(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137137
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御装置の動作方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60W 30/16 20200101AFI20240927BHJP
【FI】
B60W30/16
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048536
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大田垣 徹
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241AA33
3D241BA01
3D241BA02
3D241BB05
3D241CE03
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DA49Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB12Z
3D241DB32Z
3D241DC01Z
3D241DC02Z
3D241DC05Z
(57)【要約】
【課題】追従対象が複数の車両を含む群である場合に、快適な追従走行を可能にする技術を提供する。
【解決手段】自車両の前方の車両を認識する認識手段と、前記認識手段の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記認識手段により複数の車両が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前方の車両を認識する認識手段と、
前記認識手段の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記認識手段により複数の車両が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、
前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行することを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記認識手段は、前記複数の車両が二輪車であり且つ当該複数の車両が互いに所定距離範囲内にある場合に前記複数の車両を前記群として認識し、
前記認識手段は、前記複数の車両が四輪車である場合には前記複数の車両を前記群として認識しないことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度が上限となるように前記追従加速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度に基づいて前記追従加速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、時間経過に応じた自車両の加速度の変化を規定する所定の加速度プロファイルと、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度とに基づいて前記追従加速度を決定することを特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記所定の加速度プロファイルの自車両加速度よりも、前記最も小さい加速度の方が小さい間は、前記最も小さい加速度を前記追従加速度として決定することを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記所定の加速度プロファイルの自車両加速度が、前記最も小さい加速度以下である間は、前記所定の加速度プロファイルの前記自車両加速度を前記追従加速度として決定することを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記認識手段は、前記自車両の走行車線内の前方の複数の車両を前記群として認識することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記自車両が停止している停止状態からの発進時であって、且つ、前記自車両が所定車速以下である場合に、前記追従制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記対象車両は、前記群に含まれる前記複数の車両のうち最後尾の車両であり、
前記制御手段は、前記最後尾の車両と前記自車両との距離が目標車間距離以上となるように前記追従制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記対象車両と前記自車両との距離が目標車間距離以上となるように前記追従制御を実行し、
前記制御手段は、前記群に含まれる車両の数に基づいて前記目標車間距離を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記群に含まれる車両の数が多いほど前記目標車間距離が大きくなるように制御することを特徴とする請求項11に記載の車両制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記認識手段により複数の車両が群として認識されていない場合、前記自車両が走行している走行状態から停止する際に、前記対象車両から第1の距離で停止させ、
前記認識手段により複数の車両が群として認識された場合、前記自車両が走行している走行状態から停止する際に、前記対象車両から前記第1の距離よりも大きい第2の距離で停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度の平均加速度に基づいて前記追従加速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項15】
車両制御装置の動作方法であって、
