IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝デバイス&ストレージ株式会社の特許一覧

特開2024-137154ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置
<>
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図1
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図2
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図3
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図4
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図5
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図6
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図7
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図8
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図9
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図10
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図11
  • 特開-ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137154
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20240927BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11B21/21 D
G11B5/60 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048558
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 健一郎
(57)【要約】
【課題】実施形態の課題は、接続端子の強度を上げ、接合の信頼性向上を図ることが可能なヘッドサスペンションアッセンブリおよびディスク装置を提供することにある。
【解決手段】実施形態によれば、ヘッドサスペンションアッセンブリは、支持板と、変位可能なジンバル部を有し支持板の上に設けられた配線部材42と、スライダ17aと、スライダ内に設けられたヘッド素子と、スライダに設けられた接続パッドと、接続パッドを有し前記スライダの上に設置されたレーザー発振素子と、を具備し、ジンバル部に実装された磁気ヘッド17と、を備えている。配線部材は、ジンバル部に位置する複数の接続端子を有している。複数の接続端子は、それぞれスライダの接続パッドに接合された接合面を有する複数の第1接続端子と、前記レーザー発振素子の接続パッドに接合された接合面と反対側の非接合面とを有する第2接続端子と、を含んでいる。配線部材は、第2接続端子の非接合面の少なくとも一部を覆うカバー層を有している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持板と、
変位可能なジンバル部を有し前記支持板の上に設けられた配線部材と、
スライダと、前記スライダ内に設けられたヘッド素子と、前記スライダに設けられた接続パッドと、接続パッドを有し前記スライダの上に設置されたレーザー発振素子と、を具備し、前記ジンバル部に実装された磁気ヘッドと、を備え、
前記配線部材は、金属板と、前記金属板上に設けられたベース絶縁層と、前記ベース絶縁層上に形成され複数本の配線および複数の接続端子を構成する導電層と、前記導電層に重ねて前記ベース絶縁層の上に設けられたカバー絶縁層と、を含み、
前記複数の接続端子は、それぞれ前記スライダの接続パッドに接合された接合面を有する複数の第1接続端子と、前記レーザー発振素子の接続パッドに接合された接合面と反対側の非接合面とを有する第2接続端子と、を含み、
前記配線部材は、前記第2接続端子の前記非接合面の少なくとも一部を覆うカバー層を有している、
ヘッドサスペンションアッセンブリ。
【請求項2】
前記配線部材は、前記ベース絶縁層および前記金属板に形成された凹所を有し、
前記第2接続端子は、前記凹所内に延出した延出端部を有し、前記延出端部の接合面に前記レーザー発振素子の接続パッドが接合され、前記カバー層は、前記延出端部の非接合面および前記凹所を覆っている、請求項1に記載のヘッドサスペンションアッセンブリ。
【請求項3】
前記第1接続端子は、前記磁気ヘッドのグランドに繋がる接地用の第1接続端子を含み、前記第2接続端子は、前記接地用の第1接続端子と一体に形成された接地用の第2接続端子を含んでいる、請求項1に記載のヘッドサスペンションアッセンブリ。
【請求項4】
前記磁気ヘッドは、前記スライダに設けられたダミーの接続パッドを有し、
前記第2接続端子は、前記非接合面の側で前記ダミーの接続パッドに接合されている、請求項1に記載のヘッドサスペンションアッセンブリ。
