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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137162
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】スクイズ吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20240927BHJP
   B65D 47/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B65D47/06 200
B65D47/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048573
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相川 知美
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084EB02
3E084FA09
3E084FB01
3E084HB02
3E084HD03
3E084KB05
3E084LA15
3E084LB02
3E084LC06
3E084LD01
3E084LD25
(57)【要約】
【課題】ノズルヘッド部の回転による開閉機構を備え且つ容器本体からキャップ部材が着脱可能でありながら、内容液を吐出する際の操作性に優れる、スクイズ吐出容器を提供すること。
【解決手段】スクイズ吐出容器1は、口首部14及び胴部11を備える容器本体10と、口首部に着脱可能に螺着されるキャップ部材5と、該キャップ部材5に回転可能に装着された吐出本体部2とを含んで構成される。キャップ部材5は、装着円筒部54と、該装着円筒部54の端縁部から拡経した状態で延設する、拡径スカート部55とを有している。スクイズ吐出容器1は、吐出本体部2の操作円筒部27を把持した回転操作によって、開状態と閉状態との切替えが行われるようになっていると共に、拡径スカート部55を把持した回転操作によって、キャップ部材5及び吐出本体部2の容器本体10への着脱が行われるようになっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に内容液が収容される、口首部及び可撓性を有する胴部を備える容器本体と、該口首部に着脱可能に螺着されるキャップ部材と、該キャップ部材に回転可能に装着されて、回転操作により内容液を吐出させる開状態と内容液の吐出を遮断する閉状態とを切替え可能な、ノズルヘッド部が設けられた吐出本体部とを含んで構成されるスクイズ吐出容器であって、
前記キャップ部材は、前記口首部に螺着される装着円筒部の内周面に、前記口首部の外周面に設けられた雄ネジ突条と螺合する雌ネジ突条が形成されていると共に、前記装着円筒部の外周面に、前記吐出本体部の回転操作を案内する案内雄ネジ突条が形成されており、且つ前記装着円筒部の端縁部から天面部とは反対側に拡径した状態で延設する、拡径スカート部を有しており、
前記吐出本体部は、吐出流路の開閉機構を、前記キャップ部材の前記天面部に形成された天面開口を介して前記キャップ部材の内側に配置すると共に、前記装着円筒部の前記案内雄ネジ突条と螺合する、案内雌ネジ突条を内周面に備える操作円筒部を、前記キャップ部材の前記装着円筒部の外周部に重ねて装着することによって、前記ノズルヘッド部を前記キャップ部材の外方に配置した状態で、前記キャップ部材に取り付けられており、
前記吐出本体部の前記操作円筒部を把持した回転操作によって、前記開状態と前記閉状態との切替えが行われるようになっていると共に、前記キャップ部材の前記拡径スカート部を把持した回転操作によって、前記キャップ部材及び前記吐出本体部の前記容器本体への着脱が行われるようになっている、スクイズ吐出容器。
【請求項2】
前記キャップ部材の前記拡径スカート部を把持した回転操作の回転トルクが、前記吐出本体部の前記操作円筒部を把持した回転操作の回転トルクよりも、大きくなっている、請求項1記載のスクイズ吐出容器。
【請求項3】
前記吐出本体部の前記操作円筒部を把持した回転操作による、前記開状態と前記閉状態との切替えは、90°の回転操作によって行われるようになっている、請求項1又は2記載のスクイズ吐出容器。
【請求項4】
前記容器本体の天面部が楕円形の平面視形状を有しており、
前記拡径スカート部が楕円形の水平断面形状を有している、請求項1~3のいずれか1項記載のスクイズ吐出容器。
【請求項5】
前記口首部の基部には、前記拡径スカート部の回転を規制する位置決めストッパーが形成されており、
前記拡径スカート部の内部に、前記位置決めストッパーと当接する内側突出片が形成されている、請求項4に記載のスクイズ吐出容器。
【請求項6】
前記吐出本体部は、内容液を空気と混合して、発泡させた状態で前記ノズルヘッド部から吐出させる、発泡機構を備えている、請求項1~5のいずれか1項記載のスクイズ吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクイズ吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧搾(スクイズ)可能な容器本体と、該容器本体の口首部に取り付けられるキャップ部材と、該キャップ部材に装着されるノズルヘッド部が設けられた吐出本体部とを備えており、該ノズルヘッド部から内容液を泡として吐出させるスクイズ吐出容器が知られている。このスクイズ容器は、吐出本体部内の内容液の流路が泡生成部材に通じており、容器本体を圧搾することによって該流路内で内容液と空気とを混合させ、これを泡生成部材に通過させることで該内容液を発泡させる。
【0003】
スクイズ吐出容器として、ノズルヘッド部を回転操作することで、内容液を吐出させる吐出流路が開閉可能なものが提案されている。
