(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024137164
(43)【公開日】2024-10-07
(54)【発明の名称】ロングノズル、連続鋳造装置及び鋳片の製造方法
(51)【国際特許分類】
B22D 41/50 20060101AFI20240927BHJP
B22D 41/58 20060101ALI20240927BHJP
B22D 11/106 20060101ALI20240927BHJP
B22D 11/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B22D41/50 520
B22D41/58
B22D11/106 A
B22D11/10 360C
B22D11/10 320F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048575
(22)【出願日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100174285
【弁理士】
【氏名又は名称】小宮山 聰
(72)【発明者】
【氏名】開澤 昭英
(72)【発明者】
【氏名】青木 雅門
【テーマコード(参考)】
4E004
4E014
【Fターム(参考)】
4E004FB10
4E014DB01
(57)【要約】
【課題】空気の侵入を効果的に抑制することができるロングノズルを提供する。
【解決手段】ロングノズル10は、溶鋼鍋の溶鋼排出装置の下部ノズル221と接続されるロングノズルであって、下部ノズル221に向かってガスを噴射する吐出口を有し、吐出口から下部ノズル221の外周面までの距離Lが3mm以上10mm以下であり、吐出口からロングノズル10の上端までの距離である高さHが10mm以上50mm以下である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶鋼鍋の溶鋼排出装置の下部ノズルと接続されるロングノズルであって、
前記下部ノズルに向かってガスを噴射する吐出口を有し、
前記吐出口から前記下部ノズルの外周面までの距離Lが3mm以上10mm以下であり、
前記吐出口から前記ロングノズルの上端までの距離である高さHが10mm以上50mm以下である、ロングノズル。
【請求項2】
請求項1に記載のロングノズルと、
前記下部ノズルとを備える、連続鋳造装置。
【請求項3】
請求項2に記載の連続鋳造装置を使用して鋳片を製造する工程を備える、鋳片の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロングノズル、連続鋳造装置及び鋳片の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造装置では、ロングノズルと呼ばれるノズルを用いて、溶鋼鍋(取鍋)からタンディッシュへ溶鋼を注入する。
【0003】
特開2011-212721号公報には、メタルケースを備えるロングノズルが開示されている。このロングノズルは、メタルケースとノズル本体の耐火物との間に不活性ガスを噴き出す第1のガス噴出口が設けられるとともに、メタルケースの上端面に第2のガス噴出口が複数設けられている。
【0004】
特開平5-31556号公報には、上部に位置するノズルとの上端部での気密嵌合部が、下側の嵌合テーパ面と上側の球面により構成される連続鋳造用ノズルが開示されている。この連続鋳造用ノズルは、下側の嵌合テーパ面が上部に位置するノズルの下側の嵌合面との間での有効嵌合率が65%を満たす気密嵌合面であり、上側の球面が気密嵌合補助球面である。
【0005】
特開平8-19855号公報には、溶鋼流出用の下部ノズルと接合する溶融金属注入用のノズルが開示されている。このノズルには、不活性ガス吹出口とノズル内部にあるガス均圧室とを結ぶガス流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-212721号公報
【特許文献2】特開平5-31556号公報
【特許文献3】特開平8-19855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
連続鋳造装置では、運転中に溶鋼鍋が取り替えられる場合がある。そのためロングノズルは、溶鋼鍋の溶鋼排出装置の下部ノズル(以下、単に「下部ノズル」という。)との接続を短時間で行える構造であって、かつ、空気の侵入を効果的に抑制できる構造であることが好ましい。
【0008】
特開2011-212721号公報、特開平5-31556号公報及び特開平8-19855号公報にも記載されているように、下部ノズルとロングノズルとの嵌合部にパージガスを噴射して、嵌合部からロングノズル内への空気の侵入を抑制することが行われている。一方、サクション効果によってパージガスに空気が随伴される場合があり、嵌合部の構造によっては、パージガスの流量を大きくしてもロングノズル内への空気の侵入を十分に抑制できない場合がある。
【0009】
