を施す際に必要となる画像処理パラメータである。
【0049】
〔制御装置の動作〕
次に、制御装置9の動作(本開示に係る制御方法に相当)について説明する。
図3は、制御装置9の動作を示すフローチャートである。
先ず、フラグ検知部93は、制御部96による制御の下、カメラヘッド5に記憶された後発スコープフラグを検知する(ステップS1)。そして、フラグ検知部93は、当該検知結果を示す信号を制御部96に出力する。
【0050】
そして、制御部96は、ステップS1において、フラグ検知部93にて後発スコープフラグを確認することができない場合には、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定する(ステップS2:No)。一方、制御部96は、ステップS1において、フラグ検知部93にて後発スコープフラグがONに設定されていることが検知された場合には、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定する(ステップS2:Yes)。
【0051】
制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定された場合(ステップS2:Yes)には、撮像関連情報通信部92は、制御部96による制御の下、後発カメラヘッド5Bにおける第2の内視鏡側メモリ5B2に記憶された撮像関連情報を取得する(ステップS3)。
【0052】
ステップS3の後、制御部96は、当該ステップS3で取得された撮像関連情報に含まれる画像フォーマットを第1のレジスタ9511に記憶するとともに、当該撮像関連情報に含まれる画像処理パラメータを第2のレジスタ9521に記憶する(ステップS4)。
【0053】
これにより、メモリコントローラ951は、撮像関連情報に含まれる画像フォーマットにしたがって、画像メモリ94への撮像画像の書き込み、及び当該画像メモリ94からの読み出しを制御する。また、画像処理部952は、撮像関連情報に含まれる画像処理パラメータを用いて、メモリコントローラ951にて画像メモリ94から読み出された撮像画像に対して画像処理を施す。
【0054】
一方、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定された場合(ステップS2:No)には、分圧比検知部91は、制御部96による制御の下、抵抗90の抵抗値と、当該既存カメラヘッド5Aにおける抵抗5A2の抵抗値とに基づく分圧比を検知する(ステップS5)。
【0055】
ステップS5の後、制御部96は、記憶部99に記憶された対応テーブルを参照し、当該ステップS5で検知された分圧比に関連付けられた第1の設定情報を認識する。そして、制御部96は、当該第1の設定情報に含まれる画像フォーマットを第1のレジスタ9511に記憶するとともに、当該第1の設定情報に含まれる画像処理パラメータを第1のレジスタ9511に記憶する(ステップS6)。
【0056】
これにより、メモリコントローラ951は、第1の設定情報に含まれる画像フォーマットにしたがって、画像メモリ94への撮像画像の書き込み、及び当該画像メモリ94からの読み出しを制御する。また、画像処理部952は、第1の設定情報に含まれる画像処理パラメータを用いて、メモリコントローラ951にて画像メモリ94から読み出された撮像画像に対して画像処理を施す。
【0057】
以上のように、制御部96は、制御装置9に接続された内視鏡100の種別に基づいて、処理モジュール95による処理内容を変更する。また、制御部96は、制御装置9に接続された内視鏡100が、記憶部99に記憶された第1の設定情報に対応した第1の内視鏡100Aである場合と、当該第1の設定情報に対応していない第2の内視鏡100Bである場合とで、処理モジュール95による処理内容を異なる処理内容に変更する。さらに、制御部96は、制御装置9に接続された内視鏡100が第1の内視鏡100Aである場合には、第1の設定情報に基づいて処理モジュール95に処理を実行させる。一方、制御部96は、制御装置9に接続された内視鏡100が第2の内視鏡100Bである場合には、撮像関連情報に基づいて処理モジュール95に処理を実行させる。
【0058】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る制御装置9では、制御部96は、当該制御装置9に接続された内視鏡100の種別に基づいて、処理モジュール95による処理内容を変更する。具体的に、制御部96は、後発カメラヘッド5Bに記憶された後発スコープフラグに基づいて、内視鏡100の種別を判定する。そして、制御部96は、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定した場合には、当該後発カメラヘッド5Bから取得した撮像関連情報を第1,第2のレジスタ9511,9521にそれぞれ記憶させる。一方、制御部96は、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定した場合には、記憶部99に記憶された設定テーブルを参照し、抵抗90の抵抗値と当該既存カメラヘッド5Aにおける抵抗5A2の抵抗値とに基づく分圧比に関連付けられた第1の設定情報を第1,第2のレジスタ9511,9521にそれぞれ記憶させる。
したがって、本実施の形態に係る制御装置9によれば、既存カメラヘッド5Aが接続された場合、及び後発カメラヘッド5Bが接続された場合の双方においてそれぞれ処理モジュール95による処理内容を変更することができ、利便性を向上させることができる。