自車両の前方の車両を認識する認識工程と、
前記認識工程の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御工程と、を有し、
前記制御工程では、
前記認識工程により複数の車両が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、
前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行することを特徴とする車両制御装置の動作方法。
【請求項16】
請求項15に記載の車両制御装置の動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項15に記載の車両制御装置の動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御装置の動作方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、追従対象車両から車車間通信によって取得した情報を用いて、自車両と同一進行方向且つ別車線に位置する追従対象車両に対して、追従対象車両と同一進行方向且つ別車線を走行しながらも追従走行制御を行うことを開示している。また、特許文献2は、自動二輪車の集団の情報を車車間通信を用いて取得することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-067302号公報
【特許文献2】特開2019-185800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両群の中の各車両の発進タイミング及び加速度は同一ではなく、車両ごとにばらつきがある。複数の車両を1つの群として捉えた場合に、どの車両に対してどのような加速度で追従するかによって、追従を行う車両の乗員の乗り心地が変化しうる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、追従対象が複数の車両を含む群である場合に、快適な追従走行を可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の一態様による車両制御装置は、
自車両の前方の車両を認識する認識手段と、
前記認識手段の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記認識手段により複数の車両が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、
前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、追従対象が複数の車両を含む群である場合に、快適な追従走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る車両および車両制御装置のブロック図。
【
図2】一実施形態に係る車両制御装置が実施する処理の手順を示すフローチャート。
【
図3】一実施形態に係る群処理による追従制御の詳細な処理の手順を示すフローチャート。
【
図4】一実施形態に係る処理の適用シーンの説明図。
【
図5】一実施形態に係る群処理による追従制御により決定される自車両の加速度の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両V及びその車両制御装置1のブロック図である。車両制御装置1は、車両用制御装置として車両Vにおける各種の車両制御を行う。
図1において、車両Vはその概略が平面図と側面図とで示されている。車両Vは一例としてセダンタイプの四輪の乗用車である。
【0011】
本実施形態の車両Vは、例えばパラレル方式のハイブリッド車両である。この場合、車両Vの駆動輪を回転させる駆動力を出力する走行駆動部であるパワープラント50は、内燃機関、モータおよび自動変速機を含むことができる。モータは車両Vを加速させる駆動源として利用可能であると共に減速時等において発電機としても利用可能である(回生制動)。
【0012】
<制御装置>
図1を参照して、車両Vの車載装置である車両制御装置1の構成について説明する。車両制御装置1は、ECU群(電子制御ユニット群)2を含む。ECU群2は、互いに通信可能に構成された複数のECU20~28を含む。各ECUは、CPUに代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインタフェース等を複数備えていてもよい。なお、ECUの数や、担当する機能については適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。なお、
図1においてはECU20~28の代表的な機能の名称を付している。例えば、ECU20には「運転制御ECU」と記載している。また、ECU20~28のそれぞれは、1つ以上のプロセッサを有して所定のプログラムを実行することにより各種動作を実現するものであってもよいし、専用のハードウエアにより各種動作を実現するものであってもよい。
【0013】
ECU20は、車両Vの自動運転を含む運転支援に関する制御を実行する。自動運転においては車両Vの駆動(パワープラント50による車両Vの加速等)、操舵および制動を、運転者の操作を要せずに自動的に行う。また、ECU20は、手動運転において、例えば、衝突軽減ブレーキ、車線逸脱抑制等の走行支援制御を実行可能である。衝突軽減ブレーキは、前方の障害物との衝突可能性が高まった場合にブレーキ装置53の作動を指示して衝突回避を支援する。車線逸脱抑制は、車両Vが車線を逸脱する可能性が高まった場合に、電動パワーステアリング装置41の作動を指示して車線逸脱回避を支援する。また、ECU20は自動運転、手動運転のいずれにおいても車両Vを先行車に自動追従させる自動追従制御を実行可能である。自動運転の場合、車両Vの加速、減速及び操舵の全てを自動で行ってもよい。手動運転の場合、車両Vの加速と減速を自動で行ってもよい。
【0014】