本発明の課題は、空気の侵入を効果的に抑制することができるロングノズル、及び連続鋳造装置を提供することである。本発明の他の課題は、不純物の少ない鋳片の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるロングノズルは、溶鋼鍋の溶鋼排出装置の下部ノズルと接続されるロングノズルであって、前記下部ノズルに向かってガスを噴射する吐出口を有し、前記吐出口から前記下部ノズルの外周面までの距離Lが3mm以上10mm以下であり、前記吐出口から前記ロングノズルの上端までの距離である高さHが10mm以上50mm以下である。
【0011】
本発明の一実施形態による連続鋳造装置は、上記のロングノズルと、上記の下部ノズルとを備える。
【0012】
本発明の一実施形態による鋳片の製造方法は、上記の連続鋳造装置を使用して鋳片を製造する工程を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロングノズル内への空気の侵入を効果的に抑制することができる。また、本発明によれば、不純物の少ない鋳片を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるロングノズルを含む、連続鋳造装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態によるロングノズルと下部ノズルとの接続部分の構成を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態によるロングノズルの部分断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるロングノズルと下部ノズルとの接続部分を拡大して示す断面図である
【
図5】
図5は、本実施形態の変形例のロングノズルの構成を模式的に示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、実施例で使用した試験装置のブロック図である。
【
図7】
図7は、実施例で使用した試験装置の模式図である。
【
図8】
図8は、距離Lと空気吸込量との関係を示すグラフである。
【
図9】
図9は、高さHと空気吸込量との関係を示すグラフである。
【
図10】
図10は、実施例及び比較例の吸N量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるロングノズル10を含む、連続鋳造装置1の要部の構成を模式的に示す断面図である。連続鋳造装置1は、溶鋼鍋21、溶鋼排出装置(例えばスライディングノズル装置)22、ロングノズル10、タンディッシュ23、浸漬ノズル24及び鋳型25を備えている。
【0017】
連続鋳造装置1では、まず溶鋼鍋21からタンディッシュ23に溶鋼が注入され、次いでタンディッシュ23から鋳型25に溶鋼が注入される。溶鋼鍋21からタンディッシュ23への溶鋼の注入はロングノズル10を用いて、タンディッシュ23から鋳型25への溶鋼の注入は浸漬ノズル24を用いて、それぞれ溶鋼を空気から遮断した状態で行われる。ロングノズル10は溶鋼鍋21の溶鋼排出装置22の下部ノズル221に接続される。
【0018】
図2は、ロングノズル10と下部ノズル221との接続部分の構成を模式的に示す断面図である。
図3は、ロングノズル10の部分断面図である。ロングノズル10は、ノズル本体11、ケース12及びガス導入管13を備えている。
【0019】
ノズル本体11は、例えば耐火物からなる。ノズル本体11は、概ね筒状の形状を有しており、ノズル本体11の上端部には、下部ノズル221を嵌合させるための凹部11aが形成されている。
【0020】
ケース12は、例えば金属からなる。ケース12は、ノズル本体11の外周及び上端部を覆って形成されている。ケース12の上端部には、下部ノズル221を挿入するための開口12aが形成されている。また、ケース12の上端部の開口12aに隣接する位置には、他の部分よりも厚さの大きい厚肉部121が形成されている。
【0021】
ノズル本体11の外周面とケース12の内周面との間には、周方向の全体に亘って所定の大きさの隙間が設けられており、この隙間によって、ノズル本体11の周方向の外側に均圧室10aが形成されている。また、ノズル本体11の上端面とケース12との間にも所定の大きさの隙間が設けられており、この隙間によって、均圧室10aから下部ノズル221側の空間へ連続するスリット10bが周方向の全体に亘って形成されている。
【0022】
ガス導入管13は、均圧室10aにガスを導入できるように形成されている。ガス導入管13から均圧室10aにガスを導入することによって、このガスが周方向全体から、スリット10bを通って下部ノズル221に向かって噴射される。
【0023】
図3では、ガス導入管13から導入されるガスの流れを矢印で模式的に示している。ロングノズル10は、下部ノズル221に向かってガスを水平に噴射できる構造であることが好ましい。そのためスリット10bは、水平面(ロングノズル10の軸方向と垂直な平面)に平行に形成されていることが好ましい。
【0024】