【0059】
(その他の実施の形態)
ここまで、本開示を実施するための形態を説明してきたが、本開示は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
以下に示す変形例1~6の構成を採用しても構わない。
【0060】
(変形例1)
図4及び
図5は、実施の形態の変形例1を説明する図である。具体的に、
図4は、
図2に対応したブロック図である。
図5は、
図3に対応したフローチャートである。
上述した実施の形態では、後発スコープフラグは、撮像関連情報とは独立して、第2の内視鏡側メモリ5B2に記憶されていたが、これに限らず、当該撮像関連情報に含まれていても構わない。
【0061】
このような構成では、フラグ検知部93は、
図4に示すように、撮像関連情報通信部92にて取得された撮像関連情報に含まれる後発スコープフラグを検知する。
【0062】
そして、本変形例1では、制御装置9は、以下に示すように動作する。
先ず、撮像関連情報通信部92は、制御部96による制御の下、後発カメラヘッド5Bにおける第2の内視鏡側メモリ5B2に記憶された撮像関連情報を取得する(ステップS3)。
【0063】
ステップS3の後、フラグ検知部93は、制御部96による制御の下、当該ステップS3で取得された撮像関連情報に含まれる後発スコープフラグを検知する(ステップS1A)。そして、フラグ検知部93は、当該検知結果を示す信号を制御部96に出力する。
【0064】
そして、制御部96は、ステップS1Aにおいて、フラグ検知部93にて後発スコープフラグを確認することができない場合には、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定する(ステップS2:No)。一方、制御部96は、ステップS1Aにおいて、フラグ検知部93にて後発スコープフラグがONに設定されていることが検知された場合には、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定する(ステップS2:Yes)。
【0065】
制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定した場合(ステップS2:Yes)には、制御部96は、ステップS3で取得された撮像関連情報に含まれる画像フォーマットを第1のレジスタ9511に記憶するとともに、当該撮像関連情報に含まれる画像処理パラメータを第2のレジスタ9521に記憶する(ステップS4A)。
【0066】
一方、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定された場合(ステップS2:No)には、制御装置9は、上述した実施の形態と同様に、ステップS5,S6の処理を実行する。
【0067】
以上説明した本変形例1の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(変形例2)
図6及び
図7は、実施の形態の変形例2を説明する図である。具体的に、
図6は、
図2に対応したブロック図である。
図7は、
図3に対応したフローチャートである。
上述した実施の形態において、フラグ検知部93の代わりに、
図6に示した本変形例2のように、コネクタ検知部93Bを採用しても構わない。
【0069】
ここで、本変形例2に係る後発カメラヘッド5BにおけるコネクタCNは、コネクタ形状やピン配置において、既存カメラヘッド5AにおけるコネクタCNとは異なる。
【0070】
コネクタ検知部93Bは、制御部96による制御の下、制御装置9に接続されたカメラヘッド5のコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を検知する。そして、コネクタ検知部93Bは、当該検知結果を示す信号を制御部96に出力する。
【0071】
そして、本変形例2では、制御装置9は、以下に示すように動作する。
先ず、コネクタ検知部93Bは、制御部96による制御の下、制御装置9に接続されたカメラヘッド5のコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を検知する(ステップS1B)。そして、コネクタ検知部93Bは、当該検知結果を示す信号を制御部96に出力する。
【0072】
そして、制御部96は、ステップS1Bにおいてコネクタ検知部93Bにて検知されたコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置に基づいて、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであるか(ステップS2:No)、または後発カメラヘッド5Bであるか(ステップS2:Yes)を判定する。
【0073】
以上説明した本変形例2の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0074】
(変形例3)
図8及び
図9は、実施の形態の変形例3を説明する図である。具体的に、
図8は、
図2に対応したブロック図である。
図9は、
図3に対応したフローチャートである。
上述した実施の形態において、
図8に示した本変形例3のように、フラグ検知部93の機能を分圧比検知部91で代用し、当該フラグ検知部93を設けなくても構わない。
【0075】
そして、本変形例3では、制御装置9は、以下に示すように動作する。
先ず、分圧比検知部91は、制御部96による制御の下、抵抗90の抵抗値と、制御装置9に接続されたカメラヘッド5における抵抗の抵抗値とに基づく分圧比を検知する(ステップS1C)。そして、分圧比検知部91は、当該検知結果を示す信号を制御部96に出力する。
