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特開2024-137050半導体回路、メモリシステム、及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137050
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体回路、メモリシステム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240927BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20240927BHJP
   H03K 19/094 20060101ALI20240927BHJP
   H03F 1/48 20060101ALI20240927BHJP
   H03F 3/193 20060101ALI20240927BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H03K19/0175 240
G11C7/10 505
H03K19/094
H03F1/48
H03F3/193
H03F3/45 109
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048404
(22)【出願日】2023-03-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】都井 敬
【テーマコード(参考)】
5J056
5J500
【Fターム(参考)】
5J056AA01
5J056BB02
5J056CC00
5J056CC01
5J056DD13
5J056DD27
5J056DD51
5J056DD53
5J056KK03
5J500AA01
5J500AA12
5J500AC62
5J500AF20
5J500AH10
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK05
5J500AK47
5J500AM21
5J500AS13
5J500AT03
5J500DN01
5J500DN27
5J500DP02
(57)【要約】
【課題】半導体回路の特性を向上する。
【解決手段】実施形態の半導体回路は、第1の入力端子に接続されたゲートを有する第1のトランジスタと、第1及び第2のノードに接続された第1の誘導素子と、第1及び第3のノードに接続された第2の誘導素子と、第3及び第4のノードに接続された第3の誘導素子と、第2及び第4のノードに接続された第1の容量素子と、第3のノードに接続された第1の出力端子と、第2の入力端子に接続された第2のゲートを有する第2のトランジスタと、第5及び第6のノードに接続された第4の誘導素子と、第5及び第7のノードに接続された第5の誘導素子と、第7及び第8のノードに接続された第6の誘導素子と、第6及び第8のノードに接続された第2の容量素子と、第2及び第6のノード間に接続された第1の抵抗素子と、第7のノードに電気的に接続された第2の出力端子と、を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の極性の第1の入力信号を受けるように構成された第1の入力端子と、
前記第1の極性と異なる第2の極性の第2の入力信号を受けるように構成された第2の入力端子と、
前記第1の入力端子に電気的に接続された第1のゲートを含む第1のトランジスタと、
第1のノードを介して前記第1のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第2のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の誘導素子と、
前記第1のノードに電気的に接続された一端と、第3のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の誘導素子と、
前記第3のノードに電気的に接続された一端と、第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第3の誘導素子と、
前記第2のノードに電気的に接続された一端と、前記第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の容量素子と、
前記第2の極性の第1の出力信号を出力するように構成され、前記第3のノードに電気的に接続された第1の出力端子と、
前記第2の入力端子に電気的に接続された第2のゲートを有する第2のトランジスタと、
第5のノードを介して前記第2のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第6のノードに電気的に接続された他端と、を含む第4の誘導素子と、
前記第5のノードに電気的に接続された一端と、第7のノードに電気的に接続された他端と、を含む第5の誘導素子と、
前記第7のノードに電気的に接続された一端と、第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第6の誘導素子と、
前記第6のノードに電気的に接続された一端と、前記第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の容量素子と、
前記第2のノードと前記第6のノードとの間に電気的に接続された少なくとも1つの第1の抵抗素子と、
