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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137129
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】包装用箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20240927BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20240927BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65D5/42 C
B65D5/52 H
B65D5/54 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048525
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】391019500
【氏名又は名称】朝日印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 千晶
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB03
3E060CA02
3E060CA25
3E060CA26
3E060CB16
3E060CD12
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE22
3E060CE27
3E060CF05
3E060DA04
(57)【要約】
【課題】収容物に関する情報を表示する表示部を広くとることができ、簡単な工程で開封して商品を取り出すと同時に表示部が視認可能となる包装用箱を提供する。
【解決手段】板体の看板部14と、看板部14に連続し収容物16を入れるケース部18とを有する。看板部14は、看板片20と、看板片20に折り重ねられて一部が接着される看板接着片22を有する。看板片20と看板接着片22の互いに重ねられた裏面の接着されていない部分は、情報が表示された看板部表示部78となる。ケース部18は、看板片20の一部と、看板片20に連続する複数の側面24,26,28からなる。ケース部18の裏面には、情報が表示されたケース部表示部76を備える。看板部14とケース部18の境界に、開封用破断線64を有し、開封用破断線64を切断して開封する。看板片20が開かれた看板部表示部78と、ケース部18が開かれたケース部表示部76は連続している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の箱体形成片から成り、板体の看板部と、前記看板部に連続し収容物を入れるケース部とから成り、
前記看板部は、看板片と、前記看板片に折り重ねられて一部が接着される看板接着片により形成され、前記看板片と前記看板接着片の互いに重ねられた裏面の接着されていない部分には、前記収容物に関する情報が表示された看板部表示部が設けられ、
前記ケース部は、前記看板片の一部と、前記看板片に連続する複数の側面からなる箱体であり、前記箱体の裏面には、前記収容物に関する情報が表示されたケース部表示部が設けられ、
前記看板部と前記ケース部の境界には、開封用破断線が設けられ、前記開封用破断線を切断して開封することにより、前記収容物が取り出され、前記看板部の前記看板片と前記看板接着片が接着されていない裏面が開かれて前記看板部表示部が視認可能となり、前記ケース部の前記側面が前記看板片の一部から開かれて前記ケース部表示部が視認可能となり、前記看板部表示部と前記ケース部表示部が繋がり連続的な表示が可能であることを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
前記箱体形成片は、前記看板接着片と前記看板片、及び前記複数の側面が、互いに平行に連接されて設けられ、前記看板接着片には、前記看板片に接着される看板糊付部と、連接方向の端部に位置する前記側面に糊付けされるケース部糊付部が設けられ、前記ケース部糊付部は、前記開封用破断線で区切られて前記看板接着片から切離可能である請求項1記載の包装用箱。
【請求項3】
前記看板接着片の、前記看板糊付部と前記ケース部糊付部以外の部分に、前記開封用破断線に隣接する開き部が設けられ、前記開き部は前記看板片に接着されておらず、前記開封用破断線を切断することにより、前記看板片から開かれて前記看板部表示部が視認可能となる請求項1記載の包装用箱。
【請求項4】
前記看板接着片には、前記開封用破断線に連続する開封口破断線で分離される摘み部が設けられ、前記ケース部糊付部が糊付けされる前記側面には、前記摘み部に重なる部分に前記摘み部に対応した切り欠きが設けられ、
前記包装用箱を開封する際は、前記開封口破断線を切断するとともに、前記開封用破断線を切断し、
前記摘み部を保持して前記開き部を開くことが可能となる請求項3記載の包装用箱。
【請求項5】
前記ケース部は、前記看板片の一部と前記看板片に連続する前記複数の側面から成る筒体と、前記筒体の開口端部を閉鎖する端面板からなる箱形状であり、前記ケース部には、前記開封用破断線を切断して前記看板片から開封する際に、前記側面と前記端面板からなる箱形状を維持して前記収容物の落下を防ぐ落下防止部が設けられている請求項1記載の包装用箱。
【請求項6】
前記端面板は、前記看板片の、前記側面との連接方向に対して略直角な方向の端部に設けられ、前記端面板は、切断することにより箱形状が解除される箱形状用破断線を介して設けられ、前記箱形状用破断線は、前記看板片と前記端面板の境界の一部が切り残され、切り残された部分に、前記看板片と前記外側端面板と前記側面に連続する前記落下防止部が形成されている請求項5記載の包装用箱。
【請求項7】