【請求項5】
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
請求項1に記載のヘッドサスペンションアッセンブリと、
を備えるディスク装置。
【請求項6】
前記配線部材は、前記ベース絶縁層および前記金属板に形成された凹所を有し、
前記第2接続端子は、前記凹所内に延出した延出端部を有し、前記延出端部の接合面に前記レーザー発振素子の接続パッドが接合され、前記カバー層は、前記延出端部の非接合面および前記凹所を覆っている、請求項5に記載のディスク装置。
【請求項7】
前記第1接続端子は、前記磁気ヘッドのグランドに繋がる接地用の第1接続端子を含み、前記第2接続端子は、前記接地用の第1接続端子と一体に形成された接地用の第2接続端子を含んでいる、請求項5に記載のディスク装置。
【請求項8】
前記磁気ヘッドは、前記スライダに設けられたダミーの接続パッドを有し、
前記第2接続端子は、前記非接合面の側で前記ダミーの接続パッドに接合されている、請求項5に記載のディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、ヘッドサスペンションアッセンブリおよびこれを備えるディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置として、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)は、筐体内に回転自在に配設された複数枚の磁気ディスクと、磁気ディスクに対して情報のリード、ライトを行う複数の磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気ディスクに対して移動可能に支持したヘッドアクチュエータと、を備えている。
ヘッドアクチュエータは、先端部に磁気ヘッドを支持している複数本のヘッドサスペンションアッセンブリ(ヘッドジンバルアッセンブリ(HGA)と称する場合もある)を有している。ヘッドサスペンションアッセンブリは、支持板と、支持板上に設けられたフレキシャ(配線部材)と、を有している。フレキシャは、変位自在なジンバル部を有し、このジンバル部に磁気ヘッドが搭載されている。
【0003】
また、レーザー光を磁気ディスクに印加する熱アシスト式の磁気ヘッドが提案されている。この磁気ヘッドは、ヘッド素子が埋め込まれたスライダと、スライダの背面側に設置されたレーザーダイオードユニット(LDU)とを有している。ヘッド素子は、フレキシャの一面側に設けられた接続端子に接続されている。LDUは、フレキシャの他面側に露出した接続端子に電気的に接続されている。
以上のような構成を有するHDDにおいて、フレキシャのLDU用の接続端子は、フレキシャのベース層から突出し片持ち状に支持され、かつ、フレキシャの一面側および他面側に露出している。そのため、接続端子は、十分な剛性を有しておらず、折れ曲る可能性がある。接続端子が折れ曲がった場合、ハンダ接合時に接続端子とLDUの接続パッドとの距離が安定せず、接合の歩留まりが悪化する可能性がある。また、HDDに衝撃が加わった場合や長期間の使用によるヒートサイクルなどにより、ハンダや接続端子にクラックが発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,013,963号明細書
【特許文献2】米国特許第11,282,539号明細書
【特許文献3】米国特許第11,195,549号明細書
【特許文献4】米国特許第11,437,069号明細書
【特許文献5】米国特許第10,475,476号明細書
【特許文献6】米国特許第9,087,531号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の実施形態の課題は、接続端子の強度を上げ、接合の信頼性向上を図ることが可能なヘッドサスペンションアッセンブリおよびこれを備えるディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、ヘッドサスペンションアッセンブリは、支持板と、変位可能なジンバル部を有し前記支持板の上に設けられた配線部材と、スライダと、前記スライダ内に設けられたヘッド素子と、前記スライダに設けられた接続パッドと、接続パッドを有し前記スライダの上に設置されたレーザー発振素子と、を具備し、前記ジンバル部に実装された磁気ヘッドと、を備えている。前記配線部材は、金属板と、前記金属板上に設けられたベース絶縁層と、前記ベース絶縁層上に形成され複数本の配線および複数の接続端子を構成する導電層と、前記導電層に重ねて前記ベース絶縁層の上に設けられたカバー絶縁層と、を含んでいる。前記複数の接続端子は、それぞれ前記スライダの接続パッドに接合された接合面を有する複数の第1接続端子と、前記レーザー発振素子の接続パッドに接合された接合面と反対側の非接合面とを有する第2接続端子と、を含んでいる。前記配線部材は、前記第2接続端子の前記非接合面の少なくとも一部を覆うカバー層を有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を、トップカバーを分解して示す斜視図。
図2図2は、前記HDDのアクチュエータアッセンブリおよび基板ユニットを示す斜視図。
図3図3は、前記ヘッドアクチュエータアッセンブリのヘッドサスペンションアッセンブリを示す斜視図。
図4図4は、前記ヘッドサスペンションアッセンブリの分解斜視図。
