(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137089
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20240927BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240927BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240927BHJP
C09J 5/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65H35/07 V
B65H35/07 F
B65H35/07 G
B65H35/07 D
B65H35/07 C
C09J7/38
C09J201/00
C09J5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048462
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】和久 俊英
【テーマコード(参考)】
3F062
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
3F062AA02
3F062AA12
3F062AB03
3F062BA04
3F062BB01
3F062BC01
3F062BE01
3F062BF01
3F062BF03
3F062BG02
3F062BG09
3F062DA01
4J004AB01
4J004DB02
4J004EA01
4J004EA05
4J004FA08
4J040JA09
4J040JB09
4J040PA25
4J040PB15
4J040PB19
4J040PB20
(57)【要約】
【課題】構造が簡潔で、コストも低廉化でき、ハーフカット済両面テープを広範な用途にハンディに貼り付けることを可能とする。
【解決手段】剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの巻回体Cをテープ巻き出し方向に回転自在に収容する収容部1と、巻回体Cから巻き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを引き出す開口部3と、開口部3の近傍に設けられ、開口部3から離隔する方向に曲げられた剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを貼り付け対象体Oに押し付け可能な押し付け部4と、押し付け部4を挟んで開口部3と反対側に設けられて剥離ライナーSを切断可能な第1切れ刃部6及び押し付け部4の開口部3側に設けられて剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを切断可能な第2切れ刃部7の少なくとも一方と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフカット済両面テープに剥離ライナーが添付された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープの巻回体をテープ巻き出し方向に回転自在に収容する収容部と、前記巻回体から巻き出された前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを引き出す開口部と、前記開口部の近傍に設けられ、前記開口部から離隔する方向に曲げられた前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを貼り付け対象体に押し付け可能な押し付け部と、前記押し付け部を挟んで前記開口部と反対側に設けられて前記剥離ライナーを切断可能な第1切れ刃部及び前記押し付け部の前記開口部側に設けられて前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを切断可能な第2切れ刃部の少なくとも一方と、を備えたハーフカット済両面テープ用ケース。
【請求項2】
前記収容部内に収容された前記巻回体を手指で支持可能な窓部が前記収容部に設けられた、請求項1に記載のハーフカット済両面テープ用ケース。
【請求項3】
前記窓部は、前記巻回体の軸線方向から前記巻回体を手指で支持可能な位置に設けられた、請求項2に記載のハーフカット済両面テープ用ケース。
【請求項4】
前記収容部は、前記巻回体を軸線方向両側から挟むようにして収容可能なるように分割可能である、請求項1に記載のハーフカット済両面テープ用ケース。
【請求項5】
前記押し付け部の前記巻回体と反対側の面には、軟質体が配設されている、請求項1に記載のハーフカット済両面テープ用ケース。
【請求項6】
請求項1に記載のハーフカット済両面テープ用ケースの収容部内に前記巻回体が収容された、両面テープ貼り付け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具、特にハーフカット済両面テープの巻回体からハーフカット済両面テープを引き出して貼り付け対象体に貼り付けるためのケースとそれを用いた両面テープ貼り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、両面テープがハーフカットされた状態で剥離ライナーに添付されたハーフカット済両面テープが記載されている。このハーフカット済両面テープは、貼り付け対象体に剥離ライナー付き状態のハーフカット済両面テープを押し付けた後、剥離ライナーを対象体から離隔すれば、両面テープ自体を切断しなくとも、両面テープが切断された状態で対象体に貼り付けられることから、特に工業の分野などで重宝されている。そして、下記特許文献2には、このハーフカット済両面テープを自動で貼り付け対象体に貼り付けるためのケースが開示されている。
【0003】
このケースは、搬送コンベヤ上を搬送される貼り付け対象体に対して、ハーフカット済両面テープを自動で貼り付けるためのものであり、剥離ライナー付き状態のハーフカット済両面テープの巻回体を回転自在に支持する取付部と、剥離ライナーを巻き取って回収する回収部と、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを剥離ライナー側から回転しながら貼り付け対象体に押し付けてハーフカット済両面テープを対象体に転写する転写部と、を備えて構成される。巻回体を回転する取付部と、剥離ライナーを回収する回収部の少なくとも一方は回転制御機構を備え、引き出される剥離ライナー付きハーフカット済両面テープの速度と回収される剥離ライナーの速度が同期するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7064672号公報