前記端面板は、前記看板片又は前記側面の、前記側面との連接方向に対して略直角な方向の端部に設けられ、前記端面板には、切断することにより箱形状が解除される箱形状用破断線を介して前記落下防止部が設けられ、前記落下防止部が設けられた前記端面板又は前記側面に対面する前記看板片または前記側面には、前記落下防止部が引抜不可能に差し込まれるスリットが設けられている請求項5記載の包装用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品に関する情報を表示した看板部を有する包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を店頭で販売する際に、商品を収容した状態で吊り下げる看板付の包装用箱があり、板状の看板部と、商品を収容するケース部とから形成されている。そして、商品についての情報を印刷する面積を大きくする工夫がされたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている開封口付吊下ケースは、吊下部とケース部とから成り、吊下部を形成する第1吊下片と、この第1吊下片の一端に第1折り線を介して第1吊下片と共に吊下部を形成する第2吊下片と、第1吊下片の内側面又は第2吊下片の内側面の少なくとも一面に形成された表示記載スペースが設けられている。第2吊下片には、帯状のジッパー部が連接されている。これにより、購入者は、ジッパー部を破断して第1吊下片を上方に上げることができ、表示スペースに印刷されている記載内容を読むことができる。
【0004】
また、特許文献2に開示されている包装用カートンは、パネル部と少なくとも3つの側壁並びに2つの蓋部とを持つように打ち抜いた1枚のシート材に、空押しによって設けた凹所または凸所を折曲部とし、接着によって角柱状に形成されている。そして、カートンの内面に印刷した情報を、カートンを完全に開いて見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2884087号公報
【特許文献2】実公平2-4049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術の場合、商品についての情報を印刷するスペースは、吊下部またはカートンのいずれか一方にしか設けられておらず、面積が十分にとることができない。さらに、印刷可能な部分があるにもかかわらず活用されていないスペースがあり、表裏の平面が有効に使用されていないものである。
【0007】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、収容物に関する情報を表示する表示部を広い面積で設けることができ、簡単な工程で開封し、商品を取り出すと同時に表示部が視認可能となる包装用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一枚の箱体形成片から成り、板体の看板部と、前記看板部に連続し収容物を入れるケース部とから成り、前記看板部は、看板片と、前記看板片に折り重ねられて一部が接着される看板接着片により形成され、前記看板片と前記看板接着片の互いに重ねられた裏面の接着されていない部分には、前記収容物に関する情報が表示された看板部表示部が設けられ、前記ケース部は、前記看板片の一部と、前記看板片に連続する複数の側面からなる箱体であり、前記箱体の裏面には、前記収容物に関する情報が表示されたケース部表示部が設けられ、前記看板部と前記ケース部の境界には、開封用破断線が設けられ、前記開封用破断線を切断して開封することにより、前記収容物が取り出され、前記看板部の前記看板片と前記看板接着片が接着されていない裏面が開かれて前記看板部表示部が視認可能となり、前記ケース部の前記側面が前記看板片の一部から開かれて前記ケース部表示部が視認可能となり、前記看板部表示部と前記ケース部表示部が繋がり、連続的な表示が可能である包装用箱である。
【0009】
前記箱体形成片は、前記看板接着片と前記看板片、及び前記複数の側面が、互いに平行に連接されて設けられ、前記看板接着片には、前記看板片に接着される看板糊付部と、連接方向の端部に位置する前記側面に糊付けされるケース部糊付部が設けられ、前記ケース部糊付部は、前記開封用破断線で区切られて前記看板接着片から切離可能である。
【0010】
前記看板接着片の、前記看板糊付部と前記ケース部糊付部以外の部分に、前記開封用破断線に隣接する開き部が設けられ、前記開き部は前記看板片に接着されておらず、前記開封用破断線を切断することにより、前記看板片から開かれて前記看板部表示部が視認可能となる。
【0011】
前記看板接着片には、前記開封用破断線に連続する開封口破断線で分離される摘み部が設けられ、前記ケース部糊付部が糊付けされる前記側面には、前記摘み部に重なる部分に前記摘み部に対応した切り欠きが設けられ、前記包装用箱を開封する際は、前記開封口破断線を切断するとともに、前記開封用破断線を切断し、前記摘み部を保持して前記開き部を開くことが可能となる。
【0012】
前記ケース部は、前記看板片の一部と前記看板片に連続する前記複数の側面から成る筒体と、前記筒体の開口端部を閉鎖する端面板からなる箱形状であり、前記ケース部には、前記開封用破断線を切断して前記看板片から開封する際に、前記側面と前記端面板からなる箱形状を維持して前記収容物の落下を防ぐ落下防止部が設けられている。
【0013】
前記端面板は、前記看板片の、前記側面との連接方向に対して略直角な方向の端部に設けられ、前記端面板は、切断することにより箱形状が解除される箱形状用破断線を介して設けられ、前記箱形状用破断線は、前記看板片と前記端面板の境界の一部が切り残され、切り残された部分に、前記看板片と前記外側端面板と前記側面に連続する前記落下防止部が形成されている。
【0014】
前記端面板は、前記看板片又は前記側面の、前記側面との連接方向に対して略直角な方向の端部に設けられ、前記端面板には、切断することにより箱形状が解除される箱形状用破断線を介して、前記落下防止部が設けられ、前記落下防止部が設けられた前記端面板又は前記側面に対面する前記看板片または前記側面には、前記落下防止部が引抜不可能に差し込まれるスリットが設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の包装用箱は、簡単な工程で開封して商品を取り出すと同時に広い表示部が視認可能となる。板体の看板部と、看板部に連続し収容物を入れるケース部の両方に、互いに連続する看板部表示部と前記ケース部表示部が設けられ、連続的な表示が可能であり、詳しい情報を多く表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の第一実施形態の包装用箱の斜視図(a)と、開封用破断線を切断して開封した状態を示す斜視図(b)と、箱形状用破断線を切断して箱形状が解除された状態を示す展開図(c)である。
