(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137155
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】多加水パン類製造用ゲル状組成物及び多加水パン類の製造方法
(51)【国際特許分類】
A21D 2/18 20060101AFI20240927BHJP
A21D 2/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A21D2/18
A21D2/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048559
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000188227
【氏名又は名称】松谷化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】辻本 直樹
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB01
4B032DG02
4B032DK03
4B032DK12
4B032DK15
4B032DK18
4B032DK43
4B032DK54
4B032DP08
4B032DP23
4B032DP33
4B032DP40
4B032DP80
(57)【要約】
【課題】多加水パン類は、生地の加水量を増やすことによりしっとり感やソフト感を向上させているが、それにより生地にべたつきが生じ、作業性が悪化したり、腰折れの発生など外観に影響を及ぼすことが問題となっている。本発明の目的は製造時のパン生地の作業性や焼成後のパンの外観を損なうことなく、多加水パン類を製造する方法及びそれに用いるゲル状組成物を提供することにある。
【解決手段】冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を調製しておき、穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏することによって、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部となるように調整することにより、パン生地の作業性や焼成後のパンの外観を損なうことなく、多加水パン類を製造することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(1)冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を予め調製しておき、
(2)穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏する、
多加水パン類の製造方法。
【請求項2】
パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(3)穀粉原料100質量部に対して60~70質量部の水をパン生地に配合する工程をさらに含む、請求項1記載の多加水パン類の製造方法。
【請求項3】
冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【請求項4】
冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部である多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【請求項5】
α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である、請求項3又は4に記載の多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多加水パン類を製造するためのゲル状組成物及びそれを用いた多加水パン類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パンに求められる食感は種々あるが、近年「しっとり感」や「ソフト感」を向上させたパンが好まれる傾向があり、「多加水パン」が注目されている。一般的なパン生地は、小麦粉100質量部に対して水を45~70質量部程度加えて製造されるが、多加水パンは、生地の加水量をその20~30%以上増やすことにより一般的なパンよりしっとり感やソフト感を向上させている。しかし、パン生地原料としての水を増やし、一般的なパン類の製法で製造すると、生地のべたつきや生地荒れ、焼成後の腰折れの発生やボリュームの低下などの問題が生じる。
【0003】
そこで、そのような問題を回避できる多加水パン類の製法として、湯種法やバシナージュ法がある。しかし、湯種法は、熱水を小麦粉に添加して混捏するため、熱により小麦粉中のグルテンが変性し、パン生地の伸展性が悪くなって焼成後のパンのボリュームが低下する。また、バシナージュ法(加水法、足し水法)は、パン生地のミキシング工程の後半にさらに水を加える方法であるが、得られる生地は非常にやわらかく流動性が高いため、機械での成形は困難であり、手作業での成形にも熟練の技術を要する。
【0004】
その他にも、吸水性の高い素材を生地に添加する多加水パン類の製法がいくつか提案されており、例えば、生地原料中に粉体の状態でα化澱粉及びエンド型アミラーゼを配合する方法(特許文献1)や、α化澱粉、部分α化穀粉及び未糊化の穀粉の3成分を1~2.5倍の水に混合・分散し、製パン原料に配合する方法(特許文献2)が提案されている。さらに、特定の物性を有する高含水寒天ゲルをパン生地に添加する方法(特許文献3)や、こんにゃく粉と澱粉と水をアルカリ性凝固剤によりゼリー状固体に成形した有形水をパン生地に添加する方法(特許文献4)などが開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1に開示される、生地原料中に粉体の状態でα化澱粉のみを添加する方法は、生地の作業性が悪く、好ましいものではない。また、特許文献2に開示される多成分の使用や、特許文献3及び4に開示されるゲルの作製に要する加熱工程などは、煩雑であって簡便とはいいにくい。そのため、より簡便に多加水パンを製造することができる方法が依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-37867号公報
【特許文献2】特開2015-70807号公報
【特許文献3】特開2011-200140号公報
