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特開2024-137059紫外線照度計、紫外線照射モジュール、紫外線処理装置、および紫外線の照度の測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137059
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】紫外線照度計、紫外線照射モジュール、紫外線処理装置、および紫外線の照度の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20240930BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20240930BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20240930BHJP
【FI】
G01J1/02 G
C02F1/32
B01J19/12 C
G01J1/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047551
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】石川 智朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正吾
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 倫子
【テーマコード(参考)】
2G065
4D037
4G075
【Fターム(参考)】
2G065AA03
2G065AB05
2G065BC01
2G065BC14
4D037AA01
4D037AA11
4D037AB02
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB01
4D037BB02
4G075AA13
4G075AA15
4G075BA05
4G075BB10
4G075CA33
4G075DA02
4G075EB21
4G075EB31
4G075EC06
4G075ED08
4G075ED13
4G075FA01
4G075FB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の紫外線光源から照射される紫外線の照度を個別に測定することができる紫外線照度計が提供される。
【解決手段】紫外線照度計10は、受光センサ構造体30と、回転軸32と、受光センサ構造体30を回転させる駆動装置21と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の波長域における受光感度と、所定の受光角度と、を有する少なくとも1つのセンサを備える受光センサ構造体と、
前記受光センサ構造体を支持する回転軸と、
前記回転軸に連結され、かつ前記回転軸を通じて、前記受光センサ構造体を回転させる駆動装置と、を備える、紫外線照度計。
【請求項2】
前記紫外線照度計は、前記受光センサ構造体を収容するセンサ管をさらに備えており、
前記センサは、その受光部が前記センサ管の周壁を向くように配置されている、請求項1に記載の紫外線照度計。
【請求項3】
前記センサは、前記回転軸の中心軸線よりも前記センサ管に近接して配置されており、
前記紫外線照度計は、前記センサ管の周壁と前記センサとの間に形成された、構造物が存在しない空間を有している、請求項2に記載の紫外線照度計。
【請求項4】
前記駆動装置は、複数の紫外線光源を前記紫外線照度計の周囲に配置したとき、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させる、請求項1に記載の紫外線照度計。
【請求項5】
前記受光センサ構造体は、前記回転軸の回転方向において、異なる方向を向いて配置された第1センサおよび第2センサを備えている、請求項1に記載の紫外線照度計。
【請求項6】
前記受光センサ構造体は、前記回転軸に接続されたセンサ装着部材を備えており、
前記センサは、前記センサ装着部材への装着により、前記受光角度で紫外線を受光する、請求項1に記載の紫外線照度計。
【請求項7】
請求項1に記載の紫外線照度計と、
前記紫外線照度計の周囲に配置された複数の紫外線光源と、を備え、
前記紫外線照度計は、前記複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を個別に検出する、紫外線照射モジュール。
【請求項8】
前記複数の紫外線光源のそれぞれは、前記回転軸と平行に延びる長尺状の紫外線ランプである、請求項7に記載の紫外線照射モジュール。
【請求項9】
前記紫外線照射モジュールは、前記受光センサ構造体を収容するセンサ管と、前記紫外線光源と、に付着した汚れを除去する除去装置を備えている、請求項7に記載の紫外線照射モジュール。
【請求項10】
請求項7に記載の紫外線照射モジュールと、
前記紫外線照射モジュールによって紫外線処理される液体の流量を検出する流量計と、を備え、
前記紫外線照射モジュールは、前記複数の紫外線光源のそれぞれの出力を制御する制御装置を備えており、
前記制御装置は、前記駆動装置を動作させることにより、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させて、前記複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を取得する、紫外線処理装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記紫外線の照度が前記流量計によって検出された流量に基づいて決定される所定の目標照度になるように、前記紫外線光源の出力を制御する、請求項10に記載の紫外線処理装置。