図5図5は、前記ヘッドサスペンションアッセンブリの磁気ヘッドの側を示す平面図。
図6図6は、前記ヘッドサスペンションアッセンブリの磁気ヘッドの部分を模式的に示す側面図。
図7図7は、前記ヘッドサスペンションアッセンブリにおけるジンバル部の接続端子、磁気ヘッドおよびレーザーダイオードユニット(LDU)を示す平面図。
図8図8は、図7の線A-Aに沿った、ヘッド接合部分の断面図。
図9図9は、第2実施形態に係るHDDのヘッドサスペンションアッセンブリにおけるジンバル部の接続端子、磁気ヘッドおよびLDUを示す平面図。
図10図10は、図9の線B-Bに沿った、ヘッド接合部分の断面図。
図11図11は、第3実施形態に係るHDDのヘッドサスペンションアッセンブリにおけるジンバル部の接続端子、磁気ヘッドおよびLDUを示す平面図。
図12図12は、図11の線C-Cに沿った、ヘッド接合部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面を参照しながら、実施形態に係るディスク装置ついて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
ディスク装置として、第1実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)について詳細に説明する。
図1は、トップカバーを外して示す第1実施形態に係るHDDの分解斜視図である。
図1に示すように、HDDは、矩形状の筐体10を備えている。筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース12と、カバー(トップカバー)14と、を有している。ベース12は、矩形状の底壁12aと、底壁12aの周縁に沿って立設された側壁12bとを有し、例えば、アルミニウムにより一体に成形されている。カバー14は、例えば、ステンレスにより矩形板状に形成されている。カバー14は、複数のねじ13によりベース12の側壁12b上にねじ止めされ、ベース12の上部開口を気密に閉塞する。
【0010】
筐体10の内には、ディスク状の記録媒体として複数枚、例えば、5枚の磁気ディスク18、および磁気ディスク18を支持および回転させるスピンドルモータ19が設けられている。スピンドルモータ19は、底壁12a上に配設されている。各磁気ディスク18は、例えば、直径95mm(3.5インチ)の円板状に形成され非磁性体、例えば、ガラスからなる基板と、基板の上面(第1面)および下面(第2面)に形成された磁気記録層とを有している。各磁気ディスク18は、スピンドルモータ19のハブに互いに同軸的に嵌合され、更に、クランプばね20によりクランプされている。これにより、磁気ディスク18は、所定の間隔を置いて、互いに平行に、また、底壁12aとほぼ平行に支持されている。複数枚の磁気ディスク18は、スピンドルモータ19により所定の回転数で回転される。なお、磁気ディスク18の搭載枚数は、5枚に限らず、10枚以上、12枚以下としてもよい。
【0011】
筐体10の内には、磁気ディスク18に対して情報の記録、再生を行なう複数の磁気ヘッド17、および、これらの磁気ヘッド17を磁気ディスク18に対して移動自在に支持したアクチュエータアッセンブリ22が設けられている。また、筐体10の内には、アクチュエータアッセンブリ22を回動および位置決めするボイスコイルモータ(VCM)24、磁気ヘッド17が磁気ディスク18の最外周に移動した際、磁気ヘッド17を磁気ディスク18から離間したアンロード位置に保持するランプロード機構25、および変換コネクタ等の電子部品が実装された基板ユニット(FPCユニット)21が設けられている。VCM24は、底壁12aに設けられた一対のヨーク39とヨーク39に固定された図示しない磁石とを含んでいる。ランプロード機構25は、底壁12aに立設された図示しないランプを含んでいる。
底壁12aの外面には、図示しないプリント回路基板がねじ止めされている。プリント回路基板は、スピンドルモータ19の動作を制御するとともに、基板ユニット21を介してVCM24および磁気ヘッド17の動作を制御する制御部を構成している。
【0012】
図2は、アクチュエータアッセンブリおよび基板ユニットを示す斜視図である。図示のように、アクチュエータアッセンブリ22は、透孔31を有するアクチュエータブロック29と、透孔31内に設けられた軸受ユニット(ユニット軸受)28と、アクチュエータブロック29から延出する複数、例えば、6本のアーム32と、各アーム32に取付けられたヘッドサスペンションアッセンブリ(ヘッドジンバルアッセンブリ:HGAと称する場合もある)30と、ヘッドサスペンションアッセンブリ30に支持された磁気ヘッド17と、を備えている。ベース12の底壁12aに支持シャフト(枢軸)26が立設されている。アクチュエータブロック29は、軸受ユニット28により、支持シャフト26の周りで、回動自在に支持されている。
【0013】
本実施形態において、アクチュエータブロック29および6本のアーム32はアルミニウム等により一体に成形され、いわゆるEブロックを構成している。アーム32は、例えば、細長い平板状に形成され、支持シャフト26と直交する方向に、アクチュエータブロック29から延出している。6本のアーム32は、互いに隙間を置いて、平行に設けられている。