ECU21は、車両Vの周囲状況を検知する検知ユニット31A、31B、32A、32Bの検知結果に基づいて、車両Vの走行環境を認識する環境認識ユニットである。本実施形態の場合、検知ユニット31A、31Bは、車両Vの前方を撮影するカメラであり(以下、カメラ31A、カメラ31Bと表記する場合がある。)、車両Vのルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ31Aが撮影した画像の解析により、物標の輪郭抽出や、道路上の車線の区画線(白線等)を抽出可能である。
【0015】
本実施形態の場合、検知ユニット32Aは、ライダ(Light Detection and Ranging)であり(以下、ライダ32Aと表記する場合がある)、車両Vの周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、ライダ32Aは5つ設けられており、車両Vの前部の各隅部に1つずつ、後部中央に1つ、後部各側方に1つずつ設けられている。検知ユニット32Bは、ミリ波レーダであり(以下、レーダ32Bと表記する場合がある)、車両Vの周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。本実施形態の場合、レーダ32Bは5つ設けられており、車両Vの前部中央に1つ、前部各隅部に1つずつ、後部各隅部に一つずつ設けられている。
【0016】
ECU22は、電動パワーステアリング装置41を制御する操舵制御ユニットである。電動パワーステアリング装置41は、ステアリングホイールSTに対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。電動パワーステアリング装置41は、操舵操作のアシストあるいは前輪を自動操舵するための駆動力(操舵アシストトルクと呼ぶ場合がある。)を発揮するモータを含む駆動ユニット41a、操舵角センサ41b、運転者が負担する操舵トルク(操舵負担トルクと呼び、操舵アシストトルクと区別する。)を検知するトルクセンサ41c等を含む。ECU22は、また、運転者がステアリングホイールSTを把持しているか否かを検知するセンサ36の検知結果を取得可能であり、運転者の把持状態を監視することができる。
【0017】
ステアリングホイールSTの近傍には、ウィンカレバー51、52が設けられている。ウィンカレバー51、52に対する乗員の操作により、対応する左右の方向指示器(不図示)を作動させることができる。また、本実施形態では、車両Vの自動進路変更を、ウィンカレバー51、52に対する操作により乗員が指示可能である。自動進路変更の指示として、例えば、乗員は、ウィンカレバー51に対する操作により左側の車線への車線変更を指示可能であり、また、ウィンカレバー52に対する操作により右側の車線への車線変更を指示可能である。乗員による進路変更の指示は、自動運転中或いは自動追従制御中に受け付け可能であってもよい。
【0018】
ECU23は、油圧装置42を制御する制動制御ユニットである。ブレーキペダルBPに対する運転者の制動操作はブレーキマスタシリンダBMにおいて液圧に変換されて油圧装置42に伝達される。油圧装置42は、ブレーキマスタシリンダBMから伝達された液圧に基づいて、四輪にそれぞれ設けられたブレーキ装置(例えばディスクブレーキ装置)53に供給する作動油の液圧を制御可能なアクチュエータであり、ECU23は油圧装置42が備える電磁弁等の駆動制御を行う。また、制動時にECU23はブレーキランプ43Bを点灯可能である。これにより後続車に対して車両Vへの注意力を高めることができる。
【0019】
ECU23および油圧装置42は電動サーボブレーキを構成することができる。ECU23は、例えば、4つのブレーキ装置53による制動力と、パワープラント50が備えるモータの回生制動による制動力との配分を制御することができる。ECU23は、また、四輪それぞれに設けられた車輪速センサ38、ヨーレートセンサ(不図示)、ブレーキマスタシリンダBM内の圧力を検知する圧力センサ35の検知結果に基づき、アンチロックブレーキ制御(ABS)機能、トラクションコントロールおよび車両Vの姿勢制御機能を実現することも可能である。
【0020】
ECU24は、後輪に設けられている電動パーキングブレーキ装置(例えばドラムブレーキ)54を制御する停止維持制御ユニットである。電動パーキングブレーキ装置54は後輪をロックする機構を備える。ECU24は電動パーキングブレーキ装置54による後輪のロックおよびロック解除を制御可能である。
【0021】
ECU25は、車内に情報を報知する情報出力装置43Aを制御する車内報知制御ユニットである。情報出力装置43Aは例えばヘッドアップディスプレイやインストルメントパネルに設けられる表示装置、或いは、音声出力装置を含む。更に、振動装置を含んでもよい。振動装置は、例えばステアリングホイールSTに設けてもよく、ステアリングホイールSTを振動させることで報知を行うことができる。ECU25は、例えば、車速や外気温等の各種情報や、経路案内等の情報、車両Vの状態に関する情報、障害物の存在に関する情報等を情報出力装置43Aに出力させる。
【0022】
ECU26は、通信制御ユニットであり、車車間通信用の通信装置26aを備える。通信装置26aは、周辺の他車両と無線通信を行い、車両間での情報交換を行う。
【0023】
ECU27は、パワープラント50を制御する駆動制御ユニットである。本実施形態では、パワープラント50にECU27を一つ割り当てているが、内燃機関、モータおよび自動変速機のそれぞれにECUを一つずつ割り当ててもよい。ECU27は、例えば、アクセルペダルAPに設けた操作検知センサ34aやブレーキペダルBPに設けた操作検知センサ34bにより検知した運転者の運転操作や車速等に対応して、内燃機関やモータの出力を制御したり、自動変速機の変速段を切り替える。なお、自動変速機には車両Vの走行状態を検知するセンサとして、自動変速機の出力軸の回転数を検知する回転数センサ39が設けられている。車両Vの車速は、回転数センサ39の検知結果から演算可能である。
【0024】