【0076】
そして、制御部96は、記憶部99に記憶された対応テーブルを参照し、ステップS1Cにおいて分圧比検知部91にて検知された分圧比が登録されているか否かを判定する。ここで、制御部96は、分圧比検知部91にて検知された分圧比が対応テーブルに登録されていると判定した場合に、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aであると判定する(ステップS2:No)。一方、制御部96は、分圧比検知部91にて検知された分圧比が対応テーブルに登録されていないと判定した場合には、制御装置9に接続されたカメラヘッド5が後発カメラヘッド5Bであると判定する(ステップS2:Yes)。
【0077】
なお、本変形例3では、ステップS1Cにおいて分圧比を既に検知しているため、ステップS5は実施されない。
【0078】
以上説明した本変形例3の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0079】
(変形例4)
図10及び
図11は、実施の形態の変形例4を説明する図である。具体的に、
図10は、
図2に対応したブロック図である。
図11は、
図3に対応したフローチャートである。
上述した実施の形態において、分圧比検知部91の代わりに、
図10に示した本変形例4のように、スコープID検知部91Dを採用しても構わない。
【0080】
ここで、本変形例4に係る既存カメラヘッド5Aには、
図10に示すように、抵抗5A2の代わりに、当該既存カメラヘッド5A固有のスコープIDが記憶された第1の内視鏡側メモリ5A3が設けられている。当該スコープIDは、本開示に係る第1の識別情報に相当する。
【0081】
スコープID検知部91Dは、制御部96による制御の下、既存カメラヘッド5Aにおける第1の内視鏡側メモリ5A3に記憶されたスコープIDを取得する。
【0082】
また、本変形例4に係る記憶部99に記憶された対応テーブルは、複数の既存カメラヘッド5Aに応じた各スコープIDと、当該複数の既存カメラヘッド5A毎の第1の設定情報とが関連付けられたテーブルである。
【0083】
そして、本変形例4では、制御装置9は、以下に示すように動作する。
本変形例4に係る制御装置9の動作では、
図11に示すように、上述した実施の形態で説明した制御装置9の動作に対して、ステップS5,S6の代わりにステップS5D,S6Dが採用されている。
【0084】
具体的に、ステップS5Dにおいて、スコープID検知部91Dは、制御部96による制御の下、既存カメラヘッド5Aにおける第1の内視鏡側メモリ5A3に記憶されたスコープIDを取得する。
【0085】
ステップS5Dの後、制御部96は、記憶部99に記憶された対応テーブルを参照し、当該ステップS5Dで取得されたスコープIDに関連付けられた第1の設定情報を認識する。そして、制御部96は、当該第1の設定情報に含まれる画像フォーマットを第1のレジスタ9511に記憶するとともに、当該第1の設定情報に含まれる画像処理パラメータを第1のレジスタ9511に記憶する(ステップS6D)。
【0086】
以上説明した本変形例4の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0087】
(変形例5)
図12及び
図13は、実施の形態の変形例5を説明する図である。具体的に、
図12は、
図2に対応したブロック図である。
図13は、
図3に対応したフローチャートである。
上述した実施の形態において、分圧比検知部91の代わりに、
図12に示した本変形例5のように、コネクタ検知部91Eを採用しても構わない。
【0088】
ここで、既存カメラヘッド5AにおけるコネクタCNは、コネクタ形状やピン配置が固有のものとなっている。
【0089】
コネクタ検知部91Eは、制御部96による制御の下、制御装置9に接続された既存カメラヘッド5AのコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を検知する。そして、コネクタ検知部91Eは、当該検知したコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を示すコネクタ情報を制御部96に出力する。
【0090】
また、本変形例5に係る記憶部99に記憶された対応テーブルは、複数の既存カメラヘッド5Aに応じた各コネクタ情報と、当該複数の既存カメラヘッド5A毎の第1の設定情報とが関連付けられたテーブルである。
【0091】
そして、本変形例5では、制御装置9は、以下に示すように動作する。
本変形例5に係る制御装置9の動作では、
図13に示すように、上述した実施の形態で説明した制御装置9の動作に対して、ステップS5,S6の代わりにステップS5E,S6Eが採用されている。
【0092】
具体的に、ステップS5Eにおいて、コネクタ検知部91Eは、制御部96による制御の下、制御装置9に接続された既存カメラヘッド5AのコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を検知する。そして、コネクタ検知部91Eは、当該検知したコネクタCNにおけるコネクタ形状やピン配置を示すコネクタ情報を制御部96に出力する。
【0093】