【特許文献2】特許第7052961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2に記載されるハーフカット済両面テープ用のケースは、搬送コンベヤ上の貼り付け対象体に対して、ハーフカット済両面テープを自動で貼り付けるためのものであり、用途が限られる上に、構造が複雑で、コストも大きい。すなわち、構造が簡潔で、コストも低廉化でき、ハーフカット済両面テープを広範な用途にハンディに貼り付けることが可能なハーフカット済両面テープ用ケースが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造が簡潔で、コストも低廉化でき、ハーフカット済両面テープを広範な用途にハンディに貼り付けることが可能なハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るハーフカット済両面テープ用ケースは、剥離ライナーが添付された状態のハーフカット済両面テープの巻回体をテープ巻き出し方向に回転自在に収容する収容部と、前記巻回体から巻き出された前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを引き出す開口部と、前記開口部の近傍に設けられ、前記開口部から離隔する方向に曲げられた前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを貼り付け対象体に押し付け可能な押し付け部と、前記押し付け部を挟んで前記開口部と反対側に設けられて前記剥離ライナーを切断可能な第1切れ刃部及び前記押し付け部の前記開口部側に設けられて前記剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを切断可能な第2切れ刃部の少なくとも一方と、を備えたことを要旨とする。
また、本発明の一態様に係る両面テープ貼り付け具は、上記ハーフカット済両面テープ用ケースの収容部内に前記巻回体が収容されたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具では、開口部を通じて収容部から引き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを貼り付け対象体にあてがい、その引き出し終端部を押し付け部で貼り付け対象体に押し付けた後、ケースを貼り付け対象体から離隔して第1切れ刃部で剥離ライナーを切断すれば、貼り付け対象体にハーフカット済両面テープのみが貼り付けられた状態で残る。また、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを押し付け部で貼り付け対象体に押し付けた後、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープを第2切れ刃部で切断することもできる。したがって、ハーフカット済両面テープを広範な用途にハンディに貼り付けることができ、しかも構造が簡潔で、コストも低廉化しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具の第1実施形態を示す三面図である。
【
図2】
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの分解図である。
【
図3】剥離ライナーが添付された状態のハーフカット済両面テープの断面図である。
【
図4】
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの使用方法の説明図である。
【
図5】
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの使用方法の説明図である。
【
図6】
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの使用方法の説明図である。
【
図7】
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの使用方法の説明図である。
【
図8】本発明のハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具の第2実施形態を示す三面図である。
【
図9】
図8のハーフカット済両面テープ用ケースの変形例を示す三面図である。
【
図10】
図8のハーフカット済両面テープ用ケースの使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明のハーフカット済両面テープ用ケース及び両面テープ貼り付け具の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
図1は、ハーフカット済両面テープ用ケースの第1実施形態を示す三面図であり、
図2は、
図1のハーフカット済両面テープ用ケースの分解図である。はじめに、ハーフカット済両面テープTについて、
図3を用いて簡潔に説明する。図の左右方向に伸長するようにして図の下側に配置されたハーフカット済両面テープTの上面に剥離ライナーSが添付されている。図中の縦線は、両面テープに施されたハーフカット(半切り)の切断線であり、剥離ライナーSから剥がされたハーフカット済両面テープTは、貼り付け対象体Oに貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分の間の切断線で切断される。従って、例えば、剥離ライナーSがハーフカット済両面テープTに添付された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを剥離ライナーS側から貼り付け対象体Oに押し付けた後、剥離ライナーSを貼り付け対象体Oから離隔すれば、ハーフカット済両面テープTだけが貼り付け対象体Oに貼り付けられた状態で残る。その結果、両面テープを貼り付け対象体Oに貼り付ける作業で両面テープ自体を切断する切れ刃を必要とせず、当然ながら、両面テープを切断する必要もない。なお、以下の図面では、詳細図を除き、剥離ライナーSも、ハーフカット済両面テープTも、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPも、1本の線で表す。
【0011】
この剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPは、一般的な粘着テープと同様に、連続重ね巻きされた巻回体Cとして販売されている。巻回体Cは、軸線方向寸法の小さい円筒形状の心材Rの外周に剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを重ね巻きして構成されている。このハーフカット済両面テープ用ケース(以下、ケース)では、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの巻回体Cが収容部1内に収容されている。この収容部1は、ケースの本体部を構成し、
図2に示すように、巻回体Cの軸線方向両側から巻回体Cを挟むようにして収容できるように分割された2つの樹脂製の分割体10を組み合わせて構成されている。ケースの本体部を構成する収容部1は、巻回体Cと略相似な円筒形状であり、軸線方向両端部は蓋部11で覆われて、内部は空洞となっている。本体部の分割体10の一方の径方向中心部には内筒部12が、他方の径方向中心部には外筒部13が突設され、分割体10を組み合わせた状態で、外筒部13内に内筒部12が嵌入される。そして、分割体10の組合せ状態で、外筒部13が巻回体Cの心材Rに嵌入されて、巻回体Cは剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出し方向に回転自在に収容部(本体部)1内に収容される。各分割体10の外周縁部も、内筒と外筒になっており、外筒内に内筒が嵌入される。なお、各分割体10の蓋部11には、収容された巻回体Cを軸線方向両側から手指で支持できるように窓部2が開設されている。
【0012】
以下は、2つの分割体10が組み合わせられた状態での構成について説明する。略円筒形状の収容部1の外周部、すなわち各分割体10の外周縁部には、巻回体Cから巻き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを引き出す開口部3が設けられている。この実施形態の開口部3は、巻き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出し方向と平行な傾斜面を有する、周方向寸法のやや大きいスリット状に形成されている。そして、この開口部3の直近には、ケース本体部を径方向外側に膨出させるようにして方形状の押し付け部4が突設されている。この押し付け部4は、後述するように、開口部3から引き出され、且つ開口部3から離隔する方向に曲げられた剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを貼り付け対象体Oに押し付けるためのものであり、その突出端面、すなわち巻回体Cと反対側の端面には、樹脂、ゴム、スポンジなどの軟質体5が、樹脂製の押し付け部4の本体よりも僅かに突出するように配設されている。また、この押し付け部4として突出されている部分の開口部3と反対側の箇所、換言すれば、押し付け部4を挟んで開口部3と反対側には、原則的に、剥離ライナーSのみを切断するための第1切れ刃部6が設けられている。「原則的に」としたのは、切断しようとすれば、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPも切断することができるからである。この第1切れ刃部6は、
図1の底面図に明示するように、図の上下方向の中央部、すなわち剥離ライナーSの幅方向中央部が窪んだ二等辺三角形の等しい2辺のなすM字型とされている。したがって、第1切れ刃部6を平坦な剥離ライナーSに押し付けると、剥離ライナーSの幅方向両側部分に応力が集中して切れ始め、次第に幅方向中央部分に遷移しながら切れ進み、幅方向中央で切れ終わる。
【0013】
次に、このハーフカット済両面テープ用のケースの使用方法の一例について、
図4~
図7を用いて説明する。まず、
図4aに示すように、開口部3から引き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを開口部3と反対側に引き出しながら、その引き出し端部を貼り付け対象体Oの貼り付け箇所の一方の端部(始端部)に押さえ付けて貼り付ける。後述するように、また
図4bに示すように、前回の剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの切り終わり端部、すなわち今回の引き出し端部は、ハーフカット済両面テープTがなく、剥離ライナーSのみなので、その部分を手指でつまんで貼り付け箇所にあてがい、それよりも巻き取り側の部分を貼り付け対象体Oに押し付けてハーフカット済両面テープTそのものの引き出し端部を貼り付け対象体Oに貼り付ける。
【0014】
このようにしてハーフカット済両面テープTの引き出し端部が貼り付け対象体Oに貼り付けられたら、
図5に示すように、ケースを開口部3の開口方向に移動させながら貼り付け箇所の他方の端部(終端部)まで剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを引き出す。このとき、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPは開口部3から離隔する方向に曲げられているので、この剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを貼り付け箇所の終端部で押し付け部4により剥離ライナーS側から貼り付け対象体Oに押し付けると、ハーフカット済両面テープTが貼り付け対象体Oに貼り付けられる。これにより、貼り付け対象体Oの貼り付け箇所全長にハーフカット済両面テープTが貼り付けられているので、その状態から、例えば剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPが引き出されないように、窓部2から手指をケースの収容部1内に差し込んで巻回体Cを押さえ、
図6に示すように、ケースを貼り付け箇所の始端部側に移動すると、貼り付け箇所に貼り付けられている剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPから剥離ライナーSだけが引き剥がされる。
【0015】
貼り付け対象体Oの貼り付け箇所から剥離ライナーSが剥がされたら、例えば剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPが引き出されないように、窓部2から手指をケースの収容部1内に差し込んで巻回体Cを押さえ、
図7aに示すように、剥がされた剥離ライナーSを手指で把持して第1切れ刃部6に押し付ける。これにより、前述したようにして剥離ライナーSが切断される。このとき、