アクチュエータアッセンブリ22は、アクチュエータブロック29からアーム32と反対の方向へ延出する支持フレーム33を有している。支持フレーム33により、VCM24の一部を構成するボイスコイル35が支持されている。図1に示したように、ボイスコイル35は、一対のヨーク39間に位置し、これらのヨーク39、およびヨークに固定された磁石とともにVCM24を構成している。
【0014】
図2に示すように、アクチュエータアッセンブリ22は、それぞれ磁気ヘッド17を支持した10個のヘッドサスペンションアッセンブリ30を備えている。複数のヘッドサスペンションアッセンブリ30は、磁気ヘッド17を上向きに支持するアップヘッドサスペンションアッセンブリと、磁気ヘッド17を下向きに支持するダウンヘッドサスペンションアッセンブリと、を含んでいる。これらのアップヘッドサスペンションアッセンブリおよびダウンヘッドサスペンションアッセンブリは、同一構造のヘッドサスペンションアッセンブリ30を上下向きを変えて配置することにより構成される。
本実施形態では、図2において、最上部のアーム32にダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取付けられ、最下部のアーム32にアップヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられている。中間の4本のアーム32の各々には、アップヘッドサスペンションアッセンブリ30およびダウンヘッドサスペンションアッセンブリ30が取り付けられている。
【0015】
ヘッドサスペンションアッセンブリ30は、ほぼ矩形状のベースプレート36と、細長い板ばねからなるロードビーム38と、細長い帯状のフレキシャ(配線部材)42と、を有している。フレキシャ42は、後述するジンバル部を有し、このジンバル部に磁気ヘッド17が載置されている。ベースプレート36の基端部がアーム32の先端部32aに固定されている。ロードビーム38は、その基端部がベースプレート36の先端部に重ねて固定されている。ロードビーム38は、ベースプレート36から延出し、延出端に向かって先細に形成されている。ロードビーム38は、磁気ヘッド17を磁気ディスク18の表面に向けて付勢するばね力(反力)を生じている。また、ロードビーム38の先端からタブ40が突出している。タブ40は、前述したランプに係合可能であり、ランプと共にランプロード機構25を構成する。
【0016】
図2に示すように、FPCユニット21は、ほぼ矩形状のベース部21a、ベース部21aの一側縁から延出した細長い帯状の中継部21bと、中継部21bの先端に連続して設けられた接合部21cと、を一体に有している。ベース部21a、中継部21b、および接合部21cは、フレキシブルプリント配線基板(FPC)により形成されている。ベース部21a上に、図示しない変換コネクタ、複数のコンデンサ等の電子部品が実装され、図示しない配線に電気的に接続されている。
【0017】
中継部21bは、ベース部21aの側縁からアクチュエータブロック29に向かって延びている。接合部21cは、アクチュエータブロック29の側面(設置面)とほぼ等しい高さおよび幅の矩形状に形成されている。接合部21cは、アルミニウム等で形成された裏打ち板を介して、アクチュエータブロック29の設置面に貼付され、更に、固定ねじ65により設置面にねじ止め固定されている。接合部21cに多数の接続パッドが設けられている。接合部21cには例えば1つのヘッドIC(ヘッドアンプ)59が実装され、このヘッドIC59は配線を介して接続パッドおよびベース部21aに接続されている。更に、接合部21cには、ボイスコイル35が接続された接続パッド53が設けられている。
【0018】
各ヘッドサスペンションアッセンブリ30のフレキシャ42は、磁気ヘッド17に電気的に接続された一端部と、アーム32の側縁を通ってアクチュエータブロック29まで延出した他端部と、他端部に設けられた接続端部(テール接続端子部)42cと、を有している。接続端部42cは、細長い矩形状に形成されている。接続端部42cには複数の接続端子(接続パッド)43が設けられている。これらの接続パッド43は、フレキシャ42の配線にそれぞれ接続されている。すなわち、フレキシャ42の複数の配線は、フレキシャ42のほぼ全長に亘って延び、一端は磁気ヘッド17に電気的に接続され、他端は、接続パッド43に接続されている。
接続端部42cに設けられた接続パッド43は、接合部21cの接続パッドに接合され、接合部21cの配線に電気的に接続されている。これにより、アクチュエータアッセンブリ22の10個の磁気ヘッド17は、それぞれフレキシャ42の配線、接続端部42c、FPCユニット21の接合部21c、中継部21bを通して、ベース部21aに電気的に接続される。
【0019】
上記のように構成されたアクチュエータアッセンブリ22をベース12上に組み込んだ状態において、図1に示したように、支持シャフト26は、スピンドルモータ19のスピンドルとほぼ平行に立設される。各磁気ディスク18は2本のヘッドサスペンションアッセンブリ30間に位置する。HDDの動作時、2本のヘッドサスペンションアッセンブリ30に支持された磁気ヘッド17は、磁気ディスク18の上面および下面にそれぞれ対向する。
【0020】
次に、ヘッドサスペンションアッセンブリ30の構成を詳細に説明する。
図3は、ヘッドサスペンションアッセンブリの磁気ヘッドの側を示す斜視図、図4は、ヘッドサスペンションアッセンブリの分解斜視図、図5は、ヘッドサスペンションアッセンブリの平面図である。