ステップS5Eの後、制御部96は、記憶部99に記憶された対応テーブルを参照し、当該ステップS5Eでコネクタ検知部91Eから出力されたコネクタ情報に関連付けられた第1の設定情報を認識する。そして、制御部96は、当該第1の設定情報に含まれる画像フォーマットを第1のレジスタ9511に記憶するとともに、当該第1の設定情報に含まれる画像処理パラメータを第1のレジスタ9511に記憶する(ステップS6E)。
【0094】
以上説明した本変形例5の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0095】
(変形例6)
本変形例6に係る内視鏡システムは、挿入部の先端側に撮像部を有する所謂ビデオスコープ(軟性鏡)を用いた内視鏡システムである。以下では、説明の便宜上、本変形例6に係る内視鏡システム1を内視鏡システム1Fと記載する。
【0096】
図14は、実施の形態の変形例6を説明する図である。
内視鏡システム1Fは、
図14に示すように、生体内に挿入部2Fを挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して撮像画像を出力する内視鏡100Fと、当該内視鏡100Fの先端から出射する照明光を発生する光源装置3と、当該内視鏡100Fから出力された撮像画像を処理する制御装置9と、当該制御装置9に第2の伝送ケーブル7を介して接続し、当該制御装置9にて処理された映像信号に基づく画像を表示する表示装置6とを備える。
【0097】
本変形例6では、制御装置9には、発売世代の異なる種々の内視鏡100Fが接続可能に構成されている。より具体的に、制御装置9に対して既存の内視鏡100Fと、当該制御装置9に対して後発の内視鏡100Fとが当該制御装置9に接続可能とする。
【0098】
この内視鏡100Fは、
図14に示すように、可撓性を有する細長形状をなす挿入部2Fと、当該挿入部2Fの基端側に接続され、各種の操作を受け付ける操作部101と、当該操作部101から挿入部2Fが延びる方向と異なる方向に延び、光源装置3及び制御装置9に接続する各種ケーブルを内蔵するユニバーサルコード102とを備える。
挿入部2Fは、
図14に示すように、先端部22と、当該先端部22の基端側に接続され、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部23と、当該湾曲部23の基端側に接続され、可撓性を有する長尺状の可撓管部24とを備える。
【0099】
そして、先端部22には、具体的な図示は省略したが、上述した実施の形態で説明したカメラヘッド5と略同様の構成(既存の内視鏡100Fであれば撮像部5A1及び抵抗5A2、後発の内視鏡100Fであれば撮像部5B1及び第2の内視鏡側メモリ5B2)が内蔵されている。そして、先端部22(撮像部)にて撮像された撮像画像は、操作部101及びユニバーサルコード102を介して、制御装置9に出力される。
【0100】
以上説明した本変形例6の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0101】
以上説明した実施の形態及び変形例1~6では、制御部96は、カメラヘッド5が既存カメラヘッド5Aと後発カメラヘッド5Bとのいずれであるかを判定していたが、これに限らず、当該既存カメラヘッド5A及び当該後発カメラヘッド5B以外の内視鏡の種別の違いを判定しても構わない。その場合、制御部96は、既存カメラヘッド5A及び後発カメラヘッド5B以外の内視鏡の種別の判定結果に基づいて、処理モジュール95による処理内容を変更する。
【0102】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールと、前記処理モジュールの動作を制御するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡の種別に基づいて、前記処理モジュールによる処理内容を変更する医療用画像処理装置。
(2)特定の前記内視鏡に対応し、前記特定の内視鏡にて取得された前記画像情報の前記処理モジュールによる処理内容に関する第1の設定情報を記憶するメモリをさらに備え、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が、前記メモリに記憶された前記第1の設定情報に対応した第1の内視鏡である場合と、前記第1の設定情報に対応していない第2の内視鏡である場合とで、前記処理モジュールによる処理内容を異なる処理内容に変更する前記(1)に記載の医療用画像処理装置。
(3)前記第2の内視鏡は、前記第2の内視鏡にて取得された前記画像情報の前記処理モジュールによる処理内容に関する第2の設定情報を記憶する第2の内視鏡側メモリを備え、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させ、接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡である場合には、前記第2の内視鏡側メモリに記憶された前記第2の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる前記(2)に記載の医療用画像処理装置。
(4)前記画像情報を記憶する画像メモリをさらに備え、前記処理モジュールは、第1のレジスタを有し、前記第1のレジスタに記憶された設定情報に基づいて、前記画像メモリへの前記画像情報の書き込み、及び前記画像メモリからの前記画像情報の読み出しを制御するメモリコントローラと、第2のレジスタを有し、前記第2のレジスタに記憶された設定情報に基づいて、前記メモリコントローラにて読み出された前記画像情報に対して画像処理を施す画像処理部とを備え、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1のレジスタ及び前記第2のレジスタに前記第1の設定情報を記憶し、接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡である場合には、前記第1のレジスタ及び前記第2のレジスタに前記第2の設定情報を記憶する前記(3)に記載の医療用画像処理装置。