前記第1の極性の第2の出力信号を出力するように構成され、前記第7のノードに電気的に接続された第2の出力端子と、
を具備する半導体回路。
【請求項2】
前記第4のノードに電気的に接続された一端と、第1の電圧が供給されるように構成された第1の電源線に電気的に接続された他端と、を含む第2の抵抗素子と、
前記第8のノードに電気的に接続された一端と、前記第1の電源線に電気的に接続された他端と、を含む第3の抵抗素子と、
前記第1のトランジスタの他端に電気的に接続された一端と、前記第1の電圧より低い第2の電圧が供給されるように構成された第2の電源線に電気的に接続された他端と、を含む第1の電流源と、
前記第2のトランジスタの他端に電気的に接続された一端と、前記第2の電源線に電気的に接続された他端と、を含む第2の電流源と、
前記第1のトランジスタの前記他端と前記第2のトランジスタの前記他端との間に電気的に接続され、複数の第4の抵抗素子と複数の第3の容量素子とを含む第1の回路と、
をさらに具備する請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記第1の抵抗素子は、第1の抵抗値を有し、
前記第2及び第3の抵抗素子の各々は、第2の抵抗値を有し、
前記第1及び第2の入力信号の信号値は、前記第1及び第2の抵抗値に基づく増幅率によって、前記第1及び第2の出力信号の信号値にそれぞれ増幅される、
請求項2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記第1の誘導素子及び前記第2の誘導素子は、第1の結合係数によって、電磁気的に結合し、
前記第2の誘導素子及び前記第3の誘導素子は、第2の結合係数によって、電磁気的に結合し、
前記第1の誘導素子及び前記第3の誘導素子は、第3の結合係数によって、電磁気的に結合し、
前記第4の誘導素子及び前記第5の誘導素子は、前記第1の結合係数によって、電磁気的に結合し、
前記第5の誘導素子及び前記第6の誘導素子は、前記第2の結合係数によって、電磁気的に結合し、
前記第4の誘導素子及び前記第6の誘導素子は、前記第3の結合係数によって、電磁気的に結合する、
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記第1及び第2の入力信号は、差動の入力信号であり、
前記第1及び第2の出力信号は、差動の出力信号である、
請求項1に記載の半導体回路。
【請求項6】
1つ以上のメモリデバイスと、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体回路を含む第1のレシーバを含み、前記メモリデバイスの動作を制御するメモリコントローラと、
を具備するメモリシステム。
【請求項7】
1つ以上のメモリデバイスと、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体回路を含む第1のレシーバを含み、前記メモリデバイスの動作を制御するメモリコントローラと、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体回路を含む第2のレシーバを含み、前記メモリデバイスと通信を行い、前記第1及び第2のレシーバを介して前記メモリコントローラと通信を行う、第1のデバイスと、
を具備するメモリシステム。
【請求項8】
1つ以上のメモリデバイスと、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体回路を含む第1のレシーバを含み、前記メモリデバイスの動作を制御するメモリコントローラと、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の半導体回路を含む第2のレシーバを含み、前記第1及び第2のレシーバを介して前記メモリコントローラと通信を行うホストデバイスと、
を具備する情報処理システム。
【請求項9】
第1のデバイスと、
信号を受ける受信回路を含み、前記第1のデバイスに電気的に接続された第2のデバイスと、
を具備し、
前記受信回路は、
第1の極性の第1の入力信号を受けるように構成された第1の入力端子と、
前記第1の極性と異なる第2の極性の第2の入力信号を受けるように構成された第2の入力端子と、
前記第1の入力端子に電気的に接続された第1のゲートを含む第1のトランジスタと、
第1のノードを介して前記第1のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第2のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の誘導素子と、
前記第1のノードに電気的に接続された一端と、第3のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の誘導素子と、
前記第3のノードに電気的に接続された一端と、第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第3の誘導素子と、
前記第2のノードに電気的に接続された一端と、前記第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の容量素子と、
前記第2の極性の第1の出力信号を出力するように構成され、前記第3のノードに電気的に接続された第1の出力端子と、
前記第2の入力端子に電気的に接続された第2のゲートを含む第2のトランジスタと、