図3および図4に示すように、ヘッドサスペンションアッセンブリ30は、支持板として機能するサスペンション34を有している。サスペンション34は、数百ミクロン厚の金属板からなる矩形状のベースプレート36と、数十ミクロン厚の金属板からなる細長いロードビーム38と、を有している。ロードビーム38は、その基端部がベースプレート36の先端部に重ねて配置され、複数個所を溶接することによりベースプレート36に固定されている。ロードビーム38の先端部は、支持板の先端部を構成している。ロードビーム38の先端には、棒状のタブ40が突設されている。
【0021】
図4に示すように、ベースプレート36は、その基端部に円形の開口36aおよびこの開口36aの周囲に位置する円環状の突起部36bを有している。ベースプレート36は、突起部36bをアーム32のかしめ座面に形成された図示しない円形のかしめ孔に嵌合し、この突起部36bをかしめることで、アーム32の先端部32aに締結される。ベースプレート36の基端は、レーザ溶接、スポット溶接あるいは接着によりアーム32の先端部32aに固定されてもよい。
【0022】
ヘッドサスペンションアッセンブリ30は、記録信号、再生信号および駆動信号を伝達するための細長い帯状のフレキシャ(配線部材)42と、フレキシャ42に実装された一対の圧電素子(例えば、PZT素子)50と、磁気ヘッド17と、を有している。図2および図3に示すように、フレキシャ42は、ロードビーム38およびベースプレート36上に配置された先端側部分42aと、ベースプレート36の側縁から外側に延出し、アーム32の側縁に沿ってアクチュエータブロック29まで延びた基端側部分42bと、基端側部分42bの延出端に設けられた接続端部42cとを有している。接続端部42cは、複数の接続パッド(電極パッド)43を有している。これらの接続パッド43は、アクチュエータブロック29に設置された接合部21cの接続端子に電気的に接合される。
【0023】
図3図4図5に示すように、フレキシャ42の先端部は、ロードビーム38の先端部の上に位置し、弾性支持部として機能するジンバル部44を構成している。磁気ヘッド17は、ジンバル部44に載置および固定され、このジンバル部44を介してロードビーム38に支持されている。駆動素子としての一対の圧電素子50は、ジンバル部44に実装され、磁気ヘッド17の両サイドに配置されている。
【0024】
フレキシャ42は、ベースとなるステンレス等の金属薄板(ベース金属板)46と、金属薄板46上に貼付あるいは固定された帯状の積層部材(フレキシブルプリント配線基板:FPC)48と、を有し、細長い積層板をなしている。積層部材(FPC)48は、大部分が金属薄板46に固定されたベース絶縁層60と、ベース絶縁層60上に形成されて、複数の信号配線、駆動配線、複数の接続端子あるいは複数の接続パッドを構成する導電層(配線パターン)62と、導電層62を覆ってベース絶縁層60上に積層されたカバー絶縁層64と、を有している(図8参照)。一例では、ベース絶縁層60およびカバー絶縁層64は、ポリイミドで形成している。導電層62としては、例えば、銅箔を用い、この銅箔をパターニングすることにより複数の信号配線、駆動配線、接続端子、および接続パッドを形成している。
フレキシャ42の先端側部分42aでは、金属薄板46がロードビーム38およびベースプレート36の表面上に貼付され、あるいは、複数の溶接点にてスポット溶接されている。一例では、金属薄板46は、ロードビーム38の基端部に溶接された2つの溶接点B1と、ロードビーム38の先端部に溶接された1つの溶接点(第2溶接部)B2と、を有している。
【0025】
ジンバル部44において、金属薄板46は、先端側に位置するほぼ矩形状のタング部(支持部)44aと、タング部44aと空間を挟んで基端側に位置するほぼ矩形状の基端部44bと、それぞれ基端部44bとタング部44aとを連結しタング部44aを変位可能に支持している弾性変形可能な一対のアウトリガー44cと、一方のアウトリガー44cからタング部44aの先端側を回って他方のアウトリガー44cまで延びた連結フレーム44dと、連結フレーム44dから延出しタング部44aの先端部に対向したほぼ矩形状の固定パッド部(第2端部)44eと、を一体に有している。固定パッド部44eは、連結フレーム44dとタング部44aとの間に位置している。
基端部44bは、ロードビーム38の表面上に貼付され、溶接点B1でロードビーム38にスポット溶接されている。固定パッド部44eは、溶接点B2でロードビーム38の先端部にスポット溶接されている。溶接点B2は、サスペンション34の中心軸線C1上に位置している。
【0026】
図4に示すように、タング部44aは、磁気ヘッド17を載置可能な大きさおよび形状に形成され、例えば、ほぼ矩形状に形成されている。タング部44aは、その幅方向の中心軸線がサスペンション34の中心軸線C1と一致するように配置されている。タング部44aは、基端部44bの側に位置する後端部がアウトリガー44cに連結されている。タング部44aは、そのほぼ中心部が、ロードビーム38の先端部に突設されたディンプル(凸部)52に当接している。タング部44aは、一対のアウトリガー44cおよび連結フレーム44dが弾性変形することにより、ディンプル52を支点として種々の向きに変位可能である。これにより、タング部44aおよびタング部44aに搭載される磁気ヘッド17は、磁気ディスク18の表面変動に柔軟に追従してロール方向あるいはピッチ方向に変位し、磁気ディスク18の表面と磁気ヘッド17との間に微小隙間を維持することができる。