(5)前記第2の内視鏡側メモリは、前記第2の内視鏡であることを示す第2の識別情報を記憶し、前記プロセッサは、前記第2の識別情報に基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する前記(3)または(4)に記載の医療用画像処理装置。
(6)前記第2の識別情報は、前記第2の設定情報に含まれており、前記プロセッサは、前記第2の設定情報に含まれる前記第2の識別情報に基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する前記(5)に記載の医療用画像処理装置。
(7)前記第2の識別情報は、前記第2の設定情報とは独立した情報として前記第2の内視鏡側メモリに記憶され、前記プロセッサは、前記第2の識別情報に基づいて接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡であると判定した場合に、前記第2の設定情報を前記第2の内視鏡側メモリから読み取る前記(5)に記載の医療用画像処理装置。
(8)前記プロセッサは、接続された前記内視鏡のコネクタに基づいて、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であるか前記第2の内視鏡であるかを判定する前記(3)または(4)に記載の医療用画像処理装置。
(9)前記第1の内視鏡は、前記第1の内視鏡固有の第1の抵抗を有し、前記医療用画像処理装置は、前記医療用画像処理装置固有の第2の抵抗を有し、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡の前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比を検出し、前記分圧比が既知の値である場合に、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡であると判定し、前記分圧比が既知の値ではない場合に、接続された前記内視鏡が前記第2の内視鏡であると判定する前記(3)または(4)に記載の医療用画像処理装置。
(10)前記第1の内視鏡は、前記第1の内視鏡固有の第1の抵抗を有し、前記医療用画像処理装置は、前記医療用画像処理装置固有の第2の抵抗を有し、前記メモリには、複数の前記第1の内視鏡に応じた各前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値とに基づく分圧比に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる前記(2)~(9)のいずれか1つに記載の医療用画像処理装置。
(11)前記第1の内視鏡は、前記第1の内視鏡固有の第1の識別情報を記憶する第1の内視鏡側メモリを備え、前記メモリには、複数の前記第1の内視鏡に応じた各前記第1の識別情報と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記第1の識別情報に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる前記(2)~(9)のいずれか1つに記載の医療用画像処理装置。
(12)前記第1の内視鏡は、前記第1の内視鏡固有のコネクタを有し、前記メモリには、複数の前記第1の内視鏡に応じて各前記コネクタを示すコネクタ情報と、前記複数の第1の内視鏡毎の前記第1の設定情報とが関連付けて記憶され、前記プロセッサは、接続された前記内視鏡が前記第1の内視鏡である場合には、前記第1の内視鏡の前記コネクタを示す前記コネクタ情報に関連付けられた前記第1の設定情報に基づいて前記処理モジュールに処理を実行させる前記(2)~(9)のいずれか1つに記載の医療用画像処理装置。
(13)医療用画像処理装置のプロセッサが実行する制御方法であって、前記プロセッサは、前記医療用画像処理装置に接続された内視鏡の種別に基づいて、前記内視鏡にて取得された画像情報を処理する処理モジュールによる処理内容を変更する制御方法。
【符号の説明】
【0103】
1,1F 内視鏡システム
2,2F 挿入部
3 光源装置
4 ライトガイド
5 カメラヘッド
5A 既存カメラヘッド
5A1 撮像部
5A2 抵抗
5A3 第1の内視鏡側メモリ
5B 後発カメラヘッド
5B1 撮像部
5B2 第2の内視鏡側メモリ
6 表示装置
7 第2の伝送ケーブル
8 第3の伝送ケーブル
9 制御装置
21 接眼部
22 先端部
23 湾曲部
24 可撓管部
51 カメラヘッド本体
52 第1の伝送ケーブル
90 抵抗
91 分圧比検知部
91D スコープID検知部
91E コネクタ検知部
92 撮像関連情報通信部
93 フラグ検知部
93B コネクタ検知部
94 画像メモリ
95 処理モジュール
96 制御部
97 入力部
98 出力部
99 記憶部
100,100F 内視鏡
100A 第1の内視鏡
100B 第2の内視鏡
101 操作部
102 ユニバーサルコード
951 メモリコントローラ
952 画像処理部
9511 第1のレジスタ
9521 第2のレジスタ
CN コネクタ