第5のノードを介して前記第2のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第6のノードに電気的に接続された他端と、を含む第4の誘導素子と、
前記第5のノードに電気的に接続された一端と、第7のノードに電気的に接続された他端と、を含む第5の誘導素子と、
前記第7のノードに電気的に接続された一端と、第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第6の誘導素子と、
前記第6のノードに電気的に接続された一端と、前記第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の容量素子と、
前記第2のノードと前記第6のノードとの間に電気的に接続された少なくとも1つの第1の抵抗素子と、
前記第1の極性の第2の出力信号を出力するように構成され、前記第7のノードに電気的に接続された第2の出力端子と、
を具備する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体回路、メモリシステム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
信号の送信及び受信の品質の向上のために、様々な回路構成を有する半導体回路が、研究及び開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-522931号公報
【特許文献2】特表2015-534420号公報
【特許文献3】特表2022-530324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体回路の特性を向上する半導体回路、メモリシステム、及び情報処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体回路は、第1の極性の第1の入力信号を受けるように構成された第1の入力端子と、前記第1の極性と異なる第2の極性の第2の入力信号を受けるように構成された第2の入力端子と、前記第1の入力端子に電気的に接続された第1のゲートを含む第1のトランジスタと、第1のノードを介して前記第1のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第2のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の誘導素子と、前記第1のノードに電気的に接続された一端と、第3のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の誘導素子と、前記第3のノードに電気的に接続された一端と、第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第3の誘導素子と、前記第2のノードに電気的に接続された一端と、前記第4のノードに電気的に接続された他端と、を含む第1の容量素子と、前記第2の極性の第1の出力信号を出力するように構成され、前記第3のノードに電気的に接続された第1の出力端子と、前記第2の入力端子に電気的に接続された第2のゲートを有する第2のトランジスタと、第5のノードを介して前記第2のトランジスタの一端に電気的に接続された一端と、第6のノードに電気的に接続された他端と、を含む第4の誘導素子と、前記第5のノードに電気的に接続された一端と、第7のノードに電気的に接続された他端と、を含む第5の誘導素子と、前記第7のノードに電気的に接続された一端と、第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第6の誘導素子と、前記第6のノードに電気的に接続された一端と、前記第8のノードに電気的に接続された他端と、を含む第2の容量素子と、前記第2のノードと前記第6のノードとの間に電気的に接続された少なくとも1つの第1の抵抗素子と、
前記第1の極性の第2の出力信号を出力するように構成され、前記第7のノードに電気的に接続された第2の出力端子と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の半導体回路を含むシステムの構成例を示すブロック図。
図2】実施形態の半導体回路を含むレシーバの構成例を示すブロック図。
図3】実施形態の半導体回路の構成例を示す回路図。
図4】実施形態の半導体回路を含むシステムの変形例の構成例を示すブロック図。
図5】実施形態の半導体回路の特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図1乃至図5を参照しながら、本実施形態の半導体回路、メモリシステム、及び情報処理システムについて詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付す。また、以下の各実施形態において、末尾に区別化のための数字/英字を伴った参照符号を付された構成要素(例えば、回路、配線、各種の電圧及び信号など)が、相互に区別されなくとも良い場合、末尾の数字/英字が省略された記載(参照符号)が用いられる。
【0008】
[実施形態]
(1)構成例
図1乃至図3を参照して、実施形態の半導体回路について、説明する。
【0009】
(1-1)全体構成
