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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137077
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/22 20060101AFI20240927BHJP
   D06F 58/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
D06F58/22
D06F58/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048447
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 健太
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA04
3B166AA05
3B166AA12
3B166AA24
3B166AB23
3B166AB30
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA73
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CB13
3B166CC02
3B166DC14
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166EA03
3B166EA11
3B166EA12
3B166EA14
3B166EA18
3B166EB03
3B166EB08
3B166EB17
3B166ED01
3B166ED02
3B166ED05
3B166FB01
3B166GA02
3B166GA07
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】フィルタ部材の両面に堆積したリントを自動的に取り除く衣類処理装置を提供する。
【解決手段】衣類処理装置は、空気入口と空気出口とを有する乾燥室と、乾燥室の外部に形成されて空気出口と空気入口とを繋ぐ風路と、風路内に設けられて乾燥室に空気を送る送風装置と、風路内に設けられて風路を流れる空気内の異物を捕集するフィルタ装置と、を備える。フィルタ装置は、多数の孔を有して形成された異物を捕集する捕集部を有する複数のフィルタ部材を有する。複数のフィルタ部材は、互いに位置をずらしてかつ互いに離れて配置されている。複数のフィルタ部材の各々は、複数のフィルタ部材の各々の外縁部の一部は風路の内壁面に接しかつ一部は風路の内壁面から離れるように配置されている。風路を空気が流れる方向と平行な方向から見た場合、風路内の空気が通過可能な領域は少なくとも複数のフィルタ部材のいずれか一つによって覆われている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入口と空気出口とを有する乾燥室と、
前記乾燥室の外部に形成されて前記空気出口と前記空気入口とを繋ぐ風路と、
前記風路内に設けられて前記乾燥室に空気を送る送風装置と、
前記風路内に設けられて前記風路を流れる空気内の異物を捕集するフィルタ装置と、を備え、
前記フィルタ装置は、多数の孔を有して形成された異物を捕集する捕集部を有する複数のフィルタ部材を有し、
前記複数のフィルタ部材は、互いに位置をずらしてかつ互いに離れて配置されて、
前記複数のフィルタ部材の各々は、前記複数のフィルタ部材の各々の外縁部の一部は前記風路の内壁面に接しかつ一部は前記風路の前記内壁面から離れるように配置されており、
前記風路を空気が流れる方向と平行な方向から見た場合、前記風路内の空気が通過可能な領域は少なくとも前記複数のフィルタ部材のいずれか一つによって覆われている、
衣類処理装置。
【請求項2】
前記複数のフィルタ部材に散水する散水口と、
前記散水口と外部の給水源とを接続する給水経路と、
前記給水経路を開閉する給水弁と、を備え、
前記複数のフィルタ部材は、前記風路を空気が流れる方向に関して下流側の面である第1面と、前記風路を空気が流れる方向に関して上流側の面である第2面とを有し、
前記散水口は、前記第1面に向いている、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記複数のフィルタ部材は、前記第1面が上方を向くような姿勢で配置され、
前記散水口は、前記第1面に対して上方から散水する、
請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記複数のフィルタ部材の各々は、水平方向に対して傾斜した姿勢で配置されている、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記フィルタ装置は、前記複数のフィルタ部材を保持する軸部材を有し、
前記複数のフィルタ部材は、前記軸部材を中心にして互いに任意の角度ずつ回転して配置されている、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記軸部材は、前記複数のフィルタ部材を保持する複数の保持部を有する、
請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記複数のフィルタ部材の各々は、前記捕集部の外周に前記複数のフィルタ部材の各々の外縁部を形成する枠部を有し、
前記第1面又は前記第2面のいずれかにおいて、前記捕集部と前記枠部とは同一平面上に配置されている、
請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記複数のフィルタ部材の各々は、前記捕集部の外周に前記複数のフィルタ部材の各々の外縁部を形成する枠部を有し、