【請求項12】
請求項1に記載の紫外線照度計による紫外線の照度の測定方法であって、
複数の紫外線光源を前記紫外線照度計の周囲に配置し、
前記駆動装置を動作させることにより、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させ、
前記センサによって検出された信号に基づいて、前記複数の紫外線光源のそれぞれの照度を個別に測定する、紫外線の照度の測定方法。
【請求項13】
前記回転軸の回転方向において、異なる方向を向いて配置された第1センサおよび第2センサのうち、前記第1センサを、前記複数の紫外線光源のうちの特定の紫外線光源に対向させて、前記第1センサからの第1信号を取得し、
前記第2センサを前記特定の紫外線光源に対向させて、前記第2センサからの第2信号を取得し、
前記第1信号および前記第2信号に基づいて、前記第1センサおよび前記第2センサの少なくとも1つの異常を判断する、請求項12に記載の紫外線の照度の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照度計、紫外線照射モジュール、紫外線処理装置、および紫外線の照度の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理分野では、上水消毒、飲料水や食品などの用水の消毒、下水などの放流水消毒、難分解性有機物の分解などに、紫外線処理が適用されている。紫外線処理を行うための紫外線処理装置は、複数の紫外線光源(例えば、紫外線ランプ)を備えている場合がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-151275号公報
【特許文献2】特開2011-050830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紫外線処理装置は、紫外線ランプから紫外線を照射することにより、液体を紫外線処理する。その一方で、液体を適切に紫外線処理するためには、紫外線ランプの出力を制御して、紫外線を適切な照度で照射する必要がある。
【0005】
紫外線ランプの出力を制御するためには、紫外線の照度を測定する必要がある。紫外線の照度を測定する方法として、紫外線ランプの数に応じた数の紫外線照度計を設置する方法が考えられるが、このような方法では、複数の紫外線ランプのそれぞれの照度を個別に測定することが困難であり、紫外線処理装置のコストも増大してしまう問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、複数の紫外線光源から照射される紫外線の照度を個別に測定することができる紫外線照度計と、紫外線照度計を備える紫外線照射モジュールと、紫外線照射モジュールを備える紫外線処理装置と、を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を測定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、特定の波長域における受光感度と、所定の受光角度と、を有する少なくとも1つのセンサを備える受光センサ構造体と、前記受光センサ構造体を支持する回転軸と、前記回転軸に連結され、かつ前記回転軸を通じて、前記受光センサ構造体を回転させる駆動装置と、を備える、紫外線照度計が提供される。
【0009】
一態様では、前記紫外線照度計は、前記受光センサ構造体を収容するセンサ管をさらに備えており、前記センサは、その受光部が前記センサ管の周壁を向くように配置されている。
一態様では、前記センサは、前記回転軸の中心軸線よりも前記センサ管に近接して配置されており、前記紫外線照度計は、前記センサ管の周壁と前記センサとの間に形成された、構造物が存在しない空間を有している。
一態様では、前記駆動装置は、複数の紫外線光源を前記紫外線照度計の周囲に配置したとき、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させる。
【0010】
一態様では、前記受光センサ構造体は、前記回転軸の回転方向において、異なる方向を向いて配置された第1センサおよび第2センサを備えている。
一態様では、前記受光センサ構造体は、前記回転軸に接続されたセンサ装着部材を備えており、前記センサは、前記センサ装着部材への装着により、前記受光角度で紫外線を受光する。
【0011】
一態様では、上記紫外線照度計と、前記紫外線照度計の周囲に配置された複数の紫外線光源と、を備える紫外線照射モジュールが提供される。前記紫外線照度計は、前記複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を個別に検出する。
【0012】
一態様では、前記複数の紫外線光源のそれぞれは、前記回転軸と平行に延びる長尺状の紫外線ランプである。
一態様では、前記紫外線照射モジュールは、前記受光センサ構造体を収容するセンサ管と、前記紫外線光源と、に付着した汚れを除去する除去装置を備えている。
【0013】
一態様では、上記紫外線照射モジュールと、前記紫外線照射モジュールによって紫外線処理される液体の流量を検出する流量計と、を備える紫外線処理装置が提供される。前記紫外線照射モジュールは、前記複数の紫外線光源のそれぞれの出力を制御する制御装置を備えており、前記制御装置は、前記駆動装置を動作させることにより、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させて、前記複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を取得する。
【0014】