例えば特許文献1には、内容液を送出する流通口を有する装着キャップと、開閉蓋部とノズルとを有し且つ該開閉蓋部が該流通口を開閉する閉位置及び開位置との間で回動可能なノズルヘッドと、内容液の収容空間を混合室に連ねる空気導入孔及び液導入孔を有する区画部材とを備えており、前記装着キャップにおける前記流通口に連通しない空気通過孔が、前記閉位置では前記ノズルヘッドにより閉塞され、前記開位置では開放されて収容空間と外部とを連通させる、泡噴出容器が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ノズルヘッドが開位置のときには装着キャップの内面に当接して戻し流路を閉塞し、且つ該ノズルヘッドが閉位置のときには内面から離れるシール膜部を有する逆止弁を備えており、前記装着キャップの雄ねじ部に係合する雌ねじ部は、前記開位置のときに該雌ねじ部のねじ山を挟んで位置する一対のねじ山の側面における少なくとも一方の側面から膨出する膨出部を有する、泡噴出容器が開示されている。
【0005】
特許文献3には、装着キャップと、該キャップ内部の流通口を開放可能に閉塞する開閉蓋部及び該流通口に連通するノズルを有しており、前記装着キャップに容器軸方向に移動可能に装着されたノズルヘッドと、区画部材とを備え、前記装着キャップの内面と該区画部材の外面との間に流通口と容器本体内とを連通する導入流路が形成されており、前記区画部材には、その内側が導入流路の一部を形成する囲繞筒部と、該囲繞筒部の内側を開放可能に閉塞する逆止弁とが固定され、ノズルヘッドが開位置のときに、装着キャップが有する嵌合筒部が前記囲繞筒部に密に嵌合する、泡噴出容器が開示されている。
【0006】
特許文献4には、閉位置と開位置との間でノズルヘッドが回動可能になっており、該ノズルヘッドを閉位置にしたとき、該ノズルヘッドが具備する開閉蓋部が装着キャップ内の流通筒部に嵌合して流通口を閉塞し、前記ノズルヘッドを開位置としたとき、前記開閉蓋部が上方に離れて該流通口を開放するようになっている、泡噴出容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-141418号公報
【特許文献2】特開2017-065764号公報
【特許文献3】特開2018-002244号公報
【特許文献4】特開2018-177281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~4に記載のノズルヘッド部の回転による開閉機構は、容器本体に装着されるキャップ部材(装着キャップ)に対する回転によるものである。特許文献1~4に記載のキャップ部材は、容器本体の口首部に脱着不能に固定されている。一方で、環境負荷の低減の観点から、容器本体に内容液を詰替え可能であることが求められている。斯かる形態として、容器本体からキャップ部材が着脱可能な形態が挙げられるが、特許文献1~4に記載のスクイズ吐出容器はそのような形態を採用するものではない。また、これら特許文献には、ノズルヘッド部の回転による開閉機構を備え且つ容器本体からキャップ部材が着脱可能である場合に、内容液を吐出する際の操作性について何ら検討されていない。
【0009】
本発明は、ノズルヘッド部の回転による開閉機構を備え且つ容器本体からキャップ部材を着脱可能でありながら、内容液を吐出する際の操作性に優れる、スクイズ吐出容器を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、内部に内容液が収容される、口首部及び可撓性を有する胴部を備える容器本体と、該口首部に着脱可能に螺着されるキャップ部材と、該キャップ部材に回転可能に装着されて、回転操作により内容液を吐出させる開状態と内容液の吐出を遮断する閉状態とを切替え可能な、ノズルヘッド部が設けられた吐出本体部とを含んで構成されるスクイズ吐出容器に関する。
一実施形態として、前記キャップ部材は、前記口首部に螺着される装着円筒部の内周面に、前記口首部の外周面に設けられた雄ネジ突条と螺合する雌ネジ突条が形成されていると共に、前記装着円筒部の外周面に、前記吐出本体部の回転操作を案内する案内雄ネジ突条が形成されており、且つ前記装着円筒部の端縁部から天面部とは反対側に拡径した状態で延設する、拡径スカート部を有していることが好ましい。
一実施形態として、前記吐出本体部は、吐出流路の開閉機構を、前記キャップ部材の前記天面部に形成された天面開口を介して前記キャップ部材の内側に配置すると共に、前記装着円筒部の前記案内雄ネジ突条と螺合する、案内雌ネジ突条を内周面に備える操作円筒部を、前記キャップ部材の前記装着円筒部の外周部に重ねて装着することによって、前記ノズルヘッド部を前記キャップ部材の外方に配置した状態で、前記キャップ部材に取り付けられていることが好ましい。
一実施形態として、前記吐出本体部の前記操作円筒部を把持した回転操作によって、前記開状態と前記閉状態との切替えが行われるようになっていると共に、前記キャップ部材の前記拡径スカート部を把持した回転操作によって、前記キャップ部材及び前記吐出本体部の前記容器本体への着脱が行われるようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスクイズ吐出容器によれば、ノズルヘッド部の回転による開閉機構を備え且つ容器本体からキャップ部材が着脱可能でありながら、内容液を吐出する際の操作性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に係るスクイズ吐出容器の一実施形態を示す正面図である。
図2図2は、図1に示すスクイズ吐出容器の高さ方向に沿う断面図である。
図3図3は、図1に示すスクイズ吐出容器の分解断面図である。
図4図4は、図1に示すノズルヘッド部が閉状態であるときの該ノズルヘッド部、キャップ部材及び口首部の高さ方向に沿う断面図である。
図5図5は、図1に示すノズルヘッド部が開状態であるときの該ノズルヘッド部、キャップ部材及び口首部の高さ方向に沿う断面図である。
図6図6は、図1に示す容器本体の正面図である。
図7図7は、図6に示す容器本体の口首部近傍を示す斜視図である。
図8図8は、図2に示すキャップ部材を下方から視た底面図である。
図9図9は、図2に示すキャップ部材の幅方向に沿う断面図である。
図10図10は、本発明に係るスクイズ吐出容器の別の実施形態であって、ノズルヘッド部近傍を示す正面図である。