図2】この発明の第一実施形態の包装用箱の展開図である。
図3】この発明の第一実施形態の包装用箱の組立工程を示す展開図である。
図4】この発明の第一実施形態の包装用箱の折り畳み状態を示す正面図である。
図5】この発明の第一実施形態の包装用箱の看板片側から見た斜視図である。
図6】この発明の第二実施形態の包装用箱の斜視図(a)と、開封用破断線を切断して開封した状態を示す斜視図(b)と、箱形状用破断線を切断して箱形状が解除された状態を示す展開図(c)である。
図7】この発明の第二実施形態の包装用箱の展開図である。
図8】この発明の第二実施形態の包装用箱の変形例を示す展開図である。
図9】この発明の第二実施形態の包装用箱の変形例を示す展開図である。
図10】この発明の第三実施形態の包装用箱の斜視図(a)と、開封用破断線を切断して開封した状態を示す斜視図(b)と、箱形状用破断線を切断して箱形状が解除された状態を示す展開図(c)である。
図11】この発明の第三実施形態の包装用箱の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1図5はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装用箱10は板体の看板部14と、看板部14に連続し収容物16を入れるケース部18とから成り、厚紙等の一枚のブランクシートを一体的に打ち抜いた箱体形成片12を組み立てることによって形成されている。看板部14は、板体の看板片20と、看板片20に折り重ねられて一部が接着される看板接着片22により形成され、ケース部18は、看板片20の一部と、看板片20に連続する側面24,26,28で形成された筒体と、筒体の開口端部を閉鎖する外側端面板52からなる箱体である。
【0018】
図2は、箱体形成片12を表面から見た展開図であり、箱体形成片12は看板接着片22、看板片20、側面24,26,28が、順に、互いに平行に連接して形成され、この実施形態では、連接している幅方向はほぼ同じ長さである。連接方向の長さは、看板片20が一番長く、幅方向の長さよりは連接方向の長さが少し短い長方形である。その他の連接方向の長さについては、看板接着片22が看板片20の次に長く、看板片20の8割程度の長さである。側面26は、看板接着片22よりも短く、看板片20の半分程度の長さである。側面24と側面28は互いに同じ長さであり、側面26より少し短く、看板片20の4割程度の長さである。看板接着片22、看板片20、側面24,26,28は、各々折罫線36,34,32,30で区切られて設けられている。
【0019】
次に、看板片20について説明する。看板片20の、側面24との連接方向に対して略直角な方向の両端部には、矩形の外側端面板52が折罫線54で各々区切られて各々設けられている。各外側端面板52は、看板片20、側面24,26,28を筒体に組み立てた時の開口端部を閉鎖する形状である。外側端面板52は、看板片20の折罫線34に隣接して設けられ、他方の折罫線36からは相対的に離れている。
【0020】
看板片20と各外側端面板52を区切る各折罫線54に沿って、箱形状用破断線56が各々設けられている。箱形状用破断線56は、折罫線34に連続する部分には到達しておらず、折罫線34との角部を面取りするように斜めになり、各折罫線34の、折罫線54から少し離れた位置の近傍に各々達している。箱形状用破断線56の斜めの部分には、中間に短い部分が切り残されている。箱形状用破断線56の端部は、折罫線34に連続せず、短い部分が切り残されている。
【0021】
折罫線34の、折罫線54に連続する部分の近傍には、短い切断線58が設けられている。切断線58は箱形状用破断線56の端部の延長線に交差している。切断線58の端部は、折罫線54に連続せず、短い部分が切り残されている。箱形状用破断線56の面取りするように斜めに位置する傾斜した部分と、折罫線54と、折罫線34でかこまれた三角形の部分は、収容物16を取り出す時に落下を防ぐ落下防止部57となる。落下防止部57は、看板片20と外側端面板52、側面24に、短い部分が切り残されて連続している。看板片20の、折罫線36近傍には、折罫線36の中間に対向する位置に、吊り下げ用の透孔60が設けられている。
【0022】
この実施形態の包装用箱10は側面24の、看板片20の各折罫線54に隣接する部分には、小さい台形状のフラップ48が折罫線50で区切られて各々設けられている。側面26の、側面24の折罫線50に隣接する部分には、矩形の内側端面板44が折罫線46で区切られて各々設けられている。さらに、側面28の、側面26の折罫線46に隣接する部分には、フラップ48と同形状のフラップ38が折罫線40で区切られて各々設けられている。側面28の、折罫線30とは反対側の側縁部28aには、半円状の切り欠き42が設けられている。
【0023】
次に、看板片20の、側面24とは反対側に位置する看板接着片22について説明する。看板接着片22の、看板片20との連接方向に対して直角な方向の両端部には、他の部材は設けられていない。看板接着片22の、折罫線36とは反対側の側縁部22aに沿う矩形の部分は、包装用箱10の組み立て状態で側面28の裏面に糊付けされるケース部糊付部62であり、ケース部糊付部62は折罫線36及び側縁部22aに対して略平行な開封用破断線64で区切られ、開封用破断線64は、看板接着片22の、側縁部22aに交差する両端部に達している。ケース部糊付部62には、開封用破断線64の中間に連続しケース部糊付部62の中央へ膨出する半円状の開封口破断線66が設けられている。開封口破断線66の両端部は開封用破断線64に連続し、開封口破断線66の内側には、両側の開封用破断線64の延長線上に位置して連続する折罫線68が設けられている。開封口破断線66と折罫線68に囲まれた部分は、後述する開き部74を開く時の摘み部69となる。摘み部69は、側面28の切り欠き42とほぼ同じ形状である。
【0024】
看板接着片22の、ケース部糊付部62以外の部分で、折罫線36に沿う矩形の部分は、包装用箱10の組立状態で看板片20の裏面に糊付けされる看板部糊付部70であり、看板部糊付部70は、折罫線36及び側縁部22aに対して略平行な開き部折曲線72で区切られている。開き部折曲線72は、破断線で形成されている。看板部糊付部70の、折罫線36近傍には、折罫線36の中間に対向して吊り下げ用の透孔73が設けられている。透孔73は、折罫線36で看板部糊付部70を看板片20に折り重ねた時に透孔60に連通する。