一態様では、前記制御装置は、前記紫外線の照度が前記流量計によって検出された流量に基づいて決定される所定の目標照度になるように、前記紫外線光源の出力を制御する。
【0015】
一態様では、上記紫外線照度計による紫外線の照度の測定方法が提供される。複数の紫外線光源を前記紫外線照度計の周囲に配置し、前記駆動装置を動作させることにより、前記センサが前記複数の紫外線光源のそれぞれに対向するように、前記受光センサ構造体を回転させ、前記センサによって検出された信号に基づいて、前記複数の紫外線光源のそれぞれの照度を個別に測定する。
【0016】
一態様では、前記回転軸の回転方向において、異なる方向を向いて配置された第1センサおよび第2センサのうち、前記第1センサを、前記複数の紫外線光源のうちの特定の紫外線光源に対向させて、前記第1センサからの第1信号を取得し、前記第2センサを前記特定の紫外線光源に対向させて、前記第2センサからの第2信号を取得し、前記第1信号および前記第2信号に基づいて、前記第1センサおよび前記第2センサの少なくとも1つの異常を判断する。
【発明の効果】
【0017】
紫外線照度計は、駆動装置を動作させて、受光センサ構造体を回転させることにより、受光センサ構造体の周囲に配置された複数の紫外線光源のそれぞれから照射される紫外線の照度を個別に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(a)は紫外線照射モジュールを示す図であり、図1(b)は図1(a)のA-A線断面図である。
図2図2(a)は紫外線照度計を示す図であり、図2(b)は受光センサ構造体のセンサを示す図である。
図3】受光センサ構造体の他の実施形態を示す図である。
図4図4(a)乃至図4(c)は、紫外線ランプに対向するように回転するセンサを示す図である。
図5】制御装置によるセンサの異常を判断する制御フローを示す図である。
図6】制御装置により紫外線ランプの出力を制御するフローを示す図である。
図7図7(a)は紫外線処理装置の一実施形態を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す紫外線処理装置の斜視図である。
図8】紫外線処理装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下で説明する複数の実施形態において、特に説明しない一実施形態の構成は、他の実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0020】
図1(a)は紫外線照射モジュールを示す図であり、図1(b)は図1(a)のA-A線断面図である。図1(a)および図1(b)に示すように、紫外線照射モジュール1は、複数の紫外線光源11と、複数の紫外線光源11のそれぞれから照射される紫外線の照度を測定する紫外線照度計10と、を備えている。
【0021】
紫外線照射モジュール1は、水処理(例えば、上水消毒、飲料水や食品などの用水の消毒、下水などの放流水消毒、難分解性有機物の分解)の対象となる液体を紫外線処理するように構成されている。
【0022】
図1(a)に示すように、紫外線照射モジュール1は、紫外線処理される液体が存在する照射槽100に装着される。照射槽100は、紫外線処理される液体が流れる配管が接続される構造体であってもよく、または配管であってもよい。紫外線照射モジュール1は、照射槽100に脱着可能である。したがって、作業者は、必要(例えば、紫外線照射モジュール1のメンテナンス)に応じて、紫外線照射モジュール1を照射槽100から引き抜くことができる。
【0023】
紫外線光源11の一例として、長尺状の紫外線ランプ(より具体的には、水銀ランプ)、または複数の紫外線LEDを有するLEDモジュール(例えば、後述する図7(a)、図7(b)、および図8参照)を挙げることができる。本実施形態では、紫外線光源11は、紫外線ランプである。したがって、以下、本明細書において、紫外線光源11を紫外線ランプ11と呼ぶことがある。
【0024】
本実施形態では、複数の紫外線ランプ11は、同一の構造を有している。紫外線ランプ11は、紫外線を照射する光源11aと、光源11aを収容する保護管としてのランプ管11bと、を備えている。複数の紫外線ランプ11は、平行に配置されている。複数の紫外線ランプ11のそれぞれは、その軸方向(すなわち、回転軸32の中心軸線CL)が液体の流れ方向と平行になるように、または直交するように、配置されている。
【0025】
図2(a)は紫外線照度計を示す図であり、図2(b)は受光センサ構造体のセンサを示す図である。図2(a)に示すように、紫外線照度計10は、特定の波長域(例えば、200~300nm)における受光感度と、所定の受光角度(例えば、20度)と、を有する少なくとも1つのセンサ34を備える受光センサ構造体30と、受光センサ構造体30を支持する回転軸32と、回転軸32に連結され、かつ回転軸32を通じて、受光センサ構造体30を直接的に回転させる駆動装置21と、を備えている。
【0026】
紫外線照度計10は、受光センサ構造体30(および回転軸32)を収容する保護管としてのセンサ管33を備えている。センサ管33は、回転軸32の中心軸線CL方向に沿って延びる有底状の円筒形状を有している。センサ管33は、例えば、石英ガラス管である。受光センサ構造体30およびセンサ管33は、回転軸32と同心状に配置されている。回転軸32は、複数の紫外線ランプ11と平行に配置されている。
【0027】
紫外線照射モジュール1を照射槽100に装着したとき(図1(a)参照)、紫外線ランプ11および受光センサ構造体30(およびセンサ管33)は、照射槽100の内部に配置される。その一方で、受光センサ構造体30を回転させる駆動装置21は、照射槽100の外部に配置される。
【0028】