図11図11は、本発明に係るスクイズ吐出容器の別の実施形態であって、アタッチメントを備えたノズルヘッド部近傍を示す一部破断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1図9には、本発明のスクイズ吐出容器の一実施形態が示されている。本実施形態のスクイズ吐出容器1(以下、単に「容器1」ともいう。)は、内部に内容液が収容される容器本体10と、該内容液を発泡させ外部に吐出させる吐出本体部2と、該容器本体10の口首部14に装着されるキャップ部材5とを含んで構成されている。
本実施形態の容器1は、容器本体10が可撓性を有しており、手等で該容器本体10を押圧することによって、吐出本体部2に設けられたノズルヘッド部20のノズル部22から内容液を泡として吐出させるものである。
【0014】
本実施形態の容器1が収容する内容液としては、例えば液体石鹸等の洗浄剤、活性剤を付加することで泡状にすることが可能な手指消毒液、整髪剤、固定剤、育毛剤等の頭髪用化粧料、化粧水、乳液、美容液等の肌用化粧料、シェービングフォーム、食器用洗剤等が挙げられる。
【0015】
本明細書において、「上」、「上方」又は「上側」は、容器本体10の底部16を水平面に接地させて自立させた状態における鉛直方向の上方(上側)に向かう方向であり、「下」、「下方」又は「下側」は、前記自立させた状態における鉛直方向の下方(下側)に向かう方向である。斯かる自立させた状態において、容器1の高さ方向Zは、鉛直方向と一致する。
本明細書における容器1の説明は、特に断らない限り、該容器1を自立させた状態の説明である。
【0016】
本実施形態の容器本体10は、筒状の胴部11と、該胴部11の上方の開口を閉塞する天面部13と、該胴部11の下方の開口を閉塞する底部16と、該天面部13から上方に突出する口首部14とを有している。胴部11の中心軸方向は、容器1の高さ方向Zと一致しており、底部16と天面部13とが高さ方向Zに対向配置されている。この容器本体10は、内容液を収容する収容空間Sを内部に有している(図2参照)。口首部14は、筒状の形状を有し、胴部11よりも水平断面の面積が小さい。口首部14の内部空間は、胴部11内の収容空間Sと連通している。
【0017】
本実施形態の容器本体10は、可撓性を有するボトル形状を有している。この容器本体10は、合成樹脂製のブロー成形品であり、胴部11を水平方向に押圧変形(スクイズ変形)可能である。
胴部11の押圧変形性をより確実に得る観点から、容器本体10の形成材料は、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂を単独又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
【0018】
本実施形態の胴部11は、楕円形の水平断面形状を有している。これに加え、容器本体10の天面部13も楕円形の平面視形状を有している。本実施形態の容器1は、胴部11の水平断面(楕円)の長軸方向に沿う幅方向Xを有しており(図1図4参照)、該水平断面(楕円)の短軸方向に沿う奥行方向Yを有している(図7参照)。
本実施形態の容器1を奥行方向Yから視て正面視したとき、胴部11は、幅方向Xの両側縁(稜線)が曲線状となった輪郭を有している(図1参照)。この胴部11は、前記両側縁の高さ方向Zの中央部分が該幅方向X内方に括れた括れ部11aを有し、該括れ部11aよりも上方の部分及び下方の部分それぞれが、該括れ部11aよりも幅方向X外方に張り出した形状を有している。すなわち、胴部11は高さ方向Zにおいて水平断面積が異なっており、括れ部11aにおける水平断面積が最も小さくなっている。
【0019】
本実施形態の口首部14は、容器本体10の天面部13に設けられている。本実施形態の容器本体10は、天面部13における口首部14の幅方向X両側それぞれに、一対の段差部13aを有している(図7参照)。段差部13aは、天面部13における該段差部13a以外の他の部分よりも一段高くなった部分であり、平面視において略三日月状の形状を有している。
口首部14の外周面には、雄ネジ突条14aが形成されており(図6及び図7参照)、該雄ネジ突条14aに螺合させることで、後述するキャップ部材5が口首部14に着脱可能に螺着される。すなわち、容器本体10の口首部14からキャップ部材5を取り外し可能になされている。本実施形態の雄ネジ突条14aと、後述する雌ネジ突条54bとは一条ネジとなっている。
また口首部14の内部には、後述する吐出本体部2のシリンダ部3が内挿されている(図2参照)。
【0020】
本実施形態のキャップ部材5は、容器本体10の口首部14に螺着する部材であり、且つ後述する吐出本体部2が装着される部材である。換言すると、吐出本体部2は、キャップ部材5を介して口首部14に取り付けられる。
キャップ部材5は、高さ方向Zに貫通する空間を内部に有する筒状体であり、上方において開口51aを有する天面部51(以下、「キャップ天面部51」ともいう。)と、口首部14に螺着される装着円筒部54と、該装着円筒部54の端縁部から下方に延出する拡径スカート部55とを有している(図3参照)。
装着円筒部54は、高さ方向Zにおいてキャップ天面部51と拡径スカート部55との間に位置し、該装着円筒部54の下方に拡径スカート部55が位置している(図4参照)。
【0021】
本実施形態のキャップ部材5は、装着円筒部54よりも上方に位置し、且つキャップ天面部51における開口51a(以下、「天面開口51a」ともいう。)を形成する開口筒部52と、該開口筒部52と同心状に配されたヘッド装着筒部53とを有している(図3参照)。ヘッド装着筒部53は、装着円筒部54の上端部から段差を介して上方に突出している。すなわちヘッド装着筒部53は、装着円筒部54の上端部に連設されている。開口筒部52は、ヘッド装着筒部53の径方向内方に位置し、該開口筒部52の下端部がヘッド装着筒部53の内周面に連設されている。開口筒部52とヘッド装着筒部53との間には溝が形成されており、該溝には後述するノズルヘッド部20の下向き筒部24が挿入される。
【0022】
装着円筒部54は、内周面に雌ネジ突条54bが形成されており(図3及び図9参照)、該雌ネジ突条54bが口首部14の外周面に設けられた雄ネジ突条14aと螺合する。 また装着円筒部54は、外周面に案内雄ネジ突条54aが形成されている。この案内雄ネジ突条54aは、キャップ部材5に装着された吐出本体部2(ノズルヘッド部20)を容器1の中心軸周りに回転させる際の回転操作を案内する。