前記枠部は、前記複数のフィルタ部材の各々が前記風路に設置された状態における下端部に、前記第1面から前記第2面に向けて切り欠いて形成された切欠き部を有する、
請求項2に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾燥機能を有する洗濯乾燥機などの衣類処理装置において、乾燥室からの空気出口の先には、衣類等から出た糸くずや綿ぼこり等のいわゆるリントを捕集するフィルタ装置が設けられている。フィルタ装置が目詰まりして乾燥用の風量が低下し乾燥効率が低下することを防止するために、ユーザは、ブラシなどを用いて定期的にフィルタ装置の清掃作業を行い、フィルタ装置に堆積したリントを取り除いている。
【0003】
リントは非常に細かいため、一部のリントはフィルタ装置を通り抜けてしまい、循環風路のフィルタ装置の下流側にリントが堆積してしまうことがあった。これに対して、フィルタ装置をメインフィルタとバックアップフィルタとの二重構造にして、メインフィルタで捕集できなかったリントをバックアップフィルタで捕集する構造が検討されている。この場合、二重構造のフィルタは単一のフィルタを有する構造に比較してユーザにとって清掃性が悪いためフィルタ装置の清掃性の向上を図る衣類処理装置が検討されている。
【0004】
例えば特許文献1には、本体内に設けられ衣類が収容される収容槽と、前記収容槽に対し乾燥風路を通して温風を循環供給させる温風供給装置と、前記乾燥風路中に設けられリントを捕獲するフィルタを備えたリント捕獲部と、前記フィルタの表面に沿って清掃部材を移動させることにより、該フィルタに堆積したリントを掻き取る清掃動作を実行するフィルタ清掃機構とを備え、前記リント捕獲部のフィルタは、メインフィルタ及びバックアップフィルタの二重構造を備えており、前記フィルタ清掃機構は、少なくとも前記メインフィルタの清掃を行うように構成されている衣類乾燥機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-196271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リントの大部分はフィルタ部材の上流側の面で捕集されるものの、上述のようにフィルタ部材を通り抜けるリントも存在する。この場合、風路内の水分を吸収して膨らんだリントが、フィルタ部材の下流側の面に堆積してしまう虞がある。この場合、清掃機構により上流側の面を清掃しても、下流側に堆積したリントは取り除かれず、堆積し続ける一方となる。
【0007】
そこで、フィルタ部材の両面に堆積したリントを自動的に取り除く衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の衣類処理装置は、空気入口と空気出口とを有する乾燥室と、前記乾燥室の外部に形成されて前記空気出口と前記空気入口とを繋ぐ風路と、前記風路内に設けられて前記乾燥室に空気を送る送風装置と、前記風路内に設けられて前記風路を流れる空気内の異物を捕集するフィルタ装置と、を備える。前記フィルタ装置は、多数の孔を有して形成された異物を捕集する捕集部を有する複数のフィルタ部材を有する。前記複数のフィルタ部材は、互いに位置をずらしてかつ互いに離れて配置されている。前記複数のフィルタ部材の各々は、前記複数のフィルタ部材の各々の外縁部の一部は前記風路の内壁面に接しかつ一部は前記風路の前記内壁面から離れるように配置されている。前記風路を空気が流れる方向と平行な方向から見た場合、前記風路内の空気が通過可能な領域は少なくとも前記複数のフィルタ部材のいずれか一つによって覆われている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について概略構成を示す縦断側面図
図2】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について概略構成を示す背面図
図3】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ装置を斜め前方から見た斜視図
図4】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ装置を斜め後方から見た斜視図
図5】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ装置を図3のV-V線に沿って示す断面図
図6】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ装置の底面図
図7】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ本体の斜視図
図8】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ部材の概略構成図
図9】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について軸部材の右側面図
図10】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について図8のX-X線に沿って拡大して示すフィルタ部材の概略断面図
図11】第2実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例についてフィルタ部材の概略構成図
図12】第2実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について図11のXII-XII線に沿って拡大して示すフィルタ部材の概略断面図
図13】第3実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について水槽とフィルタ装置の概略構成を示す図