図1(a)および図1(b)に示すように、センサ管33は、複数の紫外線ランプ11の間に配置されている。より具体的には、受光センサ構造体30は、その機能を十分に発揮するために、複数の紫外線ランプ11のそれぞれから照射される紫外線が届く位置(すなわち、紫外線が遮られず、かつ紫外線が重ならない位置)に配置されている。
【0029】
本実施形態では、受光センサ構造体30は、2つのセンサ34A,34Bを備えている。センサ34A,34Bは、同一の構造を有している。一実施形態では、受光センサ構造体30は、少なくとも1つのセンサ34を備えてもよい。センサ34A,34Bは、回転軸32の回転方向(図2(a)参照)において、異なる方向を向いて配置されている。例えば、センサ34Aは、中心軸線CLに関して、センサ34Bの反対側に配置されている。
【0030】
本実施形態では、さらに、センサ34A,34Bは、中心軸線CL方向において、異なる高さに配置されている。一実施形態では、センサ34A,34Bは、中心軸線CL方向において、異なる高さに配置されていれば、回転軸32の回転方向において、同一の方向を向いて配置されてもよい。
【0031】
図2(b)に示すように、センサ34A(およびセンサ34B)は、複数の紫外線ランプ11のそれぞれから照射される紫外線を受光する受光部34Aa(および受光部34Ba)と、電子機器(図示しない)を収容する本体部34Ab(および本体部34Bb)と、を有している。本体部34Ab(および本体部34Bb)は、受光部34Aa(および受光部34Ba)を保持する。受光部34Aa(および受光部34Ba)は、紫外線ランプ11から照射された紫外線の照度(照度値)に相当する信号を検出するように構成されている。
【0032】
紫外線照射モジュール1は、制御装置24を備えている。制御装置24は、受光部34Aa(および受光部34Ba)によって検出された信号を取得し、取得された信号に基づいて、複数の紫外線ランプ11のそれぞれの動作(出力)を制御するように構成されている。
【0033】
図2(a)に示すように、制御装置24は、プログラムを格納した記憶部24aと、プログラムに従って演算を実行する処理部24bと、紫外線照射モジュール1の構成要素(例えば、駆動装置21および紫外線ランプ11など)を動作させる動作制御部24cと、を備えている。
【0034】
図2(b)に示すように、制御装置24は、センサ34A,34Bのそれぞれに、電気的に接続されている。受光部34Aa(および受光部34Ba)によって検出された信号は、信号線39を通じて、制御装置24に送られる。制御装置24は、センサ34A,34Bから送られた信号に基づいて、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度を測定する。
【0035】
制御装置24およびセンサ34A,34Bは、信号線39により、有線接続され、信号線39としての有線ケーブルの稼働可能な領域内で受光センサ構造体30を正逆転可能に構成されてもよいが、無線接続(例えば、bluetooth(登録商標)、wifi(登録商標)など)されてもよい。
【0036】
一実施形態では、信号線39は、有線接続によって、有線ケーブルの稼働可能な領域内で受光センサ構造体30を正逆転可能に構成されてもよいが、スリップリング構造を有してもよい。このような構造により、受光センサ構造体30(および回転軸32)が回転しても、信号線39は、受光センサ構造体30の回転による影響(例えば、捻れ)を受けることなく、制御装置24およびセンサ34A,34Bを電気的に接続することができる。
【0037】
図2(a)に示すように、受光センサ構造体30は、回転軸32に接続されたセンサ装着部材31を備えている。センサ装着部材31は、中心軸線CL方向に沿って延びており、センサ管33の周壁33aを向いて形成されたセンサ孔31aを有している。センサ孔31aは、中心軸線CLと垂直な方向に延びており、センサの数に対応する数を有している。
【0038】
センサ34A,34Bのそれぞれは、センサ孔31aに装着されている。センサ34A,34Bのそれぞれをセンサ孔31aに装着することにより、センサ34A,34Bは、受光部34Aa,34Baがセンサ管33の周壁33aを向くように配置され、所定の受光角度で紫外線を受光する。
【0039】
図3は、受光センサ構造体の他の実施形態を示す図である。図3に示す実施形態では、受光センサ構造体30は、センサ装着部材31を備えておらず、所定の受光角度で紫外線を受光するように構成されたセンサ35A,35Bを備えてもよい。
【0040】
センサ35A,35Bは、同一の構造を有している。センサ35A,35Bのそれぞれは、回転軸32に形成されたセンサ孔32aに装着されている。センサ孔32aは、センサ孔31aと同様に、センサ管33の周壁33aを向いて形成されている。したがって、センサ35A,35Bのそれぞれをセンサ孔32aに装着することにより、センサ35A,35Bは、受光部35Aa,35Baがセンサ管33の周壁33aを向くように配置される。
【0041】
図2(b)および図3に示すように、紫外線照度計10は、センサ管33の周壁33aとセンサ34A,34Bのそれぞれとの間に形成された空間SPを有している。空間SPは、構造物が存在しない空間である。言い換えれば、空間SPは、受光部34Aa,34Baによる受光を阻害する遮蔽物が存在しない空間である。
【0042】
センサ34A,34Bは、回転軸32の中心軸線CLよりもセンサ管33に近接して配置されている。このような配置により、センサ34A,34Bは、構造物(すなわち、遮蔽物)に阻害されることなく、紫外線ランプ11から照射された紫外線を確実に受光することができる。
【0043】
図1(a)に示すように、紫外線照射モジュール1を照射槽100に装着することにより、紫外線ランプ11およびセンサ管33は、照射槽100の内部に吊り下げられ、この状態で、紫外線照射モジュール1は、照射槽100に存在する液体を紫外線処理する。