【特許文献4】特開2006-320207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、パン生地の作業性が良好で、かつ焼成後の外観に優れた多加水パン類の製造方法、及びその多加水パン類製造用のゲル状組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を調製しておき、穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏することによって、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部となるように調整すれば、多加水パン類の製造における上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下の[1]~[5]から構成される。
[1]パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(1)冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を予め調製しておき、
(2)穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏する、
多加水パン類の製造方法。
[2]パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(3)穀粉原料100質量部に対して60~70質量部の水をパン生地に配合する工程をさらに含む、上記[1]に記載の多加水パン類の製造方法。
[3]冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、多加水パン類製造用のゲル状組成物。
[4]冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部である多加水パン類製造用のゲル状組成物。
[5]α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である、上記[3]又は[4]に記載の多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明品及び本発明の製造方法によれば、パン生地に対する加水量を増やしても生地の作業性を損なうことなく、焼成後の外観に優れた多加水パン類を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】多加水食パン製造時の生地の作業性及びパンの外観の評価基準を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に説明される「多加水パン類」、「パン類」、「パン類生地」、「パン類生地原料」などは、便宜上、単に「多加水パン」、「パン」、「パン生地」、「パン生地原料」などということもある。
【0013】
本発明にいう「多加水パン類」とは、小麦粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して水を90~120質量部含む生地を焼成してなるパン類をいう。通常のパン類生地が穀粉原料100質量部に対して水を45~70質量部含むところ、多加水パンは加水量が多いため、しっとりとしてソフトであることが特長である。多加水パン類としては、例えば、食パン、コッペパン、バンズ、ベーグル、ロールパン、フランスパン、菓子パン、クロワッサン、中華饅頭、イーストドーナツ、ピザなどが挙げられる。これら多加水パン類の製造に使用される穀粉原料は、先述のとおり小麦粉が主体であるが、米粉、コーンフラワー、タピオカ粉、馬鈴薯粉、甘藷粉、そば粉、大豆粉、ライ麦粉、大麦粉、あわ粉、ひえ粉、澱粉などを含んでもよく、ここにいう澱粉には、一般的な未加工澱粉のほか、加工された澱粉、α化澱粉(但し、後述のゲル状組成物を構成するα化澱粉を除く)が含まれる。
【0014】
本発明の多加水パン類の製造方法は、ゲル状組成物を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏する工程を有することを特徴とする。これは、ゲル状組成物を油脂原料の添加前にパン生地と混捏すると、著しくべたつきが生じて作業性が悪くなるためであって、それ以外の工程についてはとくに限定はなく、ストレート法、中種法、液種法など一般的に用いられるパン類の製造工程を採用することができる。
【0015】
ここで、本発明の多加水パンの製造に用いられる「ゲル状組成物」は、α化澱粉と水とを含むものであって、その「α化澱粉」は、冷水膨潤度が30未満であることを特徴とし、好ましくは25以下のα化澱粉である。なお、「冷水膨潤度」は、澱粉試料2.0g(固形分換算)を水50mlに均一に分散した懸濁液を100mlメスシリンダーに入れて水で100mlに調整し、24時間静置後の白濁層の容量(ml)の値である。この「α化澱粉」の調製手段に限定はなく、少なくとも一部が冷水可溶となるような糊化乾燥方法、例えば、スプレードライ、ドラムドライ、押出造粒が採用される。また、使用する原料澱粉に制限はなく、コーン澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、エンドウ豆澱粉、これらの糯種の澱粉などを用いることができる。もっとも、本発明の効果を効率的に得る観点から、馬鈴薯澱粉、糯種馬鈴薯澱粉などを選択するのがよく、馬鈴薯澱粉を選択することがより好ましい。また、必要に応じて、原料澱粉を予め常法に従いヒドロキシプロピル化、アセチル化、架橋、酸化及び酸浸漬から選ばれる1種以上の加工処理を施してもよく、本発明で使用するα化加工澱粉は、好ましくはα化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。
【0016】
上記の「ゲル状組成物」を調製するために用いられる「水」は、好ましくは水道水、精製水、ミネラルウォーターなどの一般的な水であるが、本発明においては便宜上、牛乳、豆乳、ココナッツミルク、果汁などのパン類の製造に使用される液体原料をも含み、後述する「最終総加水量」に計上される。
【0017】
本発明の多加水パン類の製造方法に用いられる上述の「ゲル状組成物」は、α化澱粉と水を混合・撹拌することにより調製されるが、両者の混合比は、α化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部であることが好ましく、4~4.5質量部であることがより好ましい。本発明のゲル状組成物の調製には加熱工程を必要としないため、寒天やこんにゃく粉などを使用した場合と比較して、簡便に調製できる点で有利である。