【0027】
図3図4図5に示すように、ジンバル部44において、フレキシャ42の積層部材48は、金属薄板46上に配置され、基端部44bからタング部44aの上まで延びている。すなわち、積層部材48は、基端部44bの上に貼付された基端部48aと、タング部44aに貼付された先端部48bと、基端部48aから先端部48bまで二股状に延びている一対の帯状のブリッジ部48cと、を有している。先端部48bは、磁気ヘッド17が搭載されるヘッド設置領域を構成している。
【0028】
先端部48bには、複数の接続端子54が幅方向Yに並んで設けられている。また、先端部48bには、圧電素子50を接続するための複数の接続パッド(電極パッド)55が設けられている。積層部材48は、接続端子54から先端部48bの両側縁部を回って基端部48a側に延びた複数本の信号配線W、および接続パッド55から基端部48a側に延びる複数本の駆動配線Wを有している。これらの信号配線Wおよび駆動配線Wは、積層部材48のほぼ全長に亘って延在し、接続端部42cの接続パッド43に繋がっている。
【0029】
図4に示すように、先端部48bの中央部、特に、配線Wが存在していない領域に略矩形状の透孔86が設けられている。タング部44aの中央部に略矩形状の透孔87が形成されている。透孔87は、透孔86とほぼ同一形状、同一寸法を有し、透孔86と対向して位置している。更に、ロードビーム38の先端部に略矩形状の透孔88が形成されている。透孔88は、透孔87とほぼ同一寸法あるいは透孔87よりも大きい寸法を有し、透孔86、87と対向して位置している。後述するように、透孔86、87、88にレーザー発振素子が挿通される。
【0030】
図6は、ヘッドサスペンションアッセンブリの先端部および磁気ヘッドを模式的に示す側面図である。図示のように、磁気ヘッド17は、ほぼ偏平な直方体形状のスライダ17aと、スライダ17aに設けられたヘッド部(記録素子(ライトヘッド)およびリード素子(リードヘッド)を含む)16と、を有している。スライダ17aは、磁気ディスク18の表面に対向する上面(ABS)17bと反対側の背面17cと、ロードビーム38の先端の側に位置する流出端17dと、ロードビーム38の基端部の側に位置する流入端17eと、を有している。磁気ヘッド17は、スライダ17aの背面17cが先端部48bに対向した状態で、先端部48bに重ねてタング部44aの上に載置され、接着剤によりタング部44aに固定されている。
【0031】
磁気ヘッド17は、ヘッドスライダ17aの流出端17dに設けられた複数の接続パッドPTを有している。これらの接続パッドPTは、磁気ヘッド17のヘッド部(記録素子、リード素子、ヒータ等)16に電気的に接続されている。後述するように、各接続パッドPTは、フレキシャ42の接続端子にハンダで接合される。
【0032】
磁気ヘッド17は、熱アシスト素子あるいはレーザー発振素子としての、半導体レーザー、つまり、レーザーダイオードユニット(LDU)70と、LDU70から発振されたレーザービームを磁気ディスク18に向けて導波する導波路72と、を更に備えている。導波路72は、スライダ17aの内に設けられている。LDU70は、スライダ17aの背面17bの上に設置されている。LDU70は、ジンバル部44の透孔86、88を通り、ロードビーム38の透孔88に挿通している。後述するように、LDU70の接続パッドは、フレキシャ42の接続端子にハンダで接合される。LDU70から発生するレーザービームは導波路72に入力され、この導波路72を通して磁気ディスク18に供給される。
【0033】
磁気ヘッド17とフレキシャ42との接合構造について説明する。図7は、ヘッドサスペンションアッセンブリ30におけるジンバル部44の接続端子、磁気ヘッドおよびLDUを示す平面図である。図8は、図7の線A-Aに沿ったヘッド接合部分の断面図である。
図7に示すように、磁気ヘッド17はタング部44aの上に設置され、LDU70は、透孔86,87に挿通されている。フレキシャ42の先端部48bに複数、例えば、13本の接続端子54が設けられている。これらの接続端子54は、幅方向Yに間隔を置いて、互いに平行に並んでいる。一例では、接続端子54は、ライトヘッド用の接続端子W+、W-、ヒータ用の接続端子Hw、Hr、接地用の接続端子GND、LDU用の接続端子LDU+、LDU-、リードヘッド用の接続端子R1+、R1-、R2+、R2-、HDIセンサ用の接続端子HDI+、HDI-を含んでいる。
なお、LDU用の接続端子LDU+、LDU-を第2接続端子、それ以外の接続端子を第1接続端子と称する場合がある。
【0034】
図7および図8に示すように、先端部48bにおいて、カバー絶縁層64に開口OP1が形成されている。複数の接続端子54は、開口OP1内に位置している。すなわち、複数の接続端子54の上面(接合面)は、カバー絶縁層64に覆われることなく、開口OP1内に露出している。接続端子54の下面(非接合面)は、ベース絶縁層60で覆われている。タング部44a上に実装された磁気ヘッド17の複数の接続パッドPTは、それぞれ対応する接続端子(LDU+、LDU-を除く)54の接合面にハンダH1により接合されている。これにより、磁気ヘッド17のヘッド部16は、フレキシャ42の配線に電気的に接続されている。
【0035】