【0044】
紫外線ランプ11およびセンサ管33を照射槽100の内部に配置することにより、センサ管33およびランプ管11bの表面には、ごみや、鉄、マンガン、硬度などのファウリング成分などの汚れが付着するおそれがある。ランプ管11bが汚れると、紫外線ランプ11による紫外線の照射が阻害され、結果として、紫外線の照度が低下するおそれがある。同様に、センサ管33が汚れると、センサ34A,34Bによる紫外線の受光が阻害され、受光精度が低下するおそれがある。
【0045】
そこで、紫外線照射モジュール1は、センサ管33および紫外線ランプ11(より具体的には、ランプ管11b)の表面に付着した汚れを除去する除去装置40を備えている(図1(a)および図2(a)参照)。除去装置40は、各ランプ管11bおよびセンサ管33に装着されたワイパー41と、ワイパー41を保持する保持体42と、ワイパー41および保持体42が取り付けられた昇降プレート43と、を備えている。
【0046】
昇降プレート43は、図示しない昇降装置により中心軸線CL方向に移動可能である(図1(a)の矢印方向参照)。昇降装置の一例として、台形ねじ(機械の送りねじ)の使用を挙げることができる。
【0047】
制御装置24は、昇降装置に電気的に接続されており、定期的に(または不定期的に)、昇降装置を動作させて、昇降プレート43を昇降させるように構成されている。昇降プレート43を昇降させることにより、ワイパー41および保持体42は、昇降プレート43とともに、昇降する。
【0048】
本実施形態では、ワイパー41は、弾性部材(例えば、リング形状を有するワイパーゴム)から構成されている。したがって、ワイパー41は、その昇降により、各ランプ管11bおよびセンサ管33の表面に付着した汚れを除去することができる。結果として、紫外線ランプ11およびセンサ34A,34Bは、本来の機能を十分に発揮することができる。
【0049】
紫外線光源11が複数の紫外線LEDを有するLEDモジュールである場合、紫外線光源11は、光源11aに相当する紫外線LEDと、紫外線LEDの発光面に配置された図示しないガラス部材(すなわち、保護板と呼ばれる平板)と、を備えている。この場合、除去装置40は、ガラス部材の形状に対応する形状を有するワイパー(例えば、ブレード状のワイパーゴム)でガラス部材の表面に付着した汚れを除去するように構成されている。
【0050】
このように、除去装置40は、センサ管33に付着した汚れのみならず、紫外線光源11(より具体的には、ランプ管11bまたはガラス部材)に付着した汚れをも除去するように構成されている。
【0051】
図1(a)および図2(a)に示すように、紫外線照射モジュール1は、複数の紫外線ランプ11およびセンサ管33を照射槽100の内部に吊り下げるベースプレート12と、駆動装置21が載置される載置プレート22と、を備えている。ベースプレート12は、中心軸線CLと垂直に延びる平板形状を有しており、ベースプレート12の中央に形成された貫通孔12aを有している。
【0052】
受光センサ構造体30、回転軸32、およびセンサ管33は、ベースプレート12の貫通孔12aを貫通している。センサ管33はベースプレート12に固定されている一方で、回転軸32は、ベースプレート12の上方まで延びており、回転自在にセンサ管33の内部に配置されている。回転軸32の下端に固定されたセンサ装着部材31は、ベースプレート12の下方に配置されている。
【0053】
載置プレート22は、ベースプレート12の上方に配置されており、ベースプレート12に固定された支持部材23に支持されている。載置プレート22上に配置された駆動装置21は、回転軸32と同心状に配置されている。
【0054】
本実施形態では、制御装置24は、ベースプレート12上に配置されているが、制御装置24は、必ずしも、ベースプレート12上に配置される必要はない。例えば、図3に示すように、制御装置24は、回転軸32に取り付けられてもよい。
【0055】
制御装置24は、駆動装置21に電気的に接続されており、駆動装置21の動作を制御するように構成されている。したがって、制御装置24は、駆動装置21を動作させることにより、回転軸32を通じて、受光センサ構造体30を両方向(すなわち、受光センサ構造体30を中心軸線CLから見たとき、時計回り方向および反時計回り方向)に回転させる。
【0056】
紫外線照度計10は、駆動装置21と回転軸32とを連結する連結部材37を備えている。連結部材37は、ベースプレート12の上方に配置されており、駆動装置21による回転駆動力を回転軸32に伝達するように構成されている。駆動装置21は、センサ34A,34Bのそれぞれが複数の紫外線ランプ11のそれぞれに対向するように、回転軸32および受光センサ構造体30を回転させるように構成されている。
【0057】
連結部材37の一例として、固定軸継手を挙げることができる。本実施形態では、紫外線照射モジュール1は、回転軸32に取り付けられたロータリーエンコーダ36を備えている。制御装置24は、駆動装置21の動作によって、回転軸32とともに回転するロータリーエンコーダ36に基づいて、回転軸32の回転角度を制御するように構成されている。
【0058】
一実施形態では、駆動装置21は、ステッピングモータやサーボモータなどの精密モータであってもよい。この場合、紫外線照射モジュール1は、必ずしもロータリーエンコーダ36を備える必要はない。
【0059】
図4(a)乃至図4(c)は、紫外線ランプに対向するように回転するセンサを示す図である。図4(a)乃至図4(c)では、センサ34A,34Bを単にセンサ34と総称することがあり、センサ35A,35Bを単にセンサ35と総称することがある。
【0060】