【0023】
本実施形態の拡径スカート部55は、装着円筒部54の下方の端縁部と、膨出部57を介して連設されており、該端縁部から、キャップ天面部51とは反対側(下方)に向かって拡径している。膨出部57は、装着円筒部54の下端部から径方向外方に張り出した部分であり、該膨出部57の下方縁部に拡径スカート部55が延設されている。これに代えて拡径スカート部55は、装着円筒部54の下方の端縁部に直接連設されていてもよい。
【0024】
本実施形態の拡径スカート部55は、下方に向かって水平断面が漸次拡大している。この拡径スカート部55は楕円形の水平断面形状を有しており、該拡径スカート部55の下端縁部の周縁形状も、容器本体10の天面部13の周縁形状と同様に、楕円形状である。
本実施形態の容器1では、平面視において、拡径スカート部55の下端縁部の周縁(輪郭)と、容器本体10の天面部13の周縁(輪郭)とを一致させた状態で、キャップ部材5が口首部14に螺着される。すなわち拡径スカート部55の下端縁部により形成される楕円形の長軸方向と、天面部13の周縁によって形成される楕円形の長軸方向とを一致させた状態となる。この状態において、拡径スカート部55の下端縁部は、容器本体10の天面部13と当接してもよく、当接していなくともよい。
【0025】
本実施形態のキャップ部材5は、装着円筒部54の下端周縁の一部から下方に延びる内側突出片56を有している(図3及び図9参照)。内側突出片56は、膨出部57及び拡径スカート部55よりも径方向内方に形成されている。キャップ部材5が口首部14に螺着された状態において内側突出片56は、下端が口首部14の基部を形成する基部段差部15の上面に配され、高さ方向Zにおける装着円筒部54と基部段差部15との間で、口首部14の径方向外側に配される。口首部14の基部は、該口首部14の天面部13側の根本部分である。
本実施形態のキャップ部材5は、径方向に対向する位置に一対の内側突出片56を有している。具体的にはキャップ部材5は、下端縁部が楕円形状である拡径スカート部55の短軸方向(奥行方向Y)において対向する位置に一対の内側突出片56を有している(図8参照)。
【0026】
吐出本体部2は、内容液を容器1の外部に吐出させる吐出流路を内部に有し、吐出流路の開閉機構及び内容液の発泡機構を備えている。発泡機構の詳細は後述する。
吐出本体部2は、ノズルヘッド部20と、該ノズルヘッド部20の内側に固定され且つ口首部14に内挿されるシリンダ部3とを具備している(図2参照)。ノズルヘッド部20及びシリンダ部3それぞれが、内容液の吐出流路を形成している。
【0027】
本実施形態のノズルヘッド部20は、ヘッド部21、該ヘッド部21に設けられたノズル部22、ヘッド部21の下端部から垂下する中間円筒部26、及び該中間円筒部26の下端部に連設された操作円筒部27を有しており、これら各部の内部空間が連通している。ノズルヘッド部20は、キャップ部材5の径方向外方に配置した状態で、該キャップ部材5に取り付けられる(図1及び図2参照)。具体的には、操作円筒部27の内周面に形成された案内雌ネジ突条27aを、キャップ部材5の装着円筒部54の案内雄ネジ突条54aに螺合させ、該操作円筒部27を該装着円筒部54の外周部に重ねて、キャップ部材5にノズルヘッド部20を装着する(図3及び図4参照)。すなわち、キャップ部材5にノズルヘッド部20が取り付けられた状態では、容器1の高さ方向Zにおいて装着円筒部54と操作円筒部27とが重なっている。
【0028】
本実施形態のヘッド部21は、ノズルヘッド部20の天面部を形成しており、ドーム形状のヘッド本体21aと該ヘッド本体21aから水平方向に突出した筒状の突出部21bとを有している(図3及び図4参照)。ヘッド部21は、ヘッド本体21aから突出部21bに向けて水平方向に沿った吐出流路を内部に有し、突出部21bの先端部に、吐出口を有するノズル部22が該水平方向に対し角度を有するように設けられている。ノズル部22は、水平方向に対し下方に吐出口を向けた状態で突出部21bの先端部に設けられている。ノズル部22は、その基端部の内部に整泡部材23を具備し、該整泡部材23がノズル部22内の吐出流路を閉塞している。整泡部材23は、後述する発泡機構によって発泡された内容液の泡をよりきめ細かくするための部材であり、ノズル部22からの吐出前に当該泡を整泡部材23に通過させることで、気泡を細かくすることができる。整泡部材23としては、例えばメッシュ材等の公知の多孔部材が挙げられる。
【0029】
ヘッド部21におけるヘッド本体21aの内部には、キャップ部材5に向かって垂下する下向き筒部24が設けられている。下向き筒部24は、突出部21bの内部と連通しており、該筒部24を形成する周壁のうち、径方向において突出部21bと重なる周壁が該突出部21bの径方向内方の端部から垂下し、径方向において突出部21bと重ならない周壁が、ヘッド本体21aの天面部から垂下している。ノズルヘッド部20がキャップ部材5に取り付けられた状態において、下向き筒部24は、中間円筒部26内に垂下しており、キャップ部材5における開口筒部52とヘッド装着筒部53との間の溝に挿入される(図4参照)。これにより、キャップ部材5の開口筒部52とヘッド本体21aとの間の流路を密封する。
【0030】
中間円筒部26は、ヘッド部21の下端部に連設された筒状部分であり、キャップ部材5のヘッド装着筒部53の外径よりも大きい内径を有している(図3参照)。ノズルヘッド部20がキャップ部材5に取り付けられた状態において、中間円筒部26は、ヘッド装着筒部53の径方向外方に配され、該中間円筒部26の下端部が装着円筒部54の上面に配される(図4参照)。中間円筒部26の下端部には、操作円筒部27が連設されている。中間円筒部26は、下向き筒部24の内部を介してヘッド部21の内部空間と連通している。キャップ部材5にノズルヘッド部20が取り付けられた状態において、キャップ部材5の天面開口51aは、平面視において下向き筒部24が存する範囲内に位置している。
【0031】
下向き筒部24の上方側の開口は、板状の開閉蓋部25により閉塞されている。開閉蓋部25は、下向き筒部24の上端部に連設されている。開閉蓋部25には、径方向中央に保持用貫通孔25aが形成されており、該保持用貫通孔25aよりも径方向外側に外側貫通孔25bが形成されている(図3参照)。この保持用貫通孔25aには、後述するシリンダ本体30が挿入される。