ECU28は、車両Vの現在位置や進路を認識する位置認識ユニットである。ECU28は、ジャイロセンサ33、GPSセンサ28b、通信装置28cの制御、および、検知結果あるいは通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ33は車両Vの回転運動を検知する。ジャイロセンサ33の検知結果等により車両Vの進路を判定することができる。GPSセンサ28bは、車両Vの現在位置を検知する。通信装置28cは、地図情報や交通情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。データベース28aには、高精度の地図情報を格納することができ、ECU28はこの地図情報等に基づいて、車線上の車両Vの位置をより高精度に特定可能である。
【0025】
入力装置45は運転者が操作可能に車内に配置され、運転者からの指示や情報の入力を受け付ける。
【0026】
<適用シーン>
図4は、本実施形態の処理の適用シーンの一例を示す。本実施形態では、
図4に示すように、自車両Vは片側二車線道路を走行している。走行車線42は、走路境界41と走路境界43との間の走行車線である。走行車線44は、走行車線42に隣接する走行車線であり、走路境界43と走路境界45との間の走行車線である。走路境界45はセンターラインであり、対向車線との境界を示している。
【0027】
交通信号が赤色信号に変化したことによって、自車両V、及び、自車両Vの走行車線44の前方に車両群401~403が停止している状況を想定する。自車両Vは、例えば互いに所定範囲内に存在する複数の車両を1つの群として特定することで車両群401~403を認識する。
図4では、3台の車両(例えば鞍乗型車両)が1つの群として特定される。
【0028】
このような状況において、交通信号が青色信号に変化し、車両群401~403の各車両が個別に発進したとする。このとき、自車両Vが追従制御により前方車両に自動で追従する場合にどのような加速度を用いて追従制御を行うかについて説明する。本実施形態では主に、自車両Vが停止している停止状態からの発進時であって、且つ、自車両が所定車速以下(低速走行中)である場合に、車両群に対する追従制御を実行する。
【0029】
<処理>
図2は、本実施形態に係る車両制御装置1が実施する処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の処理は、例えば運転支援中に実行される処理であるが、自動運転中にも適用可能である。
図3は、本実施形態に係る群処理による追従制御処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【0030】
S201において、ECU20は、自車両Vが停止状態であるか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S203へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S202へ進む。
【0031】
S202において、ECU20は、自車両Vが低速走行状態であるか否かを判定する。例えば自車両Vの車速が所定速度(例えば30km/h)以下である場合に、自車両Vが低速走行状態であると判定してもよい。本ステップがYesである場合、S203へ進む。一方、本ステップがNoである場合、処理を終了する。
【0032】
S203において、ECU21は、自車両Vの走行車線内の前方に存在する車両の検出を行い、検出結果の情報をECU20に提供する。そして、ECU20は、ECU21の検出結果の情報に基づいて、自車両Vの走行車線内の前方に複数の車両が検出されているか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S205へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S204へ進む。
【0033】
S204において、ECU20は、ECU21の検出結果の情報に基づいて、自車両Vの走行車線内の前方に1つの車両が検出されているか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S207へ進む。一方、本ステップがNoである場合、すなわち1つも車両が検出されていない場合、処理を終了する。
【0034】
S205において、ECU20は、検出された複数の車両が1つの車両群であるか否かを判定する。例えば、これら複数の車両が互いに所定距離範囲内(例えば半径5mの範囲内)にあるか否かを判定し、所定距離範囲内に含まれている場合、その複数車両を1つの車両群として判定する。なお、複数の車両が二輪車であり且つ当該複数の車両が互いに所定距離範囲内にある場合に複数の車両を1つの車両群として認識するように構成してもよい。これにより、自車両Vの前方において、二輪車と四輪車とが互いに所定距離範囲内に存在していても、これらを1つの車両群と認識しないように制御することができる。本ステップがYesである場合、S206へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S207へ進む。
【0035】
S206において、ECU20は、群処理による追従制御を実行する。本ステップの処理は
図3を参照して後述する。
【0036】
S207において、ECU20は、通常の追従制御を実行する。通常の追従制御とは、例えば所定の加速度プロファイルに基づいて自車両Vの加速度を変化させながら前方の対象車両に追従する制御である。以上で
図2の処理が終了する。
【0037】
続いて、
図3のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る群処理による追従制御(S206)の詳細について説明する。
【0038】
S301において、ECU20は、車両群の各車両の加速度を検出する。例えば、ECU26が通信装置26aを用いた自車両Vと各車両との間の車車間通信によって各車両からそれぞれの加速度の情報を受信することにより、ECU20が各車両の加速度を検出することができる。あるいは、ECU26が通信装置26aを用いた自車両Vと各車両との間の車車間通信によって各車両からそれぞれの車速情報を受信し、ECU20が各車両の車速の時間変化を加速度として検出してもよい。