【0018】
また、本発明の多加水パン類の製造方法は、パン生地の加水量を調整する工程、具体的には、ゲル状組成物中の水の量と、パン類生地に配合する水(以下、「生地配合水」や「配合水」という。)の量の合計(以下、「総加水量」や「最終総加水量」という。)が、穀粉原料100質量部に対して90~120質量部となるように、ゲル状組成物の添加量及び生地配合水の量を適宜調整されるものである。当該ゲル状組成物の添加量については、穀粉原料100質量部に対し、好ましくは30~67.5質量部であり、より好ましくは30~55質量部である。
一方、「生地配合水」は、ゲル状組成物の調製に用いられる前記「水」以外の生地に配合される水であって、その内容は、ゲル状組成物の調製に用いられる前記「水」と同様であるが、生地中のグルテン形成のための好ましい配合量が存在し、好ましくは穀粉原料100質量部に対して60~70質量部より好ましくは63~69質量部である。
【0019】
また、上記の「油脂原料」はとくに限定されず、例えば、バター、マーガリン、ショートニング、粉末油脂、乳化油脂などが挙げられ、その他に副原料として、食塩、砂糖などの糖質、卵、乳化剤、乳製品、香辛料、ナッツ類、ドライフルーツ、生地改良剤(例えば、無機塩類、酸化剤、還元剤、界面活性剤などを配合した剤)、αアミラーゼなどの酵素、香料などを用いることができる。
【0020】
以下、実施例を提示して本発明を詳細かつ具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り、「部」は質量部を、「%」は質量%を示す。
【実施例0021】
(使用したα化澱粉)
以降の試験検討に使用したα化澱粉を表1に示す。これらのα化澱粉は全て松谷化学工業株式会社製である。なお、表中の冷水膨潤度は、α化澱粉試料2.0g(固形分換算)を水50mlに均一に分散した懸濁液を100mlメスシリンダーに入れて水で100mlに調整し、24時間静置後の白濁層の容量(ml)の値である。
【0022】
【0023】
<試験1:α化澱粉の添加方法の検討>
表2に示す配合及び工程に従って、穀粉原料100質量部に対して総加水量が120質量部(以降、これを「総加水量120%」ともいう。)である多加水食パンを作製した。各多加水食パン製造時の生地の作業性及び焼成後のパンの外観を
図1に示す基準に従い評価した。結果を表2の下方にあわせて示す。
【0024】
【0025】
一般的な食パンの配合及び工程を用いて総加水量が120%の多加水食パンを作製した場合、配合水の一部が生地に吸水されず分離し、生地がまとまらずに崩壊した(対照)。一方、α化澱粉を用いた場合はいずれの添加方法でも多加水食パンを製造することが可能であった。しかし、α化澱粉を粉体のまま添加した場合は生地の作業性が悪く、焼成後のパンは著しく腰折れした(比較例1)。また、α化澱粉をゲル状組成物としてパン生地と混捏した場合、本捏開始時に添加すると、焼成後のパンの外観は良好だが、製造時は生地が非常にべたついて作業性が悪かった(比較例2)。一方、ゲル状組成物を本捏工程終了前に油脂と同時に(実施例1)、又は油脂の添加後に生地と混捏した場合(実施例2)は、生地の作業性が良好であり、焼成後の食パンの外観も良好であった。
【0026】
<試験2:α化澱粉の種類の検討>
α化澱粉1~12を用いて表3に示す割合でα化澱粉と水を混合・撹拌し、ゲル状組成物を調製した。パン生地に配合して多加水食パン(総加水量120%)を作製した。ゲル状組成物については生地と混捏する前に以下の基準に従ってその性状を評価し、混捏後の生地の作業性及び焼成後の食パンの外観については、試験1と同様の方法で評価を行った。なお、実施例5及び比較例5、6については、実施例2と同様の配合及び工程で、それ以外については、実施例1と同様の配合及び工程で多加水食パンを作製した。
【0027】
(ゲル状組成物の性状評価)
(べたつき)
1:べたつきが強い
2:べたつきが弱い
3:べたつきがない
(曳糸性)
1:曳糸性が強い
2:曳糸性がやや強い
3:曳糸性が弱い
(かたさ)
1:かたい
2:ややかたい
3:やわらかい
【0028】
【0029】
冷水膨潤度が30未満のα化澱粉を使用したゲル状組成物を生地に混捏した場合、生地の作業性及びパンの外観ともに良好な多加水食パンが得られた(実施例1、3~5)。一方、冷水膨潤度が30以上のα化澱粉を使用したゲル状組成物を生地に混捏した場合、なじまなかったりべたついたりしてミキシングできず、製パンできなかった(比較例4~6、8~10)。また、辛うじて製パンできた場合でも、得られた食パンに著しい腰折れが発生し、パンの外観は悪かった(比較例3、7)。
【0030】
<試験3:ゲル状組成物の検討>
表4に示す割合でα化澱粉1と水を混合・撹拌し、ゲル状組成物を調製した。得られたゲル状組成物について、試験2と同様の方法でその性状を評価した。試験2の結果をふまえて、ゲル状組成物の評価結果において、「1」がひとつ以上あった比較例11及び13については製パン試験を実施せず(「-」表示)、それ以外については、実施例1と同様の配合及び工程により多加水食パン(総加水量120%)を作製し、生地の作業性及びパンの外観の評価を行った。
【0031】
【0032】
実施例6及び7のゲル状組成物は良好な物性を示し、これらを配合した生地の作業性及びパンの外観も良好であった。一方、比較例12では、ゲル状組成物の物性は比較的良好であったが、製造時の作業性が悪く、得られた食パンは窯のびがほとんどみられず、生地が固くしまった状態となり、焼成後の食パンの外観が悪かった。実施例8では、ゲル組成物はややべたついていたが、製造時の生地の作業性及び得られた食パンの外観は良好であった。
【0033】
<試験4:総加水量の検討>
強力粉100質量部に対する総加水量が以下の表5に示す量となるように、実施例6のゲル状組成物の添加量を調整し、実施例1と同様の配合及び工程で多加水食パンを作製した。生地の作業性と得られた多加水食パンの外観について評価を行った。
【0034】
【0035】
強力粉100質量部に対してゲル状組成物の添加量を30~67.5質量部とし、最終総加水量が90~120質量部の場合は、生地の作業性及びパンの外観ともに良好な食パンが得られた(実施例9~12)。一方、ゲル状組成物の添加量を80部以上とし、総加水量が130質量部以上になると、窯のびがほとんどみられず、著しい腰折れが発生し、焼成後のパンの外観が悪くなった(比較例14~17)。