開閉蓋部25の下面には、保持用貫通孔25aの周縁から下方に突出する内側筒部25cと、外側貫通孔25bの径方向内側の周縁部から下方に突出する外側筒部25dとが形成されている。保持用貫通孔25aに後述するシリンダ本体30の縮径部31が挿入された状態で、内側筒部25cは、該縮径部31の外周面に密着する。
後述する閉位置において、開閉蓋部25は、キャップ部材5の天面開口51aを閉塞する(図4参照)。この閉塞状態において外側筒部25dは、キャップ部材5の天面開口51aの内周面に密着する。
【0032】
操作円筒部27は、中間円筒部26の外径よりも大きい内径を有する筒状部分であり、装着円筒部54の外周面に装着される(図4参照)。操作円筒部27は、前述した案内雌ネジ突条27aと案内雄ネジ突条54aとの螺合によって、装着円筒部54の周囲を回転可能に構成されている。すなわち、この回転に伴いノズルヘッド部20は、キャップ部材5に対して回転可能となっている。またノズルヘッド部20は、案内雌ネジ突条27a及び案内雄ネジ突条54aに沿って回転することで、装着円筒部54の軸方向(高さ方向)上下に移動可能となっている。
【0033】
吐出本体部2は、内容液の吐出流路の開閉機構を、キャップ部材5の天面開口51aを介してキャップ部材5の内側に配置する。本実施形態の吐出本体部2は、開閉機構として、ノズルヘッド部20内の開閉蓋部25を有する。開閉機構による吐出流路の開閉は、ノズルヘッド部20の前記の回転によって切替え可能である。
具体的には、操作円筒部27を把持してノズルヘッド部20を回転させながら上方に移動すると、内容液を吐出させる開状態となり、開状態からノズルヘッド部20を回転させながら下方に移動すると、内容液の吐出を遮断する閉状態となる。
【0034】
開状態では、ノズルヘッド部20の上方への移動に伴い開閉蓋部25も上方に移動するので、キャップ部材5の天面開口51aが開放されるとともに、開口筒部52及び下向き筒部24の内部空間が互いに連通し、さらに開閉蓋部25の外側貫通孔25bを介して、ヘッド部21及び下向き筒部24の内部空間も互いに連通する(図5参照)。これにより、吐出本体部2内部の吐出流路が開放されるので、内容液は容器1の外部に吐出可能となる。
閉状態では、下方に移動した開閉蓋部25が天面開口51aを閉塞した状態となるので、吐出本体部2内部の吐出流路が開閉蓋部25で閉塞される。これにより、内容液は容器1の外部への吐出が遮断される。
【0035】
このように、本実施形態の容器1は、吐出本体部2(ノズルヘッド部20)の回転操作によって、開状態と閉状態との切替えが行われるようになっている。斯かる回転操作は、ノズルヘッド部20の操作円筒部27を手等で把持した状態で行われる。
本実施形態の容器1は、開状態と閉状態とで、ノズルヘッド部20(吐出本体部2)の高さ方向Zの位置が変化するが、キャップ部材5及び容器本体10の高さ方向Zの位置は変化しない(図4及び図5参照)。
【0036】
本実施形態の容器1は、開状態と閉状態との切替えが、ノズルヘッド部20の90°の回転操作によって行われるようになっている。より詳細には、ノズルヘッド部20が回転する角度範囲(回動範囲)が、ノズルヘッド部20内に形成されたヘッド側ストッパ片28と、ヘッド装着筒部53の外周面に形成された一対のキャップ側ストッパ片53a,53aとによって、90°の角度範囲に規制されている。
ヘッド側ストッパ片28は、径方向において下向き筒部24よりもノズル部22から遠いヘッド本体21aの内周壁部に形成されており、径方向内方に突出している。このヘッド側ストッパ片28は、ヘッド本体21aの後部に形成され、高さ方向Zにおいてヘッド本体21aと中間円筒部26とに跨っている。
一対のキャップ側ストッパ片53a,53aは、ヘッド装着筒部53の外周方向に90°離間した位置に形成されており、該ヘッド装着筒部53の外周面から径方向外方に突出している。一方のキャップ側ストッパ片53aは、ノズルヘッド部20を回転させたときに容器1が開状態となる位置に配され、他方のキャップ側ストッパ片53aは、ノズルヘッド部20を回転させたときに容器1が閉状態となる位置に配されている。
【0037】
本実施形態のノズルヘッド部20の回転操作では、該ノズルヘッド部20の回転に伴ってヘッド側ストッパ片28がヘッド装着筒部53の外周面に沿って移動し、一対のキャップ側ストッパ片53a,53aの一方に当接することによって、その移動範囲が規制される。すなわちノズルヘッド部20の回転操作時、ヘッド側ストッパ片28は、一対のキャップ側ストッパ片53a,53a間を周方向に移動する。斯かる構成により、90°の角度範囲でノズルヘッド部20の回転を規制することができ、容器1の開閉操作をより容易に行うことができる。
【0038】
また本実施形態の容器1は、キャップ部材5の拡径スカート部55を把持した回転操作によって、キャップ部材5及び吐出本体部2の容器本体10への着脱が行われるようになっている。前述したように、キャップ部材5は、雌ネジ突条54bと雄ネジ突条14aとの螺合によって、口首部14に取り付けられているので、該螺合を解除することによって口首部14からキャップ部材5を取り外し可能となっている。本実施形態の容器1は、この取り外しにより、キャップ部材5とこれに装着された吐出本体部2とを、容器本体10の口首部14から取り外すことができる。
【0039】
本実施形態の容器1は、ノズルヘッド部20の回転で吐出本体部2内の内容液の吐出流路を開閉可能であり、キャップ部材5の拡径スカート部55の回転で該キャップ部材5が口首部14に脱着自在に取り付けられている。これら部材20,55の回転操作は、手等で把持する部分が異なっている。例えば吐出流路の開閉は操作円筒部27を把持して行い、キャップ部材5の取り外しは拡径スカート部55を把持して行う。本実施形態の容器1は、これらの回転操作の際に把持する部分が高さ方向Zに異なっており、吐出操作と取り外し操作とで操作方法を明瞭に区別することができる。しかも装着円筒部54から下方に延出する拡径スカート部55を具備することで、手で把持する部位が広範囲となり、キャップ部材5を口首部14から取り外す際の操作を容易に行うことができる。さらに、内容液を吐出させる際に、ノズルヘッド部20とキャップ部材5とが共回りすることを抑制できるので、意図しないキャップ部材5の取り外し(誤操作)を効果的に抑制することができる。本実施形態の容器1は、これら効果によって、ユニバーサルデザイン性に優れる。