図7bに示すように、第1切れ刃部6が押し付け部4を挟んで開口部3と反対側に設けられているので、この第1切れ刃部6で切断される剥離ライナーSは、ハーフカット済両面テープTが貼り付け対象体Oに貼り付けられて残っている箇所で切断されることになる。したがって、次回の貼り付け作業で引き出される剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出し端部にはハーフカット済両面テープTがなく、剥離ライナーSのみとなる。なお、切断された剥離ライナーSは、
図7bに示すように、切断後、押し付け部4から離隔して垂れ下がるので、次の剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出しが容易になる。
【0016】
このように、この実施形態のハーフカット済両面テープ用のケースでは、開口部3を通じて収容部1から引き出された剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを貼り付け対象体Oにあてがい、その引き出し終端部を押し付け部4で貼り付け対象体Oに押し付けた後、ケースを貼り付け対象体Oから離隔して第1切れ刃部6で剥離ライナーSを切断すれば、貼り付け対象体Oにハーフカット済両面テープTのみが貼り付けられた状態で残る。したがって、このハーフカット済両面テープ用ケースによれば、ハーフカット済両面テープTを広範な用途にハンディに貼り付けることができ、しかも構造が簡潔で、コストも低廉化しやすい。
【0017】
また、収容部1内に収容された巻回体Cを手指で支持可能な窓部2が収容部1に設けられているので、剥離ライナーSをハーフカット済両面テープTから剥がし易い。
また、巻回体Cの軸線方向から巻回体Cを手指で支持可能な位置に窓部2が設けられているので、巻回体Cを押さえて支持しやすい。
また、巻回体Cを軸線方向両側から挟むようにして収容できるように収容部1が分割可能なので、巻回体Cの入れ替えなどを容易に行うことができると共に、ケースの構造を簡潔なものとすることができる。
また、押し付け部4の巻回体Cと反対側の面に軟質体5が配設されているので、ハーフカット済両面テープTを剥離ライナーSごと貼り付け対象体Oに押し付けやすく、その結果、ハーフカット済両面テープTを貼り付け対象体Oに確実に貼り付けることができる。
【0018】
次に、ハーフカット済両面テープ用ケースの第2実施形態について、
図8を用いて説明する。
図8は、第2実施形態のケースの三面図である。このケースは、窓部2の形状と開口部3の形状が第1実施形態と異なる点を除いて収容部1、すなわち本体部の構成は第1実施形態のものと同様である。この実施形態では、第1実施形態に加えて、押し付け部4の開口部3側に第2切れ刃部7が設けられている。この第2切れ刃部7は、原則的に、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを切断するためのものである。「原則的に」としたのは、切断しようとすれば、剥離ライナーのみを切断することができるからである。第1実施形態の第1切れ刃部6は、前述のように、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出し端部を剥離ライナーSのみとするために、押し付け部4を挟んで開口部3と反対側に設けられている。しかし、ハーフカット済両面テープTを剥離ライナーSと一緒に切断したいとするニーズもある。すなわち、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの引き出し端部にもハーフカット済両面テープTを残す需要である。
【0019】
図9は、
図8のハーフカット済両面テープ用ケースの変形例を示す三面図である。この変形例では、窓部2の形状と開口部3の形状が第2実施形態と異なり、その結果、収容部1の蓋部11の形状も変更されているが、本質的には第2実施形態と同等である。この変形例にも設けられている第2切れ刃部7の切れ刃は、
図8及び
図9に示すように、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの厚さ方向には鋭利であるが、その幅方向にはまっすぐ(直刃)である。この第2切れ刃部7で剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを切断する場合には、
図10に示すように、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを貼り付け箇所の終端部で押し付け部4により剥離ライナー側から貼り付け対象体Oに押し付けた後、ケースを図の右方、すなわち剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPの厚さ方向に移動すると、ハーフカット済両面テープTを剥離ライナーごと第2切れ刃部7で切断することができる。
【0020】
このように、この実施形態のハーフカット済両面テープ用ケースによれば、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを押し付け部4で貼り付け対象体Oに押し付けた後、剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを第2切れ刃部7で切断することができ、その結果、ハーフカット済両面テープTを広範な用途にハンディに貼り付けることができ、しかも構造が簡潔で、コストも低廉化しやすい。
【0021】
以上、実施形態に係るハーフカット済両面テープ用ケースについて説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第1切れ刃部6をM字型、第2切れ刃部7を直刃としたが、それぞれの切れ刃部の形状は、これに限定されるものではなく、剥離ライナーSや剥離ライナー付きハーフカット済両面テープPを切断可能なものであれば、どのような形状であってもよい。
また、第1切れ刃部6がなく、第2切れ刃部77のみが形成されたケースであってもよい。
また、収容部1を構成するケースの本体部の形状、押し付け部4の形状や位置、開口部3の形状なども、上記実施形態のものに限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で、種々の形態を採用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 収容部
2 窓部
3 開口部
4 押し付け部
5 軟質体
6 第1切れ刃部
7 第2切れ刃部
H ハーフカット済両面テープ
P 剥離ライナー付きハーフカット済両面テープ
S 剥離ライナー
C 巻回体
O 貼り付け対象体