【0025】
この実施形態の包装用箱10は、看板接着片22の、ケース部糊付部62と看板部糊付部70の間が開き部74となる。開き部74は、包装用箱10の組立状態で看板片20の裏面に看板部糊付部70と共に重ねられるが、看板片20に糊付けされない。開封用破断線64を切断することにより、看板片20から、開き部折曲線72を軸として回転して開かれる。開き部74には、開封用破断線64と開封口破断線66を切断した後に摘み部69が折罫線68を介して連続し、摘み部69を保持して、開き部74を看板片20から開くことができる。
【0026】
箱体形成片12の表面には、収容物16についての情報が印刷されている。箱体形成片12の裏面の、看板片20の、ケース部18を構成する一部と、側面24,26,28には、収容物16についての詳しい情報が印刷されたケース部表示部76が設けられている。看板片20の、包装用箱10の組立状態で看板接着片22の看板部糊付部70が糊付けされていない部分で、ケース部18も構成しない部分、つまりケース部糊付部62が重ねられていない部分には、収容物16についての詳しい情報が印刷された看板部表示部78が設けられている。この実施形態の包装用箱10は、ケース部表示部76と看板部表示部78が繋がり、連続的な表示が可能である。ケース部表示部76と看板部表示部78は、図示した範囲以外でも良く、側面28の側縁部28aや看板片20の折罫線54に達していても良く、各フラップ38,48、内側端面板44、開き部74にも設けられてもよい。
【0027】
次に、この箱体形成片12の組立方法について説明する。図2は、箱体形成片12を表面から見たものであり、以下、箱体形成片12の表面が凸となる折り方を正折り、裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。なお、箱体形成片12は、表面と裏面が同じ形状である。
【0028】
まず、看板接着片22の看板部糊付部70の裏面に糊80を塗布する。糊80は、看板部糊付部70の、透孔73の周囲を除いて、看板部糊付部70の細長い形状に沿う帯状に塗布する。次に折罫線36を正折りし、図3に示すように、看板片20と、看板接着片22の看板部糊付部70を、裏面同士を糊80で糊付けする。なお、図3は、折り方を見やすくするため、箱体形成片12の側面24,26,28の裏面を見たものである。次に、看板接着片22のケース部糊付部62の表面に糊82を塗布する。さらに折罫線32を正折りし、ケース部糊付部62の表面と側面28の裏面を糊82で糊付けし、図4に示す折り畳み状態となり、この状態で箱体形成片12による折り畳み状態の包装用箱10が、商品である収容物16を包装する工場等へ出荷される。
【0029】
次に、収容物16を収容し包装する工場において、折罫線30,32,34を各々90°に正折りし、開封用破断線64を90°に逆折りして、看板片20、側面24,26,28を四角形の筒体にする。次に、一方の折罫線40,50でフラップ38,48を90°に正折りし、その外側に内側端面板44を折罫線46で90°に正折りし、内側端面板44の表面に糊84を塗布し、さらに外側端面板52を折罫線54で90°に正折りして、内側端面板44の表面に外側端面板52の裏面を糊84で糊付けする。これにより、内側端面板44と外側端面板52で筒体の一方の開口を閉鎖する。
【0030】
この後、反対側の開口から収容物16を入れ、他方の折罫線40,50でフラップ38,48を90°に正折りし、その外側に内側端面板44を折罫線46で90°に正折りし、内側端面板44の表面に糊84を塗布し、さらに外側端面板52を折罫線54で90°に正折りして、内側端面板44の表面に外側端面板52の裏面を糊84で糊付けする。これにより、他方の開口も閉鎖し、図1(a)と図5に示すように包装用箱10による包装が完了する。
【0031】
包装用箱10は、収容物16を店頭で販売する際に、収容物16を収容した状態でフック等に透孔60,73を挿通させて吊り下げる。または、ケース部18の側面24側を棚などに置いて自立させてもよい。
【0032】
包装用箱10を開封して収容物16を取り出す時は、切り欠き42の内側に位置する摘み部69を押して開封口破断線66を切断し、摘み部69をさらに押して開口した切り欠き42の内側に指をかけて側面28を引き上げ、開封用破断線64と箱形状用破断線56を切断し、ケース部糊付部62を看板片20から切離する。この時、一方の手で看板部14を保持し、他方の手でケース部18を保持し、看板部14と、ケース部18の側面26,28を割り開けるようにするとよい。すると、図1(b)に示すように、ケース部18が看板部14から開き、ケース部18の一側面が開放され、収容物16を取り出すことができる。この時、落下防止部57は、外側端面板52と看板片20と側面24との間が切り残されて連続して、開口の角部に切り残されるため、ケース部18の箱形状を維持し、収容物16のこぼれ落ちを防ぐ。
【0033】
収容物16を取り出した後、ケース部表示部76を見る時は、図1(c)に示すように、折罫線30,32,34の正折りを元に戻し、看板片20、側面24,26,28を平坦にし、裏面に設けられたケース部表示部76を見ることができる。この時、落下防止部57は、箱形状用破断線56と切断線58の間が切断され、切断線58と折罫線50の間が切断され、看板片20と側面24から分離し、外側端面板52と共に開き、ケース部18の箱形状が解除される。さらに開き部74で覆われた看板部表示部78を見る時は、摘み部69を保持して開き部74を、開き部折曲線72を逆折りして軸として回転させて看板片20から開く。開き部74は、看板片20に糊付けされておらず自由に開き、看板部表示部78が露出し、表示を見ることができ、ケース部表示部76と看板部表示部78が繋がっているので連続的に表示される。
【0034】
この実施形態の包装用箱10によれば、簡単な工程で開封して収容物16を取り出すと同時にケース部表示部76と看板部表示部78が視認可能となる。板体の看板部14と、看板部14に連続し収容物16を入れるケース部18の両方に、互いに連続する看板部表示部78とケース部表示部76が設けられ、連続的な表示が可能であり、面積が大きく、収容物16についての詳しい情報を多く表示することができる。看板部14は、看板片20と看板接着片22が重ねられて設けられ、強度があり、開封後に看板接着片22の開き部74を開くことで看板片20の裏面の看板部表示部78を見ることができ、スペースを十分に活用して、収容物16に関する情報を表示することができる。