また、キャップ部材5及び吐出本体部2は口首部14から着脱自在に取り付けられるので、使用済みの容器本体10に内容液を詰替えることや、使用済みの容器本体10を内容液入りの容器本体10に交換することができる。これにより、容器1の一部又は全部の再利用が可能となるので、環境負荷の低減を図ることができる。
このように本実施形態の容器1は、容器本体10(口首部14)からキャップ部材5を着脱可能でありながら、内容液を吐出する際の操作性に優れる。
【0040】
内容液を吐出させる際の回転操作をより容易にする観点から、高さ方向Zにおける操作円筒部27の長さL1(図4参照)は、好ましくは7mm以上40mm以下、より好ましくは10mm以上30mm以下である。
キャップ部材5を口首部14から取り外す際の回転操作をより容易にする観点から、高さ方向Zにおける拡径スカート部55の長さL2(図4参照)は、好ましくは5mm以上40mm以下、より好ましくは10mm以上20mm以下である。
【0041】
ノズルヘッド部20とキャップ部材5との共回りをより抑制する観点から、キャップ部材5の拡径スカート部55を把持した回転操作の回転トルクは、ノズルヘッド部20の操作円筒部27を把持した回転操作の回転トルクよりも大きくなっていることが好ましい。拡径スカート部55を把持した回転操作は、キャップ部材5を口首部14から取り外す際の回転操作であり、操作円筒部27を把持した回転操作は、内容液を吐出させる際の回転操作である。
上記と同様の観点から、回転操作の回転トルクは以下の範囲内であることが好ましい。以下に示す回転トルクの範囲は、ノズルヘッド部20の操作円筒部27を把持した回転操作の回転トルクよりも、拡径スカート部55を把持した回転操作の回転トルクが大きいことを前提とする。
拡径スカート部55を把持した回転操作の回転トルクと、操作円筒部27を把持した回転操作の回転トルクとの差は、好ましくは20N・cm以上200N・cm以下、より好ましくは40N・cm以上150N・cm以下であり、さらに好ましくは40N・cm以上100N・cm以下である。
拡径スカート部55を把持した回転操作の回転トルクは、好ましくは50N・cm以上250N・cm以下、より好ましくは50N・cm以上200N・cm以下、さらに好ましくは60N・cm以上150N・cm以下である。
操作円筒部27を把持した回転操作の回転トルクは、好ましくは10N・cm以上80N・cm以下、より好ましくは20N・cm以上60N・cm以下である。
回転トルクは、デジタルトルクメータ(日本電産シンポ株式会社 TNP-5)により測定できる。
【0042】
本実施形態の容器1は、前述したように、容器本体10の天面部13が楕円形の平面視形状を有しており(図7参照)、拡径スカート部55が楕円形の水平断面形状を有している(図8参照)。この場合、口首部14の基部には、拡径スカート部55の回転を規制する位置決めストッパー19が形成されていることが好ましい。
本実施形態の口首部14は、基部段差部15の上面に一対の位置決めストッパー19が形成されている(図6及び図7参照)。この一対の位置決めストッパー19は、基部段差部15の周方向において楕円形の平面視形状を有する天面部13の短軸上に形成されており、径方向に互いに対向している。斯かる位置決めストッパー19は、口首部14にキャップ部材5を取り付ける際、基部段差部15上で口首部14の外周面に沿って周方向に移動する内側突出片56と当接することにより、天面部13と拡径スカート部55との周縁を容易に一致させることができる。この場合、楕円形の平面視形状を有する天面部13と、楕円形の水平断面形状を有する拡径スカート部55との輪郭どうしが重なり合うように、キャップ部材5が口首部14に取り付けられる。
【0043】
本実施形態の容器1は、口首部14が一対の位置決めストッパー19を有し、拡径スカート部55が内側突出片56を有することで、口首部14に対するキャップ部材5の回転を規制する。斯かる構成により、口首部14と装着円筒部54との螺着又は螺脱の際に必要な締め付け力(トルク)が過度に高くなることを抑制することができ、口首部14に対するキャップ部材5の着脱の操作性をより向上できる。例えば、位置決めストッパー19と内側突出片56との当接により、口首部14に対する装着円筒部54の締め付け力が過度に高くなることを抑制できる。この場合、キャップ部材5を取り外す際に、口首部14に対する装着円筒部54の締め付けを容易に緩ませることができる。
【0044】
本実施形態の吐出本体部2は、内容液を空気と混合して、該内容液を発泡させた状態でノズル部22から吐出させる、発泡機構を備えている。発泡機構は、例えば特開2018-177281号公報に開示の公知の機構を採用することができる。
本実施形態の発泡機構は、吐出本体部2の内部に設けられたシリンダ部3である(図2図5参照)。本実施形態のシリンダ部3は、シリンダ本体30と、該シリンダ本体30に嵌合した状態で保持されるシリンダ下部40とを備えている。シリンダ部3は、シリンダ本体30の縮径部31が、開閉蓋部25の保持用貫通孔25a内に挿入され、該開閉蓋部25に嵌合されており、高さ方向Zにおいてキャップ部材5の開口筒部52から口首部14の下端近傍にかけて垂下した状態で保持されている(図4参照)。
【0045】
シリンダ本体30は、円筒状の基部円筒部33と、該基部円筒部33から上方に向かって突出する略円錐筒状の縮径部31と、基部円筒部33内に挿入されて垂下する本体側筒体35とを有している(図4参照)。縮径部31は、上方嵌合部31aと、該上方嵌合部31aの下端縁部から下方に延設された側部開口筒部31bとを有している。縮径部31において上方嵌合部31aは、シリンダ本体30において開閉蓋部25の保持用貫通孔25aに挿入される部分であり、上方嵌合部31aの外周面が、保持用貫通孔25a及び内側筒部25cの各内周面と密着する。側部開口筒部31bは、外周面における径方向に対向する位置に開口を有しており、該開口を介して、開口筒部52とシリンダ本体30との内部空間どうしが連通している。