LDU用の接続端子LDU+およびLDU-は、それぞれ開口OP1を越えて透孔86、87の側に、すなわち、LDU70の側に突出している。また、先端部48bの金属薄板46およびベース絶縁層60には、それぞれ透孔86、87に開口した矩形状の凹所R1、R2が形成されている。接続端子LDU+の延出端部は、凹所R1の内に位置している、すなわち、ベース絶縁層60から凹所R1内に突出している。これにより、接続端子LDU+の延出端部の上面および下面(接合面)は、凹所R1内に露出している。そして、LDU70の接続パッドPT2は、ハンダH2により接続端子LDU+の延出端部の下面(接合面)に接合されている。
【0036】
同様に、接続端子LDU-の延出端部は、凹所R2の内に位置している、すなわち、ベース絶縁層60から凹所R2内に突出している。これにより、接続端子LDU-の延出端部の上面および下面(接合面)は、凹所R2内に露出している。そして、LDU70の接続パッドPT3は、ハンダH3により接続端子LDU-の延出端部の下面(接合面)に接合されている。これにより、LDU70は、フレキシャ42の配線に電気的に接続されている。
【0037】
本実施形態によれば、接続端子LDU+、LDU-の強度を上げるため、補強用のカバー層72a、72bが設けられている。一例では、カバー層72a、72bは、ポリイミドを用いている。カバー層72aは、凹所R1より大きい寸法の矩形状を有している。カバー層72aは、タング部44aに重ねて形成され、接続端子LDU+の延出端部の上面(非接合面)および凹所R1を覆っている。カバー層72bは、凹所R2より大きい寸法の矩形状を有している。カバー層72bは、タング部44aに重ねて形成され、接続端子LDU-の延出端部の上面(非接合面)および凹所R2を覆っている。
カバー層72a、72bは、互いに独立したカバー層としても、互いに繋がっているカバー層としても、いずれでも良い。
なお、図8に示すように、本実施形態によれば、スライダ17aの流出端17dの側の端部は、カバー層72a、72bに当接している。これにより、カバー層72a、72bは、スライダ17aを支持する台座としても機能し、スライダ17aの傾きを防止する。
【0038】
図7に示したように、本実施形態では、幅方向Yにおいて、LDU用の接続端子LDU+、LDU-は、ライトヘッド用の接続端子W+、W-と、リードヘッド用の接続端子R1+、R1-、R2+、R2-との間に配置されている。その結果,接続端子の幅方向Yの並びは、図7において、右から,ライトヘッド用の接続端子W+、W-、ヒータ用の接続端子Hw、Hr、接地用の接続端子GND、LDU用の接続端子LDU+、LDU-、リードヘッド用の接続端子R1+、R1-、R2+、R2-、HDIセンサ用の接続端子HDI+、HDI-となる。
また、図5に示すように、本実施形態では、ライトヘッド用の配線101、ヒータ用の配線101はスライダ17aの右側を通って引き回されている。LDU用の配線102、リードヘッド用の配線102、HDIセンサ用の配線102は、スライダ17aの左側を取って引き回されている。すなわち、ライトヘッド用の配線101とヒータ用の配線101は、スライダ17aを介してLDU用の配線102、リードヘッド用の配線102、及びHDIセンサ用の配線102と対向して設けられている。
上記のような接続端子の配列、および配線101、102の引き回し構成とすることにより、配線101と配線102との間のクロストークを防止することができる。すなわち、ライトヘッド用の配線やヒータ用の配線に流れる電流は、LDU、リードヘッド、HDIセンサの配線に流れる電流よりも大きい。そのため、ライトヘッド用の配線からリードヘッド用の配線へのクロストーク、およびライトヘッド用の配線からHDIセンサ用の配線へのクロストークを対策する必要がある。本実施形態の構成とすることで、両者のクロストークを防止することができる。
【0039】
図4および図5に示したように、一対の圧電素子50は、例えば、矩形板状の圧電素子(PZT素子)を用いている。圧電素子50は、その長手方向(伸縮方向)が、サスペンション34の中心軸線C1と平行になるように配置されている。2つの圧電素子50は、磁気ヘッド17の幅方向Yの両側に配置され、互いに平行に並んで配置されている。各圧電素子50の長手方向の両端部は、先端部48bの接続パッド55に実装され電気的に接続されている。これにより、圧電素子50は、接続パッド55を介して積層部材48の駆動配線Wに接続されている。
【0040】
以上のように構成されたヘッドサスペンションアッセンブリおよびHDDによれば、LDU70が接合される接続端子の非接合面をカバー層72a、72bで覆うことにより、接続端子の強度を上げ、接続端子の折れ曲りおよび変形を未然に防止することが可能となる。そのため、ハンダ接合時に接続端子とLDUの接続パッドとの距離が安定し、接合の歩留まりが向上する。また、ハンダや接続端子にクラックが発生する可能性が低減し、HDDの耐衝撃性が向上する。更に、本実施形態に係るヘッドサスペンションアッセンブリは、LDUと接続端子との接合用に新たなフレキシャ製造プロセスを追加することなく、従来の製造プロセスで製造可能な構成である。そのため、コストダウンの効果がある。また、カバー層72a、72bはスライダの傾きを防止する台座として働き、スライダをジンバル部上に安定して搭載できるため、接合プロセスの安定化を図ることができる。