【0035】
その他、収容物16を取り出す時、摘み部69を押して開封口破断線66を切断し、開口下切り欠き42の内側に指をかけて引き上げ、開封用破断線64と箱形状用破断線56を切断し、簡単に開封することができる。この時、一方の面手で看板部14を保持し、他方の手でケース部18を保持し、看板部14と、ケース部18の側面26,28を割り開けるようにすると、容易に開封することができる。開封した時、落下防止部57が開口の角部に切り残されるため、ケース部18の箱形状を維持できるので収容物16のこぼれ落ちを防ぐ。さらにケース部18を開くと、落下防止部57が看板片20と側面24から分離し、外側端面板52と共に開き、ケース部18の箱形状が容易に解除され、側面24,26,28を平坦に開くことができる。また、包装用箱10は、収容物16を店頭で販売する際に、収容物16を収容した状態でフック等に透孔60,73を挿通させて吊り下げたり、ケース部18の側面24側を棚などに置いて自立させたり、自由に選択することができる。
【0036】
次にこの発明の第二実施形態について図6図7に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱86は、板体の看板部14と、看板部14に連続し収容物16を入れるケース部18とから成り、厚紙等の一枚のブランクシートを一体的に打ち抜いた箱体形成片88を組み立てることによって形成されている。
【0037】
図7は箱体形成片88を表面から見た展開図であり、箱体形成片88は看板接着片22、看板片20、側面24,26,28が、順に、互いに平行に連接して形成されている。看板接着片22と看板片20は、連接している幅方向の長さと、連接方向の長さがほぼ等しい矩形である。側面24は、この実施形態では、看板片20に連接する連接方向と直交する方向の長さが看板片20のほぼ半分程度であり、連接方向の長さはその約4分の1程度で短い。側面26,28は、連接している幅方向の長さと、連接方向の長さが側面24とほぼ等しい。側面24,26,28は、看板片20の、連接方向に沿う一方の端部20aに連続して設けられ、端部20aとは反対側の端部20bから離れている。看板接着片22、看板片20、側面24,26,28は、各々折罫線36,34,32,30で区切られて設けられている。
【0038】
この実施形態の包装用箱86の看板片20について説明する。看板片20の、端部20aとは反対側の端部20b近傍には、側面24が連接する側縁部に近い位置に、吊り下げ用の透孔60が設けられている。
【0039】
側面24の、看板片20の端部20aに連接する端部と、その反対側の端部には、小さい台形状のフラップ90が折罫線92で区切られて各々設けられている。折罫線92には、後述する落下防止部108が差し込まれて引抜不可能となるスリット94が各々設けられている。スリット94は、折罫線92の中心に一致して折罫線92に沿う直線であり、スリット94の折罫線34側の部分は折罫線34に近づくにつれて折罫線92から離れる方向に傾斜する傾斜部94aであり、スリット94の折罫線32側の部分は折罫線32に近づくにつれて折罫線92から離れる方向に傾斜する傾斜部94bである。傾斜部94bの方が、折罫線92に対する角度が大きく、そして長い。スリット94の中間には、フラップ90へ延出する切断線が連続して設けられ、落下防止部108を差し込みやすくしている。
【0040】
側面26の、側面24の各折罫線92に隣接する部分には、矩形の内側端面板96が折罫線98で区切られて各々設けられ、内側端面板96の、折罫線98とは反対側の端部には、差込片100が折罫線102で区切られて設けられている。
【0041】
側面28の、側面26の各折罫線98に隣接する部分には、矩形の外側端面板104が折罫線106で区切られて各々設けられ、外側端面板104の、折罫線106とは反対側の端部には、落下防止部108が箱形状用破断線110で区切られて各々設けられている。落下防止部108は、外側端面板104の、折罫線30の延長線上に位置する側縁部に連続して突出し、反対側の側縁部からは離れ、突出方向に交差する幅は、外側端面板104の幅よりも狭い。落下防止部108の先端は外側に膨出する円弧で形成され、落下防止部108の折罫線30の延長線に連続する側縁部には、傾斜部94bに係止される凸部108bが形成され、反対側の側縁部には、傾斜部94aに係止される凸部108aが形成されている。側面28の、折罫線30とは反対側の側縁部28aには、台形状の切り欠き42が設けられている。
【0042】
次に、この実施形態の包装用箱86の看板片20の、側面24とは反対側に位置する看板接着片22について説明する。看板接着片22のほぼ中央には、矩形の開き部74が設けられている。開き部74は、看板接着片22の面積の約半分程度を占める矩形であり、一辺が折罫線36に連接し、他の三辺は看板接着片22の周縁部から離れている。折罫線36に連接する一辺は、曲げやすいように破断線が形成された開き部折曲線72である。他の三辺は、コの字形に開封用破断線64で囲まれて、周囲と区切られている。開封用破断線64の両端部は、折罫線36に連通している。看板接着片22の、看板片20の端部20bに連続する端部22b近傍には、折罫線36とは反対側の側縁部22aに近い位置に、透孔73が設けられている。
【0043】
看板接着片22の開き部74の周囲は、ケース部糊付部62と看板部糊付部70である。ケース部糊付部62は、側縁部22aに連接する直線状の部分であり、端部22b側は、側縁部22aの中間付近に位置し、反対側は、看板片20の端部20aに連続する端部22cに達している。その他の部分は看板部糊付部70であり、ケース部糊付部62を挟んで分割されている。ケース部糊付部62の、側縁部22aで接する看板部糊付部70との境界は、スリット112で区切られている。ケース部糊付部62の、端部22cで接するもう一方の看板部糊付部70との境界は、開封用破断線114で区切られている。開封用破断線114は、開き部74の角部に連続し、側縁部22aに対して略平行である。ケース部糊付部62には、開封用破断線64に対して略直角に位置する一対の開封口切込線116が設けられている。
【0044】