図14】第3実施形態による衣類処理装置を洗濯乾燥機に適用した例について風路の一部を破断してフィルタ装置の概略構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、複数の実施形態による衣類処理装置について図面を参照して説明する。なお、複数の実施形態に共通の構成については同一の符号を用いて説明を省略する。本実施形態の衣類処理装置は、乾燥機能を備えた横軸又は斜め軸型のドラム式洗濯機である。なお、本実施形態の衣類処理装置は、縦軸型のいわゆる全自動洗濯機にも適用することができる。更になお、本実施形態の衣類処理装置は、洗濯機能を有さない構成にも適用することができる。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1図10を参照して説明する。図1及び図2に示す洗濯乾燥機10は、本実施形態の衣類処理装置の適用例である。洗濯乾燥機10は、外箱11、扉12、外槽13、回転槽14、ベローズ15、回転槽モータ16、給水機構17、排水機構18、送風装置19、風路20、及び乾燥ユニット30を備えている。なお、本実施形態において、外箱11に対して扉12側つまり図1の紙面左側を洗濯乾燥機10の前側とする。外箱11は、例えばステンレス鋼板等によって矩形の中空箱状に形成されており、洗濯乾燥機10の外郭を構成している。外箱11は、前側部分に外槽13の内部と外箱11の外部とを連通する衣類出入口111を有している。
【0012】
扉12は、外箱11の前部に設けられており、衣類出入口111を開閉可能に構成されている。ユーザは、扉12を開いた状態で、衣類出入口111を通じて衣類を回転槽14に投入し又は回転槽14から取り出すことができる。
【0013】
外槽13は、前側に開口部131を有した有底円筒状に形成されている。本実施形態の場合、外槽13は内部に水を貯留することができ、洗濯運転時に水槽として、乾燥運転時には乾燥室として機能する。外槽13は、空気出口132と、空気入口133と、排水口134とを有している。空気出口132は、例えば外槽13の上部に形成されている。本実施形態では、空気出口132は、外槽13の筒状部分を構成する周壁の上部前寄り部分にあって、外槽13の左右方向の中心つまり外槽13の筒状部分の周壁の最頂部から左右方向へ離れた位置に設けられている。空気入口133は、例えば外槽13の底面に形成されている。本実施形態では、空気入口133は、外槽13の底面において底面の上下方向の中心からやや上寄り部分に設けられている。排水口134は、外槽13の下部に形成されている。本実施形態では、排水口134は外槽13の周壁の最下部に形成されている。空気出口132と、空気入口133と、排水口134とは、それぞれ外槽13の内部と外部とを連通する。
【0014】
回転槽14は、衣類を収容可能な有底円筒状に形成されており、外槽13の内部に回転可能に収容されている。回転槽14の回転軸は、外槽13の中心軸に重なっている。回転槽14は、複数の連通孔141を有している。連通孔141は、回転槽14の内部と外部とを連通する。連通孔141は、回転槽14の円筒形状の筒状部分を構成する周壁及び回転槽14の底部の全域に形成されている。連通孔141は、洗濯運転時及び脱水運転時には、主として水が出入する通水孔として機能し、乾燥運転時には空気が出入する通風孔として機能する。また、詳細は図示しないが、回転槽14には、周壁の内側に複数のバッフルが設けられている。バッフルは、回転槽14の内部に収容された衣類を攪拌する。
【0015】
ベローズ15は、外箱11の衣類出入口111及び外槽13の開口部131の周囲に設けられている。ベローズ15は、例えば円筒形の蛇腹状に形成されており、衣類出入口111と開口部131とを連通した状態で外箱11と外槽13とを弾性的に接続している。
【0016】
回転槽モータ16は、例えば外槽13の底部外側に設けられている。回転槽モータ16は、例えばアウタロータ型のダイレクトドライブモータを用いることができる。回転槽モータ16の軸部161は、外槽13の底部を貫いて外槽13の内側へ突出し、回転槽14の底部に固定されている。回転槽モータ16は、外槽13に対して回転槽14を相対的に回転させる。この場合、回転槽モータ16の軸部161、外槽13の中心軸、及び回転槽14の回転軸は、それぞれ一致している。本明細書において、回転槽14の回転数は、回転槽モータ16の回転数に一致している。
【0017】
給水機構17は、例えば水道などの外部の水源から供給される水を外槽13内に注水する装置である。給水機構17は、例えば外箱11内において外槽13の上方、更に具体的には左右の一方寄りに設けられている。給水機構17は、第1給水弁171、注水ケース172、及び第1給水管173を備えている。
【0018】
第1給水弁171は、電磁駆動式の液体用の開閉弁であり、図示しない水道などの外部の水源と接続されている。注水ケース172は、内部に洗剤や仕上げ剤等の洗濯処理剤を収容可能に構成されている。第1給水管173は、第1給水弁171と外槽13内とを接続している。第1給水弁171は、外部の水源から給水機構17を介して外槽13内に至る注水経路を開閉する。第1給水弁171が開放されると、外部の水源からの水は第1給水管173を通って注水ケース172を介して外槽13内に注水される。その注水の際に注水ケース172に洗濯処理剤が貯留されていると、注水ケース172内の洗濯処理剤は注水ケース172を流れる水と共に外槽13内に流し落とされる。なお、洗濯乾燥機10は、必ずしも注水ケース172を備えていなくても良い。すなわち、洗濯乾燥機10は、ユーザが外槽13内に洗濯処理剤を直接投入する構成であっても良い。
【0019】