図4(a)に示すように、紫外線照射モジュール1が2つの紫外線ランプ11を備えている場合、受光センサ構造体30は、2つの紫外線ランプ11の中間位置に配置されている。言い換えれば、2つの紫外線ランプ11は、紫外線照度計10の周囲に等間隔で配置されている。
【0061】
図4(a)に示す実施形態では、すべての紫外線ランプ11と回転軸32との間の距離は同じである。したがって、すべての紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度が同一である条件下において、センサ34(またはセンサ35)によって検出される信号の大きさ(すなわち、照度値)は、同じである。
【0062】
図4(b)に示すように、紫外線照射モジュール1が4つの紫外線ランプ11を備えている場合においても、回転軸32は、4つの紫外線ランプ11の中間位置に配置されている。言い換えれば、4つの紫外線ランプ11は、紫外線照度計10の周囲に、等間隔で配置されている。図4(b)に示す実施形態においても、すべての紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度が同一である条件下において、センサ34(またはセンサ35)によって検出される信号の大きさ(すなわち、照度値)は、同じである。
【0063】
図4(a)に示すように、制御装置24は、駆動装置21を動作させることにより、回転軸32を回転させて、センサ34を2つの紫外線ランプ11のそれぞれに対向させる。この場合、センサ34をすべての紫外線ランプ11に対向させるために必要な回転角度は、180度である。
【0064】
図4(b)に示すように、制御装置24は、駆動装置21を動作させることにより、回転軸32を回転させて、センサ34を4つの紫外線ランプ11のそれぞれに対向させる。センサ34をすべての紫外線ランプ11に対向させるために必要な回転角度は、270度である。
【0065】
図4(c)に示す実施形態では、紫外線照射モジュール1は、8つの紫外線ランプ11を備えている。図4(c)に示す実施形態に係る紫外線ランプ11の配置は、図1(b)に示す実施形態に係る紫外線ランプ11の配置と同一である。
【0066】
図4(c)に示すように、8つの紫外線ランプ11を、紫外線照度計10に近接する第1グループG1と、紫外線照度計10から離間する第2グループG2と、に分割した場合、第1グループG1に属する4つの紫外線ランプ11のそれぞれと紫外線照度計10との間の距離は、同じである。同様に、第2グループG2に属する4つの紫外線ランプ11のそれぞれと紫外線照度計10との間の距離は、同じである。
【0067】
したがって、第1グループG1に属する4つの紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度が同一である条件下において、センサ34(またはセンサ35)によって検出される信号の大きさは同じである。同様に、第2グループG2に属する4つの紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度が同一である条件下において、センサ34(またはセンサ35)によって検出される信号の大きさは同じである。
【0068】
第2グループG2に属する紫外線ランプ11と紫外線照度計10との間の距離は、第1グループG1に属する紫外線ランプ11と紫外線照度計10との間の距離よりも大きい。したがって、第2グループG2に属する紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度に相当する信号は、第1グループG1に属する紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度に相当する信号よりも小さい。
【0069】
受光センサ構造体30は、360度(より具体的には、時計回り方向に180度、反時計回り方向に180度)に回転可能な可動域を有していれば、紫外線照射モジュール1が複数の紫外線ランプ11を備えていても、制御装置24は、信号線39の捻れを防止しつつ、駆動装置21を動作させて、センサ34をすべての紫外線ランプ11に対向させることができる。
【0070】
このように、制御装置24は、駆動装置21を動作させることにより、回転軸32を通じて、センサ34が複数の紫外線ランプ11のそれぞれに対向するように、センサ34を直接的に回転させる。
【0071】
仮に、センサ34が全方位型の光センサである場合、センサ34が特定の紫外線ランプ11からの紫外線のみならず、特定の紫外線ランプ11以外の紫外線ランプ11からの紫外線をも受光してしまい、制御装置24は、各紫外線ランプ11からの紫外線の照度を個別に測定することができない。
【0072】
センサ34は、所定の受光角度で紫外線を受光するように構成されている。受光角度は、例えば、20度であるが、より多くの紫外線ランプ11からの紫外線の照度を個別に測定するために、受光角度は、小さいことが望ましい。
【0073】
本実施形態によれば、センサ34を特定の紫外線ランプ11に対向させたとき、センサ34は、特定の紫外線ランプ11以外の紫外線ランプ11からの紫外線を受光することはない。このように、制御装置24は、駆動装置21を動作させて、受光センサ構造体30(より具体的には、センサ34)を回転させることにより、複数の紫外線ランプ11のそれぞれから照射される紫外線の照度を個別に測定することができる。
【0074】
さらに、本実施形態によれば、制御装置24は、センサ34を回転させることにより、センサ34の長寿命化を実現することができる。センサ34は、紫外線ランプ11から照射される紫外線に常時、暴露されることにより、本来の耐久年数よりも早く故障するおそれがある。
【0075】
そこで、制御装置24は、紫外線ランプ11からの紫外線の照度を測定するときだけ、センサ34を紫外線ランプ11に対向させ、紫外線ランプ11からの紫外線の照度を測定しないときには、センサ34を待機位置(より具体的には、紫外線ランプ11からの紫外線の影響を受けない位置)に配置してもよい。