【0039】
S302において、ECU20は、各車両の加速度のうち最小加速度αを特定する。
図4では車両401の加速度が最小加速度αである。
【0040】
S303において、ECU20は、所定の加速度プロファイルに従った自車両の加速度γが、最小加速度αよりも大きいか否かを判定する。ここで、所定の加速度プロファイルとは、時間経過に応じた自車両Vの加速度の変化を予め規定したプロファイルであり、
図2のS207で行った通常の追従制御で使用される加速度プロファイルである。本ステップがYesである場合、S304へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S305へ進む。
【0041】
S304において、ECU20は、自車両Vの追従加速度を最小加速度αとして決定し、最後尾の車両に追従する制御を実行する。
図4では最後尾の車両は車両403であり、車両403に対して追従制御を実行する。最後尾の車両に対しては目標車間距離以上離間するように制御する。
【0042】
S305において、ECU20は、自車両Vの追従加速度を自車両Vの加速度プロファイルの加速度γとして決定し、最後尾の車両に追従する制御を実行する。最後尾の車両に対しては目標車間距離以上離間するように制御する。
【0043】
ここで、
図5は、本実施形態に係る自車両Vの追従加速度の決定方法の一例を示す説明図であり、発進時の車間距離が小さい時の図である。縦軸が加速度a、横軸が時間tである。加速度501は、
図4の車両401の加速度(加速度α)の時間変化を示す。加速度502は、
図4の車両401の加速度(最小加速度α)の時間変化を示す。加速度502は、
図4の車両403の加速度(加速度β)の時間変化を示す。加速度プロファイル503は、時間経過に応じた自車両Vの加速度の変化を予め規定したプロファイルであり、自車両Vの加速度(加速度γ)の所定の時間変化を示す。加速度504は、自車両Vの追従加速度を示す。自車両Vの加速度プロファイル503の加速度γ>車両401の最小加速度αである間は、最小加速度αを自車両Vの追従加速度として決定する。これはS304に対応する。そして、自車両Vの加速度プロファイル503の加速度γ≦車両401の最小加速度αである間は、自車両Vの加速度プロファイル503の加速度γを自車両Vの追従加速度として決定する。これはS305に対応する。すなわち、
図5の例では、自車両Vの追従加速度は、加速度504に示す変化となるように制御される。このように、車両群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度が上限となるように追従加速度を決定することができる。
【0044】
S306において、ECU20は、自車両Vが低速走行状態であるか否かを判定する。例えば自車両Vの車速が所定速度(例えば30km/h)以下である場合に、自車両Vが低速走行状態であると判定してもよい。本ステップがYesである場合、S301に戻る。一方、本ステップがNoである場合、処理を終了する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、自車両Vの前方の複数の車両が1つの車両群として認識された場合に、車両群に含まれる各車両の各加速度のうち最小の加速度に基づいて自車両Vの追従加速度を決定する。そして、自車両Vから各車両までの各距離に基づいて対象車両を決定し、決定された追従加速度で、対象車両に対して追従制御を実行する。
【0046】
例えば、車両群のうちの最後尾車両の加速度が大きく、先頭車両や中間車両の加速度が小さい場合に、最後尾車両の加速度に基づいて或いは自車両の加速度プロファイルに基づいて最後尾車両に自動追従すると、車両群のうちの先頭車両や中間車両に対して自車両Vが急激に近づいてしまい、その結果、急な制動動作が発生する可能性がある。しかし、本実施形態によれば、最後尾車両への過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制することができる。従って、乗員の乗り心地を改善することができ、違和感の少ない自然な運転支援・自動運転による追従制御を実現することができる。よって、追従対象が複数の車両を含む群であっても、快適な追従走行が可能となる。
【0047】
[変形例]
上述の実施形態では、車両群の各車両の加速度のうち最小加速度αを使用する例(すなわち、
図3に示したような最小加速度αと、自車両Vの加速度プロファイルの加速度γとの比較)を説明したが、この例に限定されない。例えば、二番目に小さい加速度を使用するように構成してもよい。すなわち、
図3の処理において、二番目に小さい加速度と、自車両Vの加速度プロファイルの加速度γとの比較により、追従加速度を決定してもよい。あるいは、車両群の各車両の加速度の平均値(平均加速度)を使用するように構成してもよい。
図3の処理において、例えば、加速度の平均値と、自車両Vの加速度プロファイルの加速度γとの比較により、追従加速度を決定してもよい。このように、車両群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて自車両の追従加速度を決定するように構成してもよい。
【0048】
さらに、自車両Vの加速度プロファイルの加速度γは考慮せず、車両群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度に基づいて追従加速度を決定するように構成してもよい。例えば、最も小さい加速度を自車両Vの追従加速度として決定してもよいし、もっとも小さい加速度よりも所定値(或いは所定割合)だけ小さい加速度を追従加速度として決定してもよい。
【0049】