排水機構18は、外槽13の内部に貯留された水を、洗濯乾燥機10の機外へ排出する機能を有する。排水機構18は、排水弁181と排水管182とを含んで構成されている。排水弁181は、例えば電磁駆動式の液体用の開閉弁であり、外槽13内から排水機構18を介して機外に至る排水経路を開閉する。
【0020】
送風装置19は、風路20の途中に設けられて、風路20内の空気を外槽13及び回転槽14内に送ると共に、外槽13及び回転槽14内の空気を風路20内に引き込む機能を有する。送風装置19は、例えばシロッコファン等で構成することができる。送風装置19は、ファン191及びファンモータ192を含んで構成される。
【0021】
風路20は、外箱11の内部かつ外槽13の外側において、空気出口132と空気入口133とを繋いでいる。風路20は、図1の矢印Aで示すように外槽13内部の空気を空気出口132から風路20内部に取り込み、乾燥ユニット30を通して温風にしたのち、その温風を空気入口133から外槽13内部へ供給する機能を有する。
【0022】
風路20は、図2に示すように、例えば排気ダクト21、第1中間ダクト22、第2中間ダクト23、熱交換部24、給気ダクト25、及びフィルタ装置40を有して構成されている。排気ダクト21、フィルタ装置40、第1中間ダクト22、第2中間ダクト23、熱交換部24、及び給気ダクト25は、風路20内を流れる空気の流れに沿って、この順に配置されている。送風装置19は、熱交換部24と給気ダクト25との接続部に配置されている。
【0023】
排気ダクト21は、外槽13の空気出口132とフィルタ装置40とを繋ぐダクトである。フィルタ装置40は、風路20内を流れる空気に含まれるリントや異物を捕集する。中間ダクト22、23は、フィルタ装置40と熱交換部24とを繋ぐダクトである。第1中間ダクト22は、フィルタ装置40から概ね水平方向に後方に向けて延びる。第2中間ダクト23は、第1中間ダクト22の下流側端部から熱交換部24まで概ね下方に向けて延びる。熱交換部24は、外箱11の内側下部で且つ外槽13及び回転槽14の下方に設けられている。外槽13から風路20に取り込まれた空気は、熱交換部24を通過する際に除湿及び加熱されて乾燥した温風となる。給気ダクト25は、熱交換部24と外槽13の空気入口133とを繋ぐダクトである。
【0024】
乾燥ユニット30は、風路20の途中に設けられ、回転槽14内に収容された衣類を乾燥する温風を生成する。乾燥ユニット30によって生成された温風は、送風装置19の送風機能によって外槽13内に供給にされる。乾燥ユニット30は、温風を生成する。送風装置19は、乾燥ユニット30に空気を送り込み、乾燥ユニット30が生成した温風を空気入口133から外槽13内へ供給する。乾燥ユニット30は、例えばヒートポンプ式やヒータ式の加熱装置を含んで構成することができる。本実施形態の場合、乾燥ユニット30は、ヒートポンプ式の加熱装置を含んで構成されており、蒸発器31、凝縮器32、圧縮機33、絞り器34、及び冷媒管35を有している。
【0025】
蒸発器31及び凝縮器32は、熱交換部24内に設けられている。蒸発器31は、乾燥運転時における熱交換部24内の空気の流れに対して、凝縮器32よりも上流側に設けられている。蒸発器31及び凝縮器32は、熱交換部24の外側に設けられた圧縮機33及び絞り器34と共に、冷媒管35によってサイクル接続されたヒートポンプ機構すなわち冷凍サイクルを構成する。熱交換部24内を通る空気は、蒸発器31によって冷却され、これにより除湿される。蒸発器31によって除湿された空気は、その後、凝縮器32によって加熱されて温風になる。
【0026】
熱交換部24の下流側は、給気ダクト25によって外槽13の空気入口133に接続されている。送風装置19は、例えば熱交換部24と給気ダクト25との接続部分に設けられている。送風装置19は、熱交換部24内の空気を吸い込み、給気ダクト25側へ吐出する。これにより、熱交換部24で除湿及び加熱された温風は、送風装置19の送風作用によって空気入口133から外槽13内、更には回転槽14内へ供給される。
【0027】
図3図6も参照してフィルタ装置40の構成について詳細に説明する。フィルタ装置40は、ケース41と、フィルタ本体50とを有する。ケース41は、少なくとも二面が開口する容器状に形成されて、内部にフィルタ本体50を収容する。フィルタ本体50は、ケース41内に収容されて、ケース41内を通過する空気内に含まれるリントを捕集する機能を有する。
【0028】
本実施形態では、図4及び図6等に示すように、ケース41は下方と後方とに向けて開口している。また、ケース41は、略円筒形状の上流部411と、略直方体形状の下流部412とを含んで構成される。前部の円筒形状は、概ね鉛直方向に向いた中心軸を有する。下流部412は、上流部411の後部における上部から後方に向けて突出して形成されている。ケース41は、上面42と、側面43と、下部開口44と、後部開口45と、を有する。上面42はケース41の上部を構成し、フィルタ本体50を上方から覆う。なお、本実施形態では上面42は前方に向かうほど下降する傾斜面を形成しているが、水平方向に延びる面を形成していても良い。側面43は、ケース41の側壁を形成し、フィルタ本体50を水平方向外方から覆う。下部開口44は、上流部411の下端面に形成された円形の開口であって、排気ダクト21の下流側端部と接続する。後部開口45は、下流部412後端面に形成された矩形の開口であって、第1中間ダクト22の上流側端部と接続する。
【0029】
図5及び図6に示すように、フィルタ本体50はケース41の上流部411に収容されている。フィルタ本体50は、複数この場合5個のフィルタ部材51と、軸部材52とを含んで構成される。複数のフィルタ部材51は、軸部材52に取り付けられている。軸部材52は、上流部411の円柱形状の中心軸に沿って配置されている。
【0030】