【0046】
基部円筒部33は、本体側筒体35の上端部の外径に対応する内径を有し、該本体側筒体35が基部円筒部33内に下方から挿入されて嵌合されている。基部円筒部33の外周面には、径方向外方に張り出した断面形状がL字状の弁固定部33aが形成されている。弁固定部33aは、基部円筒部33の周方向に沿って複数形成されており、弁固定部33aと基部円筒部33との間に逆止弁34が嵌合によって固定されている。
逆止弁34は、弁固定部33aと基部円筒部33との間に固定される嵌合基部と、該嵌合基部から径方向外方に向かって張り出した環状且つ膜状の弁膜部とを有している。逆止弁34の弁膜部は、弾性変形性を有し、ノズルヘッド部20の上下移動に伴って、キャップ部材5及び口首部14の吐出流路を開放又は遮断する。具体的には開状態では、弁膜部の先端部がヘッド装着筒部53の下端部に当接する(図5参照)。これにより、ヘッド装着筒部53と口首部14との内部空間どうしの連通を遮断する。閉状態では、弁膜部の先端部がヘッド装着筒部53の下端部から離間するので、ヘッド装着筒部53と口首部14との内部空間どうしが連通する。このようにして逆止弁34は、開状態において口首部14からキャップ部材5内に内容液が直接流出することを抑制し、閉状態においてキャップ部材5内の内容液を口首部14内に直接回収する。
【0047】
本体側筒体35の外周面には、逆止弁34よりも下方に、径方向外方に張り出した断面形状がL字状の嵌合片35cが、周方向に間欠的に形成されている。閉状態では、周方向における嵌合片35cどうし間の隙間を介して、キャップ部材5内の内容液が口首部14内に流入する。
【0048】
また本体側筒体35の外周面には、径方向外方に張り出した断面形状がL字状の固定部35dが形成されている。固定部35dは、周方向に連続した環状に、又は周方向に間欠的に設けられている。本体側筒体35と固定部35dとの間には、シリンダ下部40の外筒部41の上端部が配され、該外筒部41を本体側筒体35の外周面に沿わせた状態で該シリンダ下部40を保持する。
【0049】
本体側筒体35は、上端部が基部円筒部33に嵌合し、該基部円筒部33から下方に延出している(図4参照)。本体側筒体35は、基部円筒部33に嵌合された部分よりも下方側の内部の吐出流路が発泡部材35aにより閉塞されている。発泡部材35aには、内容液を発泡し得るものを特に制限なく用いることができ、例えばスポンジ等の多孔質体や、複数のメッシュを重ね合わせてなるメッシュ積層体等を用いることができる。
【0050】
本体側筒体35は、発泡部材35aが位置する部分(以下、「発泡部位」ともいう。)から下方に延びる下方部分が延設されている。下方部分は、内径が発泡部位の内径よりも小さくなっており、発泡部材35aの直下に混合室35bを有している。本体側筒体35は、混合室35bの下方に挿し込み部36を有している。挿し込み部36は、下方部分の内周面から径方向内方に向かって斜めに張り出した連結片と連結しており、該連結片の先端から下方に延びる柱状形状を有している。連結片は挿し込み部36の周方向に間隔を空けて複数形成されている。挿し込み部36は、下端部が、シリンダ下部40の内筒部43の内部に挿入されている。
【0051】
本体側筒体35の下端部には周方向の一部に開口が設けられている。この開口は、シリンダ下部40の外筒部41の下端部に設けられた開口と重なって、収容空間S内の空気をシリンダ本体30内に導入する空気導入口61となっている。
【0052】
シリンダ下部40は、外筒部41と、該外筒部41の下端部から下方に延在する下部筒部42と、該外筒部41の径方向内方に配され該外筒部41の底部から上方に延在する内筒部43とを有している(図4参照)。外筒部41と内筒部43との間には本体側筒体35が挿入されており、該内筒部43は、本体側筒体35との間に隙間をあけて配されている。斯かる隙間は、空気導入口61と連通しており、本体側筒体35に空気を導入する導入流路となっている。
【0053】
内筒部43は、内周面にリブ44が形成されており、該リブ44が、本体側筒体35内の挿し込み部36を径方向外側から支持している。リブ44は、内筒部43の周方向に間欠的に設けられている。
下部筒部42は、内筒部43と内部空間が連通しており、該下部筒部42内に液供給パイプ60が挿入された状態で保持されている。
【0054】
液供給パイプ60は、下部筒部42から胴部11の収容空間Sに延びている。液供給パイプ60は、下部筒部42の内径に対応する外径を有し、一端が本体側筒体35の内部に接続し、他端が容器本体10の底部16近傍まで達している。容器本体10の胴部11を押圧変形(スクイズ)した場合、胴部11の内圧上昇により、収容空間S内の内容液が液供給パイプ60を介して本体側筒体35に導入される。
【0055】
本実施形態の容器1は、以下のように、容器本体10内の内容液を泡として外部に吐出する。
先ず、ノズルヘッド部20の操作円筒部27を手等で把持し、ノズルヘッド部20を閉状態から開状態に回転させる。これにより、ノズルヘッド部20、キャップ部材5、及びシリンダ部3の内部空間が連通し、これら内部空間により形成された吐出流路が開放される。
次に、胴部11を手等で把持して押圧変形(スクイズ)させることで、胴部11内の収容空間Sの内圧を上昇させる。これにより、収容空間Sに収容された内容液は、前記内圧によってシリンダ部3、キャップ部材5、及びノズルヘッド部20の内部空間によって形成された吐出流路を通じて、泡として容器1の外部に吐出される。具体的には、内容液は、収容空間Sから液供給パイプ60を通じて内筒部43内に供給され、挿し込み部36を連結する連結片どうし間から本体側筒体35の混合室35bに導入される。また前記内圧の上昇により、空気導入口61から内筒部43と本体側筒体35との間の隙間を通じて、収容空間S内の空気が混合室35bに導入される。混合室35bでは、導入された内容液と空気とが混合され、内容液が発泡する。混合室35bで発泡された内容液は、発泡部材35aを通過することでさらに発泡し、本体側筒体35から、縮径部31の側部開口筒部31b、開口筒部52の内部、外側貫通孔25b、ヘッド本体21a、及び突出部21bの順に送られ、整泡部材23を通過し、ノズル部22の吐出口から吐出される。
【0056】