上述の実施形態では、複数の車両が互いに所定距離範囲内に含まれている場合に、その複数車両を1つの車両群として判定する例を説明したが、これに限定されない。例えば、通信装置26aを用いた自車両Vと各車両との間の車車間通信によって各車両の少なくとも1つから、これらの車両が1つの群であることを示す情報を受信してもよい。例えば、3台の車両が前方に検出されており、これら3台の車両のうちの少なくとも1つから、3台の二輪車が1つの群であることを示す情報を受信しており、自車両Vの前方に3台の二輪車が検出されている場合に、検出された3台の二輪車を1つの車両群として判定してもよい。
【0050】
上述の実施形態では、対象車両に対して目標車間距離以上離間するように追従制御を実行する例を説明した。ここで、目標車間距離は可変であってもよい。例えば、1つの群に含まれる車両の数に基づいて目標車間距離を決定してもよい。1つの群に含まれる車両の数が多いほど目標車間距離が大きくなるように制御してもよい。或いは、1つの群に含まれる車両の数が閾値以上である場合には第1の目標車間距離以上離間するように制御し、1つの群に含まれる車両の数が閾値未満である場合には第1の目標車間距離よりも短い第2の目標車間距離以上離間するように制御してもよい。
【0051】
さらに、複数の閾値を設け、各閾値を境に段階的に目標車間距離を変更してもよい。例えば、車両数が第1の閾値以上である場合に、第1の目標車間距離以上離間するように制御し、車両数が第1の閾値未満であり且つ第2の閾値以上である場合に、第1の目標車間距離よりも短い第2の目標車間距離以上離間するように制御し、車両数が第2の閾値未満である場合に、第2の目標車間距離よりも短い第3の目標車間距離以上離間するように制御してもよい。
【0052】
上述の実施形態では、主に発進時であって且つ所定車速以下(低速走行中)である場合の追従制御を説明した。一方、停車時においても車両群が認識されているかどうかに応じて停止時の車間距離を変更してもよい。例えば、複数の車両が1つの群として認識されていない場合、自車両Vが走行している走行状態から停止する際に、対象車両から第1の距離で停止させるように制御してもよい。そして、複数の車両が1つの群として認識されている場合、自車両Vが走行している走行状態から停止する際に、対象車両から第1の距離よりも大きい第2の距離で停止させるように制御してもよい。このように、車両群が自車両Vの前方を走行している場合には、追従時に停止する場合に通常の追従制御と比較して車間距離が大きくなるように制御することで、より安全性の高い追従制御を行うことが可能となる。
【0053】
<その他の実施形態>
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0054】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態に係る車両制御装置(1)は、
自車両(V)の前方の車両を認識する認識手段(20、21)と、
前記認識手段の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御手段(20)と、を備え、
前記制御手段は、
前記認識手段により複数の車両(401、402、403)が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、
前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行する。
【0055】
これにより、前方車両への過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制することができる。従って、乗員の乗り心地を改善することができ、違和感の少ない自然な運転支援・自動運転による追従制御を実現することができる。よって、追従対象が複数の車両を含む群であっても、快適な追従走行が可能となる。
【0056】
2.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記認識手段は、前記複数の車両が二輪車であり且つ当該複数の車両が互いに所定距離範囲内にある場合に前記複数の車両を前記群として認識し、
前記認識手段は、前記複数の車両が四輪車である場合には前記複数の車両を前記群として認識しない。
【0057】
このように、前方車両が二輪車である場合に群処理を行うことで、例えばツーリングをしている二輪車の集団に対して、違和感の少ない追従制御を実現することができる。
【0058】
3.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度が上限となるように前記追従加速度を決定する。
【0059】
これにより、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0060】
4.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度に基づいて前記追従加速度を決定する。
【0061】
これにより、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0062】
5.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、時間経過に応じた自車両の加速度の変化を規定する所定の加速度プロファイルと、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最も小さい加速度とに基づいて前記追従加速度を決定する。
【0063】
これにより、適応的な追従加速度の制御が可能となり、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0064】
6.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記所定の加速度プロファイルの自車両加速度よりも、前記最も小さい加速度の方が小さい間は、前記最も小さい加速度を前記追従加速度として決定する。
【0065】
これにより、適応的な追従加速度の制御が可能となり、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0066】