図5に示すように、フィルタ本体50は、フィルタ本体50を通過する空気の流れる方向と平行な方向この場合鉛直方向から見た場合、フィルタ本体50の少なくとも一部が上流部411の内壁面411aで囲まれる領域と重なるように配置されている。すなわち、下部開口44を通ってフィルタ装置40に進入した空気は、後部開口45を通ってケース41外部に出るまでの間に必ずフィルタ本体50を通過する。
【0031】
本実施形態では、図6に示すように、フィルタ本体50は、フィルタ本体50を通過する空気の流れる方向と平行な方向この場合鉛直方向から見た場合、フィルタ本体50の少なくとも一部が下部開口44と重なるように配置されている。
【0032】
図7に示すように、各フィルタ部材51は、鉛直方向に対して傾斜して配置されている。また、各フィルタ部材51の面積は、各フィルタ部材51が載っている平面で上流部411を切断した場合の風路断面積よりも小さく設定されている。すなわち、各フィルタ部材51の外形は、一部が上流部411の内壁面411aに接し、かつ一部が上流部411の内壁面411aに接していない。
【0033】
図7及び図8に示すように、本実施形態では、各フィルタ部材51は略半円形の板状又はシート状に形成されて、弧が外側を直線部分が内側を向くように配置されている。各フィルタ部材51は、第1面51aと第2面51bとを有する。第1面51aは、フィルタ装置40を空気が流れる方向に関して下流側を向く面である。本実施形態では、第1面51aは上方を向いている。第2面51bは第1面51aと反対側を向く面であって、フィルタ装置40を空気が流れる方向に関して上流側を向く面である。本実施形態では、第2面51bは下方を向いている。
【0034】
図7に示すように、各フィルタ部材51は、弧が上流部411の内壁面411aに接するようにフィルタ装置40の外側を向く姿勢で配置される。複数のフィルタ部材51は軸部材52を中心に互いに任意の角度ずつ回転して互いに一部が軸部材52の軸方向に重なるように配置されている。本実施形態では、図5及び図6に示すように、5個のフィルタ部材51は軸部材52を中心にそれぞれ同一の角度ずつこの場合72°ずつ回転して一部が上下方向に重なるように配置される。すなわち、複数のフィルタ部材51は、軸部材52を中心に回転対称に配置されている。隣接するフィルタ部材51同士は、それぞれ108°ずつ重なり合っている。なお、他の実施形態では、隣接するフィルタ部材51間の回転角度は必ずしも同一でなくとも、隣接するフィルタ部材51同士の一部が重なり一部が重ならないのであれば良い。例えば隣接するフィルタ部材51間の回転角度が次第に大きく又は小さくなるように配置されていても良いし、隣接するフィルタ部材51間の回転角度がランダムに増減しても良い。
【0035】
図8に示すように、各フィルタ部材51は、枠部511と、捕集部512とを有する。枠部511は、捕集部512の外周に配置され、フィルタ部材51の外形を形成する。枠部511は、略半円形の弧を形成する曲線部5111と、曲線部5111の端部と端部とを接続する直線部5112とを有する。捕集部512は、空気の通過を許しリントを捕集する多数の小孔を有する板状又はシート状に形成されている。なお、図4においては捕集部512の図示が省略されている。
【0036】
図9に示すように、軸部材52は、上部53と、接続部54と、胴部55と、下部56とを有する。上部53は、略円柱状に形成されて、下面が接続部54の上面と接続する。上部53は、上面に2つの突出部531、531を有する。突出部531、531は、前後方向に互いに向かい合って上方に延びて形成されている。突出部531、531の間には凹部532が形成されている。接続部54は、下方に向かうほど直径が小さくなる略円錐台形に形成されて、下面が胴部55の上面と接続する。胴部55は、円柱状に形成されて、下面が下部56の上面と接続する。下部56は、最下端に頂点を有する円錐に形成されている。下部56は、風路20を空気が流れる方向に関して上流側となるため、空気の流れに対して対向する向きに突出している。下部56を円錐形にすることで、風路20内の空気抵抗を低減できると共に、下部56にリントなどの異物が引っかかることを抑制できる。
【0037】
図7に示すように、軸部材52は、複数のフィルタ部材51を保持する。この場合、胴部55には、複数この場合5つの保持部551が形成されている。保持部551は、胴部55の外面を軸部材52の中心軸に向けて窪ませて溝状に形成され、中心軸に対して傾斜して延びている。各保持部551は、各フィルタ部材51が所定位置に配置された状態で枠部511を保持する。より具体的には、各保持部551は、内部に直線部5112の長手方向の中央部を受け入れて保持する。複数の保持部551は、軸部材52の軸を中心に互いに任意の角度ずつ回転して配置されている。本実施形態では、複数の保持部551は、互いに平行に配置されて、隣接する保持部551同士は同一角度ずつこの場合72°ずつ回転して配置されている。また、隣接する保持部551同士は、互いに同一角度ずつこの場合約30°ずつ重なり合っている。フィルタ部材51が保持部551に受け入れられると、保持部551の上下の側壁がフィルタ部材51の上下方向への移動を規制する。
【0038】
図8に示すように、枠部511は、2つの規制部511aを有する。2つの規制部511aは直線部分の中心から等間隔に配置されている。各フィルタ部材51が軸部材52に装着された状態で、2つの規制部511aは、軸部材52を左右方向から挟むように位置する。規制部511aは、フィルタ部材51の装着時に位置決めとして機能すると共に、装着状態においては、フィルタ部材51が左右方向に移動することを規制する。
【0039】