開封口切込線116の、開封用破断線64とは反対側の端部は側縁部22aに達しておらず、開封用破断線64とは反対側の一対の端部は、開封用破断線64に対して略平行な折罫線118で連結されている。開封口切込線116の、開封用破断線64側の端部は、開封用破断線64の近傍に達し、開封用破断線64との間が切り残されている。一対の開封口切込線116と、折罫線118、開封用破断線64で囲まれた矩形の部分は、組立状態で、側面28の切り欠き42の内側に位置する形状である。
【0045】
開き部74は、包装用箱86の組み立て状態で看板片20の裏面に看板部糊付部70と共に重ねられるが、看板片20に糊付けされない。しかし、開封用破断線64を切断することにより、開き部74が、看板片20から、開き部折曲線72を軸として回転して開かれる。
【0046】
箱体形成片88の表面には、収容物16についての情報が印刷されている。箱体形成片88の裏面の、看板片20の、ケース部18を構成する一部と、側面24,26,28には、収容物16についての詳しい情報が印刷されたケース部表示部76が設けられている。看板片20の、包装用箱86の組立状態で看板部糊付部70が糊付けされていない部分で、ケース部18も構成しない部分、つまりケース部糊付部62が重ねられていない部分には、収容物16についての詳しい情報が印刷された看板部表示部78が設けられている。ケース部表示部76と看板部表示部78は繋がっており、連続的な表示が可能である。ケース部表示部76と看板部表示部78は、図示した範囲以外でも良く、側面28の側縁部28aや看板片20の端部20a,端部20bに達していても良く、フラップ90、内側端面板96、外側端面板104にも設けられてもよい。
【0047】
次に、この箱体形成片88の組立方法について説明する。図7は、箱体形成片88を表面から見たものである。まず、看板接着片22の看板部糊付部70の裏面に糊80を塗布する。次に折罫線36を正折りし、看板片20と、看板接着片22の看板部糊付部70を、裏面同士を糊80で糊付けする。看板接着片22のケース部糊付部62の表面に糊82を塗布し、折罫線32を正折りし、ケース部糊付部62の表面と、側面28の裏面を糊82で糊付けし、箱体形成片88は折り畳み状態となり、この状態で箱体形成片88による折り畳み状態の包装用箱86が、商品である収容物16を包装する工場等へ出荷される。
【0048】
次に、収容物16を収容し包装する工場において、折罫線30,32,34を各々90°に正折りし、開封用破断線64の、ケース部糊付部62と接している部分と開封用破断線114を90°に逆折りして、看板片20、側面24,26,28を、四角形の筒体にする。一方の折罫線92でフラップ90を90°に正折りし、その外側に内側端面板96を折罫線98で90°に正折りし、差込片100を折罫線102で正折りして看板片20に沿って、筒体の内側に差し込む。さらに外側端面板104を折罫線106で90°に正折りし、落下防止部108を箱形状用破断線110で90°に正折りしながら、スリット94に差し込む。落下防止部108の凸部108aがスリット94の傾斜部94aに係止され、凸部108bが傾斜部94bに係止され、引抜が不可能となる。これにより筒体の一方の開口を閉鎖する。
【0049】
この後、反対側の開口から収容物16を入れ、他方の折罫線92でフラップ90を90°に正折りし、その外側に内側端面板96を折罫線98で90°に正折りし、差込片100を折罫線102で正折りして看板片20に沿って、筒体の内側に差し込む。さらに、外側端面板104を折罫線106で90°に正折りして、落下防止部108をスリット94に差し込んで、引抜が不可能とし、筒体の他方の開口を閉鎖する。これにより、図6(a)に示すように包装用箱86による包装が完了する。
【0050】
包装用箱86は、上記実施形態と同様の使用方法であり、収容物16を店頭で販売する際に、収容物16を収容した状態でフック等に透孔60,73を挿通させて吊り下げる。包装用箱86を開封して収容物16を取り出す時は、切り欠き42の内側に位置する一対の開封口切込線116の間を押して、開封口切込線116と開封用破断線64との間の切り残し部分を切断し、切り欠き42の内側に指をかけて側面28を引き上げ、開封用破断線64のうちの側縁部22aに対して略平行な部分と、開封用破断線114を切断する。すると、図6(b)に示すように、ケース部18が看板部14から開き、収容物16を取り出す。ケース部糊付部62は、看板部糊付部70との間がスリット112と開封用破断線114で区切られているため、看板部糊付部70と開き部74から分離し、側面28と共に開く。この時、落下防止部108はスリット94から引抜が不可能であるため、ケース部18の箱形状を維持し、収容物16のこぼれ落ちを防ぐ。
【0051】
収容物16を取り出した後、ケース部表示部76を見る時は、図6(c)に示すように、折罫線30,32,34の正折りを元に戻し、看板片20、側面24,26,28を平坦にし、裏面に設けられたケース部表示部76を見ることができる。この時、箱形状用破断線110を切断して落下防止部108を外側端面板104から分離し、ケース部18の箱形状が解除される。さらに開き部74で覆われた看板部表示部78を見る時は、開き部74の、開封用破断線64を切断した端部に指をかけて引き上げ、看板部糊付部70との間の開封用破断線64も切断し、開き部折曲線72を軸として回転するように開く。開き部74は、看板片20に糊付けされておらず、自由に開き、看板部表示部78が露出し、見ることができる。ケース部表示部76と看板部表示部78が連続的に表示される。
【0052】
この実施形態の包装用箱86によれば、上記実施形態と同様の効果を有する。また、ケース部18がコンパクトで小さい収容物16に適している。看板片20は大きく、ケース部表示部76と看板部表示部78を連続的に広い面積で設けることができる。開き部74の面積が大きいため、看板部表示部78を広く設けることができ、また開き部74の裏面にも看板部表示部78を広く設けることができる。
【0053】