【0076】
図5は、制御装置によるセンサの異常を判断する制御フローを示す図である。紫外線照度計10が複数のセンサ34を備えている場合、制御装置24は、各センサ34によって検出される信号に基づいて、複数のセンサ34の少なくとも1つの異常を判断することができる。以下、本明細書において、センサ34Aを第1センサ34Aと呼び、センサ34Bを第2センサ34Bと呼ぶことがある。
【0077】
図5のステップS101に示すように、制御装置24は、第1センサ34A(または第2センサ34B)を特定の紫外線ランプ11に対向させて、第1センサ34A(または第2センサ34B)からの信号を取得する。
【0078】
ステップS101の後、制御装置24は、第2センサ34B(または第1センサ34A)を特定の紫外線ランプ11に対向させて、第2センサ34B(または第1センサ34A)からの信号を取得する(ステップS102参照)。
【0079】
センサ34A,34Bは、回転軸32の回転方向において、異なる方向を向いて配置されている。したがって、センサ34A,34Bは、同時に、特定の紫外線ランプ11からの紫外線の照度に相当する信号を検出することはない。
【0080】
ステップS103に示すように、制御装置24は、ステップS101によって取得した信号と、ステップS102によって取得した信号と、の間の差分を算出し、この差分と所定のしきい値とを比較する。所定のしきい値は、センサ34A,34Bの少なくとも1つの異常を決定づける基準値である。
【0081】
ステップS104に示すように、制御装置24は、信号間の差分としきい値とを比較し、差分がしきい値に達したか否かを判定する。差分がしきい値に達していない場合には(ステップS104のNO参照)、制御装置24は、センサ34A,34Bのいずれにも異常は発生していないことを決定して、センサ34A,34Bの異常判断フローを終了する。
【0082】
その一方で、差分がしきい値に達した場合には(ステップS104のYES参照)、制御装置24は、センサ34A,34Bの少なくとも1つに異常が発生していることを決定して、エラー信号を発報する(ステップS105参照)。
【0083】
センサ34A,34Bのいずれにも異常が発生していない場合には、センサ34A,34Bによって検出された信号は、ほぼ同一であり、信号間の差分は、ない、または小さい。その一方で、センサ34A,34Bの少なくとも1つに異常が発生している場合には、信号間の差分は、所定のしきい値よりも大きい。したがって、制御装置24は、差分と、しきい値と、を比較して、センサ34A,34Bの少なくとも1つの異常の有無を判断することができる。
【0084】
紫外線照度計10で検出される紫外線の照度の大きさと、紫外線ランプ11に供給される電力の大きさと、の間には、相関関係が存在する。より具体的には、紫外線ランプ11に供給される電力の大きさと、紫外線ランプ11の出力(すなわち、紫外線ランプ11から照射される紫外線の出力)と、の間には、相関関係が存在する。液体の紫外線透過率が一定の条件下において、紫外線ランプ11の出力と、紫外線照度計10に照射される紫外線の照度の大きさと、の間には、相関関係が存在する。したがって、紫外線照度計10で検出される紫外線の照度の大きさと、紫外線ランプ11に供給される電力の大きさと、の間には、相関関係が存在する。
【0085】
記憶部24aは、これら相関関係を示す相関データを格納している。したがって、制御装置24は、紫外線ランプ11に供給される電力を制御することにより、紫外線ランプ11の出力を制御し、紫外線照度計10で検出される紫外線の照度の大きさを制御することができる。
【0086】
紫外線ランプ11は、経時的に劣化し、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度が低下するおそれがある。したがって、制御装置24は、定期的に(または不定期的に)、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度と、所定の目標値と、を比較して、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度の大きさを制御してもよい。所定の目標値は、適切に液体を紫外線処理するために必要な紫外線の照度の目標値であり、記憶部24aに格納されている。
【0087】
例えば、紫外線の照度が小さい場合には、制御装置24は、紫外線の照度が目標値に達するまで、紫外線ランプ11に供給される電力を増加させて、紫外線ランプ11の出力を上昇させてもよい。紫外線照射モジュール1は、着脱可能に、照射槽100に装着されているため、必要に応じて、作業者は、紫外線照射モジュール1を照射槽100から引き抜いて、対象となる紫外線ランプ11を新たな紫外線ランプ11に交換してもよい。
【0088】
図1(a)に示すように、制御装置24は、紫外線照射モジュール1によって紫外線処理される液体の流量に相当する信号を検出する流量計60に電気的に接続されている。制御装置24は、流量計60によって検出された信号を取得し、この信号に基づいて、液体の流量を測定する。
【0089】
適切に液体を紫外線処理するために必要な、紫外線ランプ11から照射される紫外線の照度と、液体の流量の大きさと、の間には、相関関係が存在している。この相関関係を示す相関データは、記憶部24aに格納されている。したがって、制御装置24は、流量計60によって検出された信号(すなわち、流量)に基づいて、紫外線ランプ11の出力を制御してもよい。
【0090】