図4に示すように、ケース41は、支持部46を有する。支持部46は、軸部材52を支持することによって、フィルタ本体50をケース41内に保持する。本実施形態では、支持部46はフィルタ本体50の上方に配置されている。支持部46は上流部411において側面43の左右方向の端から端に亘って延びている。軸部材52の上部53に形成された突出部531、531を支持部材4の左右方向の中央部下面に形成された図示しない凹部に挿入することによって、軸部材52と支持部材4とが嵌合してフィルタ本体50がケース41内に吊り下げられるようにして支持される。
【0040】
図3及び図4等に示すように、ケース41は、散水口47を有する。散水口47は、上面42を厚み方向に貫通して形成されている。散水口47は、フィルタ本体50に対して上方から臨むように配置されている。すなわち、散水口47は、空気の流れる方向に関してフィルタ部材51の下流側に配置されている。
【0041】
図1及び図2に示すように、洗濯乾燥機10は、第2給水弁174と、第2給水管175とを備える。第2給水弁174は、電磁駆動式の液体用の開閉弁であり、外部の水道などの水源と接続されている。第2給水管175は、第2給水弁174と散水口47とを接続している。第2給水弁174は、外部の水源から散水口47を通ってフィルタ部材51に至る給水経路を開閉する。第2給水弁174が開放されると、外部の水源からの水が第2給水管175及び散水口47を通って、フィルタ部材51に供給されて、フィルタ部材51に堆積したリントなどの異物が洗い流される。フィルタ部材51を通過した水は、下部開口44を介して排気ダクト21に至る。当該水は更に排気ダクト21を下降して、空気出口132から外槽13に至る。当該水は排水口134から排水管182に至り、最終的に機外に排出される。なお、排水機構18は図示しない異物捕集機構を有しており、フィルタ部材51から洗い流されたリント等の異物は、排水機構18で捕集される。
【0042】
水は、散水口47から第1面51aに散水されるが、捕集部512の小孔を通過して、第2面51bにも至る。そのため、第1面51aに堆積したリントに加えて、第2面51bに堆積したリントを洗い流しながら、水は下方に向けて流れ落ちる。第2面51bに達した水は、一部は第2面51bの傾斜に沿って流れ、一部は下方の別のフィルタ部材51の第1面51aに落ちる。
【0043】
なお、本実施形態では、図4及び図5に示すように、フィルタ本体50を上方つまり散水口47側から見た場合、各フィルタ部材51の少なくとも一部が露出している。この場合、各フィルタ部材51の上部がそれぞれ露出している。そのため、散水口47から散水された水は、直接各フィルタ部材51の上部に供給されるので、各フィルタ部材51上に堆積したリントの除去が一層確実となる。
【0044】
図10に示すように、捕集部512の第1面51aに垂直な方向についての寸法である厚みは、枠部511の第1面51aに垂直な方向についての寸法である厚みよりも小さく設定されている。そのため、枠部511と捕集部512との間には凹凸が生じる。捕集部512は、枠部511と第1面51a又は第2面51bのいずれかの面において同一面上となるように配置されている。本実施形態では、捕集部512は、第1面51aにおいて枠部511と同一面上となるように配置されている。すなわち、枠部511と捕集部512との間には、第1面51aにおいて、段差がなく又は段差が小さく形成されている。そのため、第1面51a上を流れ落ちた水やリント等の異物が、枠部511の下端部で堰き止められることを抑制できる。なお、同一面上とは、必ずしも厳密に同一面上であることに限定されず、例えば製造公差の範囲内であったり、水やリント等の異物が枠部511の下端部で堰き止められることが抑制できたりする範囲内の段差の大きさであれば良い。
【0045】
ここで、第1フィルタ部材と第2フィルタ部材とを備える構成において、少なくとも一方のフィルタ部材が風路20の断面積を全て覆っている場合すなわち少なくとも一方のフィルタ部材の外縁部の全体が風路20の内壁面と接している場合について検討する。第1フィルタ部材と第2フィルタ部材とを機内から取り出さずに自動で清掃する場合、第1フィルタ部材と第フィルタ部材との互いに向かい合う面上に堆積したリントなどは、排出口がないために例えば掻き取っても水を流しても取り除くことができない。また、一方のフィルタ部材の露出面側から水を流した場合、当該露出面上に堆積したリントなどは、水を流しても排出先がないためにやはり取り除くことができない。
【0046】
これに対して、本実施形態によれば、衣類処理装置としての洗濯乾燥機10は、乾燥室としての外槽13と、風路20と、送風装置19と、フィルタ装置40と、を備える。外槽13は、空気入口133と空気出口132とを有する。風路20は、外槽13の外部に形成されて空気出口132と空気入口133とを繋ぐ。送風装置19は、風路20内に設けられて外槽13に空気を送る。フィルタ装置40は、風路20内に設けられて風路20を流れる空気内の異物を捕集する。フィルタ装置40は、多数の孔を有して形成された異物を捕集する捕集部512を有する複数のフィルタ部材51を有する。複数のフィルタ部材51は、互いに位置をずらしてかつ互いに離れて配置されている。複数のフィルタ部材51の各々は、各フィルタ部材51の外縁部の一部は風路20の内壁面411aに接しかつ一部は風路20の内壁面411aから離れるように配置されている。風路20を空気が流れる方向と平行な方向から見た場合、風路20内の空気が通過可能な領域は少なくともいずれか一のフィルタ部材51によって覆われている。
【0047】
これによれば、一方の側から水を掛けることで、フィルタ部材51のいずれの面51a、51bに堆積したリントであっても、フィルタ部材51とフィルタ部材51との間の隙間を通って水と共に下方に洗い流される。したがって、フィルタ部材51の両面51a、51bに堆積したリントを自動的に取り除く衣類処理装置が提供される。これにより、ユーザの利便性が向上すると共に、リントが風路内の熱交換部等に詰まって乾燥効率が低下するなどの事態の発生を抑制することができる。