なお、この実施形態の包装用箱86は、開き部74が切り取り可能でも良い。図8に示す箱体形成片120は、開き部74の、折罫線36に連接する一辺は、開き部折曲線72ではなく、開封用破断線64に連続する開封用破断線65である。看板部表示部78を見る時は、開封用破断線65を軸として回転するように開き部74を開くことができる。開き部74を、情報を保管しておく用途等として使用する場合は、開封用破断線65を切断して包装用箱86から切り離すことができる。開き部74の裏面には看板部表示部78が設けられ、収容物16についての詳しい情報を、包装用箱86とは別の場所で見ることができる。ケース部糊付部62には、半円状の開封口破断線66が設けられても良く、開封口破断線66の内側は、開き部74を開く時や切り離す時の摘み部69となる。摘み部69は、側面28の切り欠き42とほぼ同じ形状である。
【0054】
また、この実施形態の包装用箱86は看板部表示部78をさらに広く取るものでも良い。図9に示す箱体形成片122は、看板接着片22のケース部糊付部62が、側縁部22aの、端部22c側の約半分以上の長さに連接して設けられている。ケース部糊付部62は、側縁部22aと、側縁部22aに交差するスリット112と、側縁部22aに対して略平行な開封用破断線64と、開封用破断線64の延長線上に位置し端部22cに達する開封用破断線114と、端部22cで囲まれて周囲と区切られている。
【0055】
ケース部糊付部62以外の部分に、一対の看板部糊付部70が設けられている。一方の看板部糊付部70は、側縁部22aと端部22bの交点を中心とする扇形である。他方の看板部糊付部70は、端部22cと、ケース部糊付部62を区切る開封用破断線114の交点を中心とする扇形である。一対の看板部糊付部70は、各々円弧の開封用破断線124により周囲と区切られている。
【0056】
箱体形成片122の表面には、収容物16についての情報が印刷されている。箱体形成片122の裏面の、看板片20の、ケース部18を構成する一部と、側面24,26,28には、収容物16についての詳しい情報が印刷されたケース部表示部76が設けられている。看板片20の、包装用箱86の組立状態で看板部糊付部70が糊付けされていない部分で、ケース部18も構成しない部分、つまりケース部糊付部62が重ねられていない部分には、収容物16についての詳しい情報が印刷された看板部表示部78が広い面積で設けられ、多くの情報を表示することができる。ケース部表示部76と看板部表示部78が繋がっており、連続的な表示が可能である。ケース部表示部76と看板部表示部78は、図示した範囲以外でも良い。
【0057】
次にこの発明の第三実施形態について図10図11に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱126は、板体の看板部14と、看板部14に連続し収容物16を入れるケース部18とから成り、厚紙等の一枚のブランクシートを一体的に打ち抜いた箱体形成片128を組み立てることによって形成されている。
【0058】
図11は箱体形成片128を表面から見た展開図であり、箱体形成片128は、前記第一実施形態の箱体形成片12と同様に、看板接着片22、看板片20、側面24,26,28が、順に、互いに平行に連接して形成され、連接している幅方向は看板接着片22を除いてほぼ同じ長さである。連接方向の長さは、看板片20が一番長く、幅方向の長さよりは連接方向の長さが少し短い長方形である。その他の連接方向の長さについては、看板接着片22が看板片20の次に長く、看板片20の8割程度の長さである。側面26は、看板接着片22よりも短く、看板片20の半分程度の長さである。側面24と側面28は互いに同じ長さであり、側面26より少し短く、看板片20の4割程度の長さである。看板接着片22、看板片20、側面24,26,28は、各々折罫線36,34,32,30で区切られて設けられている。
【0059】
看板接着片22の、折罫線36とは反対側の側縁部22aに沿う部分は、包装用箱10の組み立て状態で側面26,28の裏面に糊付けされるケース部糊付部62である。ケース部糊付部62は、折罫線36及び側縁部22aに対して略平行な一対の開封用破断線64と、一対の開封用破断線64の間に位置するケース部糊付部折曲線134で区切られている。一対の開封用破断線64は、各々側縁部22aに連続し、一対の開封用破断線64の間にケース部糊付部折曲線134が設けられ、ケース部糊付部折曲線134は、罫線36及び側縁部22aに対して略平行で、一対の開封用破断線64とケース部糊付部折曲線134は一つの直線となる。ケース部糊付部62の連接方向の長さは、側面26と側面28を足した長さとほぼ等しい。
【0060】
ケース部糊付部62の、中心よりも少し側縁部22aに近い位置に、折罫線36及び側縁部22aに対して略平行なケース部糊付部折曲線130が設けられ、ケース部糊付部折曲線130は、包装用箱126の組み立て状態で、側面26と側面28の間の折罫線30に一致する。ケース部糊付部折曲線130には、両端部22bに近い位置に、折り曲げ易いようにケース部糊付部折曲線130に沿って長い長丸形の透孔132が各々設けられている。
【0061】
ケース部糊付部折曲線130と開封用破断線64の間には、一対の開封口破断線66が設けられている。各開封口破断線66の一方の端部は、開封用破断線64の、端部22bから離れた端部に連続し、他方の端部は、ケース部糊付部折曲線130の、中間よりも少し端部22bに近い位置に連続している。ケース部糊付部折曲線130と、ケース部糊付部折曲線134と、一対の開封口破断線66で囲まれた台形状の部分は、側面28の、後述する開封部140とほぼ同じ形状であり、開封部140の裏面に糊付けされる摘み部糊付部136である。摘み部糊付部136の、ケース部糊付部折曲線130に接する部分は、摘み部糊付部136の中央に向かって膨出する円弧で切り取られて透孔138となる。
【0062】
看板接着片22の、ケース部糊付部62以外の部分で、折罫線36に沿う矩形の部分は、包装用箱10の組立状態で看板片20の裏面に糊付けされる看板部糊付部70であり、看板部糊付部70は、折罫線36及び側縁部22aに対して略平行な開き部折曲線72で区切られている。開き部折曲線72は、破断線で形成されている。看板部糊付部70の、開き部折曲線72に隣接する部分には、開き部折曲線72の中間に対向して吊り下げ用の透孔73が設けられている。透孔73は、折罫線36で看板部糊付部70を看板片20に折り重ねた時に透孔60に連通する。
【0063】