液体の流量に応じて、または(紫外線照度計10との距離、位置関係に依存する)紫外線ランプ11ごとに、必要な紫外線の照度が決定される。したがって、制御装置24は、複数の紫外線ランプ11のそれぞれとセンサ34との間の距離と、流量計60によって検出された液体の流量と、に基づいて、紫外線ランプ11ごとに目標照度を算出してもよい。目標照度は、記憶部24aに格納されている。
【0091】
図6は、制御装置により紫外線ランプの出力を制御するフローを示す図である。図6のステップS201に示すように、制御装置24は、流量計60からの信号を取得する。制御装置24は、駆動装置21を動作させることにより、センサ34が特定の紫外線ランプ11に対向するように、センサ34を回転させて、紫外線ランプ11からの紫外線の照度(現在の照度)を取得する。
【0092】
その後、ステップS202に示すように、制御装置24は、現在の照度と、所定の目標照度と、を比較して、現在の照度が目標照度に達しているか否かを判定する。現在の照度が目標照度に達している場合には、制御装置24は、そのまま、紫外線ランプ11の出力を調整することなく、出力制御フローを終了する。
【0093】
現在の照度が目標照度に達していない場合には、制御装置24は、現在の照度が目標照度に達するまで、紫外線ランプ11に供給される電力を制御する(ステップS203参照)。逆に、現在の照度が目標照度よりも高い場合には、制御装置24は、現在の照度が目標照度まで低下するように、紫外線ランプ11に供給される電力を制御する。
【0094】
このようにして、制御装置24は、センサ34によって検出される紫外線の照度が流量計60によって検出された液体の流量に基づいて決定される目標照度になるように、紫外線ランプ11の出力を制御する。
【0095】
図7(a)は紫外線処理装置の一実施形態を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す紫外線処理装置の斜視図である。図7(a)および図7(b)に示すように、紫外線処理装置100は、上述した実施形態に係る紫外線照射モジュール1と、紫外線照度計10(より具体的には、受光センサ構造体30)を通過する液体の流量を検出する流量計60と、紫外線処理の対象となる液体が導入される照射槽50Aと、を備えている。
【0096】
一実施形態では、紫外線処理装置100は、必ずしも、照射槽50Aを備えている必要はなく、少なくとも、紫外線照射モジュール1と、流量計60と、を備えていればよい。
【0097】
紫外線照射モジュール1は、紫外線ランプ11の代わりに、立方体形状を有する照射槽50Aの側壁面50Aaに取り付けられた複数の紫外線光源51を備えている。紫外線光源51は、広範囲に亘って紫外線を照射するように構成されている。例えば、紫外線光源51は、複数の紫外線LEDを有するLEDモジュールである。
【0098】
液体が流れる配管PPを照射槽50Aに接続することにより、水処理の対象となる液体が照射槽50Aに導入される。流量計60は、照射槽50Aの外部(例えば、照射槽50Aの上流側に配置された配管PP)に配置されている。流量計60は、照射槽50Aに流入する(または照射槽50Aから流出する)液体の流量に相当する信号を検出するように構成されている。
【0099】
本実施形態では、4つの紫外線光源51は、照射槽50Aの中央に配置された紫外線照度計10(より具体的には、受光センサ構造体30)を取り囲むように配置されている。したがって、照射槽50Aに導入された液体は、側壁面50Aaに取り付けられた紫外線光源51によって、紫外線処理され、照射槽50Aから排出される。
【0100】
図7(a)および図7(b)に示す実施形態では、紫外線処理装置100は、照射槽50Aを通過する液体を取り囲むように配置された複数の紫外線光源51を備えているため、液体の紫外線処理をより効率よく行うことができる。
【0101】
図8は、紫外線処理装置の他の実施形態を示す図である。図8に示すように、紫外線処理装置100は、直方体形状を有する照射槽50Bを備えてもよい。図8に示す実施形態では、紫外線処理装置100は、照射槽50Bの端壁面50Baに取り付けられた2つの紫外線光源51を備えている。本実施形態では、紫外線光源51は、側壁面50Bbには取り付けられていないが、側壁面50Bbに取り付けられてもよい。一実施形態では、紫外線光源51は、側壁面50Bbの形状に応じた形状(長方形状)を有してもよい。
【0102】
上述した実施形態では、紫外線照射モジュール1が制御装置24を備える構成について説明したが、一実施形態では、制御装置24は、紫外線照射モジュール1の外部に取り付けられてもよい。例えば、制御装置24は、水処理設備に配置された制御盤(図示しない)の内部に格納されてもよい。この場合、「紫外線処理装置100が制御装置24を備えている」と表現可能である。
【0103】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0104】
1 紫外線照射モジュール
10 紫外線照度計
11 紫外線光源
11a 光源
11b ランプ管
12 ベースプレート
12a 貫通孔
21 駆動装置
22 載置プレート
23 支持部材
24 制御装置
24a 記憶部
24b 処理部
24c 動作制御部
30 受光センサ構造体
31 センサ装着部材
31a センサ孔
32 回転軸
32a センサ孔
33 センサ管
33a 周壁
34,34A,34B センサ
34Aa,34Ba 受光部
34Ab,34Bb 本体部
35,35A,35B センサ
36 ロータリーエンコーダ
37 連結部材
39 信号線
40 除去装置
41 ワイパー
42 保持体
43 昇降プレート
50A 照射槽
50Aa 側壁面
50B 照射槽
50Ba 端壁面
50Bb 側壁面
51 紫外線光源
60 流量計
100 照射槽
PP 配管
CL 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8