7.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記所定の加速度プロファイルの自車両加速度が、前記最も小さい加速度以下である間は、前記所定の加速度プロファイルの前記自車両加速度を前記追従加速度として決定する。
【0067】
これにより、適応的な追従加速度の制御が可能となり、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0068】
8.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記認識手段は、前記自車両の走行車線(44)内の前方の複数の車両を前記群として認識する。
【0069】
このように、隣接車線における自車両の前方車両(斜め前方の車両)を除いた走行車線内の車両群に限定して処理を行うことで、処理速度を向上することができる。たとえ、自車両の走行車線と、隣接車線との両方にまたがって車両群(例えばツーリング中の複数の二輪車)が存在していても、自車両の走行車線に処理を限定することで、走行車線内の前方車両との間の距離が過度に離間することを抑制することができる。
【0070】
9.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記自車両が停止している停止状態からの発進時であって、且つ、前記自車両が所定車速以下である場合に、前記追従制御を実行する。
【0071】
このように、発進時から加速していく間の低速域において群処理による追従処理を実行することで、より状況に適した追従制御を行うことが可能となる。
【0072】
10.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記対象車両は、前記群に含まれる前記複数の車両のうち最後尾の車両(403)であり、
前記制御手段は、前記最後尾の車両と前記自車両との距離が目標車間距離以上となるように前記追従制御を実行する。
【0073】
これにより、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0074】
11.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記対象車両と前記自車両との距離が目標車間距離以上となるように前記追従制御を実行し、
前記制御手段は、前記群に含まれる車両の数に基づいて前記目標車間距離を決定する。
【0075】
これにより、車両群の車両数に応じて適応的な車間距離を維持することが可能となる。
【0076】
12.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記群に含まれる車両の数が多いほど前記目標車間距離が大きくなるように制御する。
【0077】
このように、車両群の車両数が多い場合には車間距離を大きくすることで、たとえ予測できない挙動をする車両が存在しても、より安全な追従制御を実現することができる。
【0078】
13.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、
前記認識手段により複数の車両が群として認識されていない場合、前記自車両が走行している走行状態から停止する際に、前記対象車両から第1の距離で停止させ、
前記認識手段により複数の車両が群として認識された場合、前記自車両が走行している走行状態から停止する際に、前記対象車両から前記第1の距離よりも大きい第2の距離で停止させることを特徴とする。
【0079】
このように、群処理を行う場合には、行わない場合と比べて前方車両から離れて停止することで、たとえ予測できない挙動をする車両が存在しても、より安全な追従制御を実現することができる。
【0080】
14.上記実施形態に係る車両制御装置(1)では、
前記制御手段は、前記群に含まれる各車両の各加速度の平均加速度に基づいて前記追従加速度を決定する。
【0081】
これにより、車両群に対する過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制した快適な追従制御を実現することができる。
【0082】
15.上記実施形態に係る車両制御装置(1)の動作方法は、
自車両(V)の前方の車両を認識する認識工程(S203)と、
前記認識工程の認識結果に基づいて対象車両に追従する追従制御を実行する制御工程(S205)と、を有し、
前記制御工程では、
前記認識工程により複数の車両(401、402、403)が群として認識された場合、前記群に含まれる各車両の各加速度のうち最大の加速度未満の加速度に基づいて前記自車両の追従加速度を決定するとともに、前記自車両から各車両までの各距離に基づいて前記対象車両を決定し、
前記決定された追従加速度で、前記対象車両に対して前記追従制御を実行する(S301~S305)。
【0083】
これにより、前方車両への過度な接近及び急な制動動作の発生を抑制することができる。従って、乗員の乗り心地を改善することができ、違和感の少ない自然な運転支援・自動運転による追従制御を実現することができる。よって、追従対象が複数の車両を含む群であっても、快適な追従走行が可能となる。
【0084】
16.上記実施形態に係るプログラムは、
上記実施形態に係る車両制御装置の動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0085】
これにより、車両制御装置の機能をプログラムとして実現することが可能となる。
【0086】
17.上記実施形態に係る記憶媒体は、
上記実施形態に係る車両制御装置の動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体である。
【0087】
これにより、車両制御装置の機能を記憶媒体として実現することが可能となる。
【0088】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
V:車両、1:車両制御装置、20:ECU