【0048】
衣類処理装置としての洗濯乾燥機10は、フィルタ部材51に散水する散水口47と、散水口47と外部の給水源とを接続する給水経路である第2給水管175と、第2給水管175を開閉する第2給水弁174と、を備える。複数のフィルタ部材51の各々は、風路20を空気が流れる方向に関して下流側の面である第1面51aと、前記風路を空気が流れる方向に関して上流側の面である第2面51bとを有する。散水口47は、第1面51aに向いている。
【0049】
これにより、上流側の第2面51b上に堆積したリントなどの異物に加えて、下流側の第1面51a上に堆積したリントなどに異物を効率よく洗い流すことができる。
【0050】
複数のフィルタ部材51は、第1面51aが上方を向くような姿勢で配置される。散水口47は、第1面51aに対して上方から散水する。
【0051】
これによれば、上方から水を掛けることで、水がリント等の異物を洗い流しながらフィルタ部材51の開放外縁部つまり風路20の内壁面に付いていない外縁部から、重力に従って順に下に落ちるため、第1面51a、第2面51b両面に付着したリント等の異物を同一の清掃動作によって洗い流すことができる。更に、より多くのリントの付着が想定される第2面51bは予め下方に向けることで、清掃効率を向上することができる。
【0052】
複数のフィルタ部材51の各々は、水平方向に対して傾斜した姿勢で配置されている。
【0053】
フィルタ部材51が傾斜しているため、傾斜していない場合と比較して、リント等を含んだ水が第1面51a又は第2面51bの傾斜に沿って下に流れ落ちやすくなる。
【0054】
フィルタ装置40は、複数のフィルタ部材51を保持する軸部材52を有する。複数のフィルタ部材51は、軸部材52を中心にして任意の角度ずつ回転して配置されている。
【0055】
これによれば、フィルタ部材51を傾斜させながらも、複数のフィルタ部材51全体の占める空間つまりフィルタ本体50の構成をコンパクトにすることができ、ひいては洗濯乾燥機10をコンパクトにすることができる。そのため、フィルタ装置40の自動清掃機能と、洗濯乾燥機10の小型化を同時に達成することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、複数のフィルタ部材51は、軸部材52を中心にして同一の角度ずつ回転して配置されている。
【0057】
これにより、上流部411におけるフィルタ部材51の配置が均等となり、空気が上流部411のいずれの位置を通っても概ね均等に異物の捕集作用を受けることができる。
【0058】
軸部材52は、複数のフィルタ部材51を保持する複数の保持部551を有する。
【0059】
これによれば、フィルタ部材51同士は傾斜しつつ回転対称に重なり合って複雑な構成に見えるが、各フィルタ部材51自体の形状を単純にすることができる。そのため、フィルタ本体50の製造が容易となる。したがって、フィルタ部材51の両面51a、51bの自動清掃が可能な構成としつつ、衣類処理装置の製造コストの増加を抑制することができる。
【0060】
ここで、各フィルタ部材51は枠部511と捕集部512とを含んで構成されているため、外縁部に位置する枠部511が捕集部512よりも上方に突出している場合、水やリント等の異物の一部が突出した枠部511によって若干であっても堰き止められる可能性がある。この場合、枠部511に堰き止められた水や異物が残って、水垢やカビ、異臭の発生原因となる虞がある。
【0061】
これに対して、複数のフィルタ部材51の各々は、捕集部512の外周に複数のフィルタ部材51の各々の外縁部を形成する枠部511を有する。第1面51a又は第2面51bのいずれかにおいて、捕集部512と枠部511とは、同一平面上に配置されている。
【0062】
これによれば、枠部511と捕集部512との間の段差で水や異物が堰き止められて、水によって清掃した後もフィルタ部材51にリントなどの異物が付着し続けることが抑制される。
【0063】
本実施形態では、第1面51aにおいて、捕集部512と枠部511とは、同一平面上に配置されている。
【0064】
これによれば、上方に向いている第1面51a上で枠部511が水を堰き止めず、水や異物が下方に流れ落ちやすくなる。下方に向いている第2面51bにおいては、枠部511と捕集部512との間に段差があったとしても重力に従うことで水や異物が下方に流れ落ちやすいため、フィルタ部材全体として清掃が容易となる。
【0065】
(第2実施形態)
図11及び図12を参照して第2実施形態を説明する。本実施形態の洗濯乾燥機10において、フィルタ装置40は、フィルタ部材51に替えてフィルタ部材61を有する。フィルタ部材61は、略半円形に形成されており、枠部611と、捕集部512とを有する。枠部611は、捕集部612の外周に配置され、フィルタ部材61の外形を形成する。枠部611は、曲線部6111と直線部6112とを有する。更に各枠部611は、複数この場合2つの規制部611aを有する。2つの規制部611aは、直線部6112の長手方向の中点から等間隔に配置され、各フィルタ部材61が軸部材52に装着された状態で軸部材52を左右方向から挟むように位置する。捕集部612は、空気の通過を許しリントを捕集する多数の小孔を有する板状又はシート状に形成されている。
【0066】
図12に示すように、本実施形態では、枠部611と捕集部612とは、フィルタ部材61の空気の流れる方向に関して上流側である第2面61bにおいて、概ね同一平面上に配置されている。そのため、第2面61bを伝って流れ落ちる水やリント等の異物は、枠部611によって堰き止められることが抑制される。
【0067】