以上により、第1実施形態によれば、接続端子の強度を上げ、接合の信頼性向上を図ることが可能なヘッドサスペンションアッセンブリおよびこれを備えるディスク装置が得られる。
【0041】
次に、他の実施形態に係るHDDのヘッドサスペンションアッセンブリについて説明する。以下に述べる他の実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
【0042】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係るHDDにおいて、ヘッドサスペンションアッセンブリのジンバル部の接続端子、磁気ヘッドおよびLDUを模式的に示す平面図である。図10は、図9の線B-Bに沿ったヘッド接合部分の断面図である。
図示のように、第2実施形態によれば、ヘッド素子の接地用、接続端子GNDとLDU70の接地用、接続端子LDU-とを一体の接続端子としている。すなわち、接続端子LDU-は、接続端子GNDからLDU70の側に延出している。接続端子LDU-の延出端部は、凹所R2の内に位置している。接続端子LDU-の延出端部の上面(非接合面)および凹所R2は、カバー層72bで覆われている。
磁気ヘッド17の1つの接続パッドPTは、ハンダH1により接続端子GNDの上面(接合面)に接合されている。LDU70の接続パッドPT3は、ハンダH3により、接続端子LDU-の延出端部の下面(接合面)に接合されている。
第2実施形態において、ヘッドサスペンションアッセンブリの他の構成は、第1実施形態におけるヘッドサスペンションアッセンブリと同様である。
【0043】
上記構成の第2実施形態によれば、接地用の接続端子GND、LDU-を共用することにより、接続端子および配線の本数を減らすことができる。これにより、接続端子間の間隔を広げることができ、また、配線を減らすことでジンバル全体の剛性を低下させることができる。その他、第2実施形態においても、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係るHDDにおいて、ヘッドサスペンションアッセンブリのジンバル部の接続端子、磁気ヘッドおよびLDUを模式的に示す平面図である。図11は、図10の線C-Cに沿ったヘッド接合部分の断面図である。
図示のように、第3実施形態によれば、上述した第2実施形態と同様に、ヘッド素子の接地用、接続端子GNDとLDU70の接地用、接続端子LDU-とを一体の接続端子としている。磁気ヘッド17の1つの接続パッドPTは、ハンダにより接続端子GNDの上面(接合面)に接合されている。LDU70の接続パッドPT3は、ハンダにより、接続端子LDU-の延出端部の下面(接合面)に接合されている。
【0045】
更に、第3実施形態では、スライダ17aの流出端17dにダミーの接続パッドPT4が設けられている。接続パッドPT4は、ハンダH1により、接続端子LDU+のうち、開口OP1内に位置している部分の上面に接合されている。LDU70の接続パッドPT2は、ハンダH3により、接続端子LDU+の延出端部の下面(接合面)に接合されている。第3実施形態において、ヘッドサスペンションアッセンブリの他の構成は、第1実施形態におけるヘッドサスペンションアッセンブリと同様である。
【0046】
上記構成の第3実施形態によれば、接続端子LDU+のヘッド側の上面とダミー接続パッドとをハンダで接合することにより、全ての接続端子54のヘッド側の接合状態を均一にすることができる。そのため、特定の接続端子に応力集中することがなく、接合部の信頼性を長期に亘って維持することができる。その他、第3実施形態においても、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0048】
例えば、フレキシャの先端部に設けられる接続端子の数および配列は、上述した実施形態に限定されることなく、適宜変更可能である。カバー層の形状、材料は、上述した実施形態に限定されることなく、適宜変更可能である。上述した実施形態においては、カバー層は、接続端子の非接合面の全体を覆っているが、これに限らず、カバー層は、少なくとも一部を覆う構成としても良い。非接合面の一部を覆う場合でも、接続端子の強度向上効果を得ることができる。
ヘッドサスペンションアッセンブリを構成する要素の材料、形状、寸法等は、上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて種々変更可能である。ディスク装置において、磁気ディスクは4枚に限らず、3枚以下あるいは6枚以上としてもよく、ヘッドサスペンションアッセンブリの数および磁気ヘッドの数も磁気ディスクの設置枚数に応じて増減すればよい。
【符号の説明】
【0049】
10…筐体、17…磁気ヘッド、17a…ヘッドスライダ、17d…流出端、
17e…流入端、17c…背面、18…磁気ディスク、19…スピンドルモータ、
22…アクチュエータアッセンブリ、30…ヘッドサスペンションアッセンブリ、
36…ベースプレート、38…ロードビーム、42…フレキシャ(配線部材)、
44…ジンバル部、44a…タング部、48…積層部材(FPC)、48b…先端部、50…圧電素子、54…接続端子、60…ベース絶縁層、62…導電層、
64…カバー絶縁層、70…レーザーダイオードユニット(LDU)、
72a、72b…カバー層、86、87、88…透孔、PT…接続パッド、
H1、H3、H4…ハンダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12