図1は、本実施形態の半導体回路を含むシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示されるように、情報通信システム9は、ホストデバイス40と、メモリシステム500と、を含む。メモリシステム500は、ホストデバイス40からの要求に基づいて、メモリシステム500内におけるデータの書き込み、データの読み出し及びデータの消去を行う。メモリシステム500の内部構成は、後述される。
【0011】
ホストデバイス40は、プロセッサ41、RAM42、インターフェイス回路43を含む。
【0012】
プロセッサ(以下では、ホストプロセッサともよばれる)41は、ホストデバイス40の各種の処理及び動作を、制御する。
【0013】
ホストプロセッサ41は、メモリシステム500に対する各種の処理及び動作を要求(命令、指示)するためのコマンド(以下では、ホストコマンドとよばれる)を、発行(生成及び転送)できる。ホストプロセッサ41は、ホストコマンドに応じたデータを生成できる。生成されるデータは、メモリシステム500の処理及び動作に用いられる情報(例えば、アドレス)、パラメータ、及び、メモリシステム500に書き込まれるべきデータなどである。
【0014】
RAM42は、ホストプロセッサ41による各種のデータ処理のための作業領域(ワークメモリ)として機能を有する。RAM42は、プログラム(ソフトウェアの一例)、及び、ホストプロセッサ41による各種の処理に用いられるデータ(計算処理の結果、計算処理の途中のデータ、パラメータ)を一時的に記憶する。
【0015】
インターフェイス回路(ホストインターフェイス(ホストI/F)回路ともよばれる)43は、或るインターフェイス規格及び/又は通信プロトコルに基づいて、メモリシステム500との通信を行う。インターフェイス回路43は、物理層(PHY層)内に、データの送信のためのトランスミッタTXh、及び、データの受信のためのレシーバRXhを有する。
【0016】
尚、メモリシステム500に対するホストコマンドは、インターフェイス回路43のインターフェイス規格に基づく。例えば、インターフェイス回路43に用いられるインターフェイス規格(又は通信プロトコル)は、SAS規格、SATA規格、PCIexpressTM規格(以下では、PCIe規格と表記される)、NVMexpressTM規格(以下では、NVMe規格と表記される)、UFS(Universal Flash Storage)規格などの中から選択される。尚、これらの規格のいずれかに準拠したインターフェイス規格又は他のインターフェイス規格が、インターフェイス回路43に用いられてもよい。
【0017】
ホストデバイス40は、上記の構成に加えて、HDD(Hard Disc Drive)のようなストレージデバイス(図示せず)などをさらに含んでもよい。
【0018】
例えば、ホストデバイス40又は情報通信システム9は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、フューチャーフォン、携帯端末(例えば、タブレット端末)、ゲーム機器、車載端末、ルーター及び基地局などである。
【0019】
メモリシステム500は、メモリコントローラ50及びNANDフラッシュメモリ60を含む。
【0020】
(メモリコントローラ)
メモリコントローラ50は、ホストデバイス40からの要求に基づいて、データの書き込み、データの読み出し及びデータの消去などの各種の処理及び動作を、NANDフラッシュメモリ60に指示(命令)する。
【0021】
メモリコントローラ50は、プロセッサ51、RAM52、バッファ回路53、及びインターフェイス回路54,55を含む。
【0022】
プロセッサ51は、NANDフラッシュメモリ60に対する各種の処理又は動作を、指示(命令)できる。例えば、プロセッサ51は、NANDフラッシュメモリ60に対する指示を示すコマンド(以下では、コントローラコマンドともよばれる)を生成できる。
【0023】
RAM52は、メモリコントローラ50内における、プロセッサ51の各種の処理及び動作のための作業領域として機能する。RAM52は、プログラム、及び、プロセッサ51による各種の処理に用いられるデータ(計算処理の結果、計算処理の途中のデータ及びパラメータ)等を一時的に記憶する。尚、RAM52は、プロセッサ51内に設けられたメモリ領域でもよい。
【0024】
バッファ回路53は、メモリコントローラ50とホストデバイス40との間において転送されるデータ、及び、メモリコントローラ50とNANDフラッシュメモリ60との間において転送されるデータを、一時的に記憶する。
【0025】
インターフェイス回路(ホストインターフェイス(ホストI/F)回路ともよばれる)54は、或るインターフェイス規格に基づいて、ホストデバイス40とメモリコントローラ50との間のデータ転送を行う。インターフェイス回路54のインターフェイス規格(及び通信プロトコル)は、ホストデバイス40のインターフェイス回路43のインターフェイス規格と同じ規格(又は準拠した規格)である。例えば、インターフェイス回路54は、インターフェイス回路43とシリアル伝送の通信(シリアル通信)を行う。
【0026】
インターフェイス回路(メモリインターフェイス(メモリI/F)回路ともよばれる)55は、NANDインターフェイス規格に基づいて、メモリコントローラ50とNANDフラッシュメモリ60との間の通信(例えば、データ転送)を行う。インターフェイス回路55は、例えば、NANDフラッシュメモリ60とパラレル伝送の通信(パラレル通信)を行う。インターフェイス回路55は、物理層(PHY層)内に、トランスミッタTXm及びレシーバRXmを含む。