図11及び図12に示すように、枠部611は切欠き部611bを有する。切欠き部611bは、フィルタ部材51が軸部材52に装着された状態での枠部611の下端に設けられている。この場合、切欠き部611bは、曲線部6111の下端部と直線部6112の下端部とに跨るように設けられている。切欠き部611bは、フィルタ部材61の空気の流れる方向に関して下流側である第1面61aから第2面61bに向けて、枠部611を切り欠いて形成されている。本実施形態では、切欠き部611bは、下方に向かうほど第2面61bに向かう傾斜面を形成している。枠部611の最下端つまり切欠き部611bの最下端において、切欠き部611bは第2面61bと接続している。すなわち、切欠き部611bにおいて、枠部611の厚みは、下方に向かうほど小さくなる。そのため、第1面61aを伝って流れ落ちて来た水やリント等の異物は、枠部611で堰き止められ難くなり、切欠き部611bから下方に流れ落ちる。
【0068】
以上説明した本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0069】
本実施形態の衣類処理装置としての洗濯乾燥機10によれば、複数のフィルタ部材61の各々は、捕集部612の外周に複数のフィルタ部材61の各々の外縁部を形成する枠部611を有する。枠部611は、複数のフィルタ部材61の各々が風路20に設置された状態における下端部に、第1面61aから第2面61bに向けて切り欠いて形成された切欠き部611bを有する。
【0070】
これによれば、切欠き部611bは上部の第1面61aから下方への水抜き穴として機能するため、枠部611と捕集部612との間に段差があったとしても上方を向いている第1面61aを伝って流れる水やリントなどの異物の排出が容易となる。
【0071】
なお、上記第1実施形態において、切欠き部を枠部511の下端部に設けても良い。この場合、図示は省略するが、切欠き部は、フィルタ部材51の空気の流れる方向に関して上流側である第2面51bから第1面51aに向けて、枠部511を切り欠いて形成されて良い。当該切欠き部は、下方に向かうほど第1面51aに向かう傾斜面を形成している。枠部511の最下端つまり切欠き部の最下端において、当該切欠き部は第1面51aと接続している。すなわち、切欠き部において、枠部511の厚みは、下方に向かうほど小さくなる。これにより、第2面51b上を伝って流れ落ちる水やリントなどの異物が、枠部511の下端部で堰き止められることが抑制される。
【0072】
(第3実施形態)
図13及び図14を参照して第3実施形態を説明する。本実施形態の衣類処理装置としての洗濯乾燥機10は、フィルタ装置40に替えて、フィルタ装置70を備える。フィルタ装置70は、風路20内において、熱交換部24よりも上流側であって、上下方向に延びる部分に配置されている。例えば、フィルタ装置70は、排気ダクト21に設けることができる。更に、フィルタ装置70を流れる空気の流れに関して、フィルタ装置70の下部が上流側であってフィルタ装置70の上部が下流側となる。
【0073】
フィルタ装置70は、複数この場合4つのフィルタ部材71を有する。各フィルタ部材71は、板状またはシート状に形成されている。詳細は図示しないが、フィルタ部材71は、外形を形成する枠部と、当該枠部に囲まれて異物を捕集する捕集部とを含んで構成される。
【0074】
各フィルタ部材71は、鉛直方向に対して傾斜して配置されている。また、各フィルタ部材71の面積は、各フィルタ部材71が載っている平面で風路20を切断した場合の風路断面積よりも小さく設定されている。すなわち、各フィルタ部材71の外形は、一部が風路20の内壁面に接していない。
【0075】
複数のフィルタ部材71は、互いに上下方向に離れて配置されている。また、複数のフィルタ部材71は、風路20の対向する内壁面20aからそれぞれ水平方向に互い違いとなるように中央部に向かって延びている。また、各フィルタ部材71は、風路20の水平方向に関する中央部で上下方向に重なり合っている。本実施形態では、フィルタ部材71は、順に左右の内壁面20aから風路20の中央部に向けて延びている。各フィルタ部材71は、風路20の左右方向に関する中央部で上下方向に重なり合っている。そのため、フィルタ装置70の内部を空気の流れる方向に関して上流側又は下流側から見た場合、少なくとも一のフィルタ部材71が風路20を覆っている。すなわち、フィルタ装置70に進入した空気は、必ず少なくとも一のフィルタ部材71を通過する。
【0076】
各フィルタ部材71は、風路20の内壁面20aから中央部に向かうほど下降する傾斜面を形成している。そのため、上方の散水口80から供給された水やリントは、フィルタ部材71と風路20の内壁面20aとの接続部分に留まらず、各フィルタ部材71を伝って下方に流れ落ちやすくなっている。
【0077】
なおこの場合も、フィルタ装置70から流れ落ちた水やリントなどの異物は、空気出口132を介して外槽13に進み、排水口134を通って機外に排出される。
【0078】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10…洗濯乾燥機(衣類処理装置)、13…外槽(乾燥室)、132…空気出口、133…空気入口、174…第2給水弁(給水弁)、175…第2給水管(給水経路)、20…風路、40…フィルタ装置、411a…内壁面、47…散水口、50…フィルタ本体、51…フィルタ部材、51a…第1面、51b…第2面、511…枠部、512…捕集部、52…軸部材、61…フィルタ部材、61a…第1面、61b…第2面、611…枠部、611b…切欠き部、612…捕集部、70…フィルタ装置、71…フィルタ部材、80…散水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14