看板接着片22の、ケース部糊付部62と看板部糊付部70の間が開き部74となる。開き部74は、包装用箱126の組立状態で看板片20の裏面に看板部糊付部70と共に重ねられるが、看板片20に糊付けされない。開封用破断線64と開封口破断線66を切断することにより、看板片20から、開き部折曲線72を軸として回転して開かれる。開き部74には、開封用破断線64と開封口破断線66を切断した後に摘み部糊付部136と、摘み部糊付部136に糊付けされた摘み部140がケース部糊付部折曲線134を介して連続し、摘み部140を保持して、開き部74を看板片20から開くことができる。
【0064】
なお、看板接着片22の端部22bは、開封用破断線64とケース部糊付部折曲線130の間では、ケース部糊付部折曲線130に近づくにつれて互いに近づくように傾斜し、全体が台形となり、ケース部糊付部折曲線130と側縁部22aの間では、側縁部22aやケース部糊付部折曲線130に対して略直角であり、全体が矩形となる。
【0065】
側面28には、一対の開封口破断線139が設けられている。各開封口破断線139の一方の端部は、側縁部28aの、折罫線40から少し離れた位置に連続し、他方の端部は、折罫線30の、中間よりも少し折罫線40に近い位置に連続している。開封口破断線139は途中で折り曲がり、側縁部28a側は、側縁部28aから離れるにつれて折罫線40から離れるように傾斜し一対の開封口破断線139の間隔が徐々に狭くなり、折罫線30側は、折罫線30に対して略直角となり一対の開封口破断線139が略平行となる。
【0066】
側面26には、折罫線30から側面26の中央に向かって凸となるコの字形の開封口破断線142が設けられ、開封口破断線142の一対の端部は、折罫線30に対して略直角であり、一対の開封口破断線139に連続している。開封口破断線142の中間の部分は、折罫線30に対して略平行であり、開封口破断線142の中間の部分の折罫線32側には、透孔144が隣接して形成されている。透孔144は折罫線32に向かって膨出する半円形状である。
【0067】
側面26,28の、開封口破断線142と一対の開封口破断線139と、側縁部28aで囲まれた変形した台形状の部分は、開き部74を開く時の摘み部140となる。
【0068】
次に、この箱体形成片128の組立方法について説明する。まず、看板接着片22の看板部糊付部70の裏面に糊80を塗布する。次に折罫線36を正折りし、看板片20と、看板接着片22の看板部糊付部70を、裏面同士を糊80で糊付けする。次に、看板接着片22のケース部糊付部62の表面に糊82を5か所に分けて塗布し、折罫線32を正折りし、ケース部糊付部62の表面と側面26,28の裏面を糊82で糊付けし、折り畳み状態となる。この状態で箱体形成片128による折り畳み状態の包装用箱126が、商品である収容物16を包装する工場等で出荷される。
【0069】
ここで、看板接着片22の摘み部糊付部136は、側面28の摘み部140に糊付けされる。また、看板接着片22の、摘み部糊付部136の両側で開封用破断線64と端部22bの間の部分は、側面28の、開封口破断線139と折罫線40の間の部分に糊付けされる。看板接着片22の、ケース部糊付部折曲線130と側縁部22aの間の部分は、側面26の、摘み部140と透孔144以外の部分に糊付けされる。開封口破断線66は、一対の開封口破断線139の側縁部28aに対する傾斜した部分とほぼ一致する。側面26の開封口破断線142と透孔144は、看板接着片22の、ケース部糊付部折曲線130と側縁部22aの間の部分で閉鎖される。
【0070】
次に、収容物16を収容し包装する工場において、折罫線30,32,34を各々90°に正折りし、ケース部糊付部折曲線134とその両側の開封用破断線64を90°に逆折りして、看板片20、側面24,26,28を四角筒の筒体にする。次に、第一実施形態と同様の工程により、一方開口を閉鎖し、反対側の開口から収容物16を入れ、他方の開口も閉鎖し、図10(a)に示すように包装用箱10による包装が完了する。
【0071】
包装用箱126を開封して収容物16を取り出す時は、透孔144に指を入れて摘み部140を引き上げ、開封口破断線66,142,139と開封用破断線64を切断し、ケース部糊付部62を看板片20から切離する。すると、図10(b)に示すように、ケース部18が看板部14から開き、収容物16を取り出すことができる。
【0072】
収容物16を取り出した後、ケース部表示部76を見る時は、図10(c)に示すように、折罫線30,32,34の正折りを元に戻し、看板片20、側面24,26,28を平坦にし、裏面に設けられたケース部表示部76を見ることができる。さらに開き部74で覆われた看板部表示部78を見る時は、摘み部140を保持して開き部74を、開き部折曲線72を逆折りして軸として回転させて看板片20から開く。ケース部表示部76と看板部表示部78が繋がっているので連続的に表示される。
【0073】
この実施形態の包装用箱126によれば、上記実施形態と同様の効果を有する。また、開封時は、摘み部140を引き起こすだけで、簡単に開封することができる。摘み部140は透孔144に隣接しているため、指をかけやすく、弱い力で開封することができる。摘み部140の裏面には摘み部糊付部136が糊付けされているが、摘み部糊付部136の、折罫線30に隣接する部分は透孔138が形成され、摘み部140の柔軟性と薄さを維持し、開封しやすい。
【0074】
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。包装用箱の大きさや形状は、収容物に合わせて変更可能である。ケース部の、筒体の開口を閉鎖する端面板の構造は、適宜変更可能である。吊り下げ用の透孔や、摘み部等の形状や位置も自由に変更可能であり、不要の場合な無くてもよい。各折罫線には、折り曲げ易いように切り込み線が設けられてもよい。各破断線はミシン線やジッパー線など、適宜選択可能である。
【符号の説明】
【0075】
10,86,126 包装用箱
12,88,120,122,128 箱体形成片
14 看板部
16 収容物
18 ケース部
20 看板片
22 看板接着片
24,26,28 側面
42 切り欠き
44,96 内側端面板
52,104 外側端面板
56,110 箱形状用破断線
57,108 落下防止部
62 ケース部糊付部
64,65,114,124 開封用破断線
66,139,142 開封口破断線
69,140 摘み部
70 看板部糊付部
74 開き部
76 ケース部表示部
78 看板部表示部
94 スリット
図1
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