【0027】
メモリコントローラ50がNANDフラッシュメモリ60に或る動作を命令する場合、メモリコントローラ50は、コマンド及びアドレスを含むデータ群(以下では、メモリコマンドセットともよばれる)を、NANDフラッシュメモリ60に送る。尚、メモリコントローラ50がデータの書き込みをNANDフラッシュメモリ60に命令する場合、メモリコマンドセットは、書き込みデータをさらに含む。
【0028】
尚、メモリコントローラ50は、上記の構成に加えて、データ内のエラーの検出及び訂正のためのECC回路(図示せず)のような他の構成を含んでもよい。
【0029】
NANDフラッシュメモリ60は、不揮発性半導体メモリデバイスである。NANDフラッシュメモリ60は、データを実質的に不揮発に記憶できる。NANDフラッシュメモリ60は、メモリコントローラ50から送られたデータを、メモリセルアレイ(図示せず)内に書き込む。NANDフラッシュメモリ60は、メモリコントローラ50から要求されたデータを、メモリセルアレイから読み出す。以下において、NANDフラッシュメモリ60は、単に、フラッシュメモリ60ともよばれる。
【0030】
フラッシュメモリ60は、メモリコントローラ50と通信する。フラッシュメモリ60とメモリコントローラ50との間の通信は、NANDインターフェイス規格によってサポートされている。
【0031】
例えば、メモリシステム500は、SSD(Slid State Drive)、UFS(Universal Flash Storage)デバイス、メモリカード、又は、USB(Universal Serial Bus)メモリなどである。尚、フラッシュメモリ60の代わりに、他の不揮発性又は揮発性のメモリデバイスが、メモリシステム500に用いられてもよい。
【0032】
例えば、メモリシステム500において、メモリコントローラ50のインターフェイス回路54は、物理層(PHY層)内に、トランスミッタTX及びレシーバRXを、含む。
【0033】
ホストデバイス40とメモリシステム500との間の通信(信号伝送)に関して、インターフェイス回路54のトランスミッタTXは、各種の信号(例えば、データ)を、インターフェイス回路43のレシーバRXhに送る。ホストデバイス40とメモリシステム500との間の通信に関して、インターフェイス回路54のレシーバRXは、各種の信号を、インターフェイス回路43のトランスミッタTXhから受ける。例えば、メモリシステム500内において、メモリコントローラ50は、レシーバRXからのデータに対して、各種の処理を施すことができる。
【0034】
例えば、トランスミッタTX及びレシーバRXは、10Gbps以上の比較的高速なデータ転送(例えば、100Gbps級のデータ転送)に用いられる。
【0035】
本実施形態の半導体回路は、例えば、受信回路100である。本実施形態の受信回路100は、メモリコントローラ50のレシーバRX内に設けられている。
【0036】
尚、本実施形態の受信回路100は、ホストデバイス40のインターフェイス回路43のレシーバRXh内に、設けられてもよい。
【0037】
<受信回路>
図2は、本実施形態の受信回路100を含むレシーバRXの構成例を示す模式図である。
【0038】
図2に示されるように、レシーバRXは、終端回路900と、複数の受信回路100と、サンプラ901と、デジタル信号処理回路902と、を含む。
【0039】
終端回路900は、メモリコントローラ50の受信端子(受信ノード)999に接続される。終端回路900は、抵抗素子、容量素子、電流源、及び/又は電圧源などを含む。終端回路900は、レシーバRXの信号線のインピーダンス整合を確保する。これによって、終端回路900は、レシーバRXの信号線に生じる反射を抑制する。
【0040】
複数の受信回路100が、終端回路900に接続される。複数の受信回路100は、終端回路900とサンプラ901との間に、直列に接続される。
【0041】
複数の受信回路100のうち最初段の受信回路100は、受信端子999に供給された信号を、終端回路900を介して受ける。複数の受信回路100のうち最終段の受信回路100は、受けた信号を、サンプラ901に供給する。各受信回路100は、受けた信号を増幅できる。各受信回路100は、差動信号を受け、この信号を内部で処理した差動信号を出力する。
【0042】
サンプラ901は、複数の受信回路100からの信号を、或るクロックに同期したタイミングで、サンプリングする。サンプラ901は、サンプリングされた信号(以下では、サンプリング信号とよばれる)を、デジタル信号処理回路902に供給する。
【0043】
デジタル信号処理回路902は、サンプリング信号に対して、デジタル信号処理を施す。例えば、デジタル信号処理回路902は、サンプリング信号に対してアナログ-デジタル変換を施す。デジタル信号処理回路902は、デジタル信号処理後の信号を、後段の回路へ供給する。
【0044】
図3は、本実施形態の受信回路100の構成例を示す回路図である。
【0045】
図3に示されるよう、本実施形態の受信回路100は、2つの入力端子ITp,ITn、2つの出力端子OTp,OTn、複数のトランジスタTR1,TR2、複数の誘導素子111,112,113,121,122,123、複数の抵抗素子114,116,124,126、複数の容量素子115,125、複数の電流源119,129、RCネットワーク回路150、及び複数の電源線190,191を含む。