下部ノズル221は、ノズル本体11の凹部11aに嵌合している。下部ノズル221は、下部ノズル221とノズル本体11とが密着するように、例えば所定の大きさの荷重でノズル本体11に押し当てられている。しかし、下部ノズル221及びノズル本体11の表面の凹凸等により、下部ノズル221とノズル本体11との間に微小な隙間が生じている場合がある。また、下部ノズル221及びノズル本体11の内側には溶鋼流が発生している。この溶鋼流によって、下部ノズル221とノズル本体11との嵌合部から空気が吸い込まれる場合がある。
【0025】
本実施形態では、スリット10bから下部ノズル221に向かってパージガス(例えばArガス)を噴射する。これによって、下部ノズル221とノズル本体11との嵌合部からのロングノズル10内への空気の侵入を抑制する。一方、サクション効果によってパージガスに空気が随伴される場合があり、嵌合部の構造によっては、パージガスの流量を大きくしてもロングノズル10内への空気の侵入を十分に抑制できない場合がある。
【0026】
図4は、ロングノズル10と下部ノズル221との接続部分を拡大して示す断面図である。本実施形態では、ガスの吐出口から下部ノズルの外周面までの距離Lが3mm以上10mm以下である。
【0027】
距離Lは、より具体的には、スリット10bの開口部から下部ノズル221の外周面までの距離(水平方向(ロングノズル10の径方向)の距離)である。距離Lは、より詳しくは、スリット10bの高さ方向(ロングノズル10の軸方向)の中心を通る水平面における、スリット10bの開口部P1から下部ノズル221の外周面P2までの距離とする。
【0028】
パージガスの噴射に伴う空気の随伴量は、二次元壁面噴流の場合、下記の式(1)及び(2)で表すことができる(N.ラジャラトナム原著、野村安正訳、「噴流」、森北出版、1981年)。
QAir=Q-Q0 (1)
Q=Q0・0.248・x/b (2)
【0029】
ここで、Q
Airは単位長さ(スリット10bの周方向の単位長さ。以下同じ。)あたりの空気の随伴量、Qは点Px(
図4を参照)における単位長さあたりの噴流(パージガスと空気との合成噴流)の流量、Q
0は単位長さあたりのパージガスの流量、xはガスの吐出口から点Pxまでの水平方向の距離(
図4を参照)、bはスリット幅(スリット10bのロングノズル10の軸方向の寸法(
図4を参照))である。なお、スリット幅bは特に限定されないが、例えば0.25~1.5mmである。
【0030】
式(1)及び(2)から分かるとおり、ガスの吐出口からの距離xが大きくなるほど、空気の随伴量が大きくなる。そのため、ガスの吐出口から下部ノズル221の外周面P2までの距離Lを小さくすることで、空気の随伴量を小さくすることができる。距離Lを10mm以下にすることによって、下部ノズル221とノズル本体11との嵌合部からの空気の吸込みをより効率的に抑制することができる。距離Lの上限は、より好ましくは8mmであり、さらに好ましくは5mmである。
【0031】
一方、距離Lが小さすぎると、下部ノズル221をノズル本体11に設置する際の作業性が低下する。具体的には、下部ノズル221とケース12とが接触する可能性があり、最悪の場合には下部ノズル221をノズル本体11に設置できなくなる可能性がある。そのため、距離Lの下限は3mmとする。
【0032】
本実施形態ではさらに、ガスの吐出口からロングノズル10の上端までの距離である高さHが10mm以上50mm以下である。
【0033】
高さHは、より具体的には、スリット10bの開口の上端P3から、厚肉部121の上端P4までの鉛直方向(ロングノズル10の軸方向)の距離である。なお、厚肉部121の内周面121a(下部ノズル221と対向する面)は鉛直方向と平行な面であることが好ましく、また、内周面121aはスリット10bの開口と径方向の位置が揃っていることが好ましい。
【0034】
高さHを10mm以上とすることで、スリット10bから噴射するガスの流れを上向きにすることができる。これによって、空気の巻込みをさらに抑制することができる。高さHの下限は、好ましくは13mmであり、さらに好ましくは23mmである。
【0035】
一方、高さHが大きすぎると、嵌合部の視認性が低下し、下部ノズル221をノズル本体11に設置する際の作業性が低下する。そのため、高さHの上限は50mmとする。高さHの上限は、好ましくは40mmである。
【0036】
このように、距離Lを3mm以上10mm以下にし、さらに高さHを10mm以上50mm以下にすることによって、噴射ガスによる空気の巻込みを抑制することができる。これによって、ロングノズル10内への空気の侵入を効果的に抑制することができる。
【0037】
噴射するパージガスの流量は特に限定されないが、例えば50~1000NL/分である。噴射するパージガスの流量を変えても、噴流が空気を随伴するメカニズムは同じであるため、距離L及び高さHの適切な範囲は変わらないと考えられる。噴射するパージガスの流量は、好ましくは100~500NL/分である。
【0038】