上述した実施形態の吐出本体部2及びキャップ部材5は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂や、ポリ乳酸等のバイオプラスチックを用いた金型成形品であり、好ましくは射出成形方法によって形成されている。
【0057】
本発明の容器は、図1図9に示す実施形態に限定されない。以下に、本発明に係る容器の別の実施形態について説明する。以下では、別の実施形態について、図1図9に示す実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図1図9に示す実施形態についての説明が適宜適用される。
【0058】
図10に示す容器1aは、ノズル部22aが吐出口221と、該吐出口221の周囲の位置から該ノズル部22aの軸方向に沿って延びる複数のスリット222とを有している。複数のスリット222は、吐出口221と連続しており、該吐出口221の周方向に間隔を空けて形成されている。スリット222は、筒状のノズル部22aにおいて周方向に間欠的に設けられた切り欠き部であり、該ノズル部22aの軸方向に延在している。
本実施形態のノズル部22aは、吐出口221と該吐出口221から放射状に延びる複数のスリット222とを介して内容液の泡を吐出させるので、スリット222に対応した放射線状の稜線を有する泡を形成することができる。すなわち意匠性が高い泡が得られる。
本実施形態のノズル部22aとしては、特開2020-179870号公報に記載のものを採用することができる。
また泡の保形性をより向上させる観点から、容器1aが収容する内容液は、アニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。斯かる内容液としては、特開2020-179870号公報に記載のものを採用することができる。
【0059】
本発明の容器は、上述した構成部材以外に他の構成部材を具備していてもよい。
例えば図11に示すように、容器1bは、ノズル部22に取り付けられるアタッチメント7を備えていてもよい。アタッチメント7は、略円筒形状を有する筒状部70からなり、該筒状部70の一方の開口に設けられた多孔部72と、該一方の開口から筒状部70の軸方向に離間し且つ筒状部70の径方向外方に突出するフランジ部73と、吐出口である他方の開口71aと連続し且つ該筒状部70の周方向に間隔を空けて形成された複数の第2開口71bと、を含んでいる。アタッチメント7は、多孔部72が設けられた方の端部の外径が、ノズル部22の吐出口の内径に対応しており、当該端部をノズル部22に挿入した状態で取り付けられる。すなわちアタッチメント7は、ノズル部22の吐出口と接続可能である。アタッチメント7は、筒状部70の軸方向が水平方向又は該水平方向に対し下方に傾斜した状態となるように、ノズル部22に接続される。
フランジ部73は、筒状部70よりも外径が大きい部分であり、ノズル部22にアタッチメント7を挿入配置するときのアタッチメント7の移動量を規制する。
アタッチメント7における多孔部72は、複数の貫通孔が形成されたメッシュ状の膜状体である。多孔部72の貫通孔の目開きを、前述した整泡部材23及び発泡部材35aそれぞれよりも小さくすることで、該多孔部72を通過する内容液の泡をよりきめ細かくすることができる。多孔部32を形成する膜状体には、例えばナイロン、ポリエステル等を用いることができる。
【0060】
本実施形態の容器1bは、アタッチメント7の軸方向における多孔部72とは反対側に位置する開口71a(以下、「第1開口71a」ともいう。)が、該容器1bの内容液の吐出口となる。アタッチメント7は、筒状部70の周方向に間欠的に形成された第2開口71bが、筒状部70の軸方向に延在しており、第1開口71aと連続している(図11参照)。これに代えて、アタッチメント7は、1個の第2開口71bを有していてもよい。
本実施形態の容器1bは、上述したアタッチメント7を具備することで、きめ細かい泡を吐出することができ、該泡の保形性を向上することができる。また、吐出口となる第1開口71aと筒状部70の軸方向に延在する第2開口71bとを通る泡の流れによって、所望の形状の泡を形成することができる。これにより、泡の見映えを向上させることができる。
本実施形態のアタッチメント7としては、国際公開第2020/110331号パンフレットに記載のものを採用することができる。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態は、容器本体10の天面部13が楕円形の平面視形状を有し、拡径スカート部55が楕円形の水平断面形状を有するものであったが、天面部13の平面視形状及び拡径スカート部55の水平断面形状は、楕円形に限定されず、円形、四角形等の多角形等の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 スクイズ吐出容器(容器)
2 吐出本体部
3 シリンダ部
5 キャップ部材
10 容器本体
11 胴部
11a 括れ部
13 天面部
14 口首部
14a 雄ネジ突条
15 基部段差部
16 底部
19 位置決めストッパー
20 ノズルヘッド部
21 ヘッド部
21a ヘッド本体
21b 突出部
22 ノズル部
23 整泡部材
24 下向き筒部
25 開閉蓋部
25a 保持用貫通孔
25b 外側貫通孔
25c 内側筒部
25d 外側筒部
26 中間円筒部
27 操作円筒部
27a 案内雌ネジ突条
28 ヘッド側ストッパ片
30 シリンダ本体
31 縮径部
31a 上方嵌合部
31b 側部開口筒部
33 基部円筒部
33a 弁固定部
34 逆止弁
35 本体側筒体
35a 発泡部材
35b 混合室
35c 嵌合片
35d 固定部
36 挿し込み部
40 シリンダ下部
41 外筒部
42 下部筒部
43 内筒部
44 リブ
51 キャップ天面部
51a 天面開口
52 開口筒部
53 ヘッド装着筒部
53a キャップ側ストッパ片
54 装着円筒部
54a 案内雄ネジ突条
54b 雌ネジ突条
55 拡径スカート部
56 内側突出片
57 膨出部
60 液供給パイプ
61 空気導入口
S 収容空間
X 幅方向
Y 奥行方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11