【0046】
本実施形態の受信回路100は、差動入出力型の受信回路である。入力端子ITpは、正極性の入力信号Vipを受けるように構成されている。入力端子ITnは、負極性の入力信号Vinを受けるように構成されている。出力端子OTpは、正極性の出力信号Vopを出力するように構成されている。出力端子OTnは、負極性の出力信号Vonを出力するように構成されている。
【0047】
トランジスタTR1,TR2は、受信回路100における信号の入力部として機能する。トランジスタTR1,TR2は、互いに相補の関係の信号(信号電圧、入力信号、入力電圧)Vip,Vinを受ける。これによって、差動の入力信号Vip,Vinが、受信回路100に受けられる。トランジスタTR1,TR2は、例えば、MOSトランジスタのような電界効果トランジスタである。
【0048】
トランジスタTR1の電流経路の一端は、ノードND1aに電気的に接続される。トランジスタTR1の電流経路の他端は、ノードND2aに電気的に接続される。トランジスタTR1のゲートは、受信回路100の正極性側の入力端子ITpに電気的に接続される。トランジスタTR1のゲートは、正極性側の信号Vipを前段の回路から受ける。
【0049】
トランジスタTR2の電流経路の一端は、ノードND1bに電気的に接続される。トランジスタTR2の電流経路の他端は、ノードND2bに電気的に接続される。トランジスタTR2のゲートは、受信回路100の負極性側の入力端子ITnに電気的に接続される。トランジスタTR2のゲートは、負極性側の信号Vinを前段の回路から受ける。信号Vinは、信号Vipに対して相補の関係を有する。
【0050】
電流源119の入力ノードは、ノードND2aに電気的に接続される。電流源119の出力ノードは、受信回路100の低電位側の電源線191に電気的に接続される。グランド電圧VGNDが、電源線191に印加される。以下において、電源線191は、グランド線191とよばれる。グランド電圧VGNDは、受信回路100が動作する際の基準電位である。
【0051】
電流源129の入力ノードは、ノードND2bに電気的に接続される。電流源129の出力ノードは、グランド線191に電気的に接続される。
【0052】
RCネットワーク回路150が、ノードND2aとノードND2bとの間に電気的に接続されている。RCネットワーク回路150は、複数の抵抗素子151及び複数の容量素子152を含む。RCネットワーク回路150は、複数の抵抗素子151及び複数の容量素子152が直列及び/又は並列に電気的に接続された回路網を有する。
【0053】
誘導素子111,112,113,121,122,123のそれぞれは、例えば、オンチップコイルである。誘導素子111及び誘導素子121のそれぞれは、誘導係数(誘導値)L1を有する。誘導素子112及び誘導素子122のそれぞれは、誘導係数L2を有する。誘導素子113及び誘導素子123のそれぞれは、誘導係数L3を有する。
【0054】
誘導素子111の一端は、ノードND1aに電気的に接続される。誘導素子111の他端は、ノードND3aに電気的に接続される。誘導素子111の相互誘導の極性は、誘導素子111のノードND3a側の部分(誘導素子111の他端)に設けられている。
【0055】
誘導素子112の一端は、ノードND1aに電気的に接続される。誘導素子112の他端は、ノードND4aに電気的に接続される。誘導素子112の相互誘導の極性は、誘導素子112のノードND4a側の部分(誘導素子112の他端)に設けられている。
【0056】
誘導素子113の一端は、ノードND4aに電気的に接続される。誘導素子113の他端は、ノードND5aに電気的に接続される。誘導素子113の相互誘導の極性は、誘導素子113のノードND5a側の部分(誘導素子113の他端)に設けられている。誘導素子113は、2つのノードND1a,ND5a間において、誘導素子112に直列に接続されている。
【0057】
誘導素子111と誘導素子112との間に、結合係数k1が生じる。誘導素子111及び誘導素子112は、結合係数k1によって電磁気的に結合している。誘導素子112と誘導素子113との間に、結合係数k2が生じる。誘導素子112及び誘導素子113は、結合係数k2によって電磁気的に結合している。誘導素子113と誘導素子111との間に、結合係数k3が生じる。誘導素子113及び誘導素子111は、結合係数k3によって電磁気的に結合している。結合係数k1、k2,k3の値は、0<k1,k2,k3<1である。
【0058】
誘導素子121の一端は、ノードND1bに電気的に接続される。誘導素子121の他端は、ノードND3bに電気的に接続される。誘導素子121の相互誘導の極性は、誘導素子121のノードND3b側の部分(誘導素子121の他端)に設けられている。
【0059】
誘導素子122の一端は、ノードND1bに電気的に接続される。誘導素子122の他端は、ノードND4bに電気的に接続される。誘導素子122の相互誘導の極性は、誘導素子122のノードND4b側の部分(誘導素子122の他端)に設けられている。
【0060】
誘導素子123の一端は、ノードND4bに電気的に接続される。誘導素子123の他端は、ノードND5bに電気的に接続される。誘導素子123の相互誘導の極性は、誘導素子123のノードND5b側の部分(誘導素子123の他端)に設けられている。誘導素子123は、2つのノードND1b,ND5b間において、誘導素子122に直列に接続されている。
【0061】