以上、本発明の一実施形態によるロングノズル10、及びロングノズル10を備えた連続鋳造装置1を説明した。本実施形態によるロングノズル10によれば、ロングノズル10内への空気の侵入を効果的に抑制することができる。そのため、ロングノズル10を備えた連続鋳造装置1で鋳片を製造することによって、窒素等の不純物の少ない鋳片を製造することができる。
【0039】
上記では、ケース12の上端部に厚肉部121が形成されている場合を説明したが、ロングノズル10の構成はこれに限定されない。ロングノズル10は、ガスの吐出口からロングノズル10の上端までの距離である高さHが10mm以上50mm以下であればよい。例えば、ケース12の上端部の全体を厚肉にすることによって、高さHを10mm以上50mm以下にしてもよい。また、ケース12とは別の部品をケース12等に取り付けることで高さHを10mm以上50mm以下にしてもよい。
【0040】
上記では、ガスを噴射する構成の一例として、ノズル本体11とケース12との間に隙間を設けてスリット10bを形成する場合を説明した。ロングノズル10は、下部ノズル221に向かってガスを噴射する吐出口を有していればよく、ガスを噴射するための具体的な構成は任意のものを用いることができる。
【0041】
図5は、本実施形態によるロングノズルの変形例であるロングノズル10Aの構成を模式的に示す部分断面図である。ロングノズル10Aは、ロングノズル10(
図3)のスリット10bに代えて、ノズル本体11に形成された複数の貫通孔11bを有している。貫通孔11bの各々は、均圧室10aから下部ノズル221側の空間へ連続するように形成されている。ロングノズル10Aの構成によっても、パージガスを下部ノズル221に向かって噴射することができる。この他に例えば、ノズル本体11とケース12との間に多孔質の耐火材を配置して、この多孔質の耐火材からパージガスを噴射する構成としてもよい。
【0042】
上記では、ロングノズル10Aがノズル本体11とケース12とからなる場合を説明したが、これに代えて、例えば単一の部材を加工して均圧室10aやスリット10bに相当する空間を形成するようにしてもよい。
【実施例0043】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0044】
[実施例1]
距離L及び高さHを変えた複数のロングノズルを作製して、パージ効果の検証のための試験を行った。スリット幅b(
図4)は0.5mmとした。
図6は、この試験に使用した試験装置のブロック図であり、
図7は、この試験装置の模式図である。ロングノズルは、上端側の300mmの部分のみを使用し(下端側を切断し)、下端側の開口を密閉容器で覆って閉塞した。下部ノズルの溶鋼注入口上端はガスホースと接続し、ポンプ、流量計、圧力計及び酸素濃度計を接続した。
【0045】
ロングノズルのガス導入管から300LNL/分のArガスを供給した。また、下部ノズルの溶鋼注入口上端からポンプで10NL/分でガス(パージガスであるArガスと、嵌合部から侵入する空気との混合ガス)を吸引した。この吸引速度は、溶鋼流によって随伴されると想定される流量である。吸引したガスの酸素濃度を連続分析し、定常状態の酸素濃度から吸い込まれた空気量を求め、パージ効果を検証した。空気吸込量の目標値を1NL/分以下とした。
【0046】
図8及び
図9に試験結果を示す。
図8に示すように、長さLを短くするほど空気の吸込量は低減した。また、
図9に示すように、高さHを大きくするほど空気の吸込量は低減した。長さLを10mm以下、高さHを10mm以上とすることで、目標値である空気吸込量1NL/分以下を達成することができた。
【0047】
[実施例2]
次に、距離L=8mm、高さH=23mmのロングノズルを用いて、タンディッシュに溶鋼を注入する試験を行った。パージガスとしてArガスを使用した。Arガスの元圧は概ねゲージ圧0.1MPa、総流量は300NL/分であった。このロングノズルを用いて溶鋼鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入し、その際の吸N量を評価した。吸N量は前工程である二次精錬での処理後に採取したメタルサンプルと、タンディッシュの注入側で採取したメタルサンプルとのN含有量の分析値[N]の差で評価した。また、比較例として、距離L=13mm、高さH=3mmのロングノズルを用いて同様の試験を行った。
【0048】
結果を
図10に示す。比較例のロングノズルでは約1ppmの吸Nが認められた。下部ノズルとロングノズルとの嵌合部から空気を巻込み、溶鋼が吸Nしたものと考えられる。一方、実施例のロングノズルでは吸N量が約0.4ppmと大幅に低減していた。ロングノズルの構造を変更することで、空気の巻込量が大幅に低減したと考えられる。
【0049】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示にすぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、発明の範囲内で、上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。