誘導素子121と誘導素子122との間に、結合係数k1が生じる。誘導素子121及び誘導素子122は、結合係数k1によって電磁気的に結合している。誘導素子122と誘導素子123との間に、結合係数k2が生じる。誘導素子122及び誘導素子123は、結合係数k2によって電磁気的に結合している。誘導素子123と誘導素子121との間に、結合係数k3が生じる。誘導素子123及び誘導素子121は、結合係数k3によって電磁気的に結合している。
【0062】
抵抗素子114,124のそれぞれは、同じ抵抗値RD1を有する。抵抗素子114は、電源線190と受信回路100の出力(出力端子OTn)との間において、誘導素子113と直列に接続されている。抵抗素子124は、電源線190と受信回路100の出力(出力端子OTp)との間において、誘導素子123と直列に接続されている。
【0063】
抵抗素子114の一端は、ノードND5aに電気的に接続される。抵抗素子114の他端は、受信回路100の高電位側の電源線190に電気的に接続される。電源電圧VDDが、電源線190に印加される。例えば、誘導素子113は、抵抗素子114を介して、電源線190に接続される。
【0064】
抵抗素子124の一端は、ノードND5bに電気的に接続される。抵抗素子124の他端は、電源線190に電気的に接続される。例えば、誘導素子123は、抵抗素子124を介して、電源線190に接続される。
【0065】
容量素子115,125のそれぞれは、同じ静電容量(容量値)Cbを有する。
【0066】
容量素子115の一端は、ノードND3aに電気的に接続される。容量素子115の他端は、ノードND5aに電気的に接続される。例えば、誘導素子111の他端は、容量素子115を介して、誘導素子113の他端に接続される。
【0067】
容量素子125の一端は、ノードND3bに電気的に接続される。容量素子125の他端は、ノードND5bに電気的に接続される。例えば、誘導素子121の他端は、容量素子125を介して、誘導素子123の他端に接続される。
【0068】
抵抗素子116,126のそれぞれは、同じ抵抗値RD2を有する。抵抗素子116,126は、受信回路100の出力(出力端子OTp,OTn)との間において直列に接続される。
【0069】
抵抗素子116の一端は、ノードND3aに電気的に接続される。抵抗素子116の他端は、ノードND6に電気的に接続される。
【0070】
抵抗素子126の一端は、ノードND3bに電気的に接続される。抵抗素子126の他端は、ノードND6に電気的に接続される。
【0071】
例えば、誘導素子111の他端は、抵抗素子116,126を介して、誘導素子121の他端に接続される。ノードND1aとノードND1bとの間において、誘導素子111、抵抗素子116,126及び誘導素子121は、直列に接続される。
【0072】
尚、“2×RD2”の抵抗値を有する1つの抵抗素子が、誘導素子111と誘導素子121との間に接続されていてもよい。
【0073】
受信回路100の正極性側の出力端子OTpは、誘導素子122の他端と誘導素子123の一端との間のノードND4bに電気的に接続される。受信回路100の負極性側の出力端子OTnは、誘導素子112の他端と誘導素子113の一端との間のノードND4aに電気的に接続される。受信回路100は、正極性の信号(信号電圧、出力信号、出力電圧)Vopを、出力端子OTpから出力する。受信回路100は、負極性の信号Vonを、出力端子OTnから出力する。信号Vop,Vonは、互いに相補の関係を有する。これによって、差動の出力信号Vop,Vonが、受信回路100から後段の回路へ送られる。
【0074】
例えば、ノードND1aは、静電容量C1の容量成分161を含む。例えば、ノードND1bは、静電容量C1の容量成分171を含む。例えば、ノードND4aは、静電容量C2の容量成分162を含む。例えば、ノードND4bは、静電容量C2の容量成分172を含む。容量成分(容量素子)161,162,171,172は、例えば、ノードND1a,ND1b,ND4a,ND4b(端子ITp,ITn,OTp,OTn)の寄生容量である。
【0075】
正極性の入力電圧Vipは、受信回路100内を入力端子ITpから出力端子OTpへ向かって伝搬する。正極性の出力電圧Vopが、出力端子OTpから後段の回路へ、出力される。負極性の入力電圧Vinは、受信回路100内を入力端子ITnから出力端子OTnへ向かって伝搬する。負極性の出力電圧Vonが、出力端子OTnから後段の回路へ、出力される。
【0076】
受信回路100は、アンプとして機能できる。受信回路100は、受信回路100に含まれる幾つかの素子の値に基づく増幅率(ゲイン)に応じて、入力電圧Vip,Vinの信号値を出力電圧Vop,Vonの信号値にそれぞれ増幅する。信号値は、例えば電圧値である。例えば、受信回路100の増幅率は、 “RD1”の抵抗値と“2×RD2”の抵抗値との比率に応じて、設定される。
【0077】
受信回路100の通過特性の周波数帯域は、誘導素子111,112,113,121,122,123の特性(例えば、誘導値)、容量素子115,125,161,162,171,172の特性(例えば、容量値)、及び抵抗素子114,116,124,126の特性(例えば、抵抗値)に応じて、制御され得る。
【0078】
本実施形態の受信回路100は、上述の接続関係(トポロジー)で接続された、誘導素子111,112,113,121,122,123、容量素子115,125,161,162,171,172、抵抗素子114,116,124,126及び回路内の伝送路の各種の寄生成分によって、信号伝送の広帯域化を実現できる。
【0079】
このように、本実施形態の受信回路100は、半導体回路の特性を向上できる。
【0080】
(2)変形例
図4は、本実施形態の半導体回路1を含むシステムの変形例を示す図である。
【0081】
図4において、メモリコントローラ50と複数のフラッシュメモリ60との間に、ブリッジデバイス80が設けられる。図4では、フラッシュメモリ60の数は2個であるが、これに限定されない。
【0082】
ブリッジデバイス80は、メモリコントローラ50と各フラッシュメモリ60との間の通信を、シリアル通信からパラレル通信に変換するためのデバイスである。例えば、ブリッジデバイス80は、メモリコントローラ50及び各フラッシュメモリ60から独立した半導体チップ上に設けられている。ブリッジデバイス80と各フラッシュメモリ60とは、1つのパッケージデバイスとして構成されてもよい。ブリッジデバイス80は、中継デバイス80又は中継チップ80ともよばれる。
【0083】
シリアルデータが、メモリコントローラ50とブリッジデバイス80との間において、転送される。k(kは2以上の整数)ビットのデータ幅のパラレルデータが、各フラッシュメモリ60とブリッジデバイス80との間において、転送される。
【0084】
メモリコントローラ50は、インターフェイス回路(以下では、ブリッジインターフェイス(ブリッジI/F)回路ともよばれる)55Aを含む。メモリコントローラ50は、インターフェイス回路55Aによって、或るインターフェイス規格に基づいてブリッジデバイス80と通信する。インターフェイス回路55Aは、トランスミッタTX及びレシーバRXを含む。
【0085】
ブリッジデバイス80は、メモリコントローラ50とシリアル伝送で通信するためのインターフェイス回路(ブリッジインターフェイス(ブリッジI/F)回路)81を含む。ブリッジデバイス80は、各フラッシュメモリ60とパラレル通信するためのインターフェイス回路(NANDインターフェイス)82を含む。ブリッジデバイス80は、信号をシリアル-パラレル変換するための信号処理回路85を含む。
【0086】
本実施形態の受信回路100は、ホストデバイス40のインターフェイス回路43のレシーバRXh、メモリコントローラ50のインターフェイス回路54,55AのレシーバRX、及びブリッジデバイス80のインターフェイス回路81のレシーバRX内に設けられている。
【0087】
尚、本実施形態の受信回路100は、CPU及び/又はGPUのような、互いに通信する複数のプロセッサを含むシステム(例えば、計算機システム)に設けられてもよい。この場合、本実施形態の受信回路100は、各プロセッサが備える受信回路(レシーバ)に設けられる。また、本実施形態の受信回路100は、NANDフラッシュメモリのようなメモリデバイスの内部のインターフェイス回路のレシーバに設けられてもよい。
【0088】
変形例のように、本実施形態の受信回路100が、ホストデバイス40及びメモリコントローラ50以外の半導体デバイスに用いられたとしても、信号伝送の周波数帯域を、広くできる。
【0089】
したがって、本実施形態の受信回路100を含むシステム(又はデバイス)は、特性を向上できる。
【0090】
(3)まとめ
図5は、本実施形態の受信回路100の特性を示す図である。
【0091】
図5は、各種の受信回路の通過特性を示している。図5において、グラフの横軸は周波数を示し、グラフの縦軸は、低周波数帯域に対する高周波数帯域の減衰量(dB)を示している。図5の点線で示される特性X1は、一般的なRC受信回路の通過特性を示している。図5の破線で示される特性X2は、一般的なπ型受信回路の通過特性を示している。図5の実線で示される特性X3は、本実施形態の受信回路100の通過特性を示している。
【0092】
図5に示されるように、特性X1で示される一般的なRC受信回路は、周波数faにおいて、減衰量が-3dBになる。特性X2で示される一般的なπ型受信回路は、周波数faより高い周波数fbにおいて、減衰量が-3dBになる。
【0093】
特性X3で示されるように、本実施形態の受信回路100は、周波数fa,fbより高い周波数fcにおいて、減衰量が-3dBになる。
【0094】
このように、本実施形態の受信回路100は、受信回路内を通過する信号に関する周波数の通過範囲を、広くできる。
【0095】
本実施形態の受信回路100は、上述の構成(トポロジー)によって、回路パラメータの選択の自由度を向上できる。
【0096】
したがって、本実施形態の受信回路100及び本実施形態の受信回路100を含むデバイスは、信号の劣化を抑制して、高速なデータ通信を実現できる。
【0097】
以上のように、実施形態の半導体回路である受信回路100は、信号の通過特性を向上できる。
【0098】
(4)その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
100:半導体回路、TR1,TR2:トランジスタ、111,112,113,121,122,123:誘導素子、114,124,116,126:抵抗素子、115,125:容量素子、RX:レシーバ、40:ホストデバイス、50:メモリコントローラ、60:NANDフラッシュメモリ、